JPH064374B2 - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

自動車用空気調和装置

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JPH064374B2
JPH064374B2 JP60073198A JP7319885A JPH064374B2 JP H064374 B2 JPH064374 B2 JP H064374B2 JP 60073198 A JP60073198 A JP 60073198A JP 7319885 A JP7319885 A JP 7319885A JP H064374 B2 JPH064374 B2 JP H064374B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00642Control systems or circuits; Control members or indication devices for heating, cooling or ventilating devices
    • B60H1/00735Control systems or circuits characterised by their input, i.e. by the detection, measurement or calculation of particular conditions, e.g. signal treatment, dynamic models

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は自動車用空気調和装置に関し、詳しくは空気調
和を行なう系の動的なモデルに基づいて、車室内の温度
を設定された目標温度とするよう好適なフィードバック
制御を行なう自動車用空気調和装置に関する。
[従来の技術] 従来より乗員にとっての車室内の環境を快適なものとす
る為に、車室内の温度,湿度,清浄度等を制御する空気
調和装置が用いられているが、この内、主に車室内の温
度をコントロールするものが広く普及している。こうし
た自動車用空気調和装置では、吹出空気の温度を低温か
ら高温まで幅広く制御する為に、送風通路の上流に冷却
器(エバポレータ等)をおいて、一旦、送風される空気
を冷却した上で、更に加熱器(ヒータコア等)によって
加熱し、吹出空気に要求される温度を得ているのであ
る。こうした送風・冷却・加熱を行なう一連の装置を吹
出空気制御手段とし、その全体を空調ユニットと呼ぶ。
近年、広く用いられている自動車用空気調和装置の空調
ユニットとしては、加熱器に供給する熱量を可変するリ
ヒートタイプと加熱器を通過する空気の割合を可変する
エアミックスタイプとがある。
いずれにせよ、これらの自動車用空気調和装置では車室
内の温度は吹出空気の持つ熱量、即ち吹出空気の風量と
温度とによって制御されている。吹出空気の風量はブロ
アモータ等の送風の能力によって定まり、一方その温度
は冷却器(エバポレータ)の冷却能力、更に換言すれば
コンプレッサ等を含めた冷却系の能力と加熱器による加
熱能力、即ちリヒートタイプにあっては温水の循環量、
エアミックスタイプにあってはエアミックスダンパのダ
ンパ開度とによって定まる。
空気調和を開始すると、空気調和装置は車室内の温度を
検出して、設定された目標温度との偏差に基づき、吹出
空気の温度や風量などをフィードバック制御する。従っ
て、吹出空気の熱量により、車室内の温度(以下、内気
温度と呼ぶ)は次第に設定された目標温度に近づいてゆ
く。
こうした制御については特開昭55−47914号公報
や特開昭55−77659号公報等に開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] 上述した従来装置は、内気温度が設定温度に接近され維
持されるように、内気温度と目標温度との偏差に基づく
フィードバック制御を基本とし、更には外気温度や日射
量を考慮して予め設定した熱的平行条件を満足するよう
に制御量設定した予測制御を採用したものである。又、
送風量としては、上記の温度の偏差が大きい時には送風
量を大きくし、偏差が小さくなる程送風量を小さくする
ような単純な制御が行なわれているにすぎなかった。
従って、目標温度の設定値を変化させた時の過渡的応答
性が必ずしも充分になるとは限らず、設定された目標温
度やその時点での内気温度、あるいは空調ユニットの能
力等によっては過渡的応答性が不充分な場合があり、乗
員に対する快適な環境の維持が困難になる場合があると
いう問題があった。更に、空気調和を行なっている系の
日射量など環境条件の諸量が変化した場合、内気温度の
制御が平衡状態からはずれる為に、再び目標温度に安定
するまでにはかなりの時間がかかってしまうことがある
といった問題もあった。即ち、環境条件が変化した場合
の内気温度の制御が最適とはならないことも考えられ
た。
また、空調ユニットの能力は、送風量、冷却器の冷却能
力、加熱器による加熱能力等の組合わせで決まるが、こ
れらをどう組合わせることが内気温度の最適な制御とな
るかは判然としておらず、従来は、設計者の経験等に基
づいて、上述した送風量の制御の如く単純な組合わせに
より定められていたにすぎない。従って空調ユニットの
能力を十二分に引き出すことが必ずしもなされていなか
った。
そこで本発明はこれらの問題点を解決することを目的と
してなされ、空調ユニットの能力を最大限に引き出して
車室内の温度(内気温度)を好適に制御する自動車用空
気調和装置を提供することを目的とする。
発明の構成 [問題点を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本発明は問題を解決するため
の手段として、次の構成をとった。即ち、第1図に示す
ように、 車室内M1への吹出空気のすくなくとも温度と風量とを
含む諸量を制御する吹出空気制御手段M2と、 前記車室内M1の温度を検出する内気温度検出手段M3
と、 該検出された内気温度が設定された目標温度となるよう
前記吹出空気制御手段M2をフィードバック制御する空
調制御手段M4と、 を備えた自動車用空気調和装置において、 該空気調和を行なう系の動的な振舞を変化させる空気調
和の環境条件として、少なくとも日射量を含む環境条件
諸量を検出する空調条件検出手段M5を備えると共に、 前記空調制御手段M4が、 当該自動車用空気調和装置の空気調和に関する系の動的
