JPS61232913A - 自動車用空気調和装置 - Google Patents

自動車用空気調和装置

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JPS61232913A
JPS61232913A JP60073198A JP7319885A JPS61232913A JP S61232913 A JPS61232913 A JP S61232913A JP 60073198 A JP60073198 A JP 60073198A JP 7319885 A JP7319885 A JP 7319885A JP S61232913 A JPS61232913 A JP S61232913A
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air conditioning
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Katsumasa Matsui
松井 克雅
Toru Kakehi
筧 亨
Katsuhiro Oba
大羽 勝廣
Takamasa Kawai
孝昌 河合
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/00642Control systems or circuits; Control members or indication devices for heating, cooling or ventilating devices
    • B60H1/00735Control systems or circuits characterised by their input, i.e. by the detection, measurement or calculation of particular conditions, e.g. signal treatment, dynamic models

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車用空気調和装置に関し、詳しくは空気調
和装置を行なう系の動的なモデルに基づいて、車室内の
温度を設定された目標温度とするよう好適なフィードバ
ック制御を行なう自動車用空気調和装置に関する。
[従来の技術] 従来より乗員にとっての車室内の環境を快適なものとす
る為に、車室内の温度、湿度、清浄度等を制御する空気
調和装置が用いられているが、この内、主に車室内の温
度をコントロールするものが広く普及している。こうし
た自動車用空気調和装置では、吹出空気の温度を低温か
ら高温まで幅広く制御する為に、送風通路の上流に冷却
器(エバポレータ等)をおいて、一旦、送風される空気
を冷却した上で、更に加熱器(ヒータコア等)によって
加熱し、吹出空気に要求される温度を得ているのである
。こうした送風・冷却・加熱を行なう一連の装置を吹出
空気制御手段とし、その全体を空調ユニットと呼ぶ。近
年、広く用いられている自動車用空気調和装置の空調ユ
ニットとしては、加熱器に供給する熱量を可変するリヒ
ートタイプと加熱器を通過する空気の割合を可変するエ
アミックスタイプとがある。
いずれにせよ、これらの自動車用空気調和装置では車室
内の温度は吹出空気の持つ熱量、即ち吹出空気の風量と
温度とによって制御されている。
吹出空気の風量はブロアモータ等の送風の能力によって
定まり、一方その温度は冷却器(エバポレータ)の冷却
能力、更に換言すればコンプレッサ等を含めた冷却系の
能力と加熱器による加熱能力、即ちリヒートタイプにお
っては温水の循環量、エアミックスタイプにあってはエ
アミックスダンパのダンパ開度とによって定まる。
空気調和を開始すると、空気調和装置は車室内の温度を
検出して、設定された目標温度との偏差に基づき、吹出
空気の温度や風量などをフィードバック制御する。従っ
て、吹出空気の熱量により、車室内の温度(以下、内気
温度と呼ぶ)は次第に設定された目標温度に近づいてゆ
く。
こうした制御については特開昭55−47914号公報
や特開昭55−77659号公報等に開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] 上述した従来装置は、内気温度が設定温度に接近され維
持されるように、内気温度と目標温度との偏差に基づく
フィードバック制御を基本とし、更には外気温度や日射
量を考慮して予め設定した熱的平行条件を満足するよう
に制御量設定した予副制御を採用した。ものである。又
、送風量としては、上記の温度の偏差が大きい時には送
風量を大きくし、偏差が小さくなる程送風量を小ざくす
るような単純な制御が行なわれているにすぎなかった。
従って、目標温度の設定値を変化させた時の過渡的応答
性が必ずしも充分になるとは限らず、設定された目標温
度やその時点での内気温度、あるいは空調ユニットの能
力等によっては過渡的応答性が不充分な場合があり、乗
員に対する快適な環境の維持が困難になる場合があると
いう問題があった。更に、空気調和を行なっている系の
日射量など環境条件の諸量が変化した場合、内気温度の
制御が平衡状態からはずれる為に、再び目標温度に安定
するまでにはかなりの時間がかかつてしまうことがある
といった問題もあった。即ち、環境条件が変化した場合
の内気温度の制御が最適とはならないことも考えられた
また、空調ユニットの能力は、送&を量、冷却器の冷却
能力、加熱器による加熱能力等の組合わせで決まるが、
これらをどう組合わせることが内気温度の最適な制御と
なるかは判然としておらず、従来は、設計者の経験等に
基づいて、上述した送風量の制御の如く単純な組合わぜ
により定められていたにすぎない。従って空調ユニット
の能力を十二分に引き出すことが必ずしもなされていな
かった。
そこで本発明はこれらの問題点を解決することを目的と
してなされ、空調ユニットの能力を最大限に引き出して
車室内の温度(内気温度)を好適に制御する自動車用空
気調和装置を提供することを目的とする。
R皿五璽羞 (問題点を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本発明は問題を解決するため
の手段として、次の構成をとった。即ち、第1図に示す
ように、 車室内M1への吹出空気のすくなくとも温度と風量とを
含む諸量を制御する吹出空気制御手段M2と、 前記車室内M1の温度を検出する内気温度検出手段M3
と、 該検出された内気温度が設定された目標温度となるよう
前記吹出空気制御手段M2をフィードバック制御する空
調制御手段M4と、 を備えた自動車用空気調和装置において、該空気調和を
行なう系の動的な振舞を変化させる空気調和の環境条件
として、少なくとも日射量を含む諸量を検出する空調条
件検出手段M5を備えると共に、      − 前記空調制御手段M4が、 空気調和を行なう系の内部状態を表わす量を、検出また
は推定することによって定める状態変数量検出手段M6
を備え、 しかも、空気調和を行なう系の動的なモデルに従って予
め定められた最適フィードバックゲイン及びフィードフ
ォワードゲインを用い、前記検出または推定して定めら
れた内部状態変数量と前記検出された空気調和を行なう
系の環境条件諸量とから前記吹出空気制御手段M2の制
御量を定めて、前記フィードバック制御を行なう付加積
分型最適レギュレータとして構成されたことを特徴とす
る自動車用空気調和装置の構成がそれである。
