JPH0649303A - 制電性に優れたスチレン系樹脂組成物 - Google Patents
制電性に優れたスチレン系樹脂組成物Info
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- JPH0649303A JPH0649303A JP20136992A JP20136992A JPH0649303A JP H0649303 A JPH0649303 A JP H0649303A JP 20136992 A JP20136992 A JP 20136992A JP 20136992 A JP20136992 A JP 20136992A JP H0649303 A JPH0649303 A JP H0649303A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 スチレン系樹脂 100重量部に対して、炭素数
8〜22のアルカンスルホン酸塩と、ポリオキシエチレン
脂肪族アミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪
酸グリセリンエステル、アミノエチルエタノールアミン
の脂肪酸アミド、置換イミダゾリン及びヒドロキシアル
キルアミンのエチレンオキサイド付加物から選ばれる特
定の界面活性剤とを重量比で40/60〜80/20の割合で配
合した帯電防止剤を1〜10重量部配合してなるスチレン
系樹脂組成物。 【効果】 低添加量で優れた帯電防止効果が得られ、機
械的物性や外観の低下も見られない。
8〜22のアルカンスルホン酸塩と、ポリオキシエチレン
脂肪族アミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪
酸グリセリンエステル、アミノエチルエタノールアミン
の脂肪酸アミド、置換イミダゾリン及びヒドロキシアル
キルアミンのエチレンオキサイド付加物から選ばれる特
定の界面活性剤とを重量比で40/60〜80/20の割合で配
合した帯電防止剤を1〜10重量部配合してなるスチレン
系樹脂組成物。 【効果】 低添加量で優れた帯電防止効果が得られ、機
械的物性や外観の低下も見られない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制電性に優れたスチレ
ン系樹脂組成物及びこの組成物を成形してなる帯電防止
性スチレン系樹脂成形体に関する。
ン系樹脂組成物及びこの組成物を成形してなる帯電防止
性スチレン系樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
スチレン系樹脂はその優れた特性により広範囲な分野で
使用されている。しかしこれらスチレン系樹脂は帯電し
やすい性質を有する為、ほこり付着等の問題がある。そ
こで従来より界面活性剤系の帯電防止剤の練り込みが行
われているが、スチレン系樹脂はガラス転移点が高いた
めこれら帯電防止剤が表面にブリードしにくく帯電防止
効果が発現し難い問題がある。また、最近使用量の増加
している 3.5インチマイクロフロッピーディスクやデジ
タルオーディオテープ(DAT)などはシェルハーフに
スチレン系樹脂が用いられているが、記録密度が高まる
につれてほこり付着によるエラーレートの増加が問題と
なっている。このようなほこり付着を防止するには帯電
防止剤の添加量を増やすことで可能であるが、成形加工
性の低下や機械的物性の低下を起こすなどの問題があ
る。それ故に成形加工性や樹脂物性を低下させることな
く、帯電防止性を付与することができれば、ほこりによ
るデータエラーの発生を防ぐのみでなく、静電気による
障害を防止したい複写機やコンピュータ機器、情報関連
機器などのOA機器や電化製品への用途発展が可能とな
る。
スチレン系樹脂はその優れた特性により広範囲な分野で
使用されている。しかしこれらスチレン系樹脂は帯電し
やすい性質を有する為、ほこり付着等の問題がある。そ
こで従来より界面活性剤系の帯電防止剤の練り込みが行
われているが、スチレン系樹脂はガラス転移点が高いた
めこれら帯電防止剤が表面にブリードしにくく帯電防止
効果が発現し難い問題がある。また、最近使用量の増加
している 3.5インチマイクロフロッピーディスクやデジ
タルオーディオテープ(DAT)などはシェルハーフに
スチレン系樹脂が用いられているが、記録密度が高まる
につれてほこり付着によるエラーレートの増加が問題と
なっている。このようなほこり付着を防止するには帯電
防止剤の添加量を増やすことで可能であるが、成形加工
性の低下や機械的物性の低下を起こすなどの問題があ
る。それ故に成形加工性や樹脂物性を低下させることな
く、帯電防止性を付与することができれば、ほこりによ
るデータエラーの発生を防ぐのみでなく、静電気による
障害を防止したい複写機やコンピュータ機器、情報関連
機器などのOA機器や電化製品への用途発展が可能とな
る。
【0003】スチレン系樹脂の帯電防止剤としては、ア
ニオン系の帯電防止剤が効果があるが、吸水白化により
表面状態の悪化を起こし外観商品への使用には問題があ
る。また、アミン系の帯電防止剤がスチレン系樹脂の帯
電防止剤として多く使用されているが、これらの帯電防
止剤を用いた場合、吸水白化の問題はないが帯電防止効
果は充分であるとは言えず、また成形時の加熱による成
形品の着色や機械的物性の低下等の問題が起こってい
る。機械的物性について、帯電防止剤の添加によるアイ
ゾット衝撃強度は樹脂の改質により調整可能であるが、
熱変形温度(HDT)は樹脂の改質のみでは解決しがた
い。このためスチレン系樹脂の帯電防止剤としてはHD
Tを低下させない剤が強く望まれている。
ニオン系の帯電防止剤が効果があるが、吸水白化により