なモデルに基づいて予め設定されたパラメータを用い
て、前記吹出空気の諸量と前記車室内の温度とから、前
記系の動的な内部状態を表す状態変数量を推定する状態
観測部M6と、 前記設定された目標温度と前記検出された車室内の温度
との偏差を累積する累積部M7と、 前記系の動的なモデルに基づいて予め設定された最適フ
ィードバックゲインと前記推定された状態変数量と前記
累積値とからフィードバック量を決定するフィードバッ
ク量決定部M8と、 前記検出された空気調和を行う系の環境条件のうち少な
くとも前記日射量と、前記系の動的なモデルに基づいて
予め設定されたフィードフォワードゲインとからフィー
ドフォワード量を決定するフィードフォワード量決定部
M9と、 前記決定されたフィードバック量とフィードフォワード
量とから、前記吹出空気制御手段M2によって制御され
る諸量の各制御量を定める制御量決定部M10と、 を備えた付加積分型最適レギュレータとして構成された
ことを特徴とする自動車用空気調和装置の構成がそれで
ある。
ここで吹出空気制御手段M2とは[従来の技術]の項で
述べた空調ユニットにほぼ相当し、すくなくとも吹出空
気の温度と風量を制御する手段から構成されている。例
えば、吹出空気の諸量のひとつとして風量をとれば、そ
の回転数や絞りの開度等によって送風量を制御するブロ
アモータやシロッコファン等であり、吹出空気の温度を
考えれば、冷却器、例えばエバポレータの冷却能力を制
御するアクチュエータやエアミックスダンパの開度ある
いは加熱器(ヒータコア)に供給される熱量を制御する
アクチュエータ等がある。冷却器の能力を制御するアク
チュエータとしては、コンプレッサの容量を変化させて
その能力を可変するものや、冷媒の流量を制御するアク
チュエータ等がある。
空気制御手段M4は通常マイクロプロセッサを用いRO
M,RAM等の周辺素子や入出力回路と共に構成された
論理演算回路として実現され、予め記憶された処理手順
に従って、内気温度検出手段M3によって検出された内
気温度を、設定された目標温度に近付けるフィードバッ
ク制御を行うと共に、空気調和を行う系の環境条件諸量
が変化したときにはフィードフォワード制御をも行い、
吹出空気制御手段M2によって制御される吹出空気の諸
量の最適な制御量を定める付加積分型最適レギュレータ
として構成されている。
即ち、空調制御手段M4では、フィードバック量決定部
M8により、状態観測部M6で推定された当該装置の空
気調和に関する系の動的な内部状態を表す状態変数量
と、累積部M7で求められた目標温度と内気温度との偏
差の累積値と、予め設定された最適フィードバックゲイ
ンとから、内気温度を目標温度に制御するためのフィー
ドバック量を決定すると共に、フィードフォワード量決
定部M9により、空調条件検出手段M5により検出され
た環境条件諸量の内の少なくとも日射量と、予め設定さ
れたフィードフォワードゲインとから、環境条件変化に
対する制御遅れを補償するためのフィードフォワード量
を決定し、更に制御量決定部M10にてこれらフィード
バック量とフィードフォワード量とから制御量を決定す
る。
空調条件検出手段M5は、少なくとも日射量を含む諸
量、例えば、外気温、湿度、車速、内燃機関の回転数も
しくは熱交換器の効率等を検出するものであって、本発
明を適用する空気調和装置の態様にあわせて、適宜検出
する諸量を選択して構成すればよい。空気調和装置を行
なう系の環境条件としてのこれらの諸量は、空気調和を
行なう系の動的な振舞いを変化させる要因であって、空
調制御手段M4によっては制御できない量、即ち、フィ
ードバック制御を行なう系にとっては外乱となる諸量で
ある。
空調制御手段M4は、この空調条件検出手段M5によっ
て、検出された空気調和の環境条件の諸量に応じて、フ
ィードフォワード制御をも行なう付加積分型最適レギュ
レータとして構成されている。そこで、次にフィードフ
ォワード制御を行なう付加積分型最適レギュレータの構
成について説明する。
こうした付加積分最適レギュレータの構成の手法は、例
えば古田勝久著「線形システム制御理論」(昭和51
年)昭晃堂等に詳しいので、ここでは実際の構成の手法
について以下、一通の見通しを与えるにとどめ、内部変
数の切換について補足す 等により生成された別の系、ここでは状態観測器(以
下、オブザーバと呼ぶ)で扱われている量であること
を、yの如き記号は目標値であることを、各々示し
ている。
制御対象、ここでは内気温度に関する系の制御におい
て、この制御対象の動的な振舞は、離散系において、 として記述されることが現代制御理論より知られてい
る。更に、フィードフォワード制御を行なう場合には、 (1)は状態方程式,式(2)は出力方程式と呼 によって制御される吹出空気の諸量からなるベク 外乱入力を意味する制御不可能な入力、例えば日射量等
の空調環境条件の諸量からなるベクトルである。尚、本
発明の扱う空気調和を行なう系では、 下、スカラ量y(k)として扱うことにする。又、式
(1),(2)は離散系で記述されており、添字kは現
時点での値であることを、k-1は1回前のサンプリング
時点での値であることを、各々示している。尚、式
(3)の右辺第1項がフィードバック制御による吹出空
気諸量の制御量を、右辺第2項がフィードフォワード制
御による制御量を、各々表わしている。そこで、フィー
ドバックゲイ う系における未来への影響を予測する為の必要十分な系
の履歴に関する情報を示しているので、吹 る。従って、吹出空気制御手段M2によって空気調和の
行なわれる車室内の温度(内気温度)が吹出し空気の諸
量によりどう振舞うかという系の動的なモデルが明らか
になり、式(1),(2)の て式(3)により、内気温度を制御する為の最適な制御
量を求めることができることになる。尚、サーボ系にお
いては系を拡大する必要が生じるが、これについては後
述する。
ところが、空気調和のように複雑な対象についてはその
動的なモデルを理論的に正確に求めることは困難であ
り、何らかの形で実験的に定めることが必要となる。こ
れが所謂システム同定と呼ばれるモデル構築の手法であ
って、自動車用空気調和装置が所定の状態で運転されて
いる場合、その状態の近傍では線形の近似が成立つとし
て、式(1),(2)の状態方程式に則ってモデルを構
築するのである。従って、その運転に関する動的なモデ
ルが仮に非線形であるような場合には、定常的な複数の
運転状態に分離することによって線形な近似を行なうこ
とができ、個々の動的なモデルを定めることができるの
