JPH0643654A - 熱現像性感光体 - Google Patents

熱現像性感光体

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JPH0643654A
JPH0643654A JP10305193A JP10305193A JPH0643654A JP H0643654 A JPH0643654 A JP H0643654A JP 10305193 A JP10305193 A JP 10305193A JP 10305193 A JP10305193 A JP 10305193A JP H0643654 A JPH0643654 A JP H0643654A
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JP
Japan
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polymer layer
layer
water
soluble polymer
heat
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Pending
Application number
JP10305193A
Other languages
English (en)
Inventor
Motokazu Kobayashi
本和 小林
Miki Tamura
美樹 田村
Tetsuro Fukui
哲朗 福井
Kenji Kagami
憲二 加々美
Masao Suzuki
雅雄 鈴木
Katsuya Nishino
勝也 西野
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Canon Inc
Oriental Photo Industrial Co Ltd
Original Assignee
Canon Inc
Oriental Photo Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0643654A publication Critical patent/JPH0643654A/ja
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Abstract

(57)【要約】 支持体4上に、有機銀塩、ハロゲン化銀及び還元剤を
少なくとも含有する感光層3と、水溶性高分子材料を含
有する水溶性高分子層1と、疎水性高分子材料を含有す
る疎水性高分子層2とを有する。 【効果】 長期間保存しても感度の低下がなく、しかも
擦過傷、ブリーディング及び画像の歪みが生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機銀塩を用いた熱現像
性感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を用いた銀塩写真法は感度
や階調性などに優れ、従来から幅広く使われている記録
技術である。しかし、像露光後、現像、停止、定着など
の処理を湿式で行うため、作業性、簡便性、安全性に劣
り、問題とされてきた。これに対してこれらの湿式処理
をなくした乾式材料の研究がなされ、特公昭43−49
21号、および特公昭43−4924号公報などで開示
されている。これらは感光性ハロゲン化銀を触媒量用い
ると共に、画像形成材として非感光性の有機銀塩を用い
るものである。有機銀塩が画像形成材として働くのは以
下の機構によるとされている。即ち(1)像露光により
触媒量の感光性ハロゲン化銀から銀核が生成し、これが
潜像を形成する。(2)銀核が触媒となり、加熱される
ことにより、有機銀塩と還元剤が酸化還元反応を起こし
て有機銀塩が銀へと還元され、これが像となるものであ
る。
【0003】このような熱現像性感光体の利用方法の1
例として、特開昭55−50246号公報に開示されて
いるマスクとしての使用方法がある。この方法は銀像を
マスクとして用いるものである。銀像のマスクを利用す
る場合よりも更にコントラストの良い重合画像が得られ
る感光体として、特開平3−135564号公報には、
還元剤が酸化されてできた光吸収性有機化合物の光吸収
性を利用してコントラストの良い画像を形成する感光体
が開示されている。
【0004】一方、上記乾式材料に用いる保護層は、例
えば特公昭59−13728号公報に開示されている。
この公報には、耐衝撃強度を改良したアクリル系樹脂組
成物等が記載されている。また特公平2−4889号公
報にも、上塗りポリマー層としてポリビニルブチラー
ル、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ
ウレタンゴム等の材料が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱現像性感光体では、保護層を通して空気中の水分が感
光層に入り、感度が低下するという問題があり、長期間
未使用のまま保存することができなかった。また、従来
の熱現像性感光体では、熱現像時の熱で保護層が軟化し
て保護層表面に擦過傷が生じたり、保護層表面に感光層
の成分が粉状に析出する、いわゆるブリーディングが生
じて、熱現像器の発熱体を構成する不織布が保護層表面
に付着したりした。更に、熱現像時の熱で保護層が軟化
したときに、感光体に外力が働くと保護層の強度不足の
