JPH0650240A - 燃料噴射ポンプのための低温時用始動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温時用始動装置の油圧タペットへ液体を吐
出する間、常に一定の圧力比を保ち、かつ最大に設定さ
れた液体量を液体−畜圧器内に畜圧すること。 【構成】 液体−畜圧器１８、３６が係止装置４１、４
５を備えており、この係止装置が点火スイッチ３０に接
続されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、請求項１の上位概念部
に記載の形式の燃料噴射ポンプのための低温時用始動装
置に関するものであって、例えば自動車の一気筒及び多
気筒の内燃機関のために使用することができる。

【０００２】

【従来の技術】ＤＥ−ＯＳ第２９３２６７２号明細書か
ら、本発明の上位概念部に記載の形式の低温時用始動装
置に対して、圧力供給ポンプの下流側に逆止弁及び制御
弁、これら両方の弁の間に畜圧器を設けることが公知で
あり、この畜圧器は、制御弁が比較的大きな流過横断面
で開放されたさいに、油圧タペット内に収容可能な油量
を増大させる。畜圧器が実際の導管の側方に配置され、
それ故にこの導管に接続させるための接続手段が必要で
あることは度外視しても、油圧タペット内への収容のさ
いの圧力比は十分には規定されない。このような低温時
用始動装置では、エンジンの始動によって急激に、油圧
タペット内において所定の時間にわたって必要な即ち十
分に高い油圧を有する最大の油間隙が、所定の早め調節
を生ぜしめるために作用し、かつ所定の温度に達したさ
いこの油間隙が消えて、即ち無くなる、という問題があ
る。

【０００３】

【発明の効果】本発明は、油圧タペットへの液体の全吐
出中に所定の圧力比を保ち、かつ液体−畜圧器内におい
て最大に設定された液体量を畜圧することが可能であ
る。係止装置は、自動車の内燃機関が十分に加熱された
さいに、液体−畜圧器を完全に遮断することが可能であ
る。電磁石を制御弁に配属させることによって、制御弁
の迅速かつ確実な操作が保証される。

【０００４】低温時用始動装置を、同時に自動車の点火
スイッチでもある点火スイッチに接続することによって
簡単な操作が可能になる。有利にはこの接続部において
は、点火スイッチのオフ−位置の隣に第１の切替え位置
が電磁弁の開口として、第２の切替え位置が液体−畜圧
器の開放に役立つ。

【０００５】低温時用始動の条件がもはやなくなった場
合、要するに内燃機関が十分な温度に加熱された場合、
膨張ユニット、例えば温度に関連して作動するストレン
ゲージ発信器は、低温時用始動装置の効力を制限するス
イッチに作用し、該スイッチは、電磁石によって元に戻
されかつ出発位置に押し戻されたピストンをロックす
る。

【０００６】制御弁と同様に係止装置にも、操作のため
の電磁石が設けられている。この場合係止装置は、シリ
ンダとして構成された畜圧器から突出しかつピストンに
固定されたロッドに、又はシリンダを通って直接ピスト
ンに作用することができる。

【０００７】本発明の更に別の詳細な特徴は、以下の図
面に記載されている。

【０００８】

【実施例】図１には油圧タペット１が示されており、該
油圧タペットは、カム２上を転動するローラ３、ケーシ
ング４内を摺動するタペット本体５、このタペット本体
５内で移動可能なタペットピストン６、部分的にタペッ
ト本体５内にはめ込まれかつ圧縮ばね１０によって負荷
されたキャップ形のカバープレート７、及びピストン８
の、タペットピストン６にばね受け４４を介して当接し
ているピストン脚部８１を有している。圧縮ばね９は、
一方ではカバープレート７に対して、他方ではピストン
脚部８１を軸方向に固定するばね受け４４に支持されて
いる。ピン１１はタペットピストン６の回動を防ぐのに
役立つ。ケーシング４内及びタペット本体５内の液体通
路１２は、液体の供給に役立つ。この液体は、圧力室と
して作用しかつタペット本体５とタペットピストン６と
の間にすでに部分的に形成されている間隙４３を、タペ
ット本体５とタペットピストン６との隣合う前面が符号
ａで特徴付けられた所定の範囲までタペットピストン６
のストロークに相応して互いに離れるように、拡大す
る。油圧タペット１の全ての部分は、ポンプピストン８
の縦軸線Ｘ−Ｘに対して同軸に配置されている。