である。
ここで、制御対象が比較的容易に物理的なモデルを構築
できるものであれば周波数応答法やスペクトル解析法と
いった手法によりシステム同定を行なって、動的な系の
モデル(ここではベクト こで取り上げた空気調和を行なう系のような多元系の制
御対象では、ある程度近似のよい物理モデルをつくるこ
とも困難であり、この場合には最小2乗法や補助変数法
あるいはオンライン同定法などにより動的なモデルの構
築を行なう。
と内気温度y(k)及びその目標温度y(k) ードバック制御による制御量が理論的に最適に定められ
る。
通常、自動車用空気調和装置においては、内気温度の制
御に直接関与する諸量として、例えばブロアモータによ
る送風量が内気温度に影響する量、即ち送風量の内気温
度に寄与する量を温度換算したものとか、エアミックス
ダンパ開度が内気温度 (k)として扱えばよいのであるが、これらの諸量の大
部分は直接観測することができない。そこで、本発明で
は、空調制御手段M4内に状態観測部M6を設け、この
状態観測部M6を用いて、この空気調和を行なう系の するようにしている。なお、状態観測部M6は、現代制
御理論におけるオブザーバであり、種々のオブザーバと
その設計法が知られている。これらは、例えば古田勝久
他著「メカニカルシステム制御」(昭和59年)オーム
社等に詳解されているが、本発明の状態観測部M6とし
ては、自動車用空気調和装置の態様に合わせて最小次元
オブザーバや有限整定オブザーバとして設計すればよ
い。
オブザーバは空気調和を行なう系の内部状態を表わす状
態変数量を推定する為のものであって、 しておけばよい。
空調制御手段M4では、こうしたオブザーバとしての状
態観測部M6により、状態変 を推定すると共に、累積部M7により、設定された目標
温度と実際の内気温度との偏差を累積し、フィードバッ
ク量決定部M8により、これら両者と、予め定められた
最適フィードバックゲインとから最適なフィードバック
量を定める。
ここで、累積部M7により得られる偏差の累積値は、設
定される目標温度が運転者の操作やオートエアコン等で
の要求により変化することから必要となる量である。す
なわち、一般にサーボ系の制御においては目標値と実際
の制御値との定常偏差を消去するような制御が必要とな
り、これは伝達関数において1/S(l次の積分)を
含む必要があるとされる。また、既述したようなシステ
ム同定により系の伝達関数を定め、これから状態方程式
をたてているような場合には、対ノイズ安定性の上から
もこうした積分量を含むことが望ましい。また、空気調
和を行なう系の動的な振舞いを、いくつかの定常的な運
転状態を考えて、この近傍での線形近似により定める場
合には、運転状態に応じて付加積分型最適レギュレータ
の内部変数を切換えるので、この為に生じる誤差による
制御の乱れを吸収する意味からも、こうした積分量を求
めて、空調制御手段M4を付加積分型の最適レギュレー
タとして構成することが好ましい。
そこで、本発明では、状態観測部M6にて推定した状態
変数量に、累積部M7で求めた偏差の累積値を加えるこ
とにより、制御系を所謂サーボ系に拡大し、フィードバ
ック量決定部M8において、これら両者と予め定められ
たフィードバックゲインとによりフィードバック量を定
めるようにしているのである。なお、本発明において、
累積部M7は、l=1、即ち一次型の積分を考慮すれば
よい。
次に、最適フィードバックゲインについて説明する。上
記の如く積分量を付加した最適レギュレータでは、評価
関数Jを最小とするような制御入力(ここでは空気調和
を行なう系の吹出空気の諸量)の求め方が明らかにされ
ており、最適フィードバックゲインもリカッチ方程式の
解と状態方程 トリックス及び評価関数に用いられる重みパラメータ行
列とから求められることがわかっている(前掲書他)。
ここで重みパラメータは当初任意に与えられるものであ
って、評価関数Jが空気調和を行なう系の吹出空気諸量
の挙動を制約する重みを変更するものである。重みパラ
メータを任意を与えて大型コンピュータによるシミュレ
ーションを行ない、得られた吹出空気諸量の挙動から重
みパラメータを所定量変更してシミュレーションを繰返
し、最適な値を決定しておくことができる。
る。
よって異なった値をとることから、空気調和を行なう系
の動的なモデルが線形近似される定常運転状態のまわり
の所定の範囲毎に最適フィードバッ フィードバックゲインを切換えるよう構成しておく。
次にフィードフォワードによる制御量について説明す
る。フィードフォワード制御を行なう制御系では、その
状態方程式(1),出力方程式(2) められることは既に述べた。そこで式(3)にお 安藤による手法などが知られており、既述した手 を用いて、ステップ応答に対して最適なフィードフォワ
ード量を定めるフィードフォワードゲイン いては[実施例]の項で詳解する。
以上説明したように、本発明の自動車用空気調和装置の
空調制御手段M4は、予めシステム同定等により決定さ
れた空気調和を行なう系の動的モデルを用いて付加積分
型最適レギュレータとして構成されるが、その内部にお
けるオブザーバのパ 所定の範囲毎に、予めシミュレーションにより決定され
ているのである。
空気調和を行なう系の内部状態を表わす量として説明し
たが、これは実際の物理量に対応した変数量、例えばブ
ロアモータの回転数や開度等であってもよいし、既述し
たような内気温度に直接関与する量として換算された諸
量よりなるベクトル量として設計することもできる。
[作用] 上記のように構成された本発明の自動車用空気調和装置
においては、状態観測部6が、当該装置の空気調和に関
する系の動的なモデルに基づいて予め設定されたパラメ
ータを用いて、吹出空気の諸量と車室内温度検出手段M
3にて検出された内気温度とから、空気調和に関する系
の内部状態を表す状態変数量を推定すると共に、累積部
M7が、内気温度と目標温度との偏差を累積し、フィー
ドバック量決定部M7が、その推定された状態変数量
と、偏差の累積値と、空気調和に関する系の動的なモデ
ルに基づいて予め設定されたフィードバックゲインとか
ら、内気温度を目標温度に制御するためのフィードバッ
ク量を決定する。
また、フィードフォワード量決定部M9が、空調条件検
出手段M5により検出された環境条件諸量の内の少なく
とも日射量と、空気調和に関する系の動的なモデルに基
づいて予め設定されたフィードフォワードゲインとか
ら、環境条件変化に対する制御遅れを補償するためのフ
ィードフォワード量を決定する。