ために、画像が歪むという問題があった。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で長期間保存しても感度の低下がなく、しかも擦過傷、
ブリーディング及び画像の歪みの生じない熱現像性感光
体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の熱現像性感光体
は、支持体上に、有機銀塩、ハロゲン化銀及び還元剤を
少なくとも含有する感光層と、水溶性高分子材料を含有
する水溶性高分子層と、疎水性高分子材料を含有する疎
水性高分子層とを有するものである。
【0008】尚、以下の説明中、「%」及び「部」は、
それぞれ「重量%」及び「重量部」を示す。
【0009】さて、本発明の熱現像性感光体は、図1に
示すように、支持体4上に感光層3を有する。感光層3
上には水溶性高分子層1及び疎水性高分子層2を有す
る。
【0010】水溶性高分子層1中には、水溶性高分子材
料を含有する。本発明において水溶性高分子材料とは、
水100gに対して1g以上溶ける高分子材料をいう。
好ましくは、水100gに対して5g以上溶ける水溶性
高分子材料を使用するのがよい。水溶性高分子材料を水
に溶かす際には加熱してもよい。
【0011】本発明で使用する水溶性高分子材料として
は、例えばポリビニルアルコール、変性ポリビニルアル
コール、ポリエチレンオキシド、カゼイン、澱粉類、酢
酸ビニルアルコール、セルロース類、ゼラチン類、アラ
ビアゴム、ポリビニルピロリドン、アクリル酸(または
メタアクリル酸)エステル共重合体のアルカリ塩、スチ
レン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、アクリル
アマイド共重合体などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではなく、上記した性能を有する水溶性高分子
材料を広く用いることができる。これらは単独でも、2
種以上組み合わせて用いてもよい。
【0012】水溶性高分子材料の含有量は、水溶性高分
子層1に対して20〜100%、更には30〜100%
が好ましい。水溶性高分子層1には水溶性高分子材料の
他に、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼
成クレー、酸化チタン、ケイソウ土、シリカ、ケイ酸ア
ルミニウム、ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウムな
どの顔料を塗膜の強度や接着性を向上させるために添加
してもよい。
【0013】水溶性高分子層1の厚みは、0.1μm〜
20μm、更には0.3μm〜10μmが好ましい。
【0014】疎水性高分子層2中には、疎水性高分子材
料を含有する。本発明において、疎水性高分子材料と
は、水100gに対する溶解度が1g未満のものをい
う。更に、疎水性高分子材料は、透湿度(JIS−ZO
208)が24時間で、50g/m2 以下のものが好ま
しい。
【0015】本願発明で使用する疎水性高分子材料とし
ては、例えばポリフッ化エチレン、ポリフッ化塩化エチ
レン、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸
メチル、ポリアクリロニトリル、塩酸ゴム、塩化ビニリ
デン−塩化ビニル共重合物、塩化ビニリデン−アクリロ
ニトリル共重合物、塩化ビニリデン−イソブチレン共重
合物、塩化ビニル−フマル酸ジエチル共重合物、ノルボ
ルネン系樹脂等の樹脂を代表的に挙げることができる。
これらは単独でも、又2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0016】疎水性高分子材料の含有量は、疎水性高分
子層2に対して20〜100%、更には30〜100%
が好ましい。疎水性高分子層2には疎水性高分子材料の
他に、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼
成クレー、酸化チタン、ケイソウ土、シリカ、ケイ酸ア
ルミニウム、ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウムな
どの顔料を塗膜の強度、接着性を向上させるために添加
してもかまわない。
【0017】疎水性高分子層2の厚さは、通常0.1μ
m〜20μm、更には0.3μm〜10μmが好まし
い。
【0018】疎水性高分子層2により、熱現像性感光体
の保存中も空気中の水分が感光層3に入ることがない。
また、水溶性高分子層1を設けることによりブリーディ
ングを防止することができる。更に水溶性高分子層1及
び疎水性高分子層2を積層することにより擦過傷及び画
像の歪みを防止することができる。
【0019】疎水性高分子層2中あるいは水溶性高分子
層1中には、紫外線吸収剤を含有するとよい。このよう
にすると、時間経過と共に感光層3の未露光部が徐々に
黒化するのを防止できる。また、紫外線吸収剤は、バイ
ンダーと混合して紫外線吸収層として、本発明の熱現像
性感光体の表面、裏面あるいは層間に設けてもよい。
【0020】紫外線吸収剤としては、例えば
【0021】
【化1】 等が好ましく用いられる。
【0022】紫外線吸収層に使用するバインダーとして
は、例えば、ニトロセルロース、リン酸セルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラー
ル、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリメチルメタ
クリレート等、通常用いられるバインダーを使用するこ
とができる。
【0023】紫外線吸収剤の含有量は、水溶性高分子、
疎水性高分子あるいはバインダー100gに対して、
0.05〜1.0g、更には0.1〜0.5gが好まし
い。
【0024】感光層3には、少なくとも有機銀塩、ハロ
ゲン化銀及び還元剤を含有する。
【0025】感光層3に使用する感光性ハロゲン化銀と
しては、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭
化銀などをあげることができる。
【0026】形状としては、立方状、八面体状、平板状
ハロゲン化銀などを挙げることができ、特に立方状、平
板状ハロゲン化銀が好ましい。立方状ハロゲン化銀の一
辺の長さは0.01〜2μmが好ましく、更に好ましく
は0.02〜1μmである。
【0027】平板状ハロゲン化銀の平均アスペクト比
は、好ましくは100:1〜3:1、より好ましくは5
0:1〜5:1であり、粒子直径は好ましくは0.01
〜2μm、より好ましくは0.02〜1μmである。こ
れらは、通常の写真乳剤に対して行われるような化学増
感が施されていてもよい。つまり、硫黄増感、貴金属増
感、還元増感などを用いることができる。また、光学増
感を施してもよい。
【0028】光学増感としては、増感色素を用いた方法
などを適用できる。増感色素としてはシアニン系色素、
メロシアニン系色素、キサンテン色素などが好ましく用
いられる。
【0029】また、粒子内のハロゲン組成が均一あるい
は異なった多重構造を採っていても良い。感光性ハロゲ
ン化銀はハロゲン組成、粒子サイズ、粒子サイズ分布な
どが異なった二種以上のハロゲン化銀を併用しても良
い。
【0030】有機銀塩としては、「写真工学の基礎」
(第1版、コロナ社、日本写真学会編、1982年発
行)非銀塩編、p247や、特開昭59−55429号
等に記載された有機酸銀やトリアゾール系銀塩などを用
いることができ、感光性の低い銀塩を用いるのが好まし
い。例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、メ
ルカプト基もしくはα−水素を有するチオカルボニル基
化合物、およびイミノ基含有化合物などの銀塩である。
【0031】脂肪族カルボン酸としては、酢酸、酪酸、
コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、オレイン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、酒石酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、ベヘン酸、樟脳酸などがあるが、一般的に炭素数
が少ないほど銀塩としては不安定であるので適度な炭素
数(例えば、炭素数16〜26の範囲のもの)を有する
ものが好ましい。
【0032】芳香族カルボン酸としては、安息香酸誘導
体、キノリン酸誘導体、ナフタレンカルボン酸誘導体、
サリチル酸誘導体、没食子酸、タンニン酸、フタル酸、
フェニル酢酸誘導体、ピロメリット酸等がある。
【0033】メルカプト基又はα−水素を有するチオカ
ルボニル基化合物としては、3−メルカプト−4−フェ
ニル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプトベン
ゾイミダゾール、2−メルカプト−5−アミノチアジア
ゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、S−アルキ
ルチオグリコール酸(アルキル基炭素数12〜23)、
ジチオ酢酸などジチオカルボン酸類、チオステアロアミ
ドなどチオアミド類、5−カルボキシ−1−メチル−2
−フェニル−4−チオピリジン、メルカプトトリアジ
ン、2−メルカプトベンゾオキサゾール、メルカプトオ
キサジアゾール又は3−アミノ−5−ベンジルチオ−
1,2,4−トリアゾールなど、米国特許第4,12
3,274号記載のメルカプト化合物が挙げられる。
【0034】イミノ基を含有する化合物としては、特公
昭44−30270号又は同45−18416号記載の
ベンゾトリアゾール若しくはその誘導体、例えばベンゾ
トリアゾール、メチルベンゾトリアゾールなどアルキル
置換ベンゾトリアゾール類、5−クロロベンゾトリアゾ
ール等のハロゲン置換ベンゾトリアゾール類、ブチルカ
ルボイミドベンゾトリアゾールなどのカルボイミドベン
ゾトリアゾール類、特開昭58−118639号記載の
ニトロベンゾトリアゾール類、特開昭58−11563
8号記載のスルホベンゾトリアゾール、カルボキシベン
ゾトリアゾールもしくはその塩、またはヒドロキシベン
ゾトリアゾールなど、米国特許4,220,709号記
載の1,2,4−トリアゾールや1H−テトラゾール、
カルバゾール、サッカリン、イミダゾール及びその誘導
体などが代表例として挙げられる。
【0035】本発明に用いられる還元剤は、感光性ハロ
ゲン化銀が露光されることにより生成した銀核の存在下
で加熱された時に、有機銀塩を還元して銀を生成し得る
ものである。そのような還元剤としては、モノフェノー
ル類、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラ
キスフェノール類、モノナフトール類、ビスナフトール
類、ジヒドロキシナフタレン類、スルホンアミドフェノ
ール類、ビフェノール類、トリヒドロキシナフタレン
類、ジヒドロキシベンゼン類、トリヒドロキシベンゼン
