JPH0648755B2 - 多層プリント基板の製造法 - Google Patents

多層プリント基板の製造法

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JPH0648755B2
JPH0648755B2 JP1252175A JP25217589A JPH0648755B2 JP H0648755 B2 JPH0648755 B2 JP H0648755B2 JP 1252175 A JP1252175 A JP 1252175A JP 25217589 A JP25217589 A JP 25217589A JP H0648755 B2 JPH0648755 B2 JP H0648755B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、絶縁樹脂層を介して複数の導電回路を積層
した多層プリント基板及びその製造法に関する。
[従来の技術] 近年、種々の電子機器についてその小型化、薄型化等が
進み、これに使用するプリント基板についても高密度化
や多層化が要請されるようになり、種々のタイプの多層
プリント基板が提案されている。
この種の多層プリント基板は、導電回路を形成したガラ
スエポキシ、ポリイミド等の硬質絶縁板を貼り合わせ、
スルーホールメッキで導電回路をつないだものや金属板
等の硬質性シート状補強材の表面にポリイミド樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂
からなる絶縁樹脂層を介して複数の導電回路を積層し、
必要により最上層の導電回路を保護する保護樹脂層を設
けた構造になっている。
そして、このような多層プリント基板を製造する方法と
しては、例えば、以下に示す方法が知られている。
先ず、第1の方法は、金属板の上にエポキシ樹脂等の絶
縁層を設け、その上にエッチング等の方法によって所定
の回路パターンに形成された銅箔製等の第1層導電回路
を積層し、さらにこの第1層導電回路の上にはソルダー
レジストの印刷等の手段で透孔を有する絶縁層を積層
し、この絶縁層の上からカーボン、銅、銀等の粉末を混
入した導電ペースト等により所定の回路パターンを印刷
して第2層導電回路を形成すると共に上記絶縁層の透孔
内に充填される導電ペーストで第1層導電回路と第2層
導電回路との間を電気的に接続して2層化する方法であ
る。
また、第2の方法は、金属板に孔明け加工を行い、次に
形成された透孔も含めてその全体をエポキシ樹脂等の絶
縁層で被覆し、さらにその表裏両面にそれぞれ表面側及
び裏面側の導電回路をメッキ法等により形成すると同時
に上記透孔を介して表裏両面側の導電回路を互いに電気
的に接続していわゆるメタルコア基板を製造する方法で
ある。
さらに、第3の方法は、耐熱性、絶縁性のあるポリイミ
ド樹脂やポリエステル樹脂等の絶縁シートの片面に銅箔
製等の第1層導電回路を積層し、他方の面には接着シー
トを積層し、これに導電部形成用の透孔や電子部品搭載
用の貫通孔を穿設し、得られたこの積層物をその接着シ
ートを介して第1層導電回路が積層された紙フェノール
やガラスエポキシ等の硬質基板の上に重ね合わせて圧着
し、また、上記透孔を介してハンダ付け等の手段で第1
層導電回路と第2層導電回路との間を電気的に接続し、
このハンダ付けをしない部分についてはソルダーレジス
トの被覆印刷等により被覆層を形成する方法である。
さらにまた、第4の方法は、エポキシ樹脂ワニス等を含
浸させたガラス繊維布等の絶縁板の表裏両面に銅箔等の
金属層を積層し、位置合せ用の貫通孔を穿設すると共に
常法によりその表裏両面にそれぞれ導電回路を形成して
両面積層物を形成し、次に別途形成されて絶縁板の片面
に金属層を有する片面積層物を上記両面積層物の両面に
プリプレグを介して加熱加圧下に圧着して多層化し、得
られた多層化物に貫通孔を穿設し、この貫通孔や多層化
された片面積層物の金属層にスルーホールメッキを行う
と共に、金属層に対して所望の回路パターンをエッチン
グして導電回路を形成し、合計4層の導電回路を有する
多層プリント基板を製造する方法である。
しかしながら、上記第1の方法には、導電ペーストが耐
湿性、耐熱性に劣り、外部の温度や湿度の変化によって
導電回路の抵抗値が大きく変化し、また、ファイン化が
難しくて長い導電回路を形成すると信頼性が低下すると
いう問題があった。
また、第2の方法には、絶縁層や導電回路を形成する工
程が複雑でその製造コストが高いという問題がある。
さらに、第3の方法には、接着シートを使用して貼り合
せる工程が入るほか、ハンダ付けを手作業で行う必要が
生じ、その製造工程が複雑になってコスト高になり、し
かも、接着シートとして簡便な感圧性接着タイプのもの
を使用すると、接着部の剥れやハンダ接続部の亀裂が生
じ易く信頼性が低下するという問題があった。
さらにまた、第4の方法には、使用するエポキシ樹脂の
耐熱性が低く、例えばドリルを使用して貫通孔を穿設す
る際に切削時の熱でエポキシ樹脂が軟化し、この貫通孔
内に滲み出て金属層の切削面を被覆するという、いわゆ
るスミア現象が生じ、スルーホールメッキによりこの貫