ここで吹出空気制御手段M2とはし従来の技術]の項で
述べた空調ユニットにほぼ相当し、すくなくとも吹出空
気の温度と風量を制御する手段から構成されている。例
えば、吹出空気の諸量のひとつとして風量をとれば、そ
の回転数や絞りの開度等によって送風量を制御するプロ
アモータやシロッコファン等でおり、吹出空気の温度を
考えれば、冷却器、例えばエバポレータの冷却能力を制
御するアクチュエータやエアミックスダンパの開度必る
いは加熱器(ヒータコア)に供給される熱量を制御する
アクチュエータ等がある。冷却器の能力を制御するアク
チュエータとしては、コンプレッサの容量を変化させて
その能力を可変するものや、冷媒の流量を制御するアク
チュエータ等がある。
状態変数量検出手段M6は空気調和装置を行なう系の内
部状態を表わす量、即ち状態変数量を検出または推定す
る手段であって、状態変数量が容易に検出できる量であ
ればこれを検出するセンサ等から構成してもよく、状態
変数量が通常の手法によっては測定・検出できない量で
あるような場合には、後述するオブザーバ等により状態
変数量を推定するような構成とすることもできる。後者
の場合には、空気調和を行なう系の動的なモデルに基づ
いて予め設定されたパラメータを用い、吹出空気の諸量
、車室内の温度及び環境条件の諸量から、この系の内部
状態を表わす状態変数量を推定するよう構成されるが、
この場合にはオブザーバ等は空調制御手段M4と一体に
構成することができる。
空調制御手段M4は通常マイクロプロセッサを用いRO
M、RAM等の周辺素子や入出力回路と共に構成された
論理演算回路として実現され、予め記憶された処理手順
に従って、設定された目標温度と内気温度検出手段M3
によって検出された内気温度とから、吹出空気制御手段
M2による吹出空気の諸量の制御量を定めるよう構成さ
れている。空調制御手段M4は、この制御量を、すくな
くとも状態変数量検出手段M6によって検出または推定
された状態変数量と予め空気調和を行なう系の動的なモ
デルに従って定められた最適フィードバックゲインとか
ら定まるフィードバック量と、空調条件検出手段M5に
よって検出された空気調和を行なう系の環境条件諸量と
予め定められたフィードフォワードゲインとから定まる
フィードフォワード量とから定まるよう構成されている
。即ち、空調制御手段M4は、目標温度に内気温度を近
づけるような制御と共に、空気調和を行なう系の環境条
件諸量が変化した時にはフィードフォワード制御をも行
ない、吹出空気制御手段M2によって制御される吹出空
気の諸量の最適な制御量を定める付加積分型最適レギュ
レータとして構成されている。
空調条件検出手段M5は、少なくとも日射量を含む諸口
、例えば、外気温、湿度、車速、内燃機関の回転数もし
くは熱交換器の効率等を検出するものであって、本発明
を適用する空気調和装置の態様にあわせて、適宜検出す
る諸量を選択して構成すればよい。空気調和装置を行な
う系の環境条件としてのこれらの諸口は、空気調和を行
なう系の動的な振舞いを変化させる要因であって、空調
制御手段M4によっては制御できない量、即ち、フィー
ドバック制御を行なう系にとっては外乱となる諸量であ
る。
空調制御手段M4は、この空調条件検出手段M5によっ
て、検出された空気調和の環境条件の諸口に応じて、フ
ィードフォワード制御をも行なう付加積分型最適レギュ
レータとして構成されている。そこで、次にフィードフ
ォワード制御を行なう付加積分型最適レギュレータの構
成について説明する。
こうした付加積分最適レギュレータの構成の手法は、例
えば古田勝久著「線形システム制御理論」(昭和51年
)昭晃堂等に詳しいので、ここでは実際の構成の手法に
ついて以下、−通の見通しを与えるにとどめ、内部変数
の切換について補足する。尚、以下の説明においてA、
 IB、 ’l、 [5,d+。
E、F、G、It−1,J、M、fN、P、fQ、fR
,u。
X、Vはベクトル量(行列)を示し、X”の如き添字T
は行列の転置を、A−1の如き添字−1は逆行列を、更
にXの如き添字へはそれが推定値であることを、Cの如
き記号〜は制御対象の系から変換等により生成された別
の系、ここでは状態観測器(以下、オブザーバと呼ぶ)
で扱われている徂であることを、y*の如き記号本は目
標値であることを、各々示している。
制御対象、ここでは内気温度に関する系の制御において
、この制御対象の動的な振舞は、離散系において、 X(k )=A−X(k−1)+B−u (k−1)+
E −dl (k−1>     ・・・(1)V (
k−1> =C−X (k−1>     ・・・(2
)として記述されることが現代制御理論より知られてい
る。更に、フィードフォワード制御を行なう場合には、 Ll (k ) =F−X (k )+H−dl (k
 )−(3)によりベクトルu (k )が定められる
。ここで式(1)は状態方程式9式(2)は出力方程式
と呼ばれ、X(k)はこの系の内部状態を表わす状態変
数量であり、u (k )は吹出空気制御手段M2によ
って制御される吹出空気の諸量からなるベクトル、y 
(k )はこの系の出力を示す諸量からなるベクトルで
ある。またdi(k)は制御対象への外乱入力を意味す
る制御不可能な入力、例えば日射量等の空調環境条件の
諸量からなるベクトルである。尚、本発明の扱う空気調
和を行なう系では、出力ベクトルv (k )は内気温
度のみなので、以下、スカラ量y (k )として扱う
ことにする。又、式(1)、(2>は離散系で記述され
ており、添字には現時点での値であることを、k−1は
1回前のサンプリング時点での値であることを、各々示
している。尚、式(3)の右辺第1項がフィードバック
制御による吹出空気諸量の制御量を、右辺第2項がフィ
ードフォワード制御による制御量を、各々表わしている
。そこで、フィードバックゲイン「、フィードフォワー
ドゲインHを最適に定めておき、状態変数量X(k)、
外乱入力di(k)を知れば、状態変数量X(k)は空
気調和を行なう系における未来への影響を予測する為の
必要十分な系の履歴に関する情報を示しているので、吹
出空気の諸1u (k )を最適に定めることができる
。従って、吹出空気制御手段M2によって空気調和の行
なわれる車室内の温度(内気温度)が吹出し空気の諸量
によりどう撮舞うかという系の動的なモデルが明らかに
なり、式(1)、(2)のベクトルA、B、C,Eを定
めることができれば、状態変数量X(k)及び外乱入力
dl(k)を用いて式(3)により、内気温度を制御す
る為の最適な制御量を求めることができることになる。
尚、サーボ系においては系を拡大する必要が生じるが、
これについては後述する。
ところが、空気調和のように複雑な対象についてはその
動的なモデルを理論的に正確に求めることは困難であり
、何らかの形で実験的に定めることが必要となる。これ
が所謂システム同定と呼ばれるモデル構築の手法であっ
て、自動車用空気調和装置が所定の状態で運転されてい
る場合、その状態の近傍では線形の近似が成立つとして
、式(1)、(2>の状態方程式に則ってモデルを構築
するのである。従って、その運転に関する動的なモデル
が仮に非線形であるような場合には、定常的な複数の運
転状態に分離することによって線形な近似を行なうこと
ができ、個々の動的なモデルを定めることができるので
ある。
ここで、制御対象が比較的容易に物理的なモデルを構築
できるのものであれば周波数応答法やスペクトル解析法
といった手法によりシステム同定を行なって、動的な系
