JPH0643789A - 現像同時クリーニング方式の画像形成運転方法と画像形成装置 - Google Patents

現像同時クリーニング方式の画像形成運転方法と画像形成装置

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JPH0643789A
JPH0643789A JP4199797A JP19979792A JPH0643789A JP H0643789 A JPH0643789 A JP H0643789A JP 4199797 A JP4199797 A JP 4199797A JP 19979792 A JP19979792 A JP 19979792A JP H0643789 A JPH0643789 A JP H0643789A
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淳太郎 奥
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Abstract

(57)【要約】 【目的】クリーニング効果を一段と向上させる。 【構成】初期周面部位(F1)の全てがクリーニング箇
所(P2)を通過してしまうまでの運転開始期間中に帯
電箇所(P1)を通過する感光体(10)の次周面部位
(F2)がクリーニング箇所(P1)を通過する際に、
次周面部位側電位(Vs2)と現像ローラ側電位(V
b)との電位差がクリーニング用設定電位差(−300
V)と等しい電位差となるように、次周面部位(F2)
が帯電箇所(P1)を通過する期間中だけ帯電器(3
0)による帯電電位を設定帯電電位〔Vc(−600
V)〕よりも強制的に高めた帯電電位(−800V)と
して運転する構成とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、現像同時クリーニング
方式の画像形成運転方法と画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7において、感光体10,帯電器3
0,現像ローラ20を含む現像器,転写器(図示省
略),除電ランプ50等からなる現像同時クリーニング
方式の画像形成装置が知られている。例えば、特開平3
−7972号公報を挙げられる。
【0003】感光体10は、ドラム形状の基体部11と
その周面に形成された感光層12とからなり、所定方向
に回動可能である。帯電器30は、グリッド33と電気
的に同電位なシールドケース32と、このケース内に張
設された放電ワイヤー31とからなり、放電ワイヤー3
1には帯電用電源装置35が接続されている。また、設
定帯電電位Vcを安定化するために、グリッド33(3
2)は定電圧素子40を介して接地される。
【0004】現像ローラ20は、基体部21とこれに被
覆された弾性層22とからなり、この弾性層22の一部
周面は感光体10(12)の一部周面と接触され、クリ
ーニング・現像箇所P2を形成する。つまり、接触型一
成分非磁性現像同時クリーニング方式を形成する。この
現像ローラ20の現像バイアス電位Vbは、その電源装
置25から印加される。
【0005】なお、図7中の27はバイアス電源装置2
5のON/OFF信号発生手段で、37は帯電用電源装
置35のON/OFF信号発生手段である。また、15
は詳細後記の感光体バイアス電位Vdを印加する感光体
バイアス電源装置で、17はそのON/OFF信号発生
手段である。
【0006】かかる構成の画像形成装置では、メインモ
ータによって感光体10を所定方向に所定速度で回動さ
せつつ帯電用電源装置35をONする。すると、放電ワ
イヤー31からのコロナ放電作用によって帯電箇所P1
を通過する感光体10の周面の電位Vs1を設定帯電電
位Vc(例えば、−600V)の値に一様に帯電する。
このように帯電された周面に露光手段(図示省略)を用
いて光照射し露光部(静電潜像部)と未露光部を形成す
る。露光部は例えば−50Vとされるが、未露光部は−
600Vのままである。
【0007】クリーニング・現像箇所P2に至ると、未
露光部の電位Vs2は−600Vであるところ現像ロー
ラ20側の電位は現像バイアス電位Vbに等しい例えば
−300Vであるから、その設定電位差(−300V)
によって未露光部に付着していた残留トナーは現像ロー
ラ20に吸着される。一方、露光部はその電位が−50
Vであるから、その電位差(−250V)によって現像
ローラ20側からトナーが供給されトナー像が形成され
る。つまり、現像同時クリーニング作用が行われる。そ
の後トナー像は、転写器を通過するときに、用紙上へ転
