JPH0646876Y2 - 自動飲料注出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は大小さまざまな大きさのグラスに、適量の飲
料、特にビールを自動的に注入することができる自動飲
料注出装置に関する。

「従来の技術」 飲料をグラスに注ぐ場合、特にビールは泡が発生し、ま
たこの泡が適量にビールの液面に被されている状態を得
ることが要求されるからむずかしい作業である。

このため従来生ビールをグラスに注ぐ作業はカウンタ等
の台に設置されたビールフォーセットと呼ばれる弁を使
って人手によって行なわれている。

ビールフォーセットにはホースを通じて所定の温度範囲
に入るように冷やされた生ビールが所定の範囲に入る圧
力に保持されて与えられ、弁を開くことにより、その圧
力によってビールを注出させグラスに対する注入条件を
揃える工夫が施されている。つまり、ビールの注出条件
を揃えることにより、泡の発生量を揃え、グラスに注が
れる液体と泡の比率に大差が出ない工夫がなされてい
る。

「考案が解決しようとする課題」 上述したように、生ビールの注出条件を揃えることによ
り泡の発生量を揃え、液体と泡の比率に大差が生じない
工夫がなされているにも係わらず、グラスの大きさに応
じて液体と泡の比率に差が生じてしまう不都合がある。

つまり、大きいグラス（高さが高い）では液体の量が多
くなり、小さいグラス（高さが低い）では泡の発生量が
多くなり、液体の量が少なくなる傾向がある。

その理由としてはビールフォーセットの注ぎ口は台の上
の一定高さ位置に設置されるためグラスの大小に関係な
く一定の落差でビールを注ぐと小さいグラスでは高さが
低いからビールがグラスの底及び内壁に当たる勢いが強
くなり、泡の発生量が多くなってしまうものと考えられ
る。このため従来はビールを注ぐ人は特に小さいグラス
の場合はグラスを手で持ってグラスの口をビールフォー
セットの注ぎ口に近づけ、或いは更にグラスを傾けてビ
ールの落下距離を可及的に小さく一定とするようにして
ビールを注ぐ操作を行っている。このため弁の操作とグ
ラスを持ち上げる操作を行わなくてはならないから疲労
がはげしい。

この考案の目的はグラスの大小に関係なく、グラスに溜
まるビールの量と泡の量の比率に大きな差が発生するこ
となく、ほぼ一定の比率で自動的に注ぐことができる自
動飲料注出装置を提供しようとするものである。

「課題を解決するための手段」 この考案ではグラス受台の側部に昇降自在に設けた昇降
台と、 この昇降台を昇降動作させる駆動装置と、 上記昇降台に搭載され、飲料の注出と停止とを制御する
操作レバーを具備した弁と、 グラス受台にグラスが置かれたことを検知して駆動装置
を起動させ、昇降台を上死点位置から下降させるグラス
検知手段と、 昇降台に搭載され、昇降台が下降動作している状態でグ
ラス受台に置かれたグラスの上端の位置を検知し、弁が
グラスに対して所定位置に到達したことを検出して駆動
装置の動作を停止させるグラス高検知手段と、 このグラス高検知手段の検出信号により起動され、弁に
設けられた操作レバーを飲料注出側に操作するソレノイ
ドと、 昇降台に搭載され、グラス受台に置かれたグラスの上部
からグラスの底部に向かって超音波を間欠的に発射し、
発射後に最も早く戻って来る反射波を検出してグラスに
注入される飲料の液面を覆う泡の上面位置を計測し、こ
の計測値が設定した所定値に達したことを検出し、検出
出力信号によってソレノイドの動作を停止させ飲料の注
出を停止させると共に駆動装置を起動させて昇降台を上
死点位置に戻す液面検出手段と、 によって自動飲料注出装置を構成したものである。

この考案の構成によればグラス高検知手段によってグラ
スの高さを検出し、どのよのうな高さのグラスに対して
も弁を一定高さ位置に停止させるから、特にビールの場
合、注出落差の初期値をグラスの高さの差に抑えること
ができる。よって泡の出る量を落差に関しては一定化と
することができる。

更に飲料がビールの場合グラスに注がれたビールの上面
に発生する泡の位置を液面検出手段によって検出し、そ
の検出信号によって弁を閉に制御する構造としたから、
グラスの大きさが異なってもグラスに適量のビールを注
入し、停止させることができる。

このようにこの考案によれば比較的簡単な構成によって
信頼性の高い自動飲料注出装置を提供することができ
る。

「実施例」 第１図及び第２図にこの考案の一実施例を示す。以下に
説明する実施例は飲料としてビールの場合を例示して説
明する。第１図及び第２図において、10は基台を示す。
この基台10に昇降台20が昇降自在に支持される。

