JPH0644108A - 階層記憶制御方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】アクセススピードの異なる記憶装置に永久ファ
イルを効率的に配置する。 【構成】計時手段４は、次回の監視時刻を監視時間間隔
をもとに計算して監視情報格納領域２へ格納する。永久
ファイル情報検索手段５は、高速小容量記憶装置１上の
すべての永久ファイル情報が格納された永久ファイル情
報格納領域７から最終使用時刻からの経過時間が大きい
順に検索する。ファイル容量検査手段６は、ファイル移
動条件格納領域３のファイル移動条件値と検索された永
久ファイル容量とを比較する。ファイル移動手段８は、
移動対象となった永久ファイルを高速小容量記憶装置１
から低速大容量記憶装置９へ移動する。 【効果】低速大容量記憶装置へ移動する永久ファイルの
数を減少し、永久ファイル使用時のシステム効率の低下
を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、永久ファイルをその使
用状況に応じてアクセススピードの異なる多種の記憶装
置に再配置を行う階層記憶制御方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】アクセススピードは早いが記憶容量の少
ない高速小容量記憶装置と、アクセススピードは遅いが
記憶容量の多い低速大容量記憶装置で構成されるコンピ
ュータシステムでは、プログラムが永久ファイルを使用
しようとしたときに、その永久ファイルが低速大容量記
憶装置上にあった場合に、あらかじめプログラムを動作
させる前に、その永久ファイルを高速小容量記憶装置上
へ人手により移動させれば、そのプログラムは、高速に
永久ファイルを使用することができる。しかしながら、
このような方法では、コンピュータシステムの操作員の
労力が増え、かつ、高速小容量記憶装置に永久ファイル
が集中してしまい、コンピュータシステム全体の記憶効
率が低下してしまうという問題点がある。

【０００３】そこで、従来の階層記憶制御方式は、同一
の永久ファイルが高速小容量記憶装置を連続して占有し
ないように、一定時間間隔で高速小容量記憶装置の空き
スペース率を監視し、空きスペース率が少なくなれば、
使用頻度の少ない永久ファイルを低速大容量記憶装置へ
移動させ、高速小容量記憶装置のファイル容量が枯渇し
ないようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】一定時間間隔で高速小
容量記憶装置の空き容量を監視する上述した従来の階層
記憶制御方式は、永久ファイルが最後に使用されてから
の経過時間だけを考慮し、永久ファイルのファイル容量
に対する考慮がないので、高速小容量記憶装置上にファ
イル容量の小さい永久ファイルが数多く存在した場合
に、システム管理者が指定した空きスペース率に達する
ためには、永久ファイルを低速大容量記憶装置上に数多
く移動しなけばならなくなってしまう。この場合に、フ
ァイル容量の大きな永久ファイルを移動するよりも、フ
ァイル容量の小さい永久ファイルを移動する方がファイ
ル移動処理の介入する回数が増加し、システムのオーバ
ーヘッドタイムが余計にかかるという問題点がある。さ
らに、低速大容量記憶装置上に移動したファイル数が多
くなると、実際にプログラムが動作する際に、使用する
永久ファイルを低速大容量記憶装置上から高速小容量記
憶装置上へ移送する回数が増加するために、プログラム
の開始時間が遅れる場合が増加し、システム効率が低下
するという問題点がある。

