JPH0645312A - シリコン極薄基板の製造方法および半導体容量型差圧センサ - Google Patents

シリコン極薄基板の製造方法および半導体容量型差圧センサ

Info

Publication number
JPH0645312A
JPH0645312A JP19966792A JP19966792A JPH0645312A JP H0645312 A JPH0645312 A JP H0645312A JP 19966792 A JP19966792 A JP 19966792A JP 19966792 A JP19966792 A JP 19966792A JP H0645312 A JPH0645312 A JP H0645312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
silicon substrate
diaphragm
silicon
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP19966792A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Sekimura
雅之 関村
Mamoru Izumi
守 泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP19966792A priority Critical patent/JPH0645312A/ja
Publication of JPH0645312A publication Critical patent/JPH0645312A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pressure Sensors (AREA)
  • Weting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚さの均一性に優れたシリコン極薄基板を、
安価にかつ再現性よく製造することを可能にする。感度
の向上を図った半導体容量型差圧センサを提供する。 【構成】 所定方位の結晶面、例えば (100)面を有する
シリコン基板11を鏡面研磨する。シリコン基板11の
鏡面研磨面を異方性エッチャントでエッチングし、所望
の厚さの肉薄部13を形成し、シリコン極薄基板を得
る。また、半導体容量型差圧センサは、圧力に応じて変
位するシリコン極薄基板からなるダイアフラムと、容量
検出部の空隙部となる凹部を有し、ダイヤフラムを挟持
して一体化された一対のガラス基板と、凹部内にそれぞ
れダイヤフラムと対向して設けられた容量検出用の固定
電極とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン極薄基板の製
造方法とそれにより得られるシリコン極薄基板を用いた
半導体容量型差圧センサに関する。
【0002】
【従来の技術】プロセス工業用の圧力センサとして、半
導体ピエゾ抵抗型センサに代り、耐環境性や長期安定性
に優れた容量型センサが用いられるようになってきてい
る。図23に、従来の半導体容量型圧力センサにおける
差圧タイプのセンサ構造を示す。同図において、1はシ
リコン基板2を両側からエッチングすることにより形成
したダイアフラムであり、またエッチングにより形成さ
れた空隙部3a、3bはそれぞれ容量検出部となる。こ
のように、ダイアフラム1および空隙部3a、3bが形
成されたシリコン基板2は、容量検出用の固定電極4、
5が設けられた 2枚のガラス基板6、7に挟み込まれて
おり、ダイアフラム1の両側にそれぞれ印加される圧力
の差を測るように構成されている。この圧力の差は、ダ
イアフラム1と各固定電極4、5との間に形成される各
コンデンサ容量の差として検出される。
【0003】このような半導体容量型差圧センサにおい
て、センサとしての感度を上げるためには、ダイアフラ
ム1の厚さ(t1 )を薄くすると共に、各コンデンサの
電極間距離(t2 )を小さくすればよい。しかし、従来
の差圧センサでは、シリコン基板2を両側からエッチン
グしてダイアフラム1を形成していたため、ダイアフラ
ム1を薄くすると電極間距離が大きくなり、逆に電極間
距離を小さくすればダイアフラム1が厚くなってしまう
という相反する問題があり、あるレベル以上に感度の向
上を図ることは困難であった。
【0004】また、従来の半導体容量型差圧センサにお
いては、ダイアフラム1を通常のエッチングにより形成
しているため、ダイアフラム1の厚さ(t1 )を薄くす
ればするほど、ダイヤフラム1の厚さにむらが生じ易く
