JPH064953B2 - 経糸一重緯糸三重織物構造とした抄紙網 - Google Patents

経糸一重緯糸三重織物構造とした抄紙網

Info

Publication number
JPH064953B2
JPH064953B2 JP61046293A JP4629386A JPH064953B2 JP H064953 B2 JPH064953 B2 JP H064953B2 JP 61046293 A JP61046293 A JP 61046293A JP 4629386 A JP4629386 A JP 4629386A JP H064953 B2 JPH064953 B2 JP H064953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weft
warp
comparative example
layer weft
diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61046293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62206096A (ja
Inventor
岳敏 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Filcon Co Ltd
Original Assignee
Nippon Filcon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Filcon Co Ltd filed Critical Nippon Filcon Co Ltd
Priority to JP61046293A priority Critical patent/JPH064953B2/ja
Publication of JPS62206096A publication Critical patent/JPS62206096A/ja
Publication of JPH064953B2 publication Critical patent/JPH064953B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は多層構造の抄紙網に関し、特に紙層形成部用の
網に関する。
〔従来の技術〕
本発明に最も近い従来の技術として、特開昭58−54
090号公報に開示された経糸一重緯糸三重構造の抄紙
網がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
今日、抄紙網に対し、要求されている性質は、紙のワイ
ヤーマーク特性即ち抄かれる紙に抄紙網のマークの発生
がないこと、抄紙網の耐摩耗性と寸法安定性、即ち剛性
と、水性が良好であることである。しかし近年多くの
製紙機械において使用されている周知の経糸一重緯糸二
重構造の2重織りの抄紙網についても、全てを満足でき
るものではない。
上述の要求を満たす一つの試みとして上述の特開昭58
−54090号公報に開示されている多層織りの抄紙網
であるが、この抄紙網も水性が必ずしも満足できな
い。この抄紙網の構造は経糸が少なくとも3つの垂直に
整列したグループをなして配列され、言わば3階建て構
造になっている為紙層形成面の平滑性つまりワイヤーマ
ーク特性を良くする為に糸径を細くして経糸及び緯糸密
度を多くすると水性が悪くなるという問題点があり、
この様な構造では水性が悪いので紙層形成上好ましく
ない。従って水性を改善する必要がある。
本発明は特別の糸径関係にある下層経糸と中層緯糸を配
置し、特別の織物構造とすることにより、上述の問題点
を解決し、耐摩耗性の向上、水性の向上、ワイヤーマ
ーク特性を維持し、剛性を維持させた抄紙網を提供する
ものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、 「(1) 紙層支持面を構成する上層緯糸2と;上層緯
糸2の下方に配置した中層緯糸3と; 中層緯糸の下方に中層緯糸密度より粗い密度で配置さ
れ、摩耗面を構成する糸径が中層緯糸の糸径より大きい
下層緯糸4と; 上層緯糸2、中層緯糸3及び下層緯糸4と互いに織り合
わされた経糸1と; からなる経糸一重緯糸三重構造の抄紙網において: 経糸1が下層緯糸4の1本のみと下側で交差する交差点
の縦方向ピッチP1が、該経糸1が上層緯糸2の上側で
該上層緯糸2と交差する交差点の縦方向サイクルピッチ
2の2倍〜4倍であることを特徴とする経糸一重緯糸
三重織物構造とした抄紙網。
(2) 下層緯糸を構成する各緯糸が中層緯糸を構成す
る各緯糸の1本おきの下方に配置されている、特許請求
の範囲第1項に記載の経糸一重緯糸三重織物構造とした
抄紙網。
(3) 下層緯糸の直径が、前記上層緯糸の直径及び中
層緯糸の直径の何れより太い、特許請求の範囲第1項又
は第2項に記載の経糸一重緯糸三重織物構造とした抄紙
網。
(4) 下層緯糸の直径が前記、上層緯糸の直径の1.
