JPH0647908A - 多色刷平版印刷機 - Google Patents

多色刷平版印刷機

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JPH0647908A
JPH0647908A JP4222019A JP22201992A JPH0647908A JP H0647908 A JPH0647908 A JP H0647908A JP 4222019 A JP4222019 A JP 4222019A JP 22201992 A JP22201992 A JP 22201992A JP H0647908 A JPH0647908 A JP H0647908A
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公一 上田
Yuzo Kawarasaki
雄三 河原崎
Noriyuki Shiba
則之 芝
Masayoshi Sato
昌良 佐藤
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SHIZUOKA SHINBUNSHA KK
Tokyo Kikai Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷見当のズレを自動的に調整し、連れ回り
回転をなくす。 【構成】 料紙の走行路に沿って配設された複数の印刷
部Pと、印刷部Pの版胴を軸方向に分割しその各々の版
胴部PCを別々に軸方向に移動可能及び/又は円周方向
に回動可能とした見当調整機構付分割版胴130と、印
刷部Pの下流側に配設され周面が走行する料紙と係合し
て料紙に牽引力を作用させつつ回転するよう駆動される
駆動ロ−ラ−300と、印刷部P間に配設され走行する
料紙に幅を縮める向きの力を付与する料紙調幅手段20
と、印刷部Pの下流側に印刷部で印刷された適宜の画線
を検出する検出器を配設し印刷部Pの見当を制御する見
当制御手段130とを有することを特徴とする多色平版
印刷機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、多色刷平版印刷
機、詳細にはW幅の料紙を順次連続して分割版胴付BB
型印刷部を通して印刷する湿し水を使用した多色刷平版
印刷機に関する。即ち、印刷時の湿し水の作用による料
紙の幅方向への広がり現象を考慮し、印刷部間に拡大し
た料紙を縮める料紙調幅手段を配設し、かつ最後の印刷
部の後には、料紙調幅手段の作用を補助する駆動ロ−ラ
−を設けるとともに、更に各印刷部で印刷された適宜の
画線、例えばレジスタ−マ−クを検出する見当制御手段
の検出部を配設し、検出されたデ−タは検出部とは別に
適宜な場所に配設された見当制御手段の本体に転送さ
れ、処理された後、見当制御手段からより良い見当合わ
せを行う為に各版胴部の見当調整機構に調整指令が発せ
られ、分割版胴が軸方向又は円周方向に動かされ、各色
の見当が合わされる多色平版印刷機に係る。
【0002】
【従来の技術】 多色刷用平版輪転印刷機は、たとえば
従来の多色刷用平版輪転印刷機の概略正面を表す図14
に示すような版胴PCとブランケット胴BCの組み合わ
せを2組、それぞれのブランケット胴BCを圧接可能に
上下に配設して印刷部Pを構成するものが知られてい
る。この多色刷用平版輪転印刷機では、印刷部Pを4個
横並べに設置し、ウェブ料紙Wを略水平に走行せしめ、
圧接させたブランケット胴BC、BC間を順次通過させ
てウェブ料紙Wの両面に印刷するものである。あるい
は、他の従来の多色刷用平版輪転印刷機を表す図15に
示すような版胴PCとブランケット胴BCの組み合わせ
を4組、それぞれのブランケット胴BCを共通圧胴IC
の周面に共通圧胴ICに対して圧接可能に配設してそれ
ぞれ印刷部Pとするものが知られている。この多色刷用
平版輪転印刷機では、ウェブ料紙Wを共通圧胴ICの周
面にめぐらせ、共通圧胴ICの回転に連れて共通圧胴I
Cとこれに圧接した各ブランケット胴BCとの間を順次
通過させて、ウェブ料紙Wの片面に印刷する。
【0003】更に近年において、例えば新聞印刷の多色
化が進められるようになって、多頁多色かつ大量印刷を
限られた設置スペース内で実施したいという要求が大き
くなり、更に他の従来の多色刷用平版輪転印刷機を表す
図16、図17に示すような版胴PCとブランケット胴
BCの組み合わせを2組、それぞれのブランケット胴B
Cを圧接可能に左右に配設して印刷部Pとし、この印刷
部Pを4個重ねて設置するものが公開されている。この
従来の多色刷用平版輪転印刷機では、ウェブ料紙Wを略
垂直に走行せしめ、圧接させたブランケット胴BC、B
C間を順次通過させてウェブ料紙Wの両面に印刷するも
のである(例えば、INCA−FIEJResearch Ass
ociation(アイエヌシーエーーエフアイイージェー リ
サーチアソシエーション)発行のIFRA Newspaper
Techniques English Edition(アイエフアールエー
ニューズペーパー テクニクス イングリイッシュ エ
ディション)1988.APRILの64頁乃至73頁
参照)。
【0004】他方、複数の印刷機が離隔して多段に積み
重ねられた形式の多色印刷機の構成、並びに、それらの
各印刷部から生ずる画線のズレを最小限にとどめうる印
刷見当調整手段に関しては、従来、特開平3ー1946
が公知であり、この公知例は、前記各印刷部の版胴ごと
に一様に、少なくとも、ブランケット胴に対する版胴の
左右方向の位置を調整する手段を付設する構成を開示す
る。
【0005】更に、BB型印刷機は、版胴を伴なったブ
ランケット胴を一対接離可能に対設した4胴からなり、
ウエブ料紙の表裏両面が同時に印刷される機能を有する
印刷機であって、従来周知である。
【0006】分割版胴は、版胴が軸方向に2分割されて
本体側版胴部と分割側版胴部にわかれ、かつ、それらの
双方が互いに少なくとも周方向の相対位相を変更可能に
連接されているものであって、従来周知である。
【0007】また刷版を装着した版胴の胴仕立径とブラ
ンケットを装着したブランケット胴の胴仕立径とを、僅
かではあるが異ならしめることは、例えば等径法やトル
ーローリング法等によって周知である。
【0008】そして連れ回り回転とは、版を装着した版
胴とブランケットを装着したブランケット胴とが、互い
に隣接して並設され,かつ、ピッチ円径と歯数等が同一
の歯車によって同一回転数で相反する向きに回転させら
れ、更に、駆動側の胴の胴仕立径を従動側の胴の胴仕立
径よりも大きくした場合に、従動側の胴周面に生じる下