のモデル(ここではベクトルA、IB、C,E)を定め
ることができるが、ここで取り上げた空気調和を行なう
系のような多元系の制御対象では、ある程度近似のよい
物理モデルをつくることも困難であり、この場合には最
小2乗法や補助変数法あるいはオンライン同定法などに
より動的なモデルの構築を行なう。
動的なモデルが定まれば、状態変数量X(k)と内気温
度y(k)及びその目標温度y”(k)から吹出空気の
諸量U (X )の制御量のうちフィードバック制御に
よる制御量が理論的に最適に定められる。
通常、自動車用空気調和装置においては、内気温度の制
御に直接関与する諸量として、例えばプロアモータによ
る送風量が内気温度に影響する量、即ち送風量の内気温
度に寄与する量を温度換算したものとか、エアミックス
ダンパ開度が内気温度に影響する聞などを用い、これを
状態変数量X(k )として扱えばよいのであるが、こ
れらの諸量の大部分は直接観測することができない。そ
こで、こうした場合には、空気調和制御手段M4内に状
態観測器(オブザーバ)と呼ばれる手段を構成し、内気
温度と吹出空気の諸量及び必要に応じて外乱入力を用い
て、この空気調和を行なう系の状態変数量X(k)を推
定することができ゛る。これが所謂、現代制御理論にお
けるオブザーバであり、種々のオブザーバとその設計法
が知られている。これらは、例えば古田勝久他著「メカ
ニカルシステム制御」 (昭和59年)オーム社等に詳
解されており、適応する制御対象、ここでは自動車用空
気調和装置の態様に合わせて最小次元オブザ−バや有限
整定オブザーバとして設計すればよい。
オブザーバは空気調和を行なう系Q内部状態を表わす状
態変数量を推定する為のものであって、外乱入力di(
k)を加味して空気調和を行なう系の内部の状態変数量
X (k )を推定するよう構成しておけばよい。
空調制御手段M4は、観測された状態変数量ま″、たは
上記のオブザーバによって推定された状態変数量X(k
)の他に、設定された目標温度と実際の内気温度との偏
差を累積した累積値を用いて拡大された系において、両
者と、予め定められた最適フィードバックゲインとから
最適なフィードバック量を定める。
累積値は設定される目標温度が運転者の操作やオートエ
アコン等での要求により変化することから必要となる量
である。一般にサーボ系の制御においては目標値と実際
の制御値との定常偏差を消去するような制御が必要とな
り、これは伝達関数において1/S  (!Q次の積分
)を含む必要があるとされる。また、既述したようなシ
ステム同定により系の伝達関数を定め、これから状態方
程式をたてているような場合には、対ノイズ安定性の上
からもこうした積分量を含むことが望ましい。
また、空気調和を行なう系の動的な振舞いを、いくつか
の定常的な運転状態を考えて、この近傍での線形近似に
より定める場合には、運転状態に応じて付加積分型最適
レギュレータの内部変数を切換えるので、この為に生じ
る誤差による制御の乱れを吸収する意味からも、こうし
た積分量を求めて、空調制御手段M4を付加積分型の最
適レギュレータとして構成することが好ましい。本発明
においてはΩ=1、即ち一次型の積分を考慮すればよい
。従って、上述の状態変数量X(k)にこの累積値を加
えて系を拡大し、両者と予め定められた最適なフィード
バックゲインFとにより帰還量を定めれば、制御対象へ
の制御量、即ち吹出空気制御手段M2によって制御され
る吹出空気の運転条件の諸量のうちフィードバック制御
による制御量が定まる。
次に、最適フィードバックゲインについて説明する。上
記の如く積分量を付加した最適レギュレータでは、評価
関数Jを最小とするような制御入力(ここでは空気調和
を行なう系の吹出空気の諸量)の求め方が明らかにされ
ており、最適フィードバックゲインもリカツチ方程式の
解と状態方程式(1)、出力方程式(2)のA、[B、
C,Eマトリックス及び評価関数に用いられる重みパラ
メータ行列とから求められることがわかっている(前掲
自他)。ここで重みパラメータは当初任意に与えられる
ものであって、評価関数Jが空気調和を行なう系の吹出
空気諸量の挙動を制約する重みを変更するものである。
重みパラメータを任意を与えて大型コンピュータによる
シミュレーションを行ない、得られた吹出空気諸量の挙
動から重みパラメータを所定量変更してシミュレーショ
ンを繰返し、最適な値を決定しておくことができる。
その結果最適フィードバックゲイン「も定められる。
もとより、この最適フィードバックゲイン「も系の動的
なモデル(ベクトルA、IB、C,E)によって異なっ
た値をとることから、空気調和を行なう系の動的なモデ
ルが線形近似される定常運転状態のまわりの所定の範囲
毎に最適フィードバックゲイン「を定めておき、運転状
態に応じて最適フィードバックゲインを切換えるよう構
成しておく。
次にフィードフォワードによる制611量について説明
する。フィードフォワード制御を行なう制御系では、そ
の状態方程式(1)、出力方程式(2)に対して、制御
ff1u (x )が式(3)によって求められること
は既に述べた。そこで式(3)におけるフィードフォワ
ードゲイン旧を最適に定めれば制御Mu (x )が最
適に求められる。フィードフォワードゲインHの決定法
としては、□aVisOn。
空腔による手法などが知られており、既述した手法によ
り定められた最適フィードバックゲイン「を用いて、゛
ステップ応答に対して最適なフィードフォワード量を定
めるフィードフォワードゲインHが定められるのである
。実際の解法の一例については[実施例]の項で詳解す
る。
以上説明したように、本発明の自動車用空気調和装置の
空調制御手段M4は、予めシステム同定等により決定さ
れた空気調和を行なう系の動的モデルを用いて付加積分
型最適レギュレータとして構成されるが、その内部にお
けるオブザーバのパラメータや最適フィードバックゲイ
ン「、フィードフォワードゲインHなどは、全て、空調
条件の所定の範囲毎に、予めシミュレーションにより決
定されているのである。
尚、以上の説明において状態変数量X(k)は空気調和
を行なう系の内部状態を表わす量として説明したが、こ
れは実際の物理量に対応した変数量、例えばブロアモー
タの回転数や開度等であってもよいし、既述したような
内気温度に直接関与する量として換算された諸量よりな
るベクトル量として設計することもできる。
[作用] 上記構成を有する本発明の自動車用空気調和装置は、設
定された車室内の目標温度と内気温度検出手段M3によ
って検出された内気温度とに基づいて、フィードフォワ
ード制御性なう付加積分型最適レギュレータとして構成
された空調制御手段M4により、内気温度が目標温度と
なるよう最適制御量を求めて、吹出空気制御手段M2に
よって吹出空気の諸量をフィードバック制御するよう働
く。
ここで最適制御量は、予め定められた最適フィードバッ
クゲイン及びフィードフォワードゲインと状態変数量及
び空気調和を行なう系の環境条件諸量(外乱入力)とか
ら定められる。
従って、内気温度は、目標温度との偏差による単純なフ
ィードバック制御や予測制御によってコントロールされ
るのではなく、吹出空気の状態を最適に制御することに
よって、目標温度に近づ【プるような制御を行なうと共
に、空気調和を行なう環境条件、例えば日射邑や湿度等
の変化に対してフィードフォワード制御を実現し、最適
な制御を実現するよう働くのである。
[実施例] 次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。第2図は本発明実施例における自動車用空気調和装置
