JPH073248Y2 - 圧縮機ユニツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば極低温冷凍機などに適用される圧縮機
ユニツトに関する。

〔従来の技術〕 従来、極低温冷凍機に於いては信頼性および価格などの
点でGMサイクルないし改良型のソルベイサイクルが多く
用いられており、圧縮機を１台のみ使用するシステムが
一般的である。第２図および第３図は従来の極低温冷凍
機に於けるヘリウムガス圧縮機ユニツトのシステム系統
図である。第２図に於いて、圧縮機１で圧縮されたヘリ
ウムガスはガスクーラ２に入り、ここで冷却水によつて
冷却された後、オイルセパレータ３に入つてヘリウムガ
ス中に含まれる潤滑油のミストが除去される。次いで、
ヘリウムガスはアドソーバ４に入り、ここではヘリウム
ガス中に含まれる蒸気が除去された後、図示しない極低
温冷凍機の膨張機構へ送られる。極低温冷凍機から流入
する低圧のヘリウムガスはサージボトル５を経て再び圧
縮機１に吸入され循環する。

圧縮機１を潤滑することによつて昇温した潤滑油はオイ
ルクーラ６に入り、ここで冷却水によつて冷却された後
再び圧縮機１に戻される。オイルセパレータ３で分離さ
れた潤滑油も圧縮機１に戻される。７はリリーフバルブ
で、オイルセパレータ３の出口とサージボトル５の出口
を連結するバイパス回路８に介装されている。９は電磁
弁で圧縮機１が停止した場合に開いて圧縮機１の吸入側
を高圧にし、オイルクーラ６の入口側と出口側とを均圧
化してオイルクーラ６内の潤滑油がサージボトル５側に
洩れるのを防いでいる。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のような従来の例えばヘリウムガス圧縮機ユニツト
などに於いて、圧縮機ユニツトを大容量化する場合には
第３図に示すように複数の圧縮機ユニツトを用いるのが
簡単な方法であるが、このように圧縮機を１台のみ使用
するシステムを並列に継ぐ場合には運転されている圧縮
機ユニツトと停止している圧縮機ユニツトとが存在する
運転モードの場合には、一方の運転されている圧縮機ユ
ニツトの高圧ヘリウムガスが他方の停止している圧縮機
ユニツトの循環ガスラインを通つて逆流し、低圧側へ漏
洩する。また、複数の全圧縮機を同時に発停するシステ
ムに於いても何らかの故障ないしミスにより１台でも停
止した圧縮機が存在する場合には上記と同様な問題が生
じるなどの不具合を抱えている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る圧縮機ユニツトは上記の課題を解決するこ
とを目的にしており、圧縮機と、同圧縮機からの吐出ガ
スを冷却するガスクーラと、吐出ガス中の潤滑油を分離
して上記圧縮機の吸入側へ戻すオイルセパレータと、上
記圧縮機中の潤滑油を冷却して吸入側へ戻すオイルクー
ラとを有し、冷凍サイクルに対して複数台が並列に接続
される圧縮機ユニットにおいて、上記圧縮機の吸入ガス
ライン中に介装され上記冷凍サイクル側へのガスの逆流
を防止する防止弁を備えてなる構造を特徴としている。