そして、制御量決定部M10が、フィードバック量決定
部M8にて決定されたフィードバック量とフィードフォ
ワード量決定部M9にて決定されたフィードフォワード
量とから、吹出空気制御手段M2によって制御される諸
量の各制御量を定める。
従って、本発明によれば、車室内の温度を目標温度に制
御するための吹出空気が、日射量等の環境条件に影響さ
れることなく常に最適に制御され、目標温度や環境条件
が変化しても、内気温度を速やかに目標温度に収束させ
ることができるようになる。
即ち、まず、状態観測部M6により求められる状態変数
量は、上述のように、当該装置の制御系における未来へ
の影響を予測するために必要充分な系の履歴に関する情
報を含んでいるため、フィードバック量決定部M8にお
いて、吹出空気制御手段の現在の制御状態によって系が
どのように振舞うかを予測しつつ、フィードバック量を
決定できる。
また、フィードバック量決定部M8においては、日射量
等の環境条件の変化を考慮してフィードバック量を決定
していないので、このフィードバック量のみによって吹
出空気制御手段M2を制御していると、日射量等の環境
条件が変化したときに、一時的に制御が不安定となって
しまうが、本発明では、フィードフォワード量決定部M
8にて、日射量等の環境条件に応じてフィードフォワー
ド量を決定し、このフィードフォワード量とフィードバ
ック量とから制御量を決定している。
このため、日射量等の環境条件が急変しても、その環境
条件変化に対応して、制御量を常に最適値に設定するこ
とができ、この制御量により、内気温度を、極めて高い
応答性で目標温度に制御することができるようになるの
である。
[実施例] 次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。第2図は本発明実施例における自動車用空気調和装
置を表わす概略構成図、第3図は空気調和を行なう系の
制御モデルを示す制御系統図、第4図はシステム同定の
説明に用いるブロック線図、第5図は同じくそのシグナ
ルフロー線図、第6図はオブザーバの構成を示すブロッ
ク線図、第7図は電子制御回路において実行される制御
の一例を示すフローチャート、であって、以下この順に
説明する。
第2図において、1はブロアモータ3,エバポレータ
5,ヒータコア7,エアミックスダンパ9等を中心にエ
アミックスタイプとして構成された空調ユニット、10
は内気温度TRを検出する内気温度センサ12,温度設
定器14,日射量を検出する日射センサ16等を備えた
乗員室、20は空調ユニット1を制御する空調制御手段
M4としての電子制御回路、を各々示している。
空調ユニット1では、ブロアモータ3によって内外気切
換ダンパ21を介して吸入された空気は、エバポレータ
5を通過することによって、一旦冷却された後、その一
部はヒータコア7を通って再び加熱され、ヒータコア7
を通過しない空気と混合されて乗員室10内へ吹き出さ
れる。ヒータコア7を通過する空気と通過しない空気と
の比はエアミックスダンパ9の開度によって制御され
る。エバポレータ5は、コンプレッサ22と冷媒を循環
する管路を備え、電子制御回路20によってコンプレッ
サ22の能力を制御することにより、その冷却能力のコ
ントロールが行なわれる構成となっている。図示しない
車載のエンジンを動力源とするコンプレッサ22の能力
の制御は、コンプレッサ22に内蔵され、コンプレッサ
22の高圧室と低圧室とを通過する通路の開口面積を制
御するアクチュエータ(図示せず)によって行なわれ
る。電子制御回路20はこのアクチュエータの駆動電圧
を制御して冷却能力を制御するのであるが、以下、内蔵
アクチュエータの駆動電圧を、単にコンプレッサ22の
駆動信号(駆動電圧)と呼ぶことにする。
ヒータコア7は図示しないエンジンの冷却水(温水)が
循環するように構成されており、エンジンの暖機が終了
した時点では一定の熱量がヒータコア7に供給されるこ
とになる。更に、エアミックスダンパ9はダンパアクチ
ュエータ24によってそのダンパ開度が制御される構成
となっている。
電子制御回路20は周知のCPU30,ROM32,R
AM34等を中心に、入力ポート36,出力ポート38
等をコモンバス40で相互に接続し、論理演算回路とし
て構成されている。入力ポート36は、内気温度センサ
12から内気温度TRを、温度舗設定器14から目標温
度TRを、更に日射センサ16より日射量Qを、各量
に対応した電気信号として入力する。出力ポート38
は、ブロアモータ3を駆動する駆動信号VB、コンプレ
ッサ22の駆動信号VC、ダンパアクチュエータ24の
駆動信号VD、等を各々出力する。
電子制御回路20は、ROM32に予め記憶されたプロ
グラムに従って温度設定器14や内気温度センサ12等
から入力された信号(TR,TR,Q等)に基づき、
ブロアモータ3,コンプレッサ22,ダンパアクチュエ
ータ24等を駆動信号(VB,VC,VD等)によりフ
ィードバック制御するが、この時、フィードバック制御
に用いられる制御モデルについて、次に説明する。特に
システム同定による状態方程式(1),出力方程 め方やこれに基くオブザーバの設計、フィードバ 等について実際に即して説明する。尚、第3図は制御系
を示す図であって、ハード的な構成を示すものではな
い。第3図に示す制御系は、実際には第7図のフローチ
ャートに示した一連のプログラムの実行により実現され
ており、離散系として実現されている。
第3図に示すように、まず目標温度TRは目標温度設
定部P1によって設定される。本実施例では温度設定器
14が目標温度設定部P1に相当する。積分器P2は目
標温度TRと実際の内気温度TRとの偏差を累積し
て、累積値ZTR(k)を求めるものである。
P3は、内気温度TRについて、定常的な空気調和が行
なわれている状態での内気温度TRaかからの摂動分を
抽出する摂動分抽出部を示している。これは、既述した
ように、非線形なモデルに対して線形の近似を行なう為
に、空気調和装置による空気調和の状態を、複数の定常
的な空調状態の近傍で線形な近似の成立する範囲の連続
とみなしてこの系に関する動的なモデルを構築したこと
によっている。従って、内気温度TRを、一旦、予め定
めた最も近い定常状態からの摂動分δTR(=TR−T
Ra)として扱うのである。又、同様に日射量検出手段
P4の検出した日射量Qに関しても摂動分として扱う為
に、特定の範囲を考えて、摂動分δQ(=Q−Qa)の
抽出も行なわれる。線形近似は定常的な運転状態のまわ
りに成り立つとみなしているので、後述する空調ユニッ