写される。感光体10(12)の周面は、除電箇所P3
にある除電ランプ50を通過するとき、初期電位に一様
に戻される。
【0008】ところで、運転開始時に図7に示す帯電箇
所P1とクリーニング箇所P2との間に所在する感光体
10(12)の初期周面部位F1は、1回目にクリーニ
ング箇所P2を通過する際には未だ設定帯電電位Vc
(−600V)に帯電されていない。現像ローラ20に
もバイアス電位Vb(−300V)が印加されていな
い。したがって、クリーニング箇所P2における感光体
側電位Vs2と現像ローラ20側の電位Vb(グラン
ド)との間に電位差がないので、その初期周面部位F1
に付着していた残留トナーはクリーニングすることがで
きない。
【0009】かくして、従来は、図8に示す如く、帯電
器30をONして帯電箇所P1を通過する感光体10
(12)の周面電位Vs1を例えば−600Vの設定帯
電電位(Vc)に帯電開始させると同時に、感光体バイ
アス電源装置15をONさせて感光体10(12)の全
体に感光体バイアス電位Vd(例えば−200V)を印
加している。この感光体バイアス電位Vdを印加する期
間は、運転開始時に帯電箇所P1とクリーニング箇所P
2との間にあった感光体10の初期周面部位F1の全て
がクリーニング箇所P2を通過してしまうまでの時間T
1である。
【0010】したがって、上記初期周面部位F1がクリ
ーニング箇所P2を通過する際の感光体側電位Vs2
は、図9に示すように感光体バイアス電位Vdに等しい
−200Vとなっている。これに対し、現像バイアス電
位Vbは時間T1が経過するまで印加されていないの
で、感光体側電位Vs2と現像ローラ側電位Vb(=
0)との間には、クリーニング用の上記設定電位差(−
300V)よりは低いが−200Vの電位差を生じさせ
ることができる。すなわち、その初期周面部位F1上に
付着していた残留トナーを現像ローラ20側へ吸着させ
るクリーニングを行える。このクリーニングが終了する
と、未露光部(−600V)と例えば−50Vとされた
露光部(静電潜像)とが形成された次周面部位F2が、
クリーニング・現像箇所P2に到達しかつ通過する。す
なわち、時間T1の経過後に本来現像を開始するため
に、現像バイアス電源装置25をONして現像バイアス
電位Vb(−300V)を印加する。なお、上記次周面
部位F2とは、上記初期周面部位F1と同じ周長であ
る。つまり、運転開始時に、図7に示す帯電箇所P1の
上流側(除電箇所P3側)に所在していた部分である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、次周面部位
F2は1回目から帯電箇所P1を通過する際に帯電器3
0によって設定帯電電位Vc(−600V)に帯電され
るが、これと同時に感光体10全体として図9に示す感
光体バイアス電位Vd(−200V)も印加されてい
る。したがって、かかる次周面部位F2の実効帯電電位
は−400Vとなる。すなわち、最初の時間T1経過後
からクリーンング箇所P2を通過することになる次周面
部位F2の電位つまり感光体側電位Vs2は、図9に示
す通り−400Vである。しかるに、現像ローラ側電位
Vbは−300Vである。したがって、初期周面部位F
1が通過する際の電位差(|Vs2|−|Vb|)=
(|200V|−|0V|)が−200Vであったのに
対して、次周面部位F2の電位差(|Vs2|−|Vb
|)=(|400V|−|300V|)は−100Vに
低下してしまう。
【0012】したがって、感光体バイアス電位Vd(−
200V)を印加して初期周面部位F1についてクリー
ニングするように形成しても、本来現像同時クリーニン
グが開始可能となる次周面部位F2についてクリーニン
グが不十分となってしまう問題が内在する。この問題
は、一層の高画質と高速化とが求められる理念では許さ
れ難くなりつつある。
【0013】因に、連続運転中における本来現像同時ク
リーニングうちのクリーニング作用は、未露光部(−6
00V)と現像バイアス電位(−300V)との電位差
すなわち設定電位差(−300V)で行われる。
【0014】なお、帯電器30をOFFした後に、感光
体バイアス電位Vbを図8,図9に示す時間T2だけ印
加する場合は問題がない。設定帯電電位Vcに帯電され
ていない周面のクリーニングを行うからである。
【0015】以上の問題は、帯電器30が図10に示す
帯電ローラ(基体部31Bと弾性層32B)から形成さ
れている場合にも同様に生ずる。
【0016】本発明の目的は、運転開始時におけるクリ
ーニング効果を一段と高めることのでき、もって高画質
で高速に画像形成できる現像同時クリーニング方式の画
