JPH0643370U - 一方向クラッチ - Google Patents

一方向クラッチ

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JPH0643370U
JPH0643370U JP7865292U JP7865292U JPH0643370U JP H0643370 U JPH0643370 U JP H0643370U JP 7865292 U JP7865292 U JP 7865292U JP 7865292 U JP7865292 U JP 7865292U JP H0643370 U JPH0643370 U JP H0643370U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保持器によって特定のスプラグの周方向また
は軸方向への動きが必要以上に規制されないようにす
る。 【構成】 外側保持器11の側端を折り曲げて形成する
鍔部13の折曲量を全周に渡って同一にし、鍔部13の
外径を外輪の軌道径よりやや大きくする。外側保持器1
1を周方向に3等分する位置に在るポケット12の箇所
における鍔部13を切除してこのポケット12を開放し
て鍔部13に弾性力を持たせる。こうすることによっ
て、鍔部13の弾性力によって外側保持器11を外輪に
固定した際に、外側保持器11を外輪と同心に保持でき
る。したがって、特定のポケットにおけるスプラグとの
周方向のクリアランスが狭くなって、特定のスプラグの
周方向への動きが必要以上に規制されることを防止でき
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、一方向クラッチの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一方向クラッチとして図5に示すようなものがある。但し、図5(a)は 正面図であり、図5(b)は図5(a)におけるA矢視部分側面図である。図5におい て、外側保持器1の周面に沿って当間隔で1列に穿設された略矩形のポケット2 内にはスプラグ8が配置される。また、外側保持器1の側端には、半径方向外側 に向かって所定量だけ折り曲げて成る鍔部3を有している。
【0003】 上記外側保持器1における任意の隣接するポケット2,2の箇所の鍔部3側を 切除して上記一対のポケットを開放してTバー4を形成している。そして、この Tバー4の箇所を外側に押し広げて、外側保持器1の中心からTバー4の鍔部3 'の端面までの距離をこの外側保持器1が装着される外輪(図示せず)における軌 道面の半径よりも大きくしている。こうして、外側保持器1を外輪に装着した際 におけるTバー4の弾性力によって、Tバー4の鍔部3'の端面を外輪の軌道面 に押し付けて外側保持器1を外輪に対して固定するのである。
【0004】 図6は、図5とは異なる従来例における外側保持器10と外輪7とを裏側から 見た部分図である。この従来例におけるTバー5は、外側保持器10における少 なくとも1個以上のポケット2を介在した一対のポケット2,2の箇所の鍔部3' 側を切除して上記一対のポケットを開放して形成している。こうして、Tバー5 の鍔部3'の端面が外輪7の軌道面に当接する際におけるTバー5の周方向への 橈みを無くすようにしている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の一方向クラッチにおいては、外側保持器1の中心か らTバー4の鍔部3'の端面までの距離を外輪における軌道面の半径よりも大き くしている。したがって、外側保持器1を外輪に装着した際に、図7(図5にお けるイ−イ矢視断面図)に示すように、Tバー4の端面が外輪の軌道面を押す力 の反力によって、外側保持器1全体が一点鎖線で示す位置1'から反Tバー側に ずれて、外側保持器1が外輪7に対して偏心する。その結果、外側保持器1の反 Tバー側におけるポケット2のスプラグ8に対する位置がスプラグ8の先端部に おける幅の広い箇所に位置するようなる。 したがって、特定のポケット2におけるスプラグ8との周方向のクリアランス が狭くなって、特定のスプラグ8の動きが必要以上に規制されるという問題があ る。