記の現象、すなわち、駆動側の胴の周面から受ける接触
圧によって従動側の胴の周速が駆動側の胴の周速と同じ
になって回転しようとする傾向、つまり、従動側の胴
が、前述した歯車による動力伝達経路をもってはいるも
のの、歯車を経由する駆動が伝えられず、両胴間の歯車
による強制的補正のきかないバックラッシュの許容位相
範囲内において、従動側の歯車の回転位相が駆動側の歯
車の回転位相に追い付く先行遊動現象をいう。従動側の
胴が駆動側の胴に対して遊動するため、双方の胴の接触
位相が、双方の胴の周面の接触圧の瞬間的な変化によっ
て変わり易い。つまり、双方の胴の接触位相が前記バッ
クラッシュの許容範囲内において円周方向に自由に変わ
り、遊動回転して確定性が得られない。
【0009】鮮明な印刷は、版面からブランケット面に
転写される画線が常に同一位置に転写されることを必須
の条件とする。しかしながら、互いに接する胴の周面
に、前記連れ回り回転に起因する円周方向の遊動回転現
象が生ずると、転写位置が確定されず、ブランケット面
に新旧2つ以上の画線がずれた所謂ダブリ画線となって
印刷される。
【0010】通常型版胴を有するBB型印刷機におい
て、前記連れ回り回転の生起を防止した先行技術とし
て、特開昭61ー182951が公知である。
【0011】更に、固定子を設けた支持軸と、支持軸に
回転自在に支持され、固定子と相対する回転子を具備し
た外筒部材を有し、通電によって、回転子とともに外筒
部材が、支持軸を軸として回転するロ−ラ−の先行技術
として、特開平1−313247及び特開平2−135
59が公知である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】 ところで、ウェブ料
紙は、一般に、叩解処理したパルプ繊維を水中に分散し
た後脱水、乾燥し、繊維を水素結合によって相互に接着
したものである。そして、パルプ繊維が吸湿乃至吸水に
よって長さ方向に1パーセント弱程度、直径方向に20
乃至30パーセント程度寸法変化するので、ウェブ料紙
は吸湿乃至吸水によって幅方向及び長さ方向に拡大し、
特にウェブ料紙では、機械抄きによって多くの繊維がウ
ェブ料紙の長さ方向に配列しているので幅方向に大きく
拡大する。
【0013】そのため平版印刷、特に湿し水を使う平版
印刷では、ウェブ料紙は、印刷部を通過するときに画線
を印刷されるとともに水を付与されて拡大し、そこに印
刷された画線も拡大に連れて変形する。従って、湿し水
を使う2以上の平版印刷部によって同一ウェブ料紙に順
次連続して画線を印刷する多色刷用平版輪転印刷機で
は、最初の印刷部で印刷された画線と2番目以後の印刷
部で印刷された画線とが整合せず、品質の良好な印刷物
が得られない課題を有した。
【0014】この発明は、上記のような湿し水を使う2
以上の平版印刷部によって同一ウェブ料紙に順次連続し
て画線を印刷する場合でも、吸湿乃至吸水によって生起
するウェブ料紙の拡大に起因する印刷画線の不整合をな
くし、各印刷部によって印刷される画線が整合した、品
質の良好な印刷物を得ることを目的とするものである。
【0015】他方、特開平3ー1946に開示される従
来の公知技術は、湿気によるウエブ料紙の寸法の変化、
とりわけ、ウエブ料紙の幅方向の拡大に注目し、それに
よって生ずる印刷見当の左右方向のズレを最小限度に修
正し得るようにしたものであって、多種類のウエブ料紙
を使用する多色印刷機の場合には、その考えが有効であ
る。
【0016】他方において、例えば、新聞印刷において
は、紙面の内容が販売地域ごとに変わり、また、紙面の
構成が報道内容の変化に伴って変わるので、刷版の一部
交換が頻繁に実行される。そして、刷版の一部交換作業
は、印刷の稼働を一旦停止させて、それを実行し、その
後、印刷を再開させる。このような印刷稼働の増減速や
停止に伴って、ウエブ料紙の長手方向に張力が増減変化
して負荷され、それらの張力変化によってウエブ料紙に
微小な伸びが生じ、多色印刷の場合には、ウエブ料紙の
長手方向(走行方向)に印刷見当のズレとなってあらわ
れ、また、製版から刷版を版胴へ装着するまでの工程で
生じる、諸々の見当合わせ上の不具合、例えば刷版装着
位置の微小なズレが印刷見当のズレとなってあらわれ、
それらのズレの調整のために印刷見当不良の損紙が増大
した。
【0017】更に、他方、連れ回り回転に関しては、連
れ回り回転の生起を根絶し得ない駆動手段を備えた分割
版胴を有する従来のBB型印刷機の一例を示す概略平面
図である図18に図示されるように、本体側版胴部PC
a,PCa´と分割側版胴部PCb,PCb´とからな
る一対の分割版胴をそれぞれ伴った一対のブランケット
胴BC,BC´がドライブサイドフレーム203とオペ
レーシヨンサイドフレーム204の間に接離可能に対設
され、一対のブランケット胴BC,BC´の胴仕立径
が、一対の分割版胴PCa,PCb,PCa´,PCb
´の胴仕立径よりも僅かに大きく作成されている。
【0018】図18において、駆動手段は次の通りであ
る。まず、駆動源に連結する中間歯車205と本体側版
胴部PCaの軸端に取り付けた中継歯車206との係
合、そして、該中継歯車206とブランケット胴BCの
軸端に取り付けた中継歯車207との係合を介して、本
体側版胴部PCaとブランケット胴BCとが互いに接し
て相反する向きに回転駆動される。従って、この駆動の
流れでは、小径の本体側版胴部PCaが上流に位置し、
大径のブランケット胴BCが下流に位置するために、後
者に連れ回り回転が生じない。
【0019】次いで、前記ブランケット胴BCの軸端の
中継歯車207は、他方のブランケット胴BC´の軸端
に回転自在に支承された中間歯車208と係合し、更
に、その中間歯車208が、他方の本体側版胴部PCa
´の軸端に取り付けた中継歯車209と係合し、そし
て、その中継歯車209と他方のブランケット胴BC´
の軸端に取り付けた従動歯車210とが係合する。従っ
て、この駆動の流れでは、小径の本体側版胴部PCa´
が上流に位置し、大径のブランケット胴BC´が下流に
位置するために、後者に連れ回り回転が生じない。
【0020】さて、次に、分割側版胴部PCb,PCb
´の各軸端に取り付けた従動歯車212及び214は、
それぞれブランケット胴BC,BC´の軸の他端に取り
付けられた中継歯車211及び213と係合する。従っ
て、これらの駆動の流れは、大径のブランケット胴B
C,BC´が上流に位置し、小径の分割側版胴部PC
b,PCb´が下流に位置するために、後者に連れ回り
回転が生じて、画線のダブリ現象が生ずる。
【0021】この発明は、上記のような印刷見当のズレ
