JP3027252B2 - 自動給紙搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置に原稿や
記録紙を自動的に給送する自動給紙搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機やファクシミリ等の画像
形成装置の自動原稿給送装置としては頁順に重ねられた
原稿束を下向に載置し下から頁順に送り出すことのでき
る下給紙方式のものが有利である。又、記録紙の給紙装
置の場合も、給紙最中に用紙の補給が可能である点で下
給紙方式は優れている。

【０００３】従来の代表的な下給紙方式の自動給紙搬送
装置の一例を図５，６により説明する。給紙台６の上面
に対向して用紙案内部材２が設けられ、用紙束５は図５
に示す如く給紙台６の後部より前方に摺動させて、図６
に示す如くその前端を給紙コロ８と分離コロ１に当接す
るように給紙台６上に載置される。給紙台６の下には、
回転時円周部で給紙台６上にセットされた用紙束５の下
面を押圧可能な欠円状断面を有するピックアップコロ７
が設けられている。ピックアップコロ７の搬送方向下流
側には前記の給紙コロ８と分離コロ１のローラ対が設け
られている。給紙台上にセットされた用紙束５を上方よ
り押圧するように案内部材２の上方の位置に後端を軸支
され、図８に示す如く前端部がフォーク状に分岐し、案
内部材２に設けられた複数の逃げ孔を貫通して前端が上
方に湾曲し、湾曲部の腹の加圧部で用紙束上面を押圧す
る加圧板３が、ばね４により加圧方向に回動するように
付勢されて設けられている。案内部材２の用紙束を挿入
する後端部は斜に上方に上っており、その部分の下面に
後端が固定され、用紙束上面に接しながら前方に延びる
弾性合成樹脂薄膜（例えばポリエチレンテレフタレー
ト：商品名マイラー）が設けられている。したがって用
紙束５は加圧板の加圧部との摩擦が少なく円滑に挿入し
て給紙台６上にセットすることができ、セットした時、
用紙束５は上面をばね４に付勢された加圧板３の前端部
の加圧部により弾性合成樹脂薄膜９を介して押圧され、
給紙時回転するピックアップコロ７に圧接し、摩擦力に
より給紙コロ８と分離コロ１のニップ部を搬送されて重
送を分離され下から一枚ずつ送り出される。

【０００４】ところが、給紙を重ね図７に示す如く給紙
台６上の用紙束の枚数が減少すると、加圧板３による押
圧力は弾性合成樹脂薄膜９が湾曲することにより発生す
る弾発力に吸収されてしまい、用紙束５には確実に伝達
されず、用紙束下面とピックアップコロ７との押圧力が
不足し、不送りの原因となる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記構成の
下給紙方式の自動給紙装置の上述の問題点にかんがみ、
給紙台上の用紙枚数が減少した場合にも常に確実に用紙
束がピックアップコロに押圧され、不送りが防止される
自動給紙搬送装置を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、上述の構成の自動給紙搬送装置におい
て、弾性合成樹脂薄膜の加圧板の前端の加圧部に接触す
る部分の前部と両側部とを周囲より切離し、後端部のみ
で合成樹脂薄膜本体とつながる舌状部を形成したことを
特徴とする。

【０００７】

【作用】以上の如く構成したので、加圧板の加圧部は舌
片部を押下げて、これを介して用紙束上面を加圧する。
舌状部は後端のみで合成樹脂薄膜本体とつながっている
ので、舌状部を押下げるのには左程大きな力を必要とせ
ず、ばねによる加圧板の加圧力は大きな損失なく用紙束
に伝達され、ピックアップコロと用紙束との圧接力が減
少することなく、不送りが防止される。

【０００８】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１は本発明を図５，６により説明した自
動給紙搬送装置に適用した実施例の加圧板３の加圧部近
傍の弾性合成樹脂薄膜の平面図である。弾性合成樹脂薄
膜９は、加圧板３の加圧部３ａが当接する部分の前部と
両側部とが切り離され、ただ後部のみで合成樹脂薄膜本
体とつながった舌状部９ａが形成されている。

【０００９】したがって、加圧板３の前端の加圧部３ａ
は舌状部９ａを介して用紙束上面に圧接し、用紙束の厚
さが減少すると、図２に示す如く舌状部９ａのみが加圧
板３の加圧部３ａにより用紙束上面に達する迄押下げら
れて押圧され、合成樹脂薄膜の他の部分は押し下げられ
ないので、加圧板３の加圧力は殆んど損失なく用紙束に
伝達され用紙はピックアップコロにより不送りのおそれ
なく給紙される。