3〜2.0倍の範囲内にある、特許請求の範囲第1〜第
3項のいずれか一項に記載の経糸一重緯糸三重織物構造
とした抄紙網。
に関する。
本発明で言う経糸1が下層緯糸4の下側で交差する交差
点の縦方向ピッチとは例えば第3図に示されているよう
に経糸1が下側緯糸と同一の状態で交差することのくり
返しつまり、完全組織のくり返し単位を言う。完全組織
がくり返されて織物が形成されるのでそのくり返される
単位P1を指している。
一方、サイクルピッチは例えば第3図に示される完全組
織の中で経糸1が上層緯糸の上側で上層緯糸と交差する
交差点の縦方向のピッチP2を指す。
〔作用〕
本発明の経糸一重緯糸三重織物構造とした抄紙網は、上
層、中層及び下層に配した緯糸が3つの垂直に整列した
グループを構成せずに、下層緯糸の本数が中層緯糸の本
数より少ない構造である。従って織物の立体空隙率が大
きく水の排水経路に障害物が少なくなるので、、水性
が向上し、又経糸1が中層緯糸の糸径より大きい糸径の
下層緯糸4の下を通過する際、下層緯糸4の1本のみと
交差し、さらに下層緯糸4の下側で交差する交差点の縦
方向のピッチP1が該経糸1が上層緯糸2の上側で交差
する交差点の縦方向ピッチP2の2倍ないし4倍である
為、緯糸を摩耗面に多く配した、いわゆる緯糸摩耗型構
造の織物となり耐摩耗性を向上させた織物である。
下層緯糸4の糸径は上層緯糸の糸径より大きく、1.3
〜2.0倍が好ましい。1.3倍以下では耐摩耗性が充
分には向上せず、また2.0倍以上となると水空間が
小さくなりすぎるからである。
このような構造によって紙層形成面のマーク性を向上さ
せる為に経糸密度と緯糸密度を前述の先行技術より大き
くしても水性を充分確保出来、同時に耐摩耗性も向上
出来、さらには従来の経糸一重緯糸二重織物に比べて緯
糸本数が多い構造であるので機械横方向の剛性を維持さ
せるという作用がある。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を図面を用いて説明する。
第1図は第1実施例の上側(紙層形成側)平面図で、第
2図は下側(摩耗側)平面図、第3図は第1図の3−3
線に沿って矢印の方向に見た縦断面図、第4図及び第5
図は、第1図の夫々4−4線に沿って矢印の方向に見た
横断面図である。この第1の実施例は7シャフトの組織
を有する。
第1の実施例において第3図から明らかなように経糸1
が下層緯糸4の下側で交差する交差点の縦方向ピッチP
1が当該経糸1が上層緯糸2の上側で該上層緯糸2と交
差する交差点の縦方向ピッチP2の2倍で構成されたも
のである。中層緯糸3を構成する各緯糸の直径を上層緯
糸2を構成する緯糸の直径より細くするのが水性を更
に向上させる上で好ましい。
下層緯糸4は糸径が中層緯糸3の糸径より大きい。
第4図から明らかなように下層緯糸は長いクリンプを形
成しており、このクリンプが摩耗を引きうけるので、抄
紙機のサクションボックス等と点状の短いクリンプで接
触する従来の抄紙網に比べて摩耗体積が大きいことがわ
かる。
第5図には下層緯糸4がない。下層緯糸は中層緯糸より
粗い密度で配置されていることがわかる。
第6図は本発明の第2の実施例の上側平面図、第7図は
下側平面図である。第8図は、第6図の8−8線に沿っ
て矢印方向に見た縦断面図、第9図及び第10図は各々
第6図の9−9線、10−10線に沿って矢印の方向に
見た横断面図である。この第2の実施例は、14シャフ
トの組織を有する。
第2の実施例において経糸11が下層緯糸4の下側で交
差する交差点の縦方向ピッチP1が当該経糸11が上層
緯糸21の上側で交差する交差点の縦方向ピッチP2
4倍で構成されたものである。第2の実施例は第1の実
施例に比べ下層緯糸41の下側クリンプの長さが第1の
実施例の下層緯糸4の下側クリンプの悲さより大きい構
造の織物で従って摩耗体積が増大し有効寿命が長くな
る。
本発明による第1実施例(第3図)も第2実施例(第8
図)も下層緯糸の密度が上層及び中層の緯糸の密度の1
/2になっている。この割合は剛性を余り損わずに水
性及び耐摩耗性を改善する上で好ましい。