〔作用〕

即ち、本考案に係る圧縮機ユニットにおいては、それぞ
れの圧縮機ユニットの吸入ガスライン中に冷凍サイクル
側へガスが逆流しないように防止する逆止弁が介装され
ており、複数の圧縮機ユニツトが互いに並列に継がれて
いてもそれぞれの圧縮機ユニツトの循環ガスラインが逆
止弁の作用により分離されるので、運転されている圧縮
機ユニツトの高圧ガスを停止している圧縮機ユニツトの
循環ガスラインを通つて逆流することがない。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１図に基づき説明する。なお、図中
第２図、第３図に於ける部材と共通の部材には第２図、
第３図に於ける部材と共通の符号を付して説明を省略す
る。第１図は本考案の一実施例に係るヘリウムガス圧縮
機ユニツトのシステム系統図である。図に於いて、本実
施例に係るヘリウムガス圧縮機ユニツトは図に示すよう
に圧縮機１を１台づつ備えた２個の圧縮機ユニツトが並
列に継がれているとともに、それぞれの循環ガスライン
に於けるサージボトル５の出口側に逆止弁10が挿入され
ており、圧縮機１により圧縮されたヘリウムガスはガス
クーラ２で冷却された後オイルセパレータ３で潤滑油の
ミストを除去され、さらにアドソーバ４で蒸気が除去さ
れて図示しない膨張機構へ送られる。膨張機構を出た低
圧のヘリウムガスはサージボトル５に入り、逆止弁10を
経て再び圧縮機１に吸入される構造になつている。な
お、ヘリウムガスを圧縮するとヘリウムガスの温度が上
昇するために潤滑油をオイルクーラ６で冷却してこれを
圧縮機１の吸入側へ戻している。また、オイルセパレー
タ３で分離された潤滑油も吸入側で戻される。リリーフ
バルブ７は余分な高圧ヘリウムガスを低圧側へ戻すため
のものである。

圧縮機１が停止した場合には、電磁弁９が開いて圧縮機
１の吸入側を高圧にすることによりオイルクーラ６内の
潤滑油が圧縮機１の高圧側から押されるのを防ぐ。ま
た、逆止弁10は電磁弁９の下流とサージボトル５との間
の循環ガスライン中に設けられている。仮に、系統１の
圧縮機ユニツトが停止して系統２の圧縮機ユニツトが運
転されている場合を考えると、系統２に於ける高圧ヘリ
ウムガスの圧力が系統１に於けるオイルセパレータ３の
ガス出口からガスクーラ２、圧縮機１、オイルクーラ６
に掛かるとともに、系統１に於ける電磁弁９からオイル
クーラ６の出口側にも掛かつてオイルクーラ６内の潤滑
油がサージボトル５側に流れるのを防止する。系統１に
於ける電磁弁９からの高圧ヘリウムガスの圧力は逆止弁
10で止められて系統２の圧縮機ユニツトに於ける循環ガ
スラインと分離されるので、サージボトル５には系統２
に於ける低圧が掛かつている。この系統１の圧縮機ユニ
ツトが停止した状態に於ける高圧ヘリウムガスの圧力は
系統１の圧縮機ユニツトも運転された状態とほぼ同じで
あり、圧縮機１の出口から逆止弁10までを除いて循環ガ
スラインに於ける圧力のアンバランスは生じていない。

同様に、本実施例に係る圧縮機ユニツトに於いては２個
の圧縮機ユニツトの内何らかの故障ないしミスにより１
個が停つた場合でも特に問題を生じない。なお、逆止弁
10の代りに電磁弁を挿入して圧縮機１の発停に合わせて
開閉させても良いが、ミスとか故障の場合には対応でき
ないので不利である。

〔考案の効果〕

本考案に係る圧縮機ユニツトは前記の通り構成されてお
り、それぞれの圧縮機ユニツトの循環ガスラインが分離
されるので、運転されている圧縮機ユニツトの高圧ガス
が停止している圧縮機ユニツトの循環ガスラインを通つ
て逆流し、低圧側へ漏洩することがなくなるなどの効果
が奏せられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るヘリウムガス圧縮機ユ
ニツトのシステム系統図、第２図および第３図は従来の
ヘリウムガス圧縮機ユニツトのシステム系統図である。 １……圧縮機、２……ガスクーラ、３……オイルセパレ
ータ、４……アドソーバ、５……サージボトル、６……
オイルクーラ、９……電磁弁、10……逆止弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮機と、同圧縮機からの吐出ガスを冷却
   するガスクーラと、吐出ガス中の潤滑油を分離して上記
   圧縮機の吸入側へ戻すオイルセパレータと、上記圧縮機
   中の潤滑油を冷却して吸入側へ戻すオイルクーラとを有
   し、冷凍サイクルに対して複数台が並列に接続される圧
   縮機ユニットにおいて、上記圧縮機の吸入ガスライン中
   に介装され上記冷凍サイクル側へのガスの逆流を防止す
   る逆止弁を備えてなることを特徴とする圧縮機ユニッ
   ト。