を自動的に調整するとともに、連れ回り回転をなくし、
各印刷部によって印刷される画線見当が整合した、品質
の良好な印刷物を得ることをも目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】 この発明は、
【0023】料紙の走行路に沿って配設された複数の印
刷部と、印刷部の版胴を軸方向に分割しその各々の版胴
部を別々に軸方向に移動可能及び/又は円周方向に回動
可能とした見当調整機構付分割版胴と、印刷部の下流側
に配設され周面が走行する料紙と係合して料紙に牽引力
を作用させつつ回転するよう駆動されるロ−ラ−と、印
刷部間に配設され走行する料紙に幅を縮める向きの力を
付与する料紙調幅手段と、印刷部の下流側に印刷部で印
刷された適宜の画線を検出する検出器を配設し印刷部の
見当を制御する見当制御手段とを有する構成によって、
【0024】前記課題を解決しようとするものである。
【0025】
【作用】 この発明では、湿し水を使う2以上の平版印
刷部によって同一料紙に順次連続して印刷する場合で
も、料紙の幅方向の拡大は、印刷部間に配設された料紙
調幅手段により料紙を波打たせて幅方向に短縮させ、料
紙の幅寸法を調整する事ができるので、印刷走行中に印
刷部で画線印刷と同時に付与される湿し水を吸水する事
によって生じる料紙の幅方向の拡大に起因する、先に印
刷された印刷画線とそれ以後の印刷画線の不整合をなく
す事ができる。
【0026】即ち、先行の印刷で付与された湿し水を吸
水する事によって次の印刷部に達する間に発生する料紙
の幅方向の拡大を、次の印刷部に向かって走行する料紙
に適宜の波打ちを発生させて次の印刷部のニップを通過
するときの料紙両側間(即ちウェブ料紙の幅方向)を縮小
させて相殺することにより、複数の印刷部でウェブ料紙
に印刷される画線が整合し、印刷画像が適正に調う。
【0027】料紙調幅手段によって料紙を波打たせると
きには、料紙が適度に張っている必要がある。
【0028】他方、印刷部の印刷胴、例えばブランケッ
ト胴には、ブランケットを装着するための溝が設けられ
ており、この溝部が料紙と対向すると、料紙との係合が
瞬間的に外れて料紙を牽引する力が減少乃至消滅する。
【0029】そのため、料紙調幅手段によって料紙に発
生する波打ちが著しく不安定になり、調幅作用が、特に
最後の印刷部のすぐ手前の料紙調幅手段において精確さ
を損なう。
【0030】そこで、印刷部の下流側に配設した駆動ロ
−ラ−によって料紙に常時牽引力を付与し、印刷胴によ
る牽引力が減少乃至消滅したときにこれを補償し、料紙
調幅手段によって発生させられる料紙の波打ちを安定さ
せる。
【0031】駆動ロ−ラ−を、回転子とともに外筒部材
が回転するモ−タ−の構成とするときは、例えば主駆動
部からの歯車伝動によって駆動されるドラッグロ−ラ−
でみられるような、ロ−ラ−周面が料紙面に対してすべ
りながら回転して牽引力を付与することがなく、回転子
に作用する回転力と料紙の張力との均衡により、外筒部
材が料紙の走行に整合して回転しつつ、料紙に牽引力を
付与することができる。
【0032】更に、印刷部の後に配設した検出器によ
り、個々の印刷部で印刷された適宜な画線、例えばレジ
スターマークを検出し、見当の合っていない量を見当制
御手段によって決定し、その調整指示を印刷部分割版胴
の個々の版胴部の見当調整機構に与える事で、分割版胴
の個々の版胴部を軸方向又は/及び円周方向に移動させ
る事ができるので、製版から刷版の版胴への装着までの
工程で生じた諸々の見当合わせ不具合を克服して、印刷
画線の見当が整合する。
【0033】
【実施例】 次にこの発明の実施例について、図面に従
って説明する。
【0034】図1はこの発明の実施例である平版輪転印
刷機の概略構成を示す。
【0035】この発明の実施例では、図1に図示される
ように又、従来の技術において説明し且つ図17に示し
た多色刷用平版輪転印刷機と同様に、版胴PCとブラン
ケット胴BCの組み合わせを2組、それぞれのブランケ
ット胴BCを圧接可能に左右に配設して印刷部P1、P
2、P3、P4とし、これら印刷部P1、P2、P3、
P4を重ねて設置するとともに、それぞれの版胴PCを
軸方向に分割しその各々の版胴部を別々に軸方向に移動
可能及び/又は円周方向に回動可能とした見当調整機構
付分割版胴とする。更に、図1はウェブ料紙Wの走行方
向において重ねられた印刷部P4の下流側に、後に説明
する駆動ロ−ラ−300を設け、印刷部P1、P2、P
3、P4の中間の適宜の位置に、後に説明する料紙調幅
手段20を設け、かつ、印刷部P4の下流側で駆動ロ−
ラ−300の更に下流側に、印刷部P1、P2、P3、
P4で印刷された適宜の画線、例えばレジスターマーク
を検出する検出器401を配設し印刷部P1、P2、P
3、P4の見当を制御する見当制御手段402を設けた
平版輪転印刷機を示す。
【0036】図1においてINはインキ供給部、DPは
湿し水供給部を示す。次に、図2に従い料紙調幅手段2
0について説明する。
【0037】1a、1b,1c、1d、1e、1fはウ
ェブ料紙Wを一方の面から押圧する押圧面である。押圧
面1a、1b,1c、1d、1e、1fは、軸3aにそ
れぞれ回転自在に、かつ相互離隔して取り付けられたコ
ロ2a、2b、2c、2d、2e、2fの周面からな
る。1g、1h、1i、1j、1kはウェブ料紙Wを他
方の面から押圧する押圧面である。押圧面1g、1h、
1i、1j、1kは、軸3bにそれぞれ回転自在に、か
つコロ2a乃至2fの各中間に位置するように相互に離
隔して取り付けられたコロ2g、2h、2i、2j、2
kの周面からなる。
【0038】軸3a及び3bは、それぞれ両端を偏心ス
リーブ4a、4b、4c、4dの偏心位置に保持されて
おり、偏心スリーブ4a乃至4dは、図示しないフレー
ムの穴に周面4aa、4bb、4cc、4ddが回転自
在に嵌合している。
【0039】各偏心スリーブ4a乃至4dの端部には、
それぞれ偏心スリーブ4a乃至4dと一体で回動する歯
車5a、5b、5c、5dが歯車5aと5cとを噛み合
わせた状態に、また歯車5bと5dとを噛み合わせ状態
に取り付けられる。
【0040】更に偏心スリーブ4aには、これと一体で
回動するウォームホイール6が取り付けられ、駆動手段
8の軸に取り付けたウォーム7と噛み合わせられる。
【0041】9は自動制御手段である。自動制御手段9
は、テンキー等の入力手段10及びウェブ料紙Wの走行
速度に関連する情報(例えば印刷機を駆動するメインモ
ーター12の回転速度)を得るための検出手段11と連
係させるとともに、駆動手段8及び偏心スリーブ4a