ト1の運転条件、即ち吹出空気の諸量を定めるブロアモ
ータ3の駆動電圧VB,コンプレッサ22の駆動電圧V
C,エアミックスダンパ9の開度を決定するダンパアク
チュエータ24の駆動電圧VDも、同様に摂動分δV
B,δVC,δVDとして扱われている。
オブザーバP5は、内気温度の摂動分δTRと上記運転
条件の摂動分δVB,δVC,δVDとから空気調和装
置の内部状態を表現する状態変数 るものである。図示するように、オブザーバP5は空気
調和を行なう系の環境条件、ここでは日射量検出手段P
4によって検出された日射量Qも用 δTC(k) δTD(k) δTQ(k)]を求め
る。
日射量検出手段P4は空調条件検出手段M5に相当す
る。本実施例では空気調和の環境条件を変更する諸量と
して、日射量Qのみをとりあげ、日射センサ16を用い
るが、必要に応じて各種センサ等により検出される吹出
空気の湿度や外気温等も検出するように構成することも
できる。
オブザーバP5によって推定された状態推定量 を加えたものを制御量(δVB,δVC,δVD)とし
て出力するのが、制御量決定部P6である。従って、制
御量決定部P6は、フィードバック量決定部P6aとフ
ィードフォワード量決定部P6bとから構成されている
と考えることができる。
こうして求められた制御量(δVB,δVC,δVD)
を求めるのである。この制御量の組(δVB,δVC,
δVD)は摂動分抽出部P3によって選ばれる定常的な
運転状態に対応した運転条件からの摂動分なので、これ
に基準設定値加算部P7によりこの定常的な運転条件に
対応した基準設定値VBa,VCa,VDaを加えて、
空気調和装置に対する運転条件の諸量、VB,VC,V
Dを定めるのである。
以下、簡単にこの制御系の構成について説明したが、空
気調和装置の運転条件として、ブロアモータの駆動電圧
VB,コンプレッサの駆動電圧VC,ダンパアクチュエ
ータの駆動電圧VDを実施例として取上げたのは、これ
らの諸量がエアミックスタイプの空調ユニット1を有す
る自動車用空気調和装置では、内気温度TRの制御に関
する基本的な量であることによっている。従って本実施
例では、空気調和装置を3入力1出力の多元系として捕
えた。自動車用空気調和装置がリヒートタイプであれ
ば、ヒータコアに循環する温水の流量を可変するウォー
タバルブの制御を入力のひとつに代置するなど、必要に
応じて他の多元系の制御モデルをたてればよい。
以上、自動車用空気調和装置のハード的な構成とこの出
力の制御を行なうものとして3入力1出力の系を取り上
げた場合の制御系の構成について説明した。そこで、次
に実際のシステム同定による動的モデルの構築、オブザ
ーバP4の設計,最 まず自動車用空気調和装置の動的なモデルを構築する。
第4図は3入力1出力の系として定常運転されている空
気調和装置の系を伝達関数G1(z)〜G4(z)によ
り書き表わした図である。尚、zは入出力信号のサンプ
ル値のz変換を示し、G1(z)〜G4(z)は適当な
次数をもつもの で表わされる。
本実施例の空気調和装置のように、その制御系が3入力
1出力の系であり、入出力の諸量に干渉が存在するよう
な場合には、物理的なモデルを定めることが極めて困難
となる。このような場合には、システム同定と呼ばれる
一種のシミュレーションにより伝達関数を求めることが
できる。
システム同定の手法は、例えば相良節夫他著、「システ
ム同定」(昭和56年)社団法人計測自動制御学会等に
詳解されているが、ここでは最小2乗法により同定す
る。
空気調和装置を所定の状態で定常運転し、コンプレッサ
22とダンパアクチュエータ24と駆動電圧の変化分δ
VC,δVD及び日射量の摂動分δQを共に0として、
ブロアモータ3の駆動電圧の変化分δVBを適当な試験
信号により制御する。この時の入力δVBと、出力とし
ての内気温度の変化分δTRのデータをN回に亘ってサ
ンプリングする。これを入力のデータ系列{u(i)}
={δVBi},出力のデータ系列{y(i)}={δ
TRi}(但し、i=1,2,3,…N)と表わす。こ
の時、系は1入力1出力とみなすことができ、系の伝達
関数G1(z)は、 G1(z)=B(z-1)/A(z-1)…(4a) 即ち、 G1(z) =(b0+b1・z-1+…+bnz-n)/ (1+a1・z-1+a2・z-2+…+an・z-n) …(4b) で求められる。尚、ここで、z-1は単位推移演算子であ
って、z-1・x(k)=x(k−1) を意味している。
入出力のデータ系列{u(i)},{y(i)}から式
(4)のパラメータa1〜an,b0〜bnを定めれば
系の伝達関数G1(z)が求められる。最小2乗法によ
るシステム同定では、このパラメータa1〜an,b0
〜bnを が最小となるよう定める。本実施例ではn=1として、
各パラメータを求めた。この場合、系のシグナルフロー
線図は第5図のようになり、状態変数量として[x1
(k)]をとって、その状態・出力方程式は、 x1(k+1)=z・x1(k) =−a1・x1(k)+b1・u(k) …(6) y(k)=x1(k) …(7) と表わせられる。従って、1入力1出力の系とみ となる。
同様の手法により、伝達関数G2(z),G4 そこでこれらのシステムパラメータから元の3入力1出
力の多元系のシステムパラメータ、即ち状 こうして本実施例の動的なモデルがシステム同定により
求められたが、この、動的なモデルは、空気調和装置が
所定の状態で運転されている時、この状態の近傍では線
形の近似が成立つという形で定められる。従って、定常
的な複数の空気調和の状態に関して、上記の手法で伝達
関数G1(z)ないしG4(z)が各々求められ、各々
の状態方 の間に成立することになる。
次にオブザーバP5の設計方法について説明する。オブ
ザーバの設計にはゴピナスの設計法などがあって、古田
勝久・佐野昭共著「基礎システム理論」(昭和53年)
コロナ社等々に詳しいが、本実施例では最小次限オブザ
ーバとして設計する。
オブザーバP5は空気調和の行なわれた内気温度の摂動
分(δTR),日射量Qの摂動分(δTR)及び運転条
件の諸量の摂動分(δVB,δVC,δVD)から空気
調和装置の内部の状態変数 として扱うことができるという根拠は次の点にあ 程式(1),出力方程式(2)に基いて次式(9)のよ
うに構成したとする。
ある。式(1),(2),(9)より変形すると、 (即ちブロアモータ3等の駆動電圧[VB(k) (k)(即ちここではスカラ量y(k)としての 量Q(k)を用いて正しく推定することができる。