本発明を構成する糸の材質は特に限定されるものではな
いが、好ましくは、ポリエステル又はポリアミドモノフ
ィラメントが使用できる。また摩耗面側の下層緯糸の全
部又は一部に耐摩耗性の合成繊維、例えばポリアミド
等、例えば610ナイロン、66ナイロン、6ナイロ
ン、612ナイロン等を使用し、経糸として伸びにくい
ポリエステルモノフィラメントを使用するのがよい。
〔比較試験〕
比較試験で示した実施例は、本発明の実施例1であり、
第1〜第5図に示す織物である。
比較例1 特開昭60−119293号公報第5図に記載された経
糸二重緯糸三重織物であって、第11図に示す織物であ
る。
糸、構造は表1に示す。
比較列2 特開昭58−54090号公報第6図に記載された経糸
一重緯糸三重織物であって、第12図に示す織物であ
る。
糸、構造は表1に示す。
比較例3 比較例1に示された経糸二重緯糸三重の織物と比較例2
に示された経糸一重緯糸三重の織物を寄せ集めて、比較
例1の織物と経糸を一重として製織したものである。上
側経糸を残すか下側の経糸を残すかで(イ)と(ロ)の
2例が生じた。したがってこの織物は比較のため、特に
製織したもので実際には公知公用の、抄紙網ではない。
(イ) 比較例3の上経糸だけを使用して経糸一重緯糸
三重構造とした第13図に示す織物である。
(ロ) 比較例3の下経糸だけを使用して経糸一重緯糸
三重構造とした第14図に示す織物である。糸、構造は
表1に示す。
比較例4 比較例4は比較例2のピッチP1:ピッチP2を1:4と
した織物である。本発明はピッチP1:ピッチP2が2:
1〜4:1であってピッチP1の方が大である。本発明
においてピッチP1は完全組織であってくり返し単位を
示すが比較列4の織物においてはピッチP1は完全組織
のくり返し単位になっていない。むしろピッチP2はく
り返し単位となっている。しかしながら下側緯糸と交わ
る交差点のピッチはP1である。
この例も比較の為に特に製織したもので公知のものでは
ない。
具体的には第15図に示す織物である。
糸、構造は表1に示す。
比較例5 実施例で示した織物を、本発明必須の要件である“下層
緯糸密度を中層緯糸密度より粗い密度とする”の範囲外
である下層緯糸密度を中層緯糸密度と同密度にした織物
であって、第16図に示す織物である。糸、構造は表1
に示す。
比較例6 実施例で示した織物を、本発明必須の要件である“下層
緯糸の糸径を中層緯糸の糸径より大きくする”の範囲外
である。下層緯糸の糸径を中層緯糸の糸径より小さくし
た織物であって、第17図に示す織物である。糸、構造
は表1に示す。
比較例7 実施例で示した織物を本発明の必須の要件である“経糸
を下層緯糸の一本のみと交差させ、ピッチP1をP2の2
〜4倍にする”の範囲外である経糸を下層緯糸の二本と
交差させ、ピッチP1をP2の1倍にした織物であって、
第18図に示す織物である。
糸、構造は表1に示す。
試験結果を表1に示す。
〔註〕 (1) パルプ液水時間 新聞損紙を解離し、フリーネス170mlとなして作成し
た0.04%濃度のパルプ液を織物上に水位300mmと
なし、織物面の垂直から15゜傾斜させてパルプ液を織
物面に流した時の水位零までの時間 水時間の短いことすなわち数値の小さい方が水性が
良いことを示している。
(2) 走行面摩耗体積 織物から下緯糸、経糸を分離して真上からと真横からの
1つのクリンプ形状を投影機に写し、細ピッチで線径を
測定する。
このデータより、測定部の糸の断面形状を楕円として算
出する。楕円としたのは織物であるから糸は多少潰れて
断面形状が楕円となっているからである。
次に、糸を楕円の集合体と考え、CAD上に図面として
示す。
このCAD上の図面を摩耗面から細ピッチで切断して行
き、経糸断面が50%になるまでの経糸・緯糸の体積を
算出し、次に糸の密度により1インチ平方当たりに換算
した値である。走行面摩耗体積の大きい方が耐摩耗性が
良好となる。すなわち走行面摩耗体積の数値の大きい方
が耐摩耗性に優れていることを示している。
抄紙網は経糸が摩耗すると網の切断が発生する。したが
