JPH08267400A - ウォータージェットによる表面異質層を有する材料表面の処理方法 - Google Patents

ウォータージェットによる表面異質層を有する材料表面の処理方法

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JPH08267400A
JPH08267400A JP7285695A JP7285695A JPH08267400A JP H08267400 A JPH08267400 A JP H08267400A JP 7285695 A JP7285695 A JP 7285695A JP 7285695 A JP7285695 A JP 7285695A JP H08267400 A JPH08267400 A JP H08267400A
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water jet
layer
treating
heterogeneous layer
water
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JP7285695A
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English (en)
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Koichi Kurosawa
孝一 黒沢
Kunio Enomoto
邦夫 榎本
Kazunori Satou
一教 佐藤
Fumio Manabe
二三夫 真鍋
Hideyasu Furukawa
秀康 古川
Takao Funamoto
孝雄 舟本
Hiroshi Takada
浩 高田
Fujio Yoshikubo
富士夫 吉久保
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Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ウォータージェットを用い金属材料表面に形成
された表面異質層を除去し、表面の残留応力を改善して
耐疲労強度を向上する方法の提供にある。 【構成】ノズル3から噴出させた高速のウォータージェ
ットを、水中に浸漬した表面異質層を有する金属または
非金属からなる材料4の表面に衝突させ、前記ウォータ
ージェットの噴出水流によるキャビテーションにより前
記材料の表面に潰食を発生させて前記材料の表面異質層
を除去し、更に、前記材料の表面に局部的高圧力分布と
少なくとも降伏点に相当する歪みを発生させる表面異質
層を有する材料表面の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電加工、浸炭焼入れ
及び焼結による、または、表面に亀裂が存在する金属ま
たは非金属材料の表面異質層を除去する材料表面の処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料は、液中放電加工により、表面
に放電加工用電極材料等の不純物を含有する再凝固層,
硬化層及び熱影響層等の表面異質層が形成されることは
周知のことである。
【0003】液中放電加工された金属材料表面は、溶融
し再凝固する過程で表面異質層が形成し、引張残留応力
が残る。また、放電加工では溶融した金属が液中で急冷
されるため加工面の硬化層を通してマイクロクラックが
発生することがある。
【0004】これらを抑制する方法としては、放電加工
時のパルス幅を短くすることが有効であるが、完全に防
止することは不可能である。
【0005】こうした、液中放電加工による引張残留応
力,マイクロクラックあるいは不純物を含む表面異質層
が金属材料表面に残存することは好ましくない。特に、
オーステナイトステンレス鋼等の材料が放電加工後、高
温水中に置かれると応力腐食割れを発生する恐れがあ
る。
【0006】従来、上記の表面異質層は放電加工表面を
グラインダ等で研削することにより除去されていた。
【0007】また、同様に浸炭焼入れや焼結、あるいは
発錆等によっても金属材料表面に表面異質層が形成され
るが、該表面異質層の除去には、グラインダ等による研
削や、特開平2−185369号公報に記載のショット
ピーニングが有効である。
【0008】また、金属材料はそれを使用することによ
り腐食や疲労等で劣化し、その表面に亀裂が発生するこ
ともある。こうした亀裂は強度低下の要因となるので除
去し、場合によってはその亀裂除去部を溶接により埋め
戻す等の補修処理が行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、大気
中にてマイクロクラックを除去するには有効な方法では
あるが、金属表面を機械的に除去するため加工条件によ
っては表面に引張残留応力が残ると云う問題がある。
【0010】更に、上記を水中で行う必要がある場合、
周囲水のシール、または、グラインダ等の研削機器の防
水処理が必要となり、装置の小型化,ランニングコスト
等で不利になる。特に、原子炉圧力容器内の構造物に適
用する場合、作業者の被ばく低減を考慮すると炉水を張
った状態での施工が好ましいが、原子炉圧力容器内の狭
隘な場所で使用できるシール装置や防水グラインダには
