JPH0643503Y2 - アクチエ−タ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はダイヤフラムポンプの駆動子を往復動させるに
適するアクチエーターに係り、駆動子の往復動を圧電振
動子により行うアクチエーターに関する。

（従来の技術） 従来、ダイヤフラムポンプ等の振動形流体ポンプは、一
つの壁面がダイヤフラムとなっているケーシングに吸込
側逆止弁を有する吸込口と吐出側逆止弁を有する吐出口
とを設け、ダイヤフラムの駆動子に永久磁石を固定し、
この永久磁石に電磁石を対向配置して駆動子を駆動して
いる。

このような電磁ポンプは電磁石に交流電流を通電して両
磁石間に作用する吸引・反発力により駆動子を往復動さ
せ、ダイヤフラムを振動させて流体を吸込口より吸込側
逆止弁を通して吸い込み、吸い込んだ流体を吐出口より
吐出側逆止弁を通して吐出するものである。

また、本考案者は、前記の電磁石による駆動の代わりに
圧電振動子の振動を利用したものを提案した（実開昭63
-82078号公報）。このポンプはケーシングの内壁に圧電
振動子の外周を固定し、ケーシングに吸込側逆止弁を有
する吸込口と吐出側逆止弁を有する吐出口とを設けてな
る圧電ポンプである。

この圧電ポンプは圧電振動子の電極間に交流電圧を印加
してこれを振動させ、流体の吸込み・吐出を行うもので
ある。

しかしながら、この圧電ポンプは圧電素子の組み立てが
複雑であるという問題がある。

これは第４図の断面図のように、１つの壁面がダイヤフ
ラム４となっているケーシング９に吸込側逆止弁10を有
する吸込口７と吐出側逆止弁５を有する吐出口６とを設
け、前記ダイヤフラム４をこれに連結した駆動子３の往
復動で振動させることにより流体を圧送する流体ポンプ
の駆動子３に圧電振動子１の一端を弾性絶縁材２を介し
て連結し、この圧電振動子１の他端を絶縁支持材15を介
してフレーム11で支持してなるものである。図中、14
a、14bはリード線である。

圧電振動子１の電極13aと13b及び13c（13bと13cとは並
列接続してある）間に交流電圧を印加すると、この圧電
振動子１は振動し、その振幅は圧電振動子１が片持ちで
支持されているために大きく、圧電振動子１に連結され
ている駆動子３は電源の周波数で共振して大きく往復動
せしめられ、これによりダイヤフラム４が大きく振動
し、流体を圧送するものである。更に、振幅を大きくす
るために振動子３には電源周波数で共振するような重り
８が付加してある。

この例では振幅を更に大きくするために第５図示のよう
に前記電極13aをシム16とし、この両面に板状圧電体1
2、12を形成し、その外側に電極13b、13cを設けて並列
接続したものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上述の内、前者の電磁ポンプは磁界が発生するので電磁
ノイズの問題がある上、磁気ディスクをハンドリングす
る装置等のエアー源としては磁気ディスクが磁界の影響
を受け易いために使用出来ない。

また電磁石を用いているので大形で重量が重くなり、消
費電力が多く、発熱する等の問題点がある。

後者の圧電ポンプは圧電振動子１の組み立てが複雑で、
面倒である。

本考案は上述の問題を解決して、周辺機器に影響を及ぼ
さず、かつ、効率良く、しかも組み立ての容易なアクチ
エーターを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上述の目的を達成するために、板状圧電体12を帯状の弾
性板状体からなるシム16に添着すると共に、シム16の両
端を板状圧電体12より延長せしめてその一端に貫通孔17
を設けた圧電振動子１を形成し、該圧電振動子１の貫通
孔17に棒状駆動子を挿通すると共に、弾性体からなるス
ペーサー19を駆動子18に嵌合して駆動子18と複数の圧電
振動子１を結合一体化し、これをフレーム11に挿入して
前記圧電振動子１のシム16の端部をフレーム１の内部凹
部に嵌合固定してなるアクチエーターを提供するもので
ある。

