JPH0649341A - 熱可塑性複合樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性複合樹脂組成物

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JPH0649341A
JPH0649341A JP11530392A JP11530392A JPH0649341A JP H0649341 A JPH0649341 A JP H0649341A JP 11530392 A JP11530392 A JP 11530392A JP 11530392 A JP11530392 A JP 11530392A JP H0649341 A JPH0649341 A JP H0649341A
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JP
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hydroxyphenyl
bis
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resin composition
resin
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JP11530392A
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Masaru Sakaguchi
勝 阪口
Masami Okamoto
正巳 岡本
Koji Fukuda
紘二 福田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性および耐薬品性に優れ、且つ透明度の
高い成形品を与える熱可塑性複合樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。 【構成】 特定のジヒドロキシジフェニルアルカンをモ
ノマー成分として用いたポリカーボネート系樹脂(A)
と、グリコール成分として1,4−シクロへキサンジメ
タノールを用いたポリエステル樹脂(B) との 1〜99:99
〜1 (重量比)のブレンド物を樹脂成分とする熱可塑性
複合樹脂組成物であり、複合樹脂材料として透明性を保
持しつつ、従来のポリカーボネート系樹脂に指摘される
耐薬品性の改善に成功した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のジヒドロキシジ
フェニルシクロアルカンを主たるモノマー成分として用
いたポリカーボネート系樹脂(A) と、主たるグリコール
成分として1.4 −シクロヘキサンジメタノールを用いた
ポリエステル樹脂(B) とを用いた熱可塑性複合樹脂組成
物に関するものであり、この樹脂組成物は耐薬品性に優
れ且つ透明度の高い成形品を得るための素材として有用
である。
【0002】
【従来の技術】ジヒドロキシジフェニルシクロアルカン
を主たるモノマー成分として用いたポリカーボネート系
樹脂はたとえば特開平2-209920号や同2-222415号等によ
って公知であり、これらの樹脂が高耐熱性で透明の成形
品を与えることも知られている。ところがこれらの樹脂
は耐薬品性が悪いため用途に制約がある。そこでこうし
た欠点を改善するための手段として他の樹脂や化合物と
のブレンドが検討され、たとえば特開平2-166156号,特
開平2-212549号,特開平2-222417号,特開平2-233755
号,特開平2-279760号等が提案された。しかしながらこ
れらの樹脂組成物は多成分系のブレンド物であり各成分
相互の相溶性が悪いため相分離を起こし易く、殆んどの
場合不透明な成形品しか得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、エン
ジニアリングプラスチック、殊にスーパーエンジニアリ
ングプラスチックとして使用し得る程度の耐熱性を有
し、しかも耐薬品性および透明性に優れた成形品を与え
る樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る複合樹脂組成物の構成は、樹脂成
分が (A) 下記一般式[I]
【0005】
【化2】
【0006】(式中R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一
もしくは異なって水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアル
キル、炭素数5〜6のシクロアルキル、炭素数6〜10の
アリールまたは炭素数7〜12のアラルキル;Xは炭素原
子;mは4〜7の整数;R5 およびR6 は同一もしくは
異なって水素または炭素数1〜4のアルキルを表わし、
少なくとも1の炭素原子Xには同時に2つの同一もしく
は異なるアルキルが結合している)で示されるジヒドロ
キシジフェニルシクロアルカンを主たるモノマー成分と
するポリカーボネート系樹脂:1〜99重量%と、(B) 1
種以上のジカルボン酸成分と、1種以上のグリコール成
分からなり、グリコ〜ル成分の少なくとも1つが1,4 −
シクロヘキサンジメタノールである1種以上のグリコー
ルから成るポリエステル樹脂:99〜1重量%とからなる
ものであるところに要旨を有するものである。