技術的な問題がある。
【0011】また、表面異質層の除去にグラインダ研削
法やショットピーニング法では、対象金属表面の形状が
複雑なものでは、その除去処理は極めて容易でない。
【0012】また、亀裂除去をショットピーニングで行
う場合、亀裂寸法よりショット寸法が大きいと、亀裂部
にショットが当たらず十分な疲労強度の改善ができない
恐れがある。特に、ショットピーニングは、亀裂の存在
が確認できないような場合に上記の影響が大きい。
【0013】本発明の目的は、水中、気中のいずれにお
いても前記金属等の材料表面に形成された表面異質層を
除去し、表面の残留応力を改善して耐疲労強度を向上す
る表面処理法を提供することにある。
【0014】また、表面形状が複雑または狭隘な場所に
存在する前記金属等の材料表面に形成された表面異質層
を除去する表面処理法を提供することにある。
【0015】また、確認が困難な金属表面の亀裂を除去
して、耐疲労強度を向上する表面処理法を提供すること
にある。
【0016】更にまた、上記亀裂を補修処理することな
く、耐疲労強度を向上する表面処理法を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0018】〔1〕 ノズルから噴出させた高速のウォ
ータージェットを表面異質層を有する金属または非金属
からなる材料表面に衝突させ、前記高速の噴出水流によ
り前記材料の表面異質層を除去するウォータージェット
による表面異質層を有する材料表面の処理方法。
【0019】〔2〕 前記高速のウォータージェットに
より前記材料の表面に存在する表面異質層を除去し、更
に、前記材料の表面に局部的高圧力分布と少なくとも降
伏点に相当する歪みを発生させる材料表面の処理方法。
【0020】〔3〕 ノズルから噴出させた高速のウォ
ータージェットを、水中に浸漬した表面異質層を有する
金属または非金属からなる材料の表面に衝突させ、前記
ウォータージェットの噴出水流によるキャビテーション
により前記材料の表面に潰食を発生させて前記材料の表
面異質層を除去し、更に、前記材料の表面に局部的高圧
力分布と少なくとも降伏点に相当する歪みを発生させる
材料表面の処理方法。
【0021】ウォータージェットの噴射によりキャビテ
ーション気泡を発生させ、該キャビテーション気泡が金
属材料表面に衝突して崩壊する際に発する衝撃エネルギ
ーにより金属材料表面をピーニングして前記表面異質層
を除去すると共に、材料表面の残留応力を圧縮側に改善
する。
【0022】前記キャビテーション現象を効率的に生じ
させるには、水中に浸漬した前記金属材料に対しノズル
からウォータージェットを噴出し、周囲水と噴出水流と
の圧力差とせん断作用により起こさせる。なお、上記ノ
ズルとしては末広がりの開口部(テーパ状、ステップ
状、ベルマウス状)を有するものが好ましい。
【0023】水中での高速水噴流により発生するキャビ
テーションの形態は一様ではなく、具体的には後述する
ように噴流の軸方向に対して2つの衝撃圧ピークをとる
特異なものである。本発明における表面異質層の除去と
表面の残留応力の圧縮側への改善には、2つの衝撃圧ピ
ーク範囲を効率的に利用することにある。
【0024】一つは、ノズルに近い最初の衝撃圧ピー
ク、即ち、“第一ピーク”では、ノズルから噴出した液
芯(コア)部の断続的分裂とキャビテーションの発達が
連成したものである。この液芯(コア)部の衝突によっ
て、材料表面に衝突エネルギーが集中するため、表面異
質層の破壊、除去(はつり)に極めて有効に作用する。
【0025】もう一つは、後流における衝撃圧の“第二
ピーク”では、上記した噴流の液芯(コア)は拡散消滅
し、噴流界面の乱流剪断層で発生,成長する渦キャビテ
ーションが支配的となる。従って、材料表面の広い領域
に衝突エネルギーが分散し、材料を破壊(エロージョン
を起こすことなく)することなく、表面異質層が除去さ
れた後の母材表層の結晶粒を塑性変形させ、母材の引張
残留応力が圧縮側へと改善され疲労強度が向上する。
【0026】なお、大気中環境では、ウォータージェッ
トそのものの軸動圧衝撃力により金属材料表面をピーニ
ングして、放電加工面の表面変質層の除去及び金属材料
表面の残留応力を圧縮側に改善され疲労強度が向上する
ものである。
【0027】
【作用】本発明によれば、水中環境では、ウォータージ
ェット噴出により発生するキャビテーション気泡が成長
し、金属材料表面に衝突し崩壊する。この時、キャビテ
ーション気泡は崩壊の速度が極めて大きく、気泡が崩壊
するとその中心核では、極めて高い水撃圧力を発生す
る。この水撃圧力により前記金属材料の表面に降伏応力
を越える局部的高圧力が発生し、その繰返し衝突によっ
て前記金属材料表面の表面異質層、例えば放電加工によ
る不純物を含む表面異質層(再凝固層、硬化層、マイク
ロクラック層)は、打ち伸ばされ、剥離除去される。
【0028】更に、前記水撃圧力により、前記金属材料
の表面に局部的高圧力と降伏点以上の歪みが発生し、該
表面は打ち伸ばされ、塑性変形し横膨張する。上記打ち
伸ばされた表面の周囲部の金属材料には圧縮された弾性
ひずみ領域が形成し、上記打ち伸ばされた表面は、上記
弾性ひずみ領域により押し返されて圧縮残留応力が発生
し疲労強度が向上する。
【0029】大気中環境では、ウォータージェットその
