JPH0649785Y2 - 車両用ドアロック解錠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両用ドアロック解錠装置に係り、特に、無線
電波を用いてドアロックを解錠するに好適な車両用ドア
ロック解錠装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、自動車などの車両は、一般に、機械的なキーによ
って解施錠が行なわれるように構成されていた。このキ
ーはエンジンキーと共用になっているので、エンジンキ
ーによってドアロックの解施錠ができる。ところが、機
械的なキーを用いてドアロックの解施錠を行なう場合、
夜間など暗がりにおいては鍵穴を探すのが困難なことが
ある。そこで、無線電波を用いてドアロックの解施錠が
できるようにしたものが提案された。

無線式解施錠装置は、使用者が携帯する小型の無線装置
から電波を放射することによってドアロックの解施錠が
できるように構成されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の装置においては、携帯用無線装置の電源
スイッチを操作して電磁波を放射し、ドアロックが解錠
した後ドア開閉用把手を操作しなければドアを開けるこ
とができなかった。即ち、無線装置のスイッチとドア開
閉用把手の双方を個別に操作しなければドアを開けるこ
とができなかった。なお、無線装置から電源スイッチを
取り外し、無線装置を常時作動状態にすればドア開閉用
把手の操作だけでドアを開くことは可能であるが、無線
装置のバッテリがこの分だけ消費される。このため無線
装置は必要なときにのみ作動状態にあるものが提案され
ている。なお、先行技術としては特開昭60-164573号公
報に記載されているものがある。

本考案の目的は、ドア開閉用把手を操作することによっ
てドアロックを解錠してドアを開くことができる車両用
ドアロック解錠装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本考案は、車両のドア開閉
用把手に対する使用者の把握操作を検出する操作検出手
段からの出力によりドア周囲に発生する交流磁界を受信
して、特定のコード信号で変調された電磁波を放射する
携帯用送受信機と、その電磁波を受信しその中からコー
ド信号を取り出し予め設定したロック解錠用コードと比
較して、両者の内容が一致したときにのみ出力する信号
によりロック解錠駆動を行う車載送受信駆動装置と、を
備えた車両用ドアロック解錠装置において、使用者の操
作を検出する手段が、把手の内側に対向して配置された
遮光フード付き発光ダイオードと遮光フード付き光セン
サとを備えた車両用ドアロック解錠装置を構成したもの
である。

〔作用〕

使用者がドア開閉用把手を把握する操作を行なうと、こ
の把握操作が把手の内側に対向して配置された発光ダイ
オードと光センサよりなる操作検出手段によって検出さ
れ、ドア周囲に交流磁界が発生する。この交流磁界を携
帯用受信機が受信すると携帯用受信機から起動信号が出
力される。これにより携帯用送信機から特定のコード信
号で変調された電磁波が放射される。そしてこの電磁波
を受信手段が受信すると、コード判別手段において受信
手段出力のコード信号とロック解錠用コードとが一致す
るか否かの判別を行ない、両者の内容が一致したときに
はロック解錠信号が出力される。そしてロック解錠信号
によりドアロックが解錠され、使用者がドア開閉用把手
を操作するだけで、ドアロックを解錠することができる
と共に、ドアを開くことができる。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図に基づいて説明する。

第１図において、送受信機10は、送信回路11、コード発
生回路12、受信回路13、送信アンテナ14、受信アンテナ
15を有し、小型軽量で使用者が持ち運び可能な携帯用に
構成されている。送信回路11とコード発生回路12及び送
信アンテナ14によって携帯用送信機が構成され、受信回
路13と受信アンテナ15によって携帯用受信機が構成され
ている。

送受信機10の回路のうち微少電流の流れる受信回路13に
のみバッテリからの電力が常時供給されている。そして
受信アンテナ15によって交流磁界を受信したときに、受
信回路13からコード発生回路12及び送信回路11へ起動信
号が出力される。送信回路11及びコード発生回路12は起
動信号によりバッテリから電力が供給され、作動状態と
なっている。そしてコード発生回路12からは送受信機10
固有のコードである特定のコード信号が送信回路11へ出
力される。送信回路11はコード発生回路12からのコード
信号によって搬送波を変調し、コード信号で変調された
電磁波を送信アンテナ14から放射するように構成されて
いる。

一方、車両側には受信回路21、コード判別回路22、送信
回路23、スイッチング回路24、検出回路25、駆動回路2
6、受信アンテナ27、送信アンテナ28、ソレノイド29、
発光ダイオード30、光センサ31などが搭載されており、
受信アンテナ27、受信回路21が受信手段を、コード判別
回路22がコード判別手段を、送信アンテナ28と送信回路
23が送信手段を、ソレノイド29がドアロック解錠手段
を、スイッチング回路24、検出回路25、駆動回路26、発
光ダイオード30、光センサ31が操作検出手段を構成する
ようになっている。