像形成運転方法と画像形成装置とを提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像形成装置
の構成が特定されかつ粒径等のトナー性状やニップ幅等
が決まれば、例えば図4に示すように、クリーニング箇
所P2での感光体側電位Vs2と現像ローラ側電位Vb
との電位差によって、トナー付着量(クリーニング効
果)が変化する。換言すれば、最も効率よくクリーニン
グするための設定電位差(|Vs2|−|Vb1|)が
決まる。したがって、連続運転中に現像同時クリーニン
グを行う際のクリーニング用電位差は、上記設定電位差
となるように構築されかつ運転されていることに着目
し、従来の感光体バイアス電位Vdの印加による初期周
面部位F1のクリーニング方法を取り入れつつ、それに
引続く次周面部位F2については感光体バイアス電位V
dの印加に伴う不都合を一掃して最良的な設定電位差で
クリーニング運転する方法とその装置である。
【0018】すなわち、請求項1の発明に係る現像同時
クリーニング方式の画像形成運転方法は、帯電器を通過
した感光体の周面に光照射して露光部と未露光部とを形
成し、感光体側と現像ローラ側との設定電位差を利用し
て未露光部に付着している残留トナーを現像ローラ側へ
吸着させてクリーニングを行うと同時に露光部へ現像ロ
ーラ側からトナーを供給して現像するとともに、運転開
始時に帯電箇所とクリーニング箇所との間にあった感光
体の初期周面部位の全てがクリーニング箇所を通過して
しまうまでの期間中に感光体に設定帯電電位と同極性で
絶対値の小さい感光体バイアス電位を印加して運転を開
始する現像同時クリーニング方式の画像形成運転方法で
あって、前記初期周面部位の全てが前記クリーニング箇
所を通過してしまうまでの運転開始期間中に前記帯電箇
所を通過する前記感光体の次周面部位が前記クリーニン
グ箇所を通過する際に、該次周面部位側と前記現像ロー
ラ側との電位差が前記設定電位差と等しい電位差となる
ように、該次周面部位が前記帯電箇所を通過する期間中
だけその帯電電位を前記設定帯電電位よりも強制的に高
めて運転することを特徴とする。
【0019】また、請求項2の発明に係る現像同時クリ
ーニング方式の画像形成装置は、帯電器を通過した感光
体の周面に光照射して露光部と未露光部とを形成し、感
光体側と現像ローラ側との設定電位差を利用して未露光
部に付着している残留トナーを現像ローラ側へ吸着させ
てクリーニングを行うと同時に露光部へ現像ローラ側か
らトナーを供給して現像するとともに、運転開始時に帯
電箇所とクリーニング箇所との間にあった感光体の初期
周面部位の全てがクリーニング箇所を通過してしまうま
での期間中に感光体に設定帯電電位と同極性で絶対値の
小さい感光体バイアス電位を印加して運転を開始する現
像同時クリーニング方式の画像形成装置において、前記
帯電器を放電型に形成するとともに、そのグリッドと前
記感光体バイアス電位を印加する感光体バイアス電源装
置との間に感光体バイアス電位が帯電器の帯電電圧に重
畳されるように定電圧素子を接続したことを特徴とす
る。
【0020】さらに、請求項3の発明に係る現像同時ク
リーニング方式の画像形成装置は、帯電器を通過した感
光体の周面に光照射して露光部と未露光部とを形成し、
感光体側と現像ローラ側との設定電位差を利用して未露
光部に付着している残留トナーを現像ローラ側へ吸着さ
せてクリーニングを行うと同時に露光部へ現像ローラ側
からトナーを供給して現像するとともに、運転開始時に
帯電箇所とクリーニング箇所との間にあった感光体の初
期周面部位の全てがクリーニング箇所を通過してしまう
までの期間中に感光体に設定帯電電位と同極性で絶対値
の小さい感光体バイアス電位を印加して運転を開始する
現像同時クリーニング方式の画像形成装置において、前
記帯電器を前記感光体の周面に摺接する帯電ローラから
形成するとともに、この帯電ローラに帯電電圧を印加す
る帯電用電源装置を設定電圧とこれより高い高圧電圧と
のいずれかに切替出力可能に形成し、前記感光体バイア
ス電位を印加している間だけ該帯電用電源装置の出力を
高圧電圧に切替える電圧切替手段を設けたことを特徴と
する。
【0021】
【作用】上記方法による請求項1の発明によれば、運転
開始に際して帯電器と感光体バイアス電源装置とを同時
にONさせかつ感光体を所定方向に回動させる。する
と、運転開始時に帯電箇所とクリーニング箇所との間に
あった感光体の初期周面部位は感光体バイアス電位(例
えば−200V)と同電位となり、それに引続く次周面
部位は帯電箇所を通過するときに設定帯電電位(例えば
−600V)に帯電されるが感光体バイアス電位(−2