(4b、4c、4d)の回転位相を検出する検出手段13
と連係させて設ける。図2中、Xは、自動制御手段9が
図示しない他の料紙調幅手段の駆動手段と接続されるこ
とを示す。Yは、自動制御手段9が図示しない他の料紙
調幅手段の偏心スリーブの回転位相を検出する検出手段
と接続されることを示す。
【0042】自動制御手段9と各手段との連係は無線手
段(図示せず)によって行ってもよい。
【0043】図2において、P、P′は平版輪転印刷機
における印刷部、BCはブランケット胴を示す。
【0044】図3は、料紙調幅手段20の押圧面のウェ
ブ料紙Wの面に対して位置決めするための他の偏心部材
14を示す他の実施例の断面図である。
【0045】図2に図示される料紙調幅手段20では、
軸3a、3bを偏心スリーブ4a、4b、4c、4dで
支持し、偏心スリーブ4a、4b、4c、4dを回動し
て軸3a、3bを変位させ、軸3a、3bに取付けられ
たコロ2a乃至2kを一斉に変位させるようにしたもの
であるのに対し、図3に図示される実施例の偏心部材1
4は、図2におけるコロ2a乃至2kを、個別に軸3
a、3bに偏心状態で支持し、コロ2a乃至2kの押圧
面をウェブ料紙Wの面に対して個別に位置決めすること
ができるようにするものである。
【0046】図4は、料紙調幅手段20の他の実施例を
示し、押圧面1a乃至1kが凸曲面である凹凸ローラー
15、16をウェブ料紙Wを挟んで対向させて設けたも
ので、各ローラーの軸15a、15b、16a、16b
の両端がベアリング(図示せず)を介して偏心スリーブ
(図示せず)に回転自在に支持される。
【0047】尚、偏心スリーブ及びその作動方法等は、
軸をベアリングを介して支持する点を除いて、図2に図
示する実施例と同様である。
【0048】図5は、料紙調幅手段20の更に他の実施
例を示し、流体放出口21a乃至21kを有する流体放
出手段22、23を、ウェブ料紙Wを挟んで対向させて
設けたもので、各流体放出手段22、23は、レギュレ
−タ−24及びバルブ25を介して流体源26に連係さ
れており、流体の放出圧力及び/又は流体の放出流量を
調整できる。また各流体放出手段22、23は、ねじ付
ガイド27、27に支持されるとともに、ねじ駆動手段
28、28によるねじ付ガイド27、27の回動によっ
て、ねじ付ガイド27、27にそって移動できる機構で
ある。流体としては、例えば圧縮空気を使用する。
【0049】次に図示された料紙調幅手段20の作用に
ついて説明する。
【0050】図2乃至図4に示す実施例の構成におい
て、ウェブ料紙Wを図1の印刷部P1、P2、P3、P
4を順次連続して通過するよう、かつ途中の料紙調幅手
段20の押圧面1a乃至1fと押圧面1g乃至1kとの
間を通過するように紙通しする。
【0051】続いて又は前もって、自動制御手段9に、
入力手段10を介して印刷に使用するウェブ料紙Wの銘
柄情報を入力する。自動制御手段9は、入力された銘柄
情報に基づいて、駆動手段8に作動信号を出力してこれ
を作動させ、検出手段13による偏心スリーブ4a(4
b、4c、4d)の回動位相信号を参照しつつ、押圧面
1a乃至1kがウェブ料紙Wの銘柄毎にあらかじめ設定
した初期位置にくるように、偏心スリーブ4a乃至4d
を回動する。
【0052】次に、輪転印刷機を始動してウェブ料紙W
を走行させるとともに、各印刷部P1、P2、P3、P
4を印刷作動させる。
【0053】輪転印刷機が始動すると、検出手段11が
メインモーター12の回転速度(即ちウェブ料紙Wの走
行速度に関する情報)を検出し、その情報を自動制御手
段9に入力する。自動制御手段9は、メインモーター1
2の回転速度、即ちウェブ料紙Wの走行速度に応じて、
初期位置にある押圧面1a乃至1kの位置を適宜の位置
に変更調整する。
【0054】図5に示す構成においては、まずウェブ料
紙Wを図1の印刷部P1、P2、P3、P4を順次連続
して通過するよう、かつ途中の料紙調幅手段20の流体
放出口21a乃至21fと流体放出口21g乃至21k
との間を通過するように紙通しし、続いて輪転機の作動
にあわせて、レギュレ−タ−24及び/又はバルブ25
を調整して流体放出口21a乃至21kから放出される
流体の放出圧力及び/又は放出流量を調整する。
【0055】並びに/あるいは、ねじ駆動手段28、2
8を作動させてねじ付ガイド27、27を回転させ、ウ
ェブ料紙Wに対する流体放出口21a乃至21kの距離
を適宜に調整する。
【0056】これらの調整は、レギュレ−タ−24、バ
ルブ25を自動調整手段を付設したタイプ(図示せず)
とし、更に、そのレギュレ−タ−、バルブ及びねじ駆動
手段28、28に、前記図1に示す自動制御手段と同様
の作用をする自動制御手段(図示せず)を連係して、自
動調整するようにしてもよい。
【0057】輪転印刷機の作動によって走行するウェブ
料紙Wは、まず先行の印刷部P(P1、P2、P3)に至
り、先行の画線を印刷されるとともに、版面の非画線部
から、ブランケット胴BCのブランケット面を介して湿
し水を付与される。湿し水を付与されたウェブ料紙W
は、経時とともに繊維が給水して幅方向に拡大しつつ、
先行の印刷部P(P1、P2、P3)から次の印刷部P′
(P2、P3、P4)に向かって走行させられる。ウェ
ブ料紙Wは途中で料紙調幅手段20を通過させられ、こ
のとき、押圧面1a乃至1kによって、又は流体放出口
21a乃至21kから放出される流体によって押圧さ
れ、波打ちWAを形成させられ、料紙両側間の距離が実
際のウェブ料紙Wの幅寸法よりl1、l2だけ短縮させ
られてlとなる。
【0058】料紙両側間の距離が短縮されたウェブ料紙
Wは、料紙調幅手段20を通過して次の印刷部P′(P
2、P3、P4)に至る間に、波打ちが徐々に解消して
短縮された料紙両側間の距離が実際のウェブ料紙Wの幅
寸法に近付く。しかし、料紙両側間の距離が実際のウェ
ブ料紙Wの幅寸法と等しくなりきる前に、次の印刷部
P′(P2、P3、P4)に至り、料紙両側間の距離が、
先行の印刷部P(P1、P2、P3)で付与された湿し水
を吸水して幅方向に拡大した分を相殺するだけ実際のウ
ェブ料紙Wの幅寸法より短縮された状態で、かつその両
面に目視できるしわ等の瑕疵の発生のない状態で印圧を
加えられ、次の画線を先行の画線と整合した状態で印刷
される。同時に先行の印刷部P(P1、P2、P3)と同
様に、版面の非画線部からブランケット胴BCのブラン
ケット面を介して湿し水を付与される。
【0059】次の印刷部P′(P2、P3、P4)で再び
湿し水を付与されたウェブ料紙Wは、先行の印刷部P