発光ダイオード30と光センサ31は、第２図及び第３図に
示されるように、ドア１のドア開閉用把手２の内周側に
設置されている。即ち、発光ダイオード30がリンク2Aの
先端側に固定され、光センサ31がリンク2Bの先端側に固
定され、発光ダイオード30と光センサ31が把手２内周側
で対向して配置されている。発光ダイオード30の周囲に
は遮光フード32が設けられ、光センサ31の周囲には遮光
フード33が設けられている。そして各遮光フード32,33
の先端側には凸レンズ34,35が固定されている。発光ダ
イオード30は駆動回路26からの信号によって点灯し、こ
の光が凸レンズ34,35を介して光センサ31に入射するよ
うになっている。そして光センサ31の出力は検出回路25
へ供給されるようになっている。駆動回路26と検出回路
25には、車載用バッテリからの電力がスイッチング回路
24によって間欠的に供給されるようになっており、発光
ダイオード30は一定の周期で発光するようになってい
る。これにより車載バッテリの電力が消費されるのを防
止している。

検出回路25も駆動回路26と同様一定の周期で光センサ31
からの出力信号を取り込み、光路36が遮断されたか否か
を検出するように構成されている。即ち、発光ダイオー
ド30からの光が一定の周期で光センサ31によって受光さ
れたときには検出信号を発生しないが、使用者が開閉用
把手２を把握する操作を行なうために、使用者の手によ
って光路36が遮断されたときには、検出出力を送信回路
23へ出力するように構成されている。

検出回路25から検出出力が発生すると送信回路23の作動
回路が閉成され、送信アンテナ28からドア１の周囲に交
流磁界が発生する。そしてこの交流磁界が受信アンテナ
15によって受信されると、送受信機10の送信アンテナ14
から電磁波が放射されることになる。

一方、受信回路21、コード判別回路22は検出回路25の出
力によって起動し、受信アンテナ27によって電磁波が受
信されると、受信回路21により受信電波の中からコード
信号が取り出されコード判別回路22へ出力される。コー
ド判別回路22は受信回路21からのコード信号と予め設定
されたロック解錠用コードとを比較し、両者の内容が一
致したときにはロック解錠信号をソレノイド29へ出力す
る。ソレノイド29はコード判別回路22からのロック解錠
信号により励磁され、ドアロック３を解錠するように構
成されている。

以上の構成において、送受信機10を携帯した使用者が把
手２の内側に手を挿入し、把手２を把握する操作を行な
うと光路36が遮断され、検出回路25からの検出出力によ
り送信回路23が作動し、送信アンテナ28から交流磁界が
発生する。この交流磁界を受信アンテナ15が受信すると
受信回路13から起動信号が出力され、携帯用送信機が作
動状態となる。これにより携帯用送信機から特定のコー
ド信号で変調された電磁波が放射される。そしてこの電
磁波を受信アンテナ27が受信し、コード信号とロック解
錠用コードとの内容が一致するとソレノイド29が励磁さ
れ、ドアロック３が解錠される。このため、正規の送受
信機を所持した使用者が把手２を把握する操作を行なう
だけで、ドアロック３が解錠され、ドアを開けることが
できる。

又、本実施例においては、発光ダイオード30、光センサ
31などが把手２の内周側に設置されているので、車両の
美観を損ねることはない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、正規の送受信機
を所持した使用者がドア開閉用把手を把握する操作を行
なうだけで、ドアロックを解錠することができると共に
ドアを開くことができるため、操作性の向上に寄与する
ことができる。また、１対の発光ダイオードと光センサ
という非接触タイプの操作検出手段を用いているから、
検出素子の劣化がなく長寿命で確実な作動を保証するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す構成図、第２図は車両
ドア部の側面図、第３図は把手２の内周側の構成図であ
る。 10……送受信機、 11,23……送信回路、 12……コード発生回路、 13,21……受信回路、 14,28……送信アンテナ、 15,27……受信アンテナ、 22……コード判別回路、 29……ソレノイド、 30……発光ダイオード、 31……光センサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両のドア開閉把手をつかむ車両使用者の
   操作を検出する操作検出手段からの出力によりドア周囲
   に発生する交流磁界を受信して、特定のコード信号で変
   調された電磁波を放射する携帯用送受信機と、該電磁波
   を受信しその中から前記コード信号を取り出し予め設定
   したロック解錠用コードと比較して、両者の内容が一致
   したときにのみ出力する信号によりロック解錠駆動を行
   う車載送受信駆動装置と、を備えた車両用ドアロック解
   錠装置において、前記操作検出手段が、前記把手の内側
   に対向して配置された遮光フード付き発光ダイオードと
   遮光フード付き光センサとを備えたことを特徴とする車
   両用ドアロック解錠装置。