JPH0645956U - 用紙スイッチバック機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 用紙の表裏を反転させる用紙スイッチバック
機構の構造を簡単にする。 【構成】 用紙２を引き入れる退避路３３に反転ローラ
４０を回転可能に設け、反転ローラ４０の回転軸４１に
ボス部４３を介してクラッチスプリング４４を取り付け
る。用紙２の搬送方向を切り替える切り替えレバー３４
に突起部３７を形成し、この突起部３７にクラッチスプ
リング４４の一端４４ａを係合させる。またクラッチス
プリング４４の一端４４ａが突き当たるリミッタ４７
と、他端４４ｂが突き当たるリミッタ４５を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、プリンタや複写機等における両面印刷機構などに使用され、用紙 の表裏を反転させる用紙スイッチバック機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、用紙の両面に印刷を行うプリンタや複写機等においては、用紙の表裏の 反転を行う用紙スイッチバック機構を備えたものがある。図５はそうした用紙ス イッチバック機構を備えたプリンタを示す概略側面図であり、図６は用紙スイッ チバック機構を示す説明図である。

【０００３】 図５において、電子写真プリンタ１には、用紙２を給送する給紙機構部３、用 紙２に印刷を行う電子写真記録部４、用紙２に対してトナーの定着を行う定着部 ５、用紙２の搬送方向を切り替える搬送方向切り替え部６、用紙２の表裏反転を 行う用紙スイッチバック機構７および用紙２を搬送する搬送路８がそれぞれ配設 されている。

【０００４】 給紙機構部３には給紙カセット９および給紙ローラ１０が備えられている。電 子写真記録部４には、表面に静電潜像を形成する感光ドラム１１、帯電器１２、 光学ヘッド１３、現像器１４、転写器１５およびクリーナ１６から構成される。 搬送方向切り替え部６には回転可能なレバー１７が配設される。用紙スイッチバ ック機構７には、回転可能な切り替えレバー１８、正逆回転する反転ローラ１９ および用紙２を検出するセンサ２０が設けられている。また搬送路８には、各所 に搬送ローラが配設されている。

【０００５】 つぎに、このプリンタ１における両面印刷動作を、用紙反転動作を含めて説明 する。 給紙機構３から用紙２が１枚ずつ分離給送され、その先端がレジストローラ８ ａに突き当てられスキューを修正された後、さらに転写器１５の位置に搬送され る。ここで、この転写器１５によって、感光ドラム１１の表面に形成されたトナ ー像が用紙２の表面に転写される。なおトナー像は、帯電器１２、光学ヘッド１ ３および現像器１４により感光ドラム１１上に形成される。用紙２の表面に転写 されたトナー像は、定着部５によって定着される。

【０００６】 ここで用紙２の裏面にも印刷を行う場合は、搬送方向切り替え部６のレバー１ ７を切り替えて用紙２を下方の搬送路８に送るようにする。これにより用紙２は 用紙スイッチバック機構７に送られる。

【０００７】 図６において、切り替えレバー１７は、ソレノイド２１とスプリング２２によ り回転駆動され、通常はこの図に示す位置になっている。したがって左側の搬送 路８から送られてきた用紙２は、反転ローラ１９方向へ送られ、反転ローラ１９ に挟持されてさらに搬送される。そしてセンサ２０により用紙２の後端が検出さ れると、反転ローラ１９を逆回転し、同時にソレノイド２１により切り替えレバ ー１８を図７に示す位置に切り替える。これにより用紙２は、表裏が反転されて 、上方の搬送路８に送り込まれる。なお図７は従来の用紙スイッチバック機構の 動作を示す説明図である。

【０００８】 図５において、用紙スイッチバック機構７で表裏反転された用紙２は、レジス トローラ８ａによりスキューを修正されて、転写器１５の位置まで搬送される。 この時用紙２の裏面が感光ドラム１１側になっており、感光ドラム１１表面に形 成されたトナー像は、この裏面に転写される。ただし、表面に印刷したときの用 紙先端は、裏面に印刷するときの用紙後端になるので、光学ヘッド１３に送られ る印刷データはそれに合わせて変換してある。

