JPH064507B2 - 低熱膨張コージェライトの製造方法 - Google Patents

低熱膨張コージェライトの製造方法

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JPH064507B2
JPH064507B2 JP63265720A JP26572088A JPH064507B2 JP H064507 B2 JPH064507 B2 JP H064507B2 JP 63265720 A JP63265720 A JP 63265720A JP 26572088 A JP26572088 A JP 26572088A JP H064507 B2 JPH064507 B2 JP H064507B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は低熱膨張コージェライトの製造方法に係り、特
に熱膨張係数が著しく小さく、耐熱衝撃性に優れた低熱
膨張コージェライトを、工業的有利に製造する方法に関
する。
[従来の技術] コージェライトは熱膨張が小さく、急熱急冷に対する抵
抗性、即ち、耐熱衝撃性が著しく高いことから、従来よ
り耐熱食器、電熱用耐火材、化学工業用装置材料、その
他電気絶縁用磁器、耐電弧磁器、抵抗器ボビン等とし
て、幅広い分野において各種用途に供されている。
従来、コージェライトの製造方法としては、焼結法、ガ
ラス結晶化法が採用されている。これらのうち、ガラス
結晶化法としては、ガラス粉末結晶化法とガラスブロッ
ク結晶化法との2手法がある。ガラス結晶化法はコージ
ェライトの組成物の溶融後、急冷してガラスを得て、そ
のガラスを粉砕して成形した後、もう一度1000〜1
100℃まで温度を上げて結晶化させる方法である。ま
た、ガラスブロック結晶化法は、ガラスブロック体の成
形を行った後に、同様に結晶化させる方法である。
ところで、高温型コージェライトセラミックス(α−2
MgO・2Al23・5SiO2)、即ちα−コージェ
ライトが低熱膨張であり、耐熱衝撃性に優れることは、
その結晶の熱膨張異方性に起因している。即ち、コージ
ェライト結晶はa軸方向の熱膨張係数が正であるのに対
し、c軸方向の熱膨張係数が負であるため、構成結晶の
熱膨張が平均化される多結晶対では低膨張特性を示す。
しかしながら、コージェライトは高温で部分的に液相を
生成していくため、焼結法により純度の高いα−コージ
ェライト単一相からなる緻密な多結晶焼結体を得ること
は難しい。焼結法では、α−コージェライトを得るため
の仮焼温度範囲が狭いことから、温度制御が難しい上
に、焼結温度も高く工業的に不利である。即ち、120
0℃以下ではクリストバライト、コランダム、スピネル
などの結晶が生成する。1400℃の仮熱によりα−コ
ージェライトとなるので、仮焼した粉末を成形し、高温
(1450℃)で焼成することにより、α−コージェラ
イトの焼結体が得られる。しかしながら1500℃以上
の高温ではムライト等の結晶を生じるようになる。
焼結法における焼結温度を下げるために金属アルコキシ
ド法による高純度コージェライト粉末の合成及びその焼
結などが試みられており、緻密な焼結体が得られてはい
るが、満足し得る熱膨張特性が得られることについては
報告がなされていない。
また、コージェライト組成の融体は、水冷程度の冷却に
よりガラス化可能であるため、コージェライト組成のガ
ラス粉末の焼結及び結晶化も行われており、緻密化を促
進するためにホットプレスを採用することにより熱膨張
係数が1.13〜1.70×10-6-1のコージェライ
トセラミックスが得られたとの報告もある。更に近年で
は機械的特性の向上を目的として、ムライトとの複合化
も多く試みられている。
このような焼結法以外にも、バルク状試料についてガラ
ス結晶化法によりMgO−Al23−SiO2系ガラス
セラミックスを作成したとの報告例も多くある。この
際、結晶化のための核生成促進剤としてZrO2、Ti
2等が一般に用いられている。
例えばW・Zdaniewskiは10重量%MgO−
