JPH0649352A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0649352A
JPH0649352A JP22195292A JP22195292A JPH0649352A JP H0649352 A JPH0649352 A JP H0649352A JP 22195292 A JP22195292 A JP 22195292A JP 22195292 A JP22195292 A JP 22195292A JP H0649352 A JPH0649352 A JP H0649352A
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JP
Japan
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polyolefin
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polyamide resin
resin composition
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Application number
JP22195292A
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English (en)
Inventor
Akira Amano
明 天野
Kazuhiro Maekawa
和弘 前川
Yukihiko Yagi
幸彦 八木
Tadashi Sezume
忠司 瀬詰
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性及び機械的強度に優れているととも
に、ブロー成形性が良好でドローダウン等が生じにくい
熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 ポリアミド樹脂と、不飽和カルボン酸又はそ
の無水物による変性ポリオレフィンとをそれぞれ所定量
含有してなる組成系に、アクリルアミド基とエポキシ基
とを有するグリシジル化合物を所定量添加してなる組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド系熱可塑性
樹脂組成物に関し、特に耐熱性及び機械的強度に優れて
いるとともに、ブロー成形性が良好でドローダウン等が
生じにくい熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリア
ミド樹脂は耐熱性、機械的強度等に優れているので、エ
ンジニアリングプラスチックとして、自動車部品等に用
いられている。しかしながら、ポリアミド樹脂は、ポリ
オレフィン等の汎用樹脂と比べて比重が大きいため、軽
量化が求められている。特にガラス繊維等で強化された
ポリアミド樹脂は、耐熱性、機械的強度及び長期耐久性
等に優れているものの、比重が大きくなるため、軽量化
に対する要望は大きい。
【0003】そこで、ポリアミド樹脂とポリオレフィン
とのポリマーアロイとすることや、あるいはそれをガラ
ス繊維等により強化することが行われているが、ポリア
ミド樹脂と、ポリオレフィンとは相溶性が良好でないと
いう問題がある。このため、ポリアミド樹脂と、ポリオ
レフィンとの相溶性の向上を目的として、不飽和カルボ
ン酸又はその無水物による変性ポリオレフィンを配合す
ることが行われている。
【0004】特公昭61−26939 号は、(a) ポリアミド樹
脂、(b) ポリプロピレン樹脂にエチレン性不飽和カルボ
ン酸またはその無水物をグラフト共重合して得られる変
性重合体および(c) 繊維状強化材を含み、(a) 成分と
(b) 成分が重量比で(a) :(b)=70:30〜95:5、かつ
(c) 成分を、(a) 成分と(b) 成分の合計 100重量部に対
して、40〜 200重量部の割合で含有する組成物を開示し
ている。
【0005】しかしながら、上述したような変性ポリオ
レフィンを配合してなる組成物は、ポリアミド樹脂とポ
リオレフィンとの相溶性は改善されているものの、溶融
粘度が高くないため、ブロー成形に用いた場合には、ド
ローダウンが生じやすく、得られるブロー成形品の肉厚
が不均一になりやすいという問題がある。そこで、高溶
融粘度の材料を使用することが行われているが、そうす
ると得られる組成物の機械的強度が低下してしまうとい
う問題がある。すなわち、従来のポリアミド樹脂とポリ
オレフィンとを含有する組成物では、機械的強度を保持
したまま、ブロー成形性を向上させるのが困難であっ
た。
【0006】したがって、本発明の目的は、耐熱性及び
機械的強度に優れているとともに、ブロー成形性が良好
でドローダウン等が生じにくい熱可塑性樹脂組成物を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、ポリアミド樹脂と、不飽和カル
ボン酸又はその無水物による変性ポリオレフィンとをそ
れぞれ所定量含有してなる組成系に、アクリルアミド基
とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を所定量添加
すれば、耐熱性及び機械的強度を低下させることなく、
ブロー成形性を向上させることができることを見出し、
