JP2007191755A - 金属材の疲労強度向上方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスキング処理無しで、かつ、軟窒化処理した金属材の所望の表面に形成された化合物層を破壊、剥離することなく、金属材の表面に圧縮残留応力を導入できる金属材の疲労強度向上方法を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る金属材の疲労強度向上方法は、耐摩耗性と疲労強度が共に要求される金属材11に軟窒化処理を施して金属材11の表面に硬い化合物層を形成し、その化合物層にキャビテーション・ショットレス・ピーニング処理を施し、化合物層を破壊、剥離させることなく、金属表面に圧縮残留応力を導入するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐摩耗性と疲労強度が共に要求される金属材の疲労強度向上方法に係り、特に、フィレットR部を有するクランクシャフトの疲労強度向上方法に関するものである。
ディーゼルエンジンの高出力化に伴い、自動車部品においてはなお一層の疲労強度の向上が必要となってきている。例えば、ディーゼルエンジンのクランクシャフトでは、筒内圧の上昇によりフィレットR部により大きな負荷がかかるようになってきている。ピストンの往復運動を回転運動に変えるクランクシャフトには、筒内圧による曲げとトルク伝達によるねじりの双方の負荷が入力される。このため、摺動部の耐摩耗性に加えて、高い曲げとねじり疲労強度が要求される。
曲げ疲労における最弱部は応力集中部のフィレットR部、ねじり疲労における最弱部は油孔である。クランクシャフトの疲労強度を向上させる主な表面硬化法として、高周波焼入れ法や軟窒化法等がある。フィレットR部に、高い硬さと大きな圧縮残留応力を導入できる高周波焼入れクランクシャフトは、軟窒化クランクシャフトより曲げ疲労強度が高いが、ねじり疲労は細い油孔も含めた全体硬化ができる軟窒化クランクシャフトの方が高く、それぞれ得失がある。
クランクシャフトは複雑な形状をしており、かつ高い寸法精度が要求される。この点、フェライト領域の低温で処理される軟窒化法は、熱処理ひずみが極めて少なく、規則的であり、クランクシャフト以外にギアにも採用されている。例えば、軟窒化クランクシャフトは、母材表面に、硬く、脆い化合物層が形成されている。この化合物層を形成する目的は、ピン部及びジャーナル部の耐摩耗性向上のためである。
クランクシャフトの疲労強度を向上させるために、単純にクランクシャフトの径を大きくすることは重量増を招いてしまい、燃費を悪化させることから、環境問題の点などからも好ましくない。そこで、一般的には、疲労強度(曲げ疲労強度)向上のためにショットピーニングが多用されている。このショットピーニングにより、被処理材の表面に圧縮残留応力を付与し、疲労強度を向上させている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平08−134700号公報 特開昭63−093821号公報
しかしながら、軟窒化クランクシャフトにショットピーニング処理を施した場合、前述した化合物層が破壊され、剥離してしまう。フィレットR部は摺動部ではないため、化合物層は剥離してもよいが、ピン部及びジャーナル部は摺動部であるため、化合物層は必要である。このため、ピン部及びジャーナル部については、マスキング処理を施す必要がある。
このマスキング処理は、クランクシャフトにおける全てのピン部及びジャーナル部に対して施す必要があることから、工数の増加を招いてしまい、量産性に難があった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、マスキング処理無しで、かつ、軟窒化処理した金属材の表面に形成された化合物層を破壊、剥離することなく、金属材の所望の表面に圧縮残留応力を導入できる金属材の疲労強度向上方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく請求項1に係る発明は、耐摩耗性と疲労強度が共に要求される金属材の疲労強度を向上させる方法において、上記金属材に軟窒化処理を施して金属材表面に硬い化合物層を形成した後、その化合物層にキャビテーション・ショットレス・ピーニング(以下、CSPという)処理を施し、化合物層を破壊、剥離させることなく、金属表面に圧縮残留応力を導入することを特徴とする金属材の疲労強度向上方法である。