【０００５】本発明の目的は、高速小容量記憶装置から
低速大容量記憶装置に移動する永久ファイルの数を減少
させてシステムのオーバーヘッドタイムを削減する階層
記憶制御方式を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の階層記憶制御方
式は、アクセススピードは早いが記憶容量の少ない高速
小容量記憶装置と、アクセススピードは遅いが記憶容量
の多い低速大容量記憶装置とを有するコンピュータシス
テムの階層記憶制御方式において、前記高速小容量記憶
装置上に存在する永久ファイルの空きスペース率を監視
する監視時間間隔およびその監視時間間隔で監視するた
めの次回の監視時刻並びに前記高速小容量記憶装置に必
要な空きスペース率をシステム管理者が予め定めて格納
する監視情報格納領域と、前記高速小容量記憶装置上に
存在するすべての永久ファイルの名前および最後に使用
した時刻並びにファイル容量を格納した永久ファイル情
報格納領域と、前記高速小容量記憶装置上から前記低速
大容量記憶装置上に永久ファイルを移動する際の最小フ
ァイル容量値である永久ファイル移動条件値を格納した
ファイル移動条件格納領域と、前記監視情報格納領域に
格納されている監視時間間隔で次の監視時刻を計算して
前記監視情報格納領域へ格納する計時手段と、前記計時
手段により起動され、前記高速小容量記憶装置の空きス
ペース率が前記監視情報格納領域に予めシステム管理者
が格納した空きスペース率よりも大きくなるまで前記永
久ファイル情報格納領域から最後に使用した時刻からの
経過時間が大きい順に検索する永久ファイル情報検索手
段と、前記永久ファイル情報検索手段により検索された
永久ファイルの各々のファイル容量が前記ファイル移動
条件格納領域に格納されているファイル移動条件値であ
る最小ファイル容量以上かどうかを検査するファイル容
量検査手段と、前記ファイル容量検査手段により検査さ
れた永久ファイルを前記高速小容量記憶装置から前記低
速大容量記憶装置へ移動するファイル移動手段とを備
え、前記高速小容量記憶装置上の空きスペースを高速か
つ効率的に確保することにより構成されている。

【０００７】

【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１は、本発明の階層記憶制御方式の一実
施例を示すブロック図である。本実施例の階層記憶制御
方式は、図１に示すように、高速小容量記憶装置１の空
きスペース率を、あらかじめシステム管理者が定めた監
視時間間隔で監視するために、次回の監視時刻および監
視時間間隔並びに空きスペース率を格納する監視情報格
納領域２と、高速小容量記憶装置１上にあるすべての永
久ファイルの情報として各々の永久ファイルのファイル
名，ファイル容量，最終ファイル使用時刻が格納されて
いる永久ファイル情報格納領域７と、高速小容量記憶装
置１上から低速大容量記憶装置９上に永久ファイルを移
動する際の最小ファイル容量値である永久ファイル移動
条件値を格納したファイル移動条件格納領域３と、監視
情報格納領域２に格納されている監視時間間隔で次の監
視時刻を計算して監視情報格納領域２へ格納する計時手
段４と、計時手段４により起動され永久ファイル情報格
納領域７に格納してある永久ファイルを最後に使用した
時刻からの経過時間が大きい順に検索する永久ファイル
情報検索手段５と、永久ファイル情報検索手段５により
検索された永久ファイルのファイル容量がファイル移動
条件格納領域３に格納されているファイル移動条件値以
上かどうかを検査するファイル容量検査手段６と、ファ
イル容量検査手段６により検査されたファイル移動条件
値以上のファイル容量を持つ永久ファイルを高速小容量
記憶装置１上から低速大容量記憶装置９へ移動するファ
イル移動手段８とを備えて構成されている。

【０００８】図２は、本実施例の監視情報格納領域，永
久ファイル情報格納領域，ファイル移動条件格納領域の
一例を示す図である。監視情報格納領域２は、図２
（ａ）に示すように、あらかじめシステム管理者が定め
た監視時間間隔と、次回の監視時刻と、空きスペース率
とを格納する。なお、次回の監視時刻は、現在の時刻と
監視時間間隔との和で求めることができる。

【０００９】また、永久ファイル情報格納領域７は、図
２（ｂ）に示すように、高速小容量記憶装置１上にある
すべての永久ファイルの情報を格納する。格納されてい
る情報とは、ファイル名，ファイル容量，最後使用した
時刻である。

【００１０】さらに、ファイル移動条件格納領域３は、
図２（ｃ）に示すように、あらかじめシステム管理者が
定めた高速小容量記憶装置１上から低速大容量記憶装置
９上に移動する永久ファイルの最小ファイル容量値であ
るファイル移動条件値を格納する。

