JPH0648212A - エネルギ回生システムのアキュムレータピストン底突防止装置 - Google Patents

エネルギ回生システムのアキュムレータピストン底突防止装置

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JPH0648212A
JPH0648212A JP20787192A JP20787192A JPH0648212A JP H0648212 A JPH0648212 A JP H0648212A JP 20787192 A JP20787192 A JP 20787192A JP 20787192 A JP20787192 A JP 20787192A JP H0648212 A JPH0648212 A JP H0648212A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エネルギ回生システムのアキュムレータの油
室内の作動油の殆ど全てを該システムのポンプ/モータ
のモータ作動に供せるようにしつつ、アキュムレータに
おけるピストン底突状態を回避できるピストン底突防止
装置の提供。 【構成】 ポンプ/モータのモータ作動中、エネルギ回
生システムのコントローラは、アキュムレータピストン
(42)の移動位置を表すストロークスイッチ(90)
からの検出出力に基づいてピストン底突状態直前に対応
する所定ピストン位置への到達を判別すると、アキュム
レータ(40)とポンプ/モータとを接続する管路に配
した弁を閉じてアキュムレータからの作動油供給を停止
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギ回生システム
のアキュムレータピストン底突防止装置に関し、特に、
斜板式可変容量ピストンポンプ/モータを搭載した蓄圧
式制動エネルギ回生車両に搭載されるこの種の装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両の制動は、車両の運動エネ
ルギを摩擦エネルギに変換することによって行われ、こ
のため、車両制動時には大気中にエネルギが放散され
る。近年、大気汚染などの地球環境問題に対する関心が
高まる中、制動エネルギを再利用するようにした車両が
提案されている。
【0003】例えば、蓄圧式制動エネルギ回生車両は、
ポンプ/モータとアキュムレータとを備え、該アキュム
レータは、ピストンとアキュムレータ本体の一側端壁を
なすプラグとによって画成された油室と、ピストンに関
して油室とは反対側に画成されたガス室とを有してい
る。この種の車両は、車両制動時に、ポンプ/モータを
車両の駆動輪で駆動してポンプ作動させてポンプ/モー
タによりアキュムレータの油室に作動油を圧送して、ア
キュムレータのガス室内部に充填したガスをピストンを
介して圧縮し、これにより制動エネルギを蓄えるように
している。そして、車両の発進時あるいは加速運転時に
は、車両制動時に圧縮したガスを膨張させることにより
作動油をアキュムレータからポンプ/モータに供給して
該ポンプ/モータをモータ作動させて車両の駆動輪をポ
ンプ/モータで駆動し、これにより制動エネルギを再利
用している。エネルギの有効利用を図るには、ポンプ/
モータのモータ作動にあたってアキュムレータの油室内
部の作動油全てを利用することが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アキュ
ムレータの油室から作動油が完全に排出されると、ピス
トンがプラグに衝突してピストン底突状態となり、この
際に衝撃音が発生し、不都合である。そこで、本発明
は、アキュムレータの油室内の加圧作動油の殆ど全てを
ポンプ/モータのモータ作動に供せるようにしつつ、エ
ネルギ回生システムのアキュムレータにおけるピストン
底突状態を回避して衝撃音の発生を防止できるピストン
底突防止装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、ポンプ/モータをポンプ作動させてアキュムレータ
の油室に作動油を圧送してアキュムレータのガス室のガ
スを前記アキュムレータのピストンを介して圧縮して制
動エネルギを蓄積可能とし、又、蓄圧エネルギの利用時
のガスの膨張によるアキュムレータからの作動油供給に
よりポンプ/モータをモータ作動させるエネルギ回生シ
ステムにおいて、本発明のアキュムレータピストン底突
防止装置は、測定子がピストンの油室側の端面に当接自
在なようにアキュムレータに取付けた位置センサと、位
置センサからの検出出力に基づいてピストンの所定ピス
トン位置への到達を判別するための判別手段と、所定ピ
ストン位置への到達の判別に応じてアキュムレータから
の作動油供給を阻止するための手段とを備えることを特
徴とする。
【0006】
【作用】エネルギ回生システムのモータ作動中、アキュ
ムレータからポンプ/モータへの作動油供給に伴ってア
キュムレータのピストンがアキュムレータ本体の油室側
端面に近接すると、位置センサの測定子がピストンの油
室側端面に当接するに至り、これにより、ピストンとア
キュムレータ本体の油室側端壁との間の距離を表す検出
出力が位置センサから判別手段に供給される。判別手段
は、ピストンがアキュムレータ本体端面に当接する底突
状態に至る直前の所定ピストン位置へピストンが到達し
たか否かをセンサ検出出力に基づいて判別する。判別手
段による所定ピストン位置への到達の判別に応じて、作
動油供給阻止手段は、アキュムレータからポンプ/モー
タへの作動油供給を阻止し、これにより、ピストンの底
突が防止され、ピストン底突に伴う衝撃音の発生が防止
される。
【0007】
【実施例】図1を参照すると、蓄圧式制動エネルギ回生
車両は、車両制動時にポンプ作動して制動エネルギを回