ものの軸動圧衝撃力により前記金属材料の表面に局部的
高圧力が発生し表面変質層は、打ち伸ばされ、剥離し、
前記金属材料表面に残存したマイクロクラック層は除去
される。
【0030】更に、前記軸動圧衝撃力により前記金属材
料の表面に局部的高圧力分布と降伏点以上の歪みが発生
し、前記金属材料表面は打ち伸ばされ、塑性変形し横膨
張する。この時、上記打ち伸ばされた表面には圧縮され
た弾性ひずみ領域が形成し、打ち伸ばされた表面は上記
弾性ひずみ領域により押し返されて圧縮残留応力が発生
し疲労強度が向上する。
【0031】金属表面が亀裂を有する場合も、亀裂先端
に圧縮応力場を形成することができ疲労強度の向上を図
ることができる。
【0032】この様にして表面異質層を除去し表面の残
留応力を圧縮残留応力に改善することにより疲労強度が
向上し、健全な金属表面を得ることができる。
【0033】水中,大気中ともに、本発明ではウォータ
ージェットを利用したことにより複雑な形状部や狭隘部
に対しても有効に作用する。
【0034】
【実施例】
〔実施例 1〕図1は、本実施例で用いる水中でのウォ
ータージェットによる金属面処理設備の概略図である。
制御装置29により最適値に制御された高圧ポンプ1で
加圧され、ホース2及び導水管10を経てノズル3よ
り、タンク11内の水中に浸漬された金属材料4の表面
にウォータージェットが噴出される。このときノズル3
はノズル移動手段9により金属材料4と所定の距離を保
ちながら移動される。その移動速度は制御装置29で最
適値に制御される。
【0035】図2はノズル3の一例で、水流はホーン型
ノズル(特開昭60−18554号公報参照)のオリフ
ィス部5で流速を増し、末広がり状のホーン部6より水
中にウォータージェットとして噴出される。このウォー
タージェットは、オリフィス部5及びホーン部6で速度
及び圧力が変化し、キャビテーション現象により誘発さ
れた多数のキャビテーション気泡7が、金属材料4の表
面に衝突,崩壊する際に生ずる水撃圧力により材料表面
をピーニングすることにより表面変質層の除去並びに材
料表面の残留応力を圧縮側に改善する。
【0036】なお、ノズル3はオリフィス部5の軸心に
対し回転させることも可能で、キャビテーション発生効
率を高めるのに有効である。
【0037】図3は、図1の水中でのウォータージェッ
トに対し、大気中で行うウォータージェットの金属面処
理設備の一例を示す概略図である。水流は、超高圧ポン
プ12により加圧され、ホース2及び導水管10を経て
ノズル3より金属材料4の表面に噴出される。このとき
ノズル3はノズル移動手段9により金属材料4と所定の
距離を保ちながら移動させるが、その移動速度は超高圧
ポンプ12とともに制御装置29で最適値に制御され
る。
【0038】図4に感圧フィルムによるキャビテーショ
ン噴流の空間衝撃圧力分布測定法の説明図を示す。キャ
ビテーション噴流の中心軸17から半径方向に5mm離
れた位置に、上記の中心軸17と平行に感圧フィルム1
9を配置し、スタンドオフ距離L/d(但し、dはノズ
ル噴出孔の直径)に対する衝撃圧力分布を知ることがで
きる。
【0039】キャビテーション噴流においては、キャビ
テーション気泡の崩壊時に発生する衝撃圧の影響が「線
香花火」のように四方八方に及ぶ。実際には、噴流を施
工対象面にほぼ垂直に衝突させるので、前記感圧フィル
ム法との違いは、噴流の軸上動力圧が加わることであ
る。従って、感圧フィルム法でキャビテーション噴流の
崩壊時に発生する衝撃圧分布特性を知ることができる。
【0040】なお、図4中、16は高圧水、18はキャ
ビテーション噴流の輪郭、20は周囲水である。
【0041】図5は、無次元化したスタンドオフ距離L
/dに対して、噴射圧力P1をパラメータとし、感圧フ
ィルム法により求めた衝撃圧PShの空間分布を示したも
のである。L/dが10〜40において“第一ピーク”
が、また、下流側のL/dが60〜130において“第
二ピーク”が発生することが分かる。
【0042】図6(a)は、キャビテーション気泡30
の崩壊時に衝撃圧力が発生する原理を示す模式図(キャ
ビテーション工学より抜粋)である。
【0043】図6(b)に示すように、キャビテーテー
ション気泡30は100μsのオーダーで崩壊し、該気
泡30が最小球となった時に数百MPa〜数千MPaの
高速ジェット31により極高圧が発生し、固体32の表
面は連続的に叩かれる。固体32が金属材料である場
合、材料の表面層は塑性加工され押し伸ばされて圧縮の
残留応力が生成される。
【0044】次に、実際に施工する場合と同様に固体面
に噴流を衝突させて、材料の壊食状態を調べた結果につ
いて述べる。
【0045】図7は、壊食試験の状態を表した模式図で
ある。高圧水16をノズル3より噴射し、キャビテーシ
ョン噴流24をアルミ合金試験片25に対し垂直に衝突
させる。なお、26は跳ね返り噴流、27は壊食部であ
る。
【0046】図8は、上記壊食試験において、壊食によ
る質量損失Δm(mg)と無次元化したL/dとの関係
を示すグラフである。L/dが10〜40の“第一ピー
ク”においてΔmは最大となる。一方、L/dが>60
の“第二ピーク”領域では、Δmの増大が全く見られな
い。ΔmはL/d=20近傍で頂点に達し、それより下
流においてはΔmは連続的に減少し、L/d>90にな
るとΔmはほとんどゼロに近い値となる。