【0006】 また、上述のように、上記外側保持器1の中心から鍔部3'の端面までの距離 を外輪における軌道面の半径より大きくするために外側保持器1のTバー4の箇 所を外側に押し広げている。したがって、図7に示すように、Tバー4の箇所が Tバー4以外の外側保持器1の位置(点線で示した位置)よりも外側に歪んで軸に 対して水平にはならない。その結果、Tバー4の箇所におけるポケット2とスプ ラグとの軸方向のクリアランスがTバー4以外の箇所のポケットよりも狭くなっ て、Tバー4の箇所のスプラグ8の軸方向への動きも必要以上に規制されるとい う問題もある。
【0007】 そこで、この考案の目的は、保持器によって特定のスプラグの周方向または軸 方向への動きが必要以上に規制されない一方向クラッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の考案は、外輪と内輪との間に周方向に所定間 隔をあけて配置されたスプラグと、円筒状を成す周面に周方向に沿って穿設され るポケットによって上記スプラグを上記所定間隔を保って保持する保持器と、上 記スプラグを上記外輪と内輪とに対して噛み合い方向に付勢するスプリングを有 する一方向クラッチであって、上記保持器は、側端部を半径方向外側に向かって 所定量だけ折り曲げて形成された鍔部を有すると共にこの鍔部の外径を上記外輪 の軌道径よりも大きく成し、周方向に等分割する位置近傍に在るポケットの箇所 の鍔部が切除されてこのポケットが開放されていることを特徴としている。
【0009】 また、第2の考案は、外輪と内輪との間に周方向に所定間隔をあけて配置され たスプラグと、円筒状を成す周面に周方向に沿って穿設されるポケットによって 上記スプラグを上記所定間隔を保って保持する保持器と、上記スプラグを上記外 輪と内輪とに対して噛み合い方向に付勢するスプリングを有する一方向クラッチ であって、上記保持器は、側端部を半径方向外側に向かって所定量だけ折り曲げ て形成された鍔部を有すると共にこの鍔部の外径を上記外輪の軌道径に等しく成 したことを特徴としている。
【0010】 また、第3の考案は、外輪と内輪との間に周方向に所定間隔をあけて配置され たスプラグと、円筒状を成す周面に周方向に沿って穿設されるポケットによって 上記スプラグを上記所定間隔を保って保持する保持器と、上記スプラグを上記外 輪と内輪とに対して噛み合い方向に付勢するスプリングを有する一方向クラッチ であって、上記保持器は、側端部を半径方向外側に向かって所定量だけ折り曲げ て形成された鍔部を有すると共に略対向する一対のポケットの箇所の鍔部が切除 されて上記一対のポケットが開放されており、中心から上記一対の切除箇所間に おける鍔部の端面までの距離を上記外輪の軌道面の半径よりも大きく成す一方、 上記一対の切除箇所間以外の鍔部の外径を上記外輪の軌道径に等しく成したこと を特徴としている。
【0011】
【作用】
第1の考案の一方向クラッチでは、外輪と内輪との間に周方向に配置されるス プラグを所定間隔をあけて保持する保持器には、その側端部を半径方向外側に向 かって所定量だけ折り曲げて形成された鍔部が設けられている。そして、この鍔 部の外径が上記外輪の軌道径よりも大きく形成され、且つ、上記保持器を周方向 に等分割する位置近傍に在るポケットの箇所の鍔部が切除されてこのポケットが 開放されている。
【0012】 したがって、上記一方向クラッチが外輪と内輪との間に装着される際には、上 記保持器における鍔部は全周に渡って内側に均一に橈んで、上記保持器が上記外 輪と同心に保持される。こうして、総てのポケットにおけるスプラグとの周方向 のクリアランスが一定に保たれて、総てのスプラグの周方向への動きの規制量が 一定となる。
【0013】 また、第2の考案の一方向クラッチでは、外輪と内輪との間に周方向に配置さ れるスプラグを保持する保持器の側端部に設けられた鍔部の外径が上記外輪の軌 道径に等しく形成されている。 したがって、上記一方向クラッチが外輪と内輪との間に装着される際には、上 記保持器における鍔部には橈みやずれが生ずることはなく、上記保持器が上記外 輪と同心に且つ軸に平行に保持される。こうして、総てのポケットにおけるスプ ラグとの周方向および軸方向のクリアランスが一定に保たれて、総てのスプラグ の周方向および軸方向への動きの規制量が一定となる。
【0014】 また、第3の考案の一方向クラッチでは、外輪と内輪との間に周方向に配置さ れるスプラグを保持する保持器における略対向する一対のポケットの箇所の鍔部 が切除されて上記一対のポケットが開放されている。そして、上記保持器の中心 から上記一対の切除箇所間における鍔部の端面までの距離が上記外輪の軌道面の 半径よりも大きく形成される一方、上記一対の切除箇所間以外の鍔部の外径が上 記外輪の軌道径に等しく形成されている。
