JPH0647672A - キヤビテーシヨン噴流用ノズル - Google Patents

キヤビテーシヨン噴流用ノズル

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JPH0647672A
JPH0647672A JP20396792A JP20396792A JPH0647672A JP H0647672 A JPH0647672 A JP H0647672A JP 20396792 A JP20396792 A JP 20396792A JP 20396792 A JP20396792 A JP 20396792A JP H0647672 A JPH0647672 A JP H0647672A
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敬三 原田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キヤビテーシヨン発生に伴う弊害が少ないキ
ヤビテーシヨン噴流用ノズルを提供する。 【構成】 水中において水を噴射衝突させることにより
加工対象物の表面応力状態を改善するキヤビテーシヨン
噴流用ノズルにおいて、噴出開口部から噴出される水流
に対して、その噴射直前に強制的な乱れを生じる手段を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属材料の表面改質技術
に係わり、水中において音速以下(遷音速、亜音速もし
くはそれより低速の)の水噴流を金属材料の表面に照射
し、水噴流に発生するキヤビテーシヨン気泡の崩壊圧力
によつて、引張り応力が残留する金属材料表面を、圧縮
応力が作用するように処理しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】既設構造材の残留応力は、鋼球を気流の
勢いで吹きつけるシヨツトブラスト、砂粒を用いるサン
ドブラスト、氷粒を用いるクライオブラスト等によるピ
ーニングによる処理を行い、応力を引張り方向(亀裂を
拡大させる方向)から圧縮方向へと改質する。このよう
なピーニング技術は、残留応力対策として、各種機械構
造物あるいは部品加工時に広く用いられている。
【0003】しかし、このようなブラスト処理のできな
い環境にありながら、是非ともピーニングしなければな
らない構造物も多い。例えば、経年原子炉圧力容器のノ
ズル部や海洋構造物はいずれも水中にあり、ともに水を
除去しての処理は物理的あるいは経済的に不可能に近
い。原子炉圧力容器では、水を抜くと、多量の放射能が
放出される。またブラスト粒子を回収することも大変な
難作業になる。氷粒を用いれば、回収は不要であるが、
経済的なメリツトは出にくい。
【0004】高速ウオータジエツトの利用は、ユニーク
な加工、採鉱あるいは洗浄技術として広く知られるが、
これを表面応力改質に利用する試みがウエスチングハウ
ス社により行われた(特開昭62−63614号公
報)。水噴流によるピーニングには、水冷の効果もあつ
て局所的な温度上昇を防げるというメリツトもある。し
かし、これは水噴流の軸動圧力を有効に利用できる大気
中の作業であり、この技術を水中水噴流によるピーニン
グ技術としてそのまま展開可能であるという保証はな
い。
【0005】図48には、気相水噴流ノズルと噴流の構
造を示す。
【0006】図において、1310は気中水ノズル本
体、1311は高圧供給水、1312はノズル中心軸、
1313は収縮部、1314は噴出孔、1315は連続
液流(コア部)、1316は液滴流、1317は気中水
噴流である。
【0007】図49に示すように、水中では噴流軸動圧
力の減衰がかなり速い。これは、周囲水の抵抗と同相で
あるがため拡散が速いためである。水中で、気相中水噴
流なみの軸動圧力を得るためには、超高圧発生装置が必
要になり、コスト的に大変不利な技術になつてしまう。
【0008】一方、水中水噴流には、噴流と周囲水との
剪断作用によりキヤビテーシヨンが発生する。キヤビテ
ーシヨンをうまくコントロールし、発生した気泡を有効
に利用できれば気相中水噴流なみの効果を低噴射圧力で
実現できる可能性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図47に示したのは、
ウオータジエツト加工に用いられるノズルの典型的構造
である。このノズルは、気相中で水流をビーム状にしぼ
ることを目的としたものであり、水中水噴流として利用
してもキヤビテーシヨンは発生しにくい。理由は、収縮
部1305のしぼり角度θが小さく、ここでの減圧作用
が緩やかすぎるためである。
【0010】また、水噴流の外表面の乱れが乏しく、剪
断渦由来のキヤビテーシヨンが発生しにくかつたり、あ
るいはキヤビテーシヨンが発生しても間欠的で再現性が
悪く、キヤビテーシヨンの発達状態が不安定なためであ
る。
【0011】なお図において、1301は水中水噴流ノ
ズル本体、1302は高圧供給水、1303は水供給平
行部、1304はノズル中心軸、1306は噴出孔、1
307は水中水噴射、1308は加工対象物の固体面、
1309は加工対象物の周囲水である。
【0012】図50に示す先行技術(特開昭60−16
8554号公報)のノズルは、水中における各種作業の
ために開発されたノズルであり、キヤビテーシヨンの利
用が謳われている。
【0013】なお図において、1401はノズル本体、
1402はオリフイス部、1403は円錐開口部、14
04は円錐空洞部、1405は配管部材、1406は高
圧噴射装置、1407は噴射加工対象物である。
【0014】図51に示す先行技術(特開昭61−81
84号公報)は、水中水噴流に発生するキヤビテーシヨ
ンの作用によつて、付着汚染物を除去しようとするもの
である。
【0015】なお図において、1501は水槽、150
2は被洗浄部品、1503はノズル、1503aはノズ
ル洗浄、1503bは噴出孔、1504は水、1505
は管路である。
【0016】これらの例では、キヤビテーシヨンを活発
に発生させようとしてもノズルの構造上限界がある。キ
ヤビテーシヨンの促進のためには、ノズル内で水流に強
い乱れを作り出したり、強制的にキヤビテーシヨン気泡
核を供給するような工夫が必要になる。
【0017】図52〜54には、自己共振空洞現象促進
型ノズルの構造を3例示す。このノズルは、ノズル内に
設けたキヤビテイで自己共振現象を発生させ、気相中水
噴流内に発生するキヤビテーシヨンを利用して、切削効
率を高めようとしたものである。このノズルの問題は、
ノズル内でキヤビテーシヨンが発生するため、ノズルが
バブルロツク状態となり(実際にはバブルロツク状態と
バブルのない水だけが噴出する現象が共振周波数に合わ
せて繰り返される)、圧力損失の増大を招くことと、水
流が激しく脈動する(キヤビテイ内の発振が上流側へフ
イードバツクし自励振動的な状態となる)ことである。
【0018】なおこれらの図において、1601は水、