【0047】以上の結果から、“第一ピーク”における
キャビテーションは著しく壊食性が大きいのに対し、
“第二ピーク”では、残留応力改善に寄与する衝撃圧は
高いがキャビテーションによる損傷が殆ど見られないこ
とが分かる。
【0048】図9は、断面が円柱形状の対象物に従来手
法であるショットピーニングを行う場合の概念図であ
る。ガン(図示省略)より噴射された高速のショット3
3は円柱形状対象物34に衝突するが、ピーニング効果
(表面処理効果)は衝突角度に大きく影響される。
【0049】一方、図10に示す様にキャビテーション
噴流24を噴射した場合には、形状の影響は少なく、廻
り込みにより広範囲に効果が期待できる。
【0050】これを確認するために、円柱形状に対する
衝撃圧分布を測定した。試験は凸型と凹型の円柱形状対
象物34にそれぞれ感圧フィルムを貼付け、キャビテー
ション噴流を上記対象物に噴射して衝撃圧力の測定を行
った。
【0051】図11、図12に凸型円柱の座標を示す。
また、図13に凹型円柱の座標を示す。両者共にノズル
3からキャビテーション噴流が衝突するまでの距離は前
記L/dで表し、凸型円柱の直径をDVE、凹型円柱の直
径をDca、噴流軸に平行な垂直面と供試円柱の法線面と
のなす角をφ、噴流中心から円柱表面の沿面距離をsと
表す。
【0052】図14〜16に凸型円柱のキャビテーショ
ン噴流の衝撃圧力分布の測定結果を示す。d=1mmの
ホーンノズルを使用し、ポンプ圧力を30MPa、L/
d=80、噴射時間を10秒に設定して行った。
【0053】図14は、DVE=20mmの円柱に対する
衝撃圧力分布データで、図14(a)ではs方向で±2
0mm(φ方向で±150°)とほぼ円柱全周に渡り、
また、Z軸方向でも±15mmの範囲にキャビテーショ
ン気泡崩壊時の影響が見受けられ、図14(b)よりZ
=0の衝撃圧力は約50〜100MPaである。
【0054】図15は、DVE=54mmの円柱に対する
衝撃圧力分布データで、図15(a)ではs方向で±2
0mm(φ方向で±50°)の範囲に、また、Z軸方向
でも±20mmの範囲にキャビテーション気泡崩壊時の
影響が見受けられる。また、図15(b)よりZ=0で
の衝撃圧力は約60〜130MPaである。
【0055】図16は、DVE=216mmの円柱に対す
る衝撃圧力分布データで、図16(a)ではs方向で±
20mm(φ方向で±15°)の範囲に、また、Z軸方
向でも±20mmの範囲にキャビテーション気泡崩壊時
の影響が見受けられる。また、図16(b)よりZ=0
での衝撃圧力は約50〜100MPaである。
【0056】図17は、Dca=210mmの円柱に対す
る衝撃圧力分布データで、図17(a)よりs方向で±
20mm(φ方向で±15°)の範囲に、また、Z軸方
向でも±20mmの範囲にキャビテーション気泡崩壊時
の影響が見受けられる。また、図17(b)よりZ=0
での衝撃圧力は約50〜100MPaである。
【0057】以上は、円柱形状に対するキャビテーショ
ン気泡崩壊時の衝撃圧の及ぶ範囲の一例であるが、これ
らの結果より処理対象物が平面でないものでも効果があ
り、形状により影響を受ける従来のショットピーニング
法よりも本発明は極めて優れている。
【0058】次に、図18に、複雑な表面形状の一例と
して、歯車35に対してショットピーニングを行う場合
の概念図を示す。ショットガン36より噴射された高速
のショット33は歯車表面に衝突した後、跳ね返りショ
ット33'となりショット33と衝突して、ショット3
3の持つ運動エネルギを削減し、そのピーニング効率が
低下する。特に、歯車35の歯間距離が小さい場合、歯
の付け根まで均一にショットピーニングを行うことは極
めて困難で、ショットピーニング効果が期待できる歯車
を設計しなければならない等の制約がある。
【0059】これに対して、図19に示すように本発明
では浸炭焼入れ(焼結粉末)歯車35、にノズル3より
噴出した高速のキャビテーション噴流24は、液体を使
用しているので、前記ショットピーニングの場合の様
に、形状にとらわれず効果ある表面処理を施すことがで
きる。なお、浸炭焼入れ部品の表面には脱炭による軟質
層や肌荒れ等の異質層が生じるが、本発明はこうした層
も容易に除去することができる。
【0060】また、粉末焼結部品では表面が多孔質とな
っている。しかし、こうした多孔質のポケット状空孔内
でも、本発明によれば容易に高圧の衝撃が作用するの
で、大きな空孔は除去され、小さな空孔は内圧予荷重効
果により強化される。また、微細孔は潰され緻密化され
る。
【0061】図20は、歯車35のキャビテーション気
泡崩壊による衝撃圧を利用した表面処理の概念図を示
す。図21は、上記歯車のウォータージェット噴射装置
の概略正面図である。水を満たしたタンク11中で、歯
車35は歯車保持架台39に搭載され、回転駆動手段4
0により回転される。これに、導水管10からの高圧水
がノズル3よりキャビテーション噴流24となって噴出
し、歯車35の表面でキャビテーション気泡7が崩壊
し、その時の衝撃圧により表面処理される。
【0062】〔実施例 2〕実際の製品には、既にある
環境で使用され表面が劣化して亀裂が存在するケースも
考えられる。そこで、材料表面に予め亀裂を与え、これ
を表面処理した場合の耐食性試験を行った。
【0063】試験材料として、SUS304(C:0.
