JPH0645793B2 - トラクションドライブ用流体 - Google Patents

トラクションドライブ用流体

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JPH0645793B2
JPH0645793B2 JP63022440A JP2244088A JPH0645793B2 JP H0645793 B2 JPH0645793 B2 JP H0645793B2 JP 63022440 A JP63022440 A JP 63022440A JP 2244088 A JP2244088 A JP 2244088A JP H0645793 B2 JPH0645793 B2 JP H0645793B2
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cyclopentadiene
traction drive
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mol
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泰則 広瀬
幸治 立木
季任 林田
京一郎 木村
俊一 中村
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Cosmo Oil Co Ltd
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Cosmo Oil Co Ltd
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はトラクションドライブ用流体に関する。さらに
詳しくはシクロペンタジエン系の3〜6量体を主成分と
し、ノルボルネン環二重結合量とシクロペンタン環二重
結合量の比(ND/CD)が0.9〜1.3であるシクロペ
ンタジエン系縮合炭化水素の水素化物をベースストック
(基油)とする広範囲の温度領域にわたり高いトランク
ション係数と優れた腐食酸化安定性および耐摩耗性を示
しかつ経済性の優れたトラクションドライブ用流体に関
する。
トラクションドライブ装置は円柱また円錐回転体にはさ
みこまれた流体油膜が流動性を失ない硬化することによ
り生じる剪断に対する抵抗力に起因するころがり−すべ
り摩擦を利用した動力伝達装置であり、自動車用無段変
速機、産業用無段階変速機あるいは水圧機器などに広く
用いられてきている。特に近年自動車用途を中心に高性
能化あるいは小型軽量化の研究が進み、トラクションド
ライブ用流体にも高性能でかつ経済性の優れたものが要
求されている。
(従来の技術) トラクションドライブ用流体には広い温度領域における
優れた動力伝達効率(高いトランクション係数)、およ
び熱や酸化に対する安定性等の性能さらには優れた経済
性が要求され、従来からシクロヘキサンあるいはシクロ
ペンタンの多環あるいは縮合環系炭化水素をベーストッ
クとする流体が特公昭39−24635号、特公昭47
−40525号、特公昭48−31828号、特開昭5
6−145993号、特開昭59−78296号、特開
昭62−4785号、特開昭62−148596号ある
いは特開昭62−153395号等に種々提案されてい
る。しかしこれらはトラクション係数が低かったり、ま
た高いトラクション係数を示すものでも腐食酸化安定性
に劣り、高温下で金属を腐食したり、耐摩耗性が劣るた
め実用上問題となる等、いずれもトラクションドライブ
用流体としての性能の全てを満足するものでないことに
加えて、これらの多環あるいは縮合環系炭化水素類は芳
香族および多環芳香族炭化水素あるいはシクロペンタジ
エン系炭化水素を主な出発原料とし、それらの製造には
複雑なプロセスを経なければならず、しかも低収率でし
か得られないという、経済的にも不利な欠点を有してい
る。たとえばシクロペンタジエン系炭化水素を出発原料
とする場合特開昭62−148596号ではジシクロペ
ンタジエン類を選択的に部分水素化し、さらに触媒の存
在下芳香族炭化水素と反応させた後再び水素化するとい
う複雑な方法で、また特開昭62−4785号ではシク
ロペンタジエンとオレフィンとを比較的低温でかつ長時
間かけてディールス・アルダー付加物を生成し、さらに
これとシクロペンタジエン類あるいは共役ジエン類とで
再びディールス・アルダー付加物を生成し、その後水素
化するという複雑な方法でそれぞれ目的とするトラクシ
ョンドライブ用流体を得ている。