収する一方、回収エネルギの再利用時にモータ作動する
斜板式可変容量ピストンポンプ/モータ10と、回収エ
ネルギを蓄えるためのアキュムレータ40と、後で詳述
する本発明の一実施例のアキュムレータピストン底突防
止装置とを備えている。又、エネルギ回生車両は、通常
の車両と同様、トランスミッション2を介して駆動輪1
を駆動するためのエンジン3を備えている。
【0008】ポンプ/モータ10は、クラッチ21及び
ギヤボックス22を介して駆動輪1に駆動的に連結され
た駆動軸10aを有し、駆動輪1とポンプ/モータ10
との連結をクラッチ21により断続するようにしてい
る。又、ポンプ/モータ10は、駆動軸10aにこれと
一体回転自在に嵌着された斜板10bと、斜板10bの
回転に伴って往復動するピストン10cとを有し、駆動
軸10aに対する斜板10bの角度すなわち傾転角に応
じてポンプ/モータ容量が変化するようになっている。
【0009】図2に示すように、傾転角を可変制御する
ための傾転シリンダ11は、斜板10bに連結されたピ
ストン11aと、該ピストン11aの両側に夫々画成さ
れたチャンバ11b,11cとを有し、一方のチャンバ
例えばチャンバ11bにパイロット油圧源12からのパ
イロット油圧が供給されると斜板10bがポンプ作動側
に駆動され、他方のチャンバ例えばチャンバ11cにパ
イロット油圧が供給されると斜板10bがモータ作動側
に駆動されるようになっている。
【0010】パイロット油圧源12および該油圧源と傾
転シリンダ11間に介在する比例電磁弁13は、パイロ
ット油圧源12から傾転シリンダ11へのパイロット油
圧の供給を可変制御するためのパイロット圧供給回路を
構成している。そして、比例電磁弁13の一方のソレノ
イド13aに通電すると、通電量に応じた量のパイロッ
ト油圧が比例電磁弁13を介して傾転シリンダ11のチ
ャンバ11bに供給され、又、他方のソレノイド13b
に通電するとパイロット油圧がチャンバ11cに供給さ
れ、これにより、傾転シリンダ11のピストン11aの
作動位置ひいては斜板10bの傾転角が可変制御される
ようになっている。傾転シリンダ11のチャンバ11
b,11c内にはスプリング11d,11eが夫々配さ
れ、比例電磁弁13のソレノイド13a,13bへの通
電が停止されて比例電磁弁13がスプリング13c,1
3dのばね力で中立位置をとって傾転シリンダ11への
パイロット油圧供給が遮断されたとき、傾転シリンダ1
1内のパイロット油を図示しない管路を介して排出しつ
つ、スプリング11d,11eのばね力で傾転シリンダ
11のピストン11aが中立位置をとるようになってい
る。図2中、参照符号16,17及び18はリリーフ弁
を夫々表す。
【0011】ポンプ/モータ10の第1ポート10dは
管路31を介して作動油タンク30に連通し、一方、第
2ポート10eは管路32を介してアキュムレータ40
に連通している(図1及び図2)。管路32のアキュム
レータ40側には切換弁50(図1)が設けられ、ポン
プ/モータ10とアキュムレータ40間での作動油の流
通を切換弁50によって許容または阻止するようにして
いる。
【0012】より詳しくは、図3に示すように、ポンプ
/モータ10とアキュムレータ40とを接続する管路3
2は、ポンプ/モータ10の第2ポート10eに一端が
接続された高圧ホース71と、該ホース71の他端が接
続された管路72とを含んでいる。管路72は、車両の
フレーム(図示略)に固定したマニホールドブロック6
0に設けられ、アキュムレータ40に接続されている。
管路72の途中にはロジックバルブ51が配され、該バ
ルブ51は、ブロック60に固定したサブプレート61
に固定されたポペット弁52と協働して上述の切換弁5
0を構成している。ポペット弁52は、第1ポートが、
管路72のロジックバルブ51側から分岐した分岐管路
73に連通し、第2ポートが作動油タンク30に連通す
るドレイン管路78に連通している。第1ポートは、ポ
ペット弁52のソレノイド52aが消勢されているとき
に、ポペット弁52の第3ポートに連通する管路74を
介して、ロジックバルブ51の制御ポートに連通するよ
うにされている。即ち、ソレノイド52aの消勢時、分
岐管路73内の作動油圧をポペット弁52を介してロジ
ックバルブ51の制御ポートに印加して、ロジックバル
ブ51を閉弁するようにしている。管路72の別の分岐
管路75には、アキュムレータ40側に蓄えられた作動
油の圧力を検出するための圧力センサ81が接続されて
いる。
【0013】更に、管路72の、ロジックバルブ51に
関してポンプ/モータ側の半部は、管路76及び77を
介して三方向切換弁53に接続されている。切換弁53
のソレノイド53aが消勢されているとき、管路72
は、管路76及び切換弁53を介してドレイン管路78
に連通し、これにより、高圧ホース71内ならびに管路
72のポンプ/モータ側半部内に残った加圧作動油がタ
ンク30に戻される一方、ソレノイド53aが付勢され
ると管路76,77同士が接続されるようになってい
る。そして、管路72のポンプ/モータ側端部は、入力
ポートに加わる油圧が或る一定圧を上回ると開弁するよ
うにされた弁54を介してドレイン管路78に連通して
いる。
【0014】図1及び図4に示すように、アキュムレー
タ40は、中空円筒状のアキュムレータ本体41と、ア
キュムレータ本体41内に該本体に対して摺動自在に配
されたピストン42とを有している。ピストン42に関
して切換弁50側においてアキュムレータ本体41の内
面とピストン42の端面とにより第1チャンバ(油室)
43が画成され、又、切換弁50と反対側においてアキ
ュムレータ本体内面とピストン端面とにより第2チャン
バ(ガス室)44が画成されている。第2チャンバ44
内には窒素ガスが充填されている。図4において参照符
