JPH064788B2 - 導電性塗料 - Google Patents

導電性塗料

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JPH064788B2
JPH064788B2 JP7080085A JP7080085A JPH064788B2 JP H064788 B2 JPH064788 B2 JP H064788B2 JP 7080085 A JP7080085 A JP 7080085A JP 7080085 A JP7080085 A JP 7080085A JP H064788 B2 JPH064788 B2 JP H064788B2
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直樹 武田
主 松沢
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は、耐塩水噴霧特性良好で導電性の安定な導電性
塗料に関する。
[発明の技術的背景とその問題点] 近年、IC、LSI等の発展は著しく、高密度化、高性
能化が進み電子機器には多数のIC、LSIが使用され
ている。ところが高機能化した電子機器からは、高周波
パルスが発生するため、周囲のコンピューター、テレ
ビ、ラジオ等が影響を受け誤動作する現象が多く発生す
るようになってきた。この現象は軽量化を目的として電
子機器のハウジングを金属製からプラスチック化をした
ことが原因となっている。従来の金属製ハウジングは前
記の他の機器から発生した高周波パルス等の電磁波を容
易に遮蔽できるが、プラスチック製ハウジングは容易に
遮蔽できないという問題が発生してきた。こうして年々
悪化して行く電磁波環境に対応するために、米国、西独
等では法律(FCC規制、FTZ規制)によって電子機
器に対して電磁波シールドすることを義務づけている。
電子機器から発生するパルスをシールドするには、回路
設計で対策する方法、ケーブル対策をする方法、ハウジ
ング対策をする方法など便宜選択併用されている。ハウ
ジング対策をする方法の1つとして導電性塗料をハウジ
ングに塗布しシールドする方法があり、ニッケル系の塗
料がその主流として使用されている。ところが最近、ニ
ッケル系塗料より、更に高シールド特性、低コストの銅
系塗料が評価されつつある。
現在、各種の銅系塗料の開発が行われているが未だ十分
満足すべきものはない。特に、電子機器がさまざまな環
境下で使用されることを考慮すると、耐塩水噴霧特性の
良好な銅系塗料が不可欠となる。塗着した銅系塗膜の安
定性を得る方法として以下のような方法が知られている
が十分とは言えない。即ち、銅粉末表面を有機チタネー
トで被覆して、初期導電性を保持させる方法(特開昭59
-174661)がある。しかしこの方法は塗膜の耐熱性に優
れ、初期導電性を保持するものの、塩水噴霧試験下では
導電性が著しく劣化し、さらに何らかの処理を行わなけ
ればならない欠点がある。また3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-
オキサフォスファン-2-オキサイド誘導体単独で銅粒子
表面を処理する方法(特開昭58-127742)もある。この
方法は銅粉末の酸化防止効果が高く、高温下で塗膜導電
性が安定であるが、耐湿性および耐塩水噴霧性に劣り導
電性が不安定となる欠点がある。また2-置換-4,6-ジチ
オール-sym-トリアジン誘導体を銅粉末表面に処理する
方法もあるが、優れた防錆力がある反面、導電性を阻害
する欠点がある。
[発明の目的] 本発明の目的は、前記の欠点に鑑みてなされたもので、
耐塩水噴霧性良好で安定な導電性を保持する導電性塗料
を提供しようとするものである。
[発明の概要] 本発明者らは、上記の目的を達成しようと鋭意検討を重
ねた結果、2-置換-4,6-ジチオール-sym-トリアジン誘導
体と3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-オキサフォスファン-2-オキ
サイド誘導体とを用いることによって両者の欠点が相殺
され、導電性が阻害されることなく、しかも耐塩水噴霧
性に優れた安定な導電性を保持した導電性塗料が得られ
ることを見いだし本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、(A)一般式(I)で示される2-置換-
4,6-ジチオール-sym-トリアジン誘導体 (但し、式中RはNHR′、NR′R″、OR
′又はSR′を表し、ここでR′又はR″は水
素原子又は炭素数1〜18個からなるアルキル基、アルキ
レン基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルア
リール基又はアルキレンアリール基を示し、M又はM
は水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属
原子(1原子価分、即ち2価のアルカリ土類金属の1/
2原子分)を表す) (B)一般式(II)で示される3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-
オキサフォスファン-2-オキサイド誘導体 (但し、X又はXはハロゲン原子、アルキル基、シ
クロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表し、
m,nは0〜3の整数を表す)、 (C)平均粒度100μm以下の銅粉末、 (D)合成樹脂、 (E)シリカ粉末および (F)有機溶剤 を含み、(A)の2-置換-4,6-ジチオール-symトリアジ
ン誘導体と(B)の3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-オキサフォ
スファン-2-オキサイド誘導体との配合割合[(A)/
(B)]が1/4〜4/1(重量比)で、その和
[(A)+(B)]が(C)の銅粉末に対して0.2〜2.0
重量%であるとともに、(C)の銅粉末と(D)の合成
樹脂の配合割合[(C)/(D)]が2〜20(重量比)
であることを特徴とする導電性塗料である。
本発明に用いる(A)2-置換-4,6-ジチオール-sym-トリ
アジン誘導体としては、例えば2-メチルアミノ-4,6-ジ
チオール-sym-トリアジン、2-エチルアミノ-4,6-ジチオ
ール-sym-トリアジン、2-ブチルアミノ-4,6-ジチオール
-sym-トリアジン、2-ブチルアミノ-4,6-ジチオール-sym
-トリアジン、2-ブチルアミノ-4,6-ジチオール-sym-ト
リアジン・モノナトリウム、2-オクチルアミノ-4,6-ジ
チオール-sym-トリアジン・1/2カルシウム、2-オク
タデシル-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-ジエチル
アミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-ジエチルア
ミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン・モノナトリウ
ム、2-ジドデシルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジ
ン、2-ベンジルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン
・モノカルシウム、2-フェニルアミノ-4,6-ジチオール-
sym-トリアジン・モノカルシウム、2-ジフェニルアミノ
-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-ナフチルアミノ-
4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-ナフチルアミノ-4,
6-ジチオール-sym-トリアジン・モノナトリウム、2-モ
ノホリノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-シクロヘ
キシル-4,6-ジチオール-sym-トリアジン・モノナトリウ
ム、2-シクロヘキシルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリ
アジン・モノナトリウム、2-(β−カルボキシル)エチ
ルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-(p-カル
ボキシル)フェニルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリア
ジン、2-メトキシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-
フェノキシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-ナフト
キシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-チオベンジル
オキシ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、2-チオブチル
-4,6-ジチオール-sym-トリアジン等が挙げられ、これら
は単独又は2種以上混合して使用する。
アルカリ金属としては、カリウム又はナトリウム、アル
カリ土類金属としては、カルシウム又はマグネシウムが
好ましい。