本発明に想到した。
【0008】すなわち本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
(a) ポリアミド樹脂45〜95重量%と、(b) 不飽和カルボ
ン酸又はその無水物による変性ポリオレフィン、あるい
は前記変性ポリオレフィンを1重量%以上含有するポリ
オレフィン樹脂組成物5〜55重量%と、前記(a) +(b)
の合計100 重量部に対して、(c) アクリルアミド基とエ
ポキシ基とを有するグリシジル化合物0.01〜10重量部と
を含有することを特徴とする。
【0009】本発明を以下詳細に説明する。まず、本発
明の熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分について説明
する。
【0010】(a) ポリアミド樹脂 本発明において(a) ポリアミド樹脂としては、ヘキサメ
チレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレ
ンジアミン、2,2,4-又は2,4,4,−トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、1,3-又は1,4-ビス(アミノメチル)シク
ロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタ
ン)、m−又はp−キシリレンジアミンのような脂肪
族、脂環族又は芳香族のジアミンと、アジピン酸、スベ
リン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸のような脂肪族、脂環族又は
芳香族のジカルボン酸とから製造されるポリアミド、6
−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−ア
ミノドデカン酸のようなアミノカルボン酸から製造され
るポリアミド、ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタ
ムのようなラクタムから製造されるポリアミド、及びこ
れらの成分からなる共重合ポリアミド、又はこれらのポ
リアミドの混合物等が挙げられる。具体的にはナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610 、ナイロン9、ナイロン
6/66、ナイロン66/610 、ナイロン6/11、ナイロン
6/12、ナイロン12、ナイロン46、非晶質ナイロン等が
挙げられる。これらの中では、剛性、耐熱性の良好な点
でナイロン6及びナイロン66が好ましい。
【0011】上記ポリアミド樹脂の分子量は特に制限さ
れないが、通常相対粘度ηr (JISK6810、98%硫酸中で
測定)が0.5 以上のものが用いられ、中でも2.0以上の
ものが機械的強度が優れている点で好ましい。
【0012】(b) 不飽和カルボン酸又はその無水物によ
る変性ポリオレフィン (b) 変性ポリオレフィンにおいて、変性対象となるポリ
オレフィンとしては、結晶性ポリオレフィン及びオレフ
ィン系エラストマーを用いることができる。
【0013】結晶性ポリオレフィンとしては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、
4-メチルペンテン-1等のα−オレフィンの単独重合体、
エチレンとプロピレン又は他のα−オレフィンとの共重
合体、もしくはこれらのα−オレフィンの2種以上の共
重合体等が挙げられる。これらの中では、低密度ポリエ
チレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン及びポリプロ
ピレンが好ましい。ポリプロピレンはホモポリマーに限
られず、プロピレン成分を50モル%以上、好ましくは80
モル%以上含む他のα−オレフィンとのランダム又はブ
ロック共重合体も使用することができる。プロピレンに
共重合するコモノマーとしてはエチレンその他のα−オ
レフィンがあり、エチレンが特に好ましい。
【0014】上記ポリエチレンのメルトインデックス
(MI、190 ℃、2.16kg荷重)は、0.01〜50g/10 分が好
ましく、特に0.1 〜5g/10 分が好ましい。
【0015】また、ポリプロピレンのメルトフローレー
ト (MFR 、230 ℃、2.16kg荷重)は、0.01〜50g/10 分
が好ましく、特に0.1 〜5g/10 分が好ましい。
【0016】また、オレフィン系エラストマーとして
は、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘ
キセン-1、4-メチルペンテン-1等のα−オレフィンの2
種又は3種以上の共重合体ゴム、又はα−オレフィンと
他種モノマーとの共重合体ゴム等が挙げられる。上記α
−オレフィンの2種又は3種以上の共重合体ゴムとして
は、典型的にはエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
R)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、及びエチレ
ン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM) が挙げら
れる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EP
