JPH0648251A - 自動車シートに設けた傘収納庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車室内の居住空間を狭めることがなく，傘の
出し入れの容易な自動車用の傘収納庫を提供すること。 【構成】 座席シートに設けた傘収納庫１である。第１
発明の傘収納庫には収納庫１の奥部１４に収納口１５方
向に向って付勢された，スプリングコイル等を用いた弾
性ストッパー２を設け，また収納口には庫蓋４を設けて
ある。第２発明の傘収納庫は，傘を載置するための引出
し可能な傘台と，収納口に着脱可能に設けた庫蓋と，上
記傘台と庫蓋とを連結する連結部材とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，傘の取り出しと挿入が
容易な，自動車のシートに設けた傘収納庫に関する。

【０００２】

【従来技術】自動車の車室は一般にコンパクトに構成さ
れ余分なスペースはほとんど無く，居住空間を削ってま
で傘専用の収納部等を設けたりしていないのが一般的で
ある。前記の自動車では，未使用状態の傘は空いている
シート上，同床上，パケトレ上，又はトランクルーム内
等に収納されることとなる。一方，居住空間を占有する
ことなく，傘の収納部を後部座席に設けるという提案も
なされている。前記の従来技術としては，後部座席のシ
ートクッション内部に傘収納部を設け，収納口を座席前
方に開口させたもの（実開昭６０−６１９４６号参照）
と収納口を座席側方に開口させたもの（実開昭６３−７
２１３５号参照）がある。

【０００３】

【解決しようとする課題】しかし，雨天における傘の使
用を考慮すると，一旦使用した傘を室内に置けば，座
席，床，衣服を濡らす等の問題がある。また，トランク
ルーム内に傘を収納すれば出し入れ時に人が雨に濡れる
という問題がある。傘の出し入れ時に人が雨に濡れるこ
とを避けるためには，人が座席に着座した状態で傘を収
納できることが好ましい。シートクッション内部に傘収
納部を設ける構造としても，収納口が座席前方にあると
人が着座した状態で傘を出し入れする場合，傘が衣服に
触れ濡れることは避けられない。

【０００４】また，収納口を側方に設ける構造では，収
納部の大きさは大きい傘の寸法に合わせている。そのた
め，小さめの傘では収納部の内部に奥深く入ってしまっ
て，取り出しが困難になるという欠点がある。本発明
は，かかる従来の問題点に鑑み，車室内の居住空間を狭
めることがなくかつ，傘の出し入れが容易な自動車用の
傘収納庫を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題の解決手段】本願の第１発明は，自動車のシート
に設けた傘収納庫であって，該収納庫の奥部には，収納
口方向に向って付勢された反発力を有する弾性ストッパ
ーを設け，一方収納口には庫蓋を設けたことを特徴とす
る自動車シートに設けた傘収納庫にある。上記弾性スト
ッパーは，例えばコイルスプリング等により傘収納口の
方向に向かって反発力を生ずるように付勢されている。

【０００６】次に，第２発明は，自動車のシートに設け
た傘収納庫であって，該収納庫は，傘を載置するための
引出し可能な傘台と，収納口に着脱可能に設けた庫蓋
と，傘台と庫蓋とを連結する連結部材とを有することを
特徴とする自動車用シートに設けた傘収納庫にある。

【０００７】即ち，収納庫内には，傘台を設けてあり，
該傘台は収納口から引出しが可能である。また，収納口
には庫蓋を設けてあり，該庫蓋は収納口に着脱が可能で
ある。また，上記傘台と庫蓋とはヒモ，ゴムヒモ，鎖等
の連結部材によって連結されている。また，この場合に
も，上記第１発明の場合のように，収納庫の奥部に弾性
ストッパーを設けることが好ましい。

【０００８】

【作用及び効果】本発明の傘収納庫は，座席シートに設
けてある。従って車室内の居住空間を狭めることがな
い。また，第１発明では，弾力性のあるストッパーを設
けている。該ストッパーは収納口の方向に向って反発し
伸縮する。収納するとき，傘は，ストッパーを押圧して
収納され，庫蓋によって奥方向へ押されている。即ち，
傘は常時収納口の方向に向けて押し出される方向の力を
受けている。そのため，傘取出時には，庫蓋を開けると
傘はストッパーの弾性力によって収納口方向に押され，
外へ出てくる。したがって，傘は収納庫の奥部に没入し
てしまうことがなく，取り出しが容易である。