(解決しようとする問題点) 本発明はシクロペンタジエン系炭化水素を出発原料とし
簡単なプロセスにより得られる経済性の優れたしかも広
範囲の温度領域で優れたトラクションドライブ性能(高
トラクション係数、腐食酸化安定性および耐摩耗性)を
有する流体を提供するものであり、従来技術の包含する
種々の問題を解決しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らはトラクションドライブ用流体について鋭意
検討を重ねた結果、シクロペンタジエン系石油樹脂製造
時に副生するシクロペンタジエン系の3〜6量体を主成
分とする縮合炭化水素を水素化したものが、優れたトラ
クションドライブ性能を有することを知見し本発明を完
成した。
すなわち本発明、シクロペンタジエン、ジシクロペンタ
ジエンあるいはそれらのアルキル置換体あるいはそれら
の混合物、またはシクロペンタジエン、ジシクロペンタ
ジエンあるいはそれらのアルキル置換体あるいはそれら
の混合物1モルに対して、4モル未満のC4〜C14のα−
オレフィン若しくは3モル未満の炭素数8または9のモ
ノビニル芳香族炭化水素の組成比を有する混合物を、ノ
ルボルネン環二重結合量とシクロペンテン環二重結合量
の比(ND/CD)が0.9〜1.3になるように熱重合ま
たは熱共重合して得られる少なくとも1種以上の多量体
からなるシクロペンタジエン系縮合炭化水素の水素の水
素化物であって、シクロペンタジエン系3〜6量体を主
成分とし、かつ40℃における動粘度が1〜200cS
tの範囲内のものを基油とすることを特徴とするトラク
ションドライブ用流体を提供するものである。
本発明に係るトラクションドライブ用流体は、触媒を用
いない熱重合または熱共重合によりシクロペンタジエン
系石油樹脂を製造する際の副生物をベースストックとし
て利用できるので、工業的に容易にかつ経済的に生産で
き、しかも広範囲の温度領域で高いトラクション係数、
優れた腐食酸化安定性および耐摩耗性を示すものであ
る。
本発明について詳細に説明すると、本発明のトラクショ
ンドライブ用流体のベースストックとなる水素化シクロ
ペンタジエン系縮合炭化水素はシクロペンタジエン類ま
たはシクロペンタジエン類とα−オレフィン類若しくは
モノビニル芳香族炭化水素類とを熱重合または熱共重合
し、該重合液からシクロペンタジエン系の3〜6量体を
主成分とする縮合環炭化水素類を蒸留等で分離回収しさ
らに通常の方法で水素化することによって得ることがで
きる。
本発明で用いるシクロペンタジエン類にはシクロペンタ
ジエン、ジシクロペンタジエンあるいはそれらのアルキ
ル置換体あるいはそれらの混合物が含まれ、工業的には
ナフサ等のスチームクラッキングにより得られるシクロ
ペンタジエン類を30重量%以上好ましくは50重量%
以上含むシクロペンタジエン系留分(CPD留分)を用
いることが有利である。
また、CPD留分中にはこれら脂環式ジエンと共重合可
能なオレフィン性共単量体を含み得る。オレフィン性共
単量体としてイソプレン、ピペリレンあるはブタジエン
等の脂肪族ジオレフィンやシクロペンテン等の脂環式オ
レフィン等が挙げられる。これらのオレフィン類濃度は
低い方が好ましいがシクロペンタジエン類あたり10重
量%以下であれば許容される。
またシクロペンタジエン類との共重合原料であるα−オ
レフィン類としてはC4〜C14好ましくはC4〜C10のα−オ
レフィンおよびそれらの混合物が挙げられ、エチレン、
プロピレンあるいはブチレン等からの誘導体あるいはパ
ラフィンワックスの分解物等が好ましく用いられる。こ
のα−オレフィン類はシクロペンタジエン類1モルあた
り4モル未満配合するのが工業的に好ましい。もう1つ
の共重合原料であるモノビニル芳香族炭化水素類として
はエチレン、o,m,p−ビニルトルエン、α,β−メ
チルスチレン等が挙げられ、シクロペンタジエン類1モ
ルあたり3モル未満配合するのが工業的に好ましい。こ
れらのモノビニル芳香族炭化水素類はインデン、メチル
インデンあるいはエチルインデン等のインデン等を含む
ことが可能であり、工業的にはナフサ等のスチームクラ
ッキングより得られるいわゆるC9留分を用いることが有
利である。
なおシクロペンタジエン類としてシクロペンタジエン等
の単量体を用いる場合は1モルとして、二量体を用いる
場合は2モルとして、それぞれ計算される。シクロペン
タジエン系縮合炭化水素を得る熱重合または熱共重合方
法の一つとして下記の方法が挙げられる。たとえばこれ
らのシクロペンタジエン類またはシクロペンタジエン類