請求項2に係る発明は、疲労強度が要求される応力集中部の上記化合物層にCSP処理を施す請求項1記載の金属材の疲労強度向上方法である。
請求項3に係る発明は、上記CSP処理のアークハイトが0.06mmN以上である請求項1又は2記載の金属材の疲労強度向上方法である。
請求項4に係る発明は、上記金属材の被CSP処理面に二重管構造のノズルを近接して設けると共に、そのノズルの内層側を高圧ノズル、外層側を低圧ノズルとし、金属材の被CSP処理面に上記ノズル先端から高圧及び低圧のキャビテーション噴流を噴射し、上記化合物層にCSP処理を行う請求項1から3いずれかに記載の金属材の疲労強度向上方法である。
請求項5に係る発明は、上記被CSP処理面に対して、上記両ノズルの先端位置をオフセット配置し、上記高圧ノズルの先端位置を上記低圧ノズルの先端位置よりも被CSP処理面から離して設ける請求項4記載の金属材の疲労強度向上方法である。
請求項6に係る発明は、上記高圧ノズルのノズル径を0.8mm、上記低圧ノズルのノズル径を13mmとし、高圧ノズルから30MPaの圧力で、低圧ノズルから0.3MPaの圧力でキャビテーション噴流をそれぞれ気中噴射する請求項4又は5記載の金属材の疲労強度向上方法である。
請求項7に係る発明は、上記オフセット量が8〜12mmである請求項4から6いずれかに記載の金属材の疲労強度向上方法である。
請求項8に係る発明は、上記低圧ノズルと上記被CSP処理面とのクリアランスが0.5〜2.5mmである請求項4から7いずれかに記載の金属材の疲労強度向上方法である。
請求項9に係る発明は、上記ノズルからのキャビテーション噴流による上記被CSP処理面の所定箇所の処理時間が5〜15秒である請求項4から8いずれかに記載の金属材の疲労強度向上方法である。
一方、請求項10に係る発明は、金属材表面に軟窒化処理による硬い化合物層を形成し、その化合物層にCSP処理を施して金属表面に圧縮残留応力を導入してなることを特徴とする金属製品である。
請求項11に係る発明は、上記金属製品が、耐摩耗性が要求される摺動部と、その摺動部に近接した部分に曲げや捩り等の応力が集中する応力集中部とを有し、その応力集中部に上記CSP処理を施してなる請求項10記載の金属製品である。
請求項12に係る発明は、上記金属製品がクランクシャフトであり、上記摺動部がピン部及びジャーナル部、上記応力集中部がフィレットR部である請求項10又は11記載の金属製品である。
本発明によれば、軟窒化処理された金属材の所望の表面に、化合物層を破壊、剥離することなく、圧縮残留応力を導入することができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
先ず、耐摩耗性と疲労強度が共に要求される金属材、例えばクランクシャフトに軟窒化処理を施し、クランクシャフトの表面に硬く脆い化合物層を形成する。この化合物層の層厚は例えば20μm程度、硬さは例えば700HV以上とされる。また、化合物層の下層には拡散層が形成される。軟窒化処理は、例えば、N2+NH3雰囲気で、843K×10.8ks(3hr)の加熱処理を施した後、油冷するという条件で行う。
次に、図1(a),図1(b)に示すように、大気中に配置されたクランクシャフト(金属材)11のフィレットR部(被CSP処理面)12に二重管構造のノズル13を近接して設ける。フィレットR部12は、ジャーナル部22とクランク・アーム部21の境界、及びピン部23とクランク・アーム部21の境界に位置する。
ノズル13は、内層側が高圧ノズル14、外層側が低圧ノズル15となっている。ノズル13の先端はほぼ“くの字”状に屈曲しており、また、その先端面はフィレットR部12の表面形状に倣った3次元形状を有している。具体的には、図1(a)に側面視を示すように、ノズル13のクランク・アーム部21に対向する先端面17は、クランク・アーム部21に倣って平面状に形成される。また、図1(b)に平面視(軸方向視)を示すように、ノズル13のジャーナル部22(又はピン部23)に対向する先端面18は、ジャーナル部22(又はピン部23)の円周に沿うように凹面状に湾曲形成される。さらに、先端面17,18は直角をなしている。
