JP3883276B2 - 上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製紙用織物、不織布製造用織物、汚泥等の脱水や搾水に用いられる織物、建材製造用ベルト、コンベアベルト等の工業用織物に関し、特に製紙用織物、中でも抄紙用織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来使用されている工業用織物としては、例えば抄紙用織物や抄紙用キャンバス等の製紙用織物、不織布製造用織物、汚泥等の脱水織物、建材製造用ベルト、コンベアベルト等多くのものがある。これらの工業用織物は、使用時に経糸方向に張力を受けながら走行するため伸びや巾方向の収縮が発生しないよう寸法安定性が要求される。また、蛇行したり皺が発生しないように走行安定性、姿勢安定性が要求される。
さらに走行中に駆動ロール等に接触して摩耗を受けるので耐摩耗性も要求される。また、表面に物を載置して搬送したり加工したりすることからいえば表面が平滑であることが要求される。
このような問題は工業用織物共通の問題であるが、未だ満足できる解決がなされていないのが現状である。
【0003】
工業用織物の中でもっとも厳しくこれらの性能を要求される製紙用織物、特に抄紙用織物は、上記の物性等に加えて後述する抄紙独自の諸性能を要求されるが、抄紙用織物について説明すればほとんどの工業用織物共通の問題とその解決について説明でき理解できるので、以下製紙用織物、抄紙用織物を代表して本発明を説明することとする。
製紙方法は周知の技術であって、まずパルプ繊維等を含む製紙原料が、ヘッドボックスからエンドレスに形成されて抄紙機のロール間に掛けられ走行している抄紙用織物上に供給される。
抄紙用織物の原料が供給される上層側が製紙面、その反対の下層側が走行面である。
供給された原料は抄紙用織物の走行にともなって移送され、移送中に織物の走行面側に設置されたサクションボックスやフォイル等の脱水装置によって、水分が除去され、湿紙が形成される。すなわち、抄紙用織物が一種のフィルターとして機能し、パルプ繊維と水を分離するのである。
この抄紙ゾーンで形成された湿紙は、次にプレスゾーンとドライヤーゾーンに移送される。
プレスゾーンでは、湿紙は抄紙用フェルトに移されて移送され、抄紙用フェルトとともにプレスロール間でニップ圧によって搾水され、さらに水分が除去される。ドライヤーゾーンでは、湿紙は抄紙用キャンバスに移されて移送され、乾燥されて紙が製造される。
製紙面側織物は、合成樹脂モノフィラメント等の経糸、緯糸を用いて織機で製織される。無端状に形成するには周知の織継やピンシーム等によって無端状に形成されるか、袋織り織機により製織の段階で無端状に形成される。
袋織りの場合は織機上と使用時では経糸と緯糸の関係が逆になる。
本明細書において、経糸とは、製紙機械の機械方向すなわち織物の進行方向に伸びている糸であり、緯糸とは、製紙機械の機械横断方向すなわち織物の巾方向に伸びている糸である。
【0004】
製紙用織物、特に抄紙用織物に対しては従来より多くの要求がある。
表面平滑性の向上、紙のワイヤーマーク発生防止、製紙の歩留まりの向上、良好な▲ろ▼水性、耐摩耗性、寸法安定性、走行安定性等である。
近年、抄紙スピードの高速化、中性抄造の増加、填料の使用量の増加、製紙会社のコストダウン政策にともない、上記要求に対しての早期解決が強く望まれている。
抄紙スピードが高速になると、必然的に脱水スピードが高速になり、脱水力も強力になる。製紙原料は抄紙用織物を介して脱水されるのであるから、水分は抄紙用織物の糸間に形成されている網目を通って除去される。この網目を通して▲ろ▼水される空間が▲ろ▼水空間である。ところが、製紙原料から除去されるのは水分だけではなく、細かい繊維や填料等も一緒に抜け出てしまうため製紙の歩留まりが低下する。また、織物上に残って形成された湿紙も脱水力によって、織物製紙面に押しつけられるため、糸が存在している部分では、糸が湿紙にくい込み、逆に糸が存在しない網目間では湿紙が網目間にくい込んで、湿紙表面上に糸と網目のマークを発生させる傾向が強い。
また、網目間には繊維がより滞留するために繊維密度が過密になり、繊維密度の粗密も発生し紙に厚薄が生じる。
これがワイヤーマーク、▲ろ▼水マークと呼ばれるものである。
また、織物の湿紙のくい込みが大きくなったり、繊維のささり込みが発生すると湿紙をフェルトへ移送する場合の湿紙剥離性が悪くなるという問題も発生する。ワイヤーマークを完全に無くすことは不可能であるが、これを極力小さく、目立たなくするために、織物の製紙面を細かくして、繊維支持性と平滑性の向上を図らなくてはならない。
【0005】
脱水スピードが高速になり、脱水力が強力になると、当然繊維の抜けやワイヤーマークの発生は顕著になるため、さらなる向上が必要となる。
また、繊維は織物走行方向に配向するため、特に緯糸の繊維支持性を向上させる必要がある。
また、高速の条件下で良好に脱水するためには優れた▲ろ▼水性が要求される。優れた▲ろ▼水性を有すれば、脱水の真空圧を抑えることができ、前述した網目間への繊維のもぐり込みや抜けが少なくなり、ワイヤーマークの発生をなくし、歩留まりを向上させることが可能となる。
また、抄紙スピードが高速になると、ロール回転部等で織物に含まれている水が遠心力により飛び散って水しぶきが発生し、その水滴が湿紙におちてマークを発生させる問題が発生するため、織物の保水性を小さくすることも要求されている。
【0006】
一方、中性抄造の増加は耐摩耗性の向上に対する要求をさらに強いものとすることになった。
中性抄造は填料として炭酸カルシウムを使用するため、酸性抄造で使用するクレーとは異なり走行面の糸を激しく摩耗させるのである。また、抄紙スピードの高速化や、繊維の滞留による▲ろ▼水低下にともなう過剰▲ろ▼水が条件をさらに苛酷にする。
耐摩耗性を向上させるためには、織物組織を緯糸摩耗型組織にしたり、糸の材質を変更したりという対策がとられている。
一般的に使用中の織物の耐摩耗性の向上と姿勢安定性の維持の点からは、織物の緯糸に耐摩耗作用を受け持たせることが好ましい。経糸が摩耗すると当然のことではあるが、引張強度が低下して織物の寸法が伸び、さらに摩耗して経糸が摩耗切断すると織物自体が切断してしまって使用寿命が尽きてしまうからである。