昇降台20の支持構造としては例えば基台10に２個のスラ
イド軸受11を設け、このスライド軸受11に２本のシャフ
ト12をスライド自在に挿通し、この２本のシャフト12の
上端側に昇降台20を取付け、昇降台20を２本のシャフト
12とスライド軸受11によって昇降自在に支持することが
できる。

30は駆動装置を示す。この駆動装置は例えば直線駆動機
構31を具備したギヤードモータを用いることができる。
このギヤードモータはモータの回転を充分減速し、その
減速した回転力によってシャフト32を上下方向に直線移
動させる。上昇、下降の切替はモータの回転方向に切替
ることにより行なわれる。

駆動装置30によって直線運動するシャフト32の上端に昇
降台20を連結し、駆動装置30によって昇降台20を上昇、
下降させる。

基台10の前面側にグラス受台40が設けられる。グラス受
台40の上面には、グラス検知手段41が設けられる。グラ
ス検知手段41は例えば感圧素子を用いることができ、感
圧素子によってグラスの重量を検知してグラスが置かれ
たことを検知することができる。

昇降台20には弁50と、グラス高検知手段60とソレノイド
70、液面検出手段80とが搭載される。

グラス高検知手段60と液面検出手段80は例えば超音波セ
ンサを用いることができる。

グラス高検知手段60はその感知軸が昇降台20から前方に
向う姿勢で昇降台20に取付けられる。

従ってグラス受台40にグラスを置いた状態で昇降台20が
上死点位置から下降を始めるとグラス高検知手段60も下
降動作する。その下降動作中にグラス高検知手段60は前
方に向って超音波を断続して発射し、その反射波の有無
を監視する。

反射波が受信されると、その反射波はグラスによって反
射したものとみなし、弁50がグラスＧに対して所定位置
に到達したことを検知する。

この検知信号によって駆動装置30の動作を停止させるこ
とによって、弁50をグラス受台40上に置いたグラスＧに
対して所定位置で停止させることができる。図の例では
最も小さいグラスを置いた状態を示す。

弁50は昇降台20に昇降台20を構成する前面板21に取付け
られ、昇降台20から前方に突出して支持される。

弁50の上面側に操作レバー51が設けられている。操作レ
バー51は第２図に示すように中立位置Ｎに対し、前方向
Ｆと、後方向Ｂとに転倒操作できる。

中立位置Ｎで弁が閉じられ、前方向Ｂに倒すと弁50が開
かれて注出口52からビールを注出することができる。

また後方向Ｂに倒すと弁がわずかに開いた状態に操作さ
れて泡を抽出させることができる構造とされている。

尚このような機能を持つ弁50は従来から用いられている
ビールフォーセットをそのまま用いることができる。

操作レバー51の上端側にソレノイド70の可動ロッド71を
連結する。この連結によってソレノイド70に通電し、ソ
レノイド70に吸着動作を行なわせると、可動ロッド71が
第２図の例では左方向に移動し、操作レバー51をビール
注出側に転倒操作する。

ソレノイド70に対する通電を解除すると、可動ロッド71
は内部に設けられたスプリングの偏倚力によって右方向
に戻され、操作レバー51は中立位置Ｎに戻され、ビール
の注出は停止される。

尚この例ではソレノイド70の外に更に１つのソレノイド
72を設け、このソレノイド72によって操作レバー51を泡
出位置に操作できるように構成した場合を示す。

つまりソレノイド72の可動ロッド73を支点75（第２図参
照）によって回動自在に支持されたレバー74によってソ
レノイド70の可動ロッド71にリンク結合し、このリンク
結合によってソレノイド72が吸着動作するとソレノイド
70の可動ロッド71は第２図の状態から右方向に移動し、
操作レバー51を泡出側に操作できるように構成してい
る。

この泡出用のソレノイド72は例えば基台10に設けた押ス
イッチ13を操作することによって動作させるように構成
し、泡が不足する場合に必要に応じて操作できるように
構成することができる。

またモード切替スイッチを設け、このモード切替スイッ
チの切替によってビール注出終了後に自動的に泡の抽出
を一定時間行なわせるように構成することもできる。

ビールが注出口52から注出されている状態において、液
面検出手段80はグラスＧの内のビールの泡の位置を常時
計測する動作を行う。

この計測動作は超音波を間欠的に発射し、その反射波が
戻って来るまでの時間を計測する。超音波は主に液面で
反射するが、泡の膜面でも反射する。このためここでは
最も早く戻って来た反射波をとらえ、超音波の発射から
反射波が戻って来るまでの時間として泡の上面位置を計
測するものとする。この計測値が予め設定した値と一致
した時点でソレノイド70の通電を停止させ、ビール注出
を停止させることによって泡がグラスの淵の上に適度に
膨らんだ状態のビール注入状態を得ることができる。