って緯摩耗型にして経糸の摩耗を防いでいるが緯糸が摩
耗する経糸が露出して摩耗する。経糸がどの程度摩耗す
ると網が切断するかは糸径、密度によって異なり、一概
には言えないが製紙の技術分野では経糸が50%摩耗し
たら、網の使用寿命が尽きたとして使用を停止してい
る。それは1000m/分もの高速で回転する網が切断
すると網は跳ね上がり、パルプのヘッドボックス等に当
って破壊し、非常に危険であるからである。
経糸が50%摩耗するまでに摩耗する緯糸と経糸の体積
が摩耗を受け持つ糸の体積となる。そしてこの体積が大
きいと、耐摩耗性が良好となり寿命数比の値も大きくな
る。
例外的に比較例5のように水性があまりにも悪いと走
行面摩耗体積が大きくても他の原因により耐摩耗性が悪
化することがある。
(3)寿命数比 日本フイルコン株式会社登録実用新案第1350122
号摩耗試験機による。
フイラーは重炭酸カルシウムを使用した。
寿命数比の大きいことは寿命が長いことを示す。したが
って寿命数比の数値が大きい方が寿命が長く効果が優れ
ていることを表わしている。
(4) シートー平滑度 新聞損紙を叩解して原料としタッピ・スタンダード・テ
ストマシンで坪量70g/m2相当の紙シートを抄造し常
法に従って平滑シートを作成してベックの平滑計で織物
面に接していた紙の平滑度を測定した。
シート平滑度の大きいことは平滑性が良いことを示す。
したがってシート平滑度の数値の大きいことは平滑性が
優れていることを表わしている。
(5) スティフネス 熊谷理機工業株式会社のテーバースティフネステスター
により測定した。
スティフネスが大きいと剛性が高い。したがってスティ
フネスの数値が大きくなると剛性が大きくなることを示
している。
(a) 本発明の実施例と比較例1と比較すると、 水性は、実施例が6.7(秒)、比較例1が1
3.2(秒)であるから、実施例が49%優れており、 走行面摩耗体積が、実施例が26.5(mm3/イン
2)、比較例1が21(mm3/インチ2)であるから実
施例が26%優れており、 寿命数比は実施例100に対し、比較例1が87で
あるから実施例が15%優れており、 平滑度は、実施例が93(秒)、比較例1が85
(秒)であるから、実施例が9%優れている。
比較例1は経糸が二重である為、剛性を示すスティ
フネスが、実施例の542(g・cm)に対し、比較例1
が573(g・cm)であって、比較例1が6%優れてい
るが、その差は微差に過ぎず、実施例とほぼ同一の範囲
にある。
このように、前記の抄紙網に要求される性能のほとんど
全てについて本発明が遥かに優れていることが理解され
る。
(b) 本発明と比較例2とを比較すると、 水性は実施例が6.7(秒)、比較例2が9.3
(秒)であるから実施例が28%優れており、 走行面摩耗体積は、実施例が26.5((mm3/イ
ンチ2)比較例2が11(mm3/インチ2)であるから実
施例が140%優れており、 寿命数比は実施例100に対し、比較例2が51で
あるから実施例が96%優れており、 平滑度は、実施例が93(秒)、比較例2が79
(秒)であるから、実施例が18%優れている。
剛性は実施例が542(g・cm)比較例2が521
(g・cm)であるから実施例が微差ではあるが4%優れ
ている。
このように、前記の抄紙網に要求される性能のほとんど
全てについて本発明が遥かに優れていることが理解され
る。
(c)本発明と比較例3(イ)とを比較すると、 走行面摩耗体積は、実施例が26.5(mm3/イン
2)、比較例3(イ)が10.5(mm3/インチ2)で
あるから実施例が152%優れており、 寿命数比は実施例100に対し、比較例3(イ)が
49であるから実施例が104%優れており、 平滑度は、実施例が93(秒)、比較例3(イ)が
89(秒)であるから、実施例が微差ではあるが4%優
れている。
剛性は実施例が542(g・cm)、比較例3(イ)
が418(g・cm)であるから実施例が30%優れてい
る。
比較例3(イ)は経糸の糸径が小さい為に、水性
が実施例の6.7(秒)に対し比較例3(イ)が6.2
