JPH0643556Y2 - 流体封入式円筒型マウント - Google Patents

流体封入式円筒型マウント

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JPH0643556Y2
JPH0643556Y2 JP1988004953U JP495388U JPH0643556Y2 JP H0643556 Y2 JPH0643556 Y2 JP H0643556Y2 JP 1988004953 U JP1988004953 U JP 1988004953U JP 495388 U JP495388 U JP 495388U JP H0643556 Y2 JPH0643556 Y2 JP H0643556Y2
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rubber elastic
elastic body
mount
fluid
metal fitting
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伸夫 松本
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 (技術分野) 本考案は、封入流体の流動に基づいて、主としてマウン
ト径方向に入力される振動を防振する円筒型の流体封入
式マウントに係り、特に製造工程の簡略化と製造コスト
の低減が有利に図られ得る、流体封入式マウントの改良
された構造に関するものである。
(従来技術) 従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、
それらを防振連結する防振連結体の一種として、例え
ば、FF型自動車のエンジンマウントの如く、全体として
略円筒状を呈し、主としてその径方向の所定の方向に入
力される振動を減衰乃至は絶縁するようにした、筒型マ
ウントが知られている。
そして、そのような筒型マウントとして、近年、互いに
径方向に所定距離を隔てて配された内筒金具と外筒金具
とを、それらの間に介装されるゴム弾性体にて連結する
ことによって構成された連結体に対して、該連結体の内
部に、防振すべき振動が入力されて内圧変化が惹起せし
められる受圧室と、一部がゴム弾性体等の可撓性膜にて
画成されて容積可変とされた平衡室とを、周方向に独立
した形態をもって設け、更にそれら受圧室と平衡室とを
連通するオリフィス通路を設けると共に、それら受圧室
及び平衡室内に所定の非圧縮性流体を封入せしめること
により、振動入力に際しての受圧室内の内圧変化に基づ
いて、平衡室との間でオリフィス通路を通じての流体の
流動を生ぜしめ、以てかかるオリフィス通路内における
流体の流動作用乃至は液柱共振作用によって、かかる入
力振動を防振せしめるようにした、所謂流体封入式の筒
型マウントが提案されている。
ところで、このような筒型マウントにあっては、特開昭
62−224746号公報にも開示されているように、通常、前
記ゴム弾性体が、内筒金具と、該内筒金具の径方向外方
に同心的に若しくは偏心して配された円筒形状の剛性ス
リーブとの間に介在されて、それらを連結する一体加硫
成形品として構成されると共に、その内部において、か
かる剛性スリーブに設けられた窓部を通じて開口せしめ
られる複数のポケット部が主たる振動入力方向に対向位
置して設けられ、且つそれらのポケット部のうちの一部
のものの壁部が薄肉化されて変位可能とされることとな
り、そして、かかる剛性スリーブに対する外筒金具の外
挿にて、それら複数のポケット部の開口が閉塞せしめら
れることによって、前記受圧室及び平衡室が形成されて
なる構造とされている。
(解決課題) しかしながら、このような構造とされた流体封入式の筒
型マウントにあっては、例えば、前記剛性スリーブを得
るに際して、所定長さに切断された鋼管に対する複数の
窓部の穿設等の極めて困難な作業を伴い、またゴム弾性
体の加硫成形後、該ゴム弾性体に予備圧縮を加えて、加
硫時の収縮によるゴム弾性体の応力の解消と接着強度の
向上を図るべく、かかる剛性スリーブに対して縮径加工
を施す必要があるために、製造工程が多く且つ作業が困
難であると共に、材料及び製造コストが高いといった問
題を内在していたのである。