なると共に、表裏面間の平行度が低下し易くなる。これ
らによって、容量の測定精度が低下し易いという問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の半導体容量型差圧センサでは、感度の向上に必要な、
ダイアフラムの厚さを薄くすることと、コンデンサの電
極間距離を小さくすることを両立させることができない
という問題があり、これら双方を満足させることが可能
な差圧センサ構造が強く求められている。また、感度の
向上を図る上で、シリコン基板からなるダイアフラムの
厚さを薄くすると、厚さにむらが生じたり、表裏面間の
平行度が低下するため、測定精度が低下し易いという問
題があり、ダイヤフラム用として、シリコン基板を表裏
面間の平行度を維持しつつ、均一な厚さに加工すること
が可能な研磨技術の開発が望まれている。
【0006】一方、一般的な薄いシリコン基板において
は、厚いシリコン基板を機械的に研磨して製造すること
も行われているが、 200μm 以下の薄いシリコン基板を
厚さにばらつきなく研磨して製造することは困難であっ
た。特に、厚さが 100μm 以下になると薄いために扱い
難く、割れ易くなるため、歩留りも非常に低くなり、高
価なものとなるという問題があった。
【0007】本発明は、このような従来技術の課題に対
処するためになされたもので、厚さの均一性に優れた極
薄のシリコン基板を、安価にかつ再現性よく製造するこ
とを可能にしたシリコン極薄基板の製造方法を提供する
ことを目的としており、また他の目的は、ダイアフラム
の厚さを薄くし、かつコンデンサの電極間距離を小さく
することを可能にすることによって、感度の向上を図っ
た半導体容量型差圧センサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のシリコン極薄基
板の製造方法は、所定方位の結晶面を有するシリコン基
板を鏡面研磨する工程と、前記シリコン基板の鏡面研磨
面を異方性エッチャントでエッチングし、所望の厚さと
する工程とを有することを特徴としている。
【0009】また、本発明の半導体容量型差圧センサ
は、圧力に応じて変位するシリコン極薄基板からなるダ
イアフラムと、容量検出部の空隙部となる凹部を有し、
前記凹部が前記ダイヤフラムと対向するように、該ダイ
ヤフラムを挟持して一体化された一対の基板と、前記凹
部内にそれぞれ前記ダイヤフラムと対向して設けられた
容量検出用の固定電極とを具備し、前記ダイアフラムと
固定電極との間にそれぞれ形成された容量の変化を検出
することにより、前記空隙部内に印加された圧力の差圧
を測定するよう構成したことを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明のシリコン極薄基板の製造方法において
は、鏡面研磨したシリコン基板を異方性エッチャントを
用いて所望の厚さまでエッチング加工しているため、均
一なエッチングレートでシリコン基板を加工することが
できる。よって、厚さの均一性に優れたシリコン極薄基
板を再現性よく得ることが可能となる。また、シリコン
基板の当初の鏡面研磨面の平行度がずれているような場
合においても、選択した結晶方位面と他の結晶面との間
で、エッチング速度が異なるため、最終的には面方位に
ずれがなく、平行で厚さむらのないシリコン極薄基板を
得ることができる。さらに、従来の機械的な研磨で薄く
する方法のように、シリコン基板の固定、薄くした基板
の取り外し等の作業が不要であるため、薄いシリコン基
板の製造が工程的にも技術的にも容易になる。
【0011】また、本発明の半導体容量型差圧センサに
おいては、シリコン極薄基板を直接的にダイヤフラムと
して用い、容量検出部の空隙部はダイヤフラムを挟持す
る一対の基板側に凹部として設けているため、ダイヤフ
ラムの厚さと電極間距離を個々に調整することができ
る。これによって、感度を大幅に向上させることが可能
となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0013】まず、本発明のシリコン極薄基板の製造方
法の実施例について、図1〜図13を参照して説明す
る。
【0014】図1は、この実施例におけるシリコン極薄
基板の製造工程を示す図である。同図に従って、この実
施例のシリコン極薄基板の製造方法を順に説明する。ま
ず、所定方位の結晶面を有するシリコン基板の両面を鏡
面研磨する(図1-101)。シリコン基板面の結晶方位と
しては、異方性エッチングが可能な (100)面または(11
0)面を利用する。ただし、エッチング面の状態は、 (10
0)面の方が優れているため、以下ではシリコン (100)基