第6図は最小次元オブザーバの構成を示すブロック線図
である。オブザーバをこのように構成し、 れば、 としておく。
既に述べたように、こうした最小次元オブザーバの具体
的な設計法はゴピナスの設計法などが知られており、本
実施例ではこれを用いて、空気調和装置のある定常的な
運転状態について、 を得た。
以上の如く構成されたオブザーバではオブザー 空気調和装置の内部状態を表わす変数として、δTB
(k),δTC(k),δTD(k),δTQ(k)考
えている。δTB(k)は、ブロアモータ3の吹出風量
を制御する駆動電圧VBによって影響を受ける車室内実
温度の摂動分を、δTC(k)は、同様にコンプレッサ
22の駆動電圧VCによって影響をうける車室内実温度
の摂動分を、δTD(k)は、同じくダンパアクチュエ
ータ24によって影響をうける車室内実温度の摂動分
を、δTQ(k)は、日射量Qの変化によって影響をう
ける車室内実温度の摂動分を、各々意味してい として表わされる。
求める手法は、例えば「線形システム制御理論」(前掲
書)等に詳しいので、ここでは詳解は略して結果のみを
示しておく。
(k) VC(k) VD(k)]Tとその出力y
(k)=TR(k)とについて、ある定常点のまわり
で、 δy(k)=y(k)−y(k-1) とし、次の評価関数Jを最小にする最適制御入力、 装置の制御系に関する付加積分型最適レギュレータとし
ての制御問題を解くことになる。
制御開始時点を0とするサンプル回数を、各々示 する所謂2次形式表現である。
の解である。尚、ここで式(19)の評価関数Jの意味
は空気調和装置に対する制御入力としての (k) VD(k)]Tの動きを制約しつつ、制御出力
y(k)、ここでは内気温度TR(k)の目標値TR
(k)からの偏差を最小にしようと すでに求めておいた空気調和装置の動的なモデル、 2),(13)より求められるので、空気調和装 (k)]を求めることができる。重みパラメー まで以上のシミュレーションを繰返すことによっ のように求められる。
いて説明する。最適レギュレータ制御を行なった場合の
評価関数Jの最小値は で与えられる。ところで今、空気調和を行なう系にステ
ップ状の外乱、日射量の急変が加わっ 初期値とする問題と等価となる。この時評価関数Jの最
小値minJは、 式(27)式を最小とするようにフィードフォワードゲ (∞)として式を変形する。(27)及び式(3)よ
り、 を得る。これを変形すると、 となる。
既に式(20)により最適フィードバックゲイ 理論を用いて定めているので、式(28)におけ であるから、任意のステップ状の外乱に対し、式(2
7)を最小とするフィードフォワードゲイン を上記(27)に代入して、 を得る。但し、ここで、 Qのみなのでスカラ量であるから、式(29)を の値は零となる。
として定められる。既に、フィードバックゲイン ので、式(30)より容易にフィードフォワード 以上、最小2乗法によるシステム同定により空気調和装
置の制御系の動的モデルの構築、最小次元のオブザーバ
の設計、最適フィードバックゲイ 回路20の内部ではその結果のみを用いて実際の制御を
行なうのである。
そこで、次に、第7図のフローチャートに拠って電子制
御回路20が実際に行なう制御について説明する。尚、
以下の説明では現実の処理において扱われている量を添
字(k)付で、前回に扱われた量を添字(k-1)付で表わ
すことにする。
CPU30は空気調和装置が起動された後、CPU30
の内部レジスタのクリアや制御初期値の設定などの初期
化の処理を行なった後、予めROM32内に格納された
手順に従い、後述するステップ100ないしステップ2
30の処理を繰返し実行する。この車室内温度制御ルー
チンでは予め まずステップ100では、日射センサ16の出力信号を
入力ポート36を介して入力し、日射量Qを読み込む処
理を行なう。
続くステップ110では、内気温度センサ12の出力信
号を入力ポート36を介して入力し、車室内の温度、即
ち内気温度TR(k)の読み込みを行なう。ステップ1
20では、同様に温度設定器14の出力信号を入力し
て、目標温度TR(k)を読み込む処理を行なう。
続くステップ130では、ステップ110で読み込んだ
内気温度TR(k)とステップ120で読み込んだ目標
温度TR(k)との偏差をe(k)=TR(k)−
TR(k)として求め、次のステップ140では、この
偏差e(k)の過去からの累積値ZTR(k)を求める
処理が行なわれる。即ち、第7図の処理の繰返し時間を
Tとして、 ZTR(k)=ZTR(k-1)+T・e(k) …(30) により累積値ZTR(k)を求めるのである。以上のス
テップ130,140が第3図の積分器P2に相当す
る。
続くステップ150では、ステップ110で読み込んだ
内気温度TR(k)から、空気調和装置の動的なモデル
を構築した際、線形近似が成立つ範囲として取上げた定
常的な空気調和装置の運転状態のうちで最も近い状態
(以下、これを定常点TRa,VBa,VCa,VDa
と呼ぶ)を求める処理を行なう。ステップ160では、
ステップ110で読み込んだ内気温度TR(k)につい
て、ステップ150で定めた定常点からの摂動分δTR
(k)を求める処理を行なう。尚、この摂動分に関して
は、δTR(k-1)を初めとして、前回本制御ルーチンが
実行された際の値が保存させているものとする。このス
テップ150,160の処理が第3図の摂動分抽出部P
3に相当する。
尚、日射ち量Qに関しては日射量零からの摂動分として
全て扱うので、本実施例ではδQ=Qとなる。
続くステップ170では、ステップ150で選択した定
常点に基づいて、現在の空気調和装置の 続くステップ180,ステップ190は状態推 ,(13)により[δTB(k) δTC(k) δT
D(k) δTQ(k)]Tが求められる。即ち、オブ
ザーバ内の変数 いて、ステップ180では、W1(k),W2(k),
W3(k)を、 W1(k)= P11・W1(k-1)+P12・W2(k-1) +P13・W3(k-1)+M11・δVB(k-1) +M12・δVC(k-1)+M13・δVD(k-1) +M14・δQ(k-1)+M15・δTR(k-1) W2(k)= P21・W1(k-1)+P22・W2(k-1) +P23・W3(k-1)+M21・δVB(k-1) +M22・δVC(k-1)+M23・δVD(k-1) +M24・δQ(k-1)+M25・δTR(k-1) W3(k)= P31・W1(k-1)+P32・W2(k-1) +P33・W3(k-1)+M31・δVB(k-1) +M32・δVC(k-1)+M33・δVD(k-1) +M34・δQ(k-1)+M35・δTR(k-1) として求め、続くステップ190ではステップ180の