なお、かかる問題に対処すべく、特開昭60−256637号公
報には、剛性スリーブを一対の半円筒状の半割体にて構
成し、外筒金具の外挿時に、それら一対の半割体を接近
方向に変位せしめることにより、ゴム弾性体に予備圧縮
を加えるようにした構造の流体封入サスペンションブッ
シュが提案されている。
しかしながら、かかる構造のものにおいては、剛性スリ
ーブの分割部(半割体の突合せ部)を、流体室を形成す
るポケット部の開口部上に位置せしめると、流体室のシ
ール性が著しく低下してしまうために、剛性スリーブの
分割部を、流体室の対向方向に直交する方向で対向位置
する部分に設定する必要がある。
そのために、前記特開昭62−224746号公報に開示されて
いる如く、剛性スリーブと外筒金具の間にオリフィス通
路を形成しようとすると、オリフィス通路上に剛性スリ
ーブの分割部が位置することとなって、オリフィス通路
のシール性が確保できなくなるという不具合があった。
それ故、かかる流体封入サスペンションブッシュにおい
ては、特開昭60−256637号公報に開示されている如く、
別途形成されたオリフィス部材を用いて、内筒金具の外
周面上にオリフィス通路を形成しなければ、安定したシ
ール性および防振性能が確保され得ないのであり、構造
の複雑化および製造性の悪化が避けられないという問題
を有していたのである。
(解決手段) ここにおいて、本考案は、上述の如き事情を背景として
為されたものであって、その特徴とするところは、内筒
金具と、該内筒金具の径方向外方に同心的に若しくは偏
心して配された剛性スリーブとを、ゴム弾性体にて連結
せしめ、該ゴム弾性体内に、前記剛性スリーブに設けら
れた窓部を通じて開口せしめられる複数のポケット部を
形成し且つそれらポケット部の一部のものの壁部を薄肉
化して変位可能とすると共に、かかる剛性スリーブに対
して外筒金具を外挿せしめて、それら複数のポケット部
の開口を閉塞せしめることにより、それぞれ所定の非圧
縮性流体が封入された、防振すべき振動が入力される受
圧室と、少なくとも一部が前記薄肉化壁部にて画成され
た容積可変の平衡室とを形成し、そしてそれら受圧室と
平衡室とをオリフィス通路にて相互に連通せしめてなる
流体封入式円筒型マウントにおいて、前記受圧室を形成
するポケット部を、前記内筒金具を径方向に挟んだ一方
の側において前記ゴム弾性体をマウント軸方向に直角な
方向に貫通して設けると共に、前記平衡室を形成するポ
ケット部を、前記内筒金具を径方向に挟んだ他方の側に
おいて周方向に所定距離だけ偏倚して設ける一方、前記
剛性スリーブを、前記内筒金具を前記受圧室と前記平衡
室が対向する径方向に挟んで位置する、前記窓部の位置
しない部位において軸方向に分割された一対の半円筒状
半割体にて構成せしめて、それぞれの周方向両側端縁部
が互いに所定距離を隔てて対向せしめられる状態下で、
前記ゴム弾性体にて連結すると共に、それら一対の半割
体の周方向端縁部の対向面間に位置するゴム弾性体に対
して、前記ポケット部に連通することなく、軸方向全長
に亘って延びる所定深さの切欠部を形成し、更に、前記
半割体の外周面上に、前記受圧室を形成するポケット部
と前記平衡室を形成するポケット部の間に跨がって周方
向に延びる凹溝を形成せしめ、そして前記外筒金具の外
挿によって、前記ゴム弾性体に対してマウント径方向の
圧縮を及ぼすと共に、前記凹溝を覆蓋せしめて前記半割
体と前記外筒金具の間に前記オリフィス通路を形成した
ことにある。
ここにおいて、前記切欠部は、前記ゴム弾性体内をマウ
ント軸方向に貫通して形成された肉抜部に対して、連通
せしめられた形態をもって設けることも、可能である。
また、そのような肉抜部を、前記複数のポケット部のう
ちの一部のもののマウント径方向内側において形成する
ことにより、かかるポケット部の底壁部を、前記薄肉化
壁部として構成せしめるようにすることも可能である。
(作用・効果) すなわち、このような本考案に従う構造とされた流体封
入式円筒型マウントにあっては、剛性スリーブが一対の
半割体にて構成されることから、該剛性スリーブを、鋼
板を用いたプレス加工及び窓部の打抜加工によって製造
することができるのであり、それ故、従来の鋼管を用い
る場合に比して、その製造が極めて容易となり、且つ製
造コスト及び材料コストの低減が有利に達成され得るこ