(P1、P2、P3)を通過した後次の印刷部P′(P
2、P3、P4)で次の画線を印刷されるまでと同様の
作用乃至挙動を示す。
【0060】前記したようにウェブ料紙Wの走行速度に
応じて押圧面1a乃至1kの位置や流体放出口21a乃
至21kの位置を変更調整する、又はレギュレ−タ−2
4やバルブ25によって流体放出口21a乃至21kか
ら放出される流体の放出圧力や放出流量を変更調整する
のは、ウェブ料紙Wの吸水による幅方向の拡大量が経時
とともに大きくなるのに対応させて、ウェブ料紙Wの走
行速度が遅いときに、料紙調幅手段20による調幅量を
大きくするためである。
【0061】以上の通り、料紙調幅手段20によるウェ
ブ料紙Wの先行の印刷部P(P1、P2、P3)乃至次の
印刷部P′(P2、P3、P4)間の調幅量を適正に定め
ることによって、次の印刷部P′(P2、P3、P4)で
印刷されるときのウェブ料紙Wの幅寸法を、先行の印刷
部P(P1、P2、P3)で印刷されたときのウェブ料紙
Wの幅寸法と同じにすることができ、印刷部P1を通過
した後、その都度料紙調幅手段20を経て順次印刷部P
2乃至印刷部P4を走行通過するウェブ料紙Wに、印刷
部P2乃至印刷部P4によって、二番目乃至四番目の画
線が、先に印刷された画線と整合した状態に印刷するこ
とが可能となる。
【0062】出願人によるテストでは、図1に示すよう
にP1とP2間、P2とP3間、P3とP4間のそれぞ
れにウェブ料紙調整装置20を設け、新聞巻取紙A巻
(1626mm幅)を使用して印刷した結果、料紙調幅手
段20を設けずに印刷したときに、ウェブ料紙Wが吸水
して生じた幅方向の拡大によって生じた、印刷部P1乃
至印刷部P4の画線のずれをなくすことができた。ちな
みに、巻取紙の銘柄によって幅方向の拡大量が相違する
が、料紙調幅手段20を使用した印刷では、料紙調幅手
段20を使用しない印刷では発生していた印刷部P1と
印刷部P4との印刷画線のずれ約2mm(新聞巻取紙A巻
使用)を解消することができた。
【0063】図2乃至図4に示す実施例で自動制御手段
9を設けない構成においては、自動制御手段9による調
整をマニュアル操作によって行うことは勿論である。
【0064】料紙調幅手段は、以上記載の実施例のみに
限定されるものではなく、例えばウェブ料紙調幅装置2
0における押圧面1a乃至1kや流体放出手段22、23
は別の形態によって構成して良く、その設置数も適宜に
定めて良い。また、入力手段10によって自動制御手段
9に与える情報として、印刷部P(P1、P2、P3)に
おいてウェブ料紙Wに付与される湿し水に関係する情
報、即ちその印刷部P(P1、P2、P3)における刷版
の画線比率(又は非画線比率)を入力するように構成し、
この情報に基づいて押圧面1a乃至1kの位置調整や流体
放出手段22、23における諸調整を行い得る構成とし
ても良い。
【0065】次にこの発明の実施例に使用される駆動ロ
−ラ−300について、実施例を示す図6にしたがって
説明する。
【0066】図6の実施例において、図示しないフレ−
ムに適宜に固定可能である支持軸301は、その両側に
設けたベアリング307、307を介して外筒部材30
2を支持する。支持軸301は、更にベアリング307
より内側に固定子巻線304を具備した固定子303を
固定し、固定子巻線304を、支持軸301の端部から
軸芯に従って設けた深穴308に通設した通電手段30
6と接続する。
【0067】外筒部材302の内壁には、回転子導体
(図示せず)を付設した回転子305を、支持軸301
に固定した固定子303と僅かな隙間を介して相対する
よう固定する。
【0068】他方、通電手段306は、図示しない速度
制御手段を介して通電されるよう電源に連係され、速度
制御手段には、制御作動を促す制御信号を出力する信号
出力手段(図示せず)及び外筒部材302の回転周速、
即ち駆動ロ−ラ−の回転周速をフィ−ドバックする速度
検出手段が連係される。
【0069】以上の構成によれば、固定子巻線304
に、速度制御手段によって適宜な周波数に制御された交
流電流を、通電手段306を介して通電し、回転磁界を
作る。この磁界により回転子導体に、この導体と固定子
巻線304とで作られる磁束と直角方向に力が作用し、
回転子305が回転磁界と同じ向きに回転し、回転子3
05が固定された外筒部材302が、支持軸301を中
心にして回転する。
【0070】この回転中、速度検出手段は、駆動ロ−ラ
−の回転周速を検出して速度制御手段に伝送する。速度
制御手段では、この検出値から、駆動ロ−ラ−が制御さ
れるべき所定の回転周速で回転しているかをチェック
し、異なる場合は所定の回転周速となるよう調整制御す
る。
【0071】速度制御手段に制御を促す制御信号を出力
する信号出力手段を、ウェブ料紙の張力検出手段(図示
せず)と連係させて信号出力する構成とすることによっ
て、駆動ロ−ラ−の回転を、料紙の張力との関係で調整
制御し、料紙に牽引力を付与しつつ、料紙の走行に整合
させ得る。
【0072】従って、図1に示す、駆動ロ−ラ−300
の上流側に位置する印刷部P4において、2つのブラン
ケット胴BC、BCの溝部がウェブ料紙Wと対向するこ
とによってブランケット胴BC、BCとウェブ料紙Wと
の係合が外れ、ブランケット胴BC、BCによるウェブ
料紙Wに対する牽引力が減少乃至消滅しても、これを駆
動ロ−ラ−300によるウェブ料紙Wに対する牽引力で
補償することができる。
【0073】また、前記構成の駆動ロ−ラ−300によ
れば、駆動ロ−ラ−300がウェブ料紙Wに対してすべ
りながら回転するのを避け得るので、印刷面を駆動ロ−
ラ−300の周面で擦ることによる印刷面品質の低下を
避け得る。
【0074】駆動ロ−ラ−300は、以上の実施例に限
定されるものではなく、例えば駆動手段は別の構成でよ
く、設計上の改変を含み得るものである。
【0075】次にこの実施例に使用される見当調整付分
割版胴につき説明する。
【0076】図7は、印刷部P1、P2、P3、P4の
分割版胴の本体側版胴PCa、ブランケット胴BCに関
するドライブサイドの並列図を示し、図8は、印刷部P
1,P2,P3,P4の分割版胴の分割側版胴PCb、
ブランケット胴BCに関するオペレーシヨンサイドの並
列図、図9は、図7の詳細図であって、見当調整手段1
30の詳細図を示す。
【0077】図7で示すドライブサイドにおいて、図示
を省略した原動部に連結する駆動軸108の回転は、そ
の軸に取り付けられたベベルギア109を介して、その
ギヤと係合するベベルギヤ110の軸111に取り付け
られたはすばギヤ112、更にそのはすばギヤ112と