板を例として説明する。
【0015】次に、上記鏡面研磨したシリコン (100)基
板を、異方性エッチング時のマスク層形成のために酸化
する(図1-102)。ここでは、マスク材料として、シリ
コン酸化膜を用いているが、水酸化カリウム水溶液等の
シリコン酸化膜をよく溶かすエッチャントを用いる場合
には、通常、エッチャントに溶けにくいシリコン窒化膜
等がマスクとして用いられる。また、金等の金属材料も
マスク材料として使用することができる。さらに、異方
性エッチングでは、高濃度の p層でエッチング速度が遅
くなることが知られているため、ボロン等を所定のパタ
ーン形状にドープして高濃度の p層を形成し、これをマ
スクとして使用することも可能である。このように、異
方性エッチングが支障なく行えるのであれば、マスク材
料や形成方法は問わない。
【0016】シリコン基板に形成したシリコン酸化膜
は、マスク形状に応じてパターニングする(図1-10
3)。図2はマスク形状の一例を示す図であり、シリコ
ン基板11の外周面全面に形成したシリコン酸化膜を、
周辺部のみを残すように円形にパターニングしてマスク
12を設けている。なお、マスク形状は円形に限らない
が、異方性エッチングで肉薄部を形成した場合、円形で
ある方が矩形等よりも外力に対して強く、基板の取扱い
が楽であるという利点がある。
【0017】次に、シリコン酸化膜からなるマスク12
を形成したシリコン基板11を、異方性エッチャントを
用いてエッチングする(図1-104)。異方性エッチャン
トとしては、エチレンジアミン・ピロカテコール水溶
液、ヒドラジン水溶液、水酸化カリウム水溶液等が用い
られる。ただし、ヒドラジン水溶液は、エッチング面に
ピットが発生し易いという問題がある。また、水酸化カ
リウム水溶液は、シリコン酸化膜をよく溶かすという問
題があるが、シリコン酸化膜を厚くすればマスク材料と
して用いることも可能である。エッチングは、例えば適
当な温度に加温した異方性エッチャント中に浸漬するこ
とにより行う。
【0018】シリコン (100)基板11に対して、上記し
たような異方性エッチャントを用いてエッチングを行う
と、図3に示すように、シリコン基板11の〈100 〉方
向、すなわちシリコン (100)基板11の両側から厚さ方
向にエッチングが進行するため、シリコン (100)基板1
1の内側に肉薄部13が形成される。そして、肉薄部1
3が所定の厚さとなったところで、エッチングを中止す
る。
【0019】ここで、図4に示すように、シリコン基板
11の表面が (100)面から僅かにずれている場合を考え
る。最初は、基板表面に平行にエッチングが進行する
が、(100)面からずれている部分は、 (100)面よりもエ
ッチング速度が速いため、エッチングが進行するうち
に、図中破線で示すようにエッチャントに晒される面は
(100)面となり、その後 (100)面に平行にエッチングが
進む。従って、最初に表面が (100)面とずれた基板を用
いても、図5に示すように、最終的には面方位にズレが
なく、厚さむらのない (100)基板を得ることができる。
また、図6に示すように、最初に厚さに分布があるシリ
コン (100)基板14(図中、 d3 > d4 )を用いても、
同様に面方位にズレがなく、厚さむらのない肉薄部13
を得ることができる。
【0020】異方性エッチングを行ったシリコン基板1
1を洗浄した後、例えばレーザを用いて肉薄部13を円
形に切り離す(図1-105)ことにより、所望の厚さシリ
コン極薄基板が得られる。なお、シリコン薄板の切り出
しはレーザに限らず、種々の方法を適用することが可能
である。
【0021】このように、従来の機械的な研磨法や通常
のエッチング液による研磨法では、表側面と裏側面とが
平行で、厚さが均一なシリコン極薄基板を作製すること
は困難であったが、本発明によれば特別な注意を払わな
くても、平行度に優れかつ均一な厚さを持つシリコン極
薄基板を製造することができる。これは本発明の最大の
特徴である。本発明によれば、例えば厚さ 2〜 3μm 程
度までのシリコン極薄基板を再現性よく製造することが
可能である。
【0022】また、上述した実施例では、シリコン (10
0)基板の両面に同じ大きさの円形マスクを形成し、同一
面積で両面から異方性エッチングを行った例について説
明したが、例えば図7に示すように、表側面11aと裏
側面11bとで異なる大きさのマスク15を形成し、表
裏面で異なる面積により異方性エッチングを行うことも
可能である。このように、エッチング面積を表裏面で異
ならせることにより、同面積でエッチングを行った場合
よりも、エッチング後の基板強度を高めることができ