(秒)であって、比較例3(イ)が7%と優れているが
その差は微差に過ぎず、実施例とほぼ同一の範囲と言え
る。
このように、前記の抄紙網に要求される性能のほとんど
全てについて本発明が遥かに優れていることが理解され
る。
(d) 本発明と比較例3(ロ)とを比較すると、 水性は、実施例が6.7(秒)、比較例3(ロ)
が8.8(秒)であるから、実施例が24%優れてお
り、 走行面摩耗体積が、実施例が26.5(mm3/イン
2)、比較例3(ロ)が22.5(mm3/インチ2)で
あるから実施例が18%優れており、 寿命数比は実施例100に対し、比較例3(ロ)が
92であるから実施例が微差ではあるが9%優れてい
る。
平滑度は、実施例が93(秒)、比較例3(ロ)が
47(秒)であるから、実施例が98%優れている。
比較例3(ロ)は経糸の糸径が大きい為に、剛性が
実施例の542(g・cm)に対し、比較例3(ロ)が5
57(g・cm)であって、比較例3(ロ)が3%優れて
いるがその差は微差に過ぎず、実施例はほぼ同一の範囲
にある。
このように、前記の抄紙網に要求される性能のほとんど
全てについて本発明が遥かに優れていることが理解され
る。
(e) 本発明と比較例4とを比較すると、 水性は、実施例が6.7(秒)、比較例4が1
4.6(秒)であるから、実施例が54%優れており、 走行面摩耗体積が、実施例が26.5(mm3/イン
2)、比較例4が7(mm3/インチ2)であるから実施
例が279%優れており、 寿命数比は実施例100に対し、比較例4が34で
あるから実施例が194%優れており、 平滑度は、実施例が93(秒)、比較例4が75
(秒)であるから、実施例が24%優れており、 剛性は実施例が542(g・cm)、比較例4が53
6(g・cm)であるから実施例が非常に微差ではあるが
1%優れている。
このように、前記の抄紙網に要求される性能のほとんど
全てについて本発明が遥かに優れていることが理解され
る。
(f) 本発明と比較例5とを比較すると、 水性は、実施例6.7(秒)、比較例5が26.
4(秒)であるから、実施例が75%優れており、 平滑度は、実施例が93(秒)、比較例5が66
(秒)であるから、実施例が41%優れている。
寿命数比も実施例100に対し、比較例5が89で
あるから実施例が12%優れている。
これは比較例5の水性があまりにも悪い為に、織物内
部にフィラーが滞留してしまい、滞留したフィラーが摩
耗を促進させ、走行面摩耗体積は優れているのにもかか
わらず、寿命数比は劣ってしまうという結果となったの
である。
したがって実際の耐摩耗性も本発明が優れていることと
なり、ある一部の性能が特別に優れているからといっ
て、前記の抄紙網に要求される性能が全体的に向上する
とは限らないということが理解出来る。
比較例5は下層緯糸密度が大きい為、剛性が実施例
の542(g・cm)に対し、比較例5が568(g・c
m)であって、比較例5が5%優れており、 走行面摩耗体積も、実施例の26.5(mm3/イン
2)に対し、比較例5が30.5(mm3/インチ2)で
あって、比較例5が15%優れている。
本発明が平均的に優れていることが理解される。
(g)本発明と比較例6とを比較すると 走行面摩耗体積は、実施例が26.5(mm3/イン
2)、比較例6が8(mm3/インチ2)であるから実施
例が231%優れており、 寿命数比は実施例100に対し、比較例6が36で
あるから、実施例が178%優れており、 平滑度は、実施例が93(秒)、比較例6が87
(秒)であるから、実施例が微差ではあるが、7%優れ
ており、 剛性は実施例が542(g・cm)、比較例6が35
1(g・cm)でるから実施例が54%優れている。
比較例6は、下層緯糸の糸径が小さい為に、水性
が実施例の6.7(秒)に対して比較例6が5.9
(秒)であって、比較例6が12%と優れている。
このように、水性は多少劣るものの、前記の抄紙網に
要求される性能について本発明が平均的に優れているこ
とが理解される。
(h) 本発明と比較例2とを比較すると、 水性は、実施例が6.7(秒)、比較例7が7.