とα−オレフィン類またはモノビニル芳香族炭化水素類
を溶剤の存在下もしくは不存在下に好ましくは窒素ガス
等の不活性ガス雰囲気下で160〜300℃好ましくは
180〜280℃の温度範囲で0.1〜10時間好ましく
は0.5〜6時間原料系を液相に保持し得る圧力下で熱重
合もしは熱共重合する。該重合液から常圧下もしくは加
圧下で原料中の不活性成分、未反応原料さらに必要なら
ば溶剤を蒸留等の操作により除去した後引続き第2段の
重合を減圧下160〜280℃で0.5〜4時間行いなが
ら所望のシクロペンタジエン系の3〜6量体を主成分と
するトラクションドライブ用流体のベースストックとな
し得る多量体を得ることができる。シクロペンタジエン
系3〜6量体のノルボルネル環二重結合量(ND)とシ
クロペンテン環二重結合量(CD)の比(ND/CD)
は水素核磁気共鳴法(1H−NMR)で測定した5.9ppm付
近のノルボルネン環二重結合上の水素数と5.6ppm付近の
シクロペンテン環二重結合上の水素数の比で決定した。
前述の熱重合または熱共重合の条件はシクロペンタジエ
ン系多量体のND/CDが0.9〜1.3を示すように設定
される。すなわち本発明のシクロペンタジエン系縮合炭
化水素は上記のようなND/CD比を有するシクロペン
タジエン系の3〜6量体を主成分とするものである。
本発明で用いるシクロペンタジエン系縮合炭化水素は、
必らずしも3量体から6量体までの各重合度の多量体の
すべてを主成分とする必要はないが、3〜6量体の内
で、低重合体のみをトラクションドライブ用流体のベー
スストックとした場合、凝固点が0℃以上となり低温時
の使用が問題となるばかりでなくそのトラクション係数
もやや低い。逆に高重合体のみを使用した場合は、高い
トラクション係数を示すものの、40℃および100℃
での動粘度がやや高くハンドドリングあるいは使用時の
エネルギー損失等の問題を含む。したがって、低重合体
と高重合体のそれぞれを適当に含み、適当な動粘度を有
するものが好ましい。
また、本発明に係るシクロペンタジエン系3〜6量体を
主成分とする縮合炭化水素は、水素化処理しなくても広
範囲の温度領域で高いトラクション係数を示すが、取扱
時の臭気や酸化安定性等その他の性能を考慮してさらに
水素化処理される。水素化処理は通常の方法で行うこと
ができる。たとえばニッケル、パラジウムあるいは白金
等の水素化触媒を用い溶剤の存在下もしくは不存在下7
0〜300℃好ましくは100〜250℃の温度範囲、
水素圧10〜200kg/cm2(G)好ましくは20〜1
20kg/cm2(G)の圧力下で0.5〜20時間好ましく
は1〜10時間水素化処理することができる。水素化処
理後触媒さらに必要ならば溶剤を除去し目的とするトラ
クションドライブ用流体が得られる。該水素化物の40
℃での動粘度は1〜200cSt、好ましくは3〜100c
St、さらに好ましくは5〜70cStであり該水素化物は
広範囲の温度領域にわたり高いトラクションドライブ性
能を示す。このように本発明の高性能トラクションドラ
イブ用流体は簡単なプロセスでしかもシクロペンタジエ
ン系樹脂の副生物として得ることができ、従来の公知技
術よりもはるかに優れた経済性を有するものである。
なお本発明で用いるシクロペンタジエン系縮合炭化水素
の水素化物は、例えばシクロペンタジエン、シクロペン
タジエンとα−オレフィン類またはシクロペンタジエン
とモノビニル芳香族炭化水素を原料とした場合は、ゲル
・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)、
ガス・クロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)
等の分析から下記の一般式〔I〕〜〔II〕で示される構
造を有する混合物であることが推定される。該式におい
てRがH以外の基である場合には、それは共重合せしめ
たα−オレフィン類またはモノビニル芳香族炭化水素類
に起因する飽和炭化水素基である。
(式中RはH、C4〜C14のアルキル基または置換または
未置換のシクロヘキシルエチル基等、mは1〜4であ
る。) 本発明の目的とするトラクションドライブ用流体は上記
のシクロペンタジエン系縮合炭化水素をベースストック
とし酸化防止剤等種々の添加剤を加えて調整することが
できる。
(発明の効果) 本発明の高性能のトラクションドライブ用流体は、原料
としてCPD系石油樹脂製造の際の安価な副成物中の特
定の留分を利用し、これを単に水素化したものであるの
で製造が容易であり経済的に優れている。そして本発明
