JPH064793U - ドラムペダルのビータ振幅調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペダルプレートの高さ位置を変えることな
く、ビータの振れ幅の調節をすることができ、かつ微妙
な調節も容易に行なうことができるドラムペダルのビー
タ振幅調整機構を提供する。 【構成】 支柱１１に回動自在に枢支されたビータ回動
軸１２に締付部２５を形成し前記締付部にビータ取付部
材２０を回動調整自在に取付けもってビータＢのドラム
Ｄに対する振幅角度幅を調整する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はドラムペダルのビータ振幅調整機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

バスドラムのビータ機構においては、図５ないし図７に示されるように、ドラ ムペダル装置９０のベース９１の両側に支柱９２，９２を立設し、該支柱９２， ９２の上部にそれぞれ設けられた玉軸受け９３，９３を介してビータ回動軸９４ が回動自在に枢支される。

【０００３】 この回動軸９４の略中央部にはビータ取付部材１１０と該ビータ取付部材１１ ０と一体に回動するホイル部材１２０が取り付けられ、ビータ１１５は前記ビー タ取付部材１１０に止めネジ１１６によって固定されている。

【０００４】 ホイル部材１２０はスプロケットまたは部分スプロケットなどからなり、その 外周には一端を前記ホイル部材１２０に固定されたチェーン１２１が巻着される 。

【０００５】 そして、チェーン１２１の他端はフットペダル９５の先端に接続されていて、 図７の矢印Ａのように該フットペダル９５を踏み込むことによりチェーン１２１ が引き下げられ、ホイル部材１２０が回動しもってビータ取付部材１１０が回動 してビータ１１５がドラム面Ｄを打叩する。

【０００６】 一方、前記回動軸９４の端部にはカム部材１００が止めネジ１０１によって固 定されている。このカム部材１００は図５に示されるような略扇形状を有してい て、扇の要に相当する部分には前記回動軸９４が挿通される軸受孔１０２が形成 されるとともに、複数のローラ取付孔１０３，１０３，１０３が取り付けられて いる。

【０００７】 このローラ取付孔１０３の一つにローラ取付ボルト１０４が螺着され、図のよ うに、このローラ取付ボルト１０４に嵌着されたローラ１０５を介して吊りリン グ１０６が吊設される。

【０００８】 吊りリング１０６の先端にはスプリング１０７の上端が係着され、該スプリン グ１０７の下端は支柱９２の外側に設けられた下側ブラケット１０９に係着され る。このスプリング１０７の付勢力によってビータ１１５は自動的に元の位置に 戻る。符号１０８は前記スプリング１０７の張力を調整する調節ボルト、１３０ はドラムフープ押さえ用クランプである。

【０００９】 上述のような従来装置におけるビータ１１５の振幅は、前記カム部材１００に 形成された複数のローラ取付孔１０３の位置を選択して前記カム部材１００の傾 きを変えることによって、ビータ取付部材１１０の傾きを変え、もってビータ１ １５とドラム面Ｄとの距離を変化させて行なわれる。

【００１０】 しかしながら、かかる従来機構にあっては、ビータの振幅位置は前記ローラ取 付孔１０３の位置によって段階的に決定されるので演奏者の好みや演奏形態によ る微妙な調整が困難であった。 また、ビータ振幅位置の調整に際して、その都度ローラ取付ボルト１０４を外 してスプリング１０７を掛け替えなければならず調整に手間がかかっていた。

【００１１】 本考案者らは、このような状況に鑑み、実願平３−３８０９９号において、支 柱に回動自在に枢支されたビータ回動軸の端部にカム部材を固設し前記カム部材 にローラを介してスプリングを調節してなるドラムペダルにおいて、カム部材に ビータ回動軸を中心とする円弧状のローラ取付溝を設け該取付溝にローラを調節 可能に固定するようにしたことを特徴とするドラムペダルのビータ振幅調整機構 を提案した。

【００１２】 この考案によれば、カム部材を用いてスプリングに対するビータ回動軸の回動 位置を変えることによりビータの振幅幅を無段階に調節することができるので、 微妙な音質の表現が可能となる。

【００１３】 しかるに、上記のいずれの構造にあっても、ビータ取付部材およびホイル部材 がビータ回動軸に固定されているので、前記ビータ回動軸の回動位置を変えるこ とによってホイル部材が回動してペダルプレートの高さ位置も変わってしまい、 演奏者に不都合を与えるという問題が生じる。