ととなるのである。
また、かかる構造の流体封入式円筒型マウントにおいて
は、そのような一対の半割体が、切欠部を挟んで対向配
置されていることから、該半割体に対する外筒金具の外
挿に際して、即ち該半割体に対する外筒金具の圧入乃至
は圧入後の外筒金具に対する縮径加工に際して、かかる
一対の半割体が、相互に接近する方向に変位せしめられ
ることによって、ゴム弾性体に対する予備圧縮が有利に
及ぼされ得ることとなるのであり、それ故、従来の剛性
スリーブに対する縮径加工が省略され得て、製造工程の
より一層の簡略化が図られ得るといった利点をも有して
いるのである。
しかも、本考案に係る流体封入式円筒型マウントにあっ
ては、受圧室および平衡室を構成するポケット部のいず
れもが、それら受圧室と平衡室の対向方向両側におい
て、中央位置から周方向に所定距離だけ離れた部分に開
口部が設けられており、かかる受圧室と平衡室の対向方
向両側における中央位置に、剛性スリーブを構成する分
割体の突合せ部が位置せしめられていることから、それ
ら分割体の突合せ部によって、受圧室や平衡室のシール
性およびオリフィス通路のシール性が阻害されることが
ない。
それ故、かかる流体封入式円筒型マウントにおいては、
充分なる流体密性を確保しつつ、剛性スリーブと外筒金
具の間にオリフィス通路を形成することができるのであ
り、それによって、マウント構造の簡略化および製造性
の向上が効果的に達成され得るのである。
(実施例) 以下、本考案を更に具体的に明らかにするために、本考
案の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明す
ることとする。
先ず、第1図及び第2図には、本考案をFF型自動車のエ
ンジンマウントに対して適用したものの一具体例が示さ
れている。これらの図において、10及び12は、それぞ
れ、内筒金具及び外筒金具であって、マウント径方向に
所定量偏心して配置されており、それらの間に介装され
た、全体として略円筒形状を呈するゴム弾性体14によっ
て、弾性体に連結されている。
そして、かかるエンジンマウントにあっては、内筒金具
10及び外筒金具12において、車体側及びエンジンを含む
パワーユニット側の各一方に取り付けられて、パワーユ
ニットを車体に対して防振支持せしめるようになってお
り、かかる取付状態において、パワーユニットの負荷荷
重によるゴム弾性体14の弾性変形によって、両金具10、
12が、略同心的に位置せしめられることとなる。また、
かかるエンジンマウントにあっては、内筒金具10と外筒
金具12との偏心方向(第1図中、上下方向)に入力され
る振動を主として防振するものであり、かかる防振すべ
き振動荷重の入力に際して、ゴム弾性体14は、専らそれ
ら両金具10、12の偏心方向に変形せしめられることとな
る。
より詳細には、前記内筒金具10は、比較的厚肉の円筒形
状をもって形成されており、そして、第3図乃至第5図
に示されている如く、該内筒金具10の径方向外方には、
剛性スリーブを構成する、それぞれ略半円筒形状をもっ
て形成された一対のスリーブ半割体16、16が、振動入力
方向に対して直角な方向に対向して配置されている。か
かる一対のスリーブ半割体16、16は、互いに対向方向
(第3図中、左右方向)に所定距離離れた状態で、即ち
それぞれの周方向両側端縁部が、互いに所定距離を隔て
て対向せしめられる状態で位置せしめられて、且つ全体
として、かかる対向方向に直角な径方向(第3図中、上
下方向)において、内筒金具10に対して所定量偏心して
配置せしめられている。
そして、これら内筒金具10とスリーブ半割体16、16との
間において、前記ゴム弾性体14が介装されており、かか
る内筒金具10の外周面とスリーブ半割体16、16の内周面
とに、それぞれ加硫接着されることにより、該ゴム弾性
体14にて、それら内筒金具10及びスリーブ半割体16、16
が弾性的に連結せしめられている。
ここにおいて、かかるゴム弾性体14にあっては、前記一
対のスリーブ半割体16、16の周方向両側端縁部の対向面
間に位置する部位において、その外周面から、径方向に
所定深さで延びる切欠部22、22が、それぞれ、軸方向全
長に亘って形成されている。
また、特に本実施例にあっては、ゴム弾性体14に対し、
内筒金具10を挟んで、該内筒金具10とスリーブ半割体1