また、耐摩粍性の優れているポリアミドモノフィラメントを緯糸に使用することも試みられているが、この試みは織物の構造自体を改善するものではなく、単に使用する材料の性質を利用するたけであって、画期的効果は得られず、反面ポリアミドモノフィラメントを用いた織物はポリアミドモノフィラメントの剛性が小さいため姿勢安定性が悪いという欠点があった。
【0007】
また、走行面の緯糸に太い糸を使用することも試みられたが、経糸と緯糸のバランスが崩れ、クリンプ性が悪化してワイヤーマーク発生の原因となる等の欠点があり実用上問題があった。
紙のワイヤーマークの発生を防止するためには経糸および緯糸の本数密度を増やし、繊維の支持性を向上させることが考えられるが、そのためには経糸、緯糸の線径を細くする必要がある。
しかし、現在一般的に使用されている周知の経糸1重緯糸2重織物では線径を細くすると耐摩耗性、剛性、姿勢安定性が低下する問題がある。
この様に、製紙用織物は、耐摩耗性や剛性を向上させようと線径を太くすると表面性が損なわれ、紙にワイヤーマークが発生してしまうし、逆に表面性を向上させようと線径を細くして本数密度を増やすと耐摩耗性や剛性が低下してしまうというように、いわば相反する問題を抱えていた。
【0008】
上述の問題を解決するために製紙面側と走行面側とをそれぞれ別々の経糸、緯糸を用いて構成して、両層の織物を接結糸によって一体化させた織物の試みもなされている。すなわち、製紙面側織物には線径の小さい経糸、緯糸を使用して緻密な製紙面を形成し、走行面側織物には線径の大きい経糸、緯糸を使用して耐摩耗性の大きい走行面を形成するのである。
しかしながら、これも必ずしも満足いくものではなかった。なぜならば接結糸と製紙面側の糸とが交差する接結部において、接結糸が製紙面側織物を走行面側に引き込むために製紙面側織物表面に凹みが発生し、実際に紙を抄いた時に、この凹みのマークが紙に転写されワイヤーマークを発生させるからである。
また、この凹みを極力少なくするために、接結糸の線径を小さくしたり接結糸の本数を少なくすると、接結力が弱くなるため、接結糸が製紙面側織物と走行面側織物の間で揉まれて内部摩耗が起こり、さらに接結力が弱くなって、製紙面側織物と走行面側織物の間に隙間が発生したり、分離してしまい、短時間で使用寿命が尽きてしまう問題がある。
【0009】
ところで、効果的に繊維の支持性を向上させ、紙にワイヤーマークを発生させずに、良質な紙を抄造するためには、好適には緯糸でパルプ繊維を支持する必要がある。なぜならば、一般的にヘッドボックスから抄紙用織物上に供給されるパルプ繊維は機械方向、すなわち経糸方向に配向するからである。経糸間の凹みを緯糸で分断して繊維を支持してやることにより、繊維が経糸間に滞留するのを防止することができる。
しかし、緯糸だけで製紙面を形成すればよいという訳ではない。織物である以上、経糸が緯糸の上側に位置する部分が必ずあり、この経糸と緯糸が同一平面を形成することによって、表面が平滑で、ワイヤーマークを発生させない製紙面を得ることができるからである。同一平面を形成しつつ、緯糸の繊維維持性を向上させることが必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題に鑑みて、上層面側と下層面側とをそれぞれ別々の経糸、緯糸を用いて構成して、両層の織物を接結糸によって一体化させた織物であっても接結糸と上層面側の糸との交差部において、上層織物表面に凹みが発生せず、経糸と緯糸が同一平面を形成して表面平滑性が良好で、さらに緯糸のパルプ繊維支持性を向上させた工業用織物を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1. (A)上層経糸と上層緯糸と上層緯糸間に配置した補助緯糸とからなる上層織物と、下層経糸と下層緯糸とからなる下層織物とからなる工業用2層織物において、
(B)上層経糸が、連続する2本の上層緯糸の上側を通って製紙面側に上層緯糸2本分の長さのクリンプを形成し、
(C)補助緯糸が、複数本で組を形成して配置され、組を形成する個々の補助緯糸は交互に上層面に現れ、上層経糸の上層緯糸2本分のクリンプの間の上層経糸の上側に配置され、上層面側に現れていない部分では下層面側に下がって下層経糸と織り合わされて上層織物と下層織物とを連結することを特徴とする上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
2. 上層経糸が、上層面側に上層緯糸2本分のクリンプのみ形成する、1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
3. 上層経糸の上層緯糸2本分のクリンプを形成している以外の部分で補助緯糸が上層経糸の上側に配置されている、1項または2項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
4. 組を形成する個々の補助緯糸が協働して、上層面側に実質上1本分の補助緯糸の組織を形成する、1項ないし3項のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
5. 組を形成する個々の補助緯糸が、互いに経糸数本分ずらして配置された同組織の補助緯糸である、1項ないし4項のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
6. 補助緯糸が、2本で組を形成する補助緯糸であって、組を形成する個々の補助緯糸の繰り返し単位が上層緯糸の繰り返し単位の2倍であって、2本の補助緯糸が協働して上層面側に上層緯糸の繰り返し単位2つ分の長さの組織を形成する、1項ないし5項のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
7. 上層織物が、連続する2本の上層緯糸の上を通った後連続する3本の上層緯糸の下側を通る上層経糸を、順次上層緯糸3本分ずらして配置して形成した5シャフトの織物である、1項ないし6項のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