本発明に用いる(B)3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-オキサフ
ォスファン-2-オキサイド誘導体としては、特公昭48-41
009号、特公昭49-45397号、特公昭50-17979号各公報に
示されている化合物等が挙げられ、これらは単独又は2
種以上混合して用いる。
2-置換-4,6-ジチオール-sym-トリアジン誘導体と、3,4,
5,6-ジベンゾ-1,2-オキサフォスファン-2-オキサイド誘
導体との配合割合は重量比で1/4〜4/1であること
が望ましい。(A)の2-置換-4,6-ジチオール-sym-トリ
アジン誘導体が1/4未満であると安定な導電性が得ら
れず、4/1を超えると防錆力が強くなりすぎ導電性が
阻害され好ましくない。
(A)の2-置換-4,6-ジチオール-sym-トリアジン誘導体
と(B)の3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-オキサフォスファン-
2-オキサイド誘導体の和[(A)+(B)]を、銅粉末
に対して0.2〜2.0重量%配合することが好ましい。配合
量が0.2重量%未満では十分な防錆力が得られず、また
2.0重量%を超えると導電性が阻害され好ましくない。
本発明に用いる(C)平均粒径100μm以下の銅粉末と
しては、市販のものが広く使用される。平均粒径が100
μmを超えると、これを加えて塗料とした場合に、塗膜
の表面が荒く緻密な塗膜構造が得られず好ましくない。
好ましくは平均粒径が5〜40μmの銅粉末がよい。
(A)、(B)および(C)を配合する場合は、他の成
分と一緒に配合混合してもよいし、(A)と(B)を予
め有機溶剤に溶解しその中に平均粒径100μm以下の銅
粉末を投入し、その後乾燥して溶剤を除去し、銅粉末を
他の成分と混合してもよい。また(A)と(B)を予め
有機溶剤に溶解し、これを他の成分と一緒に混合するこ
ともできる。(A)、(B)および(C)については特
に配合方法に限定されることはない。平均粒径100μm
以下の銅粉末の配合割合は、合成樹脂に対して重量比で
2〜20の範囲であることが好ましい。配合比が2未満の
場合は導電性に効果なく、また20を超えると塗料の作業
性が劣り好ましくない。
本発明に用いる(D)合成樹脂としては、熱可塑性およ
び熱硬化性の合成樹脂を挙げることができ、これらはバ
インダーとして用いる。熱可塑性の合成樹脂としては、
アクリル樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂、アルキッド
樹脂、炭化水素樹脂、ポリエステル樹脂等、また熱硬化
性の合成樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げら
れ、これらは単独又は2種以上混合して用いる。
本発明に用いる(E)シリカ粉末としては、市販のもの
が使用できる。通常塗料の貯蔵中に銅粉末が沈降してハ
ードケーキを形成し、長時間経過すると固化し塗料とし
て使用できない場合がある。シリカ粉末は、銅粉末を浮
かせこのハードケーキの形成を防止するために配合する
もので、その配合量は、(C)の銅粉末100重量部に対
して0.5〜15重量部であることが好ましい。配合量が0.5
重量部未満では(C)の銅粉末の沈降を防止することが
できず、また15重量部を超えると導電性に硬化がなく、
また塗料の粘度が増大して作業性が悪くなるので好まし
くない。
本発明に用いる(F)有機溶剤としては、バインダーと
して使用する合成樹脂の溶解可能な溶剤を選択する。こ
の溶剤は塗料の粘度を調整し、作業性を良好にするため
に使用するものである。この溶剤類としては、芳香族炭
化水素、脂肪族炭化水素、ケトン類、エステル類、アル
コール類等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上
混合して用いる。
以上の2-置換-4,6-ジチオール-sym-トリアジン誘導体、
3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-オキサフォスファン-2-オキサイ
ド誘導体、銅粉末、合成樹脂、シリカ粉末および有機溶
剤を公知の方法で混合、撹拌して導電性塗料を製造する
ことができる。
また本発明の目的および効果に反しない限り、必要に応
じて他の成分を添加することができる。
[発明の実施例] 次に本発明を実施例によって説明する。本発明は実施例
に限定されるものではない。以下の実施例において
「部」とは「重量部」を意味する。
実施例 1〜4 ジアセトンアルコール20部、イソプロピルアルコール20
部、トルエン60部の混合溶剤中に、2-ブチルアミノ-4,6
-ジチオール-sym-トリアジン(三協化成社製、商品名D