を表わす概略構成図、第3図は空気調和を行なう系の制
御モデルを示す制御系統図、第4図はシステム同定の説
明に用いるブロック線図、第5図は同じくそのシグナル
フロー線図、第6図はオブザーバの構成を示すブロック
線図、第7図は電子制御回路において実行される制御の
一例を示すフローチャート、であって、以下この順に説
明する。
第2図において、1はブロアモータ3.エバポレータ5
.ヒータコア7、エアミックスダンパ9等を中心にエア
ミックスタイプとして構成された空調ユニット、10は
内気温度丁Rを検出する内気温度センサ12.温度設定
器142日射量を検出する日射センサ16等を備えた乗
員室、20は空調ユニット1を制御する空調制御手段M
4としての電子制御回路、を各々示している。
空調ユニット1では、ブロアモータ3によって内外気切
換ダンパ21を介して吸入された空気は、エバポレータ
5を通過することによって、一旦冷却された後、その一
部はビータコア7を通って再び加熱され、ヒータコア7
を通過しない空気と混合されて乗員室10内へ吹き出さ
れる。ヒータコア7を通過する空気と通過しない空気と
の比はエアミックスダンパ9の開度によって制御される
エバポレータ3は、コンプレッサ22と冷媒を循環する
管路を備え、電子制御回路20によってコンプレッサ2
2の能力を制御することにより、その冷却能力のコント
ロールが行なわれる構成となっている。図示しない車載
のエンジンを動力源とするコンプレッサ22の能力の制
御は、コンプレッサ22に内蔵され、コンプレッサ22
の高圧室と低圧室とを連通する通路の開口面積を制御す
るアクチュエータ(図示°せず)によって行なわれる。
電子制御回路20はこのアクチュエータの駆動電圧を制
御して冷却能力を制御するのであるが、以下、内蔵アク
チュエータの駆動電圧を、単にコンプレッサ22の駆動
信@(駆動電圧)と呼ぶことにする。
ヒータコア7は図示しないエンジンの冷却水(温水)が
循環するように構成されており、エンジンの暖機が終了
した時点では一定の熱量がヒータコア7に供給されるこ
とになる。更に、エアミックスダンパ9はダンパアクチ
ュエータ24によってそのダンパ開度が制御される構成
となっている。
電子制御回路20は周知のCPLJ30.ROM32、
RAM34等を中心に、入力ポート36゜出力ポート3
8等をコモンバス40で相互に接続し、論理演算回路と
して構成されている。入力ポート36は、内気温度セン
サ12から内気温度TRを、温度舗設定器14から目標
温度TR”を、更に日射センサ16より日射IQを、多
量に対応した電気信号として入力する。出力ポート38
は、ブロアモータ3を駆動する駆動信号VB1コンプレ
ッサ22の駆動信号■C1ダンパアクチュエータ24の
駆動信号VD、等を各々出力する。
電子制御回路20は、ROM32に予め記憶されたプロ
グラムに従って温度設定器14や内気温度センサ12等
から入力された信号(TR”、TR,Q等)に基づき、
ブロアモータ3.コンプレッサ22.ダンパアクチュエ
ータ24等を駆動信号(VB、VC,VD等)によりフ
ィードバック制御するが、この時、フィードバック制御
に用いられる制御モデルについて、次に説明する。特に
システム同定による状態方程式(1)、出力方程式(2
)等におけるベクトルA、IB、C,Eの求め方やこれ
に基くオブザーバの設計、フィードバックゲイン[、フ
ィードフォワードHの求め方、等について実際に即して
説明する。尚、第3図は制御系を示す図であって、ハー
ド的な構成を示すものではない。第3図に示す制御系は
、実際には第7図のフローチャートに示した一連のプロ
グラムの実行により実現されており、離散系として実現
されている。
第3図に示すように、まず目標温度TRIは目標温度設
定部P1によって設定される。本実施例では温度設定器
14が目標温度設定部P1に相当する。積分器P2は目
標温度TRIと実際の内気温度TRとの偏差を累積して
、累積値ZTR(k )を求めるものである。
P3は、内気温度TRについて、定常的な空気調和が行
なわれている状態での内気温度TRaかからの摂動分を
抽出する摂動分抽山部を示している。これは、既述した
ように、非線形なモデルに対して線形の近似を行なう為
に、空気調和装置による空気調和の状態を、複数の定常
的な空調状態の近傍で線形な近似の成立する範囲の連続
とみなしてこの系に関する動的なモデルを構築したこと
によっている。従って、内気温度TRを、一旦、予め定
めた最も近い定常状態からの摂動分δTR(=TR−T
Ra)として扱うのである。又、同様に日射量検出手段
P4の検出した日射量Qに関しても摂動分として扱う為
に、特定の範囲を考えて、摂動分δQ (=Q−Qa 
)の抽出も行なわれる。線形近似は定常的な運転状態の
まわりに成り立つとみなしているので、後述する空調ユ
ニット1の運転条件、即ち吹出空気の諸量を定めるブロ
アモータ3の駆動電圧VB、コンプレッサ22の駆動電
圧VC,エアミックスダンパ9の開度を決定するダンパ
アクチュエータ24の駆動電圧VDも、同様に摂動分δ
VB、δVC1δVDとして扱われている。
オブザーバP5は、内気温度の摂動分δTRと上記運転
条件の摂動分δVB、δ■C1δVDとから空気調和装
置の内部状態を表現する状態変数量X(k)を推定して
状態推定量X(k)を求めるものである。図示するよう
に、オブザーバP5は空気調和を行なう系の環境条件、
ここでは日射量検出手段P4によって検出された日射量
Qも用いて、状態推定量X(k)=[δTB (k )
δTC(k )  δTD (k )  δTQ(k)
]”を求める。
日射量検出手段P4は空調条件検出手段M5に相当する
。本実施例では空気調和の環境条件を変更する諸量とし
て、日射IQのみをとりあげ、日射センサ16を用いる
が、必要に応じて各種センサ等により検出される吹出空
気の湿度や外気温等も検出するように構成することもで
きる。
オブザーバP5によって推定された状態推定量X(k)
と上述の累積値ZTR(k )とに、最適フィードバッ
クゲイン「を積算し、一方、日射量Qにフィードフォワ
ードゲインHを積算し、両者を加えたものを制御量(δ
VB、δvC1δVD)として出力するのが、制御量決
定部P6である。
従って、制御量決定部P6は、フィードバック量決定部
P6aとフィードフォワード量決定部P6bとから構成
されていると考えることができる。
こうして求められた制御量(δVB、δ■C2δVD)
を求めるのである。この制御量の組(δVB、δ■C2
δVD)は摂動分抽山部P3によって選ばれた定常的な
運転状態に対応した運転条件からの摂動弁なので、これ
に基準設定値加算部P7によりこの定常的な運転条件に
対応した基準設定値VBa、VCa、VDaを加えて、
空気調和装置に対する運転条件の諸量、VB、VC,V
Dを定めるのである。
以上、簡単にこの制御系の構成について説明したが、空
気調和装置の運転条件として、ブロアモータの駆動電圧
VB、コンプレッサの駆動電圧■C,ダンパアクチュエ
ータの駆動電圧VDを実施例として取上げたのは、これ
らの諸量がエアミックスタイプの空調ユニット1を有す
る自動車用空気調和装置では、内気温度TRの制御に関
する基本的な量であることによっている。従って本実施
例では、空気調和装置を3人力1出力の多元系として捕
えた。自動車用空気調和装置がリヒートタイプであれば
、ヒータコアに循環する温水の流量を可変するウォータ