8. 上層織物が、連続する2本の上層緯糸の上を通った後連続する2本の上層緯糸の下を通る上層経糸を、順次上層緯糸1本分ずらして配置して形成した4シャフトの織物である、1項ないし6項のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。」
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の工業用織物の上層織物は、上層経糸が連続する2本の上層緯糸の上側を通って上層面側に上層緯糸2本分のクリンプを形成している。上層経糸が、この上層緯糸2本分の上層経糸クリンプを形成するため、緯糸の繊維支持性を損なうことなく製紙面に経糸と緯糸の同一平面を形成して表面を平滑にすることができ、また後で説明する補助緯糸の繊維支持性を効率よく発揮させることができるのである。本明細書で用いるナックルという語は、経糸と緯糸の交差部であって、特に1本の糸を組織に織り込む交差部をいう。また、クリンプとはナックルとナックルの間で相手側の糸の片側に連続形成される糸部分であって、特に上層面側、あるいは下層面側に連続して形成される糸部分をいう。
上層経糸クリンプがナックルと呼ばれる上層緯糸1本分のみでは上層緯糸を強力に織り込むことになるため、この部分に凹みが発生してナックル間に形成される上層緯糸のクリンプのみが突出し、上層経糸と上層緯糸との同一平面を形成できず、平滑な上層面を得ることができない。
上層経糸クリンプが上層緯糸2本分より長いと逆に上層経糸が突出し、緯糸の繊維支持性を充分に確保できない。
すなわち、上層緯糸の繊維支持性を向上させるためには、当然上層緯糸が経糸の上側に位置して上層面を形成する部分を多くする必要があるが、ただ単に多くしたのでは前述したように緯糸だけが突出してしまうので、上層緯糸2本分の上層経糸クリンプを形成することによってバランスよく、上層経糸、上層緯糸の同一平面を形成しつつ、上層緯糸の繊維支持性を確保できるのである。
【0013】
また、本発明では補助緯糸を、同一平面を形成している上層経糸クリンプの間の同一平面を形成せずに凹んでいる上層経糸の上に配置し、凹みを埋めて平滑性を向上させるとともに緯糸の繊維支持性を向上させた。
上層経糸のクリンプの上側には補助緯糸は配置しない。もし、上層経糸のクリンプの上側に補助緯糸を配置したとすると、補助緯糸が突出して同一平面が得られないからである。
【0014】
さらに、本発明では補助緯糸を、複数本で組を形成して配置し、組を形成する個々の補助緯糸が交互に上層面に現れ、上層面側に現れていない部分では下層面側に下がって下層経糸と織り合わされて上層織物と下層織物を連結するように形成した。
即ち、本発明の補助緯糸は補助緯糸本来の機能と接結糸の機能を合せもっているのである。
このように補助緯糸の組を形成することによって、実質上、上層面側に連続する補助緯糸を配置させることが可能となる。
例えば、2本1組の補助緯糸で上層面側に補助緯糸1本分の組織を形成することにより、まるで1本の補助緯糸が配置されているようにすることができる。
前述したように、従来の工業用2層織物は、接結糸が上層織物を下層面側に引き込むために上層織物表面に凹みが発生し、実際に紙を抄いた時に、この凹みのマークを紙に転写するようにワイヤーマークとして発生させる問題を解決できなかった。
従来の工業用2層織物の接結糸は、上層織物の本来の糸が存在しない位置に点々と現れて上層面を引き込んで、凹みを発生させるという悪影響を及ぼしていたが、本発明では、補助緯糸と接結糸が同じ糸であって、補助緯糸が上層面側に現れて補助緯糸の機能を果たしている位置が上層織物の接結部となっており、本来の糸が存在している位置が接結部となるため、従来の接結糸のような悪影響は発生しないのである。
しかし、注意が必要なのは接結部が本来の糸が存在すべき位置にありさえすればよいというわけではないということである。
【0015】
全ての補助緯糸が上述したように接結糸として機能することが重要である。一部の補助緯糸を接結糸として機能させると、接結糸として機能する補助緯糸は接結糸として機能しない補助緯糸と比較して下層面側に強く引き込まれるため、両者の間に差異が生じて、製紙面に凹凸が発生する.
このことは、例えば、特開昭58−18496号等で開示されているような上層織物を形成する糸の一部を接結糸として機能させた上層織物がやはりその部分に凹みが発生し実用に供することができなかったということからも理解できる。
【0016】
しかし、本発明において、組織の異なる複数の種類の補助緯糸が存在する場合は全ての補助緯糸を接結糸として機能させなくてもよい。
例えば、上層緯糸間に組織の異なる補助緯糸が2本存在する場合は、1本の補助緯糸だけを上記のように接結糸としても機能させ、他の補助緯糸は補助緯糸としてだけ機能させ両補助緯糸を一つの組とすれば上層面に凹みを発生させることがない。
本発明では上層織物と下層織物を連結する力が強いということも1つの特徴である。
本発明では上層緯糸間に接結糸が少なくとも2本存在することになるため、従来の1本の場合と比較して接結力が強くなるのである。
また、従来は上層緯糸4本に対して接結糸1本の割合というように接結糸の本数が少なく、また、従来は1本の上層経糸と織り合わされていたのに対し、本発明では複数の上層経糸と織り合わされて引き込んでいるためなおさら強くなるのである。
接結力が強くなると、前述したような、接結糸が上層織物と下層織物の間で揉まれて内部摩耗が発生することがなくなって、織物間に隙間が発生したり、分離してしまうという問題が発生しない。
【0017】
上層経糸は、各経糸が上層緯糸2本分のクリンプを形成していれば、この他に上層緯糸2本分以下の長さのクリンプ即ちナックルを形成することも可能である。ナックルを形成すると斜め方向等の剛性が向上する利点があるが、逆に上層緯糸の繊維支持性は低下する。
なお、上層緯糸クリンプの長さは、繊維支持性、剛性を考慮すると上層経糸2本分が好適である。クリンプの長さが1本分、すなわちナックルではナックルの点で同一平面を形成し繊維を支持することとなるため、短すぎて十分に繊維支持性が確保できない。