1602はノズル本体、1603は共振用キヤビテイで
ある。
【0019】また図50に構造を示すノズルのように、
大気中において各種材料を加工するために水噴流をビー
ム状にしぼることを意図した従来型ノズルでは、大気中
においてピーニングに利用しても、図55に示すよう
に、衝突面に生じる衝突圧力部が極めて局所的であるた
め、施工に長時間を要するなどピーニング効率が高いと
は言えない。
【0020】なお図55において、1701は高圧水噴
射ノズル、1702は高圧水、1703は気相中水噴
流、1704は被加工対象物、1705は圧力分布、1
706は中心軸である。
【0021】つまり、図57(a),(b)に示すよう
に、要ピーニング個所1901全域をピーニングするた
めには、ピーニング圧力発生部分1909が軌跡190
5のようになるよう、ノズルを激しく移動させなければ
ならない。ノズルを装着するマニユピレータの先端の構
造も複雑なものとなろう。
【0022】水中において、図50のような従来型ノズ
ルから水を噴射させると、つまり水中水噴流の場合、水
中において噴流軸上動圧力の減衰が極めて速い。気相中
における特性と比較して図49に示す。一方、このよう
な水中水噴流1803では、噴流の外周において、剪断
型の渦流に起因する渦状キヤビテーシヨン1804が発
生する。図56にその様相を模式的に示すが、従来型ノ
ズルの場合には、渦流による乱れが弱く、キヤビテーシ
ヨンの発生が不十分・不安定であり、キヤビテーシヨン
気泡の崩壊によつて生じる圧力分布1806は、中心軸
1807の周囲に円環(ドーナツ)状となる。
【0023】なお図において、1801は水噴射ノズ
ル、1802は高圧水、1805は被加圧対象物であ
る。
【0024】上記したように、水中においては噴流の軸
上動圧力が低く、どうしても圧力分布は‘中抜け’とな
る。もし、キヤビテーシヨン気泡の生成が著しく活発で
あるならば、噴流中心へ外周の気泡が巻き込まれる(エ
ントレン)ものの、図56のように不安定なキヤビテー
シヨンでは、巻き込み作業がなかなか期待できない。図
57(c),(d)に示すように、要ピーニング個所1
903をまんべんなく施工するためには、やはりノズル
をかなり複雑にトラバースさせねばならない。ノズルを
振り子状に動かす例を(a),(c)に、またノズルを
往復運動させる例を(b),(d)に示す。
【0025】なお、1902,1904は要ピーニング
個所、1906〜1908はノズルの移動軌跡、191
0はピーニング圧力発生部分である。
【0026】図58の先行技術は、ノズルの噴出孔に、
水流の加速による吸い込み作用を利用する空気吸い込み
パイプ2002を設け、高圧水2004中に外気を吸い
込んで混入し、気泡を含む気相中二相噴流2005を作
り出そうとするものである。この場合、吸い込まれた気
泡が、キヤビテーシヨンの作用をすれば好都合である
が、‘クツシヨン’的な緩衝作用となれば、ピーニング
に対しては逆効果である。ピーニング個所が水中深部で
ある場合には、長い空気吸い込みパイプは実用的とは言
えない。
【0027】なお、2001は環状ノズル本体、200
3は空気である。
【0028】本発明は、キヤビテーシヨン発生に伴う弊
害が少ないキヤビテーシヨン噴流用ノズルを提供するこ
とを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
1.本発明は、水中における水噴流利用の表面応力改質
(ピーニング)において、噴孔から噴出する水中水噴流
に強い乱れあるいは気泡核励起作用を持つ高周波の乱れ
を与え、以下のような手段によつて、キヤビテーシヨン
を活発に行わせようと言うものである。
【0030】(1)噴出孔を同軸二重管型とし、噴出水
流の内部に噴流構造を崩壊させる強い乱れを作り出す。
【0031】(2)噴出孔内で、2方向から供給される
高圧水を合流させ噴出孔内の水流を強制的に加速する。
【0032】(3)周囲水との剪断面積を拡大し、強い
乱れによるキヤビテーシヨンを促進するために、偏平で
扇形の水中水噴流を利用する。
【0033】(4)高圧水供給流路に気泡核となり得る
ような超音波を付与し、キヤビテーシヨンを活発に行わ
せる。超音波には、水の分子構造に欠陥を生ぜしめる機
能がある。これによつて均質核生成が起こり、著しくキ
ヤビテーシヨン気泡が生成する。
【0034】2.本発明では、以下のような工夫を施
す。
【0035】高圧水を水中へ噴き出す噴出孔の内壁周囲
に、断面が矩形で環状溝型のキヤビテータを1本あるい
は複数本刻設する。このキヤビテータは、環状溝型の他
にも、付着型キヤビテーシヨンを作り出すブレード型で
も代用可能であり、これを噴出孔出口に設ければよい。
【0036】一方、これらのキヤビテータによる核供給
機能を有効に活用するため、噴出孔の出口において、周
囲水中へ突き出すようにスリーブ型の外周リングを設
け、リング内に生じる渦流の作用によつて水中気泡核を
励起しキヤビテーシヨンを発達させる。
【0037】3.本発明は、水中で水を噴出するノズル
を、ノズル本体上流側の導管部、収縮部および噴出孔の
各中心軸を傾斜させたり偏心させたり、あるいは両者を
組み合わせた構造とするものである。このようにすれ
ば、これまでのストレート型ノズル(従来型ノズルで
は、導管部、収縮部および噴出孔の中心軸が一直線状に
一致していた)にはないノズル内の減圧流動部に強い乱
れが発生したり、あるいはキヤビテーシヨン気泡が発生
し、ノズルから噴出した水中水噴流のキヤビテーシヨン
が著しく促進される。因に、本発明に係るノズル使用時
と同等の活発なキヤビテーシヨンを起こさせるために
は、従来型ノズルの場合、かなりの高圧(3000kg
f/cm2 以上)の噴射設備が必要になる。
【0038】
【作用】
1.水中水噴流で発生したキヤビテーシヨン気泡は、被
加工対象物の表面あるいは表面のごく近傍において崩壊
し衝撃圧を発生する。この加圧力によつて、構造材の引
張り残留応力が圧縮側になるよう改質される。キヤビテ
ーシヨン気圧の崩壊は、高速水流が加工物表面へ衝突す
ることによつて促進されるが、この高速水流自体の衝突
による水圧作用も構造材の表面応力改質に効果的であ
る。
【0039】要するに、本発明は、水中の高速水噴流の
衝突圧力と、キヤビテーシヨン気泡崩壊時に発生する衝
撃圧の相乗作用をうまく利用しようとするものである。
【0040】2.まず、噴出孔内に刻設した断面矩形で
環状溝型のキヤビテータにおいて、キヤビテーシヨン気
泡核を安定に供給する。さらに、噴出水流によつて、噴
出孔出口において周囲水中へ突き出すようにしたスリー
ブ型の外周リング内に作り出される剪断層由来の渦を安
定に形成し、この渦流内へ上記キヤビテータで生成した
キヤビテーシヨン気泡を流れ込ませるように供給する。
渦流内に生じる強い圧力変動とキヤビテータから供給さ
れる気泡の存在によつて、連鎖的に水中の気泡核が励起
されてキヤビテーシヨンが発達する。このようにしてノ
ズル出口近傍で生成した気泡は、噴流が周囲水を巻き込