20重量%Al23−70重量%SiO2(MgO・8
Al23・4.7SiO2)の組成のガラスの結晶化に
ついて詳細を検討しており、この系では分相が存在し、
その結晶化が核生成−成長型で制御された等温変態によ
り起こることを指摘している(J.Am.Cerem.Soc.,58,163-
169,1975あるいは同61,199-204,1978)。ここで、特に核
生成促進剤としてZrO2を添加したときには、結晶相
の粒径は、コロイド状態で存在するZrO2粒子により
支配されるとしている。この研究の中では1150℃で
1週間等温保持することにより、高温型コージェライト
とZrO2よりなるガラスセラミックスが得られている
が、原料組成がコージェライト組成よりずれているた
め、多くのガラス相も含んでいるものと考えられる。
更に、コージェライト初晶域にある16.7重量MgO
−22.3重量%Al23−61重量%SiO2組成の
ガラスの結晶化について、表面より結晶化が起こること
も報告されている(窯協,96,247-252,1988)。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来技術の項で述べたように、従来のコージェライ
トの製造方法のうち、焼結法では、焼成温度範囲が狭い
ことから、温度制御が難しく、また、高温焼結を要し、
工程が複雑であるなどの欠点がある。
また、ガラス結晶化法はガラス化及び再加熱が必要であ
るため、工程が複雑である。しかも、ガラス結晶化法に
より作製したコージェライトガラスセラミックスでは、
核生成剤を添加しない場合には表面により結晶化が起こ
ることが多く、均一なものが得にくい上に、核生成剤を
用いた場合にも、コージェライト単一相よりなり、かつ
熱膨張係数が1.0×10-6-1以下のものは得られて
いないのが現状である。
本発明は上記従来の問題点を解決し、α−コージェライ
ト単一相よりなり、熱膨張係数が小さく、著しく耐熱衝
撃性に優れた低熱膨張コージェライトを製造することが
できる方法であって、低い熱処理温度で実施でき、しか
も熱処理温度範囲も広く、処理工程も簡略化された低熱
膨張コージェライトの製造方法を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明の低熱膨張コージェライトの製造方法は、コージ
ェライト組成物を加熱溶融した後、1.5℃/secよ
り遅い降温速度にて900〜1100℃の温度に降温
し、この温度に維持してα−コージェライト単一相のコ
ージェライトを得ることを特徴とする。
ところで、融液を冷却して凝固させる融液凝固法は、主
として冷却速度を遅くして大きな単結晶を成長させる目
的で従来より実施されており、最近ではこの方法を利用
してスポジュメンなどの融液の一方向凝固による配向性
多結晶体の製法が報告されている。
融液凝固法は、ガラス結晶化法のようにガラス化及び再
加熱を必要としないため、工程が簡略化できるという利
点があるが、融液凝固法をコージェライトに利用した報
告はない。これは、コージェライト融液に単純に冷却す
るだけでは、α−コージェライト(以下、「α−C」と
略記する。)単一相は得られず、ムライト(以下、「M
u」と略記する。)、プロトエンスタタイト(MgO・
SiO2、以下、「Pr」と略記する。)、クリストバ
ラト(SiO2、以下「Cr」と略記する。)などが晶
出するためである。
本発明者らは、融液凝固法によるα−C単一相の作製の
ための基礎実験として、コージェライト組成融液のCC
T(Continuous Cooling Tempe-rature)図、TTT(T
ime Temperature Trans-formation)図を作成し、冷却
速度や過冷却液体中での等温熱処理に依存して晶出する
結晶相を明らかにすることにより、融液凝固法によりα
−C単一相を得る熱処理条件を確立して、本発明を完成
させた。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明においては、まずコージェライト組成となるよう
