JPH0645679B2 - ピラジン環を有するポリカ−ボネ−トおよびその製造方法 - Google Patents

ピラジン環を有するポリカ−ボネ−トおよびその製造方法

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JPH0645679B2
JPH0645679B2 JP24388785A JP24388785A JPH0645679B2 JP H0645679 B2 JPH0645679 B2 JP H0645679B2 JP 24388785 A JP24388785 A JP 24388785A JP 24388785 A JP24388785 A JP 24388785A JP H0645679 B2 JPH0645679 B2 JP H0645679B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は機械、電気、電子、光学部品および日用品等に
用いられるポリカーボネートおよびその製造方法に関す
る。詳しくは分子中にピラジン環を有し、ガラス転移温
度が高く、製膜性にすぐれた新規なポリカーボネートお
よびその製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
ビスフェノールAとホスゲンまたは炭酸ジフェニルエス
テル等とを重縮合して得られるポリカーボネートはその
すぐれた機械的、化学的および電気的性質によりエンジ
ニアリングプラスチックスとして各種用途に広く用いら
れている。また、このポリカーボネートの特定の性質を
さらに改良する目的で各種の共重合ポリカーボネートも
開発されている。たとえば、難燃性向上のためテトラブ
ロモビスフェノールAと、屈折率改良のためチオジフェ
ノールと、耐加水分解性向上のためテトラメチルビスフ
ェノールAと、耐熱性向上のためテレフタル酸と共重合
させるなどの例があげられる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はビスフェノールAから導かれるホモポリカーボ
ネートのガラス転移温度の向上を企図して種々検討を重
ねた結果なされたもので、ピラジン環を有する特定のジ
ハイドロキシ化合物をコモノマーとして用いてこの目的
を達成しようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、 式 で表される繰り返し単位[I]および 式 で表される繰り返し単位[II]を有するピラジン環を
有するポリカーボネートであって、 式 で表される繰り返し単位[III]および 式 で表される繰り返し単位[IV](ここでmは1〜10
0、nは10〜400の平均値を有する数である。)を
有し、ポリカーボネート中の繰り返し単位[I]のモル
分率が95〜60%、繰り返し単位[II]のモル分率
が5〜40%であり、数平均分子量が20,000〜3
0,000であるピラジン環を有するポリカーボネート
を提供するものである。繰り返し単位[I]のモル分率
が小さ過ぎるとガラス転移温度が低くなり、大き過ぎる
と成形加工性が悪くなる。
この新規ポリカーボネートのガラス転移温度は150℃
〜170℃と高いものが得られ、また製膜製にもすぐれ
ている。
上記した新規ポリカーボネートは、好ましくは2,5−
ビス(p−ハイドロキシフェニル)ピラジンと、2,2
−ビス(4′−ハイドロキシフェニル)プロパン(ビス
フェノールA)にホスゲンを反応させて得られるクロロ
ホーメート基を両末端に有するポリカーボネートオリゴ
マーとを 式 で表される繰り返し単位[I]のモル分率が95〜60
%、 式 で表される繰り返し単位[II]のモル分率が5〜40
%になるように、重縮合させることにより製造すること
ができる。原料化合物の仕込み割合は特に制限はなく、
ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノール類とから
ポリカーボネートを製造する常法に準じて、繰り返し単
位[I]と繰り返し単位[II]の割合が前記の範囲と
なるよう適宜決定される。
さらに詳細に説明すると、2,5−ビス(p−ハイドロ
キシフェニル)ピラジンは、水酸化ナトリウム水溶液の
ようなアルカリ水溶液中に10〜20重量%の溶液にな
るように溶解させておくことが好ましい。
本発明のクロロホーメート基を両末端に有するポリカー
ボネートオリゴマーは、2,2−ビス(4′−ハイドロ