両ノズル14,15の先端位置はオフセット配置されており、高圧ノズル14の先端位置は低圧ノズル15の先端位置よりも被CSP処理面から離して設けられる。つまり、高圧ノズル14の先端は、低圧ノズル15の先端よりも奥まっている。オフセット量は例えば8〜12mmとされる。低圧ノズル15とフィレットR部12とのクリアランスは0.5〜2.5mmとされる。高圧ノズル14のノズル径は例えばφ0.8mm、低圧ノズル15のノズル径は例えばφ13mmとされる。
次に、クランクシャフト11のフィレットR部12にノズル13の先端から高圧及び低圧の水(キャビテーション噴流)を気中噴射すると共に、クランクシャフト11を回転軸を中心にしてある方向(図1(b)中では右回り方向)に回転させ、フィレットR部12全面にCSP処理を行う。この時、CSP処理されるフィレットR部12の、所定箇所におけるノズル13からのキャビテーション噴流による処理時間(合計被噴射時間)は例えば5〜15秒とされる。高圧ノズル14から30MPaの圧力、5L/分の流量で、低圧ノズル15から0.3MPaの圧力、80L/分の流量でキャビテーション噴流がそれぞれ気中噴射される。また、CSP処理のアークハイトは0.06mmN以上、好ましくは0.08mmN以上となるように、CSP処理条件が調整される。
このCSP処理では、水を高圧噴射し、大気解放することで、水中に含まれていた空気が微小気泡となって発生する。この高圧のキャビテーション噴流は、低圧噴射されたキャビテーション噴流によってその外周部を拘束されていることから、拡散することなく所望のフィレットR部12に集中して衝突する。この衝突時、多数の微小気泡が破壊、破裂する際の衝撃力により、化合物層の表面(又は表面近傍)に圧縮残留応力が導入される。微小気泡の気泡径は10μm程度である。
CSP処理によって、軟窒化処理により形成された化合物層及び拡散層が剥離したり、研削、破壊され易い化合物層が破壊、除去されることはない。よって、クランクシャフト11のクランク・アーム部21及びジャーナル部22にマスキング処理を施さなくても、化合物層が破壊、剥離されることはなく、金属表面(化合物層直下の拡散層を含む金属表面)に圧縮残留応力を導入することができる。また、ショットピーニング(SP)処理では、表面よりも内層側の位置で圧縮残留応力が最大になっていたが、CSP処理では、表面(又は表面近傍)において圧縮残留応力が最大となるので、SP処理よりもCSP処理の方が表面を起点とする破壊に対して疲労強度をより向上させることができる。さらに、CSP処理で用いるのは水であり、CSP処理後の水は処理によって再利用可能であり、SP処理のようにショットの後処理、廃棄という問題もない。
本実施の形態においては、ノズル13の先端がほぼ“くの字”状に屈曲している場合を例に挙げて説明を行ったが、ノズル13の先端は二股に分岐していてもよい。この場合、クランク・アーム部21間に存在する2つのフィレットR部12に対してノズル13の先端が同時に臨むことになることから、1回の噴射で2つのフィレットR部12に同時にCSP処理を行うことができ、生産性が向上する。
また、本実施の形態においては、フィレットR部12の法線方向に対して、ノズル13の先端の延長方向が全く傾いていない場合を例に挙げて説明を行ったが、この法線方向に対して延長方向を傾けてもよい。例えば、CSP処理の際のクランクシャフト11の回転方向と反対側(図1(b)中では左側)に、ノズル13全体を傾けてもよい。
また、本実施の形態においては、気中噴射によるCSP処理を例に挙げて説明を行ったが、水中に配置したクランクシャフト11に対してCSP処理を施す水中噴射であってもよい。
また、本実施の形態においては、耐摩耗性と疲労強度が共に要求される金属材としてクランクシャフト11を例に挙げて説明を行ったが、特にこれに限定するものではなく、軸受のベアリング支持部や、ギアなどにも適用することができる。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
軟窒化処理によって形成された化合物層を破壊、剥離させることなく、金属表面に圧縮残留応力を導入できるピーニング法として、CSP処理が考えられる。