類、テトラヒドロキシベンゼン類、ヒドロキシアルキル
モノエーテル類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン
類、ピラゾロン類、ピラゾリン類、糖類、フェニレンジ
アミン類、ヒドロキシアミン類、レダクトン類、ヒドロ
オキサミン酸類、ヒドラジン類、ヒドラジド類、アミド
オキシム類、N−ヒドロキシ尿素類などがある。この中
で特にp−ビスフェノール類、o−ビスフェノール類、
ビスナフトール類、p−置換フェノール類、4−置換ナ
フトール類などが好ましい。又、特開平3−13556
4号公報記載の還元剤も好ましく用いられる。
【0036】感光層3には必要に応じて色調剤を加えて
も良い。
【0037】色調剤としては、フタラジン類、フタラジ
ノン類、ベンゾオキサジンジオン類などが好ましい。
【0038】また、皮膜性、分散性を改善する目的で適
宜バインダーを感光層3に含有させることもできる。
【0039】バインダーとしては、例えば、ニトロセル
ロース、リン酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セル
ロース、プロピオン酸セルロール、酪酸セルロース、ミ
リスチン酸セルロース、パルミチン酸セルロース、酢酸
・プロピオン酸セルロース、酢酸・酪酸セルロースなど
のセルロースエステル類;メチルセルロース、エチルセ
ルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロースなど
のセルロースエーテル類;ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドンなどのビニル樹脂類;スチレン−ブタジエンコポ
リマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチ
レン−ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、塩化
ビニル−酢酸ビニルコポリマーなどの共重合樹脂類;ポ
リメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポ
リブチルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルなど
のアクリル樹脂類;ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステル類;例えば、ポリ(4,4−イソプロピリ
デン、ジフェニレン−コ−1,4−シクロヘキシレンジ
メチレンカーボネート)、ポリ(エチレンジオキシ−
3,3′−フェニレンチオカーボネート)、ポリ(4,
4′−イソプロピリデンジフェニレンカーボネート−コ
−テレフタレート)、ポリ(4,4′−イソプロピリデ
ンジフェニレンカーボネート)、ポリ(4,4′−se
c−ブチリデンジフェニレンカーボネート)、ポリ
(4,4′−イソプロピリデンジフェニレンカーボネー
ト−ブロック−オキシエチレン)などのポリアクレート
樹脂類;ポリアミド類;ポリイミド類;エポキシ樹脂
類;フェノール樹脂類;ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、塩素化ポリエチレンなどのポリオレフィン類;およ
びゼラチンなどの天然高分子などが挙げられる。
【0040】この他に、必要に応じて、カブリ防止剤、
アルカリ発生剤、自動酸化剤、保存安定剤、結合剤、紫
外線安定剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、充填剤等を感光
層3に適宜添加して用いることができる。
【0041】感光層3における上記成分の好ましい配合
比はつぎの通りである。
【0042】還元剤は有機銀塩1モルに対して好ましく
は0.05〜3モル、より好ましくは0.2〜1.3モ
ル含有させるのが良い。
【0043】含有される有機銀塩の量は、0.3〜30
g/m2 、特に0.7〜15g/m 2 、更には1.2〜
8g/m2 が好ましい。
【0044】また、有機銀塩1モルに対して、ハロゲン
化銀を好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは
0.05〜1モル含有させるのが望ましい。また、色調
剤を使用する場合には有機銀塩1モルに対して色調剤を
0.01〜5モル、好ましくは0.05〜2モル、さら
に好ましくは0.08〜1モル含有させるのが望まし
い。
【0045】必要に応じ含有されるバインダーの量は、
有機銀塩1重量部に対し、0〜10重量部、更には0.
5〜5重量部の割合が好ましい。
【0046】感光層3は、上記成分を、適宜用いられる
バインダーとともに溶剤に溶解して図1に示すように、
支持体4上に塗布乾燥して、あるいはバインダー自身で
強度が保たれる場合は支持体4を用いずにバインダーで
形成されるフィルム又はシート状物中に上記必須成分を
含有させて本発明の熱現像性感光体を形成することがで
きる。
【0047】本発明で用いる支持体4としては、広範な
ものから選択して使用できる。代表的な支持体4として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート、酢酸セルロースなどの
合成樹脂フィルム、合成紙、ポリエチレンなどの樹脂フ
ィルムで被覆された紙、アルミニウム等の金属板類、金
属蒸着膜を有する合成樹脂フィルム、ガラス板などを挙
げることができる。
【0048】また、ハレーション、カール、スタチック