通孔内に露出した金属層の切削面を利用して各導電回路
間を接続する際にこの接続が不十分になったり、いわゆ
る内層剥離現象が生じ、不良品の発生が多くなるという
問題があった。
そこで、本発明者らは、このような問題を解決できる多
層プリント基板及びその製造法として、硬質性シート状
補強材と、この硬質基材の表面に積層され、加熱加圧下
の圧着時に硬化した複数の絶縁樹脂層と、これら各絶縁
樹脂層の間及び上面に積層され、かつ、所定の回路パタ
ーンにエッチングされた複数の金属製導電回路と、互い
に隣接する上下位の導電回路の間においてその所定の位
置で上位の導電回路及びこれら上下位の導電回路の間に
位置する絶縁樹脂層を貫通し、導電物質が充填されてこ
れら上下位の導電回路の間を電気的に接続する導電部と
を有する多層プリント基板を提供すると共に、このよう
なプリント基板の製造法として、上面に金属製導電回路
が積層された安定な半硬化状態を示す半硬化絶縁樹脂シ
ートを形成し、この半硬化絶縁樹脂シートを硬質性シー
ト状補強材又は積層され加熱加圧下の圧着時に硬化した
絶縁樹脂層を介して積層されている下位の導電回路の上
に積層し、加熱加圧下に圧着して半硬化絶縁樹脂シート
の半硬化絶縁樹脂を硬化させ、上位の導電回路及び絶縁
樹脂層に形成されて下位の導電回路に達する貫通孔内に
導電性物質を充填しこれら互いに隣接する上下位の導電
回路の間を電気的に接続する導電部を形成することによ
り、硬質性シート状補強材の上に絶縁樹脂層を介して複
数の導電回路を積層する方法を提供した(特願昭62-24
6,892号発明、特願昭62-246,893号発明)。そして、こ
のようなプリント基板及びその製造法によれば、耐熱
性、耐溶剤性に優れ、しかも、スルーホールメッキの際
のスミア現象等による電気的接続不良等の発生が少な
く、信頼性に富むほか、その製造工程も簡単かつ容易に
なって製造コストの軽減を図ることができるものであ
る。
しかしながら、このような多層プリント基板において
も、導電回路を形成する金属の種類や絶縁樹脂層を形成
する樹脂の種類等によっても異なるが、導電回路とその
上を被覆する絶縁樹脂層との間の密着性にむらが生じ、
ハンダ付け等による熱ストレスが作用したような場合や
部品交換を繰返したような場合等、熱ストレスが繰返し
作用した場合に、この導電回路とその上を被覆する絶縁
樹脂層との間に脹れや剥れが生じ、ひいては導通不良が
発生する場合があり、特に部品交換の繰返しの際におけ
る信頼性が低下する場合がある。
さらに、このような問題は、上述したような剛性を有す
る多層プリント基板に限らず、小型化や薄型化が要求さ
れる電子機器の限られたスペースに電子部品を装着する
ために高密度化された例えば2層導電回路構造でフレキ
シブル性を有するフレキシブル多層プリント基板を折り
曲げて使用するような場合にも発生する。
すなわち、従来のフレキシブル多層プリント基板は、例
えば第9図に示すように、ポリエステル、ポリイミドあ
るいは厚さ0.2mm以下のガラスエポキシ等の可撓性を
有する絶縁シート101aに銅箔を張合わせ、この銅箔にエ
ッチング処理を施して導電回路102aとすることにより下
位の積層体Xを形成し、また、別途同様の方法で絶縁シ
ート101b及び導電回路102bからなる上位の積層体Yを形
成し、この上位の積層体Yにはその所定も位置に孔明け
加工を施して貫通孔103 を形成し、次いで、上記下位の
積層体Xの上にはエポキシ樹脂系等の熱硬化性接着剤や
アクリル樹脂系の熱可塑性接着剤からなる接着剤層104
を介して熱プレス等の手段で上位の積層体Yを積層し、
この上位の積層体Yに形成した貫通孔103 を利用してハ
ンダ105 によりこれら上下位の積層体X、Yの各導電回
路102a、102b間を電気的に接続し、さらに、ハンダ付け
をしない部分には絶縁シート101a、101bと同じ材質のカ
バーレイと称されるフィルムやソルダーレジストを塗布
した保護膜106 を設けて形成されている。
しかしながら、このようにして形成されたフレキシブル
多層プリント基板においても、各積層体B1、B2の間を接
着剤間104 を介して積層しているので、この接着剤層10
4 が熱硬化性接着剤である場合には、接着剤自体のコス
トが高く、しかも、その塗布工程に多大な手間がかかる
という問題があり、また、接着剤層104 が熱硬化性接着
剤である場合には、その耐熱性が低く、このためハンダ
付け部分に亀裂が生じ易く、信頼性の低下を防止するに
はこのハンダ付けの作業を手作業で行わざるを得ず、し
かも、その密着性が弱くて剥れが生じやすいという問題
があり、いずれにしても、信頼性のあるフレキシブル多
層プリント基板を製造するにはその製造コストが高くな
りすぎるという問題があった。
[発明が解決しようとする課題] そこで、本発明者らは、多層プリント基板にこのような
熱ストレスが繰返し作用することについては電子機器製
造上避けられず、熱的に安定でしかも信頼性のある多層
プリント基板を提供するという観点から、このような熱
ストレスの繰返し作用に対しても優れた密着性を示し、
しかも、その製造工程が簡単かつ容易である多層プリン
ト基板及びその製造法についても鋭意研究を行い、本発
明に到達したものである。