号45は、アキュムレータ本体41に気密に嵌合固定さ
れたプラグを表し、該プラグ45は、アキュムレータ本
体の油室側の端壁をなしている。
【0015】図4に示すように、アキュムレータ40の
油室側端部において、アキュムレータ本体41とプラグ
45にはブロック46が密に嵌合している。このブロッ
ク46にはアキュムレータ軸心方向に段付き孔が穿設さ
れ、アキュムレータ軸心方向でのピストン移動位置を検
出するためのストロークセンサ90が、この段付き孔内
部に装着されている。ストロークセンサ90は、段付き
孔の大径部の内部に配された本体91と、所定の可動範
囲内でセンサ本体91に対して移動自在なようにセンサ
本体91により支持された測定子92とを有している。
測定子92は、段付き孔の小径部と段付き孔に整合して
プラグ45に穿設した孔とを挿通し、ピストン42がプ
ラグ45に近接したときにピストン42のプラグ側端面
に当接し、ピストン42がプラグ45に更に接近するに
つれて、センサ本体91内に後退するようにされてい
る。そして、ストロークセンサ90は、測定子移動位置
すなわちピストン移動位置を表す検出出力を送出するよ
うになっている。
【0016】図1中、参照符号4は、プロセッサ,メモ
リ,入出力回路などを含むコントローラを表し、コント
ローラ4は、従来公知の各種エンジン制御を行うと共
に、アクセルペダル5に連動するアクセルペダル開度セ
ンサおよびブレーキペダル6の操作に応動するブレーキ
センサを含む各種センサからのセンサ出力に応じて傾転
シリンダ11,比例電磁弁13,切換弁50などの作動
を制御するようになっている。更に、コントローラ4
は、ストロークセンサ90,ロジックバルブ51,ポペ
ット弁52などと協働してアキュムレータピストン底突
防止装置を構成している。即ち、後で詳述するように、
コントローラ4は、これに接続されたストロークセンサ
90からのピストン移動位置を表す検出出力に基づい
て、アキュムレータピストン42が予め定められかつピ
ストン底突状態直前を表す所定ピストン位置に到達した
か否かを判別するための判別手段として機能し、又、ロ
ジックバルブ51及びポペット弁52と協働してポンプ
/モータ10のモータ作動を必要に応じて阻止するため
の手段として機能するようになっている。
【0017】以下、上述の構成の制動エネルギ回生車両
の作動を説明する。車両の定常走行時、コントローラ4
の制御下でポペット弁52のソレノイド52aが消勢さ
れて、管路72に連通する分岐管路73内の作動油圧が
ポペット弁52及び管路74を介してロジックバルブ5
1の制御ポートに加えられる。ロジックバルブ51の作
動油流通ポートには制御ポートに加わる作動油圧と同一
油圧が加えられるが、同ポート側の受圧面積は制御ポー
ト側のそれよりも小さくされており、ロジックバルブ5
1(より一般的には切換弁50)が閉弁する。この結
果、ポンプ/モータ10とアキュムレータ40との間で
の作動油の流通が阻止される。又、方向切換弁53のソ
レノイド53aが消勢されて、高圧ホース71内の及び
管路72のポンプ/モータ側半部内の加圧作動油がドレ
イン管路78を介してタンク30へ戻されて、ホース及
び管路内の残圧が解消される。これにより、残圧により
ポンプ/モータ10がモータ作動して車両が不用意に移
動することがない。更に、比例電磁弁13のソレノイド
13a,13bへの通電が停止されて比例電磁弁13が
中立位置をとって該電磁弁を介する傾転シリンダ11へ
のパイロット油圧の供給が遮断され、ポンプ/モータ1
0の斜板10bがその傾転角が零になるような非作動位
置にセットされる。この結果、ポンプ/モータ10が非
作動化され、従って、制動エネルギ回生車両は、通常の
車両の場合と同様に作動する。
【0018】車両制動時、すなわちブレーキセンサの出
力に基づいてドライバがブレーキペダル6を踏んだこと
を判別すると、コントローラ4は、車両のサービスブレ
ーキが作動する前に、ポペット弁52のソレノイド52
aを付勢してロジックバルブ51の制御ポートをドレイ
ン管路78に連通させ、もって、制御ポート側への閉弁
方向に作用する油圧の印加を解除してロジックバルブ5
1を開弁可能とする(より一般には切換弁50を開弁す
る)。これにより、ポンプ/モータ10とアキュムレー
タ40との間での作動油の流通が許容される。これと同
時に、コントローラ4の制御下で比例電磁弁13の一方
のソレノイドたとえばソレノイド13aへの通電が行わ
れ、比例電磁弁13を介してパイロット油圧が傾転シリ
ンダ11のチャンバ11bに供給されて、ポンプ/モー
タ10の斜板10bが図1に示すポンプ作動位置にセッ
トされる。結果として、クラッチ21およびギヤボック
ス22を介して駆動輪1に連結したポンプ/モータ10
が、駆動輪1により駆動されてポンプ作動し、回生ブレ
ーキが働く。即ち、タンク30からの作動油が、図1中
矢印で示すように、ポンプ/モータ10によりアキュム
レータ40の油室43内に高圧ホース71とロジックバ
ルブ51を含む管路72(図2)とを介して圧送され、
アキュムレータ40のガスチャンバ44内に充填した窒
素ガスが圧縮される。この結果、車両の運動エネルギは
アキュムレータ40内に蓄えられる。
【0019】車両発進時、すなわちトラスミッションギ
ヤ位置,クラッチペダルの踏み代,アクセルペダル開度
等を表す各種センサ出力に基づいてドライバによる発進
操作を検出すると、コントローラ40は切換弁50を開
くと共に、比例電磁弁13のソレノイド13bへの通電
を行い、これにより、比例電磁弁13を介してパイロッ
ト油圧が傾転シリンダ11のチャンバ11cに供給され
てポンプ/モータ10の斜板10bが図1に示す側と反
対の側に傾斜するモータ作動位置にセットされる。切換
弁50(ロジックバルブ51)が開かれると、アキュム