逆にクリンプがあまり長くても、同一平面形成に関与しない凹み部分が大きくなって、実質的な繊維支持性の向上にはならない。緯糸と経糸との交差部では、糸は直角に曲って矩形状に形成されるわけではなく、上層緯糸が上層経糸の下側から上側に行く部分にはどうしても同一平面形成に関与しない凹み部分ができ、この凹み部分はクリンプの長さが長くなるほど大きくなる。また剛性が低下するという問題も発生する。
組を形成する個々の補助緯糸を、互いに経糸数本分ずらして配置した同組織の補助緯糸とすると、個々の補助緯糸が上層織物を引き込む力が等しくなるので上層面の平滑性が良好となって好ましい。
【0018】
また、補助緯糸を、上層面側で補助緯糸として機能している部分での繰り返し単位ごとに引き込むように形成すると、上層緯糸の繰り返し単位ごとに引き込むことと同じことになり、上層面を最小単位である繰り返し単位ごとに同条件で引き込むことができるので、さらに上層面全体を均一に平滑に形成できて好ましい。
例えば、補助緯糸を2本1組で形成し、個々の補助緯糸の繰り返し単位を上層緯糸の繰り返し単位つまり、補助緯糸を1本で形成した場合の補助緯糸の繰り返し単位の2倍とし、個々の補助緯糸が上層面側に上層緯糸の繰り返し単位1つ分の組織を形成し、2本の補助緯糸が協働して上層面側に上層緯糸の繰り返し単位2つ分の補助緯糸組織を形成するように構成するのである。
【0019】
上層織物の具体的は組織としては、特に限定されるものではないが、例えば次のような組織がある。
上層織物が、連続する2本の上層緯糸の上側を通った後連続する3本の上層緯糸の下側を通る上層経糸を、順次上層緯糸3本分ずらして配置して形成した5シャフトの織物である。この組織は上層経糸のクリンプ部分が隣接する経糸間で隣り合う部分がないため、上層経糸間の経糸方向の長い溝が発生せず、上層緯糸の繊維支持性が特に良好である。
次に上層織物が、連続する2本の上層緯糸の上側を通った後連続する2本の上層緯糸の下側を通る上層経糸を、順次上層緯糸1本分ずらして配置して形成した4シャフトの織物である。この組織は上層経糸、上層緯糸ともに2本分の長さのクリンプのみを形成するため、クリンプのバランスがよく、製紙面の同一平面を形成しないクリンプがないので、上層面側の糸の同一平面形成に係わる効率がよく、上層織物の平滑性が良好である。
勿論この他にも、3シャフト、6シャフト、7シャフトの織物も可能である。
下層織物については、特に限定されないが、前述したように耐摩耗性が良好な緯糸摩耗型の組織が好適である。上層織物に対する糸本数の密度も特に限定されず、下層経糸や下層緯糸を上層面側の1/2や2/3等の密度にしてもよい。
ただし、特に下層緯糸の密度は、耐摩耗性との関連があるため上層面と同密度が最も好適である。あまり少なくすると耐摩耗性が低下するからである。
【0020】
本発明に使用される糸としては、工業用織物に望まれる特性によって自由に選択でき特に限定されない。例えば、モノフィラメントの他、マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や崇高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、モール糸、あるいはこれらをより合わせる等して組み合わせた糸等が使用できる。また、糸の断面形状も円形だけでなく四角形状、星型等の矩形状の糸や楕円形状、中空等の糸が使用できる。
また、糸の材質としても、自由に選択でき、ポリエステル、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、綿、ウール、金属等が使用できる。
勿論、共重合体やこれらの材質に目的に応じて色々な物質をブレンドしたり含有させた糸を使用してもよい。
一般的には、上層経糸、下層経糸、上層緯糸には剛性があり、寸法安定性が優れているポリエステルモノフィラメントを用いるのが好ましく、また、補助緯糸は、線径が小さく耐シャワー性、耐フィブリル化性、前述した内部摩耗に対する耐摩耗性を要求される接結糸にはナイロンモノフィラメントを用いるのが好ましい。また、耐摩耗性が要求される下層緯糸にはポリエステルモノフィラメントとナイロンモノフィラメントを交互に配置する等、交織するのが剛性を確保しつつ耐摩耗性を向上できて好ましい。
糸の線径もメッシュ等の製紙用織物に望まれる特性によって自由に選択でき特に限定されないが、補助緯糸は表面性等の観点から上層緯糸の線径の60〜90%の線径であることが好ましい。
本発明の実施の形態を工業用織物の主な用途である製紙用織物を例として説明したが、スレート、瓦等の建材製造用ベルトや不織布製造用織物、汚泥等の脱水ベルト、コンベアベルト等の工業用織物にいても同様である。
【0021】
【実施例】
発明の実施例に基づき図面を示して説明する。
図1、4、5は、本発明の実施例の完全組織を示す意匠図である。
完全組織とは、織物組織の最小の繰り返し単位であって、この完全組織が上下左右につながって織物全体の組織が形成される。
図2は図1の実施例の上層面側の一部平面図、図3は図1の実施例の緯糸に沿った断面図である。
【0022】
意匠図において、経糸はアラビア数字、例えば1、2、3で示し、緯糸はダッシュを付したアラビア数字、例えば1′、2′、3′、で示す。
また、×印は上層経糸が上層緯糸の上側に位置していることを示し、○印は下層経糸が下層緯糸の下側に位置していることを示し、■印は補助緯糸が上層経糸の上側に位置していることを示し、□印は補助緯糸が下層経糸の下側に位置していることを示す。空白の個所は補助緯糸については上層経糸と下層経糸の間を通っていることを示し、上層緯糸が上層経糸の上にあること、および下層緯糸が下層経糸の下側にあることを示す。
上層面側と下層面側の経糸、緯糸は上下に重なって配置されている。本実施例では本数密度が同じであるため、上層面側の経糸、緯糸の真下に下層面側の経糸、緯糸が配置されている。
なお、意匠図では糸が上下に正確に重なって上層面側の経糸、緯糸の真下に下層面側の経糸、緯糸が配置されることになっているが、これは図面の都合上であって、実際の織物では多少ずれて配置されても構わない。