00V)が一様に印加されているので実際電位は(−4
00V)となる。
【0022】ここに、次周面部位が帯電箇所を通過する
ときだけ、例えば帯電電位を設定値(−600V)より
高い所定値(−800V)とすれば、次周面部位の実質
帯電電位を感光体バイアス電位に影響されずに設定帯電
電位(−600V)と同じ電位(−600V)にするこ
とができる。
【0023】かくして、感光体バイアス電位(−200
V)が印加された初期周面部位の全てがクリーニング箇
所を通過するときは、現像バイアス電位は印加されてい
ないので、感光体側電位(−200V)と現像ローラ側
電位(0V)との電位差(−200V)によってクリー
ニングが行われる。また、実質帯電電位が設定帯電電位
(−600V)と等しい値(−600V)とされた次周
面部位がクリーニング箇所を通過する際は、現像バイア
ス電位(例えば−300V)が印加されているので、感
光体側電位(−600V)と現像ローラ側電位(−30
0V)との間には、クリーニング用設定電位差(−30
0V)と等しい値(−300V)の電位差を発生でき
る。したがって、次周面部位を連続運転中と同じ最良的
な設定電位差(−300V)で効率良くクリーニング運
転できる。しかも、現像バイアス電位(−300V)が
印加されているので、次周面部位に形成された静電潜像
を通常と同じく現像運転できる。
【0024】また、上記構成による請求項2の発明によ
れば、帯電用電源装置をONすれば、帯電器(グリッ
ド)は定電圧素子により設定帯電電位(例えば−600
V)に安定化される。これと同時に、感光体バイアス電
源装置がONされるので感光体に感光体バイアス電位
(例えば−200V)が印加される。ところで、定電圧
素子は感光体バイアス電源装置に接続されておりかつ帯
電電位と感光体バイアス電位とは同極性である。したが
って、帯電箇所に位置する感光体の実質的な帯電電位
は、設定帯電電位(−600V)に感光体バイアス電位
(−200V)を重畳させた値(−800V)となる。
かくして、帯電箇所を通過する次周面部位は、感光体バ
イアス電位の印加に伴う影響が相殺されて設定帯電電位
(−600V)と同じ値(−600V)に帯電される。
よって、請求項1の発明と同様の作用を奏することがで
きる。
【0025】さらに、請求項3の発明によれば、帯電用
電源装置の出力を設定電圧とした場合に帯電ローラが摺
接する箇所(帯電箇所)に位置する感光体周面を設定帯
電電位(−600V)に帯電できるが、感光体バイアス
電位(−200V)を印加している間は電圧切替手段が
その出力を高圧電圧に切替える。したがって、この高圧
電圧を設定電圧よりも感光体バイアス電位(−200
V)による感光体への帯電作用と同じ作用を発揮するこ
とのできる値としておけば、次周面部位を設定帯電電位
(−600V)と同じ値(−600V)に帯電できる。
よって、請求項1の発明と同様のクリーニング運転がで
きる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (第1実施例)本画像形成装置は,図1に示す如く、基
本構成(10,20,30等)が従来例(図7)と同じ
とされ、かつ帯電器30〔グリッド32(33)〕と感
光体バイアス電源装置15とを、定電圧素子40を介し
て接続し本現像同時クリーニング方式の画像形成運転を
能率よくかつ円滑に実施できるように構築されている。
【0027】したがって、従来例(図7)の場合と同一
または共通する部分については同一の符号を付しその説
明を簡略または省略する。
【0028】まず、図1に示す帯電器30の設定帯電電
位Vcを−600V、感光体10に形成される露光部
(静電潜像)の電位を−50Vと決めてある。また、ク
リーニング箇所P2における感光体側電位Vs2と現像
ローラ20(22)側電位Vbとの電位差が、図4に示
す如く、−300V〜−200Vの間でクリーニング効
果が最大となる実機からの最終データに基づき、現像バ
イアス電位Vbを−300Vと選定している。
【0029】したがって、連続運転中の未露光部の電位
を、設定帯電電位Vc(Vs1)と等しい−600Vに
することができるから、クリーニング箇所P2における
感光体側電位Vs2と現像ローラ側電位Vbとの電位差
つまりクリーニング用設定電位差は、感光体側の絶対値
が大きい−300Vとなる。一方、露光部の電位は上記
値(−50V)とされているから、現像箇所(P2)の
現像用設定電位差は、感光体側の絶対値が小さい−25
0Vとなる。
【0030】かくして、初期周面部位F1に印加する感
光体バイアス電位Vdは、上記各電位Vc,Vb等の電
位、電位差並びに図4に示すクリーニング特性を比較考