むことによつて生じる流れによつて噴流内部全体へ分散
(拡散)する。結果的にノズルからは、発達したキヤビ
テーシヨンを伴う噴流が作り出される。
【0041】3.水中水噴流で発生したキヤビテーシヨ
ン気泡は、被加工対象物の表面あるいは表面のごく近傍
において崩壊し衝撃圧力を発生する。この加圧力によつ
て、構造材の引つ張り残留応力が圧縮側になるよう改質
される。キヤビテーシヨン気圧の崩壊は、高速水流が加
工物表面へ衝突することによつて促進されるが、この高
速水流自体の衝突による水圧作用も構造材の表面応力改
質に効果的である。
【0042】要するに、本発明は、水中の高速水噴流の
衝突圧力と、キヤビテーシヨン気泡崩壊時に発生する衝
撃圧の相乗作用をうまく利用しようとするものである。
【0043】
【実施例】本発明を具体化した水中ピーニング用のノズ
ルは、ノズル部において水流へ強制的に強い乱れを付与
することにより、ノズルから噴出した水中水噴流に連続
的に活発なキヤビテーシヨンを発生させようと言う意図
に基づいている。
【0044】(実施例−1)図1は、噴出孔内の水流に
対し、同軸に、速度の異なる水流を噴射混合させ、ノズ
ル内の水流に激しい乱れを作る同軸噴射ノズルの構造を
中心軸を通る断面図として示したものである。
【0045】ノズル本体101では、主流高圧水104
が主流水導管102を経て導かれ、主流水導管102よ
りは口径の小さな(Dj1)噴出孔103より水中の被
加工対象物へ向けて速度Uj1で噴射される。軸上注入
高圧水108は、その噴出孔出口を、噴出孔103内へ
長さl1 だけ挿入した位置とするように、軸上注入水流
導管106を経て軸上注入水流ノズル107(口径Dj
2)から速度Uj2で、噴出孔103内へ同軸に噴射さ
れる。噴出孔103の口径Dj1と軸上注入水流ノズル
107の口径Dj2との関係は、 Dj2=(1/3〜1/6)Dj1 …(1) である。
【0046】また、Uj1とUj2は等しくても良い
が、Uj2>Uj1とする方が効果があり、 Uj2=(1.5〜4.0)Uj1 …(2) となるように、両者の水流噴射圧力を設定する。
【0047】このように、噴出直前の噴出孔内の流れ
に、別の流れを混合させることは、見掛けのレイノルズ
数から予測されるよりも遙に激しい過渡的な乱れが発生
し、噴出後の噴流も内部から激しく乱れた状態となる。
【0048】従つて、水中水噴流では、十分に発達した
キヤビテーシヨンが連続的に安定に発生する。同軸の軸
上注入水108がない場合には、噴出孔103の入口に
近い縮流減圧部でキヤビテーシヨン気泡が発生するもの
の、噴出孔出口近くになると圧力が回復して気泡が消滅
してしまう場合がある。軸上注入水108は、このよう
なキヤビテーシヨン気泡を、消滅する前に強制的に押し
出してやる作用もある。105は中心軸である。
【0049】図2には、本実施例の水供給系統の概略を
示す。2台の水供給ユニツトである主流水供給ユニツト
110と軸上注入水供給ユニツト112から、それぞれ
の所定の噴射圧力で水を供給する。
【0050】本発明によれば、比較的低い噴射圧力でも
十分にピーニング効果を発揮するので、超高圧ポンプが
不要になり、噴射ユニツトが2台になつてもさほどコス
ト高にはならない。1台の噴射ユニツトとする場合は、
導管に圧力調整弁を設けて主流水と軸上注入水として分
岐する。
【0051】なお、図において、109は被加工対象
物、111は主流水遠隔導管、113は軸上注入水遠隔
導管、fは噴流である。
【0052】(実施例−2)この例は、高圧でノズルへ
導かれる水へ、高周波の振動を人為的に付与するノズル
である。
【0053】図5にノズルの構造を、また図7には水供
給の概略系統を示す。高圧水511は、ノズル本体50
1の上流側に開口する高圧水導管502から供給され、
径が収縮するノズル収縮部513を経て、噴出孔514
から被加工対象物509に向けて噴射される。高圧水導
管502の側面には、音波ホーン505が設けられてい
て、数KHz〜数百KHzの振動が高圧水に直接付与さ
れる。音波ホーンには、発振器508から増幅器(アン
プ)507を経て信号が与えられる。音波ホーンは発熱
するものの、最も温度の上昇しやすい部分が、水流によ
つて強制的に除熱されるので、ホーンを冷却してやる必
要はない。
【0054】理論的には、周波数だけ、水中の欠陥空孔
が励起されたり、あるいは不純物(溶存ガスやごみ、イ
オンなど)が同じように励起され、キヤビテーシヨン気
泡が発生する。このようにして発生した気泡の成長は、
その圧力波の伝播がトリガとなり、気泡核も連鎖的に一
斉に励起され、大量のキヤビテーシヨン気泡が発生する
ようになる。
【0055】なお図において、503は高圧水供給ユニ
ツト、504は高圧水遠隔導管、506はリード線、5
10は水、512はノズル中心軸、515は噴出孔拡大
部、516はシールリングである。
【0056】(実施例−3)この実施例は、実施例−1
に類するものである。図8と図10には、それぞれノズ
ル部の構造および高圧水の供給系統を示す。このノズル
は、ノズルの噴出孔内の水流に対し、その側壁面に開口
した別の噴出孔から水流を噴射混合させ、ノズル内の水
流に激しい乱れを作ることを意図したものである。
【0057】主流高圧水604は、ノズル本体601の
上流側に開通している主流水導管602から供給され、
長い(実施例−1に比べて)噴出孔603(口径Dj)
内へ速度Ujで噴出される。噴出孔603の側壁には、
θmの傾斜角度(合流角)で側方注入水噴出孔609が
開口(口径Dsj)しており、側方注入高圧水610が
流速Usjで、噴出孔603内の水流中へ噴出される。
【0058】噴出孔603の口径Djと側方注入水噴出
孔609の口径Dsjは、次の関係になるよう設定す
る。
【0059】 Dsj=(1/1.5〜1/4)Dj…(3) また、噴出流速UjとUsjに関しては、 Usj=(1.2〜3.0)Uj …(4) とする。
【0060】実施例−1に比べて、Ujに対するUsj
の倍率をやや小さめにしたのは、側方注入高圧水の噴出
方向が合流角θmだけ傾いているので、実施例−1の場
合よりも混合が速やかに行われるためである。実施例−
1と同等までUsj/Ujを大きくすると圧力損失が大
きくなり過ぎる。そのため、側方注入水供給ユニツト6
13のポンプ容量を大きくしなければならず、コスト高
になつてしまうきらいがある。なお、合流角θmは、 30°<θm<60° …(5) とするのが好ましい。
【0061】なお、図において605は中心軸、606
は側方注入水流導管、607は側方注入水収縮管、60
8は側方注入水軸、611は主流水供給ユニツト、61
2は主流水遠隔導管、613は側方注入水供給ユニツ
ト、614は側方注入水遠隔導管、615は被加工対象
物、616は水、gは噴流である。
【0062】(実施例−4)この実施例は、円形の噴出
孔をその出口において、急にその形状を変化させて割れ
状とし、そこから偏平形のキヤビテーシヨン噴射させる