実際に、上層織物と下層織物の密着性を改善させて剛性を向上したり網厚を薄くしたりする目的で、接結糸の組織を非対称、つまり上層経糸の上側から下層経糸の下側への傾斜角度を左右で異ならせて故意に重なりをずらすこともある。
【0023】
実施例1
図1が本発明の実施例1の完全組織を示す意匠図である。
図1の意匠図において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10が経糸であり上層経糸と下層経糸が上下に配置されている。3′、6′、9′、12′、15′、18、21′、24′、27′、30′が緯糸であって上層緯糸と下層緯糸が上下に配置されている。1′、2′、4′、5′、7′、8′、10′、11′、13′、14′、16′、17′、19′、20′、22′、23′、25′、26′、28′、29′が補助緯糸であり、1′と2′、4′と5′、7′と8′、10′と11′、13′と14′、16′と17′、19′と20′、22′と23′、25′と26′、28′と29′がそれぞれ組を形成している。
意匠図より本実施例は、上層織物、下層織物とあわせて20シャフトの織物であることがわかる。
しかし、上層織物、下層織物自体は5シャフトの織物であって、それぞれ2つの完全組織が縦横に並べて合計4つ配置されている。詳細は後で説明する。
補助緯糸は上層緯糸の全ての間に2本1組で配置されている。
【0024】
まず上層織物をみてみると、上層経糸1は上層緯糸3′、6′の下側を通り、次いで上層緯糸9′、12′の上側を通り、次いで上層緯糸15′の下側を通り、次いで上層緯糸18′、21′の下側を通り、次いで上層緯糸24′、27′の上側を通り、次いで上層緯糸30′の下側を通っている。上層経糸1の組織はこの繰り返しとなるのであるから上層緯糸30′の下側を通った後は上側に続く次の完全組織の上層緯糸3′、6′の下側を通るのである。したがって、上層経糸1の組織は、連続する2本の上層緯糸の上側を通った後連続する3本の上層緯糸の下側を通る組織の連続であるということができる。
そして、組織上、この上層経糸1を3本分上方にシフトさせて順次上層経糸2、3、4、5、6、7、8、9、10と配置して完全組織を形成するのである。
上層緯糸3′は上層経糸1の上側を通り、次いで上層経糸2の下側を通り、次いで上層経糸3、4の上側を通り、次いで上層経糸5の下側を通り、上層経糸6の上側を通り、次いで上層経糸7の下側を通り、次いで上層経糸8、9の上側を通り、次いで上層経糸10の下側を通る。
上層緯糸3′の組織はこの繰り返しとなるのであるから、上層経糸10の下側を通った後は右側に続く次の完全組織の上層経糸1の上側を通るのである。
したがって、上層緯糸3′の組織は、1本の上層経糸の上側を通り、次いで1本の上層経糸の下側を通り、次いで2本の上層経糸の上側を通り、次いで1本の上層経糸の下側を通る組織の繰り返しであって、意匠図では2回繰り返されていることがわかる。また、上層経糸1と6、2と7、3と8、4と9、5と10が同組織であることがわかり、上層経糸1から5までの組織と下層経糸6から10までの組織が同じであることがわかる。
すなわち、意匠図の上層織物は同じ完全組織が2つ横に並んで配置されて形成されているのである。
上層織物は上層織物だけでみると5シャフトの織物となる。
上層織物は、上記のように形成されていおり、上層面側には上層経糸の上層緯糸2本分のクリンプと、上層緯糸の上層経糸の2本分のクリンプと1本分のナックルが形成されている。この上層経糸の上層緯糸2本分のクリンプと、上層緯糸の上層経糸の2本分のクリンプが製紙面の同一平面を形成し、平滑な製紙面を提供するのである。上層緯糸の上層経糸1本分のナックルは、2本分のクリンプより距離が短い分多少低く凹むため前記同一平面を形成することはできないが、緯糸の繊維支持性の向上には充分に貢献し、また、剛性の向上も図られるのである。
また、本実施例は意匠図からわかるように上層経糸のクリンプ部分が隣接する経糸間で隣り合う部分がない。例えば、上層経糸1のクリンプは上層緯糸9′、12′の部分で形成され、上層経糸2のクリンプは上層緯糸3′、6′の部分で形成されており互いに隣り合ってないため、上層経糸間の経糸方向の溝が、緯糸によって分断されており、上層緯糸の繊維支持性が特に良好である。
【0025】
次に補助緯糸をみてみると、例えば補助緯糸25′は上層経糸2、3、4、5の上側に配置され、上層経糸4本分のクリンプを形成しており、また、補助緯糸25′と組を形成している補助緯糸26′は上層経糸7、8、9、10の上側に配置され、上層経糸4本分のクリンプを形成している。
そして、組を形成する補助緯糸25′、26′が協働して上層経糸4本分のクリンプを上層経糸1本置きに形成する実質上補助緯糸1本分の組織を形成しているのである。
すなわち、補助緯糸25′、26′が同一平面を形成している上層経糸1と6の上層緯糸24′、27′にまたがる上層経糸2本分のクリンプの間にある、凹んでいる上層経糸2、3、4、5と7、8、9、10の上に配置されて、凹みを埋めているのである。
したがって、補助緯糸が上層織物の上層経糸、緯糸とともに同一平面を形成し製紙面の平滑性、繊維支持性がさらに向上するのである。もし、上層経糸1のクリンプの上側に補助緯糸を配置したとすると、補助緯糸が突出してしまって同一平面が得られない。
なお、上層経糸がクリンプを形成していない位置で、補助緯糸をクリンプを形成させずに下層経糸の下側に配置させることは可能であるが、この部分には繊維支持機能を発揮しない凹みが発生してしまうため、クリンプを形成させる方が好ましい。ただし、補助緯糸のクリンプの部分が長くなりすぎる場合には下側に配置する部分を形成して織り込み、補助緯糸の移動が起きないようにしっかりと保持することが好ましい。
また,補助緯糸25′は下層経糸8、9の下側を、補助緯糸26′は下層経糸3、4の下側を通ることによって、上層織物と下層織物を連結しており、接結糸として機能しているのである。
また、補助緯糸25′、26′ともに4本の上層経糸の上側を通ってクリンプを形成し、2本の下層経糸の下側を通っており、互いに経糸5本ずらして配置した同組織の補助緯糸であることがわかる。
