JPH0647683B2 - 金属粉末の焼結方法 - Google Patents

金属粉末の焼結方法

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JPH0647683B2
JPH0647683B2 JP17511589A JP17511589A JPH0647683B2 JP H0647683 B2 JPH0647683 B2 JP H0647683B2 JP 17511589 A JP17511589 A JP 17511589A JP 17511589 A JP17511589 A JP 17511589A JP H0647683 B2 JPH0647683 B2 JP H0647683B2
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英樹 荒井
茂昭 緒方
義雄 片桐
勝幸 藤田
忠彦 輪違
浩義 平塚
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住友セメント株式会社
セイコー電子工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、金属粉末の射出成形による焼結品の製造に係
り、特に焼結方法に関する。
[従来の技術] 従来、金属粉末に有機バインダーを配合、混練し、これ
を可塑成形し、得られた成形体を脱脂、焼結する方法は
よく知られている。ここで言う可塑成形とは、射出成
形、押出成形、トランスファー成形等の成形を意味す
る。この場合、脱脂工程を終了した脱脂体に、脱脂体強
度を持たせるためや、焼結体の炭素量を制御するため、
あるいは、焼結時に金属粉末表面の酸化物を還元するた
めの炭素源とするために、適当な量のバインダーを残留
させることがある。炭素鋼や超硬合金では炭素量の制御
のために脱脂体中の炭素量を制御する必要があり、ステ
ンレスのように粉末表面に水素では還元が難しい酸化膜
を形成するものでは、還元剤として適量の炭素を脱脂体
に残留させる必要がある。脱脂体強度を持たせる目的の
場合には、脱脂体中に残留するバインダーの量は比較的
少量であり、それ程問題にならない。一方、焼結体の炭
素量制御のため、あるいは焼結時の還元のためにバイン
ダーを残留させる場合には、場合によって脱脂体中に残
留する量は異なり、またその制御も問題となる。従来、
その制御の方法としては、 (イ)脱脂時間などの脱脂条件を制御することによって
脱脂率を変える方法、 (ロ)バインダー中に残留炭素率の高い樹脂を加えて脱
脂率を変える方法、 (ハ)原料粉末中に黒鉛粉末を混合分散させる方法、 などが行われてきた。
[発明が解決しようとする課題] 前記(イ)のよる方法は、通常の加熱脱脂の途中で脱脂
工程を終了することによって任意の脱脂率を持つ脱脂体
を得る方法であるが、脱脂温度やガス流量などの脱脂時
のすべての条件を正確に制御しないと、狙った脱脂率を
得るのは非常に難しい。また、脱脂時に有機バインダー
は、成形体表面から抜けていくので脱脂体内部と脱脂体
表面の脱脂率が異なる場合が多く、脱脂体内部に比べて
脱脂体表面の方が残留炭素が少ないことになり、残留炭
素が均質に分散していないという問題が生じる。この現
象は、残留炭素量の制御のために脱脂の途中で脱脂工程
を終了させる方法を使用する以上避けがたいことある。
一方、(ロ)による方法の場合、残留炭素率の高い樹脂
の量を調節することによって、脱脂体の脱脂率は容易に
制御することができ、また、脱脂体内部と表面で脱脂率
に比較的差は少ないが、残留炭素率の高い樹脂量によっ
て混練物の流動性が変化し、場合によっては射出成形な
どができないこともあるという問題がある。
また、(ハ)の原料粉末中に黒鉛粉末を混入させる方法
は、ボールミルなどによる混合工程が必要であり、樹脂
を混入する場合に比べて均一に混ぜるのに手間がかか
り、有利な方法ではない。
一方、原料粉末自体の炭素量を制御する方法は、脱脂体
中の炭素量を均一で、かつ目標量に対し正確に制御する
のに最もよい方法であるが、市販の粉末を使用する限り
においては現実的ではない。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされ
たものであり、本発明の課題は、金属粉末の可塑成形法