図2に▲印を結んだ線で示すように、通常のショットピーニング(SP)処理では、最大残留応力(最大圧縮残留応力)は最表面よりも内層側(z=100μm弱の部分)に発生し、最表面における応力値は低い。これに対して、図2に●印、□印、◇印を結んだ各線で示すように、CSP処理では、最大圧縮残留応力が最表面に発生する。また、圧縮残留応力が付与される深さ(距離z)はせいぜい数十μm程度であり、SP処理と比べると浅い。ここで、SP処理、CSP処理を施す対象は、浸炭材(SCM415(硬さ:HRc=58〜62))であり、また、t(=s/mm)は長さ1mmあたりの処理時間を表している(D.Odhiambo,H.Soyama、「Cavitation shotless peening for improvement of fatigue strength of carbonized steel」、International Journal of Fatigue 25、2003、pp.1220参照)。
つまり、SP処理は深い位置に大きな残留応力を導入できるが、最表面の圧縮残留応力は小さい。一方、CSP処理は残留応力を導入できる深さは浅いが、最表面又は最表面近傍にピークがくる残留応力分布となる。両者の違いは、SP処理のショットと比べて、CSP処理のキャビテーションの質量が著しく小さいことに起因しているためと考えられる。その結果、SP処理のショットでは最表面よりも内層側に残留応力が導入され、CSP処理のキャビテーションでは最表面又は最表面近傍に残留応力が導入される。表面起点の疲労破壊を起こすような部品、例えばクランクシャフトには、最表面の圧縮残留応力が重要であるため、CSP処理のような残留応力分布でも疲労強度向上には有効である。
図3に示すように、軟窒化処理+SP処理を施したもの(以下、SP処理材という)と、軟窒化処理+CSP処理を施したもの(以下、CSP処理材という)の斜線領域の面積をそれぞれ比べると、明らかにSP処理材よりもCSP処理材の方が表面に与えているエネルギーが小さい。このことが、金属材に軟窒化処理を施すことによって形成される化合物層が剥離しない理由と考えられる。
また、図4に、CSP処理におけるアークハイトの大きさをパラメータとした場合の、表面からの深さと残留応力との関係を示すように、0.05mmNでは圧縮残留応力は殆ど導入されない。しかし、0.10mmN、0.12mmNでは−400MPa以上の大きな圧縮残留応力が導入される。その際、化合物層の表面粗さが若干大きくなるが、化合物層の剥離が生じることはない。化合物層の剥離が生じるアークハイトの上限は、今のところはっきりとわかっていないが、キャビテーションの崩壊エネルギーが一定なら、圧縮残留応力の付与される深さは変わらないはずであるので、アークハイトが0.12mmN超の場合でも化合物層の剥離はないと考えられる。
アークハイトは、処理時間の増大と共に上昇する。これは、処理時間が増大しても、圧縮残留応力の深さは変わらず、最表面の圧縮残留応力が大きくなっていくからであると考えられる。
また、低圧ノズルとクランクシャフトのクリアランスと、壊食量の関係を図5に示す。壊食試験の試験片としてはアルミニウム材(A1050)を用いた。噴射位置固定で20分間CSP処理した時、試験片の重量がどれだけ減少するかを比較した。壊食量が大きいほど、CSPの処理能力が高いと言える。CSP条件は、高圧ノズルのノズル径をφ0.8mm、噴射圧を30MPa、低圧ノズルのノズル径をφ13mm、噴射圧を0.3MPa、高圧ノズルと低圧ノズルのオフセット量を10mmとし、低圧ノズルとクランクシャフトのクリアランスを0.5〜5mmまで変化させた。
図5に示すように、低圧ノズルとクランクシャフトのクリアランスが0.5〜2.5mmの範囲において、6mg/mm2を超える大きな壊食量が得られることが確認できた。クリアランスが2.5mmを超えると、壊食量が急激に減少し、CSP処理能力が大幅に低下してしまう。
また、CSP処理時間と残留応力の関係を図6に示す。壊食試験の試験片としてはアルミニウム材(A1050)を用いた。CSP条件は、高圧ノズルのノズル径をφ0.8mm、噴射圧を30MPa、低圧ノズルのノズル径をφ13mm、噴射圧を0.3MPa、高圧ノズルと低圧ノズルのオフセット量を10mm、低圧ノズルとクランクシャフトのクリアランスを2mmとし、20分間CSP処理した時の、単位面積当たりの壊食量は7.8mg/mm2(0.0065mg/mm2・sec)であった。このCSP処理条件で、軟窒化材の1箇所に4.8秒、6.0秒、12.0秒、31.6秒の噴射を行った。31.6秒、12.0秒、6.0秒、4.8秒を送り速度に換算すると、それぞれ0.2054mg/mm2(19mm/min)、0.078mg/mm2(50mm/min)、0.039mg/mm2(100mm/min)、0.0312mg/mm2(124mm/min)となる。