【０００９】 用紙２の裏面にトナー像が転写されたのち、定着部５で定着され、さらに搬送 方向切り替え部６に送られて、ここから装置外に排出される。以上により印刷が 終了する。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記従来の用紙スイッチバック機構においては、用紙の搬送方向 を切り替える切り替えレバーを作動させるソレノイドと、このソレノイドを駆動 する駆動回路が必要であり、切り替えレバーの駆動機構が複雑になるという問題 があった。

【００１１】 本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、用紙の搬送方向を 切り替える切り替えレバーを駆動する駆動機構を簡単にした用紙スイッチバック 機構を提供することである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案は、用紙搬送路に退避路を合流してＹ字形の 搬送路を形成し、この合流部に回転可能な切り替えレバーを配設するとともに退 避路に正逆回転する反転ローラを配設し、反転ローラの一方向の回転により一方 の用紙搬送路から退避路へ用紙を引き入れ、反転ローラの他方向の回転により退 避路から他方の用紙搬送路へ用紙を送り出して用紙の表裏反転を行う用紙スイッ チバック機構において、前記切り替えレバーを一方向へ付勢し、一方の用紙搬送 路から退避路へ用紙を案内させる付勢手段と、前記反転ローラの回転軸上に取り 付けられ、反転ローラの他方向の回転により前記付勢手段の付勢力に抗って切り 替えレバーを他方向へ回転して退避路から他方の用紙搬送路へ用紙搬送可能とし 、反転ローラの一方向の回転により切り替えレバーに対する規制を解除するクラ ッチ部材とを設けたものである。

【００１３】 さらに上記手段に加えて、前記退避路に配設され、用紙が引き入れられたこと を検出して前記反転ローラの回転方向を切り替える検出手段を設けるようにして もよい。

【００１４】

【作用】 付勢手段が、切り替えレバーを一方向へ付勢して一方の用紙搬送路から退避路 へ用紙を案内するようになっているので、一方の用紙搬送路上を用紙が送られて くると、用紙は退避路に入り込む。退避路に入り込んだ用紙は、反転ローラの一 方向の回転により完全に退避路内に引き入れられる。ここで反転ローラを他方向 へ回転させると、用紙は逆方向へ搬送され始めると同時に、反転ローラの回転軸 上に取り付けられたクラッチ部材が、切り替えレバーを他方向へ回転させ、用紙 を退避路から他方の用紙搬送路へ搬送可能になる。これにより用紙は、表裏反転 して他方の用紙搬送路に送り込まれる。

【００１５】 また、検出手段を設けた場合は、一方の用紙搬送路から送られてきた用紙が完 全に退避路内に入り込んだことをこの検出手段により検出する。そしてこの検出 を契機として反転ローラの回転方向を切り替えるようにする。

【００１６】

【実施例】

以下本考案に係る実施例を図面にしたがって説明する。なお各図面に共通する 要素には同一の符号を付す。

【００１７】 図１は本考案に係る実施例の用紙スイッチバック機構を示す説明図、図２は実 施例の用紙スイッチバック機構を示す斜視図である。 図において、本実施例の用紙スイッチバック機構３１は、従来例と同様に、プ リンタに設けられたものである。用紙スイッチバック機構３１には、搬送路３２ ａ、３２ｂおよび退避路３３が配設されており、用紙２は搬送路３２ａからこの 用紙スイッチバック機構３１に搬送されてくる。

【００１８】 搬送路３２ａと３２ｂの間には、切り替えレバー３４がシャフト３５により回 転自在に取り付けられている。シャフト３５は、図２に示すように、切り替えレ バー３４の両側に形成されており、これが図示せぬプリンタ装置の筐体に回転可 能に取り付けられている。切り替えレバー３４は断面三角形状をしており、その 側端部には、シャフト３５を間に突出部３６と突起部３７が形成されている。突 出部３６にはスプリング３８が取り付けられており、切り替えレバー３４を図１ に示す矢印Ａ方向へ付勢する。そして突起部３７にはクラッチスプリング４４の 一端４４ａが係合している。