【００１１】次に、本実施例の動作について、計時手段
４、永久ファイル情報検索手段５、ファイル容量検査手
段６、ファイル移動手段８の処理手順を示す流れ図を参
照して説明する。

【００１２】図３は、計時手段４の動作の一例を示す流
れ図である。計時手段４は、図３に示すように、まず、
オペレーティングシステムにより起動される（ステップ
１１）。そして、あらかじめ設定してある監視時間間隔
を監視情報格納領域２から得て（ステップ１２）、現在
の時刻を加えて次の監視時刻を得て、監視情報格納領域
２へ格納する（ステップ１３）。次に、永久ファイル情
報検索手段５を起動する（ステップ１４）。その後に、
オペレーティングシステムにより再び起動されると、ス
テップ１１からの動作を繰り返す。

【００１３】図４は、永久ファイル情報検索手段５の動
作の一例を示す流れ図である。永久ファイル情報検索手
段５は、図４に示すように、まず、計時手段４により起
動される（ステップ２１）。監視情報格納領域２よりシ
ステム管理者が指定した高速小容量記憶装置１の空きス
ペース率を得る（ステップ２２）。そして、永久ファイ
ル情報格納領域７にファイル情報があるかどうかを判断
し（ステップ２３）、永久ファイルが存在する場合に、
高速小容量記憶装置１の全記憶容量と、永久ファイル情
報格納領域７の各永久ファイルのファイル容量との合計
値から、高速小容量記憶装置１の空きスペース率を計算
する（ステップ２４）。ステップ２２で得た空きスペー
ス率とステップ２４で得た空きスペース率とを比較し
（ステップ２５）、ステップ２４で得た空きスペース率
がステップ２２で得た空きスペース率よりも小さい場合
に、永久ファイル情報格納領域７から最後に使用した時
刻からの経過時間が大きい順にファイル情報を得る（ス
テップ２６）。次に、ファイル容量検査手段６を起動す
る（ステップ２７）。その後に、永久ファイル情報格納
領域７にファイル情報がなくなるか、高速小容量記憶装
置１の空きスペース率がシステム管理者が指定した監視
情報格納領域２に格納されている空きスペース率よりも
大きくなるまで、ステップ２３からの動作を繰り返す。

【００１４】図５は、ファイル容量検査手段６の動作の
一例を示す流れ図である。ファイル容量検査手段６は、
図５に示すように、永久ファイル情報検査手段５により
起動される（ステップ３１）。ファイル移動条件格納領
域３から、高速小容量記憶装置１上から低速大容量記憶
装置９上へ移動する永久ファイルの最小ファイル容量で
あるファイル移動条件値を得る（ステップ３２）。ファ
イル移動条件格納領域３に格納されていた高速小容量記
憶装置１上から低速大容量記憶装置９上へ移動する永久
ファイルの最小ファイル容量であるファイル移動条件値
と永久ファイル情報検索手段５で得た永久ファイルのフ
ァイル容量とを比較し（ステップ３３）、永久ファイル
のファイル容量がファイル移動条件値以上のファイル容
量であれば、ファイル移動手段８を起動する（ステップ
３４）。その後に、永久ファイル情報検索手段５により
再び起動されると、ステップ３１からの動作を繰り返
す。

【００１５】図６は、ファイル移動手段８の動作の一例
を示す流れ図である。ファイル移動手段８は、図６に示
すように、まず、ファイル容量検査手段６により、高速
小容量記憶装置１上から低速大容量記憶装置９上へ移動
する永久ファイルがあるたびに起動される（ステップ４
１）。永久ファイルを高速小容量記憶装置１上から低速
大容量記憶装置９へ移動させる（ステップ４２）。そし
て、永久ファイルの情報を永久ファイル情報格納領域７
から削除する（ステップ４３）。その後に、ファイル容
量検査手段６により再び起動されると、ステップ４１か
らの動作を繰り返す。