る。
【0023】例えば、レーザで肉薄部13を切り離す
際、図8に示すように、基板受け台16上に水平に置こ
うとする場合に、図7に示した基板構造であれば、肉薄
部13に負荷をかけることなく置くことができる。さら
に、図9に示すように、シリコン基板11の肉厚部とし
て残した部分を真空吸引するような基板受け台17を用
いれば、基板を水平に置き、かつ肉薄部13に負荷をか
けることなく固定することができる。これは、レーザで
の切り離しの際には好都合である。
【0024】上述した各実施例では、シリコン (100)基
板の両面から同時にエッチングした例について説明した
が、例えば図10や図11に示すように、片面ずつパタ
ーニングと異方性エッチングとを行うことも可能であ
る。例えば図10では、シリコン基板11の全面にマス
ク用の酸化膜12を形成し、まずシリコン基板11の一
方の面11aのシリコン酸化膜12のみにパターニング
を施して開口させ、パターニングした側のみから異方性
エッチングを行う。次に、他方の面11bのシリコン酸
化膜12にパターニングを施した後、異方性エッチング
を行うことによって、所望の厚さの肉薄部13を得てい
る。また、図11では、シリコン基板11の一方の面1
1aから異方性エッチングを行った後、エッチング終了
面を再度酸化し、シリコン酸化膜18を形成する。次い
で、他方の面11bのシリコン酸化膜12にパターニン
グを施した後、異方性エッチングを行うことによって、
所望の厚さの肉薄部13を得ている。図11に示した製
造工程によれば、片面側に絶縁性のシリコン酸化膜18
を有するシリコン極薄基板を、精度よく得ることができ
る。
【0025】また、上述した各実施例は、基板周辺部の
エッチング防止のために、マスク層となる酸化膜を形成
し、これにパターニングを行った後に、異方性エッチン
グを行っているが、周辺部のエッチング防止手段はこれ
に限らず、例えば図12に示すように、シリコン基板1
1の周辺部を挟み込んで覆い隠し、所定部分だけがエッ
チャントに晒されるような治具19を用いて、エッチン
グを行ってもよい。図中20は、エッチャント流入防止
用のOリングである。このような方法を用いれば、酸化
やパターニングの工程が省略できるので、より簡単に薄
い基板を製造することができる。
【0026】さらに、図13に示すように、最初にシリ
コン基板11の片面11a側のマスク用酸化膜12を除
去し、異方性エッチングを行って (100)面を出し、その
後、他方の面11bのシリコン酸化膜にパターニングを
行って、異方性エッチングを行うという工程を採用する
ことも可能である。
【0027】また、上述した実施例では、基板の取扱い
を容易にするために、シリコン基板の周辺部を残すよう
にエッチングを行ったが、マスク層の形成を行わず、両
面研磨したシリコン基板の全面をエッチングして薄くし
てもよい。この方法は、マスク層の形成やパターニン
グ、周辺部の肉厚部の切り落とし等の工程が不要となる
ため、非常に簡単に極薄基板を得ることができる。
【0028】上述したような製造方法により得られるシ
リコン極薄基板は、後述する本発明による半導体容量型
差圧センサのダイヤフラム等として用いられる他に、フ
ィルタ、X線リソグラフィ用のマスク、さらには SOI基
板の形成材料等として有効に利用される。
【0029】本発明によるシリコン極薄基板を用いて S
OI基板を作製する場合、例えば図14に示すように、ま
ず異方性エッチングを行って所定の厚さの肉薄部13を
形成したシリコン基板21と、このシリコン基板21よ
りも直径が小さく、表面酸化膜22を有するシリコン基
板23とを直接接着技術を用いて張り合わせる。この
後、所定の熱処理を経た後、形状成形のために基板周辺
部を切り落とせば、 SOI基板24が得られる。なお、こ
の際に、表側面と裏側面とで異なる大きさでパターニン
グを行ったシリコン基板21を用いることにより、張り
合わせる基板同士は容易に密着し、張り合わせが支障な
く行える。また、図11に示した肉薄部13の片面側に
酸化膜18を形成したシリコン基板を、 SOI基板の作製
に使用することも可能である。
【0030】このようにして SOI基板を作製することに
より、予め肉薄部13の厚さを調整しておけば、接着後
の厚さ調整用の研磨工程は不要となる。 SOI基板の製造
工程では、薄膜部の厚さ調整が難しいが、本発明による
シリコン極薄基板を用いると、薄膜部の研磨工程が不要
となるため、 SOI基板の製造が容易になり、 SOI基板の
低価格化も図れる。
【0031】次に、本発明の半導体容量型差圧センサの
実施例について、図15〜図22を参照して説明する。