ノズルである。図11、図12、図13にはそのノズル
構造を示す。また図14、図15は扇状水中水噴流を示
す図、図16は水の噴射供給系を示したものである。
【0063】高圧水907は、フアンノズル(水中水噴
流が偏平で扇のような形状になるので、このように呼
ぶ)本体901の上流側に開通する高圧水導管902か
ら供給され、径の縮小するノズル収縮部909で加速さ
れ、断面円形のノズル最細部910を通つて、クラツク
状ノズル開口部911から扇形のキヤビテーシヨン噴流
hとして、被加工対象物903へ向けて噴射される。
【0064】一般に、キヤビテーシヨンは、水中水噴流
の外周の剪断層の渦流部において、その渦が切つ掛けと
なつて発生しやすい。本実施例のように扇形の噴流構造
にすると、略円錐型の通常噴流に比べて、いわゆる噴流
の「外表面」が増大するため、剪断渦もより活発にな
り、キヤビテーシヨン気泡の発生も著しく増幅されるこ
とになる。また、外周でキヤビテーシヨンが発生する
と、噴流が偏平であるためキヤビテーシヨン発生による
乱れが噴流の内部まで伝播しやすく、結局水中水噴流全
体が激しいキヤビテーシヨン気泡で構成されるようにな
る。
【0065】このノズルは、比較的大きな鋼材を、一度
の噴流照射で表面応力改質したい場合に好適と言える。
【0066】なお図において、904は高圧水遠隔導
管、905は高圧水供給ユニツト、906は水、908
はノズル中心軸、912は扇状水中水噴流、913は渦
状キヤビテーシヨンの発生個所である。
【0067】次に各構成部分の相互関係について述べ
る。
【0068】(実施例−1)図3、図4に、軸上注入水
のない場合(α)と、設けた場合(β)の両条件におけ
る現象を模式的に示す。
【0069】軸上注入水がない場合には、水流の収縮す
る個所で急速に減圧され(a)、キヤビテーシヨン気泡
が発生する(b)。しかし、収縮水流が噴出孔103の
側壁面に再付着すると圧力が回復し、キヤビテーシヨン
気泡が消滅してしまう(c)。従つて(α)のような無
対策の構造の場合には、水噴流内部からの活発なキヤビ
テーシヨン気泡の生成は望めない。水中水噴流外周の剪
断層に生じる渦流に起因するキヤビテーシヨンのみにな
つてしまい、ピーニングの効率を上げることが難しい。
【0070】本発明の具体化例では、軸上注入高圧水1
08の作用によつて、キヤビテーシヨン気泡(b)を強
制的に水中水噴流中(d)へ噴き出すことになる
(e)。これによつて、内部からキヤビテーシヨン気泡
によつて激しく乱れた水中水噴流(f)が作り出され、
被加工対象物109の表面あるいはその近傍において、
おびただしい数の気泡が崩壊し(g)、これらの圧力波
の作用によつて鋼材表面に残留する引張り方向の応力が
圧縮側へと改質される。
【0071】(実施例−2)図6に、ノズル内における
現象を模式的に示す。音波ホーン505によつて付与さ
れた圧力波が液中を伝播し(500a)、気泡核を励起
する(500b)。それらの気泡核は、ノズル収縮部5
13あるいは噴出孔514内で減圧される過程で発生・
成長し(500c)、噴出孔514内は発達したキヤビ
テーシヨン流(500d)となる。従つて、噴出孔から
噴き出される水中水噴流は、安定したキヤビテーシヨン
噴流(500e)となるので、効率の良い鋼材表面のピ
ーニングが可能になる。
【0072】(実施例−3)図9は、ノズルにおける現
象を模式図として示したものである。2つの高圧水が斜
めに合流した個所において、一部に剥離を伴つて偏りの
ある合流混合部600aができる。噴出孔603内にお
けるこのような流れの偏りがトリガとなつて、水噴流は
内部から激しく乱されることになり、噴出後の水中水噴
流には、噴流内部の構造の乱れに起因するキヤビテーシ
ヨンが激しく生成するようになる。
【0073】一方、水中水噴流の外側の剪断部には、渦
流に起因する渦型のキヤビテーシヨンが生じる(600
b)。発生メカニズムの異なる2つのタイプのキヤビテ
ーシヨンの相乗効果によつて、安定したキヤビテーシヨ
ン噴流が実現し、これによつて高効率のピーニングが可
能になる。600cは噴流内部の構造上の乱れに起因す
るキヤビテーシヨンである。
【0074】(実施例−4)図14、図15に示すよう
に、扇形の水中水噴流912では、その表面において、
渦状キヤビテーシヨン913が、通常の略円錐型噴流よ
りも多く発生する。これは、「外表面」が増えるという
噴流の形状に起因するものである。渦状キヤビテーシヨ
ン913の発達は、噴流内部のキヤビテーシヨンの発達
も促すことになるが、偏平な噴流構造はこのような連鎖
的なキヤビテーシヨンの発達に好適である。本発明に係
る偏平状噴流のキヤビテーシヨンは十分に発達したもの
となるので、ピーニングの効率も高めることができる。
【0075】図17は、管材の内壁面に残留する引張り
方向の応力を圧縮方向へ改質できた実証テスト結果の一
例である。図50に示すような従来型のノズルでも、残
留応力をある程度まで改質できるものの、本発明を具体
化した同軸水混合型ノズル(図1)を用いれば、かなり
のレベルまで圧縮側へ応力改質できたことが分かる。本
発明に係る水中水噴流のキヤビテーシヨン促進法は、い
ずれも比較的低圧力・低噴射流速で所定のピーニング効
果を生み出させるものである。従つて、水噴射ポンプの
低容量化が実現する。また、配管等に対する特別な配慮
が不要になるなど、見方を変えればピーニングの低コス
ト化も達成することになる。
【0076】水中の高速ジエツトを利用する本発明の応
用は、実施例で説明した原子炉圧力容器鋼材に限らな
い。一般に、表面応力改質にあたつては、熱を加えな
い、つまり金属組織の変態を伴わない常温の処理の方が
格段に好ましい。この点からも本発明は有利であり、ボ
イラ(火力)の耐圧部材等の表面応力改質へも応用する
ことができる。また水中における作業であることを考え
れば、海水中における海洋構造物や船舶へも適用するこ
とができる。
【0077】海水面下にある船舶の底部には、貝、藻そ
の他小型の生物が付着し、走行に対してかなりの流動抵
抗になるが、本発明では、これらの付着物を海水中にお
いて除去することを可能にする。このように付着生物の
除去が海水中において可能になれば、(1)船をドツク
へ入れ、(2)ドツクから海水を汲み出し、(3)付着
物の混じる廃水を廃棄し、さらに、(4)ドツクへ再び
海水を入れる。
【0078】と言つた一連の操作が一切省略されること
になり、船舶の保全がより経済的に行われるようにな
る。付着物を除くために用いられる特殊な塗料の使用量
も削減されれば、海洋環境保護の観点からは好ましい。
【0079】(実施例−5)図18に、実施例−5に係
るノズルの構造を、中心軸8を通る縦方向断面図として
示す。高圧供給水2が供給される高圧水供給流路3と径
を収縮して高圧供給水2を減圧、加速する収縮部9、お
よび水中へ水を噴射する噴出孔5が中心軸8に沿つて連
結開口するノズル本体1と、ノズル本体1から周囲水中
へ突き出すようにして設けられたスリーブ状の噴出孔外