表面状態の悪化を起こし外観商品への使用には問題があ
る。また、アミン系の帯電防止剤がスチレン系樹脂の帯
電防止剤として多く使用されているが、これらの帯電防
止剤を用いた場合、吸水白化の問題はないが帯電防止効
果は充分であるとは言えず、また成形時の加熱による成
形品の着色や機械的物性の低下等の問題が起こってい
る。機械的物性について、帯電防止剤の添加によるアイ
ゾット衝撃強度は樹脂の改質により調整可能であるが、
熱変形温度(HDT)は樹脂の改質のみでは解決しがた
い。このためスチレン系樹脂の帯電防止剤としてはHD
Tを低下させない剤が強く望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、スチレン系樹脂に特
定の組成より成る帯電防止剤を配合すれば低添加量で帯
電防止性に優れ、また成形加工性及び機械的物性の低下
の少ない制電性スチレン系樹脂組成物が得られることを
見いだし本発明を完成した。すなわち本発明は、スチレ
ン系樹脂 100重量部に対して、炭素数8〜22のアルカン
スルホン酸塩と次の (A)〜(F) で示される化合物の内か
ら選ばれる少なくとも一種以上とを重量比で40/60〜80
/20の割合で配合した帯電防止剤を1〜10重量部配合し
てなることを特徴とする制電性に優れたスチレン系樹脂
組成物を提供するものである。 (A) 一般式(1) で示されるポリオキシエチレン脂肪族ア
ミン
発明者らは鋭意研究を行った結果、スチレン系樹脂に特
定の組成より成る帯電防止剤を配合すれば低添加量で帯
電防止性に優れ、また成形加工性及び機械的物性の低下
の少ない制電性スチレン系樹脂組成物が得られることを
見いだし本発明を完成した。すなわち本発明は、スチレ
ン系樹脂 100重量部に対して、炭素数8〜22のアルカン
スルホン酸塩と次の (A)〜(F) で示される化合物の内か
ら選ばれる少なくとも一種以上とを重量比で40/60〜80
/20の割合で配合した帯電防止剤を1〜10重量部配合し
てなることを特徴とする制電性に優れたスチレン系樹脂
組成物を提供するものである。 (A) 一般式(1) で示されるポリオキシエチレン脂肪族ア
ミン
【0005】
【化7】
【0006】(式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基ま
たはアルケニル基を示し、 m、n はm+n =1〜10の整
数を示す。) (B) 一般式(2) で示されるポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミド
たはアルケニル基を示し、 m、n はm+n =1〜10の整
数を示す。) (B) 一般式(2) で示されるポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミド
【0007】
【化8】
【0008】(式中、R2は炭素数7〜21のアルキル基ま
たはアルケニル基を示し、 m、n はm+n =1〜10の整
数を示す。) (C) 一般式(3) で示される脂肪酸グリセリンエステル
たはアルケニル基を示し、 m、n はm+n =1〜10の整
数を示す。) (C) 一般式(3) で示される脂肪酸グリセリンエステル
【0009】
【化9】
【0010】(式中、R3は炭素数7〜21のアルキル基ま
たはアルケニル基を示す。) (D) 一般式(4) で示されるアミノエチルエタノールアミ
ンの脂肪酸アミド
たはアルケニル基を示す。) (D) 一般式(4) で示されるアミノエチルエタノールアミ
ンの脂肪酸アミド
【0011】
【化10】
【0012】(式中、R4は炭素数7〜21のアルキル基ま
たはアルケニル基を示す。) (E) 一般式(5) で示される置換イミダゾリン
たはアルケニル基を示す。) (E) 一般式(5) で示される置換イミダゾリン
【0013】
【化11】
【0014】(式中、R5は炭素数7〜21のアルキル基ま
たはアルケニル基を示す。) (F) 一般式(6)で示されるヒドロキシアルキルアミンの
エチレンオキサイド付加物
たはアルケニル基を示す。) (F) 一般式(6)で示されるヒドロキシアルキルアミンの
エチレンオキサイド付加物
【0015】
【化12】
【0016】(式中、R6は炭素数6〜20のアルキル基ま
たはアルケニル基を示し、p は1〜5の整数を示す。)
本発明で用いられるスチレン系樹脂としては、ハイイン
パクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルと
ブタジエンとスチレンが共重合したABS樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−
EPDM−スチレン共重合樹脂、メチルメタクリレート
−ブタジエン系ゴム−スチレン共重合樹脂(MBS樹
脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−
スチレン共重合樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリル
−アクリル系ゴム−スチレン共重合樹脂(AAS樹脂)
等のスチレンと他のゴム成分等との共重合樹脂やポリス
チレンとのポリマーアロイ等が挙げられ、このうちHI
PSとABS樹脂が好ましく用いられる。
たはアルケニル基を示し、p は1〜5の整数を示す。)
本発明で用いられるスチレン系樹脂としては、ハイイン
パクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルと
ブタジエンとスチレンが共重合したABS樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−
