JPH0645951U - 自動給紙機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 用紙間の摩擦が大きい場合にも、また用紙の
腰の強さが大きくても、プリンタ等の大形化を招くこと
なく、確実に用紙一枚一枚を分離して給紙することがで
きる自動給紙機構を提供することを目的とする。 【構成】 分離爪を備える自動給紙機構の当該分離爪５
が、脚部５Ｃの上端から広がり用紙カセット１内に積層
された用紙の上面に係合する広い面積の押さえ部を有
し、脚部５Ｃには切り欠き５ｂが形成されていることを
特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プリンタ等に用いられる自動給紙機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図６は、例えば特開平１−３０１２７４号公報に示されている種類の自動給紙 機構を斜視図で示したものでる。図において、１は定型の紙等の媒体（用紙）を 積載収納する用紙カセット、２は媒体との摩擦係数の大きい材料からなる半円盤 状のピックアップローラ、３はローラ軸である。ローラ軸は３は図示しない回転 駆動機構により矢印Ａ方向へ駆動される。５は用紙カセットの媒体送り出し側両 端に設けられた分離爪（図７に拡大して示す）、６は用紙カセットから送り出さ れた用紙を印画機構へ搬送する搬送ローラである。分離爪５は押さえ部５Ａと当 該押さえ部５Ａから垂下するＬ字形脚部５Ｃを有している。

【０００３】 紙等の媒体は、用紙カセット１内で、当該用紙カセットの底に設けた図示しな いばねで上方の開口側へ付勢されており、紙等の媒体の最上面の図の矢印Ｂ方向 から見た先端両隅部が分離爪５の押さえ部５Ａの下面に圧接している。ローラ軸 ３が矢印Ａ方向へ駆動され、ピックアップローラ２の円周面が媒体を矢印Ｂ方向 へ付勢する。最上段の媒体は分離爪５の押さえ部５Ａの下面にに係合しているが 、次段の媒体の腰の強さが媒体間の摩擦力より大きく、最上段の媒体は次段の媒 体上を滑る。最上段の媒体の上記先端両隅部が分離爪５に当接しているので、当 該媒体はピックアップローラ２の付勢力によってわん曲し、当該媒体の先端中央 部が先行し、その結果、最上段の媒体の上記先端両隅部が分離爪５から離れ、搬 送ローラ６へ送られることになる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この種の自動給紙機構は、上記のように、媒体間の摩擦力と媒体の腰の強さと の関係を利用して媒体を一枚づつ分離して搬送ローラ６へ送るので、この摩擦力 が大きい媒体の場合には、上記次段の媒体も上記最上段の媒体と一緒にわん曲し 、重送が発生しやすくなる。これは、湿度の高い時等に特に顕著となる。

【０００５】 また、媒体の腰が強い場合、媒体の上記わん曲が大きくなり、分離爪から離れ た媒体が伸びた時、搬送ローラ６への当たり寸法が長くなり、搬送ローラ６の噛 み合い位置からそれたり、媒体の先端が曲がったりし、これを防止するために、 分離爪５と搬送ローラ６間の間隔を広くしなくてはならず、プリンタ等の装置全 体の大形化を招くことになる。媒体の腰は湿度の低い時に強くなりやすい。

【０００６】 本考案はこの問題を解消するためになされたもので、媒体間の摩擦が大きい場 合にも、また媒体の腰の強さが大きくても、確実に一枚づつ、しかも装置の大形 化を招くことなく、給紙することができる自動給紙機構を提供することを目的と する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、

【０００８】 ピックアップローラにより前方へ付勢される用紙を収納する用紙カセットと上 記用紙を一枚づつ分離するための分離爪を有する自動給紙機構において、

【０００９】 上記分離爪は、脚部の上端から広がり上記用紙カセット内に積層された上記用 紙の上面に係合する広い面積の押さえ部と、上記脚部の用紙中央側端縁部に前記 押さえ部に連続して形成されされた切り欠きを有する構成とした。

【００１０】

【作用】

本考案では、分離爪の押さえ部の面積が大きいので、媒体を大きくわん曲させ て上下媒体が分離するまで媒体を大きくわん曲させることができ、切り欠き５ａ があるので、このわん曲は速やかに伸ばされ、搬送ローラへの飛び出し寸法が小 さく押さえられる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の１実施例を図面を参照して説明する。

【００１２】 図１および図２において、分離爪５の押さえ部５ｂは図７の分離爪５の押さえ 部５Ａより大きな面積を持たせてあり、図５に示すように、押さえ部５ｂから垂 下する脚部５Ｃの用紙中央側となる端縁部に上記押さえ部５ｂに連続する切り欠 き５ａを有している。他の構成は前記従来のものと同じである。

【００１３】 ローラ軸３が矢印Ａ方向へ駆動され、ピックアップローラ２の円周面が媒体を 矢印Ｂ方向へ付勢する。図３、図４に示すように、最上段の媒体の上記先端両隅 部が分離爪５に当接しているので、当該媒体は図３、図４に鎖線で示す如くピッ クアップローラ２の付勢力によってわん曲し、当該媒体の先端中央部が先行し、 その結果、最上段の媒体の上記先端両隅部が分離爪５から離れ、搬送ローラ６へ 送られることになる。

【００１４】 本実施例では、分離爪５の押さえ部５ｂが広い面積を有しているので、上下媒 体が充分に分離するまで媒体を押さえることができる。

【００１５】 また、媒体の両隅が切り欠き５ａの位置へくると、上記わん曲した媒体が伸び 給紙が終了する。

【００１６】 すなわち、本実施例では、媒体を大きくわん曲させて上下媒体の分離を確実に し、切り欠き５ａによりこのわん曲を早く伸ばすようにして媒体の伸び寸法（前 記した搬送ローラ６への飛び出し寸法）を小さくしたもので、装置の大形化を招 くことなく、重送を防止することができる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上説明した通り、分離爪の押さえ部の面積が大きいので、媒体を大 きくわん曲させて上下媒体が分離するまで媒体を大きくわん曲させることができ 、切り欠きがあるので、このわん曲は速やかに伸ばされ、搬送ローラへの飛び出 し寸法が小さく押さえられるので、媒体間の摩擦が大きくても重送を防止するこ とができ、またプリンタ等の装置の小形化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の概略斜視図である。

【図２】上記実施例の平面図である。

【図３】上記実施例における分離爪の作用説明図であ
る。

【図４】上記実施例における分離爪の作用説明図であ
る。

【図５】上記実施例における分離爪の拡大斜視図であ
る。

【図６】従来の自動給紙機構の概略斜視図である。

【図７】上記従来例における分離爪の拡大斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 用紙カセット ２ ピックアップローラ２ ５ 分離爪 ５ａ 押さえ部 ５ｂ 切り欠き ５Ｃ 脚部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピックアップローラにより前方へ付勢さ
   れる用紙を収納する用紙カセットと上記用紙を一枚づつ
   分離するための分離爪を有する自動給紙機構において、 上記分離爪は、脚部の上端から広がり上記用紙カセット
   内に積層された上記用紙の上面に係合する広い面積の押
   さえ部と、上記脚部の用紙中央側端縁部に前記押さえ部
   に連続して形成されされた切り欠きを有することを特徴
   とする自動給紙機構。