バルブの制御を入力のひとつに代置するなど、必要に応
じて他の多元系の制御モデルをたてればよい。
以上、自動車用空気調和装置のハード的な構成とこの出
力の制御を行なうものとして3人力1出力の系を取り上
げた場合の制御系の構成について説明した。そこで、次
に実際のシステム同定による動的モデルの構築、オブザ
ーバP4の設計、最適フィードバックゲイン「、フィー
ドフォワードゲインHの与え方について説明する。
まず自動車用空気調和装置の動的なモデルを構築する。
第4図は3人力1出力の系として定常運転されている空
気調和装置の系を伝達関数G1(2)〜G4(Z)によ
り書き表わした図である。
尚、2は入出力信号のサンプル値の2変換を示し、Gl
(Z)〜G4(Z)は適当な次数をもつものとする。従
って、全体の伝達関数行列G (Z )は、G (z 
)= [G1(z)  G2(z)  G3(z)  
G4(z)]で表わされる。
本実施例の空気調和装置のように、その制御系が3人力
1出力の系であり、入出力の諸量に干渉が存在するよう
な場合には、物理的なモデルを定めることが極めて困難
となる。このような場合には、システム同定と呼ばれる
一種のシミュレーションにより伝達関数を求めることが
できる。
システム同定の手法は、例えば相良節夫他著、「システ
ム同定」 (昭和56年)社団法人計測自動制御学会等
に詳解されているが、ここでは最小2乗法により同定す
る。
空気調和装置を所定の状態で定常運転し、コンプレッサ
22とダンパアクチュエータ24と駆動電圧の変化分δ
VC1δVD及び日射量の摂動弁δQを共にOとして、
ブロアモータ3の駆動電圧の変化分δVBを適当な試験
信号により制御する。
この時の入力δVBと、出力としての内気温度の変化分
δTRのデータをN回に亘ってサンプリングする。これ
を入力のデータ系列(u(+>)−(δVBi )、出
力のデータ系列(y(i))=(δTRi ) (但し
、t =1.2.3.・・・N)と表わす。この時、系
は1人力1出力とみなすことができ、系の伝達関数Gl
(Z)は、 Gl  (Z )=B (Z”)/A (Z−1)・ 
(4a)即ち、 Gl(z) =(bO+b1−z−1+−+bnz  )/(1+a
1・Z−1+a2・z−2+・・・+an令z−n)・
・・(4b) で求められる。尚、ここで、z−1は単位推移演算子で
あッテ、z−1−x (k )=x (k−1)を意味
している。
入出力のデータ系列(u (i >)、  (y(・i
))から式(4)のパラメータai 〜an 、 bo
 −bnを定めれば系の伝達関数Gl(Z)が求められ
る。最小2乗法によるシステム同定では、このパラメー
タal 〜an 、bo−bnをJo=Σ[(V (k
 ) +al −y (k−1) +−・・k−^ 十an −y(k−n )) −(bO−u (k )
+bl ・u (k−1)+・・・ +bn −u (k−n ) ) 12・・・(5) が最小となるよう定める。本実施例ではn=1として、
各パラメータを求めた。この場合、系のシグナルフロー
線図は第5図のようになり、状態変数量として[Xl(
k)]−をとって、その状態・出力方程式は、 xl (k−1) −z −xl  (k )=−al
  −XI  (k )+bi  −Ll (k )・
−(6) V (k )=xl  (k )         ・
−(7)と表わせられる。従って、1人力1出力の系と
みなした場合のシステムパラメータA、B、Cを各々A
I ”、 [31=、 CI =とすれば、AI  −
=−al [B1 −=b1              ・・・
(8)CI”=1 となる。
同様の手法により、伝達関数G2  (z >、 G4
<2 >及び各々についてのシステムパラメータA2 
+、 A3 ′、 A4 =、 B2 ′、 !B3 
”。
[B4 ”、 C2”、 C3−、C4’″が求められ
る。
そこでこれらのシステムパラメータから元の3人力1出
力の多元系のシステムパラメータ、即ち状態方程式(1
)、出力方程式(2)のベクトルA。
B、Cを定めることができる。
こうして本実施例の動的なモデルがシステム同定により
求められたが、この、動的なモデルは、空気調和装置が
所定の状態で運転されている時、この状態の近傍では線
形の近似が成立つという形で定められる。従って、定常
的な複数の空気調和の状態に関して、上記の手法で伝達
関数Gl(z)ないしG4(z)が各々求められ、各々
の状態方程式(1)、出力方程式(2)、即ちベクトル
A。
B、Cが求められ、その入出力の関係は摂動分δの間に
成立することになる。
次にオブザーバP5の設計方法について説明する。オブ
ザーバの設計にはゴピナスの設計法などがあって、古田
勝久・佐野昭共著「基礎システム理論」 (昭和53年
)コロナ社等々に詳しいが、本実施例では最小次限オブ
ザーバとして設計する。
オブザーバP5は空気調和の行なわれた内気温度の摂動
分(δTR)、日射量Qの摂動分(δTR)及び運転条
件の諸量の摂動分(δVB、δVC1δVD)から空気
調和装置の内部の状態変数量X(k)を推定するもので
あるが、オブザーバP5によって求められた状態推定量
X(k)を、この系の制御において、実際の状態変数I
X(k)として扱うことができるという根拠は次の点に
ある。今、オブザーバP4の出力X(k)を状態方程式
(1)、出力方程式(2)に基いて次式(9)のように
構成したとする。
十B −u (k−1> +E−dl (k−1>十「
・%1(k−1>      ・・・(9)式(9)に
おいて[は任意に与えられる行列である。式(1)、(
2)、(9)より変形すると、[X (k ”) −X
 (k ) ]= (A−L・C)  [X (k−1
) −X (k−1> ]・・・(10) を得る。従って(A−L・C〉なる行列の固有値が単位
円内にある様に行列[を選択すればに一+■でX(k)
→X(k)となり、制御対象の内部の状態変数ff1X
(k)を入力制御ベクトルu(k)(即ちプロアモータ
3等の駆動電圧[VB (k )VC(k) VD(k
)])と出力ベクトルV(k)(即ちここではスカラ量
y(k)としての内気温度TR(k ) )との過去か
らの系列U(*)、 V (*)及び外乱入力dl(k
)、ここでは日射IQ (k )を用いて正しく推定す
ることができる。
第6図は最小次元オブザーバの構成を示すブロック線図
である。オブザーバをこのように構成し、オブザーバ内
部の状態変数四をW(k)と措定すれば、 W(k) = P−W(k−1) +M −y (k−
1)+J−u(k−1) 十fN−Q(k−1) ・・
・(11)X (k−1) = C−W(k−1) 十
I) −V (k−1)・・・(12)として状態推定
量X (k−1)が求められることが諒解されよう。ベ
クトルJは、特定の条件のもとでは任意に選択でき、X
(k)→X(k)に収束させる速さを変更できる。ここ
では、ベクトルJ。
N、Mを統合するベクトルをあらためてベクトルMとし
て、式(11)を、 W (k ) =P−W (k−1> 十M・ [y(k−1)   υ(k−? )Q(k−
1)]”      ・・・(13)としておく。
既に述べたように、こうした最小次元オブザーバの具体
的な設計法はゴピナスの設計法などが知られており、本
実施例ではこれを用いて、空気調和装置のある定常的な
運転状態について、・・・(14) ・・・(15) を得た。
以上の如く構成されたオブザードではオブザーバによっ
て求められる状態推定量X(k)、即ち空気調和装置の