また、補助緯糸25′、26′が協働して形成している上層面側の実質上1本分の補助緯糸組織は、上層経糸4本分のクリンプを上層経糸1本置きに形成する組織であって、上層経糸5本分で繰り返し単位を形成しており、繰り返し単位の長さが上層織物の繰り返し単位と同じであることがわかる。
したがって、個々の補助緯糸が等しい力で、上層織物の繰り返し単位ごとに引き込むことになるため、上層面を最小単位ごとに同条件で引き込むこととなり、上層面全体を均一に平滑に形成できる。
【0026】
次に下層織物をみてみると、下層緯糸が下層面側に下層経糸4本分のクリンプを形成する緯糸摩耗型であることがわかる。
例えば、下層緯糸3′は下層経糸1と6によって下側から織り込まれ、下層経糸2、3、4、5と6、7、8、9、10のそれぞれ4本分のクリンプを形成している。
また、下層織物も上層織物と同様、5シャフトの同じ完全組織が2つ縦横に並んで合計4つ配置されて形成されていることがわかる。
下層織物は緯糸摩耗型に限定されされるわけではないが、前述したように耐摩耗性の面からは緯糸摩耗型の組織を採用するのが望ましい。
また、図2に示した平面図からも上層経糸1が上層緯糸2本分のクリンプを形成し、上層緯糸24′、27′がそれぞれ上層経糸2本分のクリンプと1本分のナックルを形成し、補助緯糸25′、26′が上層経糸1のクリンプと上層経糸6のクリンプの間の上層経糸の上側に配置され、まるで1本の補助緯糸で形成したような上層経糸4本分のクリンプを形成しており、緯糸の繊維支持性が良好な上層面が形成されていることがよく理解できる。
また、図3に示した緯糸に沿った断面図からは、補助緯糸25′、26′が交互に上層面に現れて、上層経糸1、6、上層緯糸27′とともに上層面に同一平面を形成し、一方下層面側に下がった時には2本の下層経糸の下側を通って上層織物と下層織物を連結し、接結糸として機能していることが理解できる。
また、下層緯糸27′が下層面側にクリンプを形成して下層経糸を摩耗から保護していることがよく理解できる。
【0027】
実施例2
図4が本発明の実施例2の完全組織を示す意匠図である。
本実施例は、上層織物の組織、下層織物の組織、補助緯糸の配置は実施例1と同じである。糸と符号の関係も同じであって、補助緯糸の組織が異なるだけである。
実施例1では、補助緯糸1本で製紙面側が上層経糸4本分のクリンプを形成させていたのに対し、本実施例では、補助緯糸2本を組み合わせて製紙面側に上層経糸4本分のクリンプを形成させたのである。
例えば、補助緯糸25′、26′の組をみてみる。
補助緯糸25′は上層経糸4、5と7、8の上側に配置されており、上層経糸6の上層緯糸24′、27′にまたがるクリンプの下側を通って、その両側に上層経糸2本分のクリンプを形成している。
また、補助緯糸26′は上層経糸2、3と9、10の上側に配置されており、上層経糸1の上層緯糸24′、27′にまたがるクリンプの下側を通って、その両側に上層経糸2本分のクリンプ、すなわち上層経糸2、3と左側に続く完全組織の上層経糸9、10の上を通るクリンプを形成している。
そして、補助緯糸26′の上層経糸2、3にまたがるクリンプと補助緯糸25′の上層経糸4、5にまたがるクリンプが協働して上層経糸1と6のクリンプの間に上層経糸4本分のクリンプを形成し、補助緯糸25′の上層経糸7、8にまたがるクリンプと補助緯糸26′の上層経糸9、10にまたがるクリンプが協働して、上層経糸6のクリンプと右側に続く完全組織の上層経糸1のクリンプの間に上層経糸4本分のクリンプを形成するのである。
このように複数の補助緯糸で実質上連続する長いクリンプを形成すると、1本の補助緯糸が形成する1つのクリンプの長さを短くすることができ、補助緯糸の密着性、剛性等が向上できる利点がある。
特にクリンプが長すぎて突出してクリンプの両端の同一平面形成に関与しない部分が大きくなる場合に効果がある。
クリンプの両端の同一平面形成に関与しない部分とは補助緯糸が上層経糸の下側から上側に行く部分に形成される凹み部分であり、この凹み部分はクリンプの長さが長くなるほど大きくなるのである。
ところで、連続している4本分の補助緯糸のクリンプを1本の補助緯糸で形成した前述の実施例1は、本実施例の場合と異なり、組を形成する個々の補助緯糸が互いに交差する部分が、同じ網目(同じ経糸の間)ではなく経糸1本分間隔が空いており、かつ、上層経糸のクリンプの下部で製紙面側に現れてない部分のため、製紙面側に現れてクリンプを形成する部分が、互いに多少越境し合って上層緯糸間の中央部に位置しやすくなり、上層緯糸間のほぼ中央位置に1本の補助緯糸が配置されることになる。
したがって、均一な繊維支持性、▲ろ▼水空間が得られるという利点がある。
実施例1のパターンと実施例2のパターンのどちらを採用するかは、製紙用織物に要求される特性に応じて自由に選択できる。
【0028】
実施例3
図5が本発明の実施例3の完全組織を示す意匠図である。
本実施例は、実施例2の補助緯糸の組織に多少変更を加えたものである。
実施例2では、補助緯糸は、上層経糸の下側を通って、その両側に上層経糸2本分のクリンプを形成しているのであるが、本実施例では、補助緯糸は、上層経糸の下側を通って、その一方に上層経糸2本分のクリンプを形成し、他方には上層経糸3本分のクリンプを形成しているのである。
例えば、補助緯糸25′、26′の組をみてみる。
補助緯糸25′は上層経糸4、5と7、8、9の上側に配置されており、上層経糸6の上層緯糸24′、27′にまたがるクリンプの下側を通って、その左側に上層経糸2本分のクリンプを形成し、右側に上層経糸3本分のクリンプを形成している。
また、補助緯糸26′は上層経糸2、3と8、9、10の上側に配置されており、上層経糸1の上層緯糸24′、27′にまたがるクリンプの下側を通って、その右側に上層経糸2本分のクリンプを形成し、左側に上層経糸3本分のクリンプ、すなわち左側に続く完全組織の上層経糸8、9、10の上を通るクリンプを形成している。
上記構成とすることにより、補助緯糸の交差位置を上層緯糸間のほぼ中央に位置させて、補助緯糸の偏在を防ぐことができるのである。
【0029】
実施例4
図6が本発明の実施例4の完全組織を示す意匠図である。
図6の意匠図において、1、2、3、4、5、6、7、8が経糸であり上層経糸と下層経糸が上下に配置されている。