係合する中継はすばギヤ113に伝達され、そして更
に、その中継はすばギヤ113の回転は、版胴PCaと
同芯であり、かつ、版胴PCaに対して回転自在に取り
付けられた第2の中継はすばギヤ114を介して、ブラ
ンケット胴BCの軸に取り付けられたはすばギヤ115
に伝達され、その軸を経由してブランケット胴BCを回
転させる。
【0078】次に、はすばギヤ115の回転は、他方の
ブランケット胴BC´の軸に取り付けられたはすばギヤ
115´に伝達され、その軸を経由して他方のブランケ
ット胴BC´を回転させる。
【0079】また、前記ブランケット胴BCのはすばギ
ヤ115の回転は、軸PCeに取付けられた版胴PCa
駆動用のはすばギヤ116に伝達され、版胴PCaを回
転させる。
【0080】更に、他方のブランケット胴BC´の軸に
取り付けられたはすばギヤ115´の回転が、そのギヤ
と係合し、かつ、軸PCe´に取り付けられた他方の版
胴PCa´駆動用のはすばギヤ116´に伝えられて、
軸PCe´を介して、他方の版胴PCa´を回転させ
る。
【0081】版胴PC、PC´の周面がそれぞれ軸方向
に2分割され本体側版胴PCa,PCa´と分割側版胴
PCb、PCb´とからなる分割版胴を使用するため、
図8で示すオペレーシヨンサイドにおいて、ブランケッ
ト胴BC及び他方のブランケット胴BC´の軸にそれぞ
れ取り付けられたはすばギヤ120、120´の回転
が、分割側版胴PCb,PCb´駆動用のはすばギヤ1
21、121´をそれぞれ経由して、軸PCd,PCd
´にそれぞれ伝達され、分割側版胴PCb、PCb´を
それぞれ回転させる。
【0082】125は、ドライブサイドフレーム、12
6は、オペレーシヨンサイドフレームである。
【0083】次に、図7及び図8、そして図9の拡大図
で示すように、見当調整手段130について以下に説明
する。
【0084】見当調整手段130は、版胴の長手方向に
沿った左右微動調整手段101と、版胴の周方向に沿っ
た版胴円周微動調整手段102とを含む。
【0085】版胴左右微動調整手段101は、本体側版
胴PCa,PCa´もしくは分割側版胴PCb,PCb
´ごとに取り付けられ、それらの胴を個別的に軸線と平
行する方向に微変位させることによって、ブランケット
胴BC,BC´の各胴周面に対する接触位置が個別的に
幅方向に微小移動するのを利用して、印刷画線のズレを
調整するものであって、その構成の一例を次に示す。
【0086】左右微動調整作用駆動部131は、前記フ
レーム125または126から外方へ突設されたブラケ
ット133に支承され、その出力軸132に固着された
ピニオン134を回動操作し得る。ピニオン134は、
軸受ホルダー135と一体の大径ギヤ136と係合し
て、その回動を大径ギヤ136に伝える。軸受ホルダー
135の外周面には雄ねじ137が刻設され、その雄ね
じ部137が、ブラケット133と一体の雌ねじ部13
8と螺合する。従って、軸受ホルダー135は雌ねじ部
138に案内されて回転変位すると同時に、軸方向に直
線変位させられる。ところで、本体側版胴PCa(PC
a´もしくは分割側版胴PCb,PCb´も同じ、以下
省略)の軸PCe(PCe´もしくはPCd,PCd´
も同じ、以下省略)と一体の補助軸139は軸受140
を介して前記軸受ホルダー135に回転自在に保持され
ている一方、軸受140の両端面は、軸受ホルダー13
5に突設されたあご部135aと、大径ギヤ136の脚
部136aとによって規制されている一方、補助軸13
9の大径部139aと、軸端キャップ141の環端部1
41aによっても規制されているので、前記軸受ホルダ
ー135の軸方向に平行な直線変位が、軸受140、補
助軸139、軸PCeを介して、本体側版胴PCaに伝
達され、かくして、軸方向に平行な直線微変位が本体側
版胴PCaに付与される。
【0087】版胴円周微動調整手段102は、本体側版
胴PCa,PCa´もしくは分割側版胴PCb,PCb
´ごとに取り付けられ、それらの胴を個別的に円周方向
に沿って微変位させることによって、ブランケット胴B
C,BC´の各胴周面に対する接触位置が個別的に円周
方向微小移動するのを利用して、印刷画線のズレを調整
するものであって、その構成の一例を次に示す。
【0088】円周方向微動調整操作用駆動部142は、
前記フレーム125または126から外方へ突設された
ブラケット133に支承され、その出力軸143に固着
されたピニオン144を回動操作し得る。ピニオン14
4は、軸受ホルダー145と一体の大径ギヤ146と係
合して、その回動を大径ギヤ146に伝える。軸受ホル
ダー145の外周面には雄ねじ部147が刻設され、そ
の雄ねじ部147が、ブラケット133と一対の雌ねじ
部148に案内されて回転変位すると同時に、軸方向に
直線変位させられる。ところで、軸受ホルダー145
は、左右方向から規制された軸受149を介して内歯ギ
ヤ117を回転自在に保持する。そして、内歯ギヤ11
7は、軸PCeとキー119を介して一体の外歯ギヤ1
18と軸方向の摺動変位可能に係合する一方、本体側版
胴PCa駆動用のはすばギヤ116が取り付けられてお
り、そのはすばギヤ116はブランケット胴駆動用のは
すばギヤ115と係合する。従って、内歯ギヤ117の
軸方向に沿った微小直線変位がはすばギヤ115の歯す
じのねじれによって円周方向の微小変位に変換され、か
くして、本体側版胴PCaの周面が円周方向に沿って微
小回転させられる。
【0089】次に分割版胴につき説明する。
【0090】図10は、分割版胴を有するBB型印刷機
を駆動手段のみとの関係で示す要部の並列平面部であっ
て、ドライブサイドフレーム203とオペレーシヨンサ
イドフレーム204との間に、本体側版胴部PCa,P
Ca´と分割側版胴部PCb,PCb´とからなる一対
の分割版胴をそれぞれ伴なった一対のブランケット胴B
C、BC´が接離可能に配設されて、BB型印刷機を形
成する。尚、前記分割版胴には、図示を省略したインキ
供給部またはインキ供給部と湿し水供給部とが備えられ
ている。
【0091】図10で示す実施例は、一対のブランケッ
ト胴BC、BC´の胴仕立径が、一対の分割版胴PC
a,PCb,PCa´、PCb´の胴仕立よりも僅かに
小さく作成されている。
【0092】かかる条件下における駆動手段を図10に
よって次に示す。即ち、まず、一対のブランケット胴B
C、BC´の両軸端にそれぞれ取り付けた各中継歯車2
15、216、217、218と、それに対応する一対
の分割版胴の本体側胴部PCa,PCa´における軸端
にそれぞれ設けた各従動歯車219、220及び一対の