EPDM−スチレン共重合樹脂、メチルメタクリレート
−ブタジエン系ゴム−スチレン共重合樹脂(MBS樹
脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−
スチレン共重合樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリル
−アクリル系ゴム−スチレン共重合樹脂(AAS樹脂)
等のスチレンと他のゴム成分等との共重合樹脂やポリス
チレンとのポリマーアロイ等が挙げられ、このうちHI
PSとABS樹脂が好ましく用いられる。
【0017】本発明で用いられる帯電防止剤としては、
炭素数8〜22のアルカンスルホン酸塩と前記の (A)〜
(F) で示される化合物の内から選ばれる少なくとも一種
以上とを重量比で40/60〜80/20の割合、好ましくは50
/50〜75/25の割合で配合したものが用いられる。本発
明で用いられる炭素数8〜22のアルカンスルホン酸塩と
しては、例えばオクチルスルホン酸、ドデシルスルホン
酸、オクタデシルスルホン酸等のアルカリ金属塩又はア
ルカリ土類金属塩が挙げられ、Na、K 、Li等のアルカリ
金属の塩が好ましく、特にNa塩が好ましい。
炭素数8〜22のアルカンスルホン酸塩と前記の (A)〜
(F) で示される化合物の内から選ばれる少なくとも一種
以上とを重量比で40/60〜80/20の割合、好ましくは50
/50〜75/25の割合で配合したものが用いられる。本発
明で用いられる炭素数8〜22のアルカンスルホン酸塩と
しては、例えばオクチルスルホン酸、ドデシルスルホン
酸、オクタデシルスルホン酸等のアルカリ金属塩又はア
ルカリ土類金属塩が挙げられ、Na、K 、Li等のアルカリ
金属の塩が好ましく、特にNa塩が好ましい。
【0018】本発明で用いられる一般式(1) で示される
ポリオキシエチレン脂肪族アミンとしては、例えば N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン、 N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)ミリスチルアミン、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)セチルアミン、 N,
N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オレイルアミン等
の N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪族アミンが
挙げられる。一般式(2) で示されるポリオキシエチレン
脂肪酸アミドとしては、例えば N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ラウリンアミド、 N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ミリストアミド、 N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)パルミトアミド、 N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ステアロアミド、 N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)オレオアミド等の N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)脂肪酸アミドが挙げられる。一般式(3) で
示される脂肪酸グリセリンエステルとしては、例えばラ
ウリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリセラ
イド、ステアリン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノ
グリセライド、オレイン酸モノグリセライド等のグリセ
リン脂肪酸モノエステルが挙げられる。一般式(4) で示
されるアミノエチルエタノールアミンの脂肪酸アミドと
しては、例えばN−〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)
アミノ〕エチル〕カプリルアミド、N−〔2−〔(2−
ヒドロキシエチル)アミノ〕エチル〕ラウリンアミド等
のアルキルアミノエチルエタノールアミド化合物が挙げ
られる。一般式(5) で示される置換イミダゾリンとして
は、例えば1−ヒドロキシエチル−2−ヘプチルイミダ
ゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−ウンデシルイミダ
ゾリン等のイミダゾリン化合物が挙げられる。一般式
(6) で示されるヒドロキシアルキルアミンのエチレンオ
キサイド付加物としては、例えば下記式(7) で示される
ダスパー125B(ミヨシ油脂(株)製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪族アミンとしては、例えば N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン、 N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)ミリスチルアミン、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)セチルアミン、 N,
N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オレイルアミン等