DM) 中のジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4-
ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボル
ネン等の非共役ジエン又はブタジエン、イソプレン等の
共役ジエンを使用することができる。またα−オレフィ
ンと共重合する他種モノマーとしては、酢酸ビニル、ア
クリル酸エステル等を用いることができる。α−オレフ
ィンと他種モノマーとの共重合体の典型的な例としては
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が挙げられる。
【0017】エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)
は、エチレンの含有率が40〜90モル%、プロピレンの含
有率が10〜60モル%であることが好ましい。より好まし
い範囲は、エチレンが50〜90モル%、プロピレンが10〜
50モル%である。EPR のメルトインデックス(190 ℃、
2.16kg荷重)は0.5 〜15g/10分の範囲内にあるのが好
ましく、より好ましくは3〜9g/10分である。
【0018】エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)は、
エチレンの含有率が60〜97モル%、ブテン−1の含有率
が3〜40モル%であることが好ましい。より好ましい範
囲は、エチレンが80〜95モル%、ブテン−1が5〜20モ
ル%である。EBR のメルトインデックス(190 ℃、2.16
kg荷重)は0.5 〜15g/10分の範囲内にあるのが好まし
く、より好ましくは3〜9g/10分である。
【0019】また、エチレン−プロピレン−ジエン共重
合体(EPDM) は、エチレンの含有率が40〜89モル%、プ
ロピレンの含有率が10〜59モル%、及びジエンの含有率
が1〜10モル%であることが好ましい。EPDMのムーニー
粘度ML1+8 (100℃) は40〜100 の範囲内にあるのが好ま
しく、より好ましくは60〜80である。
【0020】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ム(EPDM) 、及びエチレン−プロピレン共重合体ゴム
(EPR)は、基本的には上記の繰返し単位からなるもので
あるが、これらの共重合体の特性を損なわない範囲内
で、例えばブテン−1あるいは4−メチルペンテン−1
などの他のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位
などの他の繰り返し単位を、10モル%以下の割合まで含
んでもよい。
【0021】このようなポリオレフィンの変性用モノマ
ーである不飽和カルボン酸又はその無水物としては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、エンド−ビシクロ−
[2,2,1] −5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物
(無水ハイミック酸) 等のジカルボン酸無水物等が挙げ
られ、特にジカルボン酸及びその無水物が好ましい。
【0022】上記変性用モノマーによる変性ポリオレフ
ィンはブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム
共重合体又は交互共重合体のいずれでもよい。
【0023】変性ポリオレフィン中の変性用モノマーの
含有量は0.05〜5重量%、好ましくは0.1 〜3重量%の
範囲内となるようなものであるのが好ましい。変性用モ
ノマーによる変性量が0.05重量%未満では、ポリオレフ
ィンとポリアミド樹脂との相溶性の向上に十分な効果が
なく、また5重量%を超えると機械的強度が低下する。
【0024】変性ポリオレフィンの製造は溶液法又は溶
融混練法のいずれでも行うことができる。溶融混練法の
場合、ポリオレフィン(オレフィン系エラストマーを含
む)、変性用モノマー及び触媒を押出機や二軸混練機等
に投入し、結晶性ポリオレフィンの場合には150 〜250
℃の温度、オレフィン系エラストマーの場合には100〜2
00 ℃の温度に加熱して溶融しながら混練する。また溶
液法の場合、キシレン等の有機溶剤に上記出発物質を溶
解し、結晶性ポリオレフィンの場合には80〜140 ℃の温
度、オレフィン系エラストマーの場合には60〜130 ℃の
温度で攪拌しながら行う。いずれの場合にも、触媒とし
て通常のラジカル重合用触媒を用いることができ、例え
ば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジター
シャリーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブチル
ペルオキシ安息香酸、過酸化ジクミル、ぺルオキシ安息
香酸、ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチルペルオキシ
ピバレート、2,5-ジメチル-2,5- ジターシャリーブチル
ペルオキシヘキシン等の過酸化物類や、アゾビスイソブ
チロニトリル等のジアゾ化合物類等が好ましい。触媒の