マークあるいはアブレーション等を防止したり、搬送性
を改良するために支持体4の裏面(感光層3が塗布され
ていない面)にバッキング層を設けてもよい。
【0049】バッキング層の例としては、ゼラチン、ポ
リビニルアルコール、スターチ、ポリアクリルアミド、
カゼイン、スチレン無水マレイン酸共重合体、アルキル
ケテンダイマー、ポリウレタン、塩化ビニリデン、スチ
レンブタジエンコポリマー、メチルメタクリレート−ア
クリル酸エステルコポリマー、メチルメタクリレート−
ブタジエンコポリマー等の親水性、疎水性ポリマー等を
挙げることができ、これらを単独もしくは、硬化剤、顔
料、染料、耐水化剤等の成分と共に溶解、分散または乳
化させた塗布液を塗布することにより容易に設けること
ができる。
【0050】本発明の熱現像性感光体は、図2に示すよ
うに支持体4側から順に感光層3、疎水性高分子層2、
水溶性高分子層1を積層してもよい。更に、図1の疎水
性高分子層2上に水溶性高分子層を、あるいは図2の水
溶性高分子層1上に疎水性高分子層を、それぞれ設けて
もよい。
【0051】本発明の熱現像性感光体は、各層を例えば
浸漬法、エアーナイフ法、カーテン塗布法等で塗布して
得ることができる。
【0052】本発明の熱現像性感光体は、像露光及び加
熱(熱現像)により、像露光された部分で有機銀塩と還
元剤とが酸化還元反応し、その反応によって生成される
金属銀により黒化像を形成するものである。また、上記
酸化還元反応よって生成される酸化体(還元剤の酸化さ
れたもの)の光吸収性を利用して、光吸収性の違いによ
るパターンを形成するものである。即ち、酸化体の生成
した部分(像露光部分)では、特定波長の光が吸収さ
れ、酸化体の生成されなかった部分(像未露光部分)で
は光の吸収が少ないという光吸収性の違いによるパター
ンを形成することができる。
【0053】上記の酸化体の光吸収性を利用して本発明
の熱現像性感光体により、重合部分と未重合部分とで構
成されるパターン(以下、重合・未重合パターンとい
う)を形成することもできる。即ち、本発明による感光
層中に、重合性ポリマー前駆体及び光重合開始剤を含有
し、像露光、加熱(熱現像)及び重合露光により重合・
未重合パターンを形成することができる。このように重
合・未重合パターンが形成されるのは、酸化体の生成し
た部分では酸化体による光吸収により重合が進行せず、
酸化体の生成されなかった部分では重合が進行するため
である。
【0054】重合性ポリマー前駆体及び光重合開始剤
は、感光層中に含有してもよいが、感光層とは別に重合
性ポリマー前駆体及び光重合開始剤を含有する重合層を
設けてもよい。感光層と重合層とは、積層してもよい
し、あるいは支持体を間に挟んで支持体の片面に感光層
を設け、他面に重合層を設けるようにしてもよい。
【0055】本発明の感光体に使用する光重合開始剤と
しては、例えばカルボニル化合物、イオウ化合物、ハロ
ゲン化合物、レドックス系光重合開始剤、ピリリウム等
の染料で増感される過酸化物系開始剤などを挙げること
ができる。
【0056】具体的には、カルボニル化合物としては、
例えばベンジル、4,4′−ジメトキシベンジル、ジア
セチル、カンファーキノンなどのジケトン類;例えば
4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4′−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェ
ノン類;例えばアセトフェノン、4−メトキシアセトフ
ェノンなどのアセトフェノン類;ベンゾインアルキルエ
ーテル類;例えば2−クロロチオキサントン、2,4−
ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサン
トン、チオキサントン−3−カルボン酸−β−メトキシ
エチルエステルなどのチオキサントン類;ジアルキルア
ミノ基を有するカルコン類およびスチリルケトン類;
3,3′−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、
3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)などのクマリン類などが挙げられる。
【0057】イオウ化合物としては、例えばジベンゾチ
アゾリルスルフィド、デシルフェニルスルフィド、ジス
ルフィド類などが挙げられる。
【0058】ハロゲン化合物としては、例えば四臭化炭
素、キノリンスルホニルクロライド、トリハロメチル基
を有するS−トリアジン類などが挙げられる。
【0059】レドックス系の光重合開始剤としては、3
価の鉄イオン化合物(例えばクエン酸第2鉄アンモニウ
ム)と過酸化物などを組み合せて用いるものや、リボフ
ラビン、メチレンブルーなどの光還元性色素とトリエタ
ノールアミン、アスコルビン酸などの還元剤を組み合せ
て用いるものなどが挙げられる。
【0060】また以上に述べた光重合開始剤(増感剤も
含む)において、2種以上の光重合開始剤を組み合せて
より効率の良い光重合を行なうこともできる。
【0061】この様な光重合開始剤の組み合せとして
は、ジアルキルアミノ基を有するカルコンおよびスチリ
ルケトン類やクマリン類と、トリハロメチル基を有する
S−トリアジン類やカンファーキノンとの組み合せなど
が挙げられる。
【0062】本発明の感光体に使用する重合性ポリマー
前駆体としては、一分子中に反応性ビニル基を少なくと
も1個持つ化合物が利用できる。
【0063】これら化合物の反応性ビニル基としては、