3′,6′、9′、12′、15′、18′、21′、24′が緯糸であって上層緯糸と下層緯糸が上下に配置されている。
1′、2′、4′、5′、7′、8′、10′、11′、13′、14′、16′、17′、19′、20′、22′、23′が補助緯糸であって、1′と2′、4′と5′、7′と8′、10′と11′、13′と14′、16′と17′、19′と20′、22′と23′がそれぞれ組を形成している。
意匠図により本実施例は、上層織物、下層織物とあわせて16シャフトの織物であることがわかる。
しかし、上層織物、下層織物自体は4シャフトの織物であって、ともに完全組織が縦横に並べて2つ、合計4つ配置されている。
【0030】
まず上層織物をみてみると、上層経糸1は上層緯糸3′の下側を通り、次いで上層緯糸6′、9′の上側を通り、次いで上層緯糸12′、15′の下側を通り、次いで上層緯糸18′、21′の上側を通り、次いで上層緯糸24′の下側を通っている。
上層経糸1の組織はこの繰り返しとなるのであるから上層緯糸24′の下側を通った後は上側に続く完全組織の上層緯糸3′の下側を通るのである。
したがって、上層経糸1の組織は、連続する2本の上層緯糸、例えば上層緯糸6′、9′の上側を通った後連続する2本の上層緯糸、例えば上層緯糸12′、15′の下側を通る組織の繰り返しであって、意匠図の中にはこの繰り返し単位が2つ形成されていることがわかる。
そして、組織上、この上層経糸1の緯糸との交差位置を上層緯糸1本分上方にシフトさせて順次上層経糸2、3、4、5、6、7、8と配置して完全組織を形成するのである。
また、上層緯糸の組織は2本の上層経糸の下側を通り、次いで2本の上層経糸の下側を通る組織の繰り返しであって、意匠図の中にはこの繰り返し単位が2つ形成されていることがわかる。
例えば、上層緯糸3′は上層経糸1、2の上側を通り、次いで上層経糸3、4の下側を通り、次いで上層経糸5、6の上側を通り、次いで上層経糸7、8の下側を通っている。そして、上層緯糸3′の経糸との交差位置を上層経糸1本分右方にシフトさせて順次上層緯糸6′、9′、12′、15′、18′、21′、24′が配置されている。
上層織物は、上層織物だけでみると4シャフトの織物であって、意匠図にはこの4シャフトの完全組織が縦横にそれぞれ2つ合計4つ配置されているのである。上層織物は、上記のように形成されており、製紙面側には上層経糸の上層緯糸2本分のクリンプと、上層緯糸の上層経糸2本分のクリンプが形成されているのである。この上層経糸の上層緯糸2本分のクリンプと、上層緯糸の上層経糸2本分のクリンプが製紙面の同一平面を形成し、平滑な製紙面を提供するのである。この他にはクリンプを形成せず、全てのクリンプが同一平面形成に関与しており、平滑性のよい実施例である。
【0031】
次に補助緯糸をみてみると、例えば補助緯糸19′は上層経糸2、3、4に上側に配置され、上層経糸3本分のクリンプを形成しており、また、補助緯糸19′と組を形成している補助緯糸20′は上層経糸6、7、8の上側に配置され、上層経糸3本分のクリンプを形成している。
また、組を形成する補助緯糸19′、20′が協働して上層経糸3本分のクリンプを上層経糸1本分おきに形成する、実質上1本分の補助緯糸の組織を形成していることがわかる。
また補助緯糸19′,20′が同一平面を形成している上層経糸1と5の上層緯糸18′、21′にまたがる上層緯糸2本分のクリンプを間にある、凹んでいる上層経糸2、3、4と6、7、8の上に配置されて、凹みを埋めていることがわかる。
したがって、補助緯糸が上層織物の上層経糸、緯糸とともに同一平面を形成し、製紙面の平滑性、繊維支持性がさらに向上するのである。
もし上層経糸1のクリンプの上側に補助緯糸を配置したとすると、補助緯糸が突出してしまって同一平面が得られない。
また、補助緯糸19′は下層経糸8の下側を、補助緯糸20′は下層経糸4の下側を通ることによって、上層織物と下層織物を連結しており、接結糸として機能しているのである。
また、補助緯糸19′、20′とともに3本の上層経糸の上側を通ってクリンプを形成し、2本の下層経糸の下側を通っており、互いに経糸4本分ずらして配置した同組織の補助緯糸であることがわかる。
また、補助緯糸19′、20′が協働して形成している製紙面側の補助緯糸組織は、上層経糸3本分のクリンプを上層経糸1本おきに形成する組織であって、上層経糸4本分で繰り返し単位を形成しており、繰り返し単位の長さが上層織物の繰り返し単位と同じであることがわかる。
したがって、個々の補助緯糸が等しい力で、上層織物の繰り返し単位ごとに引き込むことになるため、製紙面を最小単位ごとに同条件で引き込むこととなり、製紙面全体を均一に平滑に形成できる。
【0032】
次に下層織物をみてみると、下層緯糸が走行面側に下層経糸3本分のクリンプを形成する緯糸摩耗型であることがわかる。
例えば、下層緯糸3′は下層経糸1と5によって下側から織り込まれ、下層経糸2、3、4と6、7、8のそれぞれ3本分のクリンプを形成している。
また、下層織物も上層織物と同様、4シャフトの同じ完全組織が縦横に2つ合計4つ並んで配置されて形成されていることがわかる。
【0033】
従来例
図7は従来の製紙用2層織物の完全組織の緯糸に沿った断面図である。
上層織物は平織組織で形成されている。
接結糸1′によって、上層経糸1の部分のみが走行面側に引き込まれ凹み31が形成されている。
平織組織は経糸2本分で完全組織を形成するため、接結糸が全ての上層経糸を組織上同じ位置で繰り返し単位ごとに引き込んで、上層織物を均一に引き込むためには、上層経糸2本ごとに接結糸が上側から交差して引き込まなくてはならないのであるが、従来例では上層経糸3、5の部分で接結糸1′が交差しておらず、完全組織ごとに引き込まれていない。
従来例において、上層経糸3、5の部分で接結糸1′を交差させることは組織上は不可能ではないが、接結糸の上層経糸との交差部と下層経糸との交差部との間の傾斜が余りにも急になってしまって、接結糸の切断が発生してしまうなど、製織が非常に困難である。
また、必然的に接結糸が下層経糸と交差する部分も増加するために、下層経糸が下層緯糸を下側から織り込んで最も走行面側に位置している下層経糸1の部分でも、接結糸が下側で交差する部分ができ、下層経糸が摩耗し始める前に接結糸が摩耗切断して上層織物と下層織物の分離が発生して寿命がつきてしまうため、耐摩耗性の面でも問題がある。