周リング7と、上記ノズル本体1と噴出孔外周リング7
とを接続するロツクナツト6の3つの部品により構成さ
れている。
【0080】噴出孔5の内壁には、断面が矩形で円環状
溝型の気液供給部即ちキヤビテータである溝型キヤビテ
イ4が1本刻設されている。このキヤビテータからは、
詳しくは後述するが、キヤビテーシヨン気泡が安定に供
給される。溝型キヤビテイ4の溝底直径dcは、噴出孔
5の直径dnに対して、 dC =(1.2〜1.6)dn …(6) の関係が成り立つ範囲で寸法設定される。また、溝型キ
ヤビテイ4の幅lC と噴出孔5の長さln は、次のよう
な範囲の関係となるよう設定される。
【0081】 lC =(0.15〜0.40)ln …(7) 以上のようなキヤビテータの寸法がキヤビテーシヨン気
泡の安定供給に対して好適である。キヤビテータが大き
すぎると大気泡離脱後に気泡が消滅してしまうし、キヤ
ビテータが小さすぎると気泡が離脱しない。一方、噴出
孔外周リング7は、水中へ噴出した水流と周囲水との間
に激しい渦流を作り出し、キヤビテーシヨンを増幅させ
る役割がある。この噴出孔外周リング7の内径dR は、
噴出孔5の直径の2〜4倍となるように設計する。
【0082】即ち、 dR =(2〜4)dn …(8) 噴出孔外周リング7の長さlR は、次式のように噴出孔
の長さよりやや大きめにする。
【0083】 lR =(1.2〜2.5)ln …(9) (実施例−6)図19は、実施例−6に係る水中ノズル
の構造を中心軸28を通る縦方向断面図として示したも
のである。この水中ノズルの構成は、基本的には実施例
−5と同様である。ノズル本体21、噴出孔25の開口
するセラミツクス部材30、セラミツクス部材30を装
着する役割もある噴出孔外周リング27およびノズル本
体21と噴出孔外周リング27を接続するロツクナツト
26より構成される。キヤビテータを刻設した部材にセ
ラミツクスを用いるのは、損耗を極力抑えるためであ
る。
【0084】噴出孔25の内壁には、下流へ行くに従い
溝底直径と幅が順次大きくなる3本の溝型キヤビテイ
(キヤビテータ)24−1〜24−3が刻設されてい
る。これらのキヤビテータ列からは、キヤビテーシヨン
気泡が連続的に供給される。この実施例に係るノズル
は、実施例−5と比べて、水温や空気溶存量などキヤビ
テーシヨンが発生しにくい水中環境に向いている。22
は高圧供給水、23は高圧水供給流路、29は収縮部で
ある。
【0085】溝型キヤビテイ24−1〜24−3のそれ
ぞれの溝底直径dC 1 ,dC 2 およびdC 3 は、 dC 1 <dC 2 <dC 3 …(10) の関係があり、噴出孔25の直径dn に対して dC 1 =(1.1〜1.4)dn …(11) dC 2 =(1.2〜1.6)dn …(11) dC 3 =(1.4〜1.8)dn …(11) の寸法範囲になるよう決定される。また、溝型キヤビテ
イ24−1〜3の幅lC1 ,lC 2 およびlC 3 には、 lC 1 <lC 2 <lC 3 …(12) の大きさの順序がある。これらは、噴出孔25の長さl
n に対して、 lC 1 =(0.07〜0.25)ln …(13) lC 2 =(0.15〜0.40)ln …(13) lC 3 =(0.25〜0.45)ln …(13) の関係がある。噴出孔外周リング27の内径dR は、実
施例−5と同様に、次式のように噴出孔25の直径の2
〜4倍となるよう設定する。
【0086】dR =(2〜4)dn …(14) また、噴出孔外周リング27の長さは、多少の違いはあ
つても良いが、噴出孔25の長さよりも大きめにする。
即ち、 lR =(1.2〜2.5)ln …(15) (実施例−7)図20と図21には、噴出孔35の出口
に、キヤビテーシヨン発生ブレード34を設けた水中ノ
ズルの構造を示す。ノズル本体31の構造は、基本的に
図18に示した実施例のそれと同じである。図25にも
示したが、このキヤビテーシヨン発生ブレード34には
その裏側面に付着型キヤビテーシヨンを安定に発生させ
る役割があり、ここから水中水噴流中にスラグ状(後に
細かな気泡群に分散する)のキヤビテーシヨン気泡が安
定に供給させる。
【0087】なお、図において、32は高圧供給水、3
3は高圧水供給流路、36は中心軸、37は収縮部であ
る。
【0088】図22に、図18に構造を示した水中ノズ
ルにおけるキヤビテーシヨンの生成・成長に関するメカ
ニズムを模式的に示す。溝型キヤビテイ4内には、気泡
核となる気体が常にキヤビテイにトラツプされている気
泡4aとして存在している。水中の溶存気体がこの気泡
中に拡散し、図中に4bとして示すように気泡は成長
し、溝型キヤビテイ4から離脱する(キヤビテーシヨン
の破断)。
【0089】気泡は、噴出孔5から噴出した直後に、噴
出孔外周リング7の内壁近くに生じる渦流へ巻き込まれ
(4c)、この強い渦流の剪断作用により微細化する
(4d)。強い剪断作用は水中で不安定な状態にある気
泡核を刺激するため、この個所では連鎖的にキヤビテー
シヨンが著しく発達する。このようにして増幅した高数
密度で細かな気泡群は、噴出孔外周リング7から周囲水
中へ噴出し(4e)、噴流に生じる周囲水の巻き込み
(4f)の流れに乗つて、キヤビテーシヨン噴流内全体
へ分散(拡散)する(4h)。
【0090】水中水噴流の外周においては、剪断渦層由
来のキヤビテーシヨン気泡4gが生成するが、この気泡
も、キヤビテータやリング内で生成した気泡と同様にキ
ヤビテーシヨン噴流内全体へ分散する(4h)。以上の
ような作用により、ピーニングに好適な発達したキヤビ
テーシヨン噴流が作り出される。
【0091】図23は、溝型キヤビテイ4内における気
泡の挙動を、時間に対する変化〔(a) →(e)→
(a)へ戻る〕として描いたものである。まず、5aの
ようにキヤビテイにトラツプされている気泡がある。こ
の気泡へは、水流2内の溶存気体が拡散するため次第に
成長する(5b)。水流2の剪断作用により気泡は大き
く変形し(5c)、界面張力よりも水流2による慣性力
が勝るようになると破断し、気泡は溝型キヤビテイ4か
ら離脱する(5d)。しかし、溝型キヤビテイ4内には
気体の一部が付着したまま残り、新しい核となる。この
ようなサイクルによつて、溝型キヤビテイ4はキヤビテ
ータとして連続的に気泡を供給する。溝型キヤビテイ4
が大きすぎると、キヤビテイから気体が全部持ち去られ
てしまう。一方、溝型キヤビテイ4が小さすぎると、ト
ラツプされた気泡は界面張力が著しく支配的になり成長
することがない。従つて、この溝型キヤビテイ4は適切
な範囲の大きさ以外は、キヤビテータとしては「失格」
である。
【0092】図24は、実施例−6に係る水中ノズル内
における気泡と水流の挙動を模式的に示したものであ
る。キヤビテータである溝型キヤビテイ24−1〜3か
らは、いずれもキヤビテーシヨン気泡が生成するが、そ
れらは次々と合体を繰り返し(6e)、噴出孔25の出
口では、大きなスラグ状気泡6fが生じる。このスラグ