従って、本発明の目的は、接着剤層を設けることなく、
耐熱性に優れ、また導電回路とその上を被覆する絶縁樹
脂層との間の密着性に優れており、ハンダ付け等の熱ス
トレスが繰返し作用した場合でもこの導電回路と絶縁樹
脂層との間に脹れや剥れが生じることがなく、部品交換
の繰返しの際においても信頼性の高い多層プリント基板
を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、このように耐熱性に優れ
ており、熱ストレスの繰返し作用に強く、部品交換等に
おいても高い信頼性を有する多層プリント基板を簡単か
つ容易に製造することができる多層プリント基板の製造
法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、安定な半硬化状態を示す半硬化絶
縁樹脂シートとその上面に積層されて所定の回路パター
ンにエッチングされた金属製導電回路とを有する複数の
積層体を形成し、これら各積層体を互いに重合わせて加
熱加圧下に圧着し半硬化絶縁樹脂シートの半硬化絶縁樹
脂を硬化させて積層した後、上位の積層体に予め形成し
た貫通孔に導電性物質を充填して互いに隣接する上下位
の導電回路の間を電気的に接続する導電部を形成し、絶
縁樹脂層を介して複数の導電回路が積層された多層プリ
ント基板を製造するに際し、下位の導電回路の上に上位
の導電回路を有する半硬化絶縁樹脂シートを重合わせて
加熱加圧下に圧着する前にこの下位の導電回路を黒化処
理してその表面に黒化処理膜を形成すると共に、上記圧
着後でかつ導電性物質の充填前に圧着された積層体の上
記貫通孔にて構成される透孔の底部に露出する黒化処理
膜を溶解除去するための酸洗を行う多層プリント基板の
製造法である。
本発明において、安定な半硬化状態を示し加熱加圧下の
圧着時に硬化して絶縁樹脂層を形成する絶縁樹脂として
は、0.5mm以下、好ましくは0.2mm以下の厚みのシ
ート状に形成した際に、所定のフレキシブル性があり、
かつ、エッチング、黒化処理等の化学処理に対する耐性
を有するものであれば従来公知のどのようなものであっ
てもよいが、例えばポリイミド樹脂、ジアリルフタレー
ト系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の
熱硬化性樹脂を例えば芳香族ポリアミド製不織布やガラ
ス繊維布等の可撓性シートに含浸させたものがよく、よ
り好ましくはジアリルテレフタレート、ジアリルイソフ
タレート、ジアリルオルソフタレート等の安定な半硬化
状態を示すジアリルフタレート系樹脂を可撓性シートに
含浸させたものがよい。このジアリルフタレート系樹脂
を可撓性シートに含浸させたものについては、さらにそ
の耐アルカリ性、可撓性等の向上を目的として、テレフ
タル酸及び/又はイソフタル酸を飽和二塩基酸成分と
し、これに通常のα,β−不飽和二塩基酸成分を加えた
酸成分と、グリコール成分とを常法により脱水縮合させ
て得られる不飽和ポリエステルやエポキシ樹脂等を配合
してもよい。また、この絶縁樹脂層の厚さは、製造され
る多層プリント基板に剛性を付与するかフレキシブル性
を付与するか等によって適宜変更することができる。さ
らに、絶縁樹脂層を形成する絶縁樹脂としては、その全
ての絶縁樹脂層について同じ樹脂を使用してもよく、ま
た、各絶縁樹脂層について異なる樹脂を適宜選択して使
用してもよい。
さらに、上記各絶縁樹脂層の間及び上面に積層され、か
つ、所定の回路パターンにエッチングされて導電回路を
形成する金属としては、通常この種のプリント基板で使
用される電解銅、圧延銅等の銅箔がよく、また、黒化処
理を必要としない最上位の層ではアルミニウム箔、燐青
銅箔、ステンレススチール箔、鉄箔、ニッケル箔等の所
定の回路パターンにエッチングし得るものを使用するこ
とができる。この金属製導電回路の厚さは、通常100
μm以下、好まいくは35μm以下である。
そして、互いに隣接する上下位の導電回路の間を電気的
に接続する導電部を形成するための手段としては、特に
限定されるものではなく、従来公知の方法を採用できる
が、好ましくは上位の積層体を貫通して下位の積層体の
導電回路に達する貫通孔内に導電性物質を充填して上下
位の導電回路間を電気的に接続する導電部を形成する方
法や、ジャンパー線等を使用し、その一端を上位の積層
体の導電回路にハンダ付けすると共にその他端を下位の
積層体の導電回路にハンダ付けする方法がよい。ここ
で、上記方法で使用する導電性物質としては、特に制限
されるものではないが、電気的な接続の確実性を確保
し、製造の際における取扱性を考慮すれば、好ましくは
銅、銀、カーボン等の導電ペーストやハンダ等を使用す
るのがよい。
さらに、本発明においては、製造される多層プリント基
板の用途等に応じてこの多層プリント基板に剛性を持た
せたり、あるいは、適度なフレキシブル性を持たせるこ
とができる。すなわち、本発明の多層プリント基板に
は、その最下層の絶縁樹脂層の層の厚みを薄くしたり厚
くしたりすることにより、所望の剛性を付与したり、適
度なフレキシブル性を付与することができる。
また、最下層の絶縁樹脂層に剛性を付与したり、フレキ