レータ40のガスチャンバ44内で窒素ガスが膨張し、
油室43内の作動油がピストン42によりアキュムレー
タ40から排出されて、ロジックバルブ51を含む管路
72と高圧ホース71とを介してポンプ/モータ10に
圧送され、該ポンプ/モータ10がモータ作動してトル
クを発生する。ポンプ/モータ10の出力トルクは、ク
ラッチ21及びギヤボックス22を介して駆動輪1に伝
達されて駆動輪1を駆動する。好ましくは、車速が約1
0km/hまでは低アクセル開度でもポンプ/モータ1
0を積極的にモータ作動させ、これにより車両が滑らか
に発進しかつ排出ガス量が低減される。
【0020】車両の加速運転時、すなわち、ドライバが
アクセルペダルを踏み込むと、例えばエンジン3の中負
荷以上おいて、車両発進時と同様、コントローラ4の制
御下でポンプ/モータ10がモータ作動し始め、エンジ
ン3へのトルクアシストを行う。その結果、車両はエン
ジン3とポンプ/モータ10との双方の動力で加速する
ことになり、燃費が向上し、排ガス量が低減される。
【0021】上述の車両の発進及び加速運転中、すなわ
ち、ポンプ/モータ10のモータ作動中、コントローラ
4は、アキュムレータ40の軸心方向に沿うピストン4
2の移動位置を表すストロークセンサ90からの検出出
力を周期的に読み取る。そして、検出出力を読み取る毎
に、コントローラ4は、該検出出力が、所定ピストン位
置に対応する所定レベルに到達したか否かを判別する。
ポンプ/モータ10のモータ作動中は、アキュムレータ
ピストン42がガスチャンバ44内のガスの膨張によっ
てプラグ45側に移動され、アキュムレータ油室43か
ら加圧作動油が排出される。従って、油室43内の作動
油量が相当に減少すると、ピストン42がプラグ45に
近接し、ピストン42のプラグ側端面がストロークセン
サ90の測定子92に当接するに至る。そして、ポンプ
/モータ10のモータ作動が更に継続して、ピストン4
2が測定子92を後退移動させつつプラグ45に更に近
接すると、ピストン移動位置すなわちピストン42及び
プラグ45の対向面同士間の間隔を表す検出出力がスト
ロークセンサ90からコントローラ4に送出される。
【0022】その後、ポンプ/モータ10のモータ作動
が続くとピストン42がプラグ45に当接する底突状態
に至る直前において、センサ検出出力が底突状態直前を
表す所定レベルまで減少する。この様に、センサ検出出
力が所定レベルに到達すると、コントローラ4は、アキ
ュムレータピストン42が所定ピストン位置に到達した
と判別する。
【0023】所定ピストン位置への到達の判別時、コン
トローラ4は、ポペット弁52のソレノイド52aへの
通電を停止してロジックバルブ51(一般には切換弁5
0)を閉弁させ、管路32を介するアキュムレータ40
からポンプ/モータ10への加圧作動油の供給を停止さ
せる。この結果、アキュムレータピストン42は所定ピ
ストン位置に保持され、ピストン42がプラグ45に衝
突する底突状態に至ることはない。これにより、ピスト
ン底突による衝撃音が発生することがない。
【0024】所定ピストン位置に到達することなく車両
の制動,発進又は加速運転が終了すると、コントローラ
4は、切換弁50を閉じると共に比例電磁弁13のソレ
ノイド13a,13bへの通電を停止して、ポンプ/モ
ータ10を非作動化する。なお、圧力センサ81による
アキュムレータ40における蓄積作動油圧力の減少の検
出時には、ポンプ/モータ10を非作動化し、或は、ク
ラッチ21を係合解除動作させ、或は、エネルギ回生車
両の作動を停止させる。
【0025】本発明は上記実施例に限定されず、種々の
変形が可能である。例えば、上記実施例では、本発明を
制動エネルギ回生車両に適用した場合について説明した
が、本発明は、各種エネルギ回生システムに適用可能で
ある。又、ストロークセンサ以外の位置センサを使用可
能である。
【0026】
【発明の効果】上述のように、ポンプ/モータをポンプ
作動させてアキュムレータの油室に作動油を圧送してア
キュムレータのガス室のガスをアキュムレータのピスト
ンを介して圧縮して制動エネルギを蓄積可能とし、又、
蓄圧エネルギの利用時のガスの膨張によるアキュムレー
タからの作動油供給によりポンプ/モータをモータ作動
させるエネルギ回生システムにおいて、本発明のアキュ
ムレータピストン底突防止装置は、測定子がピストンの
油室側の端面に当接自在なようにアキュムレータに取付
けた位置センサと、位置センサからの検出出力に基づい
てピストンの所定ピストン位置への到達を判別するため
の判別手段と、所定ピストン位置への到達の判別に応じ
てアキュムレータからの作動油供給を阻止するための手
段とを備えるので、アキュムレータの油室内の加圧作動
油の殆ど全てをポンプ/モータのモータ作動に供せるよ
うにしつつ、エネルギ回生システムのアキュムレータに
おけるピストン底突状態を回避して衝撃音の発生を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制動エネルギ回生車両の要部を示す概略図であ
る。
【図2】図1の斜板式可変容量ピストンポンプ/モータ
を示す油圧回路図である。
【図3】図1の切換弁を周辺要素と共に詳細に示す油圧
回路図である。
【図4】本発明の一実施例によるアキュムレータピスト
ン底突防止装置の一部をなすストロークセンサを周辺要
素と共に示す一部断面部分拡大図である。
【符号の説明】
1 駆動輪 4 コントローラ 10 斜板式可変容量ピストンポンプ 11 傾転シリンダ 13 比例電磁弁 21 クラッチ 30 作動油タンク 40 アキュムレータ 50 切換弁 51 ロジックバルブ 52 ポペット弁 90 ストロークセンサ 92 測定子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 エネルギ回生システムのアキュムレー