図6に示すように、いずれの処理を行った場合においても、軟窒化のみの残留応力よりも改善が見られるが、31.6秒では、オーバーピーニングにより最表面の圧縮残留応力が若干低下した。また、4.8秒では、最表面値は−443MPaと大きいが、その他の条件と比べると残留応力が導入される範囲(深さ)が浅かった。これに対して、6.0秒、12.0秒では、最表面値及び深さが共に改善されていた。よって、処理時間が5〜15秒、又は0.035〜0.1mg/mm2の範囲において、最表面値及び深さのバランスが良好となる。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
供試材として市販の機械構造用炭素鋼(S50C(JIS Z 2275の1号試験片))を用いた。S50Cの化学成分を表1に示す。
Figure 2007191755
この供試材を硬さ約290HVに調質した後、図7に示す疲労試験片形状に機械加工した。この試験片の板厚は3mmとした。機械加工後、図8に示す条件で軟窒化処理を施した。その後、軟窒化処理による化合物層にCSP処理を施した。CSP処理は気中CSP処理により行った。
気中CSP処理の模式図を図9に示すように、ノズル91は二重構造となっており、中心から高圧水を噴射し、その周りに低圧水を噴射している。高圧水のノズル径と圧力はφ0.8mm、30MPa、低圧水のノズル径と圧力はφ20mm、0.21MPaである。試験片94と低圧ノズル93の距離は30mmであり、また、高圧ノズル92は低圧ノズル93より上流側にオフセットさせて設置される。疲労試験片94は送り速度3.75mm/min、1パスで処理した。この送り速度で1パス処理した際のアークハイトは0.10mmNであった。
試験片の残留応力測定には、微小部X線測定装置を用い、特性X線ビーム径=φ1mm、sin2ψ−2θ法で計測した。また、測定部位は、曲げ疲労強度上特に重要な最細部(幅10mm部)の長手方向とした。
疲労試験には、平面曲げ疲労試験機を用いた。負荷条件は、応力比(R)=−1(一定)、周波数25Hz、応力波形=正弦波である。なお、疲労限度は107回での繰返し応力とした。応力比とは、疲労試験時の繰返し応力の最小値/最大値であり、R=−1は引張側と圧縮側に等しい応力が負荷されていることを示している。
(表面粗さ)
各試験片の表面粗さ測定結果を図10(a),図10(b)に示す。測定方向は長手方向とした。
図10(a)に示すように、軟窒化試験片(以下、NH試験片という)の表面粗さは10点平均粗さ(Rz)で1.1μmであった。これに対して、図10(b)に示すように、軟窒化処理+CSP処理試験片(以下、CSP試験片という)の表面粗さは10点平均粗さ(Rz)で1.6μmであった。このことから、アークハイト0.10mmN程度のピーニング強度でCSP処理を施しても、表面粗さは殆ど変化しないことがわかる。
(断面組織観察)
NH試験片とCSP試験片の横断面顕微鏡観察図を図11(a),図11(b)に示す。
図11(a),図11(b)に示すように、化合物層の深さ(層厚)はいずれも約20μmであった。また、CSP試験片の表面に、大きな起伏は認められなかった。このことから、アークハイト0.10mmN程度のピーニング強度でCSP処理を施しても、化合物層の剥離は生じないと推察される。
(硬さ分布)
各試験片の硬さ分布を図12に示す。硬さ分布は幅10mm部の中央部を測定した。化合物層は、摩耗に対する耐摩耗性付与を目的としたものであって、NH試験片及びCSP試験片における疲労強度には影響がないため、硬さの比較は拡散層で行った。
図12に示すように、NH試験片における拡散層の最高硬さは377HVであった。一方、CSP試験片における拡散層の最高硬さは413HVであり、NH試験片と比べて36HV(約9.5%)上昇した。また、表面からの深さが80μm以下の範囲で、CSP試験片の硬さは、NH試験片よりも高くなっていた。
(残留応力分布)
各試験片の測定面をマスキングし、電解研磨で約20μm深さの化合物層を除去した面を原点とし、残留応力を計測した。各試験片で得られた残留応力分布を図13に示す。
図13に示すように、硬さ分布と同様にCSP試験片では、NH試験片と比べて圧縮残留応力が増大した。NH試験片の圧縮残留応力は−305MPaであるのに対して、CSP試験片の圧縮残留応力は−434MPaであり、129MPa(約42%)増大した。また、いずれの試験片においても、最大圧縮残留応力は化合物層直下であった。