量して−200Vに決定している。この感光体バイアス
電位Vdを出力する電源装置15は、運転開始時、ON
/OFF信号発生手段17によって図2,図3に示すよ
うに帯電用電源装置35と同時にONされ、時間T1の
経過後にOFFされる。この時間T1は、初期周面部位
F1の全てがクリーニング箇所P2を通過してしまうに
必要とする時間である。
【0031】なお、運転終了時には、帯電器30がOF
Fとされたときに、帯電箇所P1とクリーニング箇所P
2との間に位置した感光体10の周面(この周長は初期
周面部位F1の周長と等しい)の全てがクリーニング箇
所P2を通過してしまうまでに要する時間T1の経過後
に、感光体バイアス電源装置15は再びONされる。そ
のON時間T2は適宜に設定すればよい。少なくとも感
光体が1周以上回動できるように設定するのが望まし
い。
【0032】ここに、設定帯電電位Vc(Vs1)を安
定化するための定電圧素子(例えば、ツェナーダイオー
ドやバリスタ)は、帯電器30すなわちグリッド33と
等電位のシールドケース32と感光体バイアス電源装置
15との間に介装され、帯電電位Vc(Vs1)に感光
体バイアス電位Vdを重畳できるものと接続されてい
る。
【0033】一方、現像バイアス電源装置25は、図3
に示す時間T1の経過後にONされ、帯電器30がOF
Fされてから時間T1の経過後にOFFされる。
【0034】次に、本発明の実施例を用いての画像形成
運転方法を説明する。運転開始に際しては、図1に示す
帯電用電源装置35と感光体バイアス電源装置15と
を、図2,図3に示すように、同時にONさせる。感光
体10は所定方向に回動を始める。
【0035】すると、感光体10には全体的に感光体バ
イアス電位Vd(−200V)が印加されるから、初期
周面部位F1の電位は−200Vとなる。一方、帯電箇
所P1を通過する感光体10の周面の電位Vsは設定帯
電電位Vc(−600V)と同じ電位Vs1に帯電され
るが、定電圧素子40を介して感光体バイアス電位Vd
(−200V)と同電位(−200V)が重畳されるの
で、次周面部位F2は図2に示す電位Vs(−800
V)に帯電される。しかし、感光体10の全体に感光体
バイアスVd(−200V)が印加されているので、次
周面部位F2の電位Vs1は実質的に−600Vとな
る。
【0036】したがって、初期周面部位F1の全てがク
リーニング箇所P2を通過してしまうまでに必要とする
時間T1内におけるクリーニング箇所P2での感光体側
電位Vs2は−200Vであり、かつ現像ローラ側電位
(Vb)は未だ現像バイアス電位Vb(−300V)が
印加されていないので零(0)Vである。したがって、
図3に示すように、実線で示す電位Vs2と点線で示す
電位Vbとの間に−200Vの電位差が発生するから、
初期周面部位F1に付着していたトナーは現像ローラ2
0側に吸着される。クリーニング用設定電位差(−30
0V)より絶対値は小さいが、図4に示す特性から、連
続運転中と遜色なく十分なクリーニングを円滑に行え
る。
【0037】引続き、時間T1の経過後に次周面部位F
2がクリーニング箇所P2に到達し、かつその全てが通
過してしまうまでの間における感光体側電位Vs2が−
600Vであるのに対して、現像ローラ側電位Vbは図
3に示すように時間T1の経過後に現像バイアス電源装
置25がONされているので現像バイアス電位Vbと同
じ−300Vである。したがって、クリーニング用電位
差〔|Vs2|−|Vb|〕が−300Vとなるから、
連続運転中と同じクリーニング用設定電位差(−300
V)と同じ状態で十二分なクリーニングを行うことがで
きる。
【0038】と同時的に、次周面部位F2に露光された
静電潜像(−50Vの露光部)があるときは、現像用箇
所P2における感光体側電位Vs2(−50V)と現像
ローラ側電位Vb(−300V)との電位差(−250
V)によって現像ローラ20側から感光体10側にトナ
ーが供給され現像される。
【0039】なお、次周面部位F2に引続く感光体10
の周面が帯電箇所P1を通過する際は、時間T1が経過
しているので感光体バイアス電源装置15はOFFとさ
れ感光体バイアス電位Vd(−200V)が印加されて
いない。また、帯電器30にも感光体バイアス電位Vd
が重畳されていない。したがって、設定帯電電位Vc
(Vs1)と同値の−600Vに帯電される。よって、
感光体側の絶対値が高いクリーニング用設定電位差(−
300V)と感光体側の絶対値が低い現像用設定電位差
(−25V)によって、現像同時クリーニングが行われ
る。現像されたトナー像は、転写器を通るときに用紙上
へ転写され、所定の画像を形成する。