の N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪族アミンが
挙げられる。一般式(2) で示されるポリオキシエチレン
脂肪酸アミドとしては、例えば N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ラウリンアミド、 N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ミリストアミド、 N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)パルミトアミド、 N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ステアロアミド、 N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)オレオアミド等の N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)脂肪酸アミドが挙げられる。一般式(3) で
示される脂肪酸グリセリンエステルとしては、例えばラ
ウリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリセラ
イド、ステアリン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノ
グリセライド、オレイン酸モノグリセライド等のグリセ
リン脂肪酸モノエステルが挙げられる。一般式(4) で示
されるアミノエチルエタノールアミンの脂肪酸アミドと
しては、例えばN−〔2−〔(2−ヒドロキシエチル)
アミノ〕エチル〕カプリルアミド、N−〔2−〔(2−
ヒドロキシエチル)アミノ〕エチル〕ラウリンアミド等
のアルキルアミノエチルエタノールアミド化合物が挙げ
られる。一般式(5) で示される置換イミダゾリンとして
は、例えば1−ヒドロキシエチル−2−ヘプチルイミダ
ゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−ウンデシルイミダ
ゾリン等のイミダゾリン化合物が挙げられる。一般式
(6) で示されるヒドロキシアルキルアミンのエチレンオ
キサイド付加物としては、例えば下記式(7) で示される
ダスパー125B(ミヨシ油脂(株)製)等が挙げられる。
【0019】
【化13】
【0020】(R は平均炭素数16のアルキル基を示
す。)これらの帯電防止剤は1種または2種以上を組み
合わせて用いることが出来る。本発明において、炭素数
8〜22のアルカンスルホン酸塩と前記 (A)〜(F) で示さ
れる化合物の内から選ばれる少なくとも一種以上とを重
量比で40/60〜80/20の割合で配合した帯電防止剤の配
合量は、ポリスチレン系樹脂 100重量部に対して、1〜
10重量部が好ましく、特に1〜5重量部が好ましく、さ
らに1〜3重量部が好ましい。1重量部未満では充分な
帯電防止効果が得られず、また10重量部を越えると成形
加工性や分散不良による成形品の耐衝撃性などの機械的
特性の低下が生じ、さらに成形品の表面がべた付くなど
の表面特性が不良となるので好ましくない。また、帯電
防止剤中の炭素数8〜22のアルカンスルホン酸塩と前記
(A)〜(F) で示される化合物の内から選ばれる少なくと
も一種以上との配合割合が40/60未満ではHDT熱変形
温度の低下が著しく、80/20を越えるとアイゾット衝撃
強度の低下や吸水白化が著しくなり何れも好ましくな
い。
す。)これらの帯電防止剤は1種または2種以上を組み
合わせて用いることが出来る。本発明において、炭素数
8〜22のアルカンスルホン酸塩と前記 (A)〜(F) で示さ
れる化合物の内から選ばれる少なくとも一種以上とを重
量比で40/60〜80/20の割合で配合した帯電防止剤の配
合量は、ポリスチレン系樹脂 100重量部に対して、1〜
10重量部が好ましく、特に1〜5重量部が好ましく、さ
らに1〜3重量部が好ましい。1重量部未満では充分な
帯電防止効果が得られず、また10重量部を越えると成形
加工性や分散不良による成形品の耐衝撃性などの機械的
特性の低下が生じ、さらに成形品の表面がべた付くなど
の表面特性が不良となるので好ましくない。また、帯電
防止剤中の炭素数8〜22のアルカンスルホン酸塩と前記
(A)〜(F) で示される化合物の内から選ばれる少なくと
も一種以上との配合割合が40/60未満ではHDT熱変形
温度の低下が著しく、80/20を越えるとアイゾット衝撃
強度の低下や吸水白化が著しくなり何れも好ましくな
い。
【0021】本発明の制電性スチレン系樹脂組成物には
酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、着色剤、顔
料などを必要に応じて添加することが出来る。本発明の
スチレン系樹脂組成物は、前記必須成分を配合し、通常
の方法に従って製造することが出来る。また、本発明の
スチレン系樹脂組成物は、通常の方法に従って成形する
ことにより、スチレン系樹脂成形体とすることが出来
る。これにより、スチレン系樹脂成形体に優れた帯電防
止性を付与することが出来る。
酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、着色剤、顔
料などを必要に応じて添加することが出来る。本発明の
スチレン系樹脂組成物は、前記必須成分を配合し、通常
の方法に従って製造することが出来る。また、本発明の
スチレン系樹脂組成物は、通常の方法に従って成形する
ことにより、スチレン系樹脂成形体とすることが出来
る。これにより、スチレン系樹脂成形体に優れた帯電防
止性を付与することが出来る。