キシフェニル)プロパンを水酸化ナトリウム水溶液のよ
うなアルカリ水溶液および塩化メチレンのような有機溶
剤との混合物とし、これに攪拌しながらホスゲンを加え
て反応させることによって得られる。
上記ピラジン水溶液と上記ポリカーボネートオリゴマー
の有機溶剤溶液、さらには必要に応じて重合促進剤、分
子量調節剤、分枝剤などを適宜加えて重縮合反応させ、
本発明の新規ポリカーボネートを得る。
上記重合促進剤としてはこれらに限定されるものではな
いが、トリエチルアミンの如き三級アミン、四級アンモ
ニウム化合物、および四級ホスホニウム化合物がある。
また、上記分子量調節剤は連鎖停止機構によってポリカ
ーボネートの分子量を調節するものであれば特に限定さ
れるものではないが、好ましくはフェノール、p−t−
ブチルフェノールのような三級ブチルフェノールがあ
る。
重縮合反応は0℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃
で、10分〜8時間行われる。
本発明を実施するあたり、この新規ポリカーボネートの
性質を損なわない範囲で、他の二価フェノールを加えポ
リカーボネートを変性することができる。この具体例と
して、レゾルシン、ハイドロキノン、2,2−ビス
(4′−ハイドロキシフェニル)プロパンの核塩素化
物、同核臭素化物、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン等がある。
また、本発明のポリカーボネートは、必要に応じ、公知
の添加剤、たとえば、酸化防止剤、帯電防止剤、充填
剤、耐衝撃性改良剤、紫外線吸収剤、可塑剤、加水分解
安定剤、着色安定剤を混合することができる。
本発明のポリカーボネートは、プレス成形、押出成形、
射出成形などの方法でシート、フィルム、その他の成形
品に成形され、機械、電気、電子、光学部品および日用
品等エンジニアリングプラスチックスとして高い性能を
要求される分野において広範囲に用いられる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例 ポリカーボネートオリゴマーの製造 ビスフェノールAの苛性ソーダ水溶液に塩化メチレンを
加え、ホスゲンを吹き込んで反応させ、得られた反応液
を静置して水相とポリカーボネートオリゴマーを含む塩
化メチレン相とに分離することにより、溶液濃度313
g/、クロロホメート基濃度0.9Nの両末端にクロロ
ホメート基を有するポリカーボネートオリゴマーの塩化
メチレン溶液16mを調製した。
ポリカーボネートの製造 2,5−ビス(p−ハイドロキシフェニル)ピラジン1
gを2.9重量%苛性ソーダ水溶液20mに溶解する。
得られたピラジン水溶液に上記ポリカーボネートオリゴ
マー溶液、トリエチルアミン(TEA)0.22mg、p−
t−ブチルフェノール0.036g、塩化メチレン44m
を加え、25℃で100分間攪拌して重縮合を行っ
た。反応終了後塩化メチレンで希釈し、水洗、アルカリ
洗浄、水洗、酸洗、水洗を順次行い、未反応ピラジン、
TEA、塩化ナトリウムなどを除去した。その後、ポリ
マー溶液から塩化メチレンを留去して粉末状ポリマー5
gを得た。2,5−ビス(p−ハイドロキシフェニル)
ピラジンの反応率は74%であった。
得られたポリマーの同定および特性について以下に示
す。
ポリマーの同定 第1図は本発明で得られたポリマーの13C−核磁気共鳴
(NMR)スペクトルである。これによりポリマーの生
成を確認した。測定は表1に従い、帰属はH−ゲート
付きデカップリング法のH−13Cの遠隔カップリング
のカップリングパターンおよびピーク強度の比較により
行った。
ポリカーボネートオリゴマーに起因するC=Oピークの
他に、もう一つ別のC=Oピークが観察された。このピ
ークはポリカーボネートオリゴマーと2,5−ビス(p
−ハイドロキシフェニル)ピラジンの反応によって生じ
たカーボネート結合に起因するものである。第1図に帰
属した各ピークの強度比は化学構造上予想されるものと
一致し、共重合体が合成されていると判断できる。
第2図は本発明で得られたポリマーのH−核磁気共鳴
(NMR)スペクトルである。これによりポリマーの組
成を定量した。測定は表2に従い、帰属はピーク強度比
およびカップリングパターンより行った。
第2図からビスフェノールA/2,5−ビス(p−ハイ
ドロキシフェニル)ピラジン=86.5/13.5(モル
%)であった。
分子量測定 十分に乾燥した所定の試料を精製塩化メチレンに溶解