結果を用いて、状態推定量を、 δTB(k) =W1(k)+D1・δTR(k) δTC(k) =W2(k)+D2・δTR(k) δTD(k) =W3(k)+D3・δTR(k) δTQ(k) =δTR(k)−δTB(k) −δTC(k)−δTD(k) として求める処理が行なわれる。ここでステップ180
で用いられたδVB(k-1),δVC(k-1),δVD(k-
1),δTR(k-1),δQ(k-1)等は、上述したように、前
回、本制御ルーチンが実行された時の値である。また、
状態推 日射量の変化が内気温度の摂動分δTR(k)に影響を
与える温度の摂動分δTQ(k)を、δTR(k)−δ
TB(k)−δTC(k)−δTD(k)として求めて
いるのは、内気温度の摂動分δTR(k)が測定されて
いる(ステップ110,ステップ160)ことから、処
理速度の向上を考慮して計算の容易化を図ったものであ
る。
続くステップ200では、ステップ180,ステップ1
90の処理によって求めた状態推定量 D(k) δTQ(k)]Tと、ステップ140で求め
ておいた累積値ZTR(k)とから、最適 δVB(k),コンプレッサ22の駆動電圧の摂動分δ
VC(k),ダンパアクチュエータ24の駆動電圧の摂
動分δVD(k)を求める処理が行なわれる。第7図ス
テップ200に示した数式をベクトル表現とすれば、 である。これが、第3図の制御量決定部P6に相当する
処理である。
続くステップ210では、ステップ200で求めた各駆
動電圧の摂動分δVB(k),δVC(k),δVD
(k)に定常点での値VBa,VCa,VDaを加え
て、実際の駆動電圧VB(k),VC(k),VD
(k)を求める処理が行なわれる。これが第3図の基準
値加算部P7に相当する処理である。
続くステップ220ではステップ210で求めた各駆動
電圧VB(k),VC(k),VD(k)を、出力ポー
ト38を介して、ブロアモータ3,コンプレッサ22,
ダンパアクチュエータ24の各々に出力する制御を行な
う。ステップ230ではサンプリング・演算・制御の回
数を示している添字Kの値を1だけインクリメント(更
新)し、ステップ100へ戻って、上述のステップ10
0ないし230の処理を再び繰返す。
以上のように構成された本制御ルーチンに依って行なっ
た制御例について、第8図に従来の単純なフィードバッ
ク制御例と比較して示した。制御例として、空気調和を
行なって内気温度が15℃にて熱平衡にある状態から、
車室内温度の目標温度が20℃、即ち+5℃だけ変更さ
れて、設定された場合を取上げた。この目標温度の変更
を第8図では一点鎖線Pで示したが、これに対する内気
温度の変化を内気温度センサ12の出力信号に基いてプ
ロットしたのが実線G,破線Fである。実線Gは本実施
例による内気温度の制御例を、破線Fは従来の制御によ
る制御例を、各々示している。第8図から明白なよう
に、本実施例によれば、従来の制御例より速い応答性
(立ち上がり)を実現した上で、オーバーシュート,ア
ンダーシュートもほとんどなく、内気温度を目標温度に
することができている。空気調和を行なっている系が安
定する時間で比較すれば、本実施例では、立ち上がりが
速いにもかかわらず1桁以上の改善を実現していること
がわかる。これにより、車室内の温度を応答性良く目標
温度に制御できるばかりか、ブロアモータ3,コンプレ
ッサ22,ダンパアクチュエータ24を最適に制御する
ので、無駄なエネルギを消費することがなく、省燃費で
しかもコンプレッサ22をオン−オフ制御しないことか
ら内燃機関の出力トルクの変動も低減することができ
る。
これは、本実施例の制御では、熱平衡を予測した単純な
フィードバック制御に替えて、電子制御回路20による
制御装置をフィードフォワード制御をも行なう付加積分
型最適レギュレータとして構成し、即ち制御対象である
空気調和を行なう系のモデルをシステム同定によって実
験的に解析して、制御対象の状態、即ち未来への影響を
予測するために必要十分な系の過去の履歴に関する情報
を推定し、これを用いて制御を行なうよう構成したこと
によっている。
次に日射量Qが変化した場合の制御特性について説明す
る。第9図は日射量Qが時間t1にて1000kcal/
hから0kcal/hに激減した場合の室内温度の変化を
示すグラフである。現実には、例えば日射の強い日中の
走行において、トンネルに入った時などがこれに相当す
る。図において、実線gは本実施例での制御特性を、破
線fは従来の制御による制御特性を、各々示している。
本実施例では、日射量Qの減少によって、直ちにフィー
ドフォワード制御量が変化するので、吹出空気の諸量の
制御が素速く行なわれ、乗員室10の内気温度TRはほ
とんど変化していないことがわかる。従来の制御では、
日射量Qの急変によって一旦崩れた平衡状態が回復する
までに、オーバーシュート,アンダーシュートを何回か
生じることがわかる。
又、本実施例の自動車用空気調和装置は内気温度を制御
する電子制御回路20におけるフィードバックゲインの
設計が極めて論理的になされ、これを最適に定めてい
る。従って、従来の制御装置のように設計者の経験等に
基づいて設計し、必要に応じて実際に調整を行ない、適
切と思われるフィードバックゲインを設定してゆくとい
った手間を必要とせず、設計・開発工数やコストを低減
することができる。更に、従来の経験や実験に依拠した
調整では到底実現しえなかった安定なフィードフォワー
ド制御を実現することもできている。
以上本発明の一実施例について説明したが、本発明はこ
の実施例に何等限定されるものではなく、リヒートタイ
プの空気調和装置に適用したり、状 発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実
施しえることは勿論である。
発明の効果 以上詳述したように、本発明の自動車用空気調和装置に
おいては、当該装置の空気調和に関する系の動的なモデ
ルに基づいて予め設定されたパラメータを用いて、吹出
空気の諸量と内気温度とから、空気調和に関する系の内
部状態を表す状態変数量を推定し、この状態変数量と、
内気温度と目標温度との偏差の累積値と、空気調和に関
する系の動的なモデルに基づいて予め設定されたフィー
ドバックゲインとから、フィードバック量を決定すると
共に、空気調和に関する系の動的なモデルに基づいて予