【0032】図15は、本発明による半導体容量型差圧
センサの一実施例の構成を示す図であり、(a)はその
平面図、(b)はそのA−A断面を示す図、(c)はB
−B断面を示す図である。同図において、31は移動電
極となるダイヤフラム32を構成するシリコン極薄基板
である。このシリコン極薄基板31は、全体がダイアフ
ラム32の部分と同厚とされた基板であり、その表面に
は図示を省略した酸化絶縁膜が形成されている。このよ
うなシリコン極薄基板31は、例えば前述した実施例の
シリコン極薄基板の製造方法により作製されるものであ
り、その厚さは例えば40〜50μm とされる。
【0033】このシリコン極薄基板31は、容量検出部
の空隙部33a、33bとなる凹部34a、35aがそ
れぞれ設けられた 2枚のガラス基板34、35により挟
み込まれており、これら 2枚のガラス基板34、35は
それぞれの凹部34a、35aが対向するように配置さ
れている。これら凹部34a、35aの深さは、例えば
1〜 5μm 程度とされる。シリコン極薄基板31とガラ
ス基板34、35とは、例えば静電接合によって、それ
ぞれ張り合されて一体化されている。また、 2枚のガラ
ス基板34、35の各凹部34a、35a内には、それ
ぞれ容量検出用の固定電極36、37が形成されてい
る。そして、ダイヤフラム32と各固定電極36、37
との間の各空隙部33a、33bにより、 2つのコンデ
ンサが形成されている。
【0034】上記したシリコン極薄基板31は、上記凹
部34a、35aにより形成される空隙部33a、33
b内に位置する部分がダイヤフラム32として機能す
る。また、 2つのガラス基板34、35に挟まれたシリ
コン極薄基板31の一方の端面には、上記した 2つのコ
ンデンサから信号を取り出すための電極38が設けられ
ている。
【0035】また、各ガラス基板34、35には、容量
検出部の空隙部33a、33bに個々に連通された圧力
導入孔39、40と、配線取り出し穴41、42とがそ
れぞれ設けられている。各固定電極36、37は、ガラ
ス基板34、35の外表面、配線取り出し穴41、42
の内壁面、および各凹部34a、35aから連続して形
成された配線用溝34b、35b内に沿って設けられた
各信号取出し用配線43、44によって、それぞれ信号
取り出し用の電極45(46)に接続されている。ま
た、配線取り出し穴41、42は、これらとダイヤフラ
ム32との間にそれぞれ設けられた配線接続補助用の金
属層47、48によって、それぞれ気密に封止接合され
ている。このようにして、この実施例の半導体容量型差
圧センサ49が構成されている。
【0036】この実施例の半導体容量型差圧センサ49
は、それぞれの圧力導入孔39、40から圧力が印加さ
れ、ダイアフラム32を挟んで両側に設けられた容量検
出部の空隙部33a、33b内に印加された圧力の差を
測るように構成されている。この圧力差は、空隙部33
a、33bに導入された圧力により変化するコンデンサ
容量の差として検出される。
【0037】上記した構成を有する半導体容量型差圧セ
ンサ49においては、ダイアフラム32の厚さはシリコ
ン極薄基板31の厚さで、また電極間距離はガラス基板
34、35の凹部34a、35aの深さで決まる。従来
技術では、ダイアフラムの厚さと電極間距離は、ダイア
フラムを形成する最初のシリコン基板の厚さにより制約
を受けたが、本発明の半導体容量型差圧センサでは、上
記したように感度を決めるダイアフラムの厚さと電極間
距離をそれぞれ独立して設定することができる。従っ
て、寸法精度を高めた上で、ダイアフラム寸法を薄くす
ると共に、電極間距離を短くすることができる。その結
果、容易に高感度のセンサを得ることが可能となる。ま
た、上述したように、本発明のシリコン極薄基板の製造
方法により得られる、厚さが均一でかつ平行度の高いシ
リコン極薄基板をダイヤフラムとして用いることによ
り、感度を高めた上で測定精度の向上を図ることができ
る。
【0038】また、電極間距離を短くすることにより、
感度の向上が図れるだけでなく、センサの破壊圧力も大
きくすることができる。すなわち、大きな圧力が加わる
と、ダイアフラムは当然大きく撓むこととなる。この
際、従来装置のように電極間距離が大きいと、図16
(a)に示すように、ダイヤフラム1の撓みが大きくな
り、ついには壊れてしまう。しかし、本発明のように電
極間距離を短くすることが可能であると、図16(b)
に示すように、ダイヤフラム32が対向する固定電極3
7(36)にぶつかり、撓みは抑えられる。このため、
ダイアフラムの破壊圧力は、対向する固定電極にぶつか
らない場合よりもはるかに大きい値となる。一般には、