07%)を用い、これに微小亀裂を発生させた。上記試
験材料を鋭敏化熱処理を施し、次いで強平面研削により
表面に引張り残留応力を形成し、42%MgCl2溶液
中に浸漬することにより微小亀裂を付与した。これをキ
ャビテーション気泡崩壊による衝撃圧による表面処理を
行ったもの(実施例2)と、表面処しないもの(比較例
1)について曲げ歪みを0%,0.15%,0.20%,
0.30%,0.50%付与した改良CBB試験を行っ
た。
【0064】上記キャビテーション気泡による表面処理
は、d=2mmのホーンノズルを使用し、ポンプ圧力を
60MPa、L/d=80、ノズルの移動速度を30分
/mで行った。改良CBB試験後、浸透探傷試験により
表面の亀裂状況の確認を行った。その結果を表1に示
す。
【0065】
【表1】
【0066】本実施例によれば、付与ひずみ量0.10
〜0.50%の場合、いずれも亀裂進展は少なく、従っ
て、キャビテーション気泡崩壊による表面処理が亀裂進
展の抑制効果があることが分かる。このことから例え材
料の表面に亀裂があっても本発明の表面処理を施すこと
により耐食性の低下を抑制する作用効果があり、実用上
極めて有効である。
【0067】〔実施例 3〕次に、上記のSUS304
材料の表面に予め亀裂を与えた後、表面処理した試験片
の疲労強度について調べた。
【0068】試験片への微小亀裂は、シェブロン切欠き
加工により試験片の一方の面の中央部に形成した。その
後、両振り曲げ加工を行い微小疲労亀裂を導入し、更に
その後シェブロン切欠き部を削除し、図22に示す様な
微小疲労亀裂(亀裂深さ約0.2mm)を有する試験片
により試験を行った。
【0069】表面処理条件としては、d=2mmのホー
ンノズルを使用し、ポンプ圧力を60MPa、L/d=
80、ノズルの移動速度を10分/mに設定して実施し
た。疲労試験は両振り平面曲げ試験とした。
【0070】上記疲労試験は、微小亀裂面にキャビテー
ション気泡崩壊による表面処理を施したもの(実施例
3)と、表面処理未を施こさないもの(比較例2)につ
いて行い両者を比較した。疲労試験結果を図23に示
す。
【0071】図23より、表面処理を施した本実施例の
ものの耐疲労強度が向上していることが分かる。
【0072】〔実施例 4〕次に、表面異質層を有する
金属として、放電加工を施した場合について説明する。
【0073】SUS304の金属試験片にパルス幅を1
000μs,300μs,30μsとして放電加工を行
った。パルス幅を短くすることでマイクロクラックを含
む表面変質層が薄くなるが、パルス幅を短くしてもマイ
クロクラックの発生を完全に防止することはできず、僅
かではあるが表面変質層が残存することが分かった。
【0074】上記放電加工を行ったSUS304面に、
前記ホーン型ノズル3を使用してL/d=20、ポンプ
圧力を70MPaに設定し水中でキャビテーション気泡
崩壊による表面処理を施し、顕微鏡により観察した結
果、表面処理しないものはマイクロクラックが存在する
のに対し、表面処理を施したものでは放電加工面のマイ
クロクラックを含む表面変質層が、完全に除去されてい
ることを確認した。
【0075】また、インコネル182(溶接肉盛)の金
属表面にパルス幅30μsの放電加工を行ない、ポンプ
圧力を70MPaに設定してキャビテーション気泡を発
生させ、それによる衝撃圧を利用した表面処理を施し、
金属表面の状況を顕微鏡により観察した。
【0076】L/d=20とする前記の“第一ピーク”
による条件と、同じくL/d=80とした“第二ピー
ク”の条件による表面処理の違いを比較した。
【0077】前記の“第一ピーク”のキャビテーション
気泡の噴射時間は、10分,30分,60分とし、“第
二ピーク”のキャビテーション気泡の噴射時間は、40
分,90分,180分とした。
【0078】“第一ピーク”の条件による試験結果で
は、放電加工面に対し試験片表面が円形に窪み、その窪
みが噴射時間と共に深くり、放電加工による表面異質層
の厚さ約20μm(噴射時間10分)に対し、キャビテ
ーション気泡の噴射による窪みの深さは約200μm
で、表面異質層が完全に除去されることが分かる。
【0079】一方、“第二ピーク”の条件による試験結
果では、噴射時間40分で放電加工による表面異質層が
完全に除去されたとは云い難く、噴射時間90分で表面
異質層を除くことができた。
【0080】更に詳細に表面状況を確認するためにSE
M観察を行った。キャビテーション気泡の“第一ピー
ク”の影響を受けている部分の表面は、結晶粒へき開の
様相を呈しており、放電加工による表面異質層が完全に
除去されていることを確認した。また、キャビテーショ
ン気泡の当たった部分とそうでない部分との境界部につ
いても上記と同様に金属表面の結晶粒はへき開してお
り、放電加工による表面異質層がかなり除去できている
と推察される。
【0081】また、キャビテーション気泡の影響を受け
た上記境界部より1cm離れた位置では、結晶粒のへき
開は認められず放電加工面を呈しており、キャビテーシ
ョン気泡の影響による表面改質は認められない。
【0082】また、“第二ピーク”でも“第一ピーク”