め設定されたフィードフォワードゲインと、日射量等の
環境条件諸量とから、フィードフォワード量を決定し、
これらフィードバック量とフィードフォワード量とから
制御量を定める。
従って、本発明によれば、車室内の温度を目標温度に制
御するための吹出空気が、日射量等の環境条件に影響さ
れることなく常に最適に制御され、目標温度や環境条件
が変化しても、内気温度を速やかに目標温度に収束させ
ることができるようになる。
即ち、本発明では、制御系の動的な内部状態の過去の影
響度を考慮した制御系の未来の影響を予測する情報を含
んだ状態変数量を用いてフィードバック量を求め、これ
に基づき制御量を決定するため、内気温度を制御する動
的なモデルが制御量にしたがってどう振舞うかという制
御系の動的なモデルを明かにしつつ、制御量を決定する
ことができる。
また、本発明では、上記のように状態変数量を用いて求
めたフィードバック量だけでなく、日射量等の環境条件
に基づき求めたフィードフォワード量を用いて制御量を
決定するため、日射量等の環境条件が急変しても、その
変化に対応して、制御量を常に最適値に決定することが
できる。
従って、本発明によれば、従来装置のように過制御(オ
ーバーシュートやアンダーシュート)をほとんど生じる
ことなく、また日射量等の外部環境の影響を受けること
なく、極めて高い応答性で、内気温度を目標温度に制御
することができるようになるのである。
一方、従来のPID制御による自動車用空気調和装置で
は、1入力1出力の制御しかできないため、本発明のよ
うに多数の制御入力が存在する場合には、各制御入力間
の相互緩衝を取り除き、各制御入力と制御出力との間に
完全に1対1の対応をつけ、複数の1入力1出力の制御
の集合として制御するしかない。従って、制御入力相互
間の干渉を考慮せずに各々独立して制御することしかで
きない。
しかしながら、本発明では、制御入力を複数個とするこ
とができ、この複数の制御量全てに基づいて状態変数量
を推定することができるので、各制御入力の相互関係を
考慮した制御を行なうことができる。従って、すべての
制御入力の干渉を考慮した制御が可能であるという優れ
た効果を有する。そして、このように制御入力の干渉を
考慮した制御が可能であるため、自動車用空気調和装置
の動力源に対する負担を最小にすることができ、内燃機
関を動力源とする場合には空気調和装置を作動させたと
きの燃費を向上させるといった効果が得られる。
また、空気調和装置の設計・開発工数を低減することが
できるという副次的な効果も得られている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成図、第2図は本発明一実施
例としての自動車用空気調和装置の概略構成図、第3図
は実施例における空気調和を行なう系の制御系統図、第
4図は実施例の系のモデルを同定するのに用いたブロッ
ク線図、第5図は伝達関数を求める為のシグナルフロー
線図、第6図は最小次元オブザーバの構成を示すブロッ
ク線図、第7図は実施例における付加積分型最適レギュ
レータとしての制御を示すフローチャート、第8図,第
9図は各々実施例の制御特性と従来の制御の一例とを比
較するグラフ、である。 1…空調ユニット、3…ブロアモータ 5…エバポレータ、7…ヒータコア 10…乗員室、12…内気温度センサ 14…温度設定器、20…電子制御回路 22…コンプレッサ 24…ダンパアクチュエータ 30…CPU 32…ROM
フロントページの続き (72)発明者 河合 孝昌 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−47914(JP,A) 特開 昭58−139816(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室内への吹出空気のすくなくとも温度と
    風量とを含む諸量を制御する吹出空気制御手段と、 前記車室内の温度を検出する内気温度検出手段と、 該検出された内気温度が設定された目標温度となるよう
    前記吹出空気制御手段をフィードバック制御する空調制
    御手段と、 を備え、車室内の空気調和を行なう自動車用空気調和装
    置において、 該空気調和を行なう系の動的な振舞を変化させる空気調
    和の環境条件として、少なくとも日射量を含む環境条件
    諸量を検出する空調条件検出手段を備えると共に、 前記空調制御手段が、 当該自動車用空気調和装置の空気調和に関する系の動的
    なモデルに基づいて予め設定されたパラメータを用い
    て、前記吹出空気の諸量と前記車室内の温度とから、前
    記系の動的な内部状態を表す状態変数量を推定する状態
    観測部と、 前記設定された目標温度と前記検出された車室内の温度
    との偏差を累積する累積部と、 前記系の動的なモデルに基づいて予め設定された最適フ
    ィードバックゲインと前記推定された状態変数量と前記
    累積値とからフィードバック量を決定するフィードバッ
    ク量決定部と、 前記検出された空気調和を行う系の環境条件のうち少な
    くとも前記日射量と、前記系の動的なモデルに基づいて
    予め設定されたフィードフォワードゲインとからフィー
    ドフォワード量を決定するフィードフォワード量決定部
    と、 前記決定されたフィードバック量とフィードフォワード
    量とから、前記吹出空気制御手段によって制御される諸
    量の各制御量を定める制御量決定部と、 を備えた付加積分型最適レギュレータとして構成された
    ことを特徴とする自動車用空気調和装置。
  2. 【請求項2】吹出空気制御手段によって制御される吹出
    空気の諸量が、少なくとも、吹出空気の送風を行なうブ
    ロアモータの送風量と、該ブロアモータによって送風さ
    れる空気を一旦冷却する冷却能力と、該送風される空気
    を再度加熱して吹出空気の温度を所定の温度とするアク
    チュエータの制御量と、を含んでなる特許請求の範囲第
    1項記載の自動車用空気調和装置。
  3. 【請求項3】空調条件検出手段が、日射量の他に、空気
    調和の環境条件として、外気温,湿度,車速,内燃機関
    の回転数もしくは熱交換器の効率のうち、いずれかひと
    つまたは複数を検出する特許請求の範囲第1項または第
    2項に記載の自動車用空気調和装置。
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