感度を上げると破壊圧力は小さくなるが、このように本
発明では、破壊圧力を小さくすることなく、感度を上げ
ることができる。
【0039】なお、前述した実施例の配線取り出し穴4
1、42における配線接続部の気密封止法は、上記実施
例の半導体容量型差圧センサ49の容量検出用電極3
6、37からの信号線の取り出しに限らず、種々の配線
の取出しに適用することが可能である。例えば、図17
は前述した実施例の配線接続部を、一般的な 2枚の基板
50、51を張り合せる際の配線の引出しに適用した例
を示す図である。同図において、第1の基板50には配
線引出し穴52が設けられており、この配線引出し穴5
2の内壁面を介して、第1の基板50の外表面50aか
ら内表面50bまで連続した配線53が設けられてい
る。また、第2の基板51の上記配線引出し穴52に対
応する位置には、上記穴径より大径の配線接続補助層5
4が設けられている。そして、これら 2つの基板50、
51を位置合せした後に接合することによって、 2つの
基板50、51の間から気密性を保った上で、配線を引
き出すことができる。
【0040】また、図18は上記した配線接続部の気密
封止法の他の例を示す図であり、第1の基板50の配線
55は、基板50の外表面50aから配線引出し穴52
の内壁面まで設けられている。第1の基板50の内表面
50b側には、配線引出し穴52の周囲に、上記配線5
5に連続した配線接続部56が形成されている。また、
第2の基板51には、配線引出し穴52に対応する位置
に上記穴径より大径の配線接続部57が設けられてお
り、この配線接続部57から連続して配線58が形成さ
れている。そして、これら 2つの基板50、51を位置
合せした後に接合することによって、配線55と配線5
8とは配線接続部56、57により電気的に接続される
と共に、配線引出し穴52の気密性を保つことができ
る。よって、上記した例と同様に、 2つの基板50、5
1の間から気密性を保った上で、配線を引き出すことが
できる。なお、配線引出し穴52内への配線はメッキ等
で形成されるが、図19に示すように、穴52内を配線
55で埋めた構造とすることも可能である。
【0041】さらに、図20に示すように、気密封止部
59、60と配線接続部61、62をそれぞれ別々に設
け、配線接続部61、62で配線55、58の電気的な
接続を行うと共に、気密封止部59、60で配線引出し
穴52を気密封止することも可能である。
【0042】次に、半導体容量型差圧センサの他の実施
例について、図21を参照して述べる。図21に示す半
導体容量型差圧センサ63では、容量検出部の空隙部3
3a、33bに個々に連通された各圧力導入孔64、6
5から、各固定電極36、37からの信号取出し用配線
43、44を引き出している。すなわち、圧力導入孔6
4、65は、配線取り出し穴の機能を兼ねている。な
お、それ以外の構成は前述した実施例の半導体容量型差
圧センサ49と同一構成とされている。また、図22に
示すように、圧力導入孔64、65は容量検出部の空隙
部33a、33bに直接通じるように設けてもよい。
【0043】このような構造とすることにより、配線取
出し部の気密封止を考慮することなく、半導体容量型差
圧センサを構成することが可能となると共に、前述した
実施例と同様に、ダイアフラムの厚さと電極間距離をそ
れぞれ独立して設定することができ、感度の向上を図る
ことが可能となる。
【0044】なお、本発明の半導体容量型差圧センサ
は、上記した各実施例の構成に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能であ
る。例えば、ダイアフラムの形状は正方形となっている
が円形にすることもできる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシリコン
極薄基板の製造方法によれば、厚さの均一性および平行
度に優れたシリコン極薄基板を、高歩留りで安価に製造
することができる。また、本発明の半導体容量型差圧セ
ンサによれば、ダイヤフラムの厚さと電極間距離を個々
に設定することが可能であるため、感度の大幅な向上を
図ることが可能となる。さらに、定格以上の圧力が印加
された際においても、ダイアフラムが固定電極にぶつか
るほどに電極間距離を小さくすれば、感度を下げること
なくセンサの破壊強度を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるシリコン極薄基板の製
造工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例における酸化マスク形成後の