と同様キャビテーション気泡の影響を受けている部分の
表面は結晶粒へき開の様相を呈しており、放電加工によ
る表面異質層が完全に除去されている。キャビテーショ
ン気泡の影響を受けた上記境界部より1cm離れた位置
では、結晶粒のへき開は認められず放電加工面を呈して
おり、キャビテーション気泡の影響による表面改質は認
められない。
【0083】〔実施例 5〕次に、放電加工面に本発明
の表面処理を行った金属材料の耐食性についてCBB試
験を行った。
【0084】図24は試験片の作製工程のフロー図であ
る。炭素鋼ブロック43を、工程(2)でインコネル1
82による肉盛溶接部44を施し、工程(3)で肉盛溶
接44の表面を放電加工を行って平滑にする。次いで工
程(4)で放電加工面に対しキャビテーション気泡の噴
射を行い、工程(5)では放電加工面の表面異質層を平
面研磨により除去した。
【0085】図25にCBB試験法の概要を示す。CB
B試験は、放電加工面〔AS EDM 前記工程
(3)〕および平面研磨面〔前記工程(5)〕、“第一
ピーク”を利用したキャビテーション気泡処理面〔前記
工程(4)〕、“第二ピーク”を利用したキャビテーシ
ョン気泡処理面〔前記工程(4)〕および、比較材C=
0.04%のSUS304(620℃ 24時間の強鋭
敏化処理)について実施した。
【0086】図25の模式図で示すように、上記各試験
片を隙間形成材(グラファイトウール)と挾んで曲率半
径100mmRの締め付け治具に装着し、288℃の高
温水中(O2:8ppm)に500時間浸漬後、その表
面に形成される割れ(SCC)の深さを測定した。その
結果を図26に示す。なお、図26の縦軸は最大SCC
深さ(μm)を示す。
【0087】“第一ピーク”を利用したキャビテーショ
ン気泡処理面(L/d=20,噴射時間60分)では最
大SCC深さは57μm、“第二ピーク”を利用したキ
ャビテーション気泡処理面(L/d=80,噴射時間4
0分)では最大SCC深さは103μmと、放電加工面
(AS EDM)の506μm、平面研磨面の611μ
mと比較していずれも浅く、耐SCCはキャビテーショ
ン気泡処理に効果が認められる。
【0088】次に、放電加工面にキャビテーション気泡
の表面改質を行った金属表面の残留応力を測定を行っ
た。
【0089】図27は、前記条件で、放電加工面のマイ
クロクラックを含む表面変質層を完全に除去した後、更
に、水中で前記ホーン型ノズル3を使用してL/d=8
0に設定し、70MPaのウォータージェットを噴射処
理した金属面の残留応力の測定結果を示すグラフであ
る。ウォータージェット処理面の残留応力は圧縮応力と
なっており、残留応力の改善効果が明らかである。
【0090】〔実施例 6〕次に、表面異質層として錆
が発生している金属を対象に表面異質層の除去確認試験
を実施した。
【0091】炭素鋼を塩水に浸漬した試験片を用いて、
“第一ピーク”を利用したキャビテーション気泡処理
(L/d=20,ポンプ圧力70MPa,ノズル移動速
度0.025m/分)を施した。また“第二ピーク”を
利用したキャビテーション気泡処理(L/d=80,ポ
ンプ圧力70MPa,ノズル移動速度0.025m/
分)を施した。いずれの場合も試験片の表面に付着した
赤錆(表面異質層)を除去することができた。
【0092】水中でのウォータージェット処理は、原子
炉炉内構造物においては、炉水を保持した状態で作業で
きるので、作業者の被ばく低減に極めて有効である。ま
た、複雑な形状の金属面であっても、更にまた、狭隘部
であっても適用可能であり、装置開発と施工のコスト面
で有利である。
【0093】前記各実施例では水中でのウォータージェ
ットを利用した例を示したが、大気中でも同様にウォー
タージェットを利用することにより表面変質層の除去、
残留応力の改善が可能である。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、表面異質層を有する金
属材料に対し、水中ではキャビテーション気泡の崩壊圧
を利用し、また、大気中ではウォータージェットの軸動
圧の衝撃力を利用することで、表面形状の複雑な構造物
に対しても比較的容易に表面異質層を除去することが可
能で、しかも表面異質層が除去された表面には圧縮の残
留応力が存在し耐疲労強度,耐食性を向上することがで
きる。
【0095】特に、原子炉圧力容器内等の構造物の表面
処理は、炉水を保持した状態で処理することができるの
で、狭隘,複雑形状部にも、従来の研磨装置のような特
殊な装置は不要であり経済的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面異質層を有する金属材料の水中表面処理装
置の概念図である。
【図2】ホーン型ノズルの断面図である。
【図3】表面異質層を有する金属材料の大気中表面処理
装置の概念図である。
【図4】キャビテーション気泡の衝撃圧力測定する感圧
フィルム法の説明図である。
【図5】スタンドオフ距離(L/d)と衝撃圧力との関
係を示すグラフ図である。
【図6】キャビテーション気泡崩壊時の衝撃圧発生現象
の説明図である。
【図7】壊食試験を説明するための図である。