内部状態を表わす変数として、δTB(k)、δTC(
k ) 、δTD(k)、δTQ (k )考えている
。δT8 (k )は、プロアモータ3の吹出風量を制
御する駆動電圧VBによって影響を受ける車室内実温度
の摂動分を、δTC(k )は、同様にコンプレッサ2
2の駆動電圧VCによって影響をうける車室内実温度の
摂動分を、δTD (k )は、同じくダンパアクチュ
エータ24によって影響をうける車室内実温度の摂動分
を、δTQ (k )は、日射量Qの変化によって影響
をうける車掌内実温度の摂動分を、各々意味している。
即ち、状態推定量X(k)は、 X(k) =[δT B (k)  δT C(k)  δT D
 (k)δTQ(k)]T        ・・・(1
8)として表わされる。
次に最適フィードバックゲイン「の求め方について説明
するが、最適フィードバックゲイン「を求める手法は、
例えば「線形システム制御理論」(前掲書)等に詳しい
ので、ここでは詳解は略して結果のみを示しておく。
空調ユニット1の制御人力Ll (k ”)= [VB
(k)  VC(k)  VD(k)]”とその出力y
 (k )=TR(k )とについて、ある定常点のま
わりで、 δu (k ) −u (k ) −u (k−1>δ
’1/ (k )=V (k )−V (k−1>とし
、次の評価関数Jを最小にする最適制御入力、即ち運転
条件u本 (k)を求めることが空気調和装置の制御系
に関する付加積分型最適レギュレータとしての制御問題
を解くことになる。
J=Σ[6M”(k)・Q・δy(k)”  +6u”
 (k ) 、tR06u (k )]・・・(19) 尚、ここでG、IRは重みパラメータ行列を、kは制御
開始時点をOとするサンプル回数を、各々示しており、
式(19)右辺はQ、IRを対角行列と。
する所謂2次形式表現である。
この時、最適なフィードバックゲイン「はF=−(IR
十白丁 ・P−氾)°1 ・蔀T、lp−λ・・・(2
0) として求められる。尚、式(20)におけるA。
Bは各々、 であり、Pはリカツチ方程式 %式%(23) の解である。尚、ここで式(19)の評価関数Jの意味
は空気調和装置に対する制御入力としての運転条件の諸
量u(k)=[VB(k)  VC(k)  VD(k
)]Tの動きを制約しつつ、制御出力y(k)、ここで
は内気温度TR(k )の目樵値TR(k)”からの偏
差を最小にしようと意図したものである。運転条件の諸
量u (k )に対する制約の重み付けは、重みパラメ
ータ行列Q。
Rの値によって変更することができる。従って、すでに
求めておいた空気調和装置の動的なモデル、即ち行列A
、B、C(ここではA、IB、C)を用い、任意の重み
パラメータ行列Q、l1選択して式(23)を解いてP
を求め、式(20)により最適フィードバックゲイン「
を求めれば、状態変数1iX(k)は状態推定量X(k
)として式(12)、(13)より求められるので、空
気調和装置にとっての制御人力u (k )のうちフィ
ードバック量に相当する部分「・[X (k )  Z
TR(k)ITを求めることができる。重みパラメータ
行列Q、Rを変えて最適な制御特性が得られるまで以上
のシミュレーションを繰返すことによって、最適フィー
ドバックゲイン「が求められる。
例えば「は、 のように求められる。
オブザーバ内のパラメータとしてのベクトルP。
M、C,Dと同様に、最適フィードバックゲイン「も、
日射IQに応じて何種類か求めておく。
次にフィードフォワードゲインHの求め方について説明
する。最適レギュレータ制御を行なった場合の評価関数
Jの最小値は min J=X (o )” −P−X (o )  
 ・・・(26)で与えられる。ところで今、空気調和
を行なう系にステップ状の外乱、日射量の急変が加わっ
た場合を考えてみる。この時、状態変数量X(k)の最
終値はX (00)と表わされる。そこで平衡点を移動
すると、ステップ応答の問題は、−X (00)初期値
とする問題と等価となる。この時評価関数Jの最小値m
in Jは、 min J=X (oo> ” −P−X (oo> 
・・・(27>となる。X (00)の値はフィードフ
ォワードゲインHに依存することが知られているので、
式(27)式を最小とするようにフィードフォワードゲ
インHを求めればよい。状態方程式(1)、(2)%式
%) (oo)として式を変形する。(27)及び式(3)よ
り、 A−x (oo> +I3− (F−x (oo)+旧
−d+)+Edl=0 を得る。これを変形すると、 X (00)= (A+B・「)−1・(B・旧+E)・dl・・・(2
8)となる。
既に式(20)により最適フィードバックゲインEを求
めたが、この時、Fは最適レギュレータ理論を用いて定
めているので、式(28)における(A+fB・「)は
正則である。またベクトルPは正定行列となる。ベクト
ルBの各列は各々独立である゛から、任意のステップ状
の外乱に対し、式(27)を最小とするフィードフォワ
ードゲインHは次のようにして求められる。まず式(2
8)を上記(27)に代入して、 min  J =(ξ十「・旧)”−P・(ξ十「・H)・d12・・
・(29) を得る。但し、ここで、 ξΔ −(A+B・「)°1・E 「へ −(A+B−F)’・B と各々定義されている。ここでは外乱d[は日射量Qの
みなのでスカラ量であるから、式(29)をHについて
偏微分したもの、 うm1nJ/DH =2 (rT−P・ξ+rT−P・「・H)Q2の値は
零となる。
従って、フィードフォワードゲインHは、1H=−(r
”−P・「)°1・rT−P・ξ・・・(30) として定められる。既に、フィードバックゲイン「やベ
クトルA、B、C,E等は定められているので、式(3
0)より容易にフィードフォワードゲインll−1= 
[HI  H2H3]Tが求められる。
以上、最小2乗法によるシステム同定により空気調和装
置の制御系の動的モデルの構築、最小次元のオブザーバ
の設計、最適フィードバックゲイン「、フィードフォワ
ード旧の算出について説明したが、これら、オブザーバ
内の各パラメータP。
M、C,[)や最適フィードバックゲイン「、フィード
フォワード1等は予め求めておき、電子制御回路20の
内部ではその結果のみを用いて実際の制御を行なうので
おる。
そこで、次に、第7図のフローチャートに拠って電子制
御回路20が実際に行なう制御について説明する。尚、
以下の説明では現実の処理において扱われている」を添
字(k )付で、前回に扱われた量を添字(k−1)付
で表わすことにする。
CPU30は空気調和装置が起動された後、CPU30
の内部レジスタのクリアや制御初期値の設定などの初期
化の処理を行なった後、予めROM32内に格納された
手順に従い、後述するステップ100ないしステップ2
30の処理を繰返し実行する。この車室内温度制御ルー
チンでは予めROM32内に格納された上述のベクトル
P、M。
C,[)、F、If−1の値が用いられる。
まずステップ100では、日射センサ16の出力信号を
入力ポート36を介して入力し、日射量Qを読み込む処
理を行なう。
続くステップ110では、内気温度センサ12の出力信
号を入力ポート36を介して入力し、車室内の温度、即
ち内気温度TR(k )の読み込みを行なう。ステップ
120では、同様に温度設定器14の出力信号を入力し
て、目標温度TR”(k )を読み込む処理を行なう。
続くステップ130では、ステップ110で読み込んだ
内気温度TR(k )とステップ120で読み込んだ目