【0040】運転終了時に備え帯電器30をOFFする
と、初期周面部位相当の周面の全てがクリーニング・現
像箇所P2を通過してしまうに要する時間T1の経過後
に、現像バイアス電源25がOFFされかつ感光体バイ
アス電源装置15が再びONされる。このON時間T2
は、感光体10を1周以上回転させることのできる時間
長とされる。
【0041】しかして、この実施例によれば、初期周面
部位F1の全てがクリーニング箇所P2を通過してしま
うまでの運転開始期間中に帯電箇所P1を通過する感光
体10の次周面部位F2がクリーニング箇所P2を通過
する際に、次周面部位側電位Vs2と現像ローラ側電位
Vbとの電位差がクリーニング用設定電位差(−300
V)と等しい電位差となるように、次周面部位F2が帯
電箇所P1を通過する期間中だけ帯電器30による帯電
電位を設定帯電電位Vc(−600V)よりも強制的に
高めた帯電電位(−800V)として運転する方法であ
るから、感光体バイアス電位Vd(−200V)の印加
による初期周面部位F1のクリーニング効果を保障しな
がら、これに引続く次周面部位F2のクリーニングも最
良的なクリーニング用設定電位差(−300V)で行
え、全体としてクリーニング効果を一段と高めかつ高画
質な画像を高速に形成できる。
【0042】また、画像形成装置が、放電型帯電器30
のグリッド33(32)と感光体バイアス電源装置15
とを定電圧素子40を介して接続し、次周面部位F2が
帯電箇所P1を通過する期間中だけ設定帯電電位Vc
(−600V)に感光体バイアス電位Vb(−200
V)相当分を重畳させた高圧電圧(−800V)とする
構成とされているので、設定帯電電位Vc(−600
V)を安定化するための定電圧素子40を利用しかつそ
の接続を変るだけで上記本画像形成運転を行える。した
がって、設備的負担がなく経済的である。
【0043】(第2実施例)この第2実施例の画像形成
装置は、図5に示す如く、基本構成(10,20等)が
第1実施例(図1)の場合と同様であるが、帯電器30
を従来例(図10)と同じ帯電ローラ(31B,32
B)から形成し、かつ帯電用電源装置35Hの出力電圧
VcSを設定電圧と高圧電圧との2段階に切替可能に形
成するとともに電圧切替手段を設け、運転開始時に感光
体バイアス電源装置15をONさせている間だけ帯電用
電源装置35Hの出力電圧VcSを高圧電圧に自動的に
切替えるもので形成している。
【0044】ここに、帯電用電源装置35Hの設定電圧
は、図6に示すように、帯電箇所P1を通過する感光体
10の周面電位Vs1を設定帯電電位(−600V)と
等しい電位に帯電させることができる−1.1kVであ
る。一方、高圧電圧は、その周面電位Vs1を図2に示
す−800Vに帯電させることのできる−1.3kVと
されている。
【0045】次に、電圧切替手段は、感光体バイアス電
位Vd(−200V)を感光体10に印加している間だ
け帯電用電源装置35Hの出力電圧VcSを高圧電圧
(1.3kV)に切替えるものであるから、この実施例
ではそのON/OFF信号発生手段37Hを利用して構
築している。また、そのタイミング信号は、感光体バイ
アス電源装置15用のON/OFF信号発生手段17か
ら入力される。
【0046】しかして、この第2実施例の場合にも、第
1実施例の場合と同様に次周面部位F2の全てがクリー
ニング箇所P2を通過するまでの期間中だけクリーニン
グ用設定電位差(−300V)としてクリーニング運転
できる。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、初期周面部位
の全てがクリーニング箇所を通過してしまうまでの運転
開始期間中に帯電箇所を通過する感光体の次周面部位が
クリーニング箇所を通過する際に、次周面部位側電位と
現像ローラ側電位との電位差がクリーニング用設定電位
差と等しい電位差となるように、次周面部位が帯電箇所
を通過する期間中だけ帯電器による帯電電位を設定帯電
電位よりも強制的に高めた帯電電位として運転する方法
であるから、感光体バイアス電位の印加による初期周面
部位のクリーニング効果を保障しながら、これに引続く
次周面部位のクリーニングも最良的なクリーニング用設
定電位差で行え、全体としてクリーニング効果を一段と
高めかつ高画質の画像を高速に形成できる。
【0048】また、請求項2の発明によれば、画像形成
装置が、放電型帯電器のグリッドと感光体バイアス電源
装置とを定電圧素子を介して接続し、次周面部位が帯電
箇所を通過する期間中だけ設定帯電電位に感光体バイア
ス電位相当分を重畳させた高圧とする構成とされている
ので、設定帯電電位を安定化するための定電圧素子を利