【0015】 したがって、上記一方向クラッチが外輪と内輪との間に装着される際には、上 記保持器における上記一対の切除箇所間の鍔部の弾性力によって上記保持器は外 輪に対して固定される。又、上記一対の切除箇所間以外の鍔部には橈みやずれが 生ずることはなく、上記保持器は上記外輪と同心に且つ軸に平行に保持される。 こうして、総てのポケットにおけるスプラグとの周方向および軸方向のクリア ランスが一定に保たれて、総てのスプラグの周方向および軸方向への動きの規制 量が一定となる。
【0016】
【実施例】
以下、この考案を図示の実施例により詳細に説明する。 図1は本実施例の一方向クラッチを示す。但し、図1(a)は正面図であり、図 1(b)は図1(a)におけるB矢視部分側面図である。 本実施例の一方向クラッチにおける外側保持器11は円筒状を成しており、そ の周面に沿って略矩形のポケット12を当間隔で1列に穿設する。このポケット 12内にはスプラグ14を配置する。そして、このスプラグ14の一方向への回 転による楔作用で内輪と外輪とをロックする一方、反対方向への回転による空転 によって内輪を外輪に対して空転させる。 また、上記外側保持器11の側端には、半径方向外側に向かって所定量だけ折 り曲げて鍔部13を形成する。
【0017】 本実施例における外側保持器11の鍔部13の外径は、この外側保持器11が 装着される外輪の軌道径よりもやや大きくする。そして、外側保持器11を周方 向に当間隔に3分割する位置近傍に在るポケット12の箇所における鍔部13を 図1(b)に示すように切除してこのポケット12を開放する。このように、外側 保持器11の鍔部13を等分割することによって、鍔部13に弾性を持たせるの である。 尚、15は上記スプラグ14を外側保持器11よりも内側で保持する内側保持 器であり、16はスプラグ14を噛み合い方向に付勢するリボンスプリングであ る。
【0018】 したがって、本実施例における一方向クラッチを図2(図1におけるロ−ロ矢 視断面図)に示すように外輪17と内輪18との間に装着した場合には、鍔部1 3の外径が外輪17の軌道径よりもやや大きく設定されているので鍔部13の弾 性力によって鍔部13の端面が外輪17の軌道面に押し付けられて、外側保持器 11は外輪17に固定されるのである。
【0019】 その際に、上記外側保持器11の鍔部13は必然的に内側に橈むことになる。 ところが、本実施においては上記鍔部13の折曲量は全周に渡って同じになって おり、且つ、鍔部13は等分割されているので、鍔部13は全周に渡って同等に 内側に橈むことになる。その結果、外側保持器11は外輪17と同心に保持され るのである。 したがって、上記外側保持器11に設けられた総てのポケット12におけるス プラグ14との周方向のクリアランスは一定となり、特定のスプラグ14の周方 向への動きが異常に規制されることはないのである。
【0020】 さらに、上記一方向クラッチを外輪17と内輪18との間に装着した際には、 鍔部13の橈みによって外側保持器11が軸に対して傾く。したがって、そのま まではポケット12とスプラグ14との軸方向のクリアランスが狭くなってスプ ラグ14の軸方向への動きが必要以上に規制されることになる。 そこで、本実施例においては、上記外側保持器11における鍔部13の折り曲 げ形状を、外側保持器11が外輪17内に装着されて鍔部13が内側に橈んだ際 に外側保持器11が軸に平行になるような形状にするのである。
【0021】 こうすることによって、上記外側保持器11を外輪17内に装着した際におけ る総てのポケット12におけるスプラグ14との軸方向のクリアランスを本来必 要とするクリアランスに設定でき、特定のスプラグ14の軸方向の動きが異常に 規制されることはないのである。
【0022】 上述のように、本実施例の一方向クラッチにおいては、外側保持器11の側端 部に設けられた鍔部13の折曲量を全周に渡って同じにすると共に、鍔部13の 外径を外輪17の軌道径よりもやや大きくする。そして、外側保持器11を周方 向に等分割する位置に在るポケット12の箇所の鍔部13を切除して上記ポケッ ト12を開放し、鍔部13に弾性を持たせている。 したがって、上記一方向クラッチを外輪17内に装着した場合に、鍔部13が 全周に渡って一様に橈むので外側保持器11を外輪17と同心に保つことができ る。その結果、特定のポケット12におけるスプラグ14との周方向のクリアラ ンスが狭くなって、そのスプラグ14の周方向への動きが必要以上に規制される ことを防止できる。