【0007】
【作用】以下、本発明に係る樹脂組成物の構成々分につ
いて詳述する。本発明に係る複合樹脂組成物はポリカー
ボネート系樹脂(A) と特定のポリエステル樹脂(B) より
なる樹脂成分を含むものであり、ポリカーボネート系樹
脂(A)は前記一般式[I] で示されるジヒドロキシジフェ
ニルシクロアルカンを主たるモノマー成分とするポリカ
ーボネート系樹脂であり、前記一般式[I] で示されるジ
ヒドロキシジフェニルシクロアルカンの中でも特に好ま
しいのは1個または2個の原子X、より好ましくは唯1
個の原子Xに置換したR5 およびR6 が同時にアルキル
であるものである。ここで好ましいアルキルはメチルで
あり、またジフェニルが置換した炭素原子に対してα位
のX原子には2個のアルキルが置換していないことが好
ましく、一方β位のX原子にはアルキルが2個置換して
いるものが好ましい。上記ジヒドロキシジフェニルシク
ロアルカンは、炭素数5または6の脂環式基を有するも
の(一般式[i] においてmが4または5であるもの)が
好ましく、例えば式下記式[II]〜[IV]で示されるものが
特に好適であり、
【0008】
【化3】
【0009】とりわけ上記式[II]で示される1,1−ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサンは特に好ましい。
【0010】上記のジヒドロキシジフェニルアルカンを
夫々単独で、あるいは2種以上を併用し公知の方法でホ
スゲン等と反応させてポリカーボネート系樹脂(A) を得
る。製法は後で詳述するが、たとえばドイツ特許出願公
開第3,832,396 号に記載されている様な方法等を採用す
ればよい。またこの反応に際し、たとえば下記式[V]で
示される様な化合物を共重合成分として使用することも
できる。 HO−Z−OH …[V] (式中Zは炭素原子6〜30個を含む2官能性の単核もし
くは多核の芳香族基を示し、2個のOH基は芳香族環の
炭素原子に直接結合している) 上記共重合成分の中でも特に好ましいのは下記式[VI]で
示されるジフェノール類である。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Yは単結合、炭素数1〜7のアル
キルもしくはアルキリデン、炭素数5〜12のシクロアル
キルもしくはシクロアルキリデン、を表わし、
【0013】
【化5】
【0014】式中の炭素環に結合した水素はアルキルも
しくはハロゲンで置換されていてもよい) 前記式[V] で示される化合物の具体例としては、たとえ
ばヒドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシジフェニ
ル、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(ヒド
ロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)エー
テル、ビス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒド
ロキシフェニル)スルフォン、ビス(ヒドロキシフェニ
ル)スルフォキシド、α,α′−ビス(ヒドロキシフェ
ニル)ジイソプロピルベンゼンあるいはこれらの環内ア
ルキル化物もしくはハロゲン化物が例示される。
【0015】その他の適当な共重合性化合物は、例えば
米国特許第3,028,365 号、同第2,999,835 号、同第3,14
8,172 号、同第3,275,601 号、同第2,991,273 号、同第
3,271,367 号、同第3,062,781 号、同第2,970,131 号、
同第2,999,846 号;ドイツ国特許出願公開第1 570 703
号、同第2 063 050 号、同第2 063 052 号、同第2 211
0956号、フランス国特許第1,561,518 号並びにH.シユネ
ル(Schnell)「ポリカーボネートの化学及び物理(Chemi
stry and Physics of Polycarbonates) 」、インターサ
イエンス(Interscience)出版、ニユーヨーク、1964等に
記載されている。
【0016】その具体例を示すと、たとえば4,4′−
ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキ
シ)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、α,α′−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、α,α′−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0017】これらの中でも特に好ましいものとして
は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサンが挙げられ、中でも2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンが殊に好ましい。
【0018】これらのジフエノール類は単独で使用して
もよく或は2種以上を併用してもよく、これらはポリカ
ーボネート系樹脂(A) 中にラングムもしくはブロック状
で組込まれる。
【0019】前記一般式[I] で示されるジヒドロキシジ
フェニルアルカンと、必要により共重合される上記一般
