JPH0649401A - 孔版印刷用エマルションインキ - Google Patents
孔版印刷用エマルションインキInfo
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Abstract
重量%とからなる油中水型エマルションからなり、しか
も前記油相中の界面活性剤のHLBが3.0〜5.5で
あり、且つ前記水相が増粘されたものである(好ましく
は水相の粘度が15〜350ポイズであり、増粘剤とし
てアクリル酸樹脂又はその誘導体を使用する)。 【効果】 エマルションの保存安定性に優れ、その上イ
ンキの流動性及び画像品質の温度依存性にも優れてい
る。
Description
インキに関し、エマルション高温(50〜70℃)保存
安定性に優れ、しかもインキ流動性及び画像品質温度依
存性に優れた孔版印刷用エマルションインキに関する。
原紙を用い、この原紙の穿孔部を介して原紙の一方の側
より他方の側へインキを移動させることにより、紙など
の被印刷物面に印刷を行なうものである。近年、輪転孔
版印刷機にもマイクロコンピューター等による自動化が
進み、操作が簡単になってきており、これにともない、
様々な環境で印刷開始直後から良好な印刷物を入手でき
ることが要望されている。
際の船積みなど、高温にさらされることがあり、その際
のインキの安定性が問題となっている。従来、エマルシ
ョンインキの水相には水を増粘しないで使用することが
多く、安定性を確保するために油相の粘度を高くし、そ
のために樹脂が用いられ、また乳化系のバランスを取る
のがたいへん困難であった(特開昭61−255967
号公報)。更に、これらのインキは常温保存時(40℃
以下)には充分な安定性を示すが、50℃以上に放置し
た場合エマルションが壊れて、インキに通電及び水分離
が生じるという不具合が生じることが多かった。
として、例えばフェノール樹脂、マレイン酸樹脂、石油
樹脂、アルキド樹脂、ゴム誘導体樹脂等が知られている
が、これらの樹脂で充分な安定性を得るためには多くの
樹脂を必要とする。しかも、この場合、インキの流動性
を著しく損ねることがあり、その結果均一な画像濃度が
得られなかったりする。更に、温度依存性の大きい高分
子化合物である樹脂をインキに配合するため、得られる
画像品質の温度依存性も大きくなる。
的は、前記従来技術の欠点を除去し、輪転孔版印刷機に
おいて、エマルション高温(50〜70℃)安定性に優
れ、しかもインキ流動性及び画像品質の温度依存性に優
れた孔版印刷用エマルションインキを提供することにあ
る。
を重ねた結果、油相中に特定のHLBを有する界面活性
剤を用い、且つ増粘された水相を用いた油中水型エマル
ションインキが、上記目的に適合することを見出し、本
発明を完成するに至った。
重量%と水相約90〜50重量%とからなる油中水型エ
マルションからなり、しかも前記油相中の界面活性剤の
HLBが3.0〜5.5であり、且つ前記水相が増粘さ
れたものであることを特徴とする孔版印刷用エマルショ
ンインキが提供される。
は、油相中の界面活性剤のHLB(親水性親油性バラン
ス)が3.0〜5.5であり、且つ水相を増粘されたも
の(好ましくは粘度が15〜350ポイズである水相)
としたことから、エマルションの高温(50〜70℃)
安定性に優れ、しかもインキの流動性、画像品質の温度
依存性にも優れたものとなる。その理由は、油相中の界
面活性剤のHLBが3.0〜5.5の範囲内において
は、エマルションの内相である水相に粘度をもたせるこ
とで、エマルションの合一が防止され、そのことにより
高温保存安定性が向上することと、多量の樹脂を使用し
なくて済むことから、インキ流動性、画像品質温度依存
性に優れたものとなる、と推定される。
明の孔版印刷用エマルションインキは、油相約10〜5
0重量%と水相約90〜50重量%とからなる油中水型
エマルションからなるが、前記油相は、油成分、乳化剤
等から構成され、また前記水相は、水、電解質、防腐・
防かび剤、酸化防止剤、水蒸発防止剤、水溶性高分子等
から構成される。これらの構成成分には、エマルション
の形成を阻害しない公知のものが使用される。
は、従来公知のものが適用でき、例えば、流動パラフィ
ン、スピンドル油、軽油、灯油、マシン油、潤滑油等の
鉱物油;オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、大豆油等の
植物油等が使用される。また、本発明においては合成油
