JPH0647601Y2

JPH0647601Y2 - 二軸ｎｃ工作機

Info

Publication number: JPH0647601Y2
Application number: JP1988020539U
Authority: JP
Inventors: 龍男山根
Original assignee: Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Current assignee: Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Priority date: 1988-02-17
Filing date: 1988-02-17
Publication date: 1994-12-07
Anticipated expiration: 2003-02-17
Also published as: JPH01125101U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、二個のワークを同時にチャッキングして連続
的に精密加工することができるようにしたNC工作機に関
する。

（従来の技術）ベアリングのレース部分の加工等精密加工を要し、かつ
大量に処理しなければならないようなものには専用の単
能盤を使用していた。この従来の単能盤は一個ずつワー
クをチャッキングしシーケンス制御により加工するもの
であり、バイトの送りは位置決めを始点と終点の二点の
みで行ない、主として一方向のみの送りを順次組合わ
せ、又送り速度も二段程度のものであった。

又、加工時のバイト等の摩耗等による寸法調整は、ポジ
ティブストッパの出し入れで行っていた。又、二主軸
と、一台のスライドする刃物台と、同刃物台に取付けた
一群のバイトとからなる２主軸１刃物台数値制御旋盤が
実開昭62-92101号公報に開示されている。一主軸と、ス
ライドする刃物台と、刃物台に複数列設されたバイト群
とからなる工作機械が実開昭60-103602号公報に開示さ
れている。

（考案が解決しようとする課題）この従来の単能盤では、機構が簡単で安価である利点は
あるが、刃物台の合成送りの確実性がないことから、主
軸を二軸にした場合二個のワークを最少の動きで高精度
を維持しながら順次加工するということができない。
又、送り速度も二段程度であるから加工時間も減縮する
ことができず主軸を二軸にするメリットがない。それに
ポジティブストッパの出し入れで寸法調整をするもので
は微調整が困難であり、主軸系及び送り系を含めた熱変
形、チップの摩耗等によるもの、工作機がワーク切れ等
で一時停止し再スタートした時等による、所謂傾向変化
要因による寸法変化分の自動工具補正ができず無人化指
向ができない等の課題があった。又、実開昭62-92101号
公報の旋盤では、二主軸であってもバイトは一群のみで
あり、二主軸同時作動による同時加工は行えるものでは
なかった。又、一群のバイトが二主軸間に長いストロー
ク動いて交代的に加工するので加工効率がいまだ低いも
のであった。

更に、実開昭60-103602号公報の工作機は複数のバイト
を選択できるが、一主軸のものであり、ワークの同時加
工、迅速な交代的な加工は行えるものではなかった。

（課題を解決するための手段）本考案は、かかる従来の課題を解決するためになされた
もので、精密加工を要するワークを二個チャッキングす
ると共に二軸同時制御し刃物台を合成送りすることによ
って加工精度を上げ、加工時間を減縮し、さらに機内測
定若しくは機外測定で傾向変化要因による寸法変化分を
割り出して二組のバイト群を夫々独立して自動補正をす
ることにより二個連続して加工したワークの寸法を常時
高精度に維持できると共に無人化することが可能な二軸
NC工作機を提供する。

更に、本考案の他の課題は、ワークの同時加工も可能と
し、又バイトの僅かな動きでワークの交代的加工を可能
とし、更に加工の補正を各バイトに対して独立して行え
る二軸NC工作機を提供することにある。

かかる課題を解決した本考案の要旨は、１）二つの主軸と、二組のバイト群と、同二組のバイト
群に共通でスライド可能に形成された一台の刃物台とを
備えると共に同刃物台にバイト群取付ベースを設け、同
バイト群取付ベースに一方を正勝手、他方を逆勝手に形
成した二組のバイト群を夫々の主軸と適宜オフセットし
た状態で取付け、夫々の主軸にチャッキングしたワーク
を夫々同時加工可能にバイト群取付ベースを配置し、か
つバイト群が配設されたことを特徴とする二軸NC工作機２）二つの主軸と、二組のバイト群と、同二組のバイト
群に共通でスライド可能に形成された一台の刃物台とを
備えると共に同刃物台でバイト群取付ベースを設け、同
バイト群取付ベースに一方を正勝手、他方を逆勝手に形
成した二組のバイト群を夫々の主軸と適宜オフセットし
た状態で取付け、バイト群取付ベースが刃物台に対し独
立して移動調整自在に形成されたことを特徴とする二軸
NC工作機にある。