標温度TR* (k )との偏差をe(k ) =TR
* (k ) −TR(k )として求め、次のステッ
プ140では、この偏差e (k )の過去からの累積
値ZTR(k )を求める処理が行なわれる。即ち、第
7図の処理の繰返し時間を王として、 ZTR(k )=Z (k−1>+T−e (k )・
・・(30) により累積値ZTR(k )を求めるのである。以上の
ステップ130,140が第3図の積分器P2に相当す
る。
続くステップ150では、ステップ110で読み込んだ
内気温度TR(k )から、空気調和装置の動的なモデ
ルを構築した際、線形近似が成立つ範囲として取上げた
定常的な空気調和装置の運転状態のうちで最も近い状態
(以下、これを定常点TRa、VBa、VCa、VDa
と呼ぶ)を求める処理を行なう。ステップ160では、
ステップ110で読み込んだ内気温度TR(k )につ
いて、ステップ150で定めた定常点からの摂動弁δT
R(k )を求める処理を行なう。尚、この摂動弁に関
しては、δTR(k−1>を初めとして、前回本制御ル
ーチンが実行された際の値が保存させているものとする
。このステップ150,160の処理が第3図の摂動分
抽山部P3に相当する。
尚、日射ち量Qに関しては日射量零からの摂動弁として
全て扱うので、本実施例ではδQ=Qとなる。
続くステップ170では、ステップ150で選択した定
常点に基づいて、現在の空気調和装置の運転状態に対応
したオブザーバ内のパラメータP。
M、C,[Dや最適フィードバックゲイン「、フィード
フォワードH等を選択する処理を行なう。
続くステップ180.ステップ190は状態推定量X(
k)を算出する処理であって、式(12)%式%() 即ち、オブザーバ内の変数W(k)= [Wl  (k)  W2  (k)  W3  (k
)]”を用いて、ステップ180では、Wl(k)、W
2(k )  、W3  (k )を、 Wl(k)= Pll・Wl  (k−1>+P12・W2  (k−
1>十P13・W3  (k−1)十M11・δVB 
(k−1)十M12・δVC(k−1> +M13・δ
VD (k−1>十M14・δQ (k−1> +M1
5・δTR(k−1)W2(k)= P21・Wl  (k−1>+P22・W2  (k−
1)十P23・W3 (k−1>+M21・δVB (
k−1>十M22−δVC(k−1> 十M23−δV
D (k−1>十M24・δQ (k−1> +M25
・δTR(k−1>W3(k)= P31・Wl  (k−1>十P32・W2  (k−
1’)十P33φW3 (k−1) +M31φδVB
 (k−1)十1v132−δVC(k−1) +M3
3−δVD (k−1)十M34・δQ (k−1) 
十M35・δTR(k−1>として求め、続くステップ
190ではステップ180の結果を];弓)で、状態推
定量を、δTB (k ) =W1  (k )+D1  ・δTR(k )δTC
(k ) =W2  (k )+D2・δTR(k )δTD (
k ) =W3  (k ) +D3  ・δTR(k )δT
Q (k ) =δTR(k )−δTB (k ) −δTC(k )−δTD (k ) として求める処理が行なわれる。ここでステップ180
で用いられたδVB (k−1) 、δVC(k−1)
、δVD (k−1> 、δTR(k−1> 、δQ(
k−1>等は、上述したように、前回、本制御ルーチン
が実行された時の値である。また、状態推定量X(k)
のひとつであるδTQ(k)、即ち日射量の変化が内気
温度の摂動分δTR(k )に影響を与える温度の摂動
分δTQ (k )を、δTR(k )−δTB (k
 )−δTC(k )−δTD(k )として求めてい
るのは、内気温度の摂動分δTR(k )が測定されて
いる(ステップ110゜ステップ160)ことから、処
理速度の向上を考慮して計算の容易化を図ったものであ
る。
続くステップ200では、ステップ180.ステップ1
90の処理によって求めた状態推定量X(k)=[δT
B (k )  δTC(k )  δTD (k )
  りTQ(k)]”と、ステップ140で求めておい
た累積値ZTR(k )とから、最適フィードバックゲ
イン「及びフィードフォワードHを用いて、ブロアモー
タ3の駆動電圧の摂動分δVB(k)、コンプレッサ2
2の駆動電圧の摂動分δVC(k)、ダンパアクチュエ
ータ24の駆動電圧の摂動分δVD (k )を求める
処理が行なわれる。第7図ステップ200に示した数式
をベクトル表現とすれば、 [δVB(k)  δVC(k)  δVD(k )]
 ” =F・[δTB (k )  δTC(k ) 
 δTD (k )δTR(k)]”十日量δTQ (
k )でおる。これが、第3図の制御量決定部P6に相
当する処理でおる。
続くステップ210では、ステップ200で求めた各駆
動電圧の摂動弁δVB(k)、δvC(k)、δVD 
(k )ニ定常点テノ値VBa、VCa、VDaを加え
て、実際の駆動電圧VB (k )、VC(k)、VD
(k)を求める処理が行なわれる。これが第3図の基準
値加算部P7に相当する処理でおる。
続くステップ220ではステップ210で求めた各駆動
電圧VB (k )、 VC(k )、 VD (k 
)を、出力ポート38を介して、ブロアモータ3゜コン
プレッサ22.ダンパアクチュエータ24の各々に出力
する制御を行なう。ステップ230ではサンプリング・
演算・制御の回数を示している添字にの値を1だけイン
クリメント(更新)し、ステップ100へ戻って、上述
のステップ100ないし230の処理を再び繰返す。
以上のように構成された本制御ルーチンに依って行なっ
た制御例について、第8図に従来の単純なフィードバッ
ク制御例と比較して示した。制御例として、空気調和を
行なって内気温度が15℃にて熱平衡にある状態から、
車室内温度の目標温度が20’C1即ち+5℃だけ変更
されて、設定された場合を取上げた。この目標温度の変
更を第8図では一点鎖線Pで示したが、これに対する内
気温度の変化を内気温度センサ12の出力信号に基いて
プロットしたのが実線G、破線Fである。実線Gは本実
施例による内気温度の制御例を、破線Fは従来の制御に
よる制御例を、各々示している。
第8図から明白なように、本実施例によれば、従来の制
御例より速い応答性(立ち上がり)を実現した上で、オ
ーバーシュート、アンダーシュートもほとんどなく、内
気温度を目標温度にすることができている。空気調和を
行なっている系が安定する時間で比較すれば、本実施例
では、立ち上がりが速いにもかかわらず1桁以上の改善
を実現していることがわかる。これにより、車室内の温
度を応答性良く目標温度に制御できるばかりか、プロア
モータ3.コンプレッサ22.ダンパアクチュエータ2
4を最適に制御するので、無駄なエネルギを消費するこ
とがなく、省燃費゛でしかもコンプレッサ22をオン−
オフ制御しないことから内燃機関の出力トルクの変動も
低減することができる。
これは、本実施例の制御では、熱平衡を予測した単純な
フィードバック制御に替えて、電子制御回路20による
制御装置をフィードフォワード制御をも行なう付加積分
型最適レギュレータとして構成し、即ち制御対象である
空気調和を行なう系のモデルをシステム同定によって実
験的に解析して、制御対象の状態、即ち未来への影響を
予測するために必要十分な系の過去の履歴に関する情報
を推定し、これを用いて制御を行なうよう構成したこと
によっている。
次に日射量Qが変化した場合の制御特性について説明す