【0034】
比較試験
次に図1に示した本発明の実施例と図7に示した従来例との比較試験を示して本発明の効果を説明する。
織物構成と試験結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003883276
【0036】
(註)
シート平滑度:中質紙配合の原料パルプを使用し、タッピスタンダードシートテストマシンで坪量70g/m相当の紙シートを抄造し、常法にしたがって平滑シート作成し、ベックの平滑度計にて織物面に接していた紙の平滑度を測定した。
ワイヤーマーク:視覚によって判定した。
従来例は、接結糸による凹み部分の紙が厚くなり、この厚い部分が斜めの連続した黒い線となって見える。実施例にはこの様なマークは見えない。
接結強度:巾40mm、長さ300mmのサンプルを用意し、長さ方向の80mm程度の部分を上層織物と下層織物とが分離するように接結糸のみをカッターで切断する。そして、分離してそれぞれ上層織物と下層織物のみになった部分を引張試験機のチャックに取付け、荷重をかけ、分離してない部分が分離される時の平均強度を測定し、測定値をcm当りに換算した。
実施例は、上層織物が破断ししまうほど接結強度が強く測定不可であった。
PET:ポリエチレンテレフタレートモノフィラメント
PA:ポリアミドモノフィラメント
【0037】
【発明の効果】
本発明の工業用2層織物は、前述のように上層と下層とをそれぞれ別々の経糸、緯糸を用いて構成し、両層の織物を一体化させた織物であっても、上層織物表面に凹みが発生せず、経糸、緯糸、補助緯糸が同一平面を形成して製紙面が平滑で、かつ緯糸、補助緯糸の繊維支持性が非常に良好で、ワイヤーマークがない平滑な紙を製造することができ、接結力が強く、リテンションもよく、高速の抄紙スピードにも対応できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の完全組織を示す意匠図である。
【図2】図1に示した実施例の一部平面図である。
【図3】図1に示した実施例の緯糸に沿った断面図である。
【図4】本発明の実施例2の完全組織を示す意匠図である。
【図5】本発明の実施例3の完全組織を示す意匠図である。
【図6】本発明の実施例4の完全組織を示す意匠図である。
【図7】従来例を示す緯糸に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 経糸
2 経糸
3 経糸
4 経糸
5 経糸
6 経糸
7 経糸
8 経糸
9 経糸
10 経糸
3′ 緯糸
6′ 緯糸
9′ 緯糸
12′ 緯糸
15′ 緯糸
18′ 緯糸
21′ 緯糸
24′ 緯糸
27′ 緯糸
30′ 緯糸
1′ 補助緯糸
2′ 補助緯糸
4′ 補助緯糸
5′ 補助緯糸
7′ 補助緯糸
8′ 補助緯糸
10′ 補助緯糸
11′ 補助緯糸
13′ 補助緯糸
14′ 補助緯糸
16′ 補助緯糸
17′ 補助緯糸
19′ 補助緯糸
20′ 補助緯糸
22′ 補助緯糸
23′ 補助緯糸
25′ 補助緯糸
26′ 補助緯糸
28′ 補助緯糸
29′ 補助緯糸
31 凹み

Claims (8)

  1. (A)上層経糸と上層緯糸と上層緯糸間に配置した補助緯糸とからなる上層織物と、下層経糸と下層緯糸とからなる下層織物とからなる工業用2層織物において、
    (B)上層経糸が、連続する2本の上層緯糸の上側を通って製紙面側に上層緯糸2本分の長さのクリンプを形成し、
    (C)補助緯糸が、複数本で組を形成して配置され、組を形成する個々の補助緯糸は交互に上層面に現れ、上層経糸の上層緯糸2本分のクリンプの間の上層経糸の上側に配置され、上層面側に現れていない部分では下層面側に下がって下層経糸と織り合わされて上層織物と下層織物とを連結することを特徴とする上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
  2. 上層経糸が、上層面側に上層緯糸2本分のクリンプのみ形成する、請求項1に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
  3. 上層経糸の上層緯糸2本分のクリンプを形成している以外の部分で補助緯糸が上層経糸の上側に配置されている、請求項1または2に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
  4. 組を形成する個々の補助緯糸が協働して、上層面側に実質上1本分の補助緯糸の組織を形成する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
  5. 組を形成する個々の補助緯糸が、互いに経糸数本分ずらして配置された同組織の補助緯糸である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
  6. 補助緯糸が、2本で組を形成する補助緯糸であって、組を形成する個々の補助緯糸の繰り返し単位が上層緯糸の繰り返し単位の2倍であって、2本の補助緯糸が協働して上層面側に上層緯糸の繰り返し単位2つ分の長さの組織を形成する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
  7. 上層織物が、連続する2本の上層緯糸の上を通った後連続する3本の上層緯糸の下側を通る上層経糸を、順次上層緯糸3本分ずらして配置して形成した5シャフトの織物である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
  8. 上層織物が、連続する2本の上層緯糸の上を通った後連続する2本の上層緯糸の下を通る上層経糸を、順次上層緯糸1本分ずらして配置して形成した4シャフトの織物である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された上層織物に補助緯糸を配置した工業用2層織物。
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