添加量は変性用モノマー 100重量部に対して1〜 100重
量部程度である。
【0025】上述したような変性ポリオレフィンの溶融
粘度は、変性ポリプロピレンの場合、メルトフローレー
ト (MFR 、230 ℃、2.16kg荷重) が0.1 〜500 g/10 分
であるのが好ましく、変性ポリエチレンの場合、メルト
インデックス (MI、190 ℃、2.16kg荷重) が0.1 〜500
g/10 分であるのが好ましい。
【0026】また、変性エチレン−プロピレン共重合体
ゴムの場合、メルトフローレート (MFR 、230 ℃、2.16
kg荷重) が0.1 〜500 g/10 分であるのが好ましく、エ
チレン−ブテン共重合体ゴムの場合、メルトフローレー
ト (MFR 、230 ℃、2.16kg荷重) が0.1 〜500 g/10 分
であるのが好ましい。
【0027】なお、上述したような変性結晶性ポリオレ
フィンと、変性オレフィン系エラストマーとは、それぞ
れ単独で使用しても併用してもよい。
【0028】また、本発明においては、上述したような
変性ポリオレフィンを、未変性のポリオレフィンで稀釈
したポリオレフィン樹脂組成物も使用することができ
る。未変性のポリオレフィンとしては、上述した変性対
象のポリオレフィンを用いることができる。
【0029】ポリオレフィン樹脂組成物の場合、変性ポ
リオレフィンの割合は、変性ポリオレフィン+未変性の
ポリオレフィンを100 重量%として1重量%以上、好ま
しくは5〜60重量%である。変性ポリオレフィンの含有
量が1重量%未満ではポリオレフィン樹脂組成物(変性
ポリオレフィン+未変性のポリオレフィン)とポリアミ
ド樹脂との相溶性の向上に十分な効果がない。
【0030】ただし、変性ポリオレフィン+未変性のポ
リオレフィンを100 重量%として、変性用モノマーの含
有量を0.005 重量%以上、特に0.01〜6重量%とするの
が好ましい。変性用モノマーの含有量が0.005 重量%未
満ではポリオレフィン樹脂とポリアミド樹脂との相溶性
の向上に十分な効果がない。
【0031】なお、本発明においてポリオレフィン樹脂
組成物の組合せとしては、以下の9通りの場合が挙げら
れる。 変性結晶性ポリオレフィン+結晶性ポリオレフィン 変性結晶性ポリオレフィン+オレフィン系エラストマ
ー 変性オレフィン系エラストマー+オレフィン系エラス
トマー 変性オレフィン系エラストマー+結晶性ポリオレフィ
ン 変性結晶性ポリオレフィン+変性オレフィン系エラス
トマー+結晶性ポリオレフィン 変性結晶性ポリオレフィン+変性オレフィン系エラス
トマー+オレフィン系エラストマー 変性結晶性ポリオレフィン+結晶性ポリオレフィン+
オレフィン系エラストマー 変性オレフィン系エラストマー+結晶性ポリオレフィ
ン+オレフィン系エラストマー 変性結晶性ポリオレフィン+変性オレフィン系エラス
トマー+結晶性ポリオレフィン+オレフィン系エラスト
マー これらのうちでは、、、及びの組合せが特に好
ましい。
【0032】(c) アクリルアミド基とエポキシ基とを有
するグリシジル化合物 本発明において使用するアクリルアミド基とエポキシ基
とを有するグリシジル化合物は、ブロー成形性改良剤と
いうべきものであり、下記一般式(1) :
【化1】
【0033】(式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキ
ル基であり、Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ
以上有する炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、n
は1〜4の整数を表す。) で表されるものである。
【0034】好ましいグリシジル化合物としては、下記
一般式(2) で表されるものが挙げられる。
【化2】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基であ
る。)
【0035】このようなグリシジル化合物は、例えば特
開昭60-130580 号に示される方法により製造することが
できる。
【0036】上述したような各成分の配合割合は、まず
(a) ポリアミド樹脂が45〜95重量%、好ましくは55〜80
重量%であり、(b) 変性ポリオレフィン(あるいはそれ
を含有するポリオレフィン樹脂組成物)が5〜55重量
%、好ましくは20〜45重量%である。
【0037】ポリアミド樹脂が45重量%未満では(変性
ポリオレフィンあるいはそれを含有するポリオレフィン
樹脂組成物が55重量%を超えると) 、機械的強度及び耐
熱性が十分でなく、一方ポリアミド樹脂が95重量%を超
えると(変性ポリオレフィンあるいはそれを含有するポ
リオレフィン樹脂組成物が5重量%未満では)、ポリオ
レフィンの配合による効果が十分に得られない。
【0038】また、(c) アクリルアミド基とエポキシ基
とを有するグリシジル化合物の配合割合は、(a) +(b)
の合計100 重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましく
は0.03〜5重量部である。
【0039】アクリルアミド基とエポキシ基とを有する
グリシジル化合物が0.01重量部未満では、その配合によ
るブロー成形性の向上効果が十分でなく、一方10重量部
を超えると、機械的強度及び耐熱性が十分でなくなる。
