JPH064470U

JPH064470U - 密封装置

Info

Publication number: JPH064470U
Application number: JP049856U
Authority: JP
Inventors: 貞和岡
Original assignee: Uchiyama Manufacturing Corp
Current assignee: Uchiyama Manufacturing Corp
Priority date: 1992-06-22
Filing date: 1992-06-22
Publication date: 1994-01-21
Anticipated expiration: 2007-06-22
Also published as: JP2547939Y2

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】エンジンのクランクシャフトを密封する密封
装置であって、シリンダブロックとの追従性及び装着作
業性を向上させる。【構成】クランクシャフト３と摺接するシール部４５
の補強リング５を、弾性体製のガスケット６を介してシ
リンダブロック１へ取り付けられるカバー部材７に固着
一体化せしめたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車等に搭載されたエンジンにおけるクランクシャフトの密封を目的とする密封構造に関し、さらに具体的にはシリンダブロックとクランクシャフト等の特殊密封用途に適合する密封装置の構造改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車等に搭載されたエンジンのシリンダブロック（１）とクランクシャフト（３）とを密封する密封構造としては、図３に示すようにクランクシャフト（３）を囲み下部のオイルパン（２）に接するカバー形状をしたアルミダイキャスト製のリテーナー（８）を配設し、これに前記クランクシャフト（３）を密封するオイルシール（９）を装着して密封構造を構成しており、前記リテーナー（８）そのものはシリンダブロック（１）及びオイルパン（２）との接触面にガスケット材（１０）を配して密封効果を期待している。

【０００３】また、部品点数を減じるために前記のアルミダイキャスト製のリテーナー（８）を用いず、オイルシール（９）の補強環部分（多くは鉄板材またはアルミニウム材）を延長して直接シリンダブロック（１）へ取り付ける一体的な密封材付シリンダブロックカバーとする構造（図示せず）も考案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記したリテーナー（８）付のオイルシール（９）は、クランクシャフト（３）に対してオイルシール（９）の同心度が保てるようにその外周部分に図３に示すような正確に刻まれた位置決め手段（１１）を設けると同時に、リテーナー（８）については位置決め手段（１１）とオイルシール（９）が嵌合される穴のアライメント、及びオイルシール（９）については外周嵌合部とシールリップ（４）との同心度が必要となり、また、この位置決め部には加工上の公差及び組付け上のガタ（孔より挿入部材を小径とするため）を避け難く、これが多くの部品にまたがっているため取付誤差も必然的に大きくなり、クランクシャフト（３）とオイルシール（９）のセンターが偏心することとなる。また、後記の一体的な密封材ツキシリンダブロックカバーはエンジンの運転時帯熱する各部材の熱膨張率が相違することで材料歪の発生は避け難くさらに前記の偏心を大きいものとする。この偏心はオイルシール（９）の耐久性に著しい悪影響を及ぼし、長寿命と強力な密封効果を発揮するシール材を得るためには抜本的な対策と改良が待たれていた。本考案はこのような重大な欠点を全て除去し、正確にクランクシャフト（３）に沿い、密封性と耐久性に優れる密封装置を低価格で提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案を図面に基づいて説明すると、図１及び図２に示すように、エンジンのシリンダブロック（１）及びオイルパン（２）とクランクシャフト（３）等を密封する密封装置であって、前記クランクシャフト（３）に摺接するシールリップ（４）と該シールリップ（４）を支える補強リング（５）とでシール部（４５）を形成せしめると共に該補強リング（５）の外周部にガスケット（６）を配設せしめ、前記シリンダブロック（１）を塞ぐカバー部材（７）を前記ガスケット（６）を介してシール部（４５）と固着一体化したことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

上記のように、本発明の密封装置は図１に示すように、それぞれ機能の異なるクランクシャフト（３）を密封するシール部（４５）と、シリンダブロック（１）を塞ぐカバー部材（７）とをガスケット（６）を介して固着一体化したものであり、その装着状態においては図２に示すように、前記のシールリップ（４）とカバー部材（７）が弾性体からなるガスケット（６）によって柔軟性のある一体化が図られているので、それぞれの部材が独自に最適な接触形状をもって相手部材に接触し良好な追随性をもって高い密封性能を発揮する。

【０００７】この機能別に構成した密封装置は、それぞれが成し得る役割に最適な材料、すなわち運転時シリンダブロック（１）あるいはオイルパン（２）等の装着部材の発熱に対する熱膨張に最も近い材料が選べるものであり、該熱負荷による歪の影響を最小に設定できシール性能を大きく向上せしめることができる。勿論ここでは、静的な密封作用をするガスケット（６）と動的な摺動密封するシールリップ（４）もそれぞれ独自で最適な材料及び形状が選択できるのは云うまでもない。

【０００８】

【実施例】

本考案を実施するに、図２に示すように、摺動密封するシールリップ（４）は高価であるが摺動密封性能に優れるフッ素樹脂などから形成し、圧縮密着されるガスケット（６）はアクリルゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム等の安価な材料を用いると高性能な密封装置が安価に製造可能となる。なお、近年では軽量化と良好な放熱性を求めてシリンダブロック（１）やオイルパン（２）をアルミ合金で形成したものが多く見られるが、この場合には前記カバー部材（７）も熱膨張率の同様なアルミニウム材料で形成せしめ、シール部（４５）の補強リング（５）との明確な使い分けをすることで性能と価格に優れる密封装置となる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によると、取付部での熱膨張を同等なものとし、該熱膨張の相違によるズレあるいは歪みをシール部（４５）に伝える従来の欠点を一掃せしめた。このズレを防止するためにリテーナー（８）等の取付部材に強締圧を必要としたがこれも軽減でき、外的負荷のないシールリップ（４）はもてる性能を充分に発揮する。また、シール部（４５）とカバー部材（７）とは弾性体からなるガスケット（６）によって柔軟に一体化が図られているのでそれぞれが良好な追随性を示し高い密封力を発揮する。この分割配置はそれぞれの成形上の歪も小さいものとし全体の精密化が図れる。

【００１０】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ′断面図である。

【図３】本考案を使用しない従来の構造を示した断面図
である。

【００１１】

【符号の説明】

１シリンダブロック２オイルパン３クランクシャフト４シールリップ５補強リング４５シール部６ガスケット７カバー部材８リテーナー９オイルシール

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】エンジンのシリンダブロック（１）及び
オイルパン（２）とクランクシャフト（３）等を密封す
る密封装置において、前記クランクシャフト（３）に摺
接するシールリップ（４）と該シールリップ（４）を支
える補強リング（５）でシール部（４５）を形成し、該
シール部（４５）の外周部に配設された弾性体製のガス
ケット（６）を介して前記シリンダブロック（１）とオ
イルパン（２）を塞ぐカバー部材（７）と前記シール部
（４５）とを固着一体化したことを特徴とする密封装
置。
【請求項２】前記補強リング（５）はクランクシャフ
ト（３）またはオイルパン（２）と、カバー部材（７）
はシリンダブロック（１）と、それぞれ熱膨張率の近い
材質で作成したことを特徴とする請求項１記載の密封装
置。
【請求項３】前記シールリップ（４）とガスケット
（６）は異材質で形成したことを特徴とした請求項１な
いし２記載の密封装置。