に原料を調合して、コージェライト組成物を調製する。
コージェライト組成は理想的には2MgO・2Al23
・5SiO2(13.8重量%MgO−34.8重量%
Al23−51.4重量%SiO2)であるが、MgO
9.5〜26.0重量%、Al2317.2〜35.0
重量%、SiO249.0〜67.4重量%程度の範囲
ならば採用できる。出発原料としては、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、二酸化珪素の純粋試薬、或い
は、タルク、カオリン、粘土、マグネサイト、クロライ
ト等の天然材料等を用いることができる。
このような出発原料を所望の組成となるように調合し、
十分に純粋混合する。得られた混合物は次いで加熱し溶
融して融液とする。このコージェライト組成物は融液を
得るための加熱温度としては特に制限はないが、155
0〜1650℃程度が適当である。また、その加熱時間
は1〜2時間程度が適当である。加熱温度が低過ぎた
り、加熱時間が短か過ぎる場合には、十分に均一な融液
が得られない場合がある。逆に、過度に加熱温度が高
く、また、加熱時間が長いと、処理コストの高騰を招き
好ましくない。
次いで得られた融液は、1.5℃/secより遅い降温
速度にて900〜1100℃の温度範囲にまで冷却し、
900〜1100℃の温度領域で保持、好ましくは等温
保持して、α−C単一相を生成させる。
降温速度が1.5℃/secよりも速いとガラス化が起
きる。降温速度は遅いほどα−Cの生成に好適である
が、過度に降温速度を遅くすると、製造効率が低下する
ため、工業的に不利である。従って、降温過度は5.0
〜2.0℃/secとするのが好ましい。
このような降温速度にて融液を冷却後、900〜110
0℃、好ましくは950〜1075℃の温度で保持する
ことによりα−C単一相の結晶が生成する。通常の場
合、α−C単一相は、上記温度範囲に4〜5日程度保持
することにより生成する。
なお、本発明においては、このα−C単一相の生成効率
を高めるために、コージェライト組成物に核生成剤とし
て酸化ジルコニウムZrO2を添加しても良い。ZrO2
の添加によりα−Cの結晶化が促進されるが、ZrO2
の過剰添加は、逆にα−Cの晶出を抑えることとなる。
従って、ZrO2の添加量はコージェライト組成物に対
して10重量%未満、好ましくは3〜5重量%とするの
が好適である。ZrO2の添加により、α−C単一相の
生成に要する時間は、通常の場合、2〜3程度に短縮さ
れる。
このような本発明の方法により得られるコージェライト
は、α−C単一相よりなり、平均熱膨張係数が約0.8
8×10-6/℃の著しく低熱膨張のものであり、従来の
焼結法で得られるコージェライトの熱膨張係数(通常
1.7〜2.07×10-6/℃)やガラス結晶化法によ
り得られるコージェライトの熱膨張係数(通常1.4〜
1.8×10-6/℃)に比べて著しく小さいものであ
る。
[作用] 本発明の方法によれば、融液凝固法によりα−C単一相
よりなる、従って熱膨張係数の著しく小さいコージュラ
イトが得られる。
本発明による融液凝固法は、α−C単一相を得るための
熱処理温度が低く、また熱処理温度範囲も広い上に、処
理工程数が少なく、処理操作も簡単である。
[実施例] 以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明す
る。
実施例1 特級試薬の酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニ
ウム(Al23)、二酸化珪素(SiO2)を原料とし
て、これらをコージェライトの理想組成2MgO・2A
23・5SiO2となるように秤量し、アルミナ磁器
乳鉢で十分に混合した。得られた混合物を、一端を封じ
た直径5mm、長さ7mmの石英管に3〜4cmの高さ
まで積め込み、500℃等温保持の炉中で約3時間乾燥
させた。その後、約1570℃等温保持の炉中で約2時
間溶融し、均一化した後、得られた融液を5℃/sec