6、16との偏心方向両側に位置する部位において、それ
ぞれ、かかるスリーブ半割体16の内周面に沿うようにし
て周方向に所定幅で延びる肉抜部18、20が、軸方向に貫
通して形成されており、上記切欠部22、22が、その径方
向内側において、それぞれの肉抜部18、20に対して連通
せしめられた形態をもって形成されている。
更にまた、内筒金具10とスリーブ半割体16、16との偏心
方向の離間距離が大なる側には、かかる肉抜部18より
も、更に径方向内側に位置して、楕円筒状の拘束ロッド
24が、軸方向に貫通して埋設されている。そして、これ
らの肉抜部18、20及び拘束ロッド24によって、ゴム弾性
体14における径方向及び軸方向の弾性が調節されている
と共に、前述の如き装着状態下に及ぼされる負荷荷重及
び振動荷重による、ゴム弾性体14における大きな引張応
力及び変形の発生が低減され得るようになっているので
ある。
また、かかるゴム弾性体14内には、内筒金具10とスリー
ブ半割体16、16との偏心方向における離間距離が大なる
側に形成された、前記肉抜部18と内筒金具10との間にお
いて、かかる内筒金具10とスリーブ半割体16、16との偏
心方向及び該ゴム弾性体14の軸心方向の両方向に対し
て、略直角な方向に貫通する状態で、且つ肉抜部18に連
通しない形態をもって、第一のポケット部26が形成され
ている。
なお、かかる第一のポケット部26内には、略矩形平板状
の傘プレート28が、内筒金具10にて支持されることによ
って、該第一のポケット部26内に突出して、その貫通方
向に拡がる状態で配設されている。
更にまた、内筒金具10とスリーブ半割体16、16との偏心
方向における離間距離が小なる側に形成された、前記肉
抜部20における周方向両側部分の径方向外側には、それ
ぞれ、外周面上に開口する凹所状の第二のポケット部3
0、30が、かかる肉抜部20に連通することなく、且つ前
記第一のポケット部26に対して独立した形態をもって形
成されている。
なお、これらの第二のポケット部30、30にあっては、肉
抜部20の径方向外方に形成されていることによって、そ
の底壁部が、変形容易な薄肉部32として形成されてい
る。
また一方、このようなゴム弾性体14の外周面に対して加
硫接着された、前記一対のスリーブ半割体16、16にあっ
ては、それぞれ、軸方向の中央部が、周方向全周に亘っ
て縮径されて、外周面に開口する幅広の凹溝34が形成さ
れていると共に、該凹溝34内には、ゴム弾性体14が充填
されている。なお、これらのスリーブ半割体16、16にあ
っては、かかる凹溝34の軸方向両側部分における外周面
上にも、ゴム弾性体14にて、薄肉のゴム層が一体的に設
けられており、後述する外筒金具12の外挿に際してのシ
ール性が確保され得るようになっている。
さらに、かかるスリーブ半割体16、16には、それぞれ、
前記第一のポケット部26の開口部位において、第一の窓
部36が、また第二のポケット部30の開口部位において、
第二の窓部38が、それぞれ設けられており、かかる第一
の窓部36を介して第一のポケット部26が、また第二の窓
部38を介して第二のポケット部30が、それぞれ、外周面
上に開口せしめられている。
また、かかるスリーブ半割体16、16の凹溝34内に充填さ
れたゴム弾性体14には、それぞれ、第一の窓部36と第二
の窓部38との周方向対向面間において、第一のポケット
26と第二のポケット部30とを接続せしめる周溝40が周方
向に形成されている。
そして、このような内筒金具10、スリーブ半割体16、16
及びゴム弾性体14からなる一体加硫成形品に対して、そ
の外周面に対し、前記外筒金具12が外挿せしめられてい
るのである。
ここにおいて、かかる外筒金具12は、通常、第3図に仮
想線で示されている如く、スリーブ半割体16、16の対向
方向における外周面に対して外接されるだけの内径寸法
をもって形成されたものが用いられて、一体加硫成形品
に対して外嵌されることとなる。
そして、かかる外筒金具12の外嵌の後、該外筒金具12に
対して八方絞り加工等の縮径加工が施されるのであり、
それによって、第1図および第2図に示されている如
く、かかる外筒金具12の内周面が、スリーブ半割体16、
16の外周面に対して、流体密に圧接せしめられた状態