【0022】
【作用及び効果】一般にガラス転移点の高い樹脂の場
合、成形後の帯電防止剤の表面へのブリードが起こり難
く、効果が発現されにくいとされている。しかし、本発
明においては、水分との親和性の高いアルカンスルホン
酸塩を主成分とし、これとスチレン系樹脂との相溶性や
ブリード性をコントロールするために前記(A) 〜(F) で
示される化合物の内から選ばれる界面活性剤を併用した
帯電防止剤を用いることにより成形直後より長期にわた
り安定した帯電防止効果を発現することが可能となっ
た。このように、本発明のスチレン系樹脂組成物は帯電
防止剤の相溶性を向上させたためこれらの添加による成
形品の機械的物性を損なうことなく、また低添加量で優
れた帯電防止効果を有する。
合、成形後の帯電防止剤の表面へのブリードが起こり難
く、効果が発現されにくいとされている。しかし、本発
明においては、水分との親和性の高いアルカンスルホン
酸塩を主成分とし、これとスチレン系樹脂との相溶性や
ブリード性をコントロールするために前記(A) 〜(F) で
示される化合物の内から選ばれる界面活性剤を併用した
帯電防止剤を用いることにより成形直後より長期にわた
り安定した帯電防止効果を発現することが可能となっ
た。このように、本発明のスチレン系樹脂組成物は帯電
防止剤の相溶性を向上させたためこれらの添加による成
形品の機械的物性を損なうことなく、また低添加量で優
れた帯電防止効果を有する。
【0023】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0024】実施例1〜8及び比較例1〜9 ABS樹脂(旭化成(株)製スタイラックA3941) 100
重量部に対し表1に示す各種帯電防止剤を表1に示す量
加え、二軸混練機により溶融混練し、ペレット化した
後、射出成形することによりテストピースを作製した。
得られた本発明の樹脂組成物成形品の25℃、50%RHにお
ける帯電防止効果(表面固有抵抗値)を経日的に測定し
た。その結果を表1に示す。比較例として帯電防止剤無
添加品及び表1に示す比較品の帯電防止剤を用い同様に
テストピースを成形し帯電防止効果を測定した。その結
果も併せて表1に示す。また、成形品を室温で3日間水
中に浸漬した後の白化試験の結果、アイゾット衝撃強
度、および熱変形温度(HDT)も表1に示した。
重量部に対し表1に示す各種帯電防止剤を表1に示す量
加え、二軸混練機により溶融混練し、ペレット化した
後、射出成形することによりテストピースを作製した。
得られた本発明の樹脂組成物成形品の25℃、50%RHにお
ける帯電防止効果(表面固有抵抗値)を経日的に測定し
た。その結果を表1に示す。比較例として帯電防止剤無
添加品及び表1に示す比較品の帯電防止剤を用い同様に
テストピースを成形し帯電防止効果を測定した。その結
果も併せて表1に示す。また、成形品を室温で3日間水
中に浸漬した後の白化試験の結果、アイゾット衝撃強
度、および熱変形温度(HDT)も表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】注) *1:帯電防止剤 A:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)ラウリルアミン=75/25(重量比) B:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)ラウリンアミド=50/50(重量比) C:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ラウリン酸モノグ
リセライド=60/40(重量比) D:ドデシルスルホン酸ナトリウム/N−〔2−〔(2
−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチル〕カプリルアミド
=70/30(重量比) E:ドデシルスルホン酸ナトリウム/1−ヒドロキシエ
チル−2−ヘプチルイミダゾリン=70/30(重量比) F:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ダスパー125B(ミ
ヨシ油脂(株)製)=60/40(重量比) G:ドデシルスルホン酸ナトリウム H: N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミ
ン I:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)ラウリルアミン25/75(重量比) J:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)ラウリンアミド30/70(重量比) K:ドデシルスルホン酸ナトリウムウム/ラウリン酸モ
ノグリセライド=85/15(重量比) L:1−ヒドロキシエチル−2−オクチルイミダゾリン M:ダスパー125B(ミヨシ油脂(株)製) *2:白化試験評価基準 ○:変化なし ×:表面白化が顕著 *3:曲げ応力 18.5 kgf/cm2
ヒドロキシエチル)ラウリルアミン=75/25(重量比) B:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)ラウリンアミド=50/50(重量比) C:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ラウリン酸モノグ
リセライド=60/40(重量比) D:ドデシルスルホン酸ナトリウム/N−〔2−〔(2
−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチル〕カプリルアミド