（作用）本考案では、NC工作機に二つの主軸と、二組のバイト群
と、一台の刃物台とを備えている。

この刃物台には一対のバイト群取付ベースがあり、これ
に夫々正勝手、逆勝手に形成したバイト群を主軸と適宜
オフセットした状態で取付けることができる。例えばワ
ークの内径加工には二つの主軸の軸心より内側に左右の
バイトをわずかな量オフセットして固定し、一方のワー
クが内径加工時には他方のバイトは他方のワークの下穴
に挿入されてはいるが加工面と接触してはいない。一方
のワークの内径加工終了後刃物台をＸ軸スライドし、今
度は他方のバイトで他方のワークの内径加工を行う。こ
のとき一方のバイトはワークの穴に挿入されてはいるが
加工面から離反する位置にある。従って、一方のワーク
の穴加工後他方のワークの穴加工をするためのバイト
は、バイトの主軸心に対するわずかなオフセット量だけ
移動させるだけで他方のワークの穴加工をすることがで
きる。

同様にして穴両側にシールド板用の溝加工をする場合、
穴加工用のバイトがワークに干渉しない位置に両溝加工
用バイトをやはり主軸心とわずかな量オフセットして固
定して前記同様にして加工する。この穴加工から溝加工
に移る際に刃物台を始点に戻す必要はなく、穴加工用の
バイトをワークの穴から抜き出すと共に一方の溝加工用
バイトを一方のワーク方向に移動させる工程だけを前記
穴加工の工程に連続して設ければよい。

又、加工精度が高く要求されない様な加工部分は、他の
加工工程に合せて同時に行うことができる。ワーク端面
の面取り加工等は一方のワークの穴加工時に他方のワー
クの面取りを行う様バイトを刃物台に配設しておくと面
取り加工工程を特別設けずとも常に同一寸法で面取りす
ることができる。

これ等のバイト群は、制御量に対して適正位置にあるよ
うバイト群取付ベースを移動して微調整することができ
る。刃物台の位置及びワークの位置はNC制御及びタッチ
センサ等のセンサによって決定され、ワークの寸法変化
量が計測されると、この計測値によってバイト位置は補
正される。この補正は、ワーク二個をワンスライドで加
工するが、バイト群を正勝手及び逆勝手に形成したもの
を取付けているため加工時の移動方向の違いから夫々の
バイトに対して独立して補正することが可能となった。
又、この自動補正が行なわれることにより無人化が可能
となった。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１〜５図に示す実施例はベアリングの外輪及び内輪を
加工する際のバイト群及びバイト群の動きを示すもので
ある。

第１図は外輪加工時のバイト群取付を示しており、二組
のバイト群は夫々ワンブロックのバイト群取付ベースに
取付けられている。このうち左側ワークのバイト群取付
ベースが微調整可能に形成されている。又、第２図は内
輪加工時のバイト群取付を示しており、左側ワーク用の
バイト群は夫々微調整可能に形成したツーブロックのバ
イト群取付ベースに取付けられ、右側ワーク用のバイト
群は刃物台に固定したワンブロックのバイト群取付ベー
スに取付けられている。

図中（１）は主軸（２）に取付けたチャック、（３）は
刃物台、（４）は左側ワーク（５）用バイト群取付ベー
ス、（６）は右側ワーク（７）用バイト群取付ベース、
（８）はバイト群取付ベース（４）用の微調整ねじ、
（９）はタッチセンサ、（10）は左側ワーク（５）とし
てのベアリング外輪（5a）加工時に使用するボール溝
（11）加工用バイト、（12）は同シールド板溝（13）加
工用バイト（14）は同Ｒ面（24）の面取り用バイト、
（15）は前記バイト群と逆勝手に形成し右側ワーク
（７）としてのベアリング外輪（7a）加工時に使用する
ボール溝（11）加工用バイト、（16）は同シールド板溝
（13）加工用バイト、（17）は同Ｒ面（24）の面取り用
バイトである。

又、（18）は左側ワーク（５）としてのベアリング内輪
（5b）加工時に使用するボール溝（11）加工用バイト、
（19）は同シールド板溝（13）加工用バイト、（20）は
同面取り用バイト、（21）は前記バイト群と逆勝手に形
成し右側ワーク（７）としてのベアリング内輪（7b）加
工時に使用するボール溝（11）加工用バイト、（22）は
同シールド板溝（13）加工用バイト、（23）は同面取り
用バイトである。

又、（4a）は左側ワーク（５）用バイト群ベース（４）
をツーブロック化して微調整ねじ（８）を設けたボール
溝（11）加工用バイト（18）取付用ベース、（4b）は同
シールド板溝（13）加工用バイト（19）と面取り用バイ
ト（20）との取付用ベースである。