で、外挿されることとなるのである。また、かかる外筒
金具12は、そのような縮径加工の後、その軸方向両側端
部に対してロールカシメ加工が施されることにより、ス
リーブ半割体16、16に対して一体的に組み付けられてい
る。
すなわち、このような外筒金具12の外嵌及び縮径加工に
よって、前記一体加硫成形品におけるスリーブ半割体1
6、16は、その対向方向に接近する方向に、換言すれば
その周方向両側端縁部の対向面間に形成された切欠部2
2、22が縮小乃至は消滅せられる方向に変位せしめられ
ることとなるのであり、それによってゴム弾性体14に対
して、径方向の予備圧縮が加えられることとなるのであ
る。
そしてまた、このような外筒金具12の外挿によって、第
1図及び第2図に示されているように、前記ゴム弾性体
14における第一のポケット部26の第一の窓部36を通じて
の開口が、外筒金具12にて閉塞されて密閉されることに
より、第一の流体室42が形成されていると共に、前記第
二のポケット部30、30の第二の窓部38、38を通じての開
口が、それぞれ外筒金具12にて閉塞されて密閉されるこ
とにより、第二の流体室44、44が形成されているのであ
り、更にまた前記周溝40、40の開口が、それぞれ外筒金
具12にて閉塞されて密閉されることにより、かかる第一
の流体室42を第二の流体室44、44に対して、所定長さ及
び断面積をもって相互に連通せしめるオリフィス通路4
6、46が形成されているのである。
また、これら第一の流体室42、第二の流体室44、44及び
オリフィス通路46、46内には、前述の如き、外筒金具12
の一体加硫成形品に対する外嵌操作及び縮径加工が、水
やポリアルキレングリコール等の所定の非圧縮性流体中
にて行なわれることによって、それぞれ、所定の非圧縮
性流体が充填されて封入せしめられている。
そして、このようなエンジンマウントにあっては、前述
の如き、自動車への装着状態下において、パワーユニッ
トの負荷重量により、ゴム弾性体14に設けられた肉抜部
18が押し潰されて消滅されることから、上記第一の流体
室42は、振動入力に際して、即ちゴム弾性体14の弾性変
形に基づく内筒金具10の外筒金具12に対する偏心方向の
変位に伴って、その内圧が変化せしめられることとなる
のであり、それによって防振すべき振動が入力せしめら
れる受圧室として構成されているのである。
なお、かかる第一の流体室42内は、前記傘プレート28に
よって、該傘プレート28の両側端縁部と外筒金具12との
対向面間に形成された狭窄部48、48を通じて相互に連通
せしめられた、該傘プレート28を挟んで主たる振動入力
方向に位置する二つの流体室に二分せしめられている。
また一方、前記第二の流体室44、44にあっては、それぞ
れの底壁部を構成する薄肉部32、32が、変形容易な可撓
性膜として機能し得るようにされていることから、該薄
肉部32、32の弾性変形に基づいて、その容積が可変とさ
れた平衡室として構成されているのである。なお、図か
ら明らかなように、前記肉抜部20は、かかる薄肉部32、
32の膨出変形を許容する空間としても機能し得るように
されている。
そして、このような構造とされたエンジンマウントにあ
っては、良く知られているように、内外筒金具10、12間
における振動入力に際して、内筒金具10と外筒金具12と
の偏心方向における相対移動に伴って、第一の流体室42
内の流体圧の変動に基づく、オリフィス通路46、46を通
じての、第一の流体室42と第二の流体室44、44との間に
おける流体の流動、或いは第一の流体室42内における傘
プレート28の変位に基づく、狭窄部48を通じての流体の
流動が惹起せしめられることとなるのであり、そしてそ
れらオリフィス通路46及び狭窄部48に対して、それぞれ
設定された所定の周波数域の振動入力時において、流体
の流動作用乃至は液柱共振作用に基づく所定の防振効果
が発揮され得ることとなるのである。
具体的には、例えば、エンジンシェイク等の低周波数域
の振動入力時に、オリフィス通路46、46を通じての流体
の流動に基づいて、優れた振動減衰効果が発揮され得る
ように、また該オリフィス通路46が実質的に閉塞状態と
なるこもり音やエンジン透過音等の中乃至高周波数域の
振動入力時に、狭窄部48を通じての流体の流動に基づい
て、低動ばね効果が発揮され得るように、それらのオリ