る。第9図は日射量Qが時間t1にて1QQQkCal
 /hから0kcal/hに激減した場合の室内温度の
変化を示すグラフである。現実には、例えば日射の強い
日中の走行において、トンネルに入った時などがこれに
相当する。図において、実線qは本実施例での制御特性
を、破線fは従来の制御による制御特性を、各々示して
いる。
本実施例では、日射量Qの減少によって、直ちにフィー
ドフォワード制御量が変化するので、吹出空気の諸量の
制御が素速く行なわれ、乗員室10の内気温度TRはほ
とんど変化していないことがわかる。従来の制御では、
日射量Qの急変によって一旦崩れた平衡状態が回復する
までに、オーバーシュート、アンダーシュートを何回か
生じることがわかる。
又、本実施例の自動車用空気調和装置は内気温度を制御
する電子制御回路20におけるフィードバックゲインの
設計が極めて論理的になされ、これを最適に定めている
。従って、従来の制御装置のように設計者の経験等に基
づいて設計し、必要に応じて実際に調整を行ない、適切
と思われるフィードバックゲインを設定してゆくといっ
た手間を必要とせず、設計・開発工数やコストを低減す
ることができる。更に、従来の経験や実験に依拠した調
整では到底実現しえなかった安定なフィードフォワード
制御を実現することもできている。
以上本発明の一実施例について説明したが、本発明はこ
の実施例に何等限定されるものではなく、リヒートタイ
プの空気調和装置に適用したり、状態変数X(k)とし
て他の変数を用いるなど、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において、種々の態様で実施しえることは勿論である
及」五四里 以上詳述したように、本発明の自動車用空気調和装置に
よれば、車室内の温度(内気温度)を極めて高い応答性
・追従性のもとに制御することができるという優れた効
果を奏する。内気温度の制御において過制御(オーバー
シュートやアンダーシュート)をほとんど生じることも
なく、車室内に吹き出す空気のすくなくとも&を量と温
度とを含む諸量を最適に制御することができる。従って
、自動車用空気調和装置の動力源に対する負担を最小に
することができ、内燃機関を動力源とする場合には空気
調和装置を作動させた時の燃費を向上させるといった効
果が得られる。
しかも、本発明の自動車用空気調和装置は、少なくとも
日射量を含む空気調和を行なう系の環境条件を検出し、
これによってフィードフォワード制御を行なって、系を
最適に制御する付加積分型最適レギュレータとして働く
ので、日射量等の環境条件が変化しても安定に車室内の
温度の制御を行なうことができるという優れた効果を奏
する。
従って、空気調和を行なう環境条件の広い範囲において
、好適な制御特性を実現することができる。
また、空気調和装置の設計・開発工数を低減することが
できるという副次的な効果も得られている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成図、第2図は本発明一実施
例としての自動車用空気調和装置の概略構成図、第3図
は実施例における空気調和を行なう系の制御系統図、第
4図は実施例の系のモデルを同定するのに用いたブロッ
ク線図、第5図は伝達関数を求める為のシグナルフロー
線図、第6図は最小次元オブザーバの構成を示すブロッ
ク線図、第7図は実施例における付加積分型最適レギュ
レータとしての制御を示すフローチャート、第8図。 第9図は各々実施例の制御特性と従来の制御の一例とを
比較するグラフ、である。 1・・・空調ユニット  3・・・ブロアモータ5・・
・エバポレータ  7・・・ヒータコア10・・・乗員
室    12・・・内気温度センサ14・・・温度設
定器  20・・・電子制御回路22・・・コンプレッ
サ 24・・・ダンパアクチュエータ 30・・・CPU 32・・・ROM

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 車室内への吹出空気のすくなくとも温度と風量とを
    含む諸量を制御する吹出空気制御手段と、前記車室内の
    温度を検出する内気温度検出手段と、 該検出された内気温度が設定された目標温度となるよう
    前記吹出空気制御手段をフィードバック制御する空調制
    御手段と、 を備え、車室内の空気調和を行なう自動車用空気調和装
    置において、 該空気調和を行なう系の動的な振舞を変化させる空気調
    和の環境条件として、少なくとも日射量を含む諸量を検
    出する空調条件検出手段を備えると共に、 前記空調制御手段が、 空気調和を行なう系の内部状態を表わす量を、検出また
    は推定することによって定める状態変数数量検出手段を
    備え、 しかも、空気調和を行なう系の動的なモデルに従って予
    め定められた最適フィードバックゲイン及びフィードフ
    ォワードゲインを用い、前記検出または推定して定めら
    れた内部状態変数量と前記検出された空気調和を行なう
    系の環境条件諸量とから前記吹出空気制御手段の制御量
    を定めて、前記フィードバック制御を行なう付加積分型
    最適レギュレータとして構成されたことを特徴とする自
    動車用空気調和装置。 2 前記制御手段に備えられた状態変数量検出手段が、 前記自動車用空気調和装置の空気調和に関する系の動的
    なモデルに基づいて予め設定されたパラメータを用いて
    、前記吹出空気の諸量、前記車室内の温度及び前記環境
    条件諸量から、前記系の動的な内部状態を表わす適当な
    次数の状態変数量を推定するよう構成され、 前記制御手段が、 前記設定された目標温度と前記検出された車室内の温度
    との偏差を累積する累積部と、 前記系の動的なモデルに基づいて予め設定された最適フ
    ィードバックゲインと前記推定された状態変数量と前記
    累積値とからフィードバック量を決定するフィードバッ
    ク量決定部と、 前記検出された空気調和を行なう系の環境条件諸量と前
    記予め定められたフィードフォワードゲインとからフィ
    ードフォワード量を決定するフィードフォワード量決定
    部と、 前記決定されたフィードバック量とフィードフォワード
    量とから、前記吹出空気制御手段によって制御される諸
    量の各制御量を定める制御量決定部と から付加積分型最適レギュレータとして構成された特許
    請求の範囲第1項記載の自動車用空気調和装置。 3 吹出空気制御手段によって制御される吹出空気の諸
    量が、少なくとも、吹出空気の送風を行なうブロアモー
    タの送風量と、該ブロアモータによって、送風される空
    気を一旦冷却する冷却能力と、該送風される空気を再度
    加熱して吹出空気の温度を所定の温度とするアクチュエ
    ータの制御量と、を含んでなる特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載の自動車用空気調和装置。 4 空調条件検出手段が、日射量の他に、空気調和の環
    境条件として、外気温、湿度、車速、内燃機関の回転数
    もしくは熱交換器の効率のうち、いずれかひとつまたは
    複数を検出する特許請求の範囲第1項ないし第3項のい
    ずれかの項に記載の自動車用空気調和装置。
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