タピストン底突防止装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギ回生システム
のアキュムレータピストン底突防止装置に関し、特に、
斜板式可変容量ピストンポンプ/モータを搭載した蓄圧
式制動エネルギ回生車両に搭載されるこの種の装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両の制動は、車両の運動エネ
ルギを摩擦エネルギに変換することによって行われ、こ
のため、車両制動時には大気中にエネルギが放散され
る。近年、大気汚染などの地球環境問題に対する関心が
高まる中、制動エネルギを再利用するようにした車両が
提案されている。
【0003】例えば、蓄圧式制動エネルギ回生車両は、
ポンプ/モータとアキュムレータとを備え、該アキュム
レータは、ピストンとアキュムレータ本体の一側端壁を
なすプラグとによって画成された油室と、ピストンに関
して油室とは反対側に画成されたガス室とを有してい
る。この種の車両は、車両制動時に、ポンプ/モータを
車両の駆動輪で駆動してポンプ作動させてポンプ/モー
タによりアキュムレータの油室に作動油を圧送して、ア
キュムレータのガス室内部に充填したガスをピストンを
介して圧縮し、これにより制動エネルギを蓄えるように
している。そして、車両の発進時あるいは加速運転時に
は、車両制動時に圧縮したガスを膨張させることにより
作動油をアキュムレータからポンプ/モータに供給して
該ポンプ/モータをモータ作動させて車両の駆動輪をポ
ンプ/モータで駆動し、これにより制動エネルギを再利
用している。エネルギの有効利用を図るには、ポンプ/
モータのモータ作動にあたってアキュムレータの油室内
部の作動油全てを利用することが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アキュ
ムレータの油室から作動油が完全に排出されると、ピス
トンがプラグに衝突してピストン底突状態となり、この
際に衝撃音が発生し、又モータ側に流れる作動油の供給
が無くなるので、エア吹込みの原因となり、不都合であ
る。
【0005】そこで、本発明は、アキュムレータの油室
内の加圧作動油の殆ど全てをポンプ/モータのモータ作
動に供せるようにしつつ、エネルギ回生システムのアキ
ュムレータにおけるピストン底突状態を回避して衝撃音
の発生とエア吹込みによるポンプの破損を防止できるピ
ストン底突防止装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、ポンプ/モータをポンプ作動させてアキュムレータ
の油室に作動油を圧送してアキュムレータのガス室のガ
スを前記アキュムレータのピストンを介して圧縮して制
動エネルギを蓄積可能とし、又、蓄圧エネルギの利用時
のガスの膨張によるアキュムレータからの作動油供給に
よりポンプ/モータをモータ作動させるエネルギ回生シ
ステムにおいて、本発明のアキュムレータピストン底突
防止装置は、測定子がピストンの油室側の端面に当接自
在なようにアキュムレータに取付けた位置検出スイッチ
と、位置検出スイッチからの検出出力に基づいてピスト
ンの所定ピストン位置への到達を判別するための判別手
段と、所定ピストン位置への到達の判別に応じてアキュ
ムレータからの作動油供給を阻止するための手段とを備
えることを特徴とする。
【0007】
【作用】エネルギ回生システムのモータ作動中、アキュ
ムレータからポンプ/モータへの作動油供給に伴ってア
キュムレータのピストンがアキュムレータ本体の油室側
端面に近接すると、位置検出スイッチの測定子がピスト
ンの油室側端面に当接するに至り、これにより、ピスト
ンとアキュムレータ本体の油室側端壁との間の距離を表
す検出出力が位置検出スイッチから判別手段に供給され
る。判別手段は、ピストンがアキュムレータ本体端面に
当接する底突状態に至る直前の所定ピストン位置へピス
トンが到達したか否かを検出スイッチ出力に基づいて判
別する。判別手段による所定ピストン位置への到達の判
別に応じて、作動油供給阻止手段は、アキュムレータか
らポンプ/モータへの作動油供給を阻止し、これによ
り、ピストンの底突が防止され、ピストン底突に伴う衝
撃音の発生が防止される。
【0008】
【実施例】図1を参照すると、蓄圧式制動エネルギ回生
車両は、車両制動時にポンプ作動して制動エネルギを回
収する一方、回収エネルギの再利用時にモータ作動する
斜板式可変容量ピストンポンプ/モータ10と、回収エ
ネルギを蓄えるためのアキュムレータ40と、後で詳述
する本発明の一実施例のアキュムレータピストン底突防
止装置とを備えている。又、エネルギ回生車両は、通常
の車両と同様、トランスミッション2を介して駆動輪1
を駆動するためのエンジン3を備えている。
【0009】ポンプ/モータ10は、クラッチ21及び
ギヤボックス22を介して駆動輪1に駆動的に連結され
た駆動軸10aを有し、駆動輪1とポンプ/モータ10
との連結をクラッチ21により断続するようにしてい
る。又、ポンプ/モータ10は、駆動軸10aにこれと
一体回転自在に嵌着された斜板10bと、斜板10bの
回転に伴って往復動するピストン10cとを有し、駆動
軸10aに対する斜板10bの角度すなわち傾転角に応
じてポンプ/モータ容量が変化するようになっている。
【0010】図2に示すように、傾転角を可変制御する
ための傾転シリンダ11は、斜板10bに連結されたピ
ストン11aと、該ピストン11aの両側に夫々画成さ
れたチャンバ11b,11cとを有し、一方のチャンバ
例えばチャンバ11bにパイロット油圧源12からのパ
イロット油圧が供給されると斜板10bがポンプ作動側
に駆動され、他方のチャンバ例えばチャンバ11cにパ