スチレン系ビニル基、アクリル酸系ビニル基、メタクリ
ル酸ビニル基、アリル系ビニル基、ビニルエーテルなど
の他に酢酸ビニルなどのエステル系ビニル基など重合反
応性を有する置換もしくは無置換のビニル基が挙げられ
る。
【0064】このような条件を満たす重合性ポリマー前
駆体の具体例は次の通りである。
【0065】例えば、スチレン、メチルスチレン、クロ
ルスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、ジメ
チルアミノスチレン、シアノスチレン、ニトロスチレ
ン、ヒドロキシスチレン、アミノスチレン、カルボキシ
スチレン、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリルアミド、
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、ビニ
ルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダ
ゾール、2−ビニルイミダゾール、N−メチル−2−ビ
ニルイミダゾール、プロピルビニルエーテル、ブチルビ
ニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、β−クロロ
エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−
メチルフェニルビニルエーテル、p−クロルフェニルビ
ニルエーテルなどの一価の単量体;ジビニルベンゼン、
シュウ酸ジスチリル、マロン酸ジスチリル、コハク酸ジ
スチリル、グルタル酸ジスチリル、アジピン酸ジスチリ
ル、マレイン酸ジスチリル、フマル酸ジスチリル、β,
β′−ジメチルグルタル酸ジスチリル、2−ブロモグル
タル酸ジスチリル、α,α′−ジクロログルタル酸ジス
チリル、テレフタル酸ジスチリル、シュウ酸ジ(エチル
アクリレート)、シュウ酸ジ(メチルアクリレート)、
マロン酸ジ(エチルアクリレート)、マロン酸ジ(メチ
ルエチルアクリレート)、コハク酸ジ(エチルアクリレ
ート)、グリタル酸ジ(エチルアクリレート)、アジピ
ン酸ジ(エチルアクリレート)、マレイン酸ジ(エチル
アクリレート)、フマル酸ジ(エチルアクリレート)、
β,β′−ジメチルグルタル酸ジ(エチルアクリレー
ト)、エチレンジアクリルアミド、プロピレンジアクリ
ルアミド、1,4−フェニレンジアクリルアミド、1,
4−フェニレンビス(オキシエチルアクリレート)、
1,4−フェニレンビス(オキシメチルエチルアクリレ
ート)、1,4−ビス(アクリロイルオキシエトキシ)
シクロヘキサン、1,4−ビス(アクリロイルオキシメ
チルエトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(アクリ
ロイルオキシエトキシカルバモイル)ベンゼン、1,4
−ビス(アクリロイルオキシメチルエトキシカルバモイ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(アクリロイルオキシエト
キシカルバモイル)シクロヘキサン、ビス(アクリロイ
ルオキシエトキシカルバモイルシクロヘキシル)メタ
ン、シュウ酸ジ(エチルメタクリレート)、シュウ酸ジ
(メチルエチルメタクリレート)、マロン酸ジ(エチル
メタクリレート)、マロン酸ジ(メチルエチルメタクリ
レート)、コハク酸ジ(エチルメタクリレート)、コハ
ク酸ジ(メチルエチルメタクリレート)、グルタル酸ジ
(エチルメタクリレート)、アジピン酸ジ(エチルメタ
クリレート)、マレイン酸ジ(エチルメタクリレー
ト)、フマル酸ジ(エチルメタクリレート)、フマル酸
ジ(メチルエチルメタクリレート)、β,β′−ジメチ
ルグルタル酸ジ(エチルメタクリレート)、1,4−フ
ェニレンビス(オキシエチルメタクリレート)、1,4
−ビス(メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキサ
ンアクリロイルオキシエトキシエチルビニルエーテルな
どの2価の単量体;ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(ヒドロキシスチレン)、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、シアヌル酸トリ
アクリレート、シアヌル酸トリメタクリレート、1,
1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート、
1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、シアヌル酸トリ(エチルアクリレート)、1,1,
1−トリメチロールプロパントリ(エチルアクリレー
ト)、シアヌル酸トリ(エチルビニルエーテル)、1,
1,1−トリメチロールプロパントリ(トルエンジイソ
シアネート)とヒドロキシエチルアクリレートとの縮合
物、1,1,1−トリメチロールプロパントリ(ヘキサ
ンジイソシアネート)とp−ヒドロキシスチレンとの縮
合物などの3価の単量体;エチレンテトラアクリルアミ
ド、プロピレンテトラアクリルアミドなどの4価の単量
体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの
6価の単量体などを挙げることができる。
【0066】なお、上記の重合性ポリマー前駆体を二種
以上用いてもよい。
【0067】重合性ポリマー前駆体及び光重合開始剤を
本発明の熱現像性感光体に用いる場合、光重合開始剤は