=70/30(重量比) E:ドデシルスルホン酸ナトリウム/1−ヒドロキシエ
チル−2−ヘプチルイミダゾリン=70/30(重量比) F:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ダスパー125B(ミ
ヨシ油脂(株)製)=60/40(重量比) G:ドデシルスルホン酸ナトリウム H: N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミ
ン I:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)ラウリルアミン25/75(重量比) J:ドデシルスルホン酸ナトリウム/ N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)ラウリンアミド30/70(重量比) K:ドデシルスルホン酸ナトリウムウム/ラウリン酸モ
ノグリセライド=85/15(重量比) L:1−ヒドロキシエチル−2−オクチルイミダゾリン M:ダスパー125B(ミヨシ油脂(株)製) *2:白化試験評価基準 ○:変化なし ×:表面白化が顕著 *3:曲げ応力 18.5 kgf/cm2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/42 KGA 7242−4J C08L 55/02 LMC 7142−4J C09K 3/16 102 A 103 104 105
Claims (2)
- 【請求項1】 スチレン系樹脂 100重量部に対して、炭
素数8〜22のアルカンスルホン酸塩と次の (A)〜(F) で
示される化合物の内から選ばれる少なくとも一種以上と
を重量比で40/60〜80/20の割合で配合した帯電防止剤
を1〜10重量部配合してなることを特徴とする制電性に
優れたスチレン系樹脂組成物。 (A) 一般式(1) で示されるポリオキシエチレン脂肪族ア
ミン 【化1】 (式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基またはアルケニ
ル基を示し、 m、n はm+n =1〜10の整数を示す。) (B) 一般式(2) で示されるポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミド 【化2】 (式中、R2は炭素数7〜21のアルキル基またはアルケニ
ル基を示し、 m、n はm+n =1〜10の整数を示す。) (C) 一般式(3) で示される脂肪酸グリセリンエステル 【化3】 (式中、R3は炭素数7〜21のアルキル基またはアルケニ
ル基を示す。) (D) 一般式(4) で示されるアミノエチルエタノールアミ
ンの脂肪酸アミド 【化4】 (式中、R4は炭素数7〜21のアルキル基またはアルケニ
ル基を示す。) (E) 一般式(5) で示される置換イミダゾリン 【化5】 (式中、R5は炭素数7〜21のアルキル基またはアルケニ
ル基を示す。) (F) 一般式(6)で示されるヒドロキシアルキルアミンの
エチレンオキサイド付加物 【化6】 (式中、R6は炭素数6〜20のアルキル基またはアルケニ
ル基を示し、p は1〜5の整数を示す。) - 【請求項2】 請求項1記載のスチレン系樹脂組成物を
成形してなることを特徴とする帯電防止性スチレン系樹
脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4201369A JP3056332B2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 制電性に優れたスチレン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4201369A JP3056332B2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 制電性に優れたスチレン系樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0649303A true JPH0649303A (ja) | 1994-02-22 |
JP3056332B2 JP3056332B2 (ja) | 2000-06-26 |
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JP (1) | JP3056332B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7375150B2 (en) | 2001-07-30 | 2008-05-20 | Sanko Chemical Industry Co., Ltd. | Anti-static composition and method for production thereof |
-
1992
- 1992-07-28 JP JP4201369A patent/JP3056332B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7375150B2 (en) | 2001-07-30 | 2008-05-20 | Sanko Chemical Industry Co., Ltd. | Anti-static composition and method for production thereof |
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JP3056332B2 (ja) | 2000-06-26 |
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