【０００９】また，第２発明では傘は傘台に載置して収
納される。傘台は庫蓋に連結されている。そこで，傘を
取り出すに当っては，まず庫蓋を引っ張る。これによ
り，傘台を収納庫外に引き出す。そこで，収納した傘を
傘台から取り出す。従って，本発明によれば，車室内の
居住空間を狭めることがなく，かつ傘の出し入れが容易
な自動車の傘収納庫を提供することができる。

【００１０】

【実施例】

実施例１ 本例は，図１に示すように自動車のシート１０に設けた
傘収納庫１であって，該収納庫１の奥部１４に収納口１
５の方向に向って付勢された反発力を有する弾性ストッ
パー２を設け，一方収納口には庫蓋４を設けた自動車用
の傘収納庫１である。

【００１１】本例の傘収納庫１は，合成樹脂製で，前部
座席のクッション６２のパッド６１と一体成形した筒状
体である。該収納庫１は，短小傘９１より若干長い奥行
きを有している。収納庫１の奥部１４には，弾性ストッ
パー２を設けている。該弾性ストッパー２はコイルスプ
リング２１を介して収納庫１の奥壁１３に取付けられて
いる。該コイルスプリング２１は収納庫１の奥部１４か
ら収納口１５の方向に向って付勢されており，収納庫１
の軸方向に伸縮する。

【００１２】収納庫１の収納口１５には，庫蓋４が設け
られている。上記庫蓋４の下部はシート１０の底部のシ
ールド６４にインテグラルヒンジ６４１で取付けられて
いる。庫蓋４の上部には図２に示すように収納口１５の
曲り縁１５１に着脱係止可能な鍵形のフック４２を設け
てある。

【００１３】また，庫蓋４には，図３に示すように，換
気スリット４１を設けてある。また，収納庫１の底部に
は図１に示すように水抜き穴１１を設けてある。該水抜
き１１の下口１１１は床下に開口している。なお図１に
おいて符号６５はクッションパネル，符号６３はクッシ
ョン６２の表皮である。

【００１４】次に，本例の作用効果について述べる。ま
ず，傘を収納しない空状態においては，コイルスプリン
グ２１は伸長状態にあり，ストッパー２は図１の矢印ａ
点に位置している。次に，傘の収納に当って，収納庫１
内に短小傘９１を収納する。次いで庫蓋４を閉じる。こ
れにより，コイルスプリング２１とストッパー２が庫蓋
４と短小傘９１に押されて縮小，後退し，ストッパー２
は傘の長さに対応して矢印ｂ点まで後退する。この後，
庫蓋４を収納口１５の曲り縁１５１に係止させ傘の収納
状態を保持する。

【００１５】次に，傘を取出すに当っては，庫蓋４の曲
り縁１５１への係止を解く。これにより収納されていた
短小傘９１は，コイルスプリング２１の反発力により，
庫外に押し出される（図１破線図）。このように本例に
よれば，収納する傘が短くても収納庫１に没入してしま
うことがなく，傘の取り出しが容易である。なお，傘以
外の小物を収納することも可能である。

【００１６】また，収納庫１はシート１０のクッション
６２内に設けてあるから，車室内の居住空間を狭めるこ
とがない。また，水抜き１１や換気スリット４１を設け
ているので水分や湿気が内部に滞留することがない。従
って，本例によれば，車室の居住空間を狭めることがな
く，かつ傘の出し入れが容易な自動車用の傘収納庫を提
供することができる。

【００１７】実施例２ 本例の傘収納庫は，図１に示す実施例１と同様の構造を
有する傘収納庫を，長傘用と短小傘用との収納庫をセッ
トにすると共に，この２セットを後部座席の左右方向に
互い違いに配置したものである。

【００１８】図４，図５に示すように，本例の傘収納庫
は後部座席のクッション６２１のパッド６１１中に設け
た上下１対の上部収納庫１０１と下部収納庫１０２から
なる。上部収納庫１０１と下部収納庫１０２とは，それ
ぞれ長傘９２用収納庫１６１，１６２と短小傘９１用収
納庫１７１，１７２とを有している。すなわち，長傘用
収納庫１６１，１６２と短小傘用収納庫１７１，１７２
とは左右両側で上下の配置が反対になっており，いわゆ
る互い違いに配置されている。

【００１９】上部収納庫１０１，及び下部収納庫１０２
はそれぞれ奥壁１３１，１３２，弾性ストッパー２０
１，２０２，２０３，２０４，コイルスプリング２１
１，２１２，２１３，２１４，庫蓋４０１，４０２，４
０３，４０４を有しており，これらの構造及び作用は実
施例１と同様である。水抜き穴（図示せず）を設けてい
ることも実施例１と同様である。