【００１６】以上により、高速小容量記憶装置上から低
速大容量記憶装置上に移動する永久ファイルの数を、永
久ファイルを最後に使用してからの経過時間とファイル
容量との両方を考慮することにより減らすことができ
る。その結果、プログラムが低速大容量記憶装置上の永
久ファイルを使用する時に、低速大容量記憶装置上から
高速小容量記憶装置上に移動する必要のある永久ファイ
ルの数が減るために、システム効率の低下を防ぐことが
できる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の階層記憶
制御方式は、高速小容量記憶装置にある永久ファイルを
低速大容量記憶装置に移動する場合に、移動する永久フ
ァイルを永久ファイルが最後に使用されてからの経過時
間と永久ファイルのファイル容量との両方の条件を考慮
し、経過時間が大きくファイル容量が大きい永久ファイ
ルを優先して選択するために、高速小容量記憶装置から
低速大容量記憶装置上に移動する永久ファイルの数を減
らすことができる。その結果、プログラムが永久ファイ
ルの使用時に、低速大容量記憶装置から高速小容量記憶
装置上へ転送するファイル数も減らすことができる。そ
のために、永久ファイル移動処理におけるオーバーヘッ
ドタイムが少なくなり、プログラムの開始時間が遅延す
る回数が減り、かつ、高速小容量記憶装置のスペース使
用効率の低下を回避することができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の階層記憶制御方式の一実施例を示すブ
ロック図である。

【図２】本実施例の監視情報格納領域，永久ファイル情
報格納領域，ファイル移動条件格納領域の一例を示す図
である。

【図３】本実施例の計時手段の動作の一例を示す流れ図
である。

【図４】本実施例の永久ファイル情報検索手段の動作の
一例を示す流れ図である。

【図５】本実施例のファイル容量検査手段の動作の一例
を示す流れ図である。

【図６】本実施例のファイル移動手段の動作の一例を示
す流れ図である。

【符号の説明】

１ 高速小容量記憶装置 ２ 監視情報格納領域 ３ ファイル移動条件格納領域 ４ 計時手段 ５ 永久ファイル情報検索手段 ６ ファイル容量検査手段 ７ 永久ファイル情報格納領域 ８ ファイル移動手段 ９ 低速大容量記憶装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アクセススピードは早いが記憶容量の少
   ない高速小容量記憶装置と、アクセススピードは遅いが
   記憶容量の多い低速大容量記憶装置とを有するコンピュ
   ータシステムの階層記憶制御方式において、 前記高速小容量記憶装置上に存在する永久ファイルの空
   きスペース率を監視する監視時間間隔およびその監視時
   間間隔で監視するための次回の監視時刻並びに前記高速
   小容量記憶装置に必要な空きスペース率をシステム管理
   者が予め定めて格納する監視情報格納領域と、 前記高速小容量記憶装置上に存在するすべての永久ファ
   イルの名前および最後に使用した時刻並びにファイル容
   量を格納した永久ファイル情報格納領域と、 前記高速小容量記憶装置上から前記低速大容量記憶装置
   上に永久ファイルを移動する際の最小ファイル容量値で
   ある永久ファイル移動条件値を格納したファイル移動条
   件格納領域と、 前記監視情報格納領域に格納されている監視時間間隔で
   次の監視時刻を計算して前記監視情報格納領域へ格納す
   る計時手段と、 前記計時手段により起動され、前記高速小容量記憶装置
   の空きスペース率が前記監視情報格納領域に予めシステ
   ム管理者が格納した空きスペース率よりも大きくなるま
   で前記永久ファイル情報格納領域から最後に使用した時
   刻からの経過時間が大きい順に検索する永久ファイル情
   報検索手段と、 前記永久ファイル情報検索手段により検索された永久フ
   ァイルの各々のファイル容量が前記ファイル移動条件格
   納領域に格納されているファイル移動条件値である最小
   ファイル容量以上かどうかを検査するファイル容量検査
   手段と、 前記ファイル容量検査手段により検査された永久ファイ
   ルを前記高速小容量記憶装置から前記低速大容量記憶装
   置へ移動するファイル移動手段とを備え、 前記高速小容量記憶装置上の空きスペースを高速かつ効
   率的に確保することを特徴とする階層記憶制御方式。