し、ウベロード粘度計で温度20℃で比粘度(ηsp
を測定した。極限粘度〔η〕は、試料濃度(C)0.4、
0.6、0.8、1.0g/におけるηsp/CをCに対し
プロットし、濃度0g/の外挿値から求めた。また、
次式より粘度平均分子量を求めた。
〔η〕=1.23×10-5 0.83 この結果 であった。
分子量分布測定 ポリマーの分子量分布は高速液体ゲルパーミエーション
クロマトグラフで測定し、分子量はポリカーボネートの
検量線を使って求めた。測定は、溶媒テトラヒドロフラ
ン、温度40℃、試料濃度2×10-3重量%の条件で行
った。第3図にクロマトグラムを示す。
この結果 (重量平均分子量) 42100 (数平均分子量) 21000 2.00 であった。
機械的性質測定 試料を塩化メチレンに溶解し、その溶液をキャストして
製膜したフィルム(厚さ4〜11μ)をJIS Z 1
702の条件で試験した。
結果を表3に示す。
ガラス転移温度(Tg)測定 試料約6mgを取り、示差熱分析計を用いて昇温速度40
℃/minでTgを測定した。第4図にこのチャートを
示す。
この結果Tgは168℃であった。
比較例 ポリカーボネートオリゴマーの製造 400の5%カ性ソーダ水溶液にビスフェノールAを
60Kg溶解し、ビスフェノールAのカ性ソーダ水溶液を
調製した。ついで室温に保持した該ビスフェノールAの
カ性ソーダ水溶液および塩化メチレンを、それぞれ13
8/Hr、69/Hrの流量で、内径10mm、管長
10mの管型反応器にオリフィスプレートを通して導入
し、これにホスゲンを並流に10.7Kg/Hrの流速で吹
き込み、2時間連続的に反応させた。ここに管型反応器
は二重管となっており、ジャケット部には冷却水を通し
て、反応液の排出温度を25℃に保った。また排出液の
PHは弱アルカリ性を示すようにした。この結果得られ
る反応液は静置により容易に、水相(253)とポリ
カーボネートオリゴマーを溶解した塩化メチレン用(1
46)に分離された。
ポリカーボネートの製造 上記塩化メチレン相500ccにあらたにメチレンクロラ
イド500ccを加え、10%のカ性ソーダ水溶液350
cc、ビスフェノールA41g、重合促進剤のトリエチル
アミン0.4g、分子量調節剤のフェノール0.8gととも
に、攪拌機つきの2セパラブルフラスコ中、20℃で
2時間これらを強く攪拌しながら重合をおこなった。こ
の結果、平均分子量25100のポリカーボネートが得
られた。このポリカーボネートのガラス転移温度は14
0℃であった。
〔発明の効果〕
本発明により、ガラス転移温度の高い、すぐれた製膜性
を有するポリカーボネートが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はそれぞれ本発明により得られたポリカ
ーボネートの13CおよびH−核磁気共鳴(NMR)
スペクトルである。第3図は高速液体ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフのクロマトグラム、第4図は示差熱
分析チャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 で表される繰り返し単位[I]および 式 で表される繰り返し単位[II]を有するピラジン環を
    有するポリカーボネートであって、 式 で表される繰り返し単位[III]および 式 で表される繰り返し単位[IV](ここでmは1〜10
    0、nは10〜400の平均値を有する数である。)を
    有し、ポリカーボネート中の繰り返し単位[I]のモル
    分率が95〜60%、繰り返し単位[II]のモル分率
    が5〜40%であり、数平均分子量が20,000〜3
    0,000であるピラジン環を有するポリカーボネー
    ト。
  2. 【請求項2】2,5−ビス(p−ハイドロキシフェニ
    ル)ピラジンと、2,2−ビス(4′−ハイドロキシフ
    ェニル)プロパンにホスゲンを反応させて得られるクロ
    ロホーメート基を両末端に有するポリカーボネートオリ
    ゴマーとを 式 で表される繰り返し単位[I]のモル分率が95〜60
    %、 式 で表される繰り返し単位[II]のモル分率が5〜40
    %になるように、重縮合させることを特徴とするピラジ
    ン環を有するポリカーボネートの製造方法。
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