フィス通路46、46及び狭窄部48の流通断面積や長さ等が
チューニングせしめられることとなる。
そして、そこにおいて、上述の如き構造とされたエンジ
ンマウントにあっては、ゴム弾性体14と外筒金具12との
連結部に介装されて、それらを流体密に組み付ける剛性
スリーブが、半円筒形状を呈する一対のスリーブ半割体
16、16にて構成されていることから、所定大きさに切断
された鋼板を用いたプレス加工にて容易に形成すること
ができ、また第一及び第二の窓部36、38の打抜加工も容
易に行なうことができるのであり、それ故鋼管を用いる
従来のものに比して、製造が極めて容易となると共に、
材料及び製造コストの低減が有利に達成され得ることと
なるのである。
また、かかる構造のエンジンマウントにあっては、ゴム
弾性体14の加硫時に生ぜしめられる収縮による応力を低
減せしめて、接着強度を高めるために必要とされる、ゴ
ム弾性体14に対する予備圧縮が、外筒金具12の外挿によ
る流体封入と同時に、有効に為され得ることとなり、か
かる予備圧縮のための特別な工程が不要となるところか
ら、製造工程の簡略化をも、有利に図られ得るのであ
る。
さらに、かかる構造のエンジンマウントに、おいては、
第一の流体室42を形成する第一のポケット部26がゴム弾
性体14を軸方向に直角な方向に貫通して形成されている
と共に、第二の流体室44,44を形成する第二のポケット
部30,30が周方向に所定距離を隔てて形成されているこ
とから、それら第一及び第二の流体室42,44のいずれ
も、スリーブ半割体16、16間の切欠部22によって、流体
密性が阻害されることがない。
また、オリフィス通路46,46は、各スリーブ半割体16の
外周面上に形成されていることから、スリーブ半割体1
6、16間の切欠部22によって、流体密性が阻害されるこ
とがないのであり、しかも、そのようにオリフィス通路
46が、スリーブ半割体16と外筒金具12の間に形成されて
いることから、特別なオリフィス部材も不要となり、構
造の簡略化と製造性の向上が、共に有利に達成され得る
のである。
以上、本考案の一実施例について詳述してきたが、これ
は文字通りの例示であって、本考案は、かかる具体例に
のみ限定解釈されるものではない。
例えば、前記実施例にあっては、切欠部22、22が、それ
ぞれ、肉抜部18、20に対して連通されてなる形態をもっ
て形成されていたが、かかる肉抜部18、20は、本考案に
おいて必須のものではなく、切欠部を、そのような肉抜
部に連通することなく、楔形等の適当な断面形状をもっ
て形成することは、勿論可能である。
また、前記実施例では、平衡室としての第二の流体室44
が二つ形成されていたが、平衡室は一つ或いは三つ以上
でも良く、更に、オリフィス通路の長さや断面積,形状
等は、要求される防振特性に応じて設定されるものであ
って、前記実施例に限定されるものではない。
さらに、前記実施例における平衡室たる第二の流体室44
にあっては、底壁部に薄肉部32が形成されていたが、軸
方向側壁部に対して薄肉部を設定するようにしても良
い。
また、前記実施例においては、外筒金具12の外挿によっ
て、一対のスリーブ半割体16、16間の切欠部22が消滅さ
れるようになっていたが、かかる切欠部22は、製品状態
において、或る程度の大きさをもって存在していても差
支えない。
加えて、前記実施例にあっては、自動車のエンジンマウ
ントに対して、本考案を適用したものの一例を示した
が、本考案は、その他各種装置のマウントとして、有利
に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本考案は当業者の知識に
基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様にお
いて実施され得るものであり、またそのような実施態様
が、本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも本考案の範
囲内に含まれるものであることは、言うまでもないとこ
ろである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に従う構造とされた流体封入式円筒型マ
ウントの一実施例たるエンジンマウントを示す横断面図