つまり泡がグラスＧの上面からわずかに脹らみ始めた状
態を検出し、その状態でその時点以後に発生する泡の量
を予測してビールの注出を停止させることによって適度
に泡が盛上がった状態を得ることができる。

第３図及び第４図にこの考案の応用例を示す。第３図で
はグラス受台40をベルトコンベアのような搬送装置に置
換した例を示す。グラス受台40をグラス搬送装置に置換
えることによって空のグラスＧを搬送装置に乗せること
によってグラスに自動的にビールを注ぐことができる。
依って多量の顧客が来店する飲食店では便利である。尚
この場合グラスが弁50の下に搬送されたことを検出する
グラス検知手段41は例えば超音波センサによって構成す
ればよい。

第４図の例では簡便な方法としてグラス受台40を弁50の
位置を中心に往復運動させ、ビールの注出が終了すると
グラスを右又は左に移動させるように構成した場所を示
す。

このように構成することによってビールが注がれたグラ
スは自動的に弁50の下から排除されるから、ビールが注
がれたグラスを排除する作業を行なわなくても空のグラ
スを弁50の下に置くことができ便利である。

尚搬送装置としては上述の例以外にグラス受台40の上面
に沿って移動する腕を設け、この腕によってビールが注
がれたグラスを弁50の下の位置から排除させるように構
成することも考えられる。更にターンテーブル式の搬送
装置を利用することもできる。

また上述ではビール注出装置を例示して説明したが、ビ
ールに限定されるものでないことは容易に理解できよ
う。

「考案の効果」 以上説明したように、この考案によればグラスの高さを
検出して弁50をグラスの上面の所定位置に停止させ、こ
の位置から飲料を注ぐ構造としたから、特にビールの場
合、ビールが落下する落差の初期値の違いをグラスの高
さの差の程度の大きさに抑え、小さいグラスに対して落
差を小さくすることができる。

よってグラスの大小による落差の差はグラスの高さの違
いに抑えることができる。特に小さいグラスに対して泡
の発生量を抑えることができるからこの点で泡の出る量
をグラスの大小に関係なく均一化することができる。

然も液面検出手段80を設け、この液面検出手段によてグ
ラスの上面に盛上がる泡の位置を検出し、その後に発生
する泡の量を予測してビールの注出を停止させる構造と
したから、グラスの大小に関係なくグラスに適量のビー
ルを注ぐことができる。

また泡またはビールがあふれてしまうような事故が起き
ることもなく、信頼性の高い自動ビール注出装置を構成
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第２図はそ
の側面図、第３図及び第４図はこの考案による自動ビー
ル注出装置の応用例を示す正面図である。 10:基台、20:昇降台、30:駆動装置、40:グラス受台、5
0:弁、60:グラス高検出手段、70:ソレノイド、80:液面
検出手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】A.グラス受台の側部に昇降自在に設けられ
   た昇降台と、 B.この昇降台を昇降動作させる駆動装置と、 C.上記昇降台に搭載され、飲料の注出と、停止を制御す
   る操作レバーを具備した弁と、 D.上記グラス受台にグラスが置かれたことを検知して上
   記駆動装置を起動させ上記昇降台を上死点位置から下降
   動作させるグラス検知手段と、 E.上記昇降台に搭載され上記昇降台が下降動作している
   状態で上記グラス受台に置かれたグラスの上端の位置を
   検知し、上記弁がグラスに対して所定位置に到達したこ
   とを検出して上記駆動装置の動作を停止させるグラス高
   検知手段と、 F.このグラス高検知手段の検出信号により起動され上記
   弁に設けられた操作レバーを飲料注出側に操作するソレ
   ノイドと、 G.上記昇降台に搭載され、上記グラス受台に置かれたグ
   ラスの上部からグラスの底部に向かって超音波を間欠的
   に出射し、出射後に最も早く戻って来る反射波を検出し
   てグラスに注入される飲料の液面を覆う泡の上面位置を
   計測し、この計測値が設定した所定値に達したことを検
   出し、この検出出力信号によって上記ソレノイドの動作
   を停止させ、飲料の注出を停止させると共に、上記駆動
   装置を起動させて昇降台を上死点位置に戻す液面検出手
   段と、 から成る自動飲料注出装置。