式[V] で示される化合物の好ましい使用比率は、モル比
で前者100 に対して後者2〜98、より好ましくは5〜9
5、更に好ましくは10〜90、最も好ましくは20〜80の範
囲である。
【0020】またポリカーボネート系樹脂(A) は分枝構
造を有するものであってもよく、分枝構造とする場合は
公知の方法で少量、好ましくは0.05〜2.0 モル%程度の
3官能性以上の多官能性化合物、殊に3個以上のフェノ
ール性ヒドロキシ基を有する化合物を共縮合させること
によって得ることができる。3個以上のフェノール性ヒ
ドロキシル基を有する化合物としてはクロログルシノー
ル、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘプト−2−エン、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベン
ゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキシル]プロパン−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール、2,6
−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−
メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−
2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、ヘキ
サ[4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェ
ニル]オルトテレフタル酸エステル、テトラ(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、テトラ[4−(4−ヒドロキ
シフェニルイソプロピル)フエノキシ]メタン、1,4
−ビス[(4′,4′−ジヒドロキシトリフェニル)メ
チル]ベンゼン等が挙げられる。その他の多官能性化合
物として、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン
酸、塩化シアヌル、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロイ
ンドール等を使用することもできる。
【0021】ジヒドロキシジフェニルアルカンやジフェ
ノール類等を原料とするポリカーボネート系樹脂(A) の
製法には一切制限がなく、公知の方法を採用できるが、
好ましいのは界面重縮合法である。この場合、重合物の
分子量を調整するための連鎖停止剤としてフェノール、
t−ブチルフェノール、アルキル置換フェノール等の単
官能性化合物を添加することもできる。
【0022】重合に際し必要により添加される前記の様
な分枝性化合物は、水性アルカリ相中にジフェノール類
等と共に最初に混入させてもよく、あるいはホスゲン化
の前に有機溶媒溶液として加えてもよい。連鎖停止剤や
分枝性化合物に適した有機溶媒としては、たとえば塩化
メチル、クロロベンゼン、アセトン、アセトニトリルあ
るいはこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0023】界面重縮合に用いる有機相としては、例え
ば塩化メチレンやクロロベンゼンあるいはそれらの混合
物が使用され、また水性アルカリ相としては例えばNa
OH水溶液が用いられる。界面重縮合法を採用したポリ
カーボネート系樹脂(A) の製造に当たっては、常法によ
り第3級アミン、殊にトリブチルアミンやトリエチルア
ミン等の第3級アミンをホスゲン化の開始前もしくは反
応中の任意の時期に添加することができる。これら触媒
の添加量は、用いるジフェノール類に対して0.05〜10モ
ル%の範囲が好ましい。
【0024】またポリカーボネート系樹脂(A) は、ピリ
ジン法と呼ばれる公知の均一相法、あるいはホスゲンの
代わりにジフェニルカーボネートを用いる公知のエステ
ル交換法等によって製造することも可能である。ポリカ
ーボネート系樹脂の好ましい分子量は10,000以上、より
好ましくは20,000〜300,000 、最も好ましくは20,000〜
80,000の範囲( 重量平均分子量、ゲルクロマトグラフイ
ーにより測定)である。
【0025】次に本発明で使用されるポリエステル樹脂
(B) は、ジカルボン酸成分とグリコール成分の重縮合反
応によって得られるものであり、本発明においてはグリ
コール成分の1つとして1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールを使用することが不可欠の要件である。ここでジ
カルボン酸成分としては、テレフタル酸を50〜100 モル
%、望ましくは70〜100 モル%の範囲で使用すべきであ
り、その他のジカルボン酸成分は50〜0モル%、望まし
くは30〜0モル%に抑えるのがよい。その他のジカルボ
ン酸成分としては、イソフタル酸、オルソフタル酸等の
芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪
族ジカルボン酸等が使用できる。
【0026】一方グリコール成分としては、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールを含むことが必須であり、好