【図8】L/dと質量損失の関係を示すグラフ図であ
る。
【図9】ショット投射による円柱面の表面処理の概念図
である。
【図10】ウォータージェットによる円柱面の表面処理
の概念図である。
【図11】凸型円柱の座標系を示す図である。
【図12】凸型円柱の座標系を示す図である。
【図13】凹型円柱の座標系を示す図である。
【図14】凸型円柱の衝撃圧力分布を示す図である。
【図15】凸型円柱の衝撃圧力分布を示す図である。
【図16】凸型円柱の衝撃圧力分布を示す図である。
【図17】凸型円柱の衝撃圧力分布を示す図である。
【図18】歯車にショットを投射した場合の概念図であ
る。
【図19】歯車にウォータージェットを噴射した場合の
概念図である。
【図20】歯車にウォータージェットを噴射する場合の
平面図である。
【図21】歯車にウォータージェットを噴射する場合の
正面図である。
【図22】疲労試験用試験片の平面図である。
【図23】疲労試験結果のグラフ図である。
【図24】CBB試験片の製造工程を示すフロー図であ
る。
【図25】CBB試験の概要を示す模式図である。
【図26】CBB試験結果を示すグラフ図である。
【図27】放電加工金属面をウォータージェット処理し
た場合の残留応力のグラフ図である。
【符号の説明】
1…高圧ポンプ、2…ホース、3…ノズル、4…金属材
料、5…オリフィス部、6…ホーン部、7…キャビテー
ション気泡、9…ノズル移動手段、10…導水管、11
…タンク、12…超高圧ポンプ、13…マイクロクラッ
ク、14…表面変質層、16…高圧水、17…中心軸、
18…キャビテーション噴流の輪郭、19…感圧フィル
ム、20…周囲水、24…キャビテーション噴流、25
…アルミ合金試験片、26…跳ね返り噴流、27…壊食
部、28…マイクロクラック、29…制御装置、30…
キャビテーション気泡、31…高速ジェット、32…固
体、33…ショット、34…円柱形状対象物、35…歯
車、39…歯車保持架台、40…回転駆動手段、43…
炭素鋼ブロック、44…肉盛溶接部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒沢 孝一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 榎本 邦夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 佐藤 一教 広島県呉市宝町3番69号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 真鍋 二三夫 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 古川 秀康 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 舟本 孝雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 高田 浩 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 吉久保 富士夫 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ュークリアエンジニアリング株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルから噴出させた高速のウォーター
    ジェットを表面異質層を有する金属または非金属からな
    る材料表面に衝突させ、前記高速のウォータージェット
    により前記材料の表面異質層を除去することを特徴とす
    るウォータージェットによる表面異質層を有する材料表
    面の処理方法。
  2. 【請求項2】 ノズルから噴出された高速のウォーター
    ジェットを表面異質層を有する金属または非金属からな
    る材料の表面に衝突させ、前記高速のウォータージェッ
    トにより前記材料の表面に存在する表面異質層を除去
    し、更に、前記材料の表面に局部的高圧力分布と少なく
    とも降伏点に相当する歪みを発生させることを特徴とす
    るウォータージェットによる表面異質層を有する材料表
    面の処理方法。
  3. 【請求項3】 ノズルから噴出させた高速のウォーター
    ジェットを、水中に浸漬した表面異質層を有する金属ま
    たは非金属からなる材料の表面に衝突させ、前記ウォー
    タージェットの噴出水流によるキャビテーションにより
    前記材料の表面に潰食を発生させて前記材料の表面異質
    層を除去し、更に、前記材料の表面に局部的高圧力分布
    と少なくとも降伏点に相当する歪みを発生させることを
    特徴とするウォータージェットによる表面異質層を有す
    る材料表面の処理方法。
  4. 【請求項4】 ノズルから噴出させた高速のウォーター
    ジェットを、水中に浸漬した表面異質層を有する金属ま
    たは非金属からなる材料の表面に衝突させ、前記ウォー
    タージェットの噴出水流によるキャビテーションにより
    前記材料の表面に潰食を発生させて前記材料の表面異質