も使用できる。合成油を使用する場合、種々の化合物が
利用できる。代表的な合成ビヒクルには、ポリイソブチ
レン類、水素化ポリデセン類、トリメチロールプロパン
エステル類、ネオペンチルエステル及びペンタエリトリ
トールエステル、ジ(2−エチルヘキシル)セバケー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジブチルフ
タレート、フルオロカーボン類、珪素エステル類、シラ
ン類、リン含有酸類のエステル類、液体尿素、フェロセ
ン誘導体類、水素化合成油類、鎖状ポリフェニル類、シ
ロキサン類及びシリコン類(ポリシロキサン類)、ブチ
ル置換ビス(p−フェノキシフェニル)エーテル類に代
表されるアルキル置換ジフェニルエーテル類、フェノキ
シフェニルエーテル類などが挙げられる。
は、好ましくは非イオン系界面活性剤であり、HLBが
3.0〜5.5のものである。もちろん、界面活性剤は
単一の種類のもののみではなく、2種以上のものを組み
合わせて使用することができる。従って、併用系の場
合、界面活性剤のHLBは各々が前記範囲内である必要
はなく、混合状態でのHLBが前記範囲内に入れば良
い。例えば、HLBが10のものと3〜4のものとを併
用し、混合状態でのHLBが3.0〜5.5になるよう
にすれば良い。界面活性剤の具体例としては、例えば、
ソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン高級脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、
脂肪酸ジグリセリド及び高級アルコール、アルキルフェ
ノール、脂肪酸等の酸化エチレン付加物等が挙げられ、
これらの中からHLBが前記範囲内のもの、あるいは併
用系においてHLBが前記範囲内に入るものを選択し、
使用される。
ば、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、シ
アニンブルー、シアニングリーン、レーキレッド、酸化
チタン、炭化カルシウム等の有機及び/又は無機の顔料
が挙げられる。
止剤兼凝結防止剤としては、エチレングリコール、ソル
ビトール、グリセリンなど多価アルコールや、ポリエチ
レングリコール等が用いられる。防腐・防かび剤として
は、例えば、芳香族ヒドロキシ化合物およびその塩素化
合物、サリチル酸、フェノール酸、p−オキシ安息香酸
メチル、p−オキシ安息香酸エチル等、ソルビン酸、デ
ヒドロ酢酸等が用いられる。
であり、水相の粘度は15〜350ポイズであることが
好ましい。そのため、本発明においては、水相中に水溶
性高分子が含有される。水溶性高分子の具体例として
は、例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、
ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、ブルラ
ン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチ
ン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子;キルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデン
プン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプ
ン等の半合成高分子;アクリル酸樹脂及びポリアクリル
酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミンな
どのアクリル酸樹脂誘導体、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリビニルメチルエーテルなどの合成高
分子等が用いられる。これらの中でも、特にアクリル酸
樹脂及びポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ト
リエタノールアミン等のアクリル酸樹脂誘導体が、少な
い使用量で効果的に増粘効果を発揮するので、非常に好
ましい。即ち、アクリル酸樹脂(誘導体)によると、他
の水溶性樹脂に比べ低コストで済み、且つ多量の水溶性
樹脂を使用しなくて済むことから、乾燥性の悪化を抑制
することができる。
め、前記水溶性高分子の外に更に増粘促進剤を併用する