【００１９】 退避路３３には、反転ローラ４０が回転可能に配設されている。反転ローラ４ ０の一方の回転軸４１には、ボス部４３を有する従動ギア４２が取り付けられて おり、このボス部４３にはクラッチスプリング４４が巻き付けられている。従動 ギア４２は図示せぬ駆動手段から回転を伝達されるようになっており、これによ り反転ロ−ラ４０は正逆両方向へ回転する。クラッチスプリング４４の一端４４ ａは切り替えレバー３４の突起部３７に係合し、他端４４ｂは装置筐体に形成さ れたリミッタ４５に係合するようになっている。クラッチスプリング４４は反転 ローラ４０の回転軸４１の回転に伴って回転し、ボス部４３に対する係合がきつ くなったり、緩くなったりするようになっている。クラッチスプリング４４のボ ス部４３に対する係合状態を図３に示す。

【００２０】 また退避路３３には、用紙の有無を検出する用紙センサ４６が取り付けられて いる。この用紙センサ４６は一対の発光受光フォトセンサからなり、退避路３３ に入ってきた用紙１の後端部を検出する。また退避路３３に近い、図示せぬ装置 フレームにはリミッタ４７が設けられており、このリミッタ４７にクラッチスプ リング４４の一端４４ａが当接するようになっている。

【００２１】 つぎに本実施例の動作を説明する。 用紙２が搬送路３２ａから送り込まれてくるときには、切り替えレバー３４は スプリング３８により図１に示す状態になっており、用紙２は搬送路３２ａから 退避路３３へ入るようになっている。またこの時、反転ローラ４０は図示せぬ駆 動手段により図１に示す矢印Ｂ方向に回転している。反転ローラ４０の回転によ りクラッチスプリング４４は、その巻き方向と回転方向が逆になるので、最初は ボス部４３とともに矢印Ｂ方向に回転するが、一端４４ａがリミッタ４７に突き 当たると、ボス部４３は回転を続けるがクラッチスプリング４４は回転を停止す る。

【００２２】 搬送路３２ａから退避路３３に入った用紙２は、反転ローラ４０の回転により 図１に示す矢印Ｃ方向に送られる。ここで用紙２の後端が用紙センサ４６により 検出されると、図示せぬ駆動手段を逆方向に回転して反転ローラ４０を矢印Ｄ方 向に回転させる。この時用紙２は反転ローラ４０に挟持されているので反対方向 に搬送され始める。反転ローラ４０の逆回転によりクラッチスプリング４４もボ ス部４３とともに回転し矢印Ｄ方向に回転する。そしてクラッチスプリング４４ の一端４４ａは、リミッタ４７から離れ、切り替えレバー３４の突起部３７に突 き当たり、クラッチスプリング４４のボス部４３への巻き付きが強くなり、ボス 部４３と一体的に回転するようになる。このようにしてクラッチスプリング４４ の一端４４ａが突起部３７を押すと、切り替えレバー３４は図４に示す矢印Ｅ方 向にシャフト３５を中心に回転する。なお、図４は実施例の動作を示す説明図で ある。

【００２３】 このようにしてクラッチスプリング４４が矢印Ｄ方向に回転すると、その他端 ４４ｂが図４に示すようにリミッタ４５に突き当たり、ボス部４３に対するクラ ッチスプリング４４の巻き付きが緩められる。すると切り替えレバー３４は、ス プリング３８に引っ張られて戻ろうとするが、クラッチスプリング４４が、回転 しているボス部４３に再び巻き付き、ボス部４３と一体に回転して締め付けられ 、切り替えレバー３４は再び矢印Ｅ方向へ回転する。