のトラクションドライブ用流体は高価な原料あるいは複
雑な工程を用いて得られている従来品に比べ広い温度範
囲に亘って高いトラクション係数を保持し、かつ腐食酸
化安定性に優れまた耐摩耗性も良好であり、さらには温
度による粘度変化も低く各性能面においてバランスのと
れた優れたものである。
(実施例) 以下実施例により本発明を具体的に説明するが、これら
の実施例により本発明が制約されるものではない。なお
比較例および実施例で得たトラクションドライブ用流体
の評価は下記の方法で行った。
トラクション係数:四円筒式摩擦試験機を用いて駆動軸
回転数1,000rpm(2.09m/s)、すべり率5%、法線
荷重 114kgf、供給油温室温〜125℃において測
定した法線荷重に対する伝達された接線力の比で表示し
た。
腐食酸化安定性:JIS K2503(腐食酸化安定度試
験)の3.6項に準拠して、次の条件で評価した。
試料:120gr 触媒:鉄、アルミニウム合金、銅、マグネシウム、およ
びカドミウム、25.4mm×25.4mm×0.8mmの大きさの触媒 温度:150℃ 時間:120時間 なお、評価は、試験前と試験後の試料の40℃での動粘
度変化、全酸価変化、および触媒重量の増減にて行っ
た。
耐摩耗性:ASTM D−2266(シエル四球試験)に準
拠して次の条件で評価した。
回転数;1500rpm 荷 重;30kg 温 度;室温 時 間;30分 実施例1 ナフサのスチームクラッキングより得られたジシクロペ
ンタジエン75.0重量%、5.4重量%のオレフィンと残
余の大部分が飽和炭化水素からなるシクロペンタジエン
留分600gと溶剤のキシレン400gとを窒素雰囲気
下260℃で3時間熱重合した。重合液から原料中の不活
性留分、未反応原料および溶剤を最初加圧下、引続き減
圧下において250℃で除去した後、さらに50TOR
Rの減圧下で同温度に1時間保持し、目的とするシクロ
ペンタジエン系縮合炭化水素82gを回収しながら第2
段目の重合を行った。釜残として軟化点が160℃のシ
クロペンタジエン樹脂362gを得た。回収したシクロ
ペンタジエン系縮合炭化水素のND/CDは1.0であっ
た。次に該シクロペンタジエン系縮合炭化水素82gに
ニッケル系触媒を2重量%添加し、水素圧60kg/cm2
(G)、反応温度180℃で4時間水素化し、トラクシ
ョンドライブ用流体のべースストックを約82g得た。
該ベースストックはシクロペンタジエン系3,4,5,6量体
をGPC面積比でそれぞれ38重量%、24重量%、2
1重量%そして9重量%含有しており、40℃での動粘
度は18.3cStであった。
該ベースストックに酸化防止剤として、ジアルキルジチ
オリン酸亜鉛を0.5重量%、2,6−ジターシャリーブチ
ルパラクレゾールを0.2重量%、耐摩耗剤としてトリク
レジルホスフェートを0.2重量%、清浄分散剤として過
塩基性カルシウムスルホネートを1.0重量%それぞれ添
加してトラクションドライブ用流体を調整し、その性能
を評価するためにトラクション係数、腐食酸化安定性お
よび耐摩耗性を測定した。結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1で用いたシクロペンタジエン留分600g(6.
8モル)と2,4,4−トリメチルペンテン−1 75重量
%を含みその他がα−オレフィン以外の留分からなるC8
留分400g(α−オレフィンとして2.7モル)を実施
例1と同じ方法で熱共重合した。熱共重合液から原料中
の不活性留分および未反応原料を最初加圧下、引続き減
圧下において239℃で留分し、さらに第2段重合を行
いながら50TORRの減圧下で同温度に1時間保持
し、目的とするシクロペンタジエン−α−オレフィン共
重合物を含むシクロペンタジエン系縮合炭化水素96g
を得た。同時に釜残として軟化点が142℃のシクロペ
ンタジエン系樹脂357gを得た。シクロペンタジエン
系縮合炭化水素のND/CDは1.0であった。次いで、
実施例1と同様の条件でシクロペンタジエン系縮合炭化
水素を水素化し、トラクションドライブ用流体のベース
ストックを得た。該ベースストックはシクロペンタジエ
ン系3,4,5,6量体をGPC面積比でそれぞれ34重量
%、24重量%、18重量%そして11重量%含有して
おり、40℃での動粘度は25.5cStであった。実施例1
と同様の処方により該ベースストックからトラクション
ドライブ用流体を製造し、性能評価を行った。結果を第
1表に示す。
実施例3 実施例1で用いたシクロペンタジエン留分500g(5.