イロット油圧が供給されると斜板10bがモータ作動側
に駆動されるようになっている。
【0011】パイロット油圧源12および該油圧源と傾
転シリンダ11間に介在する比例電磁弁13は、パイロ
ット油圧源12から傾転シリンダ11へのパイロット油
圧の供給を可変制御するためのパイロット圧供給回路を
構成している。そして、比例電磁弁13の一方のソレノ
イド13aに通電すると、通電量に応じた量のパイロッ
ト油圧が比例電磁弁13を介して傾転シリンダ11のチ
ャンバ11bに供給され、又、他方のソレノイド13b
に通電するとパイロット油圧がチャンバ11cに供給さ
れ、これにより、傾転シリンダ11のピストン11aの
作動位置ひいては斜板10bの傾転角が可変制御される
ようになっている。傾転シリンダ11のチャンバ11
b,11c内にはスプリング11d,11eが夫々配さ
れ、比例電磁弁13のソレノイド13a,13bへの通
電が停止されて比例電磁弁13がスプリング13c,1
3dのばね力で中立位置をとって傾転シリンダ11への
パイロット油圧供給が遮断されたとき、傾転シリンダ1
1内のパイロット油をドレイン回路に排出しつつ、スプ
リング11d,11eのばね力で傾転シリンダ11のピ
ストン11aが中立位置をとるようになっている。図2
中、参照符号16,17及び18はリリーフ弁を夫々表
す。
【0012】ポンプ/モータ10の第1ポート10dは
管路31を介して作動油タンク30に連通し、一方、第
2ポート10eは管路32を介してアキュムレータ40
に連通している(図1及び図2)。管路32のアキュム
レータ40側には切換弁50(図1)が設けられ、ポン
プ/モータ10とアキュムレータ40間での作動油の流
通を切換弁50によって許容または阻止するようにして
いる。
【0013】より詳しくは、図3に示すように、ポンプ
/モータ10とアキュムレータ40とを接続する管路3
2は、ポンプ/モータ10の第2ポート10eに一端が
接続された高圧ホース71と、該ホース71の他端が接
続された管路72とを含んでいる。管路72は、車両の
フレーム(図示略)に固定したマニホールドブロック6
0に設けられ、アキュムレータ40に接続されている。
管路72の途中にはロジックバルブ51が配され、該バ
ルブ51は、ブロック60に固定したサブプレート61
に固定されたポペット弁52と協働して上述の切換弁5
0を構成している。ポペット弁52は、第1ポートが、
管路72のロジックバルブ51側から分岐した分岐管路
73に連通し、第2ポートが作動油タンク30に連通す
るドレイン管路78に連通している。第1ポートは、ポ
ペット弁52のソレノイド52aが消勢されているとき
に、ポペット弁52の第3ポートに連通する管路74を
介して、ロジックバルブ51の制御ポートに連通するよ
うにされている。即ち、ソレノイド52aの消勢時、分
岐管路73内の作動油圧をポペット弁52を介してロジ
ックバルブ51の制御ポートに印加して、ロジックバル
ブ51を閉弁するようにしている。管路72の別の分岐
管路75には、アキュムレータ40側に蓄えられた作動
油の圧力を検出するための圧力センサ81が接続されて
いる。
【0014】更に、管路72の、ロジックバルブ51に
関してポンプ/モータ側の半部は、管路76及び77を
介して三方向切換弁53に接続されている。切換弁53
のソレノイド53aが消勢されているとき、管路72
は、管路76及び切換弁53を介してドレイン管路78
に連通し、これにより、高圧ホース71内に残った加圧
作動油がタンク30に戻される一方、ソレノイド53a
が付勢されると管路76,77同士が接続されるように
なっている。そして、管路72のポンプ/モータ側端部
は、入力ポートに加わる油圧が或る一定圧を上回ると開
弁するようにされた弁54を介してドレイン管路78に
連通している。
【0015】図1及び図4に示すように、アキュムレー
タ40は、中空円筒状のアキュムレータ本体41と、ア
キュムレータ本体41内に該本体に対して摺動自在に配
されたピストン42とを有している。ピストン42に関
して切換弁50側においてアキュムレータ本体41の内
面とピストン42の端面とにより第1チャンバ(油室)
43が画成され、又、切換弁50と反対側においてアキ
ュムレータ本体内面とピストン端面とにより第2チャン
バ(ガス室)44が画成されている。第2チャンバ44
内には窒素ガスが充填されている。図4において参照符
号45は、アキュムレータ本体41に気密に嵌合固定さ
れたプラグを表し、該プラグ45は、アキュムレータ本
体の油室側の端壁をなしている。
【0016】図4に示すように、プラグ45にはアキュ
ムレータ軸心方向に段付き孔が穿設され、アキュムレー
タ軸心方向でのピストン移動位置を検出するためのスト
ロークスイッチ90が、この段付き孔内部に装着されて
いる。ストロークスイッチ90は、段付き孔の大径部の
内部に配された本体91と、所定の可動範囲内でスイッ
チ本体91に対して移動自在なようにスイッチ本体91
により支持された測定子92とを有している。測定子9
2は、段付き孔の小径部を摺動自在に挿通し、ピストン
42がプラグ45に近接したときにピストン42のプラ
グ側端面に当接し、ピストン42がプラグ45に更に接
近するにつれて、図示しないスプリングのばね力に抗し
て、スイッチ本体91内に後退するようにされている。
そして、ストロークスイッチ90は、測定子の後端に付
けたマグネット93と、その磁力に応動するリードスイ
ッチ94とを有し、ピストンが所定のレベルまで到達し
た事を示す検出出力を送出するようになっている。
【0017】図1中、参照符号4は、プロセッサ,メモ
リ,入出力回路などを含むコントローラを表し、コント
ローラ4は、従来公知の各種エンジン制御を行うと共
に、アクセルペダル5に連動するアクセルペダル開度セ