シブル性を付与する場合、エッチング、黒化処理等の化
学処理に対する耐性を有するものであれば、上位の絶縁
層と異なった材料を用いてもよい。例えば、剛性を付与
する場合、紙フェノール、ガラスエポキシ等の公知の材
料で0.3〜3.2mm程度のものを使用したり、適度な
フレキシブル性を付与する場合、ポリイミド、ポリエス
テル、ポリエーテルスルホン等の厚さ0.05〜0.2
mm程度の公知の材料を使用できるほか、その下面側に不
飽和ポリアミド製不織布、ガラス繊維布等のフレキシブ
ル性シート状補強材を積層して所望の剛性を付与した
り、適度なフレキシブル性を付与することができる。ま
た、公知のリジッドフレキシブル基板のように部分的に
剛性を付与したい場合には、紙フェノール、ガラスエポ
キシ等の硬質絶縁板のほか、鉄、アルミニウム等の金属
板等の従来公知の硬質性シート状補強材を積層してもよ
い。
本発明においては、上記各導電回路の上面とその上に積
層される絶縁樹脂層との間に各導電回路の表面を黒化処
理して得られる黒化処理膜を設けるが、この黒化処理膜
については、例えば亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリ
ウム及び燐酸三ナトリウムをそれぞれ所定の濃度で溶解
した黒化処理液を使用して金属製の導電回路の表面を黒
化処理することにより形成される。
次に、本発明の多層プリント基板の製造法について説明
すれば、基本的には、安定な半硬化状態を示す半硬化絶
縁樹脂シートとその上面に積層されて所定の回路パター
ンにエッチングされた金属製導電回路とを有する複数の
積層体を形成する工程と、互いに隣接する上下位の積層
体において下位の積層体の導電回路を黒化処理してその
表面に黒化処理膜を形成する工程と、これら上下位の積
層体を互いに重合わせて加熱加圧下に圧着し半硬化絶縁
樹脂シートの半硬化絶縁樹脂を硬化させて積層する工程
と、上位の積層体に予め形成した貫通孔にて構成される
透孔の底部に露出する黒化処理膜を溶解除去する工程、
これら上下位の導電回路の間を電気的に接続する導電部
を形成する工程とで構成されている。
以下、添付図面に基づいて、本発明方法の具体例を説明
する。
第1図は、最下位に位置する絶縁樹脂層の下面側に硬質
性シート状補強材が積層された剛性を有する多層プリン
ト基板を製造する例を示すものである。
すなわち、金属板等からなる硬質性シート状補強材1の
上面にはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の厚さ0.0
1〜0.2mmの絶縁樹脂層2を介して銅箔等の金属層3
が積層されて積層体Aが形成され、この積層体Aについ
ては次にその金属層3を所定の回路パターンにエッチン
グして下層の導電回路4aを形成する。この際のエッチン
グの工程は塩化第二銅、塩化第二鉄等を使用する従来公
知の方法でよく、例えば金属層3の表面を脱脂処理し、
次いでアルカリ可溶性耐酸インキのエッチングレジスト
で回路のパターンをスクリーン印刷し、乾燥してから塩
化第二鉄溶液でエッチングし、さらに水酸化ナトリウム
等のアルカリ溶液でレジストを剥離した後、硫酸等の酸
性溶液で中和し、水洗して乾燥する。
このようにして下層の導電回路4aが積層された積層体A
は、次に黒化処理に付され、この導電回路4aの表面全面
に黒化処理膜5が形成される。この際の黒化処理工程
は、従来公知の方法でよく、例えば亜硫酸ナトリウム5
0〜80重量部、水酸化ナトリウム10〜26重量部及
び燐酸三ナトリウム10〜24重量部を使用し、これら
の混合物を5〜8重量部の範囲で水に溶解して得られる
黒化処理液を調製し、バフ研摩等による表面研摩→アル
カリ脱脂又は酸性クリーナによる脱脂→湯洗や流水洗尚
による水洗→硫酸、過酸化水素酸混合液又は過硫酸アン
モニウム液によるソフトエッチング→流水洗2回による
水洗→硫酸又は塩酸による酸浸漬→流水洗2回による水
洗→上記黒化処理液を使用して80〜98℃、1〜4分
の条件で行う黒化処理液浸漬→湯洗、流水洗2回又は3
回による水洗→エアードライヤ又は乾燥機による水切り
及び乾燥→120±10℃、1時間以上の条件で行う乾
燥、の工程を経て行われる。
一方、芳香族ポリアミド製不織布やガラス繊維布等の可
撓性シートにジアリルフタレート樹脂系組成物等を含浸
させて得られた半硬化絶縁樹脂シート6に金属層3を張
合わせて積層体Bを調製し、この積層体Bの金属層3に
ついては上記と同様にエッチング処理して上層の導電回
路4bを形成し、さらに下層の導電回路4aと電気的に接続
するのに使用される透孔7が穿設される。
このようにして得られた積層体Bは、次に上記積層体A
の上に重ね合せ、加熱加圧下に圧着し、これら積層体A
及びBを一体的に固着すると同時に、積層体Bの半硬化
絶縁樹脂シート6の半硬化樹脂を硬化させ、上下層の導
電回路4a、4bを有する積層体Cが形成される。この圧着
時の加熱加圧条件は、半硬化絶縁樹脂シート6の厚さや
使用された半硬化樹脂の種類等によって異なるが、積層
体Aの耐熱温度を越えないでかつこの半硬化樹脂が硬化
して半硬化絶縁樹脂シート6が絶縁樹脂層8となり、こ
れら積層体A及びBが互いに強固に固着する温度であれ
ばよく、また、圧力についてもこれら積層体Aの黒化処
理膜5や絶縁樹脂層2と積層体Bの半硬化絶縁樹脂シー
ト6とが密着して硬化後に黒化処理膜5や絶縁樹脂層2
と絶縁樹脂層8との間に気泡が残らない状態に保てれば
よい。具体的には、例えば半硬化絶縁樹脂シート6が芳
香族ポリアミド製不織布の可撓性シートにジアリルフタ
レート樹脂系組成物等を含浸させて得られたものである
場合、温度140〜180℃、圧力30〜60Kg〜cm2
・G及び10〜60分程度である。
この積層体Cは、次に硫酸水溶液や塩酸水溶液等の酸性
溶液に浸漬され、透孔7底部に露出する黒化処理膜5が
溶解除去される。この酸洗処理の条件は、透孔7底部に
露出する黒化処理膜5が溶解除去されればよく、特に限
定されるものではないが、不必要な浸蝕や時間のロス等
を防止するために、好ましくは10重量%以下の硫酸水
溶液や30重量%以下の塩酸水溶液を使用し、常温で2
〜8分程度でよい。
このようにして上層の透孔7内に露出する黒化処理膜5
を除去した後、所定の方法で透孔7内に導電性物質を充
填して上下層の導電回路4a、4bの間を電気的に接続する
導電部12が形成する。この導電部12の形成は、ハンダ付
けの方法であってもよく、また、銅、銀あるいはカーボ
ン等の導電ペーストを透孔7内に充填し必要によりこれ
を加熱硬化させて形成してもよい。さらに、必要により
ハンダ付けや導電ペーストの充填等を必要としない部分
に印刷等の方法でソルダーレジスト9を被覆し、また、
必要な部分に電子素子10等が搭載されてハンダ付11され
る。
次に、第2図は、上記第1図の場合と同様に剛性を有す
る多層プリント基板及びその製造法に係る他の例を示す
もので、上記第1図の場合と異なり、積層体Aとして例
えばフェノール樹脂やエポキシ樹脂等の厚さ0.3〜
3.2mmの熱硬化性樹脂で形成された硬質性シート状補
強材1が使用され、その上に積層された銅箔製等の金属
層3に上記と同様にエッチング処理して下層の導電回路
4aを形成し、次いで貫通孔13が穿設され、さらに上記と
同様にして導電回路4aの表面に黒化処理膜5が形成され
る。
また、上記第1図の場合と同様にして上面に上層の導電
回路4bを有すると共に透孔7及び貫通孔14を有する積層
体Bを作製し、この積層体Bを上記積層体Aの上にそれ
ぞれその貫通孔13、14が一致するように重ね合せ、加熱
加圧下に圧着し、積層体Bの半硬化樹脂を硬化させて絶
縁樹脂層8とし、上下層の導電回路4a、4bを有する積層
体Cを作製する。
このようにして作製された積層体Cについて、上記第1
図の場合と同様に酸洗処理を行い、透孔7の底部や貫通
孔14内に露出している部分の黒化処理膜5を溶解除去
し、次いでソルダーレジスト9の被覆や透孔7を利用し
た導電部12の形成を行い、さらに、電子部品15に接続さ
れたリード線16のハンダ付11等を行う。
さらに、第3図も、上記第1図の場合と同様に剛性を有
する多層プリント基板及びその製造法に係る他の例を示
すもので、上記第1図の場合と異なり、硬質樹脂等で形
成された硬質性シート状補強材1の表裏両面に金属層3
を積層し、位置合せ用の貫通孔17や導電部形成用の透孔
7aを穿設し、次いで無電解メッキ法や電解メッキ法等の
常法に従ってスルーホールメッキを行うことによりメッ
キ層18を形成し、両面及び透孔7a内に導電性のメッキ層
18を有する積層体Aが作製される。この積層体Aについ
ては、その表裏両面に常法により所定の回路パターンに
エッチング処理が施され、それぞれその表裏両面に金属
層3とメッキ層18とからなる所定の導電回路4a、4bが形
成され、これら導電回路4a、4bは透孔7a内に位置する部
分のメッキ層18を導電部12として互いに電気的に接続さ
れている。
このようにして形成された積層体Aは、次に上記と同様
にして黒化処理に付され、導電回路4a、4b及び透孔7a内
に形成された導電部12の表面全面に黒化処理膜5が形成
される。
また、上記第1図の場合と同様にして上面に上層の導電
回路4c又は下層の導電回路4dを有すると共に透孔7及び
位置合せ用の貫通孔17を有する積層体B及びCを作製
し、これらの積層体B及びCを上記積層体Aの表裏両面
にそれぞれの位置合せ用の貫通孔17が一致するように重
ね合せ、上記と同様の条件で加熱加圧下に圧着し、積層
体B及びCの半硬化樹脂を硬化させて絶縁樹脂層8と
し、硬質性シート状補強材1の表面側に導電回路4a、4c
を有し、裏面側に導電回路4b、4dを有する積層体Dを作
製する。
このようにして作製された積層体Dについて、上記第1
図の場合と同様に酸洗処理を行い、透孔7の底部や導電
部12の表面等に露出している部分の黒化処理膜5を溶解
除去し、積層体Bの透孔7を利用して表面側の導電回路
4aと上層の導電回路4cとの間に電気的に接続する導電部
12を形成すると共に、積層体Cの透孔7を利用して表面
側の導電回路4bと下層の導電回路4dとの間を電気的に接
続する導電部12を形成し、次いでソルダーレジスト9で
これら導電部12を被覆して保護する。
次に、第4図は、最下位に位置する絶縁樹脂層がフレキ
シブル性を有するフレキシブル多層プリント基板を製造
する例を示すものである。
すなわち、先ず、芳香族ポリアミド製不織布やガラス繊
維布等の可撓性シートにジアリルフタレート樹脂系組成
物等を含浸させて得られた半硬化絶縁樹脂シート等の半
硬化絶縁樹脂シート6に金属層3を張合わせて積層体A
を調製し、この半硬化絶縁樹脂シート6の熱硬化性樹脂
を硬化させてフレキシブル性を有する絶縁樹脂層1に金
属層3が積層された積層体Aとし、この積層体Aについ
ては次にその金属層3を所定の回路パターンにエッチン
グして下層の導電回路4aを形成する。この際のエッチン
グの工程は上記第1図の場合と同様に行うことができ
る。
このようにして下層の導電回路4aが積層された積層体A
は、次に上記第1図の場合と同様に黒化処理に付され、
この導電回路4aの表面全面に黒化処理膜5が形成され
る。
一方、上記積層体Aの上面に積層される積層体Bについ
ても、上記第1図の場合と同様に調製され、また、同様
にエッチング処理して上層の導電回路4bが形成し、さら
に下層の導電回路4aと電気的に接続するのに使用される
透孔7が穿設される。
このようにして得られた積層体Bは、次に上記積層体A
の上に重ね合せ、上記第1図の場合と同様に、これら積
層体A及びBを一体的に固着すると同時に、積層体Bの
半硬化絶縁樹脂シート6の半硬化樹脂を硬化させてフレ
キシブル性を有する絶縁樹脂層8とすると共に、上下層
の導電回路4a、4bを有する積層体Cが形成される。この
圧着時の加熱加圧条件は、第1図の場合と若干異なり、
好ましくは温度120〜160℃、圧力30〜70Kg/
cm2・G及び10〜60分程度がよい。
この積層体Cは、次に第1図の場合と同様に、酸洗処理
に付され、所定の方法で透孔7内に導電性物質を充填し
て上下層の導電回路4a、4bの間を電気的に接続する導電
部12が形成され、さらに必要によりハンダ付けを必要と
しない部分に印刷等の方法でソルダーレジスト9、ある
いはカバーレイ等の保護膜が被覆される。そしてこの第
4図の場合には、上記第1図の場合と異なり、以上の工
程を経た後に電子部品搭載用の貫通孔13を穿設し、必要
な部分に電子素子15等が搭載されてハンダ付11される。
なお、上記第5図(a) 及び(b) のフレキシブル多層プリ
ント基板については、適度な剛性を付与すると共に裂け
防止を目的として、最下層の絶縁樹脂層1の下面側に適
当なフレキシブル性シート状補強材19を積層したもので
ある。そして、第5図(a) の場合は、積層体Aの半硬化
絶縁樹脂シート6の半硬化絶縁樹脂を加熱加圧下に硬化
させてフレキシブル性を有する絶縁樹脂層1に金属層3
が積層された積層体Aとする際に、上記積層体Aの半硬
化絶縁樹脂シート6の下面側に例えば厚さ0.2mm以下
の芳香族ポリアミド製不織布、ガラス繊維布等からなる
フレキシブル性シート状補強材19を重合わせて絶縁樹脂
層1に一体的に積層するか、あるいは、半硬化絶縁樹脂
シート6を有する積層体Aの導電回路4a(3) に黒化処理
膜5を設け、この積層体Aの上に積層体Bを重合わせ、
これら積層体A及びBの半硬化絶縁樹脂シート6を熱プ
レスにより加熱加圧下に硬化させる際に、上記と同様に
積層体Aの半硬化絶縁樹脂シート6の下面側にフレキシ
ブル性シート状補強材19を重合わせて絶縁樹脂層1に一
体的に積層する。また、第5図(b) は積層体Aの絶縁樹
脂層1が接着性を有しない場合であり、適当な接着剤層
20を介して最下層の絶縁樹脂層1の下面側にフレキシブ
ル性シート状補強材19を一体的に積層する。また、図示
しないが、周知のリジットフレキシブル基板のように、
電子部品搭載部等に紙フェノール、ガラスエポキシ等の
硬質シート状補強材を接着してもよい。
さらに、第6図(a) 及び(b) は、互いに隣接する上下位
の導電回路4a、4bの間を電気的に接続する他の方法を例
示するもので、銅線、錫メッキ銅線等で形成されたジャ
ンパー線21をハンダ付11したものである。
[作 用] 本発明によれば、接着剤を使用することなく多層化する
ので、耐熱性、耐溶剤性等の性能に優れ、スルーホール
メッキの際のスミア現象等による電気的接続不良が発生
することもなく、その製造工程が簡単かつ容易になるだ
けでなく、導電回路とその上を被覆する絶縁樹脂層との
間にこの導電回路を黒化処理して形成された黒化処理が
介在するので、その間の密着性が向上し、ハンダ付け等
の熱ストレスの繰返しに対しても優れた信頼性を維持で
きる。
[実施例] 以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明を具体的に
説明する。
実施例1 厚さ35μmの銅箔を張付けた厚さ1.6mmのガラスエ
ポキシ板の銅箔表面をフレオン脱脂した後、この銅箔上
にアルカリ可溶性耐酸インキ(太陽インキ製造(株)製、
品番X−77)を使用して第7図(a) 又は(b) に示す第
1層の回路パターンをスクリーン印刷し、塩化第二鉄で
エッチングした後、 2.4wt%-水酸化ナトリウム溶液で
レジスト剥離を行い、次いで0.61wt%-硫酸溶液で中和
した後水洗し、減圧下に乾燥させてそれぞれ第7図(a)
又は(b) に示す回路パターンの下層の導電回路を有する
積層体7枚づつを作製した。
各回路パターンの導電回路を有する積層体7枚のうちの
4枚について、以下の方法で黒化処理して各導電回路の
表面に黒化処理膜を形成した。
すなわち、先ず、亜硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム
及び燐酸三ナトリウムを主成分とする市販の黒化処理液
(メルテックス(株)製商品名:エンプレートMB-438)に
てMB-438A 150ml、MB-438B 450ml、純水400ml
を調製した。各積層体については、その導電回路の表面
をバフ研摩した後、水1中に脱脂剤(メルテックス
(株)製商品名:エンプレートPC-499)45gを溶解して
得られた脱脂処理剤を使用して80℃、5分の条件で脱
脂処理し、次いで水洗した後、水1中にメッキ前処理
剤(メルテックス(株)製商品名:AD485)150g
と98wt%-硫酸10mlを溶解して得られた処理剤を使用
して30〜40℃、3分の条件でソフトエッチングし、
次に、 10vol%-硫酸で活性化した後、80℃、2.5分
の条件で上記黒化処理液に浸漬し、水洗し、乾燥して黒
化処理を行った。
また、芳香族ポリアミド繊維の不織布にジアリルフタレ
ート樹脂系組成物を含浸させた厚さ65μmの半硬化絶
縁樹脂シートの上に厚さ35μmの銅箔を積層した積層
体(ダイソー(株)製商品名:アミフレックス、品番P−
96B)に上記と同様にしてエッチング処理し、第8図
(a) 又は(b) に示す回路パターンを有する第2層の導電
回路が積層された積層体7枚をそれぞれ作製した。
次に、これらの積層体を上記第1層の導電回路を有する
積層体(導電回路表面が黒化処理したもの及びこの黒化
処理を行わなかったものを含む)の上に重ね合せ、16
0℃、30Kg/cm2・G及び30分の条件で圧着し、半
硬化樹脂を硬化させると同時に一体化させ、第1層及び
第2層の導電回路が積層された積層物を作製した後、 1
0vol%-硫酸で3〜4分間処理した。さらに第2層の導電
回路及び半硬化樹脂が硬化して形成された絶縁樹脂層を
貫通し、第1層の導電回路に達する透孔内に銅ペースト
(三井金属鉱業(株)製商品名:E−1000)をスクリ
ーン印刷で充填し、これを160℃、30分の条件で硬
化させ、導電部を形成して第1層と第2層の導電回路を
電気的に接続し、剛性を有する多層プリント基板を作製
した。
次に、これら各多層プリント基板について、第7図(a)
及び第8図(a) の回路パターン、すなわちA:銅箔上に
積層した銅箔パターン、B:素材上に積層した銅箔パタ
ーン、及び、C:0.5mmピッチのパターン上に積層し
た銅箔パターンを有するものについては引剥がし試験
を、また、第7図(b) 及び第8図(b) の回路パターンを
有するものについてはハンダ耐熱性試験をそれぞれ行
い、黒化処理有りの場合と黒化処理無しの場合とにおけ
る性能の比較を行った。
結果を第1表、第2表及び第3表に示す。
なお、第1表に示す引剥がし試験は、第2層の導電回路
の一端を適当な長さに剥がしてその先端をつかみ、引張
り方向が導電回路の面に対して垂直になるようにしなが
ら50mm/min の速度で25mm以上引剥がし、その際に
要した引張り力の最小値を測定して比較した。
また、第2表に示すハンダ耐熱性試験は、260℃に設
定されたハンダ溶融槽内にプリント基板全面が浸るよう
に10秒間づつ5サイクル浮かべ、脹れや剥れが発生し
たか否かを目視で観察し(○:異常無し、×:脹れ及び
/又は剥れ有り)、また、各プリント基板についてその
初期と各サイクル毎の導通抵抗を測定し、この導通抵抗
の初期値に対する各サイクル測定値の抵抗変化率を求め
た。なお、初期値は50穴を一括として測定した。
さらに、第3表に示すハンダ耐熱性試験は、260℃に
設定されたハンダ溶融槽内にプリント基板全面が浸るよ
うに3秒間浮かべ、15秒以内にアセトン槽内に移動さ
せてアセトン中に浸漬し、これを1サイクルとして5サ
イクル繰返し、脹れや剥れが発生したか否かを目視で観
察し(○:異常無し、×:脹れ及び/又は剥れ有り)、
また、各プリント基板についてその初期と各サイクル毎
の導通抵抗を測定し、この導通抵抗の初期値に対する各
サイクル測定値の抵抗変化率を求めた。なお、導通抵抗
は50穴を一括として測定した。
実施例2 厚さ35μmの銅箔を貼り合わせた厚さ0.2mmのガラ
スエポキシ板を使用して第1層の積層体10枚を作製
し、そのうちの5枚に黒化処理膜を形成し、また、第2
層の積層体としてダイソー(株)製商品名:アミフレック
ス、品番P−136Bを使用し、フレキシブル性を有す
るフレキシブル多層プリント基板を作製した。これらの
フレキシブル多層プリント基板について、上記実施例1
と同様に、引剥がし試験と260℃、10秒間づつ5サ
イクルの試験とを黒化処理有りの場合と黒化処理無しの
場合とにおいて行い、両者の間の性能の比較を行った。
結果を第4表及び第5表に示す。
実施例3 ガラスエポキシ板に代えて芳香族ポリアミド製不織布に
ジアリルフタレート樹脂系組成物を含浸させ、また、厚
さ65μmの半硬化絶縁樹脂シート上に厚さ35μmの
銅箔を積層した積層体(ダイソー(株)製商品名:アミフ
レックス、品番P−136A)を使用し、上記実施例2