分割版胴の分割側版胴部PCb,PCb´における軸端
にそれぞれ設けた各従動歯車221、222とがそれぞ
れ互いに係合し、そして、前記ブランケット胴BC、B
C´の軸方向の一側の一対の中継歯車215、216、
が互いに係合する。更に、図示しない駆動源と連結する
中間歯車223と前記一側の中継歯車215、216の
いずれか1つ例えば215とが係合し、かつ、前記中間
歯車223と係合する中継歯車215が更に係合する前
記従動歯車219の軸に対して前記中間歯車223が回
転自在に支承される。
【0093】上記の駆動手段によれば、大径の分割版胴
の本体側版胴部PCa,PCa´と分割側版胴部PC
b,PCb´とは常に従動側に位置し、小径のブランケ
ット胴BC、BC´の両端側に取り付けた中継歯車21
5、216、217、218、によって従動歯車21
9、220、221、222を介して従動回転させられ
るから、連れ回り回転が生じることがない。
【0094】図11乃至図13は、いずれも分割版胴を
有するBB型印刷機を駆動手段のみとの関係で示す概略
横断並列平面図であって、一対のブランケット胴BC、
BC´の胴仕立径が一対の分割版胴PCa,PCb,P
Ca´,PCb´の胴仕立径よりも僅かに大きく作成さ
れている。
【0095】かかる条件下における駆動手段を図11乃
至図13によって次に示す。図11及び図12の実施例
では、一対の分割版胴部PCa,PCa´における両軸
端にそれぞれ取り付けた各中継歯車224、225、2
26、227と、それらに対応する一対のブランケット
胴BC、BC´のブランケット一側の軸端にそれぞれ取
り付けた各従動歯車228、229、及び前記一対の分
割版胴の分割側版胴部の各軸端にそれぞれ取り付けた各
従動内歯歯車230、231とがそれぞれ互いに係合
し、そして、中間歯車232は、一対のブランケット胴
BC、BC´のいずれか一方の前記従動歯車例えば22
9の取り付け軸に回転自在に支承され、かつ、ブランケ
ット胴BCの従動歯車228と係合し、また、前記一対
の分割版胴の他方の本体側版胴部PCa´の軸端に取り
付けた前記中継歯車226とも係合する。そして、前記
一対の分割版胴の本体側版胴部PCaの一方の軸端に取
り付けた前記中継歯車224が、図示しない駆動源と連
結する。
【0096】なお、図12に示す実施例を、図11に示
す実施例と対比して、その相違を説明すれば、図12で
は、図11における従動内歯歯車230、231が、従
動外歯歯車230、231となる一方、図11の中継歯
車225、227が、図12では中継内歯歯車225、
227となっている。その外、図12では、分割側版胴
部PCb,PCb´とその軸とが分離し、双方がピン2
33、233で連結されている。
【0097】上記の駆動手段によれば、大径のブランケ
ット胴BC、BC´は、常に従動側に位置し、小径の分
割版胴が常に駆動側に位置し、また小径の分割側版胴部
PCb,PCb´は同じ小径の本体側版胴部PCa、P
Ca´から、動力を得ているから、連れ回り回転が生じ
ることがない。
【0098】図13で示す実施例の特色は、図において
左側のドライブサイドの歯車係合駆動経路と、図におい
て右側のオペレーシヨンサイドの歯車係合駆動経路とを
別系統に区分けし、駆動源からの動力が各別に供給され
るようにした点にある。
【0099】図13の実施例では、ドライブサイドの駆
動経路は、一対の分割版胴の本体側版胴部の軸端にそれ
ぞれ取り付けた各中継歯車234、235と、それらに
対応する一対のブランケット胴の一側の軸端にそれぞれ
取り付けた各従動歯車236、237とが係合し、次
に、中間歯車238は、前記従動歯車236、237の
いずれか一方例えば237の軸に回転自在に支承され、
そして更に、他方の従動歯車236と係合する一方、前
記本体側版胴部PCa´の軸端に取り付けた前記中継歯
車235とも係合し、そして、前記本体側版胴部PCa
の軸端に取り付けた前記中継歯車234が図示しない駆
動源と連結している。従って、この駆動経路によれば、
常に小径の本体側版胴部PCa,PCa´から大径のブ
ランケット胴BC、BC´に向けて動力が供給されるか
ら、連れ回り回転は生じない。
【0100】他方、オペレーシヨンサイドの駆動経路
は、一方の分割側版胴部PCbの端部に取り付けた中継
歯車239が、図示しない駆動源と連結すると共に、ブ
ランケット胴BCの他側の軸端に回転自在に取り付けた
中間歯車240と係合し、更に、その中間歯車240が
他方のブランケットBC´の他側の軸端に回転自在に取
り付けた中間歯車241と係合し、そして、その中間歯
車241が他方の分割側版胴部PCb´の軸端に取り付
けた従動歯車242と係合する。従って、このオペレー
シヨンサイドの駆動経路は、小径の分割側版胴部PCb
´が、同じく小径の分割側版胴部PCbから動力を供給
され、大径のブランケット胴からの動力は供給されない
ので、連れ回り回転を生じるおそれがない。
【0101】従ってこの分割版胴では、分割版胴を有す
るBB型印刷機の駆動手段における各胴への動力分配に
おいて、必ず小径側の胴を原動側とし、大径側の胴を従
動側とし、または小径側双方の係わりにおいては、大径
側の胴からの動力供給をせず、小径側からの動力供給に
徹するように駆動系を配設したので、従来の連れ回り回
転生起による画線のダブリ現象を根絶して、常に鮮明な
印刷が保証されるようになった。
【0102】次に、検出器401を具備する見当制御手
段402について説明する。
【0103】図1において401は検出器である。検出
器401は、ウエブ料紙Wにつけられたレジスターマー
クの位置を検知する。402は、見当制御手段であり、
印刷稼働中に検出器401から伝送されたレジスターマ
ーク情報を受領すると、ウエブ料紙の印刷見当ズレの変
化を演算する。見当制御手段402は、各見当調整付き
分割版胴PCの各見当調整機構の駆動モーターに接続さ
れ、モーターの駆動を制御し、適宜の印刷部における版
胴から生ずる色の画線を基準にし、版胴の周面に装着さ
れた刷版のブランケット胴周面に対する接触位相を、円
周方向および軸方向に変位させ、刷版で印刷される画線
を基準の画線に対してずらすことで印刷見当ズレを修正
する。403は操作部であり、オペレーターの操作によ
り、作動の要否、作動量を決定することが可能である。
【0104】
【効果】 この発明の実施によって、湿し水を使う2以
上の平版印刷部によって同一ウェブ料紙に順次連続して
印刷する場合でも、料紙調幅手段により料紙を波打たせ
幅方向に短縮させ、料紙の幅寸法を調整する事が出来る
ので、印刷走行中に印刷部で画線印刷と同時に付与され