【０００９】油圧タペット１は液体導管１３を介してフ
ィードポンプ１４に接続されており、該フィードポンプ
はここでは図示されていない別の内燃機関に所属してお
り、上記フィードポンプにはタンク１５が所属してい
る。フィードポンプ１４から下流側へ延びている液体導
管１３には、別の系への分岐導管１６及び順次に逆止弁
１７、液体−畜圧器１８、３ポート２位置切換弁１９が
あり、該３ポート２位置切換弁は電磁石２０によって操
作される。要するに上記の制御弁１９は、３つの接続部
及び２つの位置を有する電磁弁である。

【００１０】液体−畜圧器１８はシリンダ２１から成っ
ており、該シリンダ内では、圧縮ばね２２と協働するピ
ストン２３が矢印２４の方向に移動可能である。このピ
ストン２３にはロッド２５が固定されており、該ロッド
はシリンダ２１から突出しかつ部分的にのみ図示されて
いるケーシング２６内に侵入している。このケーシング
２６内には、電磁石２７及びばね２８によって操作され
る可動子２９があり、該可動子はピストンロッド２５の
係止切欠き３０に相応している。構造部分２６から３０
までは、係止装置４５を構成している。

【００１１】直流電源３１（例えば１２ボルトの乗物の
バッテリー）から電気導線３２は点火スイッチ３３に通
じており、この点火スイッチは３つの切替え位置３３
１、３３２、３３３取ることができ、これら３つのうち
の１つの切替え位置３３１は“オフ”を意味している。
これら３つのうちの別の２つの切替え位置３３２、３３
３は、リミットスイッチ３４を介して、電磁弁１９への
導線３２１へかつ電磁石２７への導線３２２へ接続され
ており、また電磁弁１９及び係止装置４５の操作を可能
にする。リミットスイッチ３４は、例えばストレンゲー
ジ発信器によって形成された膨張ユニット３５に接続さ
れており、該膨張ユニットは機関が加熱されたさいに膨
張し、かつそれに相応してスイッチ３４の切替えを生ぜ
しめる。

【００１２】図１に記載されている位置では、本発明の
低温時用始動装置は始動前、即ち点火スイッチ３３がオ
フ−位置３３１にあり、制御弁１９は閉じられかつシリ
ンダ２１は油を充填されており、この油は、逆止弁１７
によってフィードポンプ１４へも制御弁１９によって油
圧タペット１へも漏出することはない。点火スイッチ３
３が、低温時用始動のさいに通常そうであるように、切
替え位置３３１から切替え位置３３２へ、及びそのすぐ
後に切替え位置３３３へ切替わると、順次に電磁弁１９
は閉じられ、係止装置（２６から３０まで）は開放され
る。その結果、油は液体導管１３から妨げられることな
く制御弁１９及び液体通路１２を通って油圧タペット１
内へ達することができる。液体導管１３から油圧タペッ
ト１内へ３から４バールまでの圧力で侵入するこの油
は、液体−畜圧器１８からの油をも含んでおり、この油
はピストン２３によって押し出される。この場合ピスト
ン２３はシリンダ２１内でばね２２によって図面では左
へ押圧される。油は油圧タペット１から漏出することが
できないので、タペットピストン６とタペット本体５と
の間には、圧力下にある油を充填される間隙４３が形成
されている。この間隙４３は、低温時用始動条件に相応
するより早い燃料噴射を行なうのに十分な大きさであ
る。油圧タペット１内へ油を詰め込むと、タペットピス
トン６は、その前面で圧縮ばね９の予圧力に抗してタペ
ット本体５の、タペットピストン６に隣合う面から距離
ａだけ押し上げられる。ここでは図示されていない別の
内燃機関の加熱によって膨張ユニット３５が、制限スイ
ッチ３４を操作しひいては電磁石２０及び係止装置４５
の運転を中止する大きさに膨張するまで、タペット本体
５及びタペットピストン６は、上記の距離ａだけ離れて
互いに向い合う位置にとどまっている。このような形式
で制御弁１９は切替えられ、その結果油は、タペット本
体５とタペットピストン６との間の図示されていない間
隙から液体導管１３の１部分を介してタンク１５に漏出
することができる。更にシリンダ２１内のピストン２３
は、フィードポンプ１４からえられる油圧によって圧縮
ばね２２に抗して図面では右方向に押圧され、最終的に
は可動子２９の先端部と係止切欠き３０との間の係止に
よってロックされる。シリンダ２１内には、このような
形式で最短の低温時用始動のために必要な油圧若しくは
液圧が構成されている。