2(秒)であるから実施例が微差ではあるが7%優れて
おり、 走行面摩耗体積は、実施例が26.5(mm3/イン
2)、比較例7が8.5(mm3/インチ2)であるから
実施例が212%優れており、 寿命数比は実施例100に対し、比較例7が40で
あるから実施例が150%優れており、 平滑度は、実施例が93(秒)、比較例7が68
(秒)であるから、実施例が37%優れており、 剛性は、実施例が542(g・cm)、比較例7が5
37(g・cm)であるから実施例が微差ではあるが1%
優れている。
このように、前記の抄紙網に要求される性能のほとんど
全てについて本発明が遥かに優れていることが理解され
る。
この比較試験の結果から明らかなように、従来例の比較
例1、比較例2及び、両比較例を寄せ集めた比較例3
(イ)(ロ)、比較例2のピッチP1とサイクルピッチ
2の関係を本発明の範囲外に変化させた比較例4、と
比べて本発明が各段に優れた効果を奏していることが明
白である。
又、本発明の必須の要件の範囲内のものと範囲外のもの
とで組み合わせた比較例5、6、7と比べても各段に優
れた効果を奏していることも明白である。
この比較試験の結果から明らかなように、適宜な織物構
造を適宜組み合わせても、また適宜な織物のピッチP1
とサイクルピッチP2を変化させても、それだけでは本
発明の格別の効果は奏されず、本発明の必須の要件を組
み合わせた場合にのみ格別の効果が奏されることが理解
される。
〔発明の効果〕
本発明は以上のような構成と作用を有するので、前述の
ような従来の技術と比較して水性を改善しながら耐摩
耗性を著しく改善することができ、然もワイヤーマーク
特性、剛性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す上側平面図、第2図
は下側平面図、第3図は第1図の3−3線に沿って矢印
の方向に見た縦断面図である。 第4図及び第5図は、第1図の夫々4−4線、5−5線
に沿って矢印の方向に見た横断面図である。 第6図は、本発明の第2実施例を示す上側平面図、第7
図は下面平面図である。 第8図は第6図の8−8線に沿って矢印方向に見た縦断
面図、第9図及び第10図は、第6図の夫々9−9線、
10−10線に沿って矢印の方向に見た横断面図であ
る。 第11図は比較例1の抄紙網の経糸に沿った断面図であ
る。 第12図は比較例2の抄紙網の経糸に沿った断面図であ
る。 第13図は比較例3(イ)の網の経糸に沿った断面図で
ある。 第14図は比較例3(ロ)の抄紙網の経糸に沿った断面
図である。 第15図は比較例4の網の経糸に沿った断面図である。 第16図は比較例5の網の経糸に沿った断面図である。 第17図は比較例6の網の経糸に沿った断面図である。 第18図は比較例7の網の経糸に沿った断面図である。 1……経糸 2……上層緯糸 3……中層緯糸 4……下層緯糸 P1……経糸1が下層緯糸4の下側で該下層緯糸4と交
差する点の縦方向ピッチ。 P2……経糸1が上層緯糸2の上側で該上層緯糸2と交
差する点の縦方向の1サイクルピッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙層支持面を構成する上層緯糸2と;上層
    緯糸2の下方に配置した中層緯糸3と; 中層緯糸の下方に中層緯糸密度より粗い密度で配置さ
    れ、摩耗面を構成する糸径が中層緯糸の糸径より大きい
    下層緯糸4と; 上層緯糸2、中層緯糸3及び下層緯糸4と互いに織り合
    わされた経糸1と; からなる経糸一重緯糸三重構造の抄紙網において: 経糸1が下層緯糸4の1本のみと下側で交差する交差点
    の縦方向ピッチP1が、該経糸1が上層緯糸2の上側で
    該上層緯糸2と交差する交差点の縦方向サイクルピッチ
    2の2倍〜4倍であることを特徴とする経糸一重緯糸
    三重織物構造とした抄紙網。
  2. 【請求項2】下層緯糸を構成する各緯糸が中層緯糸を構
    成する各緯糸の1本おきの下方に配置されている、特許
    請求の範囲第1項に記載の経糸一重緯糸三重織物構造と
    した抄紙網。
  3. 【請求項3】下層緯糸の直径が、前記上層緯糸と直径及
    び中層緯糸の直径の何れより太い、特許請求の範囲第1
    項又は第2項に記載の経糸一重緯糸三重織物構造とした
    抄紙網。
  4. 【請求項4】下層緯糸の直径が前記、上層緯糸の直径の
    1.3〜2.0倍の範囲内にある、特許請求の範囲第1
    〜第3項のいずれか一項に記載の経糸一重緯糸三重織物
    構造とした抄紙網。
JP61046293A 1986-03-05 1986-03-05 経糸一重緯糸三重織物構造とした抄紙網 Expired - Fee Related JPH064953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61046293A JPH064953B2 (ja) 1986-03-05 1986-03-05 経糸一重緯糸三重織物構造とした抄紙網