シリコン基板を示す図であって、(a)はその平面図、
(b)はそのA−A断面を示す図である。
【図3】本発明の一実施例におけるシリコン基板の異方
性エッチング工程を示す断面図である。
【図4】シリコン (100)基板における異方性エッチング
の進行状況を説明するための図である。
【図5】シリコン (100)基板の異方性エッチング後の状
態を示す断面図である。
【図6】他のシリコン (100)基板の異方性エッチング後
の状態を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施例によるシリコン基板の異方
性エッチング後の状態を示す断面図である。
【図8】シリコン基板の載置台の一例とその上にシリコ
ン基板を配置した状態を示す断面図である。
【図9】他の基板載置台とその上にシリコン基板を配置
した状態を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施例によるシリコン極薄基板
の製造工程を示す断面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例によるシリコン極
薄基板の製造工程を示す断面図である。
【図12】本発明の他の実施例におけるシリコン基板の
エッチング用治具を説明するための図であって、(a)
はシリコン基板を挟んだエッチング治具の平面図、
(b)はそのA−A断面を示す図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例によるシリコン極
薄基板の製造工程を示す断面図である。
【図14】本発明のシリコン極薄基板の製造方法による
シリコン極薄基板を SOI基板の製造に適用した例を示す
断面図である。
【図15】本発明の一実施例による半導体容量型差圧セ
ンサの構造を示す図であって、(a)はその平面図、
(b)はA−A断面を示す図、(c)はB−B断面を示
す図である。
【図16】ダイアフラムの撓みを説明するための図であ
って、(a)は電極間距離が大きい場合を示す図、
(b)はダイアフラムが固定電極にぶつかる場合を示す
図である。
【図17】本発明の一実施例の半導体容量型差圧センサ
に適用した配線引出し部の気密構造を一般的な 2つの基
板間からの配線引出しに応用した例を示す断面図であ
る。
【図18】2つの基板間からの配線引出し部の気密構造
の他の例を示す断面図である。
【図19】2つの基板間からの配線引出し部の気密構造
のさらに他の例を示す断面図である。
【図20】2つの基板間からの配線引出し部の気密構造
のさらに他の例を示す断面図である。
【図21】本発明の他の実施例による半導体容量型差圧
センサの構造を示す図であって、(a)はその平面図、
(b)はA−A断面を示す図である。
【図22】本発明のさらに他の実施例による半導体容量
型差圧センサの構造を示す図であって、(a)はその平
面図、(b)はA−A断面を示す図である。
【図23】従来の半導体容量型差圧センサの構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
11……シリコン基板 12、15……エッチング用マスク 13……肉薄部 31……シリコン極薄基板 32……ダイヤフラム 33a、33b……容量検出部の空隙部 34、35……ガラス基板 34a、35a……凹部 36、37……固定電極 39、40……圧力導入孔 41、42……配線取出し穴 49、63……半導体容量型差圧センサ 64、65……配線取出し穴を兼ねる圧力導入孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定方位の結晶面を有するシリコン基板
    を鏡面研磨する工程と、 前記シリコン基板の鏡面研磨面を異方性エッチャントで
    エッチングし、所望の厚さとする工程とを有することを
    特徴とするシリコン極薄基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 圧力に応じて変位するシリコン極薄基板
    からなるダイアフラムと、容量検出部の空隙部となる凹
    部を有し、前記凹部が前記ダイヤフラムと対向するよう
    に、該ダイヤフラムを挟持して一体化された一対の基板
    と、前記凹部内にそれぞれ前記ダイヤフラムと対向して
    設けられた容量検出用の固定電極とを具備し、前記ダイ
    アフラムと固定電極との間にそれぞれ形成された容量の
    変化を検出することにより、前記空隙部内に印加された
    圧力の差圧を測定するよう構成したことを特徴とする半
    導体容量型差圧センサ。