このように、NH試験片と比べて、化合物層直下の圧縮残留応力及び硬さが増大したCSP試験片においては、曲げ疲労強度の向上が期待できる。
(曲げ疲労強度)
各試験片の曲げ疲労試験を図14に示す。
図14に示すように、NH試験片の曲げ疲労限度は±668MPaであった。これに対して、CSP試験片の曲げ疲労限度は±772MPaであり、NH試験片と比べて15%向上していた。このように、CSP試験片の曲げ疲労強度が向上した原因は、CSP処理による硬さと圧縮残留応力の増大による。
(破面観察)
各試験片における破面のマクロ観察図を図15(a),図15(b)に示す。図15(a)は±682MPa×3,430,500回で破損したNH試験片の破面観察図、図15(b)は±790MPa×1,768,500回で破損したCSP試験片の破面観察図である。また、これらのSEM観察図を図16(a),図16(b)に示す。
図15(a),図15(b)、図16(a),図16(b)に示すように、いずれの試験片においても、両面から疲労破壊しているが、起点は特定できなかった。これは、NH試験片表面には、硬くて脆い化合物層が存在するので、特定箇所に疲労亀裂が発生すると、即座に試験片幅方向に亀裂が伝播することによるものと考えられる。
(疲労試験後の残留応力分布)
疲労限度まで到達した4試験片の磁粉探傷試験を行った結果、亀裂は認められなかった。
また、疲労強度に対する圧縮残留応力の有効性を確認するため、疲労限度(107回)まで到達した試験片の残留応力分布を計測した。計測した試験片は、応力振幅±668MPaのNH試験片と±772MPaのCSP試験片である。各計測結果を図17に示す。
図17に示すように、いずれの試験片においても、疲労試験後に圧縮残留応力が低下していた。すなわち、NH試験片の試験前後における最大圧縮残留応力(σrmax)はそれぞれ−305MPa、−246MPaであり、疲労試験によりσrmaxが59MPa減衰(低下)していた。また、CSP試験片の場合も、疲労試験によりσrmaxが99MPa減衰(低下)したが、それでも−335MPaなるσrmaxが残っていた。
応力比R≧0の場合には、疲労試験後に圧縮残留応力は殆ど変化しないが、今回のように、R<0の場合は圧縮残留応力が減衰するので、[圧縮残留応力+圧縮側の負荷応力]≦降伏応力となるような圧縮残留応力の導入が効果的であると考えられている。そこで、疲労試験前後の表面特性と疲労限度から、疲労破壊過程で残留応力が変化する可能性があるかを検討してみる。表面特性と疲労限度をまとめた結果を表2に示す。ここで、降伏応力(σγ)は拡散層最高硬さ(HVmax)から計算した値であり、σγ=[HVmax/3]×9.80665×0.8=2.615HVmax(単位はMPa)とした。
Figure 2007191755
表2に示すように、NH試験片では、試験前σrmaxと圧縮側の負荷応力(σW)の和が降伏応力とほとんど同じであるが、CSP試験片では、試験前σrmaxと圧縮側の負荷応力の和が降伏応力を超えていることがわかる。このため、NH試験片よりCSP試験片の方が、σrmaxの低下が大きくなったと推察される。しかし、実際のクランクシャフトの応力比は−1より大きいので、今回のように圧縮残留応力が減衰するかどうかは今後の検討課題である。
(表面特性が曲げ疲労限度に及ぼす影響)
降伏応力(σγ)と最大圧縮残留応力(σrmax)の和と、曲げ疲労限度(σW)との間には、比例関係があることが知られている。また、応力比が負の場合には、疲労試験前ではなく、疲労試験後の残留応力で整理する方法が提案されている。そこで、表2の結果を用いて、NH試験片のσγ+σrmaxとCSP試験片のσγ+σrmaxの比を計算してみた。その結果、疲労試験前のσrmaxを用いた場合の比は1.17、疲労試験後のσrmaxを用いた場合の比は1.15となった。したがって、どちらのσrmaxを用いても殆ど同じであり、実際の疲労試験におけるNH試験片に対するCSP試験片の曲げ疲労限度向上率(15%)とよく一致した。
以上より、CSP処理におけるアークハイトが0.06mmN以上、特に0.10mmN以上の条件では、CSP処理による化合物層の剥離が生じるおそれはなく、また、化合物層の表面粗さも殆ど変化しなかった。
また、CSP処理により拡散層の最高硬さが36HV(約9.5%)、最大圧縮残留応力が−129MPa(約42%)増大した。これらの効果により、曲げ疲労限度が+15.6%向上した。