【００１０】舌状部９ａの幅Ｗは、図４に示す如く、合
成樹脂薄膜本体９への付け根から先端部に行くに従って
狭くなるか一定幅にされている。したがって、給紙する
用紙のサイズによってたまたま用紙の側縁が舌状部の側
縁に接触した場合でも、用紙が舌状部に引掛ってジャム
を生じたり、スキューしたりするおそれはない。

【００１１】弾性合成樹脂薄膜９に舌状部９ａを設ける
代りに、図３に示す如く、加圧板３の加圧部３ａに対応
する部分の四周を切り離して開口９ｃを設け、加圧板の
加圧部３ａの下面に摩擦係数の低い合成樹脂薄板片９ｂ
を貼り付けるか、摩擦係数の低い樹脂をコーティングし
てもよい。

【００１２】このようにすれば、用紙束の厚さが減少し
た場合、加圧板３の加圧部３ａは図４に示す如く弾性合
成樹脂薄膜９の開口９ｃを通り抜けて、合成樹脂薄板片
９ｂ又はコーティング層を介して、用紙束５の上面に圧
接し、加圧力を損失なく伝達することができる。合成樹
脂薄板片９ｂの材質としては、弾性合成樹脂薄膜と同材
質のポリエチレンテレフタレートを利用することができ
る。

【００１３】

【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、加圧板に
よる加圧力が確実に用紙束に伝達され、ピックアップコ
ロにより不送りの可能性少なく給紙することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の自動給紙搬送装置の弾性合成
樹脂薄膜の加圧板加圧部の当接部に設けた舌状部近傍を
示す平面図である。

【図２】その作用を説明する断面図である。

【図３】本発明の他の実施例の自動給紙搬送装置の弾性
合成樹脂薄膜の加圧板加圧部に対応した位置に設けた開
口部近傍を示す平面図である。

【図４】その作用を説明する断面図である。

【図５】従来の下給紙方式の自動給紙搬送装置の代表的
な一例の構成を示す断面図である。

【図６】その作用を説明する断面図である。

【図７】その作用を説明する別の断面図である。

【図８】その自動給紙搬送装置の加圧板の形状を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１ 分離コロ ２ 案内部材 ３ 加圧板 ３ａ 加圧部 ４ 加圧ばね ５ 用紙束 ６ 給紙台 ７ ピックアップコロ ８ 給紙コロ ９ 弾性合成樹脂薄膜 ９ａ 舌状部 ９ｂ 合成樹脂薄片

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙束を載置する給紙台、該給紙台上に
   載置された用紙束下面に給紙台に設けられた逃げ孔を介
   して圧接し回転し用紙を下から順に送り出すピックアッ
   プコロ、上記給紙台上面に対向し、該ピックアップコロ
   により送り出される用紙を給紙コロに案内する案内部
   材、該案内部材の上位で後端を軸支され、前端部がフォ
   ーク状に分岐し上方に湾曲し、湾曲部の腹の加圧部で給
   紙台上に載置された用紙束を上方より押圧するように押
   えばねにより付勢される加圧板、上記案内部材に後端が
   固定され、上記加圧板の加圧部により上方より用紙束上
   面に押圧され、加圧板の加圧力を用紙束に伝達する弾性
   合成樹脂薄膜を有する自動給紙搬送装置において、 上記の弾性合成樹脂薄膜の上記加圧板の加圧部に接触す
   る部分の前部と両側部とを周囲より切離して後端部のみ
   で合成樹脂薄膜本体とつながる舌状部を形成し、上記加
   圧板の加圧部が該舌状部を介して用紙束を加圧するよう
   にしたことを特徴とする自動給紙搬送装置。
2. 【請求項２】 上記の舌状部の幅が用紙搬送方向に一様
   又は後端より前方に行くに従って狭くなることを特徴と
   する請求項１に記載の自動給紙搬送装置。
3. 【請求項３】 請求項１の弾性合成樹脂薄膜に舌状部を
   形成する代りに、合成樹脂薄膜の加圧板の加圧部に接触
   する部分の四周を切離して開口を設けるとともに加圧板
   の加圧部下面に上記の開口よりも小さい形状の合成樹脂
   薄膜を貼付けるかコーティングしたことを特徴とする自
   動給紙搬送装置。