ましくは全グリコール成分中の20〜100 モル%、より好
ましくは50〜100 モル%を1,4−シクロヘキサンジメ
タノールとしなければならない。併用可能な他のグリコ
ール成分のうちその他のグリコール成分として最も好ま
しいのはエチレングリコールであるが、そのほかプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、テトラメチ
レングリコール等のジオールを少量併用することも可能
である。本発明において、ポリエステル樹脂(B) を構成
するグリコール成分として1,4−シクロヘキサンジメ
タノールを選択した理由は、この1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールが、本発明に用いるもう一方の成分であ
るポリカーボネート樹脂(A) 中の主たるモノマー成分と
して用いているジヒドロキシジフェニルシクロアルカン
と極めて良好な相溶性を示すため、成分相互間の相分離
が起こらず、その結果として透明性に優れた成形品を与
える樹脂組成物が得られるためであり、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールを使用しなかった場合は、上記と
は逆に相溶性が悪くなり、成分相互間の相分離を起こし
易くなるため、不透明な成形品しか得られなくなること
がある。
【0027】本発明の複合樹脂組成物は、前記ポリカー
ボネート系樹脂(A) と上記ポリエステル樹脂(B) とを重
量比で(A) /(B) =99/1〜1/99、より好ましくは80/20
〜20/80 の範囲でブレンドしてなるものであり、上記樹
脂(A) ,(B) は広い配合率範囲で相互に優れた親和性お
よび相溶性を有しているので、これらを公知の方法で混
合することにより透明な複合樹脂組成物を得ることがで
きる。しかもこの複合樹脂組成物は、ポリカーボネート
系樹脂(A) に由来する優れた耐熱性を示すと共に、その
欠点として指摘される耐薬品性不足の問題は上記ポリエ
ステル樹脂(B)とのブレンドによって解消され、耐熱
性、耐薬品性および透明性の要求をすべて満たすものと
なる。尚先に示した様にポリカーボネート系樹脂および
ポリエステル系樹脂と共にゴム成分を必須成分として含
有する複合樹脂組成物は公知であるが、この樹脂組成物
はゴム成分の親和性および相溶性が良くないため透明性
が悪く、しかもゴム成分によって耐熱性も悪くなる傾向
があり、本発明で意図する様な性能のものは得られな
い。
【0028】上記樹脂(A) ,(B) の混合方法も一切制限
されないが、最も一般的なのは200〜400 ℃程度に加熱
しつつ内部ニーダー押出機または2軸スクリーン押出機
等を用いて溶融混合する方法である。このとき必要によ
り公知の添加剤、たとえば安定剤、顔料、離型剤、難燃
剤、帯電防止剤等を適量混入させることもできる。
【0029】かくして得られる本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形等公知
の方法で任意の形状に成形することができ、その優れた
物性を利用して例えば電気・電子部品、照明器材部品、
光学部品、各種レンズの如く透明性を要求される様々の
成形品として活用できる。また透明性を必要とせず耐熱
性や耐薬品性に主眼をおいた用途に使用する場合は、ガ
ラスファイバー、タルク、ワラストナイト、炭酸カルシ
ウム、カオリンクレー等の無機質強化材を配合すること
も可能であり、この様な不透明な複合樹脂材料は各種ハ
ウジング部品、建築材料、自動車部品等として利用でき
る。更に本発明の樹脂組成物は熱可塑性であるから、一
旦シート状やフィルム状等に予備成形した後、熱間プレ
ス等の2次成形によって最終成形品にすることもでき
る。
【0030】
【実施例】以下実施例および比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、もとより本発明は下記実施例に
よって制限を受けるものではない。 実施例1〜3 攪拌機、温度計および留出用冷却器を備えた反応缶に、
テレフタル酸ジメチル970.0g、エチレングリコール433.
8g、1,4−シクロヘキサンジメタノール576.6g、テト
ラブチルチタネート0.51g を入れ、140 〜200 ℃で加熱
攪拌しながら、3時間エステル交換反応させた。その
後、真空引きしながら260 ℃まで昇温し、1時間重縮合
反応を行ない、還元粘度0.76の共重合ポリエステル樹脂
(B1)を得た。
【0031】この共重合ポリエステル樹脂(B1)と、ジフ
ェノール成分が1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと2,2
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから成る
コポリカーボネート系樹脂(バイエル社製「APEC
HT KU 1-9360」)(A) とを表1に示す比率で配合
し、2軸混練押出機を用いて混練温度300 ℃で溶融押出
ししてペレット状の複合樹脂組成物を得た。成分(A) ,
(B1)の混合比は表1に示した通りである。
【0032】得られた各ペレットについて耐薬品性およ
びガラス転移温度を測定し、表1に示す結果を得た。尚
耐薬品性は、各ペレットをトルエンおよび市販のレギュ
ラーガソリン(出光石油製「赤アポロ」)に浸漬し、室