る湿し水を吸水する事によって生起する料紙の拡大に起
因する、先に印刷された印刷画線とそれ以後の印刷画線
との不整合をなくす事が出来る。
【0105】また、印刷部の印刷胴の溝が料紙と対向し
て相互の係合が瞬間的に外れ、料紙に対する印刷胴の牽
引力が減少乃至消滅しても、印刷部の下流に設けた駆動
ロ−ラ−が、印刷胴にかわつて料紙に対する牽引力を補
償するので、印刷部に向かって走行する料紙の張りが維
持され、印刷部の手前で料紙に作用する料紙調幅手段の
はたらきを損なうことがなくなる。
【0106】更に、駆動ロ−ラ−を、回転子とともに外
筒部材が回転するモ−タ−の構成としたときは、印刷直
後でインキ乾燥の不完全な印刷面を駆動ロ−ラ−の周面
で擦るのを避け得るので、擦れによる印刷面品質の低下
を避け得る。
【0107】更に、最後の印刷部の後に配設した検出器
により、個々の印刷部で印刷されたレジスターマークを
検出し、見当の合っていない量を見当制御手段によって
決定し、その指示を印刷部分割版胴の個々の版胴部の見
当調整機構に与える事で、分割版胴の個々の版胴部を軸
方向又は/及び円周方向に移動させる事が出来るので、
製版から刷版の版胴への装着までの工程で生起した諸々
の見当合わせ不具合を克服する事が出来る。
【0108】従って、先に印刷された印刷画線とそれ以
後の印刷画線のずれを自動的になくす事が出来るので、
品質の良好の印刷物を得る事が出来るようになる。又、
見当調整に人手がかからず、省人化に役立つばかりでな
く、見当合わせ時間の短縮により損紙が大幅に軽減され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の平版輪転印刷機の概略構成を示す
【図2】 この発明に使用されるウェブ料紙調幅装置の
実施例の概略構成を示す斜視図
【図3】 他のウエブ料紙調幅装置の実施例の断面図
【図4】 他のウエブ料紙調幅装置の実施例の斜視図
【図5】 他のウェブ料紙調幅装置の実施例の斜視図
【図6】 図1に示す駆動ロ−ラ−の実施例の概略構成
を示す断面図
【図7】 図1の印刷部の分割版胴、ブランケット胴に
関するドライブサイドの並列横断平面図
【図8】 図1の印刷部の分割版胴、ブランケット胴、
圧胴に関するオペレーションサイドの並列横断平面図
【図9】 図7中央部の拡大図であって、版胴円周微動
調整手段の詳細図
【図10】 分割版胴を有するBB型印刷機を駆動手段
のみとの関係で示す要部の並列平面図
【図11】 分割版胴を有するBB型印刷機を駆動手段
のみとの関係で示す概略横断平面図
【図12】 分割版胴を有するBB型印刷機を駆動手段
のみとの関係で示す概略横断並列平面図
【図13】 分割版胴を有するBB型印刷機を駆動手段
のみとの関係で示す概略並列平面図
【図14】 従来の平版輪転印刷機を示す図
【図15】 従来の平版輪転印刷機を示す図
【図16】 従来の平版輪転印刷機を示す図
【図17】 従来の平版輪転印刷機を示す図
【図18】 連れ回り回転の生起を根絶し得ない分割版
胴を有する従来のBB型印刷機を駆動手段のみとの関係
で例示する従来例の概略平面図
【符号の説明】
20 料紙調幅手段 101 版胴左右微動調整手段 102 版胴円周微動調整手段 130 見当調整手段 300 駆動ローラー 401 検出器 402 見当制御手段 P 印刷部 P′ 印刷部 P1 印刷部 P2 印刷部 P3 印刷部 P4 印刷部 PC 版胴 PCa、PCa′ 本体側版胴 PCb、PCb′ 分割側版胴 PCd、PCd′ 分割側版胴軸 PCe、PCe′ 本体側版胴軸 BC、BC′ ブランケット胴 IC 圧胴(共通圧胴) IN インキ供給部 DP 湿し水供給部 W ウェブ料紙 WA ウェブ料紙に形成された波打ち
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】3cは、軸3a及び3bと平行かつ回転自
在に設けられた通し軸である。通し軸3cの両端には、
前記歯車5a、5bと噛み合わせられるとともに、通し
軸3cと一体で回動する歯車5e、5fが設けられる。
更に、通し軸3cの一方端には、通し軸3cと一体で回
動するウォームホイール6が取り付けられ、駆動手段8
の軸に取り付けたウォーム7と噛み合わせられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】輪転印刷機の作動によって走行するウェブ
料紙Wは、まず先行の印刷部P(P1、P2、P3)に至
り、先行の画線を印刷されるとともに、版面の非画線部
から、ブランケット胴BCのブランケット面を介して湿
し水を付与される。湿し水を付与されたウェブ料紙W
は、経時とともに繊維が吸水して幅方向に拡大しつつ、
先行の印刷部P(P1、P2、P3)から次の印刷部P′
(P2、P3、P4)に向かって走行させられる。ウェ
ブ料紙Wは途中で料紙調幅手段20を通過させられ、こ
のとき、押圧面1a乃至1kによって、又は流体放出口
21a乃至21kから放出される流体によって押圧さ
れ、波打ちWAを形成させられ、料紙両側間の距離が実
際のウェブ料紙Wの幅寸法よりl1、l2だけ短縮させ
られてlとなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 昌良 神奈川県川崎市高津区向ヶ丘76−3

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 料紙の走行路に沿って配設された複数の
    印刷部と、印刷部の版胴を軸方向に分割しその各々の版
    胴部を別々に軸方向に移動可能及び/又は円周方向に回
    動可能とした見当調整機構付分割版胴と、印刷部の下流
    側に配設され周面が走行する料紙と係合して料紙に牽引
    力を作用させつつ回転するよう駆動される駆動ロ−ラ−
    と、印刷部間に配設され走行する料紙に幅を縮める向き
    の力を付与する料紙調幅手段と、印刷部の下流側に印刷
    部で印刷された適宜の画線を検出する検出器を配設し印
    刷部の見当を制御する見当制御手段とを有することを特
    徴とする多色平版印刷機。
  2. 【請求項2】 駆動ロ−ラ−を、固定子を設けた支持軸
    と、支持軸に回転自在に支持されるとともに固定子と相
    対する回転子を設けた外筒部材とを有し、通電によって
    回転子とともに外筒部材が回転するモ−タ−の構成とし
    た、請求項1に記載の多色刷平版印刷機。
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