JPH0648287Y2 - ガス圧縮ユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は極低温冷凍機に用いられるヘリウムガス圧縮ユ
ニット等に好適なガス圧縮ユニットに関する。

（従来の技術） 極低温小型冷凍機においてはその信頼性及び価格よりギ
フォード・マクマホンサイクル又は改良ソルベイサイク
ルが多く用いられているが、これらサイクルでは油潤滑
の圧縮機が用いられ、この圧縮機から吐出されたガス中
の潤滑油を除去するため吐出管路中にオイルセパレータ
が介装されている。

この種ヘリウムガス圧縮ユニットの系統図が第２図に示
されている。

第２図において、圧縮機１で圧縮されたガスはガスクー
ラ２に入り、ここで冷却水によって冷却された後、オイ
ルセパレータ３に入り、ここでガス中に含まれる潤滑油
のミストが除去される。次いで、ミストが除去されたガ
スはアドソーバ４に入り、ここでガス中に含まれる蒸気
が除去された後、図示しない極低温冷凍機に送られる。
極低温冷凍機からの低圧のヘリウムガスはサージボトル
５を経て再び圧縮機１に吸入される。

圧縮機１を潤滑することによって昇温した潤滑油はオイ
ルクーラ６に入り、ここで冷却水によって冷却された後
再び圧縮機１に戻る。

オイルセパレータ３でガスから分離された潤滑油は油戻
し管９を経て圧縮機１に戻り、これと同時にこの油戻し
管９を通ってオイルセパレータ３内から高圧ガスが少量
づつ圧縮機１に戻る。７はリリーフバルブで、吐出管路
内圧力が異常に上昇したときに開となり、高圧のガスを
バイパス回路８を経て吸入管路に逃がす。10は均圧管
で、圧縮機１の停止時、オイルクーラ６内の油が圧縮機
１及びガスクーラ２内に残っている高圧ガスに押されて
サージボトル５内に大量に流入するので、これを防止す
るため、電磁弁11を開とすることによってサージボトル
５内のガス圧力を上昇させて系内の圧力をバランスさせ
る。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来のガス圧縮ユニットにおいて、圧縮機１から吐
出されたガス中に含まれる潤滑油のミストを１個のオイ
ルセパレータ３のみによってガスから分離しているの
で、このオイルセパレータ３の出口のガス中になお少量
の潤滑油が残存しており、これがアドソーバ４に入って
アドソーバ４の寿命を短縮するという不具合があった。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決するために提案されたものであ
って、その要旨とするところは、圧縮機の吐出管路中に
オイルセパレータを介装してなるガス圧縮ユニットにお
いて、上記オイルセパレータの後流側の吐出管路に第２
のオイルセパレータを介装し、この第２のオイルセパレ
ータの油戻し管と均圧管とを兼ねる管路を上記圧縮機の
吸入管路に接続したことを特徴とするガス圧縮ユニット
にある。

（作用） 本考案においては、上記構成を具えているため、圧縮機
から吐出されたガスはオイルセパレータに入って、ここ
でガス中に含まれる油を分離した後第２のオイルセパレ
ータに入ってここでガス中に残存している油が分離され
る。

第２のオイルセパレータで分離された油は油戻し管と均
圧管とを兼ねる管路が開とされたときこの管路を通るガ
スの流れに伴われて吸入管路を経て圧縮機に戻る。

（実施例） 本考案の１実施例が第１図に示されている。

第１図に示すように、圧縮機１の吐出管路中にはオイル
セパレータ３の後流側、即ち、オイルセパレータ３とア
ドソーバ４との間に第２のオイルセパレータ20が介装さ
れている。この第２のオイルセパレータ20で分離された
油の油戻し管と均圧管とを兼ねる管路21は圧縮機１の吸
入管路、即ち、サージボトル５と圧縮機１との間に接続
され、この管路21中には電磁弁22が介装されている。

他の構成は第２図に示す従来ものと同様であり、対応す
る部材には同じ符号が付されている。

しかして、圧縮機１から吐出されたガス中に含まれるミ
スト状の油はオイルセパレータ３で分離され、更に、第
２のオイルセパレータ20で分離されるので、アドソーバ
４に流入する油は極めて少なくなり、従って、アドソー
バ４の寿命を延長できる。第２のオイルセパレータ20で
ガスから分離される油は圧縮機１の容量によって異なる
が１週間に1cc以下であり、従って、常時これを排出す
る必要がないので、電磁弁22は常時これを閉とすること
により管路21を通って吸入管路にバイパスされるガスを
阻止して冷凍機に供給されるガスの流量の減少を防止で
きる。

圧縮機１の停止時、系内の圧力をバランスさせるため電
磁弁22が開とされ、この際、管路21を通るガスと一緒に
第２のオイルセパレータ20で分離された油は吸入管路に
流入して圧縮機１に戻る。

なお、圧縮機１が１週間以上連続して運転される場合に
は例えば一週間毎に電磁弁22を数秒間だけ開として油を
圧縮機１に戻せば良い。

（考案の効果） 本考案においては、オイルセパレータの後流側の吐出管
路に第２のオイルセパレータを介装したので、圧縮機か
ら吐出されたガス中に含まれる油はオイルセパレータ及
び第２のオイルセパレータでガスから分離される。

この結果、アドソーバに入る油を極めて少なくしうるの
で、この寿命を延長できる。

第２のオイルセパレータで分離された油は圧縮機の停止
時油戻し管と均圧管とを兼ねる管路が開とされたときこ
の管路を通るガスと一緒に吸入管路に流入させて圧縮機
に戻すことができ、従って、この管路は圧縮機の運転中
閉として置くことができるので、これを通ってバイパス
されるガスを阻止できる。また、この管路は油戻し管と
均圧管を兼ねるので、別々に配設する場合に比し構造が
簡単となり、コストも安価となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す系統図、第２図は従来
の１例を示す系統図である。 圧縮機……１、オイルセパレータ……３、第２のオイル
セパレータ……20、管路……21

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮機の吐出管路中にオイルセパレータを
   介装してなるガス圧縮ユニットにおいて、上記オイルセ
   パレータの後流側の吐出管路に第２のオイルセパレータ
   を介装し、この第２のオイルセパレータの油戻し管と均
   圧管とを兼ねる管路を上記圧縮機の吸入管路に接続した
   ことを特徴とするガス圧縮ユニット。