【００２０】本例の収納庫１は，傘の長さに制約がな
い。すなわち，シートの左右両側から長傘及び短小傘を
それぞれ収納することができる。また，４本の傘を収納
することができる。その他は実施例１と同様である。な
お，本例は上下方向に上部収納庫１０１と下部収納庫１
０２とを対に配置した収納庫の例であるが，それぞれの
収納庫を前後に配置して前方収納庫と後方収納庫として
配置することもできる。その場合も，本例と同様の効果
を得ることができる。

【００２１】実施例３ 本例は，図６，図７に示すように，自動車のシート１０
に傘収納庫１を設けたものである。該収納庫１には，傘
を載置する引出し可能な傘台３と，収納口１５に着脱可
能に設けた庫蓋４と，上記傘台３と庫蓋４とを連結する
連結部材５とを有している。本例の収納庫１は，合成樹
脂製の筒状体で，前部座席のクッション６２のパッド６
１と一体成形した角柱状の収納庫１である。該収納庫１
は，短小傘９１より若干長い奥行き寸法を有している。

【００２２】収納庫１の内部には傘台３が設けられてい
る。該傘台３は図６に示すように，収納庫１の奥行き深
さより若干短い長さを有し，収納庫の奥壁１３の底部に
伸縮自在のゴム材等の伸縮紐５１で連結されている。ま
た，傘台３は収納庫１の底面１８上を摺動可能な構造と
なっており，伸縮紐５１を延伸させながら収納口１５か
ら引き出すことが可能である。

【００２３】また，収納庫１の収納口１５には庫蓋４が
設けられており，該庫蓋４は，収納口１５に着脱が可能
である。上記庫蓋４には，前記図２に示したように，フ
ック４２が上下に設けられており，収納口１５の上下曲
がり縁１５１と係脱する構造を有している。庫蓋４と傘
台３とは紐状の連結部材５によって連結されている。庫
蓋４には換気スリット４１を設け，収納庫１には実施例
１と同様の水抜き穴１１（図７）を設けている。

【００２４】次に，本例の作用効果について述べる。傘
を収納する場合には傘台３に短小傘９１を載置して収納
庫１内に挿入し，庫蓋４を収納口１５に係止して短小傘
９１を収納する。傘を引出す場合は庫蓋４を収納口１５
から引き外してこれを引けば連結部材５によって傘台３
が引き出されて，傘９１も，引き出される。その後庫蓋
４の引張り力を弱めれば，傘台３は伸縮紐５１の作用に
より収納庫１内に引き戻される。上記のように，傘の出
し入れは極めて容易である。

【００２５】また，収納庫１はシート１０のクッション
６２内に設けてあるから，車室内の居住空間を狭めるこ
とがない。従って，本例によれば，車室の居住空間を狭
めることがなく，かつ傘の出し入れが容易な自動車用の
傘収納庫を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の傘収納庫の断面斜視図。

【図２】実施例１の庫蓋と収納口との係止部拡大図。

【図３】実施例１の庫蓋の正面図。

【図４】実施例２の傘収納庫で，図５のＡ−Ａ矢視断面
図。

【図５】実施例２の傘収納庫の側面断面図。

【図６】実施例３の傘収納庫で，図７のＢ−Ｂ矢視断面
図。

【図７】実施例３の傘収納庫の斜視図。

【符号の説明】

１．．．収納庫， １０．．．シート， １１．．．水抜き穴， １４．．．奥部， １５．．．収納口， ２．．．弾性ストッパー， ２１．．．コイルスプリング， ３．．．傘台， ４．．．庫蓋， ５．．．連結部材， ９１．．．短小傘， ９２．．．長傘，

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のシートに設けた傘収納庫であっ
   て，該収納庫の奥部には，収納口方向に向って付勢され
   た反発力を有する弾性ストッパーを設け，一方収納口に
   は庫蓋を設けたことを特徴とする自動車シートに設けた
   傘収納庫。
2. 【請求項２】 自動車のシートに設けた傘収納庫であっ
   て，該収納庫は，傘を載置するための引出し可能な傘台
   と，収納口に着脱可能に設けた庫蓋と，傘台と庫蓋とを
   連結する連結部材とを有することを特徴とする自動車用
   シートに設けた傘収納庫。