（作用） 上述のように、圧電振動子１と駆動子が一体的に形成さ
れているので、組み立ての場合には駆動子３を挿入して
固定すればよく、複数の圧電振動子１を設けた場合でも
組み立てが容易である。

（実施例） 本考案アクチエーターの圧電振動子１は、第１図（平面
図）、第２図（側面図）に示したように、金属薄板等の
帯状の弾性板状体よりなるシム16に板状圧電体12が添着
されると共に、シム16は板状圧電体12より延長せしめ、
一方には駆動子３が貫通する貫通孔17が穿設されてい
る。

第２図は二種類の圧電振動子１を示したもので、（イ）
はシム16の片面にのみ板状圧電体12を設けたもので、
（ロ）は両面に板状圧電体12を設けてバイモルフ型とし
たものである。

第３図は本考案のアクチエーターを圧電ポンプに適用し
た場合の部分断面図である。この例は複数の圧電振動子
１を使用した例である。即ち、リン青銅、ステンレス
鋼、鉄鋼等の金属薄板を長方形に裁断し、一端に貫通孔
17を穿設してシム16とする。このシム16の片面若しくは
両面に圧電体セラミックスからなる板状圧電体12を形成
させ、この板状圧電体12の表面にアルミニュームを蒸着
して電極20として圧電振動子１を形成する。

得られた圧電振動子１の貫通孔17に絶縁性ロッド18から
なる棒状駆動子３を挿通すると共に弾性体製のスペーサ
ー19a、19bを嵌合させ、これを順次繰り返して圧電振動
子1a、1b、1c、・・を絶縁ロッド18に弾性的に結合す
る。

必要に応じてスペーサー19と絶縁ロッド18を接着剤を用
いて接着しても良い。

こうして得られた駆動子３（絶縁ロッド18）と複数の圧
電振動子１とが一体化した駆動体部をフレーム11内に挿
入して、シム16の先端部をフレーム11内面の嵌合凹部に
嵌合することによって組立てることが出来る。

このシム16と電極20間に電源より交流電圧を印加するこ
とによって振動させることが出来る。前記両面形の場合
はシム16の両面の板状圧電体12の電極20を並列に接続し
てシム16と電極20との間に同様に交流電圧を印加する。

（考案の効果） 上述のように、圧電振動子１は１枚のシム16毎に単独に
形成されており、スペーサー19と交互に絶縁性ロッド18
を通してゆき、必要枚数を貫通させた後に図示しない締
付け具でスペーサー19とシム16とを締付けて挟持すれば
良いので、締付け部分に必要最小限度の自由度でシム16
と絶縁性ロッド18とを連結出来、この部分でのエネルギ
ー損失を最小に止めることが可能である。

また、上述のような組み立て方法であるので、組み立て
が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の圧電振動子の平面図、第２図は同じく
側面図で、（イ）は片面形のもの、（ロ）は両面形のも
の、第３図は構成されたアクチエーターの部分断面図、
第４図は従来のアクチエーターを用いた圧電ポンプの断
面図、第５図は同じく両面形圧電振動子の一例の断面図
である。 1:圧電振動子、3:駆動子、11:フレーム、12:板状圧電
体、16:シム、17:貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板状圧電体を帯状の弾性板状体からなるシ
   ムに添着すると共に、シムの両端を板状圧電体より延長
   せしめてその一端に貫通孔を設けた圧電振動子を形成
   し、該圧電振動子の貫通孔に棒状駆動子を挿通すると共
   に、弾性体からなるスペーサーを駆動子に嵌合して駆動
   子と複数の圧電振動子を結合一体化し、これをフレーム
   に挿入して前記圧電振動子のシムの端部をフレームの内
   部凹部に嵌合固定してなるアクチエーター。