ことができる。例えば、アクリル酸樹脂の場合に併用さ
れる増粘促進剤としては、ジイソプロパノールアミン、
ジ−2(エチルヘキシル)アミン、トリエタノールアミ
ン、トリアミルアミン、b−ジメチルアミノプロピオニ
トリル、ドデシルアミン、モルフォリン等の低分子アミ
ンやアルカノールアミン等、又は水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化アンモニウム等の無機塩基等が挙
げられる。
ては、油相は、通常公知の分散機で顔料を分散させ、そ
れを油あるいはその他の油相組成物で稀釈する。稀釈に
は通常、公知の撹拌機が使用される。水相には、水相組
成物が通常、撹拌機により混合される。出来上がった油
相、水相は、通常公知の乳化機を使用し、容易に乳化さ
れる。分散、稀釈、乳化等の製造方法、手段は適宜変更
できる。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下に示す部はいずれも重量基準である。
ラフィン系オイル及び界面活性剤、更に場合によりアル
キド樹脂を3本ロールで練肉することで行ない、続いて
オイルと顔料分散体、又は必要に応じてロジン変性フェ
ノール樹脂等のゲルワニスを少量加え、これらを均一に
混合撹拌機で混合したものを油相とした。また、増粘水
相の調製はアクリル酸ポリマーを水に一晩浸漬し、これ
にエチレングリコールを加えた後、撹拌しながら増粘促
進剤である水酸化ナトリウム水溶液を加えることによっ
て行ない、これを水相とした。次に、上記油相に上記水
相を加え乳化することによって、孔版印刷用エマルショ
ンインキを得た。
用エマルションインキを得た。また、表1にHLB及び
水相粘度も記載した。
ションインキを用い、感熱孔版印刷機〔(株)リコー
製、プリポートVT3500〕で、充分印刷を行なって
インキを印刷機内にいきわたらせた後、10℃、20
℃、30℃の環境温度で印刷した。この際の印刷物の印
刷濃度は反射式光学濃度計(マクベス社製)によって測
定した。また、インキを60℃の環境下に保存し、テス
ターの抵抗値から通電量を測定し、水分離に対する保存
安定性を評価した。インキ流動性はスプレッドメーター
による1分値(23℃)(試験開始1分経過時の直径の
大きさ)で示した。これらの結果を表2にまとめて示
す。なお、水相の粘度はビスコデスター(リオン社製)
(23℃)を用いて測定した。
使用量から、アクリル酸樹脂を使用すると水溶性樹脂の
使用量を少なくできることが分かる。表2の実施例1、
3、8、比較例2の結果から明らかなように、本発明の
エマルションインキは水相の粘度が高いほど、高温保存
安定性に優れ、また実施例1と比較例3から、高温保存
安定性だけでなく、インキ流動性及び画像品質温度依存
性にも優れていることが分かる。更に、実施例1、2と
比較例1の結果から、HLBが6.2以上になると高温
保存安定性が悪くなることが分かる。
キは、油中水型エマルションの油相中の界面活性剤のH
LBが3.0〜5.5の範囲であり、且つ水相が増粘さ
れたものであるという構成としたことから、実施例の記
載から明らかなように、エマルションの高温(50〜7
0℃)安定性に優れ、その上インキの流動性及び画像品
質の温度依存性にも優れたものである。
は、エマルションの水相の粘度を15〜350ポイズと
いう構成にしたことから、より確実にエマルションの高
温安定性に優れたものとなる。
は、エマルションの水相がアクリル酸樹脂(誘導体)を
含有するという構成としたことから、他の水溶性樹脂の
場合と比べ少量の使用で済み、低コスト化が達成される
上に、乾燥性の悪化を抑制できるという効果が加わる。
Claims (3)
- 【請求項1】 油相約10〜50重量%と水相約90〜
50重量%とからなる油中水型エマルションからなり、
しかも前記油相中の界面活性剤のHLBが3.0〜5.
5であり、且つ前記水相が増粘されたものであることを
特徴とする孔版印刷用エマルションインキ。 - 【請求項2】 前記水相は粘度が15〜350ポイズで
あることを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷用エマ
ルションインキ。 - 【請求項3】 前記水相がアクリル酸樹脂又はその誘導
体を含有するものであることを特徴とする請求項1又は
2に記載の孔版印刷用エマルションインキ。
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