用しかつその接続を変るだけで請求項1の画像形成運転
を行え、設備的負担がなく経済的である。
【0049】さらに請求項3の発明によれば、画像形成
装置が、帯電用電源装置を設定電圧と高圧電圧との2段
階に切替可能に形成するとともに電圧切替手段を設け、
運転開始時に感光体バイアス電源装置をONさせている
間だけ、帯電用電源装置の出力電圧を高圧電圧に自動切
替えすることのできる構成とされているので、帯電器を
帯電ローラから形成した場合にも、請求項1の画像形成
運転を円滑に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を説明するための全体構成
図である。
【図2】同じく、帯電用電源装置と感光体バイアス電源
装置とのON−OFFタイミングと次周面部位を帯電さ
せる場合の帯電電位との関係を説明するための図であ
る。
【図3】同じく、クリーニング箇所における感光体側電
位と現像ローラ側電位との関係を説明するための図であ
る。
【図4】同じく、クリーニング用電位差とクリーニング
効果との関係を説明するための図である。
【図5】本第2実施例の説明をするための全体構成図で
ある。
【図6】同じく、帯電用電源装置の出力電圧と感光体の
帯電電圧との関係を説明するための図である。
【図7】従来例(1)を説明するための全体構成図であ
る。
【図8】同じく、帯電用電源装置と感光体バイアス電源
装置とのON−OFFタイミングと次周面部位を帯電さ
せる場合の帯電電位との関係を説明するための図であ
る。
【図9】同じく、クリーニング箇所における感光体側電
位と現像ローラ側電位との関係を説明するための図であ
る。
【図10】従来例(2)を説明するための全体構成図で
ある。
【符号の説明】
10 感光体 15 感光体バイアス電源装置 17 ON/OFF信号発生手段 20 現像ローラ 25 現像バイアス電源装置 27 ON/OFF信号発生手段 30 帯電器 31 放電ワイヤー 31B 基体部(帯電ローラ) 32 シールドケース(グリッド) 32B 弾性層(帯電ローラ) 33 グリッド 35 帯電用電源装置 35A 電圧切替型帯電用電源装置 37 ON/OFF信号発生手段 37H ON/OFF信号発生手段(電圧切替手段) 40 定電圧素子 50 除電ランプ F1 初期周面部位 F2 次周面部位 Vb 現像バイアス電位 Vd 感光体バイアス電位
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、次周面部位
F2は1回目から帯電箇所P1を通過する際に帯電器3
0によって設定帯電電位Vc(−600V)に帯電され
るが、これと同時に感光体10全体として図9に示す感
光体バイアス電位Vd(−200V)も印加されてい
る。したがって、かかる次周面部位F2の実効帯電電位
は−400Vとなる。すなわち、最初の時間T1経過後
からクリーンング箇所P2を通過することになる次周面
部位F2の電位つまり感光体側電位Vs2は、図9に示
す通り−400Vである。しかるに、現像ローラ側電位
Vbは−300Vである。したがって、初期周面部位F
1が通過する際の電位差(|Vb|−|Vs2|)=
|0V|−|200V|)が−200Vであったのに
対して、次周面部位F2の電位差(|Vb|−|Vs2
)=(|300V|−|400V|)は−100Vに
低下してしまう。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】したがって、感光体バイアス電位Vd(−
200V)を印加して初期周面部位F1についてクリー
ニングするように形成しても、本来現像同時クリーニン
グが開始可能となる次周面部位F2についてクリーニン
グが不十分となってしまう問題が内在する。この問題
は、一層の高画質と高速化とが求められる現在では許さ
れ難くなりつつある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像形成装置
の構成が特定されかつ粒径等のトナー性状やニップ幅等
が決まれば、例えば図4に示すように、クリーニング箇
所P2での感光体側電位Vs2と現像ローラ側電位Vb
との電位差によって、トナー付着量(クリーニング効
果)が変化する。換言すれば、最も効率よくクリーニン
グするための設定電位差(|Vb|−|Vs2|)が決
まる。したがって、連続運転中に現像同時クリーニング
を行う際のクリーニング用電位差は、上記設定電位差と
なるように構築されかつ運転されていることに着目し、
従来の感光体バイアス電位Vdの印加による初期周面部
位F1のクリーニング方法を取り入れつつ、それに引続
く次周面部位F2については感光体バイアス電位Vdの