【0023】 さらに、上記一方向クラッチにおいては、鍔部13の折り曲げ形状を外側保持 器11が外輪17内に装着されて鍔部13が内側に橈んだ際に外側保持器11が 軸に平行になるような形状にしている。 したがって、上記一方向クラッチを外輪17内に装着して鍔部13が橈んだ際 に、外側保持器11を軸に対して平行に保つことができる。その結果、特定のポ ケット12におけるスプラグ14との軸方向のクリアランスが狭くなって、その スプラグ14の軸方向の動きが必要以上に規制されることを防止できる。
【0024】 上記実施例においては、上記外側保持器11の鍔部13を3分割しているが、 この考案はこれに限定されるものではない。要は、鍔部13が全周に渡って一様 に橈むことができるように等分割されていればよいのである。
【0025】 図3は他の実施例における一方向クラッチを示す。尚、図3(a)は正面図であ り、図3(b)は図3(a)におけるC矢視部分断面図である。 この一方向クラッチは、保持器21一枚のみでスプラグ24を保持する一方向 クラッチである。
【0026】 上記保持器21は円筒状を成しており、その周面に沿ってポケット22を当間 隔で1列に穿設する。また、保持器21の両側端を半径方向外側に向かって所定 量だけ折り曲げて鍔部23,23'を形成する。
【0027】 本実施例における保持器21の鍔部23,23'の外径は、この保持器21が装 着される外輪の軌道径と等しくする。そして、保持器21を周方向に当間隔に3 分割する位置に在るポケット22の箇所における一方の鍔部23を図3(b)に示 すように切除して上記ポケット22を開放する。 尚、26はスプラグ14を噛み合い方向に付勢するリボンスプリングである。
【0028】 本実施例における一方向クラッチを図4(図3におけるハ−ハ矢視断面図)に示 すように外輪27と内輪28との間に装着した場合には、鍔部23,23'の外径 が外輪27の軌道径と同じに設定されているので鍔部23,23'の外側端面が外 輪27の軌道面に当接して、保持器21は鍔部23'の端面の摩擦力によって外 輪27に固定されるのである。 その際に、上述のように保持器21の両側端の2箇所に鍔部23,23'が設け てあるので、外輪27の軌道面との接触面積が増加してより確実に保持器21が 外輪27に対して固定されるのである。
【0029】 こうして上記外輪27内に装着された一方向クラッチの保持器21は、全周に 渡って折曲量が等しく形成された鍔部23,23'には橈みやずれが生じないので 保持器21は外輪27と同心になる。したがって、保持器21に設けられた総て のポケット22におけるスプラグ24との周方向のクリアランスは一定となり、 特定のスプラグ24の周方向への動きが異常に規制されることはないのである。
【0030】 さらに、上記一方向クラッチを外輪27と内輪28との間に装着した際には、 鍔部23,23'は橈まないので保持器21は常に軸に平行になる。したがって、 総てのポケット22におけるスプラグ24との軸方向のクリアランスは本来必要 とするクリアランスに設定されて、特定のスプラグ24の軸方向の動きが異常に 規制されることはないのである。
【0031】 上述のように、本実施例の一方向クラッチにおいては、保持器21の両側端に 設けられた鍔部23,23'の折曲量を全周に渡って同じにするとともに、鍔部2 3,23'の外径を外輪17の軌道径と同じにしている。 したがって、上記一方向クラッチを外輪27内に装着した場合に、鍔部23, 23'の端面が全周に渡って一様に外輪27の軌道面に当接するので保持器21 を外輪27と同心に保つことができる。その結果、特定のポケット22における スプラグ24との周方向のクリアランスが狭くなって、そのスプラグ24の周方 向への動きが必要以上に規制されることを防止できる。
【0032】 さらに、上記一方向クラッチにおいては、外輪27内に装着された際に鍔部2 3,23'は橈まないので保持器21を常に軸に平行に保持できる。したがって、 特定のポケット22におけるスプラグ24との軸方向のクリアランスが狭くなっ て、そのスプラグ24の軸方向への動きが必要以上に規制されることを防止でき る。