B)と3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-オキサフォスファン-2-オ
キサイド(三協化成社製、商品名HCA)を第1表に示
した量溶解し、次いで平均粒径20μmの電解銅粉末50部
を加えて室温で1時間混合撹拌し、その後減圧して溶剤
を除去した。これに熱可塑性アクリル樹脂15部、トルエ
ン40部、およびアエロジル#200(日本アエロジール
社製、商品名)2部を高剪断ミキサーで均一に混合し導
電性塗料を製造した。
比較例 1〜2 実施例において、DBを加えないもの(比較列1)、H
CAを加えないもの(比較列2)として導電性塗料を製
造した。
実施例1〜4および比較例1〜2で製造した導電性塗料
をABS樹脂基板上に幅10mm長さ50mmの帯状に塗布し、
24時間室温放置硬化させて、厚さ50μmの塗膜を得た。
この塗膜上の両端部より各10mm離れた位置に電極を配置
し、ホイーストンブリッジにより塗膜の抵抗を測定し、
これから比抵抗値を計算した。その結果を第1表に示し
た。またJIS−Z−2371によって塩水噴霧試験を
行い24時間放置後、翌日まで室温に放置し、比抵抗を測
定した。その結果を第1表に示した。本発明の顕著な効
果が認められた。
実施例 5 平均粒度20μmの電解銅粉末100部に、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂20部を加え、さらにメチルエチルケト
ン40部、およびジアセトンアルコール10部を加えて撹拌
した。次いでDB(前出)1部、HCA(前出)1部を
加え約1時間高剪断ミキサーで均一に撹拌混合した。次
にアエロジル#300(日本アエロジール社製、商品
名)1部、ジシアンジアミド2部、およびイミダゾール
系2MZ−OK0.5部を加え、約15分間均一に撹拌混合
して導電性塗料を製造した。
比較例3〜4 実施例2に於いてDBおよびHCAが配合されていなも
の(比較列3)シリカ粉末の配合されていないもの(比
較例4)として導電性塗料を製造した。
実施例5および比較例3〜4で製造した導電性塗料につ
いて実施例1〜4と同様にしてフェノール樹脂基板上に
帯状の導電性塗膜を形成させ、120℃で1時間加熱硬化
させて厚さ50μmの塗膜を得た。この塗膜について実施
例1〜4と同様にして初期抵抗および塩水噴霧試験後の
抵抗を測定したのでその結果を第2表に示した。本発明
の顕著な効果が認められた。
[発明の効果] 以上の説明および第1表及び第2表から明らかなよう
に、本発明の組成によって、耐塩水噴霧性に優れ、しか
も阻害されることない安定した導電性を有する導電性塗
料を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式(I)で示される2-置換-4,6-
    ジチオール-sym-トリアジン誘導体 (但し、式中RはNHR′、NR′R″、OR
    ′又はSR′を表し、ここでR′又は R″は水素原子又は炭素数1〜18個からなるアルキル
    基、アルキレン基、アリール基、アリールアルキル基、
    アルキルアリール基又はアルキレンアリール基を示し、
    又は Mは水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金
    属原子(1原子価分)を表す)、 (B)一般式(II)で示される3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-
    オキサフォスファン-2-オキサイド誘導体 (但し、X又はXはハロゲン原子、アルキル基、シ
    クロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表し、
    m,nは0〜3の整数を表す)、 (C)平均粒度100μm以下の銅粉末、 (D)合成樹脂、 (E)シリカ粉末および (F)有機溶剤 を含み、(A)の2-置換-4,6-ジチオール-symトリアジ
    ン誘導体と(B)の3,4,5,6-ジベンゾ-1,2-オキサフォ
    スファン-2-オキサイド誘導体との配合割合[(A)/
    (B)]が1/4〜4/1(重量比)で、その和
    [(A)+(B)]が(C)の銅粉末に対して0.2〜2.0
    重量%であるとともに、(C)の銅粉末と(D)の合成
    樹脂の配合割合[(C)/(D)]が2〜20(重量比)
    であることを特徴とする導電性塗料。
  2. 【請求項2】(E)のシリカ粉末の配合割合が(C)の
    銅粉末100重量部に対して0.5〜15重量部である特許請求
    の範囲第1項記載の導電性塗料。
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