温で所定時間放置した後の重量増加率(%)で評価し
た。またガラス転移温度は、約10mgのペレットをサンプ
ルとして使用し、示差走査型熱量計(Differential Scan
ning Calorymeter) を用いて昇温速度20℃/min の条件
で測定した。また各ペレットの透明性を肉眼によって評
価し、表3に示す結果を得た。
【0033】比較例1,2 ポリカーボネート系樹脂(A) または共重合ポリエステル
樹脂(B) を夫々単独で使用した以外は実施例1〜3と同
様にして比較ペレットを製造した。得られた各比較ペレ
ットの耐薬品性およびガラス転移温度は表1に併記する
通りであり、耐薬品性(耐溶剤性)に問題がある。
【0034】比較例3〜6 ジカルボン酸成分およびグリコール成分を表2に示す様
に変えた以外は実施例1〜3と同様にして共重合ポリエ
ステル樹脂(B2),(B3)および(B4)を製造し、これらと実
施例1〜3で用いたのと同じコポリカーボネート系樹脂
(A) を表3に示す比率で配合し、実施例1〜3と同様に
溶融押出しして比較ペレットを得た。得られた各比較ペ
レットの透明性は表3に示す通りであり、比較ペレット
はいずれも不透明であった。
【0035】比較例7 ポリカーボネート樹脂(A) 、共重合ポリエステル樹脂
(B) 以外の成分としてゴム(C) (クレハ化学社製のMB
S計コアーシエル型ゴム「EXL−2602」)を加えた以外は
実施例1〜3と同様に溶融押出しして比較ペレットを得
た。成分(A),(B)および(C) の混合比は表3に示した通
りである。得られた比較ペレットの透明性は表3に示す
通りであり、比較ペレットは不透明であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】これらの結果から明らかである様に本発明
の規定要件を満たす実施例1〜3は、ポリカーボネート
系樹脂のみからなる比較例1に比べ耐薬品性がかなり改
善されており、またポリエステル樹脂のみからなる比較
例2に比べて耐熱性が大幅に改善されている。即ちポリ
カーボネート系樹脂およびポリエステル樹脂のそれぞれ
単独組成では耐薬品性と耐熱性の両方を満足させること
はできないが、本発明によれば、両者を併用し且つそれ
らの配合比率を調整することにより、用途・目的に応じ
て耐薬品性と耐熱性のバランスを任意に制御することが
できる。また表3からも明らかである様に比較ペレット
はいずれも不透明であり、更にゴム成分の混入によって
も不透明となるのに対し、実施例ペレットはいずれも透
明であり、従って本発明の複合樹脂組成物は耐熱性およ
び耐薬品性が要求される透明部品の材料として有用なも
のであることが分かる。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、特
定のジフェノール類を用いて得られるポリカーボネート
系樹脂と、グリコール成分の特定されたポリエステル樹
脂を特定比率で配合することにより、耐熱性および耐薬
品性に優れ且つ透明度の高い複合樹脂組成物を提供し得
ることになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成分が (A) 下記一般式[I] 【化1】 (式中R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一もしくは異な
    って水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、炭素数
    5〜6のシクロアルキル、炭素数6〜10のアリールまた
    は炭素数7〜12のアラルキル;Xは炭素原子;mは4〜
    7の整数;R5 およびR6 は同一もしくは異なって水素
    または炭素数1〜4のアルキルを表わし、少なくとも1
    の炭素原子Xには同時に2つの同一もしくは異なるアル
    キルが結合している)で示されるジヒドロキシジフェニ
    ルシクロアルカンを主たるモノマー成分とするポリカー
    ボネート系樹脂:1〜99重量%と、 (B) 1種以上のジカルボン酸成分と、1種以上のグリコ
    ール成分からなり、グリコール成分の少なくとも1つが
    1,4 −シクロヘキサンジメタノールであるポリエステル
    樹脂:99〜1重量% とからなるものであることを特徴とする熱可塑性複合樹
    脂組成物。
JP11530392A 1992-04-07 1992-04-07 熱可塑性複合樹脂組成物 Withdrawn JPH0649341A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003089516A1 (en) * 2002-04-16 2003-10-30 General Electric Company Miscible blends of polyesters and polycarbonates with good thermal characteristics, and related processes and articles
JP2006522166A (ja) * 2003-01-13 2006-09-28 イーストマン ケミカル カンパニー 押出吹込成形に有用なポリエステル−ポリカーボネートブレンド

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