【0040】(d) ガラス繊維 本発明においては、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性及び機
械的強度の一層の向上を目的として、ガラス繊維を配合
することができる。
【0041】(d) ガラス繊維は、チョップドストラン
ド、ロービングいずれも用いることができるが、平均繊
維径が6〜20μmで、アスペクト比が100 〜500 のもの
が好ましい。また、シラン系カップリング剤及び/又は
カルボキシル基又は酸無水物基を有するポリマーからな
る結束剤等により表面処理されているものを用いること
ができる。このような表面処理によって、ガラス繊維と
ポリアミド樹脂との接着性が改善される。
【0042】ガラス繊維を配合する場合、その配合割合
は、(a) +(b) +(d) の合計を100重量部として、50重
量部以下が好ましく、特に5〜40重量部が好ましい。ガ
ラス繊維が50重量部を超えると、組成物の比重が過大と
なるとともに、成形性が低下し、さらに、かえって機械
的強度が低下するため好ましくない。なお、下限につい
ては、5重量部未満では、その配合による耐熱性及び機
械的強度の向上効果が得られないため好ましくない。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、その他
にその改質を目的として、他の添加剤、例えば無機充填
材、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑
剤、帯電防止剤、離型剤、核剤等を添加することができ
る。
【0044】上述したような各成分からなる本発明の熱
可塑性樹脂組成物は、一軸押出機、二軸押出機等の押出
機などを用いて、220 〜270 ℃で加熱溶融状態で混練す
るこにより得ることができる。なお、ガラス繊維を配合
する場合、ガラス繊維は、ポリアミド樹脂、ポリオレフ
ィン、及びアクリルアミド基とエポキシ基とを有するグ
リシジル化合物とともに、最初から加えてもよいし、あ
るいは上記3成分をある程度溶融混練した後、途中で加
えてもよい。
【0045】
【作用】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ポリアミド樹
脂と、不飽和カルボン酸又はその無水物による変性ポリ
オレフィンとをそれぞれ所定量含有してなる組成系にア
クリルアミド基とエポキシ基とを有するグリシジル化合
物を所定量添加してなるので、耐熱性及び機械的強度を
低下させることなく、ブロー成形性が向上しており、ド
ローダウン等が生じにくくなっている。
【0046】このような効果が得られる理由については
必ずしも明らかではないが、ポリアミド樹脂と、変性ポ
リオレフィンとに、アクリルアミド基とエポキシ基とを
有するグリシジル化合物を添加することにより、樹脂成
分自身の機械的強度を低下させることなく、溶融粘度を
上昇させることができ、これによりブロー成形性が大幅
に向上するためであると考えられる。
【0047】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、原料となる樹脂成分としては以下のもの
を使用した。 [1] ポリアミド樹脂 ナイロン6:Ny6〔EMS F50、EMS(株)
製、相対粘度(JIS K6810、98%硫酸中で測定)
〔ηr 〕6.0 〕 [2] 変性ポリオレフィン ・無水マレイン酸変性ポリプロピレン CMPP:〔プロピレンホモポリマー(東燃化学(株)
製、E200X)をパーヘキシン2.5B(日本油脂
(株)製)を開始剤として、無水マレイン酸により変
性、無水マレイン酸の付加量 0.3 重量%、メルトフロ
ーレート (190 ℃、1050g荷重) 40g/10 分〕 [3] 変性オレフィン系エラストマー ・無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体ゴム CMEBR〔エチレン−ブテン共重合体ゴム(日本合成
ゴム(株)製、EBM2041P)を、パーヘキシン
2.5B(日本油脂(株)製)を開始剤として、無水マ
レイン酸により変性、無水マレイン酸の付加量0.8 重量
%、メルトフローレート (190 ℃、2160g荷重)1.5g/1
0 分〕 [4] アクリルアミド基とエポキシ基とを有するグリシジ
ル化合物 AXE:〔下記化学式で表されるグリシジル化合物、鐘
淵化学工業(株)製、AXE〕
【化3】 [5] ポリオレフィン ・ポリプロピレン BPP:〔東燃化学(株)製、E−200X〕 [6] ガラス繊維 GF:〔旭ファイバーグラス(株)製、03MAFT2A、平均
繊維径13μm、アスペクト比230 、無水マレイン酸によ
り表面処理〕
【0048】実施例1〜3及び比較例1、2 第1表に示す配合割合でポリアミド樹脂(Ny6)、ポ
リプロピレン(BPP)、変性ポリプロピレン(CMP
P)、変性オレフィン系エラストマー(CMEBR)、
及びアクリルアミド基とエポキシ基とを有するグリシジ
ル化合物(AXE)をドライブレンドし、45mmφの二軸
押出機(L/D=28) のメインホッパーから投入し、また第
1表に示す割合でガラス繊維を二軸押出機の途中より投
入して、200rpm、250 ℃で溶融混練し、組成物のペレッ
トを得た。
【0049】得られたペレットを用いて、射出成形によ
り後述する物性試験の試験片を作成し、比重、メルトフ