このベアリング内輪（5b）、（7b）加工時、ボール溝
（11）加工用バイト（18）と（21）、シールド板溝（1
3）加工用バイト（19）と（22）とは夫々択一的に使
用、又シールド板溝（13）加工用バイト（19）と面取り
用バイト（23）、シールド板溝（13）加工用バイト（2
2）と面取り用バイト（20）とは同時に使用して加工す
ることができる。これ等の場合はバイト間の距離等を適
宜調整する。

第３図は二個のベアリングの外輪加工の順序を示してお
り、図中Ｌ−１〜Ｌ−８は左側ワークの加工順、Ｒ−１
〜Ｒ−８は右側ワークの加工順である。又、右側ワーク
（７）のボール溝（11）加工用バイト（15）の補正はＲ
−２のとき、左側ワーク（５）のボール溝（11）加工用
バイト（10）の補正はＬ−５のとき行うが本実施例では
Ｌ−５のときのみ行っている。

又、図中（ｍ）は主軸心（ｓ）に対するオフセット量で
ある。

以上、本考案の実施例を説明したが、本考案の具体的な
構成はこの実施例に限定されるものではない。

例えば、ワーク（５）、（７）の形状等によってバイト
群の数、配置は任意に変更できるものとし、バイト群取
付ベースの形状や取付方法等も適宜決定できるものであ
る。

尚、第６図は従来の単能盤を示しており、（30）はＸ
軸,Z軸方向に工具補正するポジティブストッパである。

（考案の効果）以上説明した様に、本考案によれば、NC工作機に二つの
主軸と二組のバイト群、それに二組のバイト群に共通の
刃物台を備え、さらにバイト群の一方を正勝手、他方を
逆勝手に形成したので、一台のNC工作機に同時に二個の
ワークをチャッキングし、これ等をワンスライドで加工
して従来機の二台分の機能を持たせることができ、又加
工時間を大巾に減縮することができ大変経済的である。

又、主軸を二つにして工作機二台分の機能を持たせたに
も拘らず取付スペース等は従来機よりＸ軸ストロークの
増加分だけ余分に見込めばよく省スペースを計ることが
できる。

それにバイト群を主軸の軸心とオフセットの状態で取付
けたので、ワーク測定用に配設したタッチセンサで加工
時の傾向変化要因による寸法変化分を測定し、これによ
り各バイトを単独に補正することができ、二個同時加工
するにも拘らず常に高精度を保った加工をすることがで
きた。又このため無人化することもできるのでコストダ
ウンも可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のベアリング外輪加工時を示
す説明図、第２図は同内輪加工時を示す説明図、第３図
は二個のベアリングの外輪加工の順序の前半を示す説明
図、第４図はベアリング外輪加工の後半から仕上げまで
を示す説明図、第５図は同ベアリング内輪加工の順序を
示す説明図、第６図は従来の単能盤要部を示す説明図で
ある。（１）：チャック、（２）：主軸（３）：刃物台、（４）：バイト群取付ベース（５）：左側ワーク、（６）：バイト群取付ベース（７）：右側ワーク、（８）：微調整ねじ（９）：タッチセンサ（10）：ボール溝（11）加工用バイト（12）：シールド板溝（13）加工用バイト（14）：面取りバイト（15）：ボール溝（11）加工用バイト（16）：シールド板溝（13）加工用バイト（17）：面取り用バイト（18）：ボール溝（11）加工用バイト（19）：シールド板溝（13）加工用バイト（20）：面取り用バイト（21）：ボール溝（11）加工用バイト（22）：シールド板溝（13）加工用バイト（23）：面取り用バイト、（ｍ）：オフセット量

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】二つの主軸と、二組のバイト群と、同二組
のバイト群に共通でスライド可能に形成された一台の刃
物台とを備えると共に同刃物台にバイト群取付ベースを
設け、同バイト群取付ベースに一方を正勝手、他方を逆
勝手に形成した二組のバイト群を夫々の主軸と適宜オフ
セットした状態で取付け、夫々の主軸にチャッキングし
たワークを夫々同時加工可能にバイト群取付ベースを配
置し、かつバイト群が配設されたことを特徴とする二軸
NC工作機。
【請求項２】二つの主軸と、二組のバイト群と、同二組
のバイト群に共通でスライド可能に形成された一台の刃
物台とを備えると共に同刃物台にバイト群取付ベースを
設け、同バイト群取付ベースに一方を正勝手、他方を逆
勝手に形成した二組のバイト群を夫々の主軸と適宜オフ
セットした状態で取付け、バイト群取付ベースが刃物台
に対し独立して移動調整自在に形成されたことを特徴と
する二軸NC工作機。