JP19966792A 1992-07-27 1992-07-27 シリコン極薄基板の製造方法および半導体容量型差圧センサ Withdrawn JPH0645312A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19966792A JPH0645312A (ja) 1992-07-27 1992-07-27 シリコン極薄基板の製造方法および半導体容量型差圧センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19966792A JPH0645312A (ja) 1992-07-27 1992-07-27 シリコン極薄基板の製造方法および半導体容量型差圧センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0645312A true JPH0645312A (ja) 1994-02-18

Family

ID=16411625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19966792A Withdrawn JPH0645312A (ja) 1992-07-27 1992-07-27 シリコン極薄基板の製造方法および半導体容量型差圧センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0645312A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009231560A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Stanley Electric Co Ltd 半導体発光素子の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009231560A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Stanley Electric Co Ltd 半導体発光素子の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3444639B2 (ja) 一体型圧力変換器の製造方法および装置
US7111518B1 (en) Extremely low cost pressure sensor realized using deep reactive ion etching
JP4159895B2 (ja) 静電容量型圧力センサ及びその製造方法
EP1555517A2 (en) Capacitive pressure sensor
CN110550598B (zh) 谐振式差压传感器及其制备方法
EP1433199B1 (en) Method for forming a cavity structure in an soi substrate and cavity structure formed in an soi substrate
JPH06267382A (ja) 圧力スイッチ及びその製造方法
CN114275731A (zh) 一种基于mems的双梁式微压感测芯体及其制备工艺
JP2000155030A (ja) 角速度センサの製造方法
JPH0645312A (ja) シリコン極薄基板の製造方法および半導体容量型差圧センサ
JPH10111203A (ja) 静電容量式半導体センサ及びその製造方法
JPH0797643B2 (ja) 圧力変換装置の製造方法
JP3427616B2 (ja) 静電容量型センサ及びその製造方法
JPH0618345A (ja) 圧力センサの製造方法
JPH06221945A (ja) 半導体圧力センサおよびその製造方法
JPH049770A (ja) 半導体感歪センサ
JPH06163941A (ja) 半導体圧力センサ
JPH0749281A (ja) 半導体差圧測定装置の製造方法
CN218381359U (zh) 一种mems压力传感器
JP4311531B2 (ja) 三次元配線及び静電容量型圧力センサの製造方法
JPH10284737A (ja) 静電容量型半導体センサの製造方法
JP3356031B2 (ja) 半導体圧力測定装置とその製造方法
JP2001304996A (ja) 集積型半導体圧力センサおよびその製造方法
JPH09210824A (ja) 静電容量形圧力センサ
JP3875503B2 (ja) 圧力センサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19991005