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61046293A JPH064953B2 (ja) 1986-03-05 1986-03-05 経糸一重緯糸三重織物構造とした抄紙網

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62206096A JPS62206096A (ja) 1987-09-10
JPH064953B2 true JPH064953B2 (ja) 1994-01-19

Family

ID=12743164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61046293A Expired - Fee Related JPH064953B2 (ja) 1986-03-05 1986-03-05 経糸一重緯糸三重織物構造とした抄紙網

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH064953B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6917307B2 (ja) * 2017-01-26 2021-08-11 日本フイルコン株式会社 工業用二層織物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4379735A (en) * 1981-08-06 1983-04-12 Jwi Ltd. Three-layer forming fabric
JPS60119293A (ja) * 1983-11-30 1985-06-26 日本フィルコン株式会社 製紙用織物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62206096A (ja) 1987-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2039101C (en) Single layer fabric for paper making on which plane surfaces of auxiliary weft threads have been formed
JP2558155B2 (ja) 製紙面に補助緯糸の水平面を形成した製紙用一重織物
JP3444373B2 (ja) 製紙面側織物に補助緯糸を配置した経糸2重緯糸2重製紙用織物
CA1310564C (en) Single-layer papermaking fabric avoiding wire marks
CA1316795C (en) Dual warp forming fabric
CN1073176C (zh) 用于造纸机干燥部的穿透干燥织物及其制造方法
US4359069A (en) Low density multilayer papermaking fabric
US5054525A (en) Double layer forming wire fabric
US4815503A (en) Fabric for the sheet forming section of a papermaking machine
JPS60119293A (ja) 製紙用織物
JP3474042B2 (ja) 製紙面側織物に補助緯糸を配置した製紙用2層織物
JPH0366437B2 (ja)
CA1290181C (en) Sixteen harness dual layer weave
US6989079B2 (en) High support double layer forming fabric
JP3474039B2 (ja) 製紙用二層織物
KR101108882B1 (ko) 제지기 직물
US4928737A (en) Fabric for the sheet forming section of a papermaking machine
JP3883276B2 (ja) 上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物
JP3360145B2 (ja) 製紙用プレスフエルトおよびその製造方法
JPH11512792A (ja) 織 物
JPH064953B2 (ja) 経糸一重緯糸三重織物構造とした抄紙網
JP4090587B2 (ja) 工業用織物
JP2001098483A (ja) 製紙用二層織物
JP4187852B2 (ja) 製紙面側織物に補助緯糸を配置した製紙用2層織物
JP4063987B2 (ja) 製紙面側織物に補助緯糸を配置した製紙用2層織物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees