JPH06485Y2 - 付属構築物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、住宅等の建物の外面に突設する玄関ポー
チ，車庫，倉庫，浴室，便所等の付属構築物に関するも
のである。

〔背景技術〕

従来より、玄関ポーチを突設したプレハブ住宅がある。
この種の玄関ポーチの屋根は柱にて支持している。柱
は、鋼製の本体と、この本体を覆った化粧材とからな
り、化粧材はビス等の固定具にて本体に取り付けられて
いる。このように、固定具を使用して化粧材を取り付け
るので、部品点数が多くなり化粧材の取り付けに手間が
かかるという問題点があった。

〔考案の目的〕

この考案の目的は、化粧材の取り付けが簡単に行え、か
つ部品点数も削減できる付属構築物を提供することであ
る。

〔考案の開示〕

この考案は、建物本体の外方に立設した一対の柱本体
と、これらの柱本体の周囲に配設した柱下地材と、一対
の前記柱本体の両側および背面に前記柱下地材を介して
取付けられ一側縁に嵌合溝を形成した一対の化粧材と、
一側縁を前記嵌合溝に嵌合しかつ他側縁を前記化粧材の
他側縁とともに前記柱下地材に固定して一対の前記柱本
体の前面を覆った一対の前部化粧材と、一対の前記柱本
体の間に架設され前記建物本体から突設した屋根パネル
の屋外側端部を支持する前梁と、この前梁の前面に取付
けた化粧ボーダ下地材と、この化粧ボーダ下地材に取付
けられ上端に嵌合部を有し下端に係止部を有するボーダ
取付金物と、一対の前記前部化粧材の上端間に連設され
上端が前記嵌合部に嵌合固定され下端が前記係止部に係
止された化粧ボーダと、前記前梁と前記化粧ボーダ下地
材と前記ボーダ取付金物と前記化粧ボーダの上端を覆っ
た化粧笠木とを備えたものである。

この考案の構成によれば、前部化粧材の一側縁を化粧材
の嵌合溝に嵌合したので、前部化粧材の取り付けに際し
て、従来のように固定具が不要とり、部品点数の削減が
図れ、前部化粧材の取り付けが簡単に行える。また、前
部化粧材の一側縁を嵌合し他側縁を固定する構造にした
ので、施工時において、一側縁を嵌合してから他側縁を
固定すると、化粧材の側部化粧材と前部化粧材が弾性変
形し難い材質であっても容易に取り付けることができ
る。さらに、柱本体と化粧材の間に柱下地材を介在させ
たので、化粧材が外力等により変形し難いという効果が
ある。また、柱本体の断面形状が異なる場合でも、化粧
材はそのままで、柱下地材を加工する等して形状を変え
ることにより対応できる。これにより、一種類の化粧材
で多種の柱本体に取り付けることができる。また、一対
の柱本体の間に前梁を架設し、化粧ボーダ下地材および
ボーダ取付金物により化粧ボーダを取付けており、この
化粧ボーダの取付けに際しては、化粧ボーダの上端をボ
ーダ取付金物の嵌合部に嵌合固定し下端を係止部に係止
するだけで簡単に取付けることができる。また、この化
粧ボーダは前部化粧材と連設されているため、前部化粧
材と同時に取付けることができ施工性が向上する。ま
た、化粧笠木により、前梁と化粧ボーダ下地材とボーダ
取付金物と化粧ボーダの上端の接合部が覆われ外観が良
好である。

〔実施例〕

この考案の一実施例を第１図ないし第７図に基づいて説
明する。すなわち、この実施例は、建物本体１０の外面
に突設した玄関ポーチからなる付属構築物Ａであって、
第１図に示すように、建物本体１０の外方に立設した一
対の柱本体２０，２２と、これらの柱本体２０，２２の
周囲に配設した柱下地材３６と、一対の柱本体２０，２
２の両側および背面に柱下地材３６を介して取付けられ
一側縁に嵌合溝４１を形成した一対の化粧材４５，４５
と、一側縁を嵌合溝４１に嵌合しかつ他側縁を化粧材４
５の他側縁とともに柱下地材３６に固定して一対の柱本
体２０，２２の前面を覆った一対の前部化粧材４３，４
３と、一対の柱本体２０，２２の間に架設され建物本体
１０から突設した屋根パネルの屋外側端部を支持する前
梁２４と、この前梁２４の前面に取付けた化粧ボーダ下
地材６０と、この化粧ボーダ下地材６０に取付けられ上
端に嵌合部７６ａを有し下端に係止部７６ｂを有するボ
ーダ取付金物７６と、一対の前部化粧材４３，４３の上
端間に連設され上端が嵌合部７６ａに嵌合固定され下端
が係止部７６ｂに係止された化粧ボーダ７４と、前梁２
４と化粧ボーダ下地材６０とボーダ取付金物７６と化粧
ボーダ７４の上端を覆った化粧笠木５８とを備えたもの
である。

第２図に示すように、付属構築物Ａには、前面に角パイ
プ状の一対の柱本体２０，２２が立設してあり、両柱本
体２０，２２間には断面溝形の前梁２４，２６が架設し
てある。柱本体２０，２２は、第３図に示すような木製
の柱下地材３６と人工木製の柱化粧板３８とアルミニウ
ム製の側部化粧材４０，４２とからなる化粧材４５と、
人工木製の前部化粧材４３にて覆ってあり、第１図を用
いてこれらの部材の取り付けについて説明する。まず、
柱下地材３６を柱本体２０にビス止めし、この柱下地材
３６に柱化粧板３８を釘止めする。次に、柱本体２０の
内側の側面２０ａを覆って側部化粧材４０を柱下地材３
６に釘止めする。側部化粧材４０の外面には縦長の嵌合
溝４１が形成されており、この嵌合溝４１に一側縁４３
ａを嵌合しかつ他側縁４３ｂを柱下地材３６の外面に当
接して柱本体２０の前面２０ｂを前部化粧材４３にて覆
う。さらに、柱本体２０の側部化粧材４０と反対側にお
いて側部化粧材４２を配設し、前部化粧材４３と共に柱
下地材３６に釘止めする。すなわち、前部化粧材４３は
柱下地材３６を介して柱本体２０に固定する。

次に、第２図および第４図ないし第７図に基づいて、付
属構築物Ａの全体の構造を説明する。第２図において、
２８は建物本体１０に幕板１８を介して固定したジョイ
ント金物３０に取り付けた山形の壁際アングルであり、
この壁際アングル２８と前梁２４との間には４本の継ぎ
アングル１２が架設されている。さらに、これら壁際ア
ングル２８と前梁２４に一対の屋根パネル１４を固定
し、屋根パネル１４の軒先に鼻板５０を取り付ける。天
井下地パネル４６の前縁部を前梁２６の下フランジに載
置し後縁部を建物本体１０にねじ止めし、かつ側縁部を
鼻板５０に固定する。前梁２６の前面と下面に見切縁下
地材６４，６６を固定し天井下地パネル４６の下面に天
井化粧材４８を貼って天井パネル４４を構成する。そし
て、鼻板５０の下端に軒先化粧カバー５２を嵌め込む。
また、前梁２４の上面に化粧笠木下地材５６を固定し、
前梁２６の上面にはサイディング下地桟６８を固定す
る。前梁２４の前面に化粧ボーダ下地材６０を取り付
け、サイディング下地桟６８には三角形状の化粧サイデ
ィング７０を取り付ける。さらに、サイディング化粧見
切６２を取り付けると共に見切縁７２を見切縁下地材６
４，６６に接着し、化粧ボーダ下地材６０にボーダ取付
金物７６を介して化粧ボーダ７４を固定し、上端を化粧
笠木５８にて覆う（第４図参照）。

具体的には、付属構築物Ａの棟の前端部の断面図である
第５図に示すように、化粧ボーダ取付金物７６は、上端
に嵌合部７６ａ、下端に係止部７６ｂが形成され、化粧
ボーダ下地材６０の所定箇所に複数個取付けられる。化
粧ボーダ７４は、上端が嵌合部７６ａに嵌合固定され下
端が係止部７６ｂに係止される。また、この化粧ボーダ
７４は、一対の前部化粧材４３，４３の上端間に連設さ
れている。化粧笠木５８は、前梁２４、化粧ボーダ下地
材６０、化粧ボーダ７４を覆い化粧笠木下地材５６に固
定される。また、屋根パネル１４の上面に防水シート８
６を敷いて瓦を葺き、雨押えカバー９２を設ける。ま
た、第６図および第７図は、このようにして組み立てた
付属構築物Ａの正面図および側面図であり、７８は建物
本体１０の玄関ドアであり、８０は付属構築物Ａの樋で
ある。

このように構成された付属構築物Ａによると、柱本体２
０，２２の前面２０ｂを覆う前部化粧材４３は、柱本体
２０，２２の側面２０ａを覆った側部化粧材４０の嵌合
溝４１に一側縁４３ａを嵌合しかつ他側縁４３ｂを柱本
体２０，２２に固定して取り付けられており、従来のよ
うな固定具が不要となり、部品点数が削減し前部化粧材
４３の取り付けが簡単に行える。しかも、前部化粧材４
３の一側縁４３ａを連続して側部化粧材４０の嵌合溝４
１に嵌合するので、前部化粧材４３の取り付けが強固に
行える。さらに、前部化粧材４３の１側縁４３ａを固定
する固定具が不要となるので、コストが安価になる。

また、柱本体２０，２２の前面２０ｂには人工木製の前
部化粧材４３を設け、両側面２０ａにはアルミニウム製
の側部化粧材４０，４２を設けたので、柱のデザイン的
価値感が向上する。

また、前部化粧材４３の一側縁４３ａを嵌合し他側縁４
３ｂを固定する構造にしたので、施工時において、一側
縁４３ａを嵌合してから他側縁４３ｂを固定すると、化
粧材４５の側部化粧材４０と前部化粧材４３が弾性変形
し難い材質であっても容易に取り付けることができる。
さらに、柱本体２０と化粧材４５の間に柱下地材３６を
介在させたので、化粧材４５が外力等により変形し難い
という効果がある。また、柱本体２０の断面形状が異な
る場合でも、化粧材４５はそのままで、柱下地材３６を
加工する等して形状を変えることにより対応できる。こ
れにより、一種類の化粧材４５で多種の柱本体２０に取
り付けることができる。また、一対の柱本体２０，２０
の間に前梁２４を架設し、化粧ボーダ下地材６０および
ボーダ取付金物７６により化粧ボーダ７４を取付けてお
り、この化粧ボーダ７４の取付けに際しては、化粧ボー
ダ７４の上端をボーダ取付金物７６の嵌合部７６ａに嵌
合固定し下端を係止部７６ｂに係止するだけで簡単に取
付けることができる。また、この化粧ボーダ７４は前部
化粧材４３と連設されているため、前部化粧材４３と同
時に取付けることができ施工性が向上する。また、化粧
笠木５８により、前梁２４と化粧ボーダ下地材６０とボ
ーダ取付金物７６と化粧ボーダ７４の上端の接合部が覆
われ外観が良好である。

〔考案の効果〕

この考案によれば、柱本体の側面に側部化粧材を設け、
この側部化粧材の嵌合溝に一側縁を嵌合しかつ他側縁を
柱本体に固定して柱本体の前面に前部化粧材が設けられ
ている。したがって、前部化粧材の取り付けに際して、
従来のような固定具が不要となり、部品点数の削減が図
れ、前部化粧材の取り付けが簡単に行えるという効果が
ある。また、前部化粧材の一側縁を嵌合し他側縁を固定
する構造にしたので、施工時において、一側縁を嵌合し
てから他側縁を固定すると、化粧材の側部化粧材と前部
化粧材が弾性変形し難い材質であっても容易に取り付け
ることができる。さらに、柱本体と化粧材の間に柱下地
材を介在させたので、化粧材が外力等により変形し難い
という効果がある。また、柱本体の断面形状が異なる場
合でも、化粧材はそのままで、柱下地材を加工する等し
て形状を変えることにより対応できる。これにより、一
種類の化粧材で多種の柱本体に取り付けることができ
る。また、一対の柱本体の間に前梁を架設し、化粧ボー
ダ下地材およびボーダ取付金物により化粧ボーダを取付
けており、この化粧ボーダの取付けに際しては、化粧ボ
ーダの上端をボーダ取付金物の嵌合部に嵌合固定し下端
を係止部に係止するだけで簡単に取付けることができ
る。また、この化粧ボーダは前部化粧材と連設されてい
るため、前部化粧材と同時に取付けることができ施工性
が向上する。また、化粧笠木により、前梁と化粧ボーダ
下地材とボーダ取付金物と化粧ボーダの上端の接合部が
覆われ外観が良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の柱部分の横断面図、第２
図はその付属構築物の分解斜視図、第３図はその柱部分
の分解斜視図、第４図はその付属構築物の前面部分の分
解斜視図、第５図はその付属構築物の棟の前端部の縦断
面図、第６図および第７図はその付属構築物の正面図，
側面図である。 Ａ…付属構築物、１０…建物本体、２０，２２…柱本
体、２０ａ…側面、２０ｂ…前面、２４…前梁、３６…
柱下地材、４０…側部化粧材、４１…嵌合溝、４３…前
部化粧材、４３ａ…一側縁、４３ｂ…他側縁、４５…化
粧材。５８…化粧笠木、６０…化粧ボーダ下地材、７４
…化粧ボーダ、７６…ボーダ取付金物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建物本体の外方に立設した一対の柱本体
   と、これらの柱本体の周囲に配設した柱下地材と、一対
   の前記柱本体の両側および背面に前記柱下地材を介して
   取付けられ一側縁に嵌合溝を形成した一対の化粧材と、
   一側縁を前記嵌合溝に嵌合しかつ他側縁を前記化粧材の
   他側縁とともに前記柱下地材に固定して一対の前記柱本
   体の前面を覆った一対の前部化粧材と、一対の前記柱本
   体の間に架設され前記建物本体から突設した屋根パネル
   の屋外側端部を支持する前梁と、この前梁の前面に取付
   けた化粧ボーダ下地材と、この化粧ボーダ下地材に取付
   けられ上端に嵌合部を有し下端に係止部を有するボーダ
   取付金物と、一対の前記前部化粧材の上端間に連設され
   上端が前記嵌合部に嵌合固定され下端が前記係止部に係
   止された化粧ボーダと、前記前梁と前記化粧ボーダ下地
   材と前記ボーダ取付金物と前記化粧ボーダの上端を覆っ
   た化粧笠木とを備えた付属構築物。