ンサおよびブレーキペダル6の操作に応動するブレーキ
センサを含む各種センサからのセンサ出力に応じて傾転
シリンダ11,比例電磁弁13,切換弁50などの作動
を制御するようになっている。更に、コントローラ4
は、ストロークスイッチ90,ロジックバルブ51,ポ
ペット弁52などと協働してアキュムレータピストン底
突防止装置を構成している。即ち、後で詳述するよう
に、コントローラ4は、これに接続されたストロークス
イッチ90からのピストン移動位置を表す検出出力に基
づいて、アキュムレータピストン42が予め定められか
つピストン底突状態直前を表す所定ピストン位置に到達
したか否かを判別するための判別手段として機能し、
又、ロジックバルブ51及びポペット弁52と協働して
ポンプ/モータ10のモータ作動を必要に応じて阻止す
るための手段として機能するようになっている。
【0018】以下、上述の構成の制動エネルギ回生車両
の作動を説明する。車両の定常走行時、コントローラ4
の制御下でポペット弁52のソレノイド52aが消勢さ
れて、管路72に連通する分岐管路73内の作動油圧が
ポペット弁52及び管路74を介してロジックバルブ5
1の制御ポートに加えられる。ロジックバルブ51の作
動油流通ポートには制御ポートに加わる作動油圧と同一
油圧が加えられるが、同ポート側の受圧面積は制御ポー
ト側のそれよりも小さくされており、ロジックバルブ5
1(より一般的には切換弁50)が閉弁する。この結
果、ポンプ/モータ10とアキュムレータ40との間で
の作動油の流通が阻止される。又、方向切換弁53のソ
レノイド53aが消勢されて、高圧ホース71内の加圧
作動油がドレイン管路78を介してタンク30へ戻され
て、ホース及び管路内の残圧が解消される。これによ
り、残圧によりポンプ/モータ10がモータ作動して車
両が不用意に移動することがない。更に、比例電磁弁1
3のソレノイド13a,13bへの通電が停止されて比
例電磁弁13が中立位置をとって該電磁弁を介する傾転
シリンダ11へのパイロット油圧の供給が遮断され、ポ
ンプ/モータ10の斜板10bがその傾転角が零になる
ような非作動位置にセットされる。この結果、ポンプ/
モータ10が非作動化され、従って、制動エネルギ回生
車両は、通常の車両の場合と同様に作動する。
【0019】車両制動時、すなわちポンプ作動時は作動
油流通ポートに作用する力がロジックバルブ51の制御
ポートに加わる力よりも大きいので、ロジックバルブ5
1(より一般的には切換弁50)は開弁可能である。従
って、ポンプ/モータ10とアキュムレータ40との間
での作動油の流通が許容される。これと同時に、コント
ローラ4の制御下で比例電磁弁13の一方のソレノイド
たとえばソレノイド13aへの通電が行われ、比例電磁
弁13を介してパイロット油圧が傾転シリンダ11のチ
ャンバ11bに供給されて、ポンプ/モータ10の斜板
10bが図1に示すポンプ作動位置にセットされる。結
果として、クラッチ21およびギヤボックス22を介し
て駆動輪1に連結したポンプ/モータ10が、駆動輪1
により駆動されてポンプ作動し、回生ブレーキが働く。
即ち、タンク30からの作動油が、図1中矢印で示すよ
うに、ポンプ/モータ10によりアキュムレータ40の
油室43内に高圧ホース71とロジックバルブ51を含
む管路72(図2)とを介して圧送され、アキュムレー
タ40のガスチャンバ44内に充填した窒素ガスが圧縮
される。この結果、車両の運動エネルギはアキュムレー
タ40内に蓄えられる。
【0020】車両発進時、すなわちトラスミッションギ
ヤ位置,クラッチペダルの踏み代,アクセルペダル開度
等を表す各種センサ出力に基づいてドライバによる発進
操作を検出すると、コントローラ40は切換弁50を開
くと共に、比例電磁弁13のソレノイド13bへの通電
を行い、これにより、比例電磁弁13を介してパイロッ
ト油圧が傾転シリンダ11のチャンバ11cに供給され
てポンプ/モータ10の斜板10bが図1に示す側と反
対の側に傾斜するモータ作動位置にセットされる。切換
弁50(ロジックバルブ51)が開かれると、アキュム
レータ40のガスチャンバ44内で窒素ガスが膨張し、
油室43内の作動油がピストン42によりアキュムレー
タ40から排出されて、ロジックバルブ51を含む管路
72と高圧ホース71とからなる管路32を介してポン
プ/モータ10に圧送され、該ポンプ/モータ10がモ
ータ作動してトルクを発生する。ポンプ/モータ10の
出力トルクは、クラッチ21及びギヤボックス22を介
して駆動輪1に伝達されて駆動輪1を駆動する。好まし
くは、車速が約10km/hまでは低アクセル開度でも
ポンプ/モータ10を積極的にモータ作動させ、これに
より車両が滑らかに発進しかつ排出ガス量が低減され
る。
【0021】車両の加速運転時、すなわち、ドライバが
アクセルペダルを踏み込むと、例えばエンジン3の中負
荷以上おいて、車両発進時と同様、コントローラ4の制
御下でポンプ/モータ10がモータ作動し始め、エンジ
ン3へのトルクアシストを行う。その結果、車両はエン
ジン3とポンプ/モータ10との双方の動力で加速する
ことになり、燃費が向上し、排ガス量が低減される。
【0022】上述の車両の発進及び加速運転中、すなわ
ち、ポンプ/モータ10のモータ作動中、コントローラ
4は、アキュムレータ40の軸心方向に沿うピストン4
2の移動位置を表すストロークスイッチ90からの検出
出力を周期的に読み取る。そして、検出出力を読み取る
毎に、コントローラ4は、該検出出力が、所定ピストン
位置に対応する所定レベルに到達したか否かを判別す
る。ポンプ/モータ10のモータ作動中は、アキュムレ
ータピストン42がガスチャンバ44内のガスの膨張に
よってプラグ45側に移動され、アキュムレータ油室4
3から加圧作動油が排出される。従って、油室43内の