による焼結部品の製造方法において、焼結工程の前に脱
脂体中に残存する炭素の量を比較的簡単に制御すること
により、特性に優れた焼結体を得る方法を提供すること
にある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた
結果、粉末と有機バインダーを混合し、これを射出成形
して成形体として後、これを脱脂・焼結することによっ
て焼結品を製造する方法において、焼結時に分解して残
留炭素となるような有機物を含む溶液を上記脱脂体に染
み込ませた後、焼結することによって上記課題を解決し
た。
以下、この発明を詳しく説明する。
金属粉末と有機バインダーとを混合し、可塑成形するこ
とによって成形体とし、次にこれを脱脂して脱脂体を得
る。この時の脱脂率はバインダー系によって異なるが、
一般的に90%程度であり、鉄鋼材料粉の場合、炭素量
としては、およそ0.5%以下の残留炭素が残る。次
に、焼結時に分解して残留炭素となる上記有機物を含む
溶液を、焼結工程の前に、上記脱脂体に染み込ませる。
ここで、上記有機物としては、フェノール樹脂、ポリフ
ェニレン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、フルフラール樹脂、アミノ系樹脂等の残
留炭素率の高い高分子を使用することが望ましい。これ
らの高分子は、加熱されると高分子の構成主体である炭
素だけを残し、水素等の異種元素を熱分解によって放出
するとともに残留した炭素原子が重縮合するために炭素
が高率で残留する。上記の高分子の中でフェノール樹脂
が比較的使用しやすい。これは、フェノール樹脂が多く
の溶媒に溶け、比較的高濃度でも粘度の低い溶液がえら
れることができるからである。一方、上記脱脂体に上記
有機物を含む溶液を染み込ませる方法として、上記有機
物を含む溶液の浴に上記脱脂体を接触させ、毛細管現象
によって吸い上げる方法は簡単であり、また炭素量を制
御するのに上記有機物の濃度を制御するだけで良いため
適している。例えば、空隙率が約45%の脱脂体の場
合、45体積%の上記有機物を含む溶液を吸収する。金
属粉末の密度が8g/cm3で、上記有機バインダーの残留
炭素率が約70%の場合、上記有機物の溶液濃度を5〜
50重量%の範囲で変化させると、脱脂体中に残る炭素
量は、約0.3〜3.3重量%の範囲で変化し、脱脂体
中に残る炭素量は、約0.3〜3.3%の範囲で自ずと
決まるため、残留炭素量の制御は容易に出来る。また、
脱脂工程で脱脂率の変動が起こっても、含浸時の有機物
の濃度を変えることにより脱脂体中の炭素量を一定に保
つことも可能であるという利点もある。
[作用] 本発明によれば、脱脂体に残留炭素率の高い有機物を含
む溶液を含浸させた後、焼結するため、可塑成形時のバ
インダーとして特殊なものを必要とせず、また原料粉末
への処理を行うことなしに、脱脂体中の炭素量を容易に
制御できることから、特性の優れた焼結体を得ることが
できる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1) 平均粒径が10μmで炭素量が0.614%の水アトマイズ法で
製造されたSUS−316L粉末100重量部と、エチレン・
酢酸ビニル共重合体とメタクリル酸エステル共重合体を
主成分とする有機バインダー10重量部とを混練機によっ
て150℃で60分間混練した。得られた混練物を粉砕し、
スクリュー型の射出成形機で7×7×70の試験片を成形
した。ここで、射出温度は160℃、射出圧力は1000kg/cm
2とした。
ついで、得られた成形体を大気雰囲気下で320℃まで10
℃/hrの昇温速度で加熱し、一定時間保持して脱脂し、
その後、冷却した。この時の保持時間にそれ以上保持し
ても脱脂率の余り変化が見られない状態になる時間であ
り、この場合、約2時間であった。この時の脱脂率は約
94%であり、脱脂体中に残留する炭素量および酸素量
は、それぞれ0.35%、0.66%となった。
この脱脂体をノボラック型のフェノール樹脂を0〜30%
含むメチルアルコール溶液を浸し、室温で乾燥した後、
10-4Torr以下の真空雰囲気で1250℃まで昇温し、その
後、水素雰囲気に切り替え、1350℃まで昇温し、2時間
焼結した。得られた焼結体の密度は、いずれの場合も7.