の降温速度で1000℃まで昇温し、1000℃に等温
保持された炉中に保持した。
6時間、1日、2日又は4日の1000℃等温保持にお
いて得られた結晶相を粉末X線回折により調べ、結果を
第1図に示した。なお、粉末X線回折は、CuKα線に
よる晶出結晶相の同定により行なった。
比較のため、融液を1200℃まで降温し、1200℃
で等温保持したこと以外は上記と同様にして熱処理を行
ない、20分、3時間又は24時間の各保持時間に対し
て生成する結晶相をX線回折により調べ、結果を第2図
に示した。
第1図及び第2図より、次のことが明らかである。
即ち、1200℃で保持すると初晶としてMuが晶出
し、保持時間が長くなるにつれてPrが晶出し、最終的
に残存したSiO2がCrに結晶化している。これに対
し、1000℃で等温保持した場合はMu,Pr,Cr
の晶出が認められず、μ−Cとα−Cが晶出しており、
保持時間が12時間までは各晶出の晶出量が増大する
が、それ以降はα−Cの晶出量が増加しμ−Cの晶出量
が減少し、4日保持のものではα−C単一相が得られる
ことがわかる。
なお、実施例1において、各保持時間毎に得られた凝固
物の破断面をエメリー紙で研磨した後、2%フッ酸に2
分間浸漬エッチングしたものについて、光学顕微鏡観察
を行なって、1000℃で等温保持したときの時間経過
に伴う組織変化を調べ、上記X線回折結果と照らし合わ
せたところ、6時間等温熱処理した試料でみられる樹脂
状の結晶がμ−C相と考えられ、経過するに従ってμ−
C相は減少しα−C結晶と思われる白い結晶が増大して
いく過程が見られた。4日間保持した試料ではα−C単
一相になっているものとみなされた。
実施例2 実施例1において、核生成剤として酸化ジルコニウム
(ZrO2)をコージェライト組成に対して5%重量%
添加し、等温保持を900〜1450℃の温度範囲にお
いて50℃毎に行ない、各々の温度領域において得られ
る結晶相を調べた。即ち、各温度の処理にて得られた試
料について、TTT曲線、CCT曲線を求め、X線回折
の結果を含めて結晶状態図を作製し、結果を第3図に示
した。
なお、CCT曲線とTTT曲線は、ホットサーモカップ
ル法によって作成した。TTT曲線は、試料を熱電対形
成させたフィラメント上で溶融した後、融点以下の一定
温度に急冷(約200K/s)、等温保持して、過冷却
液体からの結晶の晶出を実体顕微鏡を通して直接観察し
ながら、結晶化開始と終了の温度(T)と時間(t)を
測定した求めた。CCT曲線は、所定の冷却速度で冷却
する過程での結晶の晶出を実体顕微鏡で観察しながら、
結晶化開始の温度(T)と時間(t)を測定した求め
た。
第3図中、実線は結晶化開始曲線を、破線は約15%結
晶化曲線を示している。また、一点鎖線は異なる結晶相
が得られる領域の境界温度を示している。また、μ−C
はμ−コージェライトを、Gはガラスを示す。
第3図から明らかなように、結晶化曲線のノーズは12
00℃付近に存在し、この温度付近で結晶化速度が最大
であった。また、1100℃以上の温度で等温保持する
と、先のX先結果からもわかるように、Mu、Pr、C
rの順で結晶が晶出し、最終的に、この3種の結晶が共
存するセラミックスが得られる。
900〜1100℃の領域で等温保持するとμ−Cが晶
出し、最終的にはα−C単一相が得られる。900℃以
下の等温保持するとμ−C単一相が得られる。
このように融液からの冷却速度のみを制御する従来の融
液凝固法では、α−C単一相を得ることは不可能であ
る。これに対し、本発明に従って、過冷却液体中での熱
処理温度を制御することにより、α−C単一相を得るこ
とが可能である。
実施例3 コージェライト組成の融液(1570℃)に核生成剤と
してZrO2を、1(No.2)、5(No.3)又は
10(No.4)重量%加えた試料No.1〜4(N
o.1はZrO2添加せず。)を5℃/secで、10
00℃まで降温し、1000℃で等温保持した時のα−
CのX線回折ピークの時間に伴う強度変化を求め、結果
を第4図に示した。
第4図よりZrO2添加量の増加に伴いα−C結晶化が