また、本実施例においては、図1(a),図1(b)に示したノズル13とは形状、サイズの異なるノズルを用いて実験を行ったが、図1(a),図1(b)に示したノズル13を用いたとしても、本実施例と同様の効果が得られることは勿論のことである。
本発明の好適一実施の形態に係る金属材の疲労強度向上方法を説明するための図である。図1(b)は、図1(a)の1b−1b線断面図である。 SP処理及びCSP処理の残留応力分布を示す図である。 軟窒化処理+SP処理材と、軟窒化処理+CSP処理材の残留応力分布を示す図である。 CSP試験片の残留応力分布を示す図である。 クランクシャフトと低圧ノズルのクリアランスと、壊食量との関係を示す図である。 CSP処理時間が残留応力分布に及ぼす影響を示す図である。 疲労試験片形状を示す平面図である。 軟窒化処理条件を示す図である。 気中CSP処理の模式図である。 各試験片の表面粗さ分布を示す図である。図10(a)はNH試験片、図10(b)はCSP試験片である。 各試験片の横断面顕微鏡観察図である。図11(a)はNH試験片、図11(b)はCSP試験片である。 各試験片の硬さ分布を示す図である。 各試験片の残留応力分布を示す図である。 各試験片の曲げ疲労試験時におけるS−N線図である。 各試験片における破面のマクロ観察図である。図15(a)はNH試験片、図15(b)はCSP試験片である。 各試験片における破面のSEM観察図である。図16(a)はNH試験片、図16(b)はCSP試験片である。 NH試験片及びCSP試験片における疲労試験前後の残留応力分布を示す図である。
符号の説明
11 クランクシャフト(金属材)

Claims (12)

  1. 耐摩耗性と疲労強度が共に要求される金属材の疲労強度を向上させる方法において、上記金属材に軟窒化処理を施して金属材表面に硬い化合物層を形成した後、その化合物層にキャビテーション・ショットレス・ピーニング(以下、CSPという)処理を施し、化合物層を破壊、剥離させることなく、金属表面に圧縮残留応力を導入することを特徴とする金属材の疲労強度向上方法。
  2. 疲労強度が要求される応力集中部の上記化合物層にCSP処理を施す請求項1記載の金属材の疲労強度向上方法。
  3. 上記CSP処理のアークハイトが0.06mmN以上である請求項1又は2記載の金属材の疲労強度向上方法。
  4. 上記金属材の被CSP処理面に二重管構造のノズルを近接して設けると共に、そのノズルの内層側を高圧ノズル、外層側を低圧ノズルとし、金属材の被CSP処理面に上記ノズル先端から高圧及び低圧のキャビテーション噴流を噴射し、上記化合物層にCSP処理を行う請求項1から3いずれかに記載の金属材の疲労強度向上方法。
  5. 上記被CSP処理面に対して、上記両ノズルの先端位置をオフセット配置し、上記高圧ノズルの先端位置を上記低圧ノズルの先端位置よりも被CSP処理面から離して設ける請求項4記載の金属材の疲労強度向上方法。
  6. 上記高圧ノズルのノズル径を0.8mm、上記低圧ノズルのノズル径を13mmとし、高圧ノズルから30MPaの圧力で、低圧ノズルから0.3MPaの圧力でキャビテーション噴流をそれぞれ気中噴射する請求項4又は5記載の金属材の疲労強度向上方法。
  7. 上記オフセット量が8〜12mmである請求項4から6いずれかに記載の金属材の疲労強度向上方法。
  8. 上記低圧ノズルと上記被CSP処理面とのクリアランスが0.5〜2.5mmである請求項4から7いずれかに記載の金属材の疲労強度向上方法。
  9. 上記ノズルからのキャビテーション噴流による上記被CSP処理面の所定箇所の処理時間が5〜15秒である請求項4から8いずれかに記載の金属材の疲労強度向上方法。
  10. 金属材表面に軟窒化処理による硬い化合物層を形成し、その化合物層にCSP処理を施して金属表面に圧縮残留応力を導入してなることを特徴とする金属製品。
  11. 上記金属製品が、耐摩耗性が要求される摺動部と、その摺動部に近接した部分に曲げや捩り等の応力が集中する応力集中部とを有し、その応力集中部に上記CSP処理を施してなる請求項10記載の金属製品。
  12. 上記金属製品がクランクシャフトであり、上記摺動部がピン部及びジャーナル部、上記応力集中部がフィレットR部である請求項10又は11記載の金属製品。
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