状の気泡6fは、噴流による剪断作用により変形する
(6g)。噴出孔外周リング27の内側には強い渦流が
あり、スラグ状の気泡6fは渦流内で小さな気泡群へ分
裂する(6h)。同時に渦による作用により、水中の気
泡核が励起され、キヤビテーシヨン気泡が連鎖的に発生
する。
【0093】前述したのと同様の作用により、キヤビテ
ーシヨン気泡は噴流内へ分散(拡散)し(6i)、発達
したキヤビテーシヨン噴流6jが実現する。6a〜6c
はキヤビテイにトラツプされている気泡、6dは気泡の
離脱である。
【0094】図25には、キヤビテータとしてブレード
を用いた実施例−7におけるキヤビテーシヨン現象を示
す。キヤビテーシヨン発生ブレード34の裏側には、渦
流7aによる圧力急変場が生じ、付着型(白色に見え
て、「雲」のような状態で同一個所に安定に止まつてい
るかのような印象を与えるのでこのように呼ばれる)キ
ヤビテーシヨンが発生する(7b)。このキヤビテーシ
ヨンからは、ほぼ連続的にキヤビテーシヨンの破断が生
じ、細かな気泡群あるいはスラグ状の気泡がブレード3
4から離脱する(7c)。分裂したキヤビテーシヨン気
泡は、キヤビテーシヨン噴流38内へ分散(拡散)し
(7d)、水流7eと混合しながら発達したキヤビテー
シヨン噴流38を作り出していく。
【0095】図26は、配管における残留応力の改質効
果を調べた実験結果である。従来式ノズルを用いた場合
(Y)でも、引張り方向成分がほぼなくなるまでの表面
応力改質効果が得られるものの、引張り方向の応力が圧
縮側まで変化するほどの十分な改質効果は得られていな
い。
【0096】これに対し、本発明を具体化したノズルを
用いると、残留応力が圧縮側へと大幅に改質される効果
のあることが分かる(Z)。従来式ノズルでは、キヤビ
テーシヨンの発達が不十分であるのに対し、本発明に係
るノズルでは、発達したキヤビテーシヨン噴流内におけ
る気泡の崩壊圧力が強力であつたために、著しい応力改
質効果が得られたものと考えられる。Xは未処理を示
す。
【0097】(実施例−8)図27、図28はその図面
である。
【0098】水供給管平行部中心軸52と噴出孔中心軸
54の両中心軸に、ねじれがなく平行状態のままオフセ
ツト(軸ずれ)εを与えている。この実施例では、 Di:導管平行部直径 Dj:噴出孔直径 Lc:収縮部の長さ Lj:噴出孔の長さ ε:中心軸のオフセツト距離 の間に、ノズルとしての好適条件として次のような関係
がある。この範囲外では、キヤビテーシヨンの発生が衰
えたり、圧力損失が増大したり、もしくは噴射圧力を安
定化しにくいという問題が生じる。
【0099】 ε=(0.05〜0.15)Lc …(16−1) Dj=(0.03〜0.15)Di …(16−2) Lc=(2〜5)Di …(16−3) Lj=(0.8〜2)Dj …(16−4) なお、図において、50は水噴射ノズル本体、51は水
供給導管平行部、53は高圧供給水、55は噴出孔中心
軸、56は導管収縮部である。
【0100】(実施例−9)図29、図30にその構成
を示す。
【0101】基本的には、図27、図28の例と同じで
あるが、水供給導管平行部中心軸60と噴出孔中心軸6
5のオフセツト距離を大きめに設定してある。図27、
図28の例に比べて圧力損失が大きく噴射系統はやや不
経済になるが、キヤビテーシヨンはかなり活発に発生す
るようになり、表面応力改質の効果は大きい。ノズルの
各部寸法は、以下のような関係が性能発揮の上で好適で
ある。
【0102】 ε=(0.30〜0.45)Lc …(17−1) Dj=(0.03〜0.15)Di…(17−2) Lc=(2〜5)Dj …(17−3) Lj=(0.8〜2)Dj …(17−4) なお、図において、61は水供給導管平行部、62は水
供給導管平行部中心軸、63は高圧供給水、64は噴出
孔、66は導管収縮部、67は被加工対象物、68は水
である。
【0103】(実施例−10)図31、図32に構成を
示す。
【0104】この実施例のノズルでも、水供給導管平行
部中心軸72と噴出孔74の中心軸75には、εだけの
オフセツト(軸ずれ)を設ける。ただし、実施例−8,
9とは異なり、導管収縮部76は軸対称に形成されてい
る。従つて、導管収縮部76と噴出孔74は不連続に接
続することになる。図では、左側の接続部に段差がある
ように見えるが、この部分で最も急激に収縮が生じて、
キヤビテーシヨン気泡が活発に生成する。このノズルの
形状は次のように表せる。
【0105】 ε=(0.005〜0.03)Lc…(18−1) Dj=(0.03〜0.15)Di…(18−2) Lc=(2〜5)Di …(18−3) Lj=(0.8〜2)Dj …(18−4) なお、図において、70は水噴射ノズル本体、71は水
供給導管平行部、73は高圧供給水である。
【0106】(実施例−11)図33、図34に構成を
示す。
【0107】このノズルでは、従来のノズル(図47)
に対して、噴出孔84のみが、水供給導管平行部中心軸
82に対し角度θj(噴出孔傾斜角度)のみ傾斜してい
る。導管収縮部86において減圧された水は、この傾斜
噴出孔84で急に流れの方向を変えられるために、その
ために生じる乱れで液体内部にある無数の気泡核が励起
され、キヤビテーシヨンが著しく促進される。このノズ
ルでは、ノズル本体軸より角度θjだけ傾斜して噴流が
噴射される。このノズルの構造は以下の通りである。
【0108】 ε=(0.005〜0.03)Lc…(19−1) Dj=(0.03〜0.15)Di…(19−2) Lc=(2〜5)Di …(19 −3) Lj=(0.8〜2)Dj …(19−4) θj≦1.8θc …(19−5) ここにθc:導管収縮部86のひろがり角度なお、図に
おいて、80は水噴射ノズル本体、81は水供給導管平
行部、83は高圧供給水、85は噴出孔中心軸である。
【0109】(実施例−12)図35、図36に構成を
示す。
【0110】この実施例のノズルでは、導管収縮部96
が、ノズル本体の軸に相当する水供給導管平行部中心軸
92に対して角度θjだけ傾斜し、導管収縮部96の中
心軸が噴出孔94の中心軸95と同一になつている。実
施例−11のノズルよりも、遙にはつきりとノズル本体
の軸から傾いて(角度θj)噴流が噴出する。このノズ
ルの構造は以下の通りである。
【0111】 ε=(0.30〜0.45)Lc …(20−1) Dj=(0.03〜0.15)Di…(20−2) Lc=(2〜5)Dj …(20−3) Lj=(0.8〜2)Dj …(20−4) θj≦0.9θc′ …(20−5) ここにθc′は傾斜導管収縮部の両振り角度である。な
お、図において、90は水噴射ノズル本体、91は水供
給導管平行部、93は高圧供給水である。
【0112】(実施例−13)図37、図38に構成を
示す。
【0113】このノズルは、図27、図28に構造を示
したノズルにおいて、噴出孔出口を噴出方向へ対し僅か
に径を拡大させた、つまり座ぐりを施したものである。
噴出孔205の口径Djに対し、噴出孔出口拡大部20