    層を除去し、更に、前記材料の表面に局部的高圧力分布
    と降伏点に相当する歪みの2〜10倍の歪を発生させる
    ことを特徴とするウォータージェットによる表面異質層
    を有する材料表面の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記表面異質層が、応力集中または表面
    亀裂を含む請求項1〜4のいずれかに記載のウォーター
    ジェットによる表面異質層を有する材料表面の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ウォータージェットが、前記材料表
    面に塑性変形を誘起し得る高速の噴出水流である請求項
    1〜5のいずれかに記載のウォータージェットによる表
    面異質層を有する材料表面の処理方法。
  7. 【請求項7】 前記ノズルが、オリフィス部とその下流
    側に連なる末広がりの開口部を有するノズルである請求
    項1〜6のいずれかに記載のウォータージェットによる
    表面異質層を有する材料表面の処理方法。
  8. 【請求項8】 前記ノズルのオリフィス内径をd、前記
    ノズルから前記材料表面までの距離をLとしたとき、始
    めにL/d≦40に設定して前記材料表面を処理し、次
    いでL/dを60〜130に設定して前記材料表面を処
    理する請求項1〜7のいずれかに記載のウォータージェ
    ットによる表面異質層を有する材料表面の処理方法。
  9. 【請求項9】 前記金属または非金属からなる材料の表
    面が、放電加工面である請求項1〜8のいずれかに記載
    のウォータージェットによる表面異質層を有する材料表
    面の処理方法。
  10. 【請求項10】 前記金属材料が金属と非金属の複合
    材、または、非金属の複合材である請求項1〜9のいず
    れかに記載のウォータージェットによる表面異質層を有
    する材料表面の処理方法。
  11. 【請求項11】 前記金属材料が焼結金属である請求項
    1〜9のいずれかに記載のウォータージェットによる表
    面異質層を有する材料表面の処理方法。
  12. 【請求項12】 前記表面異質層が表面硬化処理層であ
    る請求項1〜9のいずれかに記載のウォータージェット
    による表面異質層を有する材料表面の処理方法。
  13. 【請求項13】 前記硬化処理層が浸炭焼入,窒化また
    は高周波焼入れ層である請求項12に記載のウォーター
    ジェットによる表面異質層を有する材料表面の処理方
    法。
  14. 【請求項14】 前記硬化処理層が浸炭焼入,窒化また
    は高周波焼入れ層である請求項1〜9のいずれかに記載
    のウォータージェットによる表面異質層を有する材料表
    面の処理方法。
  15. 【請求項15】 前記表面異質層が凹形状または凸形状
    からなる層である請求項1〜16のいずれかに記載のウ
    ォータージェットによる表面異質層を有する材料表面の
    処理方法。
  16. 【請求項16】 前記金属材料が原子炉圧力容器または
    その構造物であり、該容器内に炉水を張った状態で前記
    表面異質層を除去する請求項1〜9のいずれかに記載の
    ウォータージェットによる表面異質層を有する材料表面
    の処理方法。
  17. 【請求項17】 前記金属材料が歯車、スプラインの軸
    または段付き軸、またはキー溝である請求項1〜9のい
    ずれかに記載のウォータージェットによる表面異質層を
    有する材料表面の処理方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007191755A (ja) * 2006-01-19 2007-08-02 Isuzu Motors Ltd 金属材の疲労強度向上方法
JP2011016178A (ja) * 2009-07-08 2011-01-27 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd ウォータージェットピーニング方法及びその装置
JP2011025332A (ja) * 2009-07-22 2011-02-10 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd ウォータージェットピーニング方法及びその装置
JP2012148374A (ja) * 2011-01-20 2012-08-09 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd ウォータージェットピーニング方法及びその装置
JP2018183871A (ja) * 2013-10-28 2018-11-22 フロー インターナショナル コーポレイション 改善された作業環境を促進する流体ジェット切断システム、構成要素及び方法

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