還元剤1モルに対して0.01モル〜10モル、更には
0.5モル〜3.0モル含有するのが好ましい。また、
光重合開始剤は、重合性ポリマー前駆体100重量部に
対して0.1重量部〜30重量部、更には0.5重量部
〜10重量部とするのが良い。
【0068】感光層3の厚みは0.1μm〜50μm、
更には1μm〜30μm、特に2μm〜20μmが好ま
しい。
【0069】重合層を感光層3とは別に設ける場合、重
合層の好ましい厚みの範囲も上記の感光層3の厚みの範
囲と同様である。
【0070】像露光過程および重合露光過程において用
いる光源としては、例えば太陽光、タングステンラン
プ、水銀灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光
灯、LED、レーザー光線などが使え、これらの過程で
用いる光の波長は同じであっても異なっていても良い。
尚、同一波長の光を用いても、通常感光性ハロゲン化銀
は光重合開始剤よりも十分に高い感光感度を有するの
で、上記像露光過程において光重合が起きない程度の強
度の光で十分な潜像書き込みが行なえる。例えば、像露
光過程では、感光体の面上で概ね1mJ/cm2 までの
光で露光を行ない、重合過程では感光体の面上で概ね5
00mJ/cm2 までの光で露光を行なうとよい。
【0071】本発明の感光体を加熱現像する手段として
は各種あり、たとえば感光体を簡単な加熱プレート等と
接触せしめてもよいし、加熱したドラムに接触せしめて
もよく、場合によっては加熱された空間内を通過させて
もよい。又高周波加熱やレーザービームにより加熱して
もよい。加熱温度は80℃〜160℃、更には100℃
〜160℃が適当であり、より好ましくは100℃〜1
40℃である。加熱時間を延長し、或いは短縮すること
により、上述の範囲内でより高い温度、或いは低い温度
を用いることができる。現像時間は通常約1秒〜60
秒、更には3秒〜20秒である。
【0072】本発明の熱現像性感光体は、疎水性高分子
層及び水溶性高分子層を有しているため、大気中の水分
が感光層に浸透するのを防ぐことができると共に、感光
層の成分が感光体表面に析出するのを防ぐことができ
る。このため、長期間保存しても感度が低下することが
なく、また感光体表面に熱現像器の不織布が付着したり
あるいは感光体表面にキズが発生したりすることがなく
なる。更に、本発明によれば、歪みのない鮮明な画像が
得られる。
【0073】実施例1 ホモミキサーを用いて25℃、30%R.H.の環境下
で下記の感光材料を調製した。
【0074】 ベヘン酸銀 100部 ベヘン酸 40部 アゼライン酸 12部 臭化銀 8部 ポリビニルブチラール 160部 2,2′−メチレンビス(6−terブチル−4− メチルフェノール) 80部 フタラジノン 12部 3−エチル−5−[(3−メチル−2−チアゾリニデン) エチリデン]ローダニン 0.008部 キシレン 1000部 n−ブタノール 500部 調製した感光材料を、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム上に乾燥膜厚5μmで塗布、乾燥し、感
光層とした。更に、この感光層の上にポリビニルアルコ
ール(日本合成化学工業(株)製NH−18)を乾燥膜
厚が3μmとなるように塗布、乾燥し、水溶性高分子層
とした。次いで、この水溶性高分子層の上にポリメチル
メタクリレート(三菱レーヨン製ダイヤナールBR−8
3)を乾燥膜厚が3μmとなるように塗布、乾燥し、疎
水性高分子層とし、本発明の熱現像性感光体を得た。
【0075】こうして製造した熱現像性感光体に対し1
50Wのタングステンランプを光源として像露光し、次
に加熱現像器(オリエンタル写真工業(株)製DCX−
プロセッサー)を用いて熱現像した。その結果、歪みの
ない鮮明な画像が得られた。熱現像の加熱条件は120
℃、10秒であった。こうして画像形成を行なった熱現
像性感光体について、550nmでの透過率を測定し、
結果を表1に示した。
【0076】一方、上記のように製造した熱現像性感光
体を50℃、80%R.H.下に3日間保存した後、上
記と同様の像露光、熱現像を行った。その結果、歪みの
ない鮮明な画像が得られた。更に上記と同様に550n
mでの透過率を測定した。測定結果を表1に示した。
【0077】また、熱現像性感光体表面に、熱現像器の
不織布が付着したかどうか、及び擦過傷が発生したかど
うかも目視により評価した。その結果を表1に示した。
【0078】実施例2 実施例1で用いたポリメチルメタクリレートを飽和ポリ
エステル樹脂(東洋紡績(株)製バイロン200)に変
え、その他は実施例1と同様にして本発明の熱現像性感
光体を作成した。作成した感光体を実施例1と同様に評
価し、結果を表1に示した。
【0079】実施例3 実施例1で用いたポリメチルメタクリレートをポリアク
リロニトリル樹脂(東洋紡績(株)製N−23)に変
え、その他は実施例1と同様にして本発明の熱現像性感
光体を作成した。作成した感光体を実施例1と同様に評
価し、その結果を表1に示した。
【0080】実施例4 実施例1で用いたポリビニルアルコールのかわりに、ポ
リビニルアルコール中にコロイダルシリカ(日産化学工
業(株)製スノーテックスO)を添加したものにかえ、
その他は実施例1と同様にして本発明の熱現像性感光体
を作成した。ポリビニルアルコールとコロイダルシリカ
との混合割合は、重量比で等量とした。作成した感光体
を実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示し