【００１３】図２及び図３には、シリンダ３７とコイル
ばね３８の圧力下にあるピストン３９とを有する液体−
畜圧器３６が示されている。シリンダ３７には、液体の
供給及び排出のための液体導管４０が設けられており、
該液体導管はフィードポンプ１４からはじまり制御弁１
９へ通じている（図１）。係止装置４１は、直接シリン
ダ３７に設けられている。上記の係止装置の可動子４２
は、係止位置（図２）でシリンダ３７内へ侵入し、ピス
トン３９の左方向への運動を妨げる。この可動子４２が
電磁石４６によって引き付けられた場合、ピストン３９
の左方向への運動は可能であり、このピストンは可動子
４２上を通過する（図３）。

【００１４】更に、図１に類似の作用形式が記載されて
いる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の低温時用始動装置の第１実施例を示す
図。

【図２】第２実施例の液体−畜圧器を示す図。

【図３】図２の液体−畜圧器の別の切替え位置を示す
図。

【符号の説明】

１ 油圧タペット ２ カム ３ ローラ ４、２６ ケーシング ５ タペット本体 ６ タペットピストン ７ カバープレート ８ ピストン ９、１０、２２ 圧縮ばね １１ ピン １２ 液体通路 １３、４０ 液体導管 １４ フィードポンプ １５ タンク １６ 分岐導管 １７ 逆止弁 １８、３６ 液体−畜圧器 １９ 制御弁 ２０、２７ 電磁石 ２１ シリンダ ２３、３９ ピストン ２４ 矢印方向 ２５ ロッド ２８ ばね ２９、４２ 可動子 ３０ 係止切欠き ３１ 直流電源 ３２、３２１、３２２ 導線 ３３ 点火スイッチ ３４ リミットスイッチ ３５ 膨張ユニット ３７ シリンダ ３８ コイルばね ４１ 係止装置 ４３ 間隙 ４４ ばね受け ４５ 係止装置 ８１ ピストン脚部 ３３１、３３２、３３３ 切替え位置 Ｘ−Ｘ 軸線 ４６ 電磁石

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チャンドラ プラカシュ マトゥール インド国 バンガロール インドラ ナガ ール サーティーンス クロス 222 (72)発明者 ネーリ ヴェンカンナ インド国 バンガロール バネルガッタ ロード ヴィシア バンク コロニー 34

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料噴射ポンプのための低温時用始動装
   置であって、油圧タペット（１）が液体導管（１３）を
   介してフィードポンプ（１４）に接続されており、上記
   の液体導管には順次に逆止弁（１７）、液体−畜圧器
   （１８）及び制御弁（１９）が配置されている形式のも
   のにおいて、液体−畜圧器（１８、３６）が係止装置
   （４１、４５）を備えており、制御弁（１９）の操作手
   段（２０）と同様に上記係止装置が点火スイッチ（３
   ３）に接続されていることを特徴とする、燃料噴射ポン
   プのための低温時用始動装置。
2. 【請求項２】 液体−畜圧器（１８、３６）がピストン
   （２３、３９）を備えており、該ピストンが液体導管
   （１３、４０）内の油圧に抗してばね（２２、３８）に
   よって保持されており、このばね力が、加熱された内燃
   機関の運転時の油圧より小さいことを特徴とする、請求
   項１記載の低温時用始動装置。
3. 【請求項３】 制御弁（１９）が電磁弁として構成され
   ていることを特徴とする、請求項１又は２記載の低温時
   用始動装置。
4. 【請求項４】 低温時用始動装置が点火スイッチ（３
   ３）を有しており、該点火スイッチが少なくとも３つの
   切替え位置（３３１、３３２、３３３）を有しており、
   これらの切替え位置のうちの１つが制御弁（１９）に、
   別の１つが液体−畜圧器（１８、３６）に接続されてい
   ることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１
   項記載の低温時用始動装置。
5. 【請求項５】 点火スイッチ（３３）及び制御弁（１
   ９）若しくは液体−畜圧器（１８、３６）の間の接続導
   線（３３１、３３２、３３３）にリミットスイッチ（３
   ４）が配置されており、該リミットスイッチが膨張ユニ
   ット（３５）に接続されていることを特徴とする、請求
   項４記載の低温時用始動装置。
6. 【請求項６】 液体−畜圧器（１８、３６）に電磁的な
   係止装置（４１、４５）が所属していることを特徴とす
   る、請求項１又は２記載の低温時用始動装置。
7. 【請求項７】 係止装置（４５）が、液体−畜圧器（１
   ８）のピストン（２３）のピストンロッド（２５）に作
   用することを特徴とする、請求項６記載の低温時用始動
   装置。
8. 【請求項８】 係止装置（４１）が、液体−畜圧器（３
   ６）のシリンダ（３７）に配置されて、直接ピストン
   （３９）に作用することを特徴とする、請求項６記載の
   低温時用始動装置。