8g/cm3程度であった。焼結体中の残留酸素量および残留
炭素量を第1図に示した。図に明らかなように、10%フ
ェノール樹脂メチルアルコール溶液を含浸させたもの
で、酸素量が0.05%で、炭素量が0.02%と、酸素量、炭
素量ともに少ない良好な焼結体が得られた。また、この
焼結体を研磨したところ、ピンホールの少ない良好な研
磨面が得られ、耐食性も良好であることが確認された。
一方、フェノール樹脂量の少ないものは残留酸素量が多
く、研磨面に酸化物の欠け落ちのよるピンホールを生じ
るため、外観が悪く、反対にフェノール樹脂量の多いも
のは残留炭素量が多く、耐食性が劣化していることが確
認された。
(実施例2) 平均粒径が5μmのカーボニル鉄粉100重量部と、ワッ
クスを主成分とするバインダー10重量部とを混練機で、
120℃、60分混練した。ついで、この混練物を粉砕し、
射出温度130℃で実施例1と同じ形状の試験片を得た。
次に、この成形体を窒素雰囲気中で6℃/hrの昇温速度
で400℃まで加熱し、1時間保持して脱脂した。この時
の脱脂体の脱脂率は、96%であった。
さらに、この脱脂体を10%フェノールを含むメチルアル
コール溶液に浸し、乾燥後、真空中で1350℃で2時間焼
結を行った。得られた焼結体の密度は、7.47g/cm3であ
り、また、炭素量は0.40%であり、S40C相当の炭素量
であることが確認された。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、脱脂体に有機物を含む溶液を含
浸させた後、焼結しているため、どのようなバインダー
系を用いても、炭素量の制御を容易に行うことができる
ことから、特性に優れた焼結体を容易に得ることができ
る。したがって、粉末治金上多くの効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、脱脂体に含浸させた溶液中のフェノール樹脂
濃度と、SUS316L焼結体中の残留酸素量および炭素量
との関係を示したものである。
フロントページの続き (72)発明者 緒方 茂昭 千葉県市川市新田2―1―11 (72)発明者 片桐 義雄 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイコ ー電子工業株式会社内 (72)発明者 藤田 勝幸 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイコ ー電子工業株式会社内 (72)発明者 輪違 忠彦 宮城県仙台市太白区西多賀5丁目30番1号 セイコー電子部品株式会社内 (72)発明者 平塚 浩義 宮城県仙台市太白区西多賀5丁目30番1号 セイコー電子部品株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−70503(JP,A) 特開 昭52−22512(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉末と有機バインダーを混合し、これ
    を可塑成形して成形体とし、次いで、これを脱脂して脱
    脂体とした後、焼結を行うことによって焼結体を製造す
    る方法であって、 焼結時に分解して残留炭素となるような有機物を含む溶
    液を、上記脱脂体に染み込ませた後、焼結を行うことを
    特徴とする金属粉末の焼結方法。
  2. 【請求項2】焼結時に分解して残留炭素となるような有
    機物として、フェノール樹脂、ポリフェニレン樹脂、フ
    ラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フ
    ルフラール樹脂、アミノ系樹脂の少なくとも一種を用い
    ることを特徴とする請求項1記載の金属粉末の焼結方
    法。
  3. 【請求項3】焼結時に分解して残留炭素なる有機物を含
    む溶液を脱脂体に染み込ませる方法として、上記溶液の
    浴に脱脂体を浸し、毛細管現象を利用して脱脂体に溶液
    を吸い上げる方法を用いることを特徴とする請求項1ま
    たは2のいずれかに記載の金属粉末の焼結方法。
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