ローレート、引張強度、曲げ強度、熱変形温度及びドロ
ーダウン比の測定を行った。結果を第2表に示す。
【0050】 第 1 表組成(重量部) 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 Ny6 48 48 48 48 48 CMPP − − 16 − 16 CMEBR 16 16 − 16 − PP 16 16 16 16 16 GF 20 20 20 20 20 AXE 0.05 0.1 0.1 − −
【0051】 第 2 表 物 性 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 比重(1) 1.17 1.17 1.17 1.17 1.17 MFR(2) 0.02 0.005 0.1 0.03 0.7 引張強度(3) 700 700 1100 700 1100 曲げ強度(4) 1000 1000 1500 1000 1500 熱変形温度(5 140 140 150 140 150 ドローダウン比(6) 5.50 5.80 5.50 5.10 4.70
【0052】(1) 比重:ASTM D792 により測定。 (2) MFR:JIS 7210により240 ℃、2160gの荷重下で
測定(単位はg/10 分)。 (3) 引張強度:ASTM D638 により測定 (単位はkg/c
m2 )。 (4) 曲げ強度:ASTM D790 により測定 (単位はkg/c
m2 )。 (5) 熱変形温度:一定速度(2℃/分)で昇温した際
に、18.6kgの荷重を受けた110mm ×4mm×12.7mmの試験
片が、0.25mm撓んだ時の温度をASTM D648 により測定
(単位は℃)。 (6) ドローダウン比:50mmφの押出機に設置した外径32
mmφ、内径13mmφの円形ダイスから、回転数30rpm 及び
温度240 ℃でパリソンを押し出した時の、ダイス下面よ
り10cmの長さに達するまでの時間(t10 ) と、60cmの長
さに達するまでの時間(t60 )との比 t60/ t10 を表
示。なお、 t60/ t10 が6に近いほどドローダウン特
性は良好である。
【0053】第2表から明らかなように、実施例1〜3
の組成物は、引張強度、曲げ強度及び熱変形温度が対応
する各比較例の組成物と比べて良好であり、しかもドロ
ーダウン比が大きく、ブロー成形性が向上したものであ
った。
【0054】実施例4及び比較例3 第3表に示す配合割合でポリアミド樹脂(Ny6)、ポ
リプロピレン(PP)、変性ポリプロピレン(CMP
P)、及びアクリルアミド基とエポキシ基とを有するグ
リシジル化合物(AXE)をドライブレンドし、45mmφ
の二軸押出機(L/D=28) により200rpm、250 ℃で溶融混
練し、組成物のペレットを得た。
【0055】得られたペレットを用いて、射出成形によ
り後述する物性試験の試験片を作成し、比重、メルトフ
ローレート、引張強度、曲げ強度、熱変形温度及びドロ
ーダウン比の測定を行った。結果を第4表に示す。
【0056】第 3 表組成(重量部) 実施例4 比較例3 Ny6 60 60 CMPP 20 20 PP 20 20 AXE 0.1 −
【0057】第 4 表物 性 実施例4 比較例3 比重 1.03 1.03 MFR 0.1 0.6 引張強度 550 550 曲げ強度 750 750 熱変形温度 60 60 ドローダウン比 4.70 4.00
【0058】第4表から明らかなように、実施例4の組
成物は、引張強度及び熱変形温度が比較例3の組成物と
比べて良好であり、しかもドローダウン比が大きく、ブ
ロー成形性が向上したものであった。
【0059】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の熱可塑
性樹脂組成物は、ポリアミド樹脂と、不飽和カルボン酸
又はその無水物による変性ポリオレフィンとをそれぞれ
所定量含有してなる組成系に、アクリルアミド基とエポ
キシ基とを有するグリシジル化合物を所定量添加してな
るので、耐熱性及び機械的強度を低下させることなく、
ブロー成形性が向上しており、ドローダウン等が生じに
くくなっている。
【0060】このような本発明の組成物はラジエータタ
ンク等の自動車成形部品、特に大型ブロー成形品に使用
するのに好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬詰 忠司 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東 燃化学株式会社技術開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) ポリアミド樹脂45〜95重量%と、
    (b) 不飽和カルボン酸又はその無水物による変性ポリオ
    レフィン、あるいは前記変性ポリオレフィンを1重量%
    以上含有するポリオレフィン樹脂組成物5〜55重量%
    と、前記(a) +(b) の合計100 重量部に対して、(c) ア
    クリルアミド基とエポキシ基とを有するグリシジル化合
    物0.01〜10重量部とを含有することを特徴とする熱可塑
    性樹脂組成物。
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