8の最大径Ddは、以下の(21−5)式のような関係
で設定するのが望ましい。このように噴出孔出口を座ぐ
つた理由は、噴出孔出口でキヤビテーシヨンが生じて、
そのまま長時間使用すると、出口が壊食してただれるよ
うに噴出孔が変形するからである。噴出孔出口の形状
は、キヤビテーシヨンの発生状態に対して無視し得ない
程度に悪影響を及ぼす。
【0114】 ε=(0.05〜0.15)Lc …(21−1) Dj=(0.03〜0.15)Di…(21−2) Lc=(2〜5)Di …(21−3) Lj=(0.8〜2)Dj …(21−4) Dd≦(1.6〜3)Dj …(21−5) なお、図において、201は水噴射ノズル本体、203
は水供給導管平行部中心軸、204は高圧供給水、20
5は噴出孔、206は噴出孔中心軸、207は導管収縮
部である。
【0115】図40のノズルは、図37、図38に示し
た単孔ノズルをそのまま多孔化したものである。このよ
うな大容量のノズルは、大面積の部分をピーニングする
のに適している。もちろん、噴射ポンプも相応の大容量
タイプが必要になる。
【0116】なお、図40において、301は水噴射ノ
ズル本体、302は水供給導管平行部、303は水供給
導管平行部中心軸、304は高圧供給水、305は噴出
孔、306は噴出孔中心軸、307は導管収縮部、30
8は噴出孔出口拡大部、309は水噴射ガン、310は
キヤツプナツト、311は水噴射ガン中心軸、312は
水噴射ガン給水管である。
【0117】図41には、噴射系統の概略を示す。高圧
水供給装置から送り出された高圧水327は、高圧水導
管322によつてノズル本体321に導かれ、被加工対
象物324へ照射される。
【0118】なお、図において、323は高圧水供給装
置、325はキヤビテーシヨン噴流、326は水環境で
ある。
【0119】次にその作用を述べる。
【0120】ここでは、図29、図30に構造を示した
実施例のノズルを例として取り上げ、現象とそれによる
ピーニング効果について述べる。
【0121】図39は、ノズル内の流れの状態を模式的
に描いたものである。この例では、水供給導管平行部中
心軸62と噴出孔64の中心軸65にεだけのオフセツ
ト(軸ずれ)があるため、導管収縮部66の半径方向
(図39では左右側)で流速に大きな偏りができる。噴
出孔64内では、導管収縮部66で流れ方向の変化の激
しい側(図では左側)で、急激な縮流が生じて流れが噴
出孔64の内壁から剥離し(2a)、減圧によつて細か
な気泡(キヤビテーシヨン)が発生する(2b)。
【0122】噴出孔64内では、一部で激しい縮流が生
じ、一方ではそれが発生せず(図では右側)、このよう
な減圧を伴う著しい噴流の作用によつて、水中68に噴
き出した水噴流には、活発なキヤビテーシヨンが連続し
て発生する。結局、この実施例のノズルから水中へ噴射
される水噴流は、発達したキヤビテーシヨンを伴う水中
水噴流(2c)となる。
【0123】無対策の従来式ノズル(図47)を用いた
水中水噴流のキヤビテーシヨンは、間欠的で不安定であ
り、しかも大きな流速(即ち高い噴射圧力)を必要とす
るきらいがあつた。この実施例では、噴出孔64におけ
る初速が10m/s未満であつても、激しい連続キヤビ
テーシヨン水噴流が得られる。水中水噴流で発生した無
数のキヤビテーシヨン気泡は、被加工対象物67である
固体面上あるいはそのごく近傍において衝突が切つ掛け
となり、連鎖的に崩壊(圧壊)し(2d)、衝撃圧力を
発生する。この作用によつて、金属材料の表面における
引張り方向の残留応力が除去され、圧縮側へと改質され
る。
【0124】実施例−8,10〜13でも、上記した動
作と類似の作用によつて活発なキヤビテーシヨン噴流が
発生する。これらのノズルの性能を比較すると、一般的
な傾向として、急激な縮流を作り出してキヤビテーシヨ
ンを活性化できるノズルほど圧力損失が大きい。即ち、
より高い噴射圧力が必要になる。
【0125】図42には、残留応力除去を実証できた施
工試験例を示す。口径12インチの配管部における測定
結果である。無対策の従来型ノズルでも、引つ張り応力
=0のレベルまで改質することが可能であるが、本発明
に係るノズルでは圧縮側まで十分に応力改質がなされて
いることが分かる。従来型ノズルの使用時に比べて、本
発明に係るノズルを用いた場合は、照射時間も約40%
まで短縮することができた。
【0126】(実施例−14)図43は、水中水噴流用
ノズルの構造を、中心軸を通る断面図として示したもの
である。高圧水342は、ノズル本体341の上流側に
水供給部として開口する高圧水導管344を通して供給
され、ノズル収縮部346において、減圧・加速され、
ノズル噴出孔347から周囲環境水350中へ噴射され
る。ノズル噴出孔の出口には、僅かにノズル出口座ぐり
部348が刻設してある。ノズル噴出孔347の出口側
に連通するように、他端がノズル本体341の外表面に
開口する吸い込み水細管349が複数本(この実施例で
は3本)開口している。
【0127】ノズル噴出孔347における高速水流の加
速作用により、雰囲気水350が吸い込み水343とし
て吸い込み水細管349内に吸引されて、ノズル噴出孔
347の出口近傍においてポンプから供給される高圧水
342と合流混合する。吸い込み時の圧力損失を軽減す
るために、吸い込み水細管349の入口部の口径は、入
口部に近づくほど拡大する構造となつている。345は
ノズル中心軸である。図44は、水中水噴流用ノズルの
中心軸345に直角の断面図として、吸い込み水細管の
開口−連続状態を示す実施例である。即ち、吸い込み水
細管(直交型)349aとノズル噴出孔347とを、そ
れらの中心軸がこの断面図上では直交するように接続さ
せたノズルである。
【0128】図45は、実施例−14のノズルにおける
キヤビテーシヨン噴流による衝突圧力分布特性図であ
る。
【0129】本発明を具体化したノズルでは、噴流中心
軸上で衝突圧力が最大であり、上記した説明の通りに、
キヤビテーシヨン噴流の全域に渡り、キヤビテーシヨン
が活発に生成したことが確認された。また、従来式ノズ
ル使用時に比べると、衝突圧力の拡がりもかなり広く、
キヤビテーシヨンによるピーニング域がかなり拡大し、
効率良いピーニングが期待できる特性と言える。
【0130】図46は、配管における残留応力の改質効
果を調べた実験結果である。従来式ノズルを用いた場合
でも、引張り方向の残留応力がなくなるまでの表面応力
改質が得られるものの、引張り方向の応力が圧縮側まで
変化するほどの十分な改質効果は得られていない。
【0131】これに対し本発明を具体化したノズルを用
いると、残留応力が圧縮側へと大幅に改質される効果の
あることが分かる。従来式ノズルでは、キヤビテーシヨ
ンの発達が不十分であるのに対し、本発明に係るノズル
では、発達したキヤビテーシヨン噴流内における気泡の
崩壊圧力が強力であつたため、著しい応力改質効果が得
られたものと考えられる。
【0132】本発明に係るノズルを、浅い水中において
