JPH0646506Y2 - 破砕機における押込装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は例えばスクラップとなった自動車のエンジ
ン、オートバイエンジンあるいはシリンダヘッド、トラ
ンスミッションなどの被破砕物をそのまま投入して破砕
する破砕機に関するものである。

〔従来の技術〕

上記のような被破砕物はかなり大きなもので、これをリ
ッパホイルの間に噛み込んで破砕するためにはリッパホ
イルの間に中間ホイルを介在させて、相手のリッパホイ
ルの歯がこの中間ホイルの外周に接近するようにしてあ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のような破砕機は被破砕物を自重を利用して破砕室
内に落し込むようにしてあるが、自重のみではリッパホ
イルの間に被破砕物が噛み込まない場合がある。

この考案の課題は上記のような従来の破砕機の問題点を
解決して必要に応じて強制的に被破砕物を噛み込ませる
ようにした押込装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案は破砕機におけ
る被破砕物投入シュートの側壁の一部を押込板とし、そ
の下部を支点として回動自在とするとともに、上記押込
板の駆動手段を設けたものである。

〔作用〕

この考案は上記の構成であるから、エンジン、トランス
ミッションなどの被破砕物を破砕室内に投入すると、こ
の破砕物は常時破砕用リッパホイル間に噛み込まれ、粗
破砕されて破砕室の下部の排出口から排出される。

また、投入した被破砕物が円滑にリッパホイル間に噛み
込まないときは押込板の駆動手段により、押込板を投入
シュート内に回動して被破砕物をリッパホイル間に強制
的に押し込む。

〔実施例〕

図面に示す実施例は常時破砕用投入部と再破砕用投入部
からなる被破砕物投入シュートを有する破砕機に実施し
たものである。この図において、１は破砕室で、前壁２
と後壁３および両側壁４からなり、両側壁４が第３図の
ように外方にふくらんだ形状となり、下部に排出口が設
けられている。

上記破砕室１の上部の開口上の被破砕物投入シュート５
は仕切板６で仕切り、常時破砕用投入部７と再破砕用投
入部８とに分けられている。

11、12は前記の前壁２と後壁３に設けた左右一対の軸受
により支持された左右一対の回転軸である。

上記回転軸11、12のそれぞれ投入部７の直下に位置する
部分には複数の常時破砕用リッパホイル14を固定する
が、この各リッパホイル14の間には第１図、第３図に示
すように、外周に複数の凹所15を有する中間ホイル16が
固定してある。

上記各リッパホイル14の外周には多数の歯17を設け、こ
の各歯17が第１図のように相手の中間ホイル16に対向す
るように配置してある。

また、再破砕用投入部８の直下となる回転軸11、12には
複数の再破砕用リッパホイル18を固定する。

上記リッパホイル18の歯19はリッパホイル14の歯17より
細かく、かつピッチも小さい。また、リッパホイル18は
径の小さいものと大きいものを交互に隣接させて固定
し、小径のリッパホイル18に相手側の大径のリッパホイ
ル18を相向せしめる。

21は押込板である。この押込板21は、投入シュート５の
常時破砕用投入部７に対する部分の一部を可動したもの
で、下端の軸22を中心として遥動するようにシュート５
に取付けられている。上記押込板21の内側には滑り止め
の複数の突部23を設け、外側には、その上端から軸22を
中心とする円弧状のカバー24を設けて押込板21を内方へ
回動したときシュート５の押込板取付部の開口を閉じる
もので、カバー24内にはリブ25が固定してある。

27は後壁３の下部外側のブラケットで、押込板21の駆動
手段としての油圧シリンダ28の下端がブラケット27に回
動自在に連結され、同シリンダ28のピストンロッド29の
上端を前記リブ25の一部に回動自在に連結する。

第１図、第２図の31は油圧モータで、このモータ31によ
って、減速機32を介してプロケット33を駆動する。

34は回転軸12の前端に固定したスプロケットで、両スプ
ロケット33、34に無端伝動チエン35をかける。

また、回転軸12にはピンホイル36を固定し、回転軸11に
は上記ピンホイル36に噛合するギヤ37を固定して回転軸
11、12が第３図の矢印方向に回転するようにする。

また、油圧モータ31の油圧を検出して過負荷時の油圧の
急上昇の際モータ31を停止または逆転させる安全装置を
設ける。

上記の実施例において、スクラップとなった自動車用エ
ンジンのような被破砕物を常時破砕用投入部７に投入す
ると、この被破砕物は左右のリッパホイル14間に噛み込
まれる。

上記の両リッパホイル14は回転速度に差があるため、両
リッパホイル14間に噛み込まれるながら、両側のリッパ
ホイル14の歯17の差動により被破砕物は引き裂かれ、粗
破砕されて下方の排出口から排出される。

上記の破砕により生じた破砕片がリッパホイル14と中間
ホイル16の間に入ったとき、その一部または全部が凹所
15に入り、この凹所15が下向きになったとき破砕片は落
下する。

また、常時破砕用投入部７へ投入された被破砕物がリッ
パホイル14の間に噛み込まれない場合、油圧シリンダ28
を働かせて押込板21を第１図の鎖線のように回し、被破
砕物を強制的にリッパホイル14の間に押し込む。

こうして、投入部７から入り、リッパホイル14間で破砕
されて排出口９から排出された破砕物はつぎの処理工程
として、振動ふるいやトロンメルなどの機械選別または
手選別コンベヤに送り込みまれて選別され、細かい破砕
物は回収されてコンベヤなどによりつぎの磁選機に向か
い、粗い破砕物はリタンコンベヤなどにより再破砕用投
入部８へ戻されてここから再破砕用リッパホイル18間に
投入される。

上記リッパホイル18は多数が隣接して設けられ、かつ多
数の細かい歯19が設けられているので、ここに投入され
た再破砕物は細かく破砕されて排出口から排出され、つ
ぎの磁選機に向かう。

〔考案の効果〕

この考案は前記のように、被破砕物投入シュートの側壁
の一部を押込板とし、その下部を支点として回動自在と
するとともに、上記押込板の駆動手段を設けたことによ
り、自然落下ではリッパホイル間に噛み込まれない被破
砕物も押込板の作用でリッパホイル間に強制的に押し込
まれる。

従って、押込板のない破砕機と比較してきわめて能率の
よい破砕が行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施した破砕機の一部切欠平面図、
第２図は同上の一部縦断側面図、第３図は同じく縦断正
面図である。 １……破砕室、 ５……被破砕物投入シュート、 ７……常時破砕用投入部、 ８……再破砕用投入部、11、12……回転軸、 14……常時破砕用リッパホイル、 16……中間ホイル、 18……再破砕用リッパホイル、 21……押込板、22……軸、 28……油圧シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】破砕室内に回転速度が異なる複数の回転軸
   を設け、この各回転軸にそれぞれ複数のリッパホイルを
   固定した破砕機において、上記破砕室の上部に設けた被
   破砕物投入シュートの側壁の一部を押込板とし、その下
   部を支点として回動自在とするとともに、上記押込板の
   駆動手段を設けた破砕機における押込装置。