【００１４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記した従来装置における問題点に鑑み提案されたものであって 、ペダルプレートの高さ位置を変えることなく、ビータの振れ幅の調節をするこ とができ、かつ微妙な調節も容易に行なうことができるドラムペダルのビータ振 幅調整機構を提供するものである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】

すなわち、この考案は、支柱に回動自在に枢支されたビータ回動軸に締付部を 形成し前記締付部にビータ取付部材を回動調整自在に取付けもってビータのドラ ムに対する振幅角度幅を調整するようにしたことを特徴とするドラムペダルのビ ータ振幅調整機構に係る。

【００１６】

【実施例】

以下添付の図面に従ってこの考案を詳細に説明する。 図１はこの考案のビータ振幅調整機構が設けられたドラムペダルの正面図、図 ２はその一部を断面とした側面図、図３はこの考案のビータ振幅調整機構の一例 を示す要部の分解斜視図、図４はこの考案機構の作動例を示す側面図である。

【００１７】 図１および図２に示されるように、この考案のドラムペダルのビータ振幅調整 機構は、ドラムペダル装置１０のビータ回動軸１２に締付部２５を介して取り付 けられたビータ取付部材２０よりなる。 図中の符号１３はベース、１４はペダルプレート、１５はホイル部材、１６は チェーン、１７はフープクランプ、Ｂはビータ、Ｓはスプリング、Ｄはドラムで ある。

【００１８】 ビータ回動軸１２は、前記ドラムペダル装置１０のベース１３両側に立設され た支柱１１，１１に図示しない玉軸受けなどを介して回動自在に枢支されていて 、その略中央部には前記ビータ回動軸１２よりやや大径の締付部２５が形成され ている。

【００１９】 締付部２５は、図３からよりよく理解されるように、固定用ボルト２７によっ て前記ビータ回動軸１２に固定されていて、当該ビータ回動軸１２の回動にとも なって回動する。なお、前記締付部２５はホイル部材１５と一体に形成されるこ とも可能である。

【００２０】 ビータ取付部材２０はビータ取付部２１とビータ回動軸取付部２２とからなり 、前記締付部２５に回動調節自在に取り付けられる。 ビータ取付部２１はビータ取付孔２３を有していて、ビータＢの軸が挿入され ボルト２６によって固定される。 ビータ回動軸取付部２２は一部が開口した略筒形状に形成されていて、締付部 ２５に回動調節可能に嵌装され、ビータ取付部材締付ボルト２８によって開口部 ２４を締め付けて前記締付部２５に固定される。符号２９はネジ孔である。

【００２１】 この取付部材２０は、図４に示されるように、ビータ回動軸１２に形成された 締付部２５上を当該回動軸１２の回動位置、すなわち、ホイル部材１５の位置を 変えることなく回動させることができるので、ペダルプレート１４の位置の高さ に保持したままでビータＢをドラムヘッドに対して目的の振幅距離に固定するこ とができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上図示し説明したように、この考案のドラムペダルのビータ振幅調整機構に よれば、ペダルプレートの高さを変えることなく、ビータの振幅のみを演奏者の 好みの角度に調節することができる。 また、その調整は取付部材を締付部上を回動させることによって行われるので 、微妙な調節を自由に行うことができ、この考案は大きな利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のビータ振幅調整機構が設けられたド
ラムペダルの正面図である。

【図２】その一部を断面とした側面図である。

【図３】この考案のビータ振幅調整機構の一例を示す要
部の分解斜視図である。

【図４】この考案機構の作動例を示す側面図である。

【図５】従来のドラムペダルのビータ振幅調整機構を示
す側面図である。

【図６】その一部を切欠断面とした正面図である。

【図７】その要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１０ ドラムペダル装置 １１ 支柱 １２ ビータ回動軸 ２０ ビータ取付部材 ２５ 締付部 Ｂ ビータ Ｄ ドラム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支柱に回動自在に枢支されたビータ回動
   軸に締付部を形成し前記締付部にビータ取付部材を回動
   調整自在に取付けもってビータのドラムに対する振幅角
   度幅を調整するようにしたことを特徴とするドラムペダ
   ルのビータ振幅調整機構。