ピーニング施工に使用する場合、吸い込み水細管349
から、水面を通して外気を吸い込んでしまう場合があ
る。この時は、大量の気泡がノズル噴出孔347に充満
し、ノズル噴出孔347を閉塞に至らせしめる危険があ
るので注意を要する。
【0133】
【発明の効果】本発明を実施したことによる効果は次の
ようにまとめられる。
【0134】(1)水中構造物の表面応力状態を効率よ
く改質することができる。
【0135】(2)ブラストビーズを用いないため、そ
れらを回収あるいは廃棄したりする手間が省ける。結果
的に経済的な操作となる。
【0136】(3)水中でピーニングを行うため、ピー
ニング部の温度が局所的に上昇することがなく、対象構
造物の温度を低く抑え、しかもより均等にすることがで
きる。 (4)水中でのピーニングのため、騒音を防止できる。
【0137】(5)(4)と同様に水中でのピーニング
のため、飛沫(飛び散る水滴)の始末に苦慮することが
なくなる。
【0138】(6)水中水噴流に発生するキヤビテーシ
ヨンを有効に利用するため、比較的低圧力で所定の効果
を上げることができる。超高圧水供給系(ポンプ、配
管、バルブ等)が不要となり、設備費(イニシヤルコス
ト)および運用費(ランニングコスト)を抑えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノズルの縦断面図である。
【図2】水供給系統の概略図である。
【図3】軸上注入水のない場合の現象を示す模式図であ
る。
【図4】軸上注入水のある場合の現象を示す模式図であ
る。
【図5】ノズルの縦断面図である。
【図6】ノズル内における現象を模式的に示す図であ
る。
【図7】水供給系統の概略図である。
【図8】ノズルの縦断面図である。
【図9】ノズル内における現象を模式的に示す図であ
る。
【図10】水供給系統の概略図である。
【図11】ノズルの縦断面図である。
【図12】図11のノズルの他の方向からの縦断面図で
ある。
【図13】図11のノズルの平面図である。
【図14】扇状水中水噴流を中心とした斜視図である。
【図15】図14のC−C方向視図である。
【図16】水の噴射供給系を示す図である。
【図17】実証テスト結果の一例を示す図である。
【図18】ノズルの縦断面図である。
【図19】ノズルの縦断面図である。
【図20】ノズルの縦断面図である。
【図21】図20のノズルのA−A′方向視図である。
【図22】図18のノズルにおけるキヤビテーシヨンの
生成・成長に関するメカニズムを模式的に示す図であ
る。
【図23】溝型キヤビテイ内における気泡の挙動を時間
に対する変化として描いた図である。
【図24】ノズル内における気泡と水流の挙動を模式的
に示す図である。
【図25】キヤビテーシヨン現象を模式的に示す図であ
る。
【図26】配管における残留応力の改質効果を調べた実
験結果を示す図である。
【図27】ノズルの縦断面図である。
【図28】図27のノズルの平面図である。
【図29】ノズルの縦断面図である。
【図30】図29のノズルの平面図である。
【図31】ノズルの縦断面図である。
【図32】図31のノズルの平面図である。
【図33】ノズルの縦断面図である。
【図34】図33のノズルの平面図である。
【図35】ノズルの縦断面図である。
【図36】図35のノズルの平面図である。
【図37】ノズルの縦断面図である。
【図38】図37のノズルの平面図である。
【図39】ノズル内の流れの状態を模式的に示す図であ
る。
【図40】ノズルの縦断面図である。
【図41】噴射系統の概略図である。
【図42】残留応力除去を実証できた施工試験例を示す
図である。
【図43】ノズルの縦断面図である。
【図44】図43のA−A線視図である。
【図45】キヤビテーシヨン噴流による衝突圧力分布特
性図である。
【図46】配管における残留応力の改質効果を調べた実
験結果を示す図である。
【図47】従来例のノズルの噴射の様子を示す図であ
る。
【図48】従来例のノズルの噴射の様子を示す図であ
る。
【図49】圧力減衰特性図である。
【図50】従来例に係るノズルの縦断面図である。
【図51】従来例の付着汚染物除去構造を示す図であ
る。
【図52】従来例に係るノズルの縦断面図である。
【図53】従来例に係るノズルの縦断面図である。
【図54】従来例に係るノズルの縦断面図である。
【図55】従来例の問題点を模式的に示す図である。
【図56】従来例の問題点を模式的に示す図である。
【図57】従来例の問題点を模式的に示す図である。
【図58】従来例に係るノズルの縦断面図である。
【符号の説明】
101 ノズル本体 102 主流水導管 103 噴出孔 105 中心軸 106 軸上注入水流動管 107 軸上注入水流ノズル 108 軸上注入高圧水 109 被加工対象物 110 主流水供給ユニツト 111 主流水遠隔導管 112 軸上注入水供給ユニツト 113 軸上注入水遠隔導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 敬三 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 黒沢 孝一 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中において水を噴射衝突させることに
    より加工対象物の表面応力状態を改善するキヤビテーシ
    ヨン噴流用ノズルにおいて、噴出開口部から噴出される
    水流に対して、その噴射直前に強制的な乱れを生じる手
    段を設けたことを特徴とするキヤビテーシヨン噴流用ノ
    ズル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、前記噴出開口部
    の上流側加圧部で、別系統から供給された水を合流させ
    ることを特徴とするキヤビテーシヨン噴流用ノズル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載において、前記噴出開口部
    の上流側加圧部に高周波振動を付与することを特徴とす
    るキヤビテーシヨン噴流用ノズル。
  4. 【請求項4】 請求項1記載において、前記噴出開口部
    の形状を偏平にしたことを特徴とするキヤビテーシヨン
    噴流用ノズル。
  5. 【請求項5】 請求項1記載において、前記噴出開口部
    の内面に凹部を形成したことを特徴とするキヤビテーシ
    ヨン噴流用ノズル。
  6. 【請求項6】 請求項5記載において、前記凹部が環状
    溝であることを特徴とするキヤビテーシヨン噴流用ノズ
    ル。
  7. 【請求項7】 請求項1記載において、前記噴出開口部
    の中心軸に対して上流側高圧液供給導管部の中心軸とを
    ずらせたことを特徴とするキヤビテーシヨン噴流用ノズ
    ル。
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