速くなることがわかる。しかし、10重量%以上のZr
2の添加は逆にα−Cの晶出を抑える結果となった。
この結果から、α−C単一相を安定にかつ速く晶出させ
るためには、10重量%未満、好ましくは5重量%程度
のZrO2添加が効果的であることが明らかである。
実施例4 コージェライト組成の融液(1570℃)にZrO2
5重量%添加したものを、5℃/secで1000℃ま
で降温し、1000℃にて所定時間保持し、得られた試
料の熱膨張率を測定し、結果をガラスの熱膨張率と共に
第5図に示した。
また比較のため、粉末焼結法(仮焼:1400℃×2時
間。本焼:1450℃×3時間)で得られた試料につい
ても熱膨張率を測定し、上記方法にて96時間処理で得
られた試料の結果と共に、第6図に示した。
なお、熱膨張率の測定は、直径5mm以内、長さ10〜
20mmの丸棒状又は角状にエメリー紙で研磨したもの
を熱膨張試料とし、理学電気株式会社製のTMA−81
40型で標準試料(アルミナ)との比較測定を行う示差
膨張測定方式により行ない、試料間の伸縮の差を作動ト
ランスで検出した。測定は、室温20〜30℃から10
00℃まで昇温速度10℃/minで行った。
第5図より次のことが明らかである。
即ち、ガラス及び12時間試料では軟化を示しており、
これは、残存するガラス相の影響であると考えれる。ま
た、X線回折結果、及び本実施例の熱膨張測定結果か
ら、通常の場合、1000℃で約48時間等温保持する
ことにより、100%の結晶化したα−C単一相が得ら
れる。
なお、ZrO2無添加のコージェライトの熱膨張測定を
行なった結果も、5重量%ZrO2を添加したものと同
様の傾向を示しており、ZrO2の添加による熱膨張へ
の影響はないものと考えられる。
また、第6図より、本発明の方法により得られるコージ
ェライトは、従来の焼結法により得られるコージェライ
トよりも、格段に優れた低熱膨張性を示すことが明らか
である。
なお、実施例4の96時間試料、及び焼結法(仮焼:1
400℃×3時間。本焼:1450℃×2時間)による
試料の平均熱膨張係数を、焼結法、ガラス粉末結晶化法
及びガラスブロック結晶化法の平均熱膨張係数の文献値
と共に第1表に示す。
第1表より、本発明の方法で得られるコージェライト
は、極めて低熱膨張性に優れたものであることが明らか
である。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の低熱膨張コージェライトの
製造方法によれば、融液凝固法によりα−C単一相より
なる低熱膨張コージェライトを容易に製造することがで
きる。
本発明の方法は融液凝固法によるため、 処理工程数が少なく、工程の簡略化が図れる。
熱処理温度が低い。
熱処理温度範囲が広い。
,より、処理操作が容易である。
等の効果が得られる。
しかも、製造されるコージェライトはα−C単一相より
なるため、著しく優れた低熱膨張性を示し、このため耐
熱衝撃性に優れたものとなる。また、このように低熱膨
張性であることから、誘電率も低いものが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は実施例1において得られた試料の粉
末X線回折結果を示すグラフ、第3図は実施例2におい
て得られた試料のCCT曲線及びTTT曲線を示すグラ
フ、第4図は実施例3で得られた試料のX線回折ピーク
の強度変化を示すグラフ、第5図及び第6図は実施例4
で得られた試料の熱膨張率の測定結果を示すグラフであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コージェライト組成物を加熱溶融した後、
    1.5℃/secより遅い降温速度にて900〜110
    0℃の温度に降温し、この温度に維持してα−コージェ
    ライト単一相のコージェライトを得ることを特徴とする
    低熱膨張コージェライトの製造方法。
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