8モル)とナフサのスチームクラッキングより得られ、
スチレン、ビニルトルエン、α,β−メチルスチレンお
よびインデンの合計含有量が26.5重量%(平均分子量
118)で他の大部分が不活性な芳香族炭化水素からな
るC9系芳香族留分500g(反応性成分1.1モル)を実
施例1と同じ方法で熱共重合した。熱共重合液から原料
中の不活性留分および未反応原料を最初加圧下、引続き
減圧下において252℃で留去し、さらに50TORRの
減圧下で同温度に1時間保持し、第2段目の重合を行い
ながら目的とするシクロペンタジエン−モノビニル芳香
族炭化水素共重合物を含むシクロペンタジエン系縮合炭
化水素40gを得た(ND/CDは1.26)。同時に釜
残として軟化点が135℃のシクロペンタジエン系樹脂
407gを得た。次いで、実施例1と同様の条件でシク
ロペンタジエン系縮合炭化水素を水素化し、トラクショ
ンドライブ用流体のベースストックを得た。該ベースス
トックはシクロペンタジエン系3,4,5,6量体をGPC面
積比でそれぞれ23重量%、27重量%、12重量%そ
して19重量%含有しており、40℃での動粘度は21.3
cStであった。実施例1と同様の処方により該ベースス
トックからトラクションドライブ用流体を製造し、性能
評価を行った。結果を第1表に示す。
実施例4 実施例2と同様の方法で得たシクロペンタジエン系3〜
6量体88gをさらに蒸留し、3および4量体がGPC
面積比でそれぞれ34重量%および66重量%であり、
ND/CDが1.1であるシクロペンタジエン系縮合炭化
水素を35g得た。次いで実施例1と同様の条件で該シ
クロペンタジエン系縮合炭化水素を水素化し、トラクシ
ョンドライブ用流体のベースストックを得た。該ベース
ストックの凝固点は5℃であり、40℃における動粘度
は11.7cStであった。実施例1と同様の処方により、該
ベースストックからトラクションドライブ用流体を製造
し、性能評価を行った。結果を第1表に示す。
比較例1 現在市販されているトラクションドライブ用流体でα−
メチルスチレン線状二量体水素化物を主体としたものの
特性を第1表に示す。
比較例2 現在市販されているトラクションドライブ用流体でアル
キルベンゼンを主体としたものの特性を第1表に示す。
第1表の結果より明らかなように、比較的簡単なプロセ
スで得られるベースストックを主体とする本発明のトラ
クションドライブ用流体は、広範囲の温度領域にわたり
高いトラクション係数を示すものとともに、腐食酸化安
定性、及び耐摩耗性においても優れた性能を示すことが
容易に理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:06 30:10 30:12 40:04 (72)発明者 木村 京一郎 千葉県市原市五井6992 (72)発明者 中村 俊一 千葉県市原市上高根1292―36 (56)参考文献 特開 昭62−4785(JP,A) 特公 昭62−56920(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエ
    ンあるいはそれらのアルキル置換体あるいはそれらの混
    合物、または シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンあるいはそ
    れらのアルキル置換体あるいはそれらの混合物1モルに
    対して、4モル未満のC4〜C14のα−オレフィン若しく
    は3モル未満の炭素数8または9のモノビニル芳香族炭
    化水素の組成比を有する混合物を、 ノルボルネン環二重結合量とシクロペンテン環二重結合
    量の比(ND/CD)が0.9〜1.3になるように熱重合
    または熱共重合して得られる少なくとも1種以上の多量
    体からなるシクロペンタジエン系縮合炭化水素の水素化
    物であって、シクロペンタジエン系3〜6量体を主成分
    とし、かつ40℃における動粘度が1〜200cStの
    範囲内のものを基油とすることを特徴とするトラクショ
    ンドライブ用流体。
JP63022440A 1988-02-02 1988-02-02 トラクションドライブ用流体 Expired - Lifetime JPH0645793B2 (ja)

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