【００２４】 この様に、反転ローラ４０が矢印Ｄ方向に回転している間、クラッチスプリン グ４４はボス部４３に対し、巻き付きと緩みを繰り返し、釣り合いの取れた状態 で切り替えレバー３４を図４に示す位置に保持する。切り替えレバー３４のこの 回転は、スイッチバックされる用紙２の後端２ａが、切り替えレバー３４の先端 部に到達するまでに完了する。これにより用紙２は、反転ローラ４０の回転によ って、図４に示す矢印Ｆ方向に搬送され、切り替えレバー３４にガイドされて搬 送路３２ｂへ送られる。用紙２が反転ローラ４０から完全に外れるまで搬送され ると、図示せぬ駆動手段を正転方向に回転させ、反転ローラ４０を図１に示す矢 印Ｂ方向に回転して、クラッチスプリング４４を図１に示す位置に戻す。これに より切り替えレバー３４も図１に示す位置に戻る。以上により用紙２のスイッチ バック動作を終了する。

【００２５】

【考案の効果】

以上、詳細に説明したように本考案によれば、用紙の搬送方向を切り替える切 り替えレバーの動作を、反転ローラに取り付けたクラッチスプリングの回転によ り自動的に行うので、従来必要であったソレノイドとその駆動回路等の特別な駆 動源が不要になり、装置の小型化およびコストダウンが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の用紙スイッチバック機構を示
す説明図である。

【図２】実施例の用紙スイッチバック機構を示す斜視図
である。

【図３】実施例の反転ローラを示す切欠正面図である。

【図４】実施例の動作を示す説明図である。

【図５】従来の用紙スイッチバック機構を備えたプリン
タを示す概略側面図である。

【図６】従来の用紙スイッチバック機構を示す説明図で
ある。

【図７】従来の用紙スイッチバック機構の動作を示す説
明図である。

【符号の説明】

２ 用紙 ３２ａ、３２ｂ 搬送路 ３３ 退避路 ３４ 切り替えレバー ３８ スプリング ４０ 反転ローラ ４４ クラッチスプリング ４６ 用紙センサ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙搬送路に退避路を合流してＹ字形の
   搬送路を形成し、この合流部に回転可能な切り替えレバ
   ーを配設するとともに退避路に正逆回転する反転ローラ
   を配設し、反転ローラの一方向の回転により一方の用紙
   搬送路から退避路へ用紙を引き入れ、反転ローラの他方
   向の回転により退避路から他方の用紙搬送路へ用紙を送
   り出して用紙の表裏反転を行う用紙スイッチバック機構
   において、 前記切り替えレバーを一方向へ付勢し、一方の用紙搬送
   路から退避路へ用紙を案内させる付勢手段と、 前記反転ローラの回転軸上に取り付けられ、反転ローラ
   の他方向の回転により前記付勢手段の付勢力に抗って切
   り替えレバーを他方向へ回転して退避路から他方の用紙
   搬送路へ用紙搬送可能とし、反転ローラの一方向の回転
   により切り替えレバーに対する規制を解除するクラッチ
   部材とを設けたことを特徴とする用紙スイッチバック機
   構。
2. 【請求項２】 用紙搬送路に退避路を合流してＹ字形の
   搬送路を形成し、この合流部に回転可能な切り替えレバ
   ーを配設するとともに退避路に正逆回転する反転ローラ
   を配設し、反転ローラの一方向の回転により一方の用紙
   搬送路から退避路へ用紙を引き入れ、反転ローラの他方
   向の回転により退避路から他方の用紙搬送路へ用紙を送
   り出して用紙の表裏反転を行う用紙スイッチバック機構
   において、 前記切り替えレバーを一方向へ付勢し、一方の用紙搬送
   路から退避路へ用紙を案内させる付勢手段と、 前記退避路に配設され、用紙が引き入れられたことを検
   出して前記反転ローラの回転方向を切り替える検出手段
   と、 前記反転ローラの回転軸上に取り付けられ、反転ローラ
   の他方向の回転により前記付勢手段の付勢力に抗って切
   り替えレバーを他方向へ回転して退避路から他方の用紙
   搬送路へ用紙搬送可能とし、反転ローラの一方向の回転
   により切り替えレバーに対する規制を解除するクラッチ
   部材とを設けたことを特徴とする用紙スイッチバック機
   構。