印加に伴う不都合を一掃して最良的な設定電位差でクリ
ーニング運転する方法とその装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】引続き、時間T1の経過後に次周面部位F
2がクリーニング箇所P2に到達し、かつその全てが通
過してしまうまでの間における感光体側電位Vs2が−
600Vであるのに対して、現像ローラ側電位Vbは図
3に示すように時間T1の経過後に現像バイアス電源装
置25がONされているので現像バイアス電位Vbと同
じ−300Vである。したがって、クリーニング用電位
差〔|Vb|−|Vs2|〕が−300Vとなるから、
連続運転中と同じクリーニング用設定電位差(−300
V)と同じ状態で十二分なクリーニングを行うことがで
きる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電器を通過した感光体の周面に光照射
    して露光部と未露光部とを形成し、感光体側と現像ロー
    ラ側との設定電位差を利用して未露光部に付着している
    残留トナーを現像ローラ側へ吸着させてクリーニングを
    行うと同時に露光部へ現像ローラ側からトナーを供給し
    て現像するとともに、運転開始時に帯電箇所とクリーニ
    ング箇所との間にあった感光体の初期周面部位の全てが
    クリーニング箇所を通過してしまうまでの期間中に感光
    体に設定帯電電位と同極性で絶対値の小さい感光体バイ
    アス電位を印加して運転を開始する現像同時クリーニン
    グ方式の画像形成運転方法であって、 前記初期周面部位の全てが前記クリーニング箇所を通過
    してしまうまでの運転開始期間中に前記帯電箇所を通過
    する前記感光体の次周面部位が前記クリーニング箇所を
    通過する際に、該次周面部位側と前記現像ローラ側との
    電位差が前記設定電位差と等しい電位差となるように、
    該次周面部位が前記帯電箇所を通過する期間中だけその
    帯電電位を前記設定帯電電位よりも強制的に高めて運転
    することを特徴とする現像同時クリンーニング方式の画
    像形成運転方法。
  2. 【請求項2】 帯電器を通過した感光体の周面に光照射
    して露光部と未露光部とを形成し、感光体側と現像ロー
    ラ側との設定電位差を利用して未露光部に付着している
    残留トナーを現像ローラ側へ吸着させてクリーニングを
    行うと同時に露光部へ現像ローラ側からトナーを供給し
    て現像するとともに、運転開始時に帯電箇所とクリーニ
    ング箇所との間にあった感光体の初期周面部位の全てが
    クリーニング箇所を通過してしまうまでの期間中に感光
    体に設定帯電電位と同極性で絶対値の小さい感光体バイ
    アス電位を印加して運転を開始する現像同時クリーニン
    グ方式の画像形成装置において、 前記帯電器を放電型に形成するとともに、そのグリッド
    と前記感光体バイアス電位を印加する感光体バイアス電
    源装置との間に感光体バイアス電位が帯電器の帯電電圧
    に重畳されるように定電圧素子を接続したことを特徴と
    する現像同時クリーニング方式の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 帯電器を通過した感光体の周面に光照射
    して露光部と未露光部とを形成し、感光体側と現像ロー
    ラ側との設定電位差を利用して未露光部に付着している
    残留トナーを現像ローラ側へ吸着させてクリーニングを
    行うと同時に露光部へ現像ローラ側からトナーを供給し
    て現像するとともに、運転開始時に帯電箇所とクリーニ
    ング箇所との間にあった感光体の初期周面部位の全てが
    クリーニング箇所を通過してしまうまでの期間中に感光
    体に設定帯電電位と同極性で絶対値の小さい感光体バイ
    アス電位を印加して運転を開始する現像同時クリーニン
    グ方式の画像形成装置において、 前記帯電器を前記感光体の周面に摺接する帯電ローラか
    ら形成するとともに、この帯電ローラに帯電電圧を印加
    する帯電用電源装置を設定電圧とこれより高い高圧電圧
    とのいずれかに切替出力可能に形成し、前記感光体バイ
    アス電位を印加している間だけ該帯電用電源装置の出力
    を高圧電圧に切替える電圧切替手段を設けたことを特徴
    とする現像同時クリーニング方式の画像形成装置。
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