と同様にしてフレキシブル多層プリント基板を作製し
た。これらのフレキシブル多層プリント基板について、
上記実施例1と同様に、引剥がし試験と260℃、10
秒間づつ5サイクルの試験とを黒化処理有りの場合と黒
化処理無しの場合とにおいて行い、両者の間の性能の比
較を行った。結果を第4表及び第5表に示す。
実施例4 上記実施例3と同じ材料を使用し、フレキシブル性シー
ト状補強材として芳香族ポリアミド製不織布(デュポン
社製商品名:ノーメックスアラミド紙410)の80μ
m厚みのものを使用し、これをポリエステル変性エポキ
シ系接着剤(日東電工(株)製、品番T−5310)を使
用して積層時に同時に圧着させた以外は、上記実施例3
と全く同様にしてフレキシブル多層プリント基板を作製
した。これらのフレキシブル多層プリント基板につい
て、100℃、1時間の乾燥を行った後、上記実施例1
と同様に、引剥がし試験と260℃、10秒間づつ5サ
イクルの試験とを黒化処理有りの場合と黒化処理無しの
場合とにおいて行い、両者の間の性能の比較を行った。
結果を第4表及び第5表に示す。
実施例5 第1層として不飽和ポリエステルをアラミド不織布に含
浸させたものに厚さ35μmの銅箔を貼り合わせたフレ
キシブル銅張積層体(厚さ125μm、東洋紡績(株)製
商品名:コスモフレックスAH1120)を使用し、上
記実施例2と同様にしてフレキシブル多層プリント基板
を作成した。これらのフレキシブル多層プリント基板に
ついて、上記実施例1と同様に、引剥がし試験と260
℃、10秒間づつ5サイクルの試験とを黒化処理有りの
場合と黒化処理無しの場合とにおいて行い、両者の間の
性能の比較を行った。結果を第4表及び第5表に示す。
[発明の効果] 本発明によれば、導電回路とその上を被覆する絶縁樹脂
層との間の密着性に優れ、ハンダ付け等の熱ストレスの
繰返しに対しても脹れや剥れが生じることなく、部品交
換の繰返し等においても優れた信頼性を有する多層プリ
ント基板を製造することができ、しかも、かかる多層プ
リント基板を簡単かつ容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明の剛性を有する多層プリン
ト基板の製造法の一例を示す断面説明図であり、第4図
は本発明のフレキシブル性を有するフレキシブル多層プ
リント基板の製造法の一例を示す断面説明図であり、第
5図(a) 及び(b) はフレキシブル多層プリント基板にフ
レキシブル性シート状補強材を積層する場合を示す断面
説明図であり、第6図(a) 及び(b) はジャンパー線を使
用して互いに隣接する上下位の導電回路の間を接続した
構造を示す平面説明図及び断面説明図であり、第7図
(a)(b)及び第8図(a)(b)は実施例で作製した多層プリン
ト基板の回路パターンを示す説明図であり、第9図は従
来のフレキシブル多層プリント基板を示す断面説明図で
ある。 符号の説明 (A)(B)(C)(D)……積層体、 (1) ……硬質性シート状補強材、 (2)(8)……絶縁樹脂層、 (3) ……金属層、 (4a)(4b)(4c)(4d)……導電回路、 (5) ……黒化処理膜、 (6) ……半硬化絶縁樹脂シート、 (7) ……透孔、 (9) ……ソルダーレジスタ、 (10)……電子素子、(11)……ハンダ付、 (12)……導電部、 (13)(14)(17)……貫通孔、 (15)……電子部品、 (16)……リード線、 (18)……メッキ層、 (19)……フレキシブル性シート状補強材、 (20)……接着剤層、 (21)……ジャンパー線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−140867(JP,A) 特開 昭57−162494(JP,A) 特開 昭51−142669(JP,A) 特開 昭59−208897(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】安定な半硬化状態を示す半硬化絶縁樹脂シ
    ートとその上面に積層されて所定の回路パターンにエッ
    チングされた金属製導電回路とを有する複数の積層体を
    形成し、これら各積層体を互いに重合わせて加熱加圧下
    に圧着し半硬化絶縁樹脂シートの半硬化絶縁樹脂を硬化
    させて積層した後、上位の積層体に予め形成した貫通孔
    に導電性物質を充填して互いに隣接する上下位の導電回
    路の間を電気的に接続する導電部を形成し、絶縁樹脂層
    を介して複数の導電回路が積層された多層プリント基板
    を製造するに際し、下位の導電回路の上に上位の導電回
    路を有する半硬化絶縁樹脂シートを重合わせて加熱加圧
    下に圧着する前にこの下位の導電回路を黒化処理してそ
    の表面に黒化処理膜を形成すると共に、上記圧着後でか
    つ導電性物質の充填前に圧着された積層体の上記貫通孔
    にて構成される透孔の底部に露出する黒化処理膜を溶解
    除去するための酸洗を行うことを特徴とする多層プリン
    ト基板の製造法。
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