であり、第2図は第1図におけるII−II断面図であり、
第3図はかかるエンジンマウントを構成する一体加硫成
形品を示す横断面図であり、第4図は第3図におけるIV
−IV断面図であり、第5図は第3図におけるV−V断面
図である。 10:内筒金具、12:外筒金具 14:ゴム弾性体、16:スリーブ半割体 18,20:肉抜部、22:切欠部 26:第一のポケット部 30;第二のポケット部、32:薄肉部 36:第一の窓部、38:第二の窓部 42:第一の流体室(受圧室) 44:第二の流体室(平衡室) 46:オリフィス通路

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内筒金具と、該内筒金具の径方向外方に同
    心的に若しくは偏心して配された剛性スリーブとを、ゴ
    ム弾性体にて連結せしめ、該ゴム弾性体内に、前記剛性
    スリーブに設けられた窓部を通じて開口せしめられる複
    数のポケット部を形成し且つそれらポケット部の一部の
    ものの壁部を薄肉化して変位可能とすると共に、かかる
    剛性スリーブに対して外筒金具を外挿せしめて、それら
    複数のポケット部の開口を閉塞せしめることにより、そ
    れぞれ所定の非圧縮性流体が封入された、防振すべき振
    動が入力される受圧室と、少なくとも一部が前記薄肉化
    壁部にて画成された容積可変の平衡室とを形成し、そし
    てそれら受圧室と平衡室とをオリフィス通路にて相互に
    連通せしめてなる流体封入式円筒型マウントにおいて、 前記受圧室を形成するポケット部を、前記内筒金具を径
    方向に挟んだ一方の側において前記ゴム弾性体をマウン
    ト軸方向に直角な方向に貫通して設けると共に、前記平
    衡室を形成するポケット部を、前記内筒金具を径方向に
    挟んだ他方の側において周方向に所定距離だけ偏倚して
    設ける一方、前記剛性スリーブを、前記内筒金具を前記
    受圧室と前記平衡室が対向する径方向に挟んで位置す
    る、前記窓部の位置しない部位において軸方向に分割さ
    れた一対の半円筒状半割体にて構成せしめて、それぞれ
    の周方向両側端縁部が互いに所定距離を隔てて対向せし
    められる状態下で、前記ゴム弾性体にて連結すると共
    に、それら一対の半割体の周方向端縁部の対向面間に位
    置するゴム弾性体に対して、前記ポケット部に連通する
    ことなく、軸方向全長に亘って延びる所定深さの切欠部
    を形成し、更に、前記半割体の外周面上に、前記受圧室
    を形成するポケット部と前記平衡室を形成するポケット
    部の間に跨がって周方向に延びる凹溝を形成せしめ、そ
    して前記外筒金具の外挿によって、前記ゴム弾性体に対
    してマウント径方向の圧縮を及ぼすと共に、前記凹溝を
    覆蓋せしめて前記半割体と前記外筒金具の間に前記オリ
    フィス通路を形成したことを特徴とする流体封入式円筒
    型マウント。
  2. 【請求項2】前記切欠部が、前記ゴム弾性体内をマウン
    ト軸方向に貫通して形成された肉抜部に対して、連通せ
    しめられている請求項(1)記載の流体封入式円筒型マ
    ウント。
  3. 【請求項3】前記複数のポケット部のうちの一部のもの
    のマウント径方向内側に位置して、前記ゴム弾性体内を
    マウント軸方向に貫通する肉抜部が形成されていること
    によって、かかるポケット部の底壁部が、前記薄肉化壁
    部として構成されている請求項(1)又は(2)記載の
    流体封入式円筒型マウント。
JP1988004953U 1988-01-19 1988-01-19 流体封入式円筒型マウント Expired - Lifetime JPH0643556Y2 (ja)

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JPS62224746A (ja) * 1986-03-27 1987-10-02 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振支持体

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