た。
【0081】実施例5 実施例1で用いたポリビニルアルコールをゼラチン(S
igma社製Porcine Skin 300 Ty
pe A)に変え、その他は実施例1と同様にして本発
明の熱現像性感光体を作成した。作成した感光体を実施
例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
【0082】実施例6〜10 実施例1で用いた疎水性高分子層と水溶性高分子層との
積層順を実施例1とは逆、即ち感光層、疎水性高分子
層、水溶性高分子層の順に積層し、その他は実施例1と
同様にして本発明の熱現像性感光体を作成した(実施例
6)。
【0083】同様に、疎水性高分子層と水溶性高分子層
との積層順を実施例2,3,4及び5とは逆にして感光
体を作成し、それぞれ実施例7,8,9及び10とし
た。
【0084】こうして作成した5種類の熱現像性感光体
について、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1
に示した。
【0085】比較例1 実施例1で用いたポリメチルメタクリレートを塗布せず
に、その他は実施例1と同様にして感光体を作成した。
作成した感光体を実施例1と同様に評価し、その結果を
表1に示した。
【0086】比較例2 実施例1で用いたポリビニルアルコールを塗布せずに、
その他は実施例1と同様にして感光体を作成した。作成
した感光体を実施例1と同様に評価し、その結果を表1
に示した。
【0087】
【表1】 実施例1〜10では、いずれも歪みのない鮮明な画像が
得られたが、比較例1及び2では画像のところどころに
歪みが生じた。
【0088】実施例11 疎水性高分子層として、ポリメチルメタクリレート(三
菱レーヨン製ダイヤナールBR−83)中に紫外線吸収
剤である2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール(城北化学工業(株)社製)を
添加したものを用い、疎水性高分子層以外は実施例1と
同様にして本発明の熱現像性感光体を作成した。紫外線
吸収剤の添加量は、疎水性高分子層に対して0.5重量
%であった。
【0089】こうして作成した熱現像性感光体に対し
て、実施例1と同様にして像露光及び熱現像を行なっ
た。像露光及び熱現像後、熱現像性感光体の像露光され
なかった部分が黒化するかどうかを確認した。
【0090】黒化するかどうかの確認は、(株)森山X
線用品製X線写真観察器ICH3D(感光体の面上で約
8000ルクス)を用いて、熱現像を終了してから5分
経過後と30分経過後に行なった。その結果、上記熱現
像性感光体では、像未露光部の黒化はみられなかった。
【0091】一方、実施例1の熱現像性感光体について
も、同様に像未露光部が黒化するかどうか観察した。そ
の結果、実用上問題とならない程度であるが、30分経
過後に像未露光部にわずかに黒化がみられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱現像性感光体の一例を示す側面断面
図である。
【図2】本発明の熱現像性感光体の他の例を示す側面断
面図である。
【符号の説明】
1 水溶性高分子層 2 疎水性高分子層 3 感光層 4 支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 哲朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 加々美 憲二 東京都新宿区大久保1丁目11番3号 オリ エンタル写真工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 雅雄 東京都新宿区大久保1丁目11番3号 オリ エンタル写真工業株式会社内 (72)発明者 西野 勝也 東京都新宿区大久保1丁目11番3号 オリ エンタル写真工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、有機銀塩、ハロゲン化銀及
    び還元剤を少なくとも含有する感光層と、水溶性高分子
    材料を含有する水溶性高分子層と、疎水性高分子材料を
    含有する疎水性高分子層とを有することを特徴とする熱
    現像性感光体。
  2. 【請求項2】 前記支持体側から、前記感光層、前記水
    溶性高分子層及び前記疎水性高分子層の順に積層した請
    求項1記載の熱現像性感光体。
  3. 【請求項3】 前記支持体側から、前記感光層、前記疎
    水性高分子層及び前記水溶性高分子層の順に積層した請
    求項1記載の熱現像性感光体。
  4. 【請求項4】 前記水溶性高分子層または疎水性高分子
    層にシリカを含有する請求項1記載の熱現像性感光体。
  5. 【請求項5】 前記水溶性高分子層または疎水性高分子
    層に紫外線吸収剤を含有する請求項1記載の熱現像性感
    光体。
  6. 【請求項6】 紫外線吸収剤を含有する紫外線吸収層を
    有する請求項1記載の熱現像性感光体。
  7. 【請求項7】 前記感光層に、重合性ポリマー前駆体及
    び光重合開始剤を含有する請求項1記載の熱現像性感光
    体。
  8. 【請求項8】 重合性ポリマー前駆体及び光重合開始剤
    を含有する重合層を有する請求項1記載の熱現像性感光
    体。
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