作動油量が相当に減少すると、ピストン42がプラグ4
5に近接し、ピストン42のプラグ側端面がストローク
スイッチ90の測定子92に当接するに至る。そして、
ポンプ/モータ10のモータ作動が更に継続して、ピス
トン42が測定子92を後退移動させつつプラグ45に
更に近接し、マグネット93がストロークスイッチ90
(リードスイッチ94)の検出位置まで到達すると、ス
トロークスイッチ90から検出出力がコントローラ4に
送出される。
【0023】所定ピストン位置への到達の判別時、コン
トローラ4は、ポペット弁52のソレノイド52aへの
通電を停止してロジックバルブ51(一般には切換弁5
0)を閉弁させ、管路32を介するアキュムレータ40
からポンプ/モータ10への加圧作動油の供給を停止さ
せる。この結果、アキュムレータピストン42は所定ピ
ストン位置に保持され、ピストン42がプラグ45に衝
突する底突状態に至ることはない。これにより、ピスト
ン底突による衝撃音が発生することがない。
【0024】所定ピストン位置に到達することなく車両
の制動,発進又は加速運転が終了すると、コントローラ
4は、切換弁50を閉じると共に比例電磁弁13のソレ
ノイド13a,13bへの通電を停止して、ポンプ/モ
ータ10を非作動化する。なお、圧力センサ81による
アキュムレータ40における蓄積作動油圧力の減少の検
出時には、ポンプ/モータ10を非作動化する。
【0025】本発明は上記実施例に限定されず、種々の
変形が可能である。例えば、上記実施例では、本発明を
制動エネルギ回生車両に適用した場合について説明した
が、本発明は、各種エネルギ回生システムに適用可能で
ある。又、ストロークスイッチ以外の位置センサを使用
可能である。
【0026】
【発明の効果】上述のように、ポンプ/モータをポンプ
作動させてアキュムレータの油室に作動油を圧送してア
キュムレータのガス室のガスをアキュムレータのピスト
ンを介して圧縮して制動エネルギを蓄積可能とし、又、
蓄圧エネルギの利用時のガスの膨張によるアキュムレー
タからの作動油供給によりポンプ/モータをモータ作動
させるエネルギ回生システムにおいて、本発明のアキュ
ムレータピストン底突防止装置は、測定子がピストンの
油室側の端面に当接自在なようにアキュムレータに取付
けた位置検出スイッチと、位置検出スイッチからの検出
出力に基づいてピストンの所定ピストン位置への到達を
判別するための判別手段と、所定ピストン位置への到達
の判別に応じてアキュムレータからの作動油供給を阻止
するための手段とを備えるので、アキュムレータの油室
内の加圧作動油の殆ど全てをポンプ/モータのモータ作
動に供せるようにしつつ、エネルギ回生システムのアキ
ュムレータにおけるピストン底突状態を回避して衝撃音
の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制動エネルギ回生車両の要部を示す概略図であ
る。
【図2】図1の斜板式可変容量ピストンポンプ/モータ
を示す油圧回路図である。
【図3】図1の切換弁を周辺要素と共に詳細に示す油圧
回路図である。
【図4】本発明の一実施例によるアキュムレータピスト
ン底突防止装置の一部をなすストロークスイッチを周辺
要素と共に示す一部断面部分拡大図である。
【符号の説明】 1 駆動輪 4 コントローラ 10 斜板式可変容量ピストンポンプ/モータ 11 傾転シリンダ 13 比例電磁弁 21 クラッチ 30 作動油タンク 40 アキュムレータ 50 切換弁 51 ロジックバルブ 52 ポペット弁 71 高圧ホース 71a 高圧パイプ 90 ストロークスイッチ 92 測定子 93 マグネット 94 リードスイッチ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ/モータをポンプ作動させてアキ
    ュムレータの油室に作動油を圧送して前記アキュムレー
    タのガス室のガスを前記アキュムレータのピストンを介
    して圧縮して制動エネルギを蓄積可能とし、又、蓄圧エ
    ネルギの利用時の前記ガスの膨張による前記アキュムレ
    ータからの作動油供給により前記ポンプ/モータをモー
    タ作動させるエネルギ回生システムにおいて、測定子が
    前記ピストンの油室側の端面に当接自在なように前記ア
    キュムレータに取付けた位置センサと、前記位置センサ
    からの検出出力に基づいて前記ピストンの所定ピストン
    位置への到達を判別するための判別手段と、前記所定ピ
    ストン位置への到達の判別に応じて前記アキュムレータ
    からの作動油供給を阻止するための手段とを備えること
    を特徴とする、エネルギ回生システムのアキュムレータ
    ピストン底突防止装置。
  2. 【請求項2】 車両制動時に前記ポンプ/モータが車両
    の駆動輪で駆動されてポンプ作動する一方、前記ポンプ
    /モータのモータ作動により前記駆動輪を駆動するよう
    にした前記エネルギ回生システムとしての制動エネルギ
    回生車両に搭載される請求項1のエネルギ回生システム
    のアキュムレータピストン底突防止装置。
  3. 【請求項3】 前記ポンプ/モータと前記アキュムレー
    タとを接続する管路に介在する切換弁を更に含み、前記
    モータ作動阻止手段は、前記判別手段による前記所定ピ
    ストン位置への到達の判別に応じて前記切換弁を閉弁し
    て前記管路を介する作動油の流通を遮断し、もって、前
    記アキュムレータからの作動油供給を阻止する請求項1
    又は2のエネルギ回生システムのアキュムレータピスト
    ン底突防止装置。
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