【0033】 以下に述べる実施例における一方向クラッチは上記2つの実施例を組み合わせ た構成を有する。 すなわち、本実施例における一方向クラッチの保持器では、略対向する1対の ポケットの箇所の鍔部を切除し上記一対のポケットを開放する。そして、保持器 の中心から上記一対の切除箇所間における鍔部の端面までの距離を外輪の軌道面 の半径よりもやや大きく設定する一方、上記一対の切除箇所間以外の鍔部の外径 を外輪の軌道径と同じに設定するのである。
【0034】 上記構造を有する一方向クラッチを外輪と内輪との間に装着した際には、上記 一対の切除箇所間(以下、大径部と言う)における鍔部の半径が外輪の軌道面の半 径よりも大きく設定されているので、上記大径部の弾性力によって保持器は外輪 に固定される。その際に、保持器全体は上記大径部の鍔部が受ける反力によって 反大径部側にずれようとする。ところが、上記大径部以外の箇所における鍔部の 外径が外輪の軌道径と同じになっているので、保持器はずれることができないの である。 したがって、上記一方向クラッチを外輪と内輪との間に装着した際に、保持器 を外輪と同心に且つ軸と平行に保つことができるのである。その結果、特定のポ ケットにおけるスプラグとの周方向および軸方向のクリアランスが狭くなること がなく、そのスプラグの周方向および軸方向への動きが必要以上に規制されるこ とを防止できる。
【0035】 図1に示す実施例においては、弾性力を利用する外側保持器を2枚保持器の一 方向クラッチに適用している。また、図3に示す実施例においては、鍔部の外径 が外輪の軌道径と同じ保持器を1枚保持器の一方向クラッチに適用している。し かしながら、この考案はこれらの組み合わせに限定されるものではなく、使用さ れる環境に応じて適宜に決めればよい。
【0036】
【考案の効果】
以上より明らかなように、第1の考案の一方向クラッチは、スプラグを所定間 隔で保持する保持器の側端部を半径方向外側に向かって所定量だけ折り曲げて形 成した鍔部の外径を外輪の軌道径よりも大きくし、上記保持器を周方向に等分割 する位置近傍に在るポケットの箇所の鍔部を切除してこのポケットを開放したの で、この一方向クラッチを外輪と内輪との間に装着して上記鍔部の弾性力によっ て上記保持器を外輪に固定した際に、上記鍔部は全周に渡って一様に橈んで保持 器を上記外輪と同心に保つことができる。 したがって、この考案によれば、上記保持器によって特定のスプラグの周方向 の動きが必要以上に規制されることがない。
【0037】 また、第2の考案の一方向クラッチは、スプラグを所定間隔で保持する保持器 の側端部を半径方向外側に向かって所定量だけ折り曲げて形成した鍔部の外径を 外輪の軌道径に等しく成したので、この一方向クラッチを外輪と内輪との間に装 着して上記鍔部の外側端面の摩擦力によって上記保持器を外輪に固定した際に、 上記鍔部は橈むことがなく保持器を上記外輪と同心に且つ軸に平行に保つことが できる。 したがって、この考案によれば、上記保持器によって特定のスプラグの周方向 および軸方向への動きが必要以上に規制されることがない。
【0038】 また、第3の考案の一方向クラッチは、スプラグを周方向に所定間隔で保持す る保持器の側端部を半径方向外側に向かって所定量だけ折り曲げて形成された鍔 部を有すると共に略対向する一対のポケットの箇所の鍔部を切除してこの一対の ポケットを開放し、上記保持器の中心から上記一対の切除箇所間における鍔部の 端面までの距離を外輪の軌道面の半径よりも大きく成す一方、上記一対の切除箇 所間以外の鍔部の外径を上記外輪の軌道径に等しく成したので、この一方向クラ ッチを外輪と内輪との間に装着して上記一対の切除箇所間における鍔部の弾性力 によって上記保持器を外輪に固定した際に、上記一対の切除箇所間以外の箇所の 鍔部は橈むことがなく保持器を上記外輪と同心に且つ軸に平行に保つことができ る。 したがって、この考案によれば、上記保持器によって特定のスプラグの周方向 および軸方向への動きが必要以上に規制されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一方向クラッチの一実施例における
正面図及び部分側面図である。
【図2】図1におけるロ−ロ矢視断面図である。
【図3】他の実施例における正面図及び部分側面図であ
る。
【図4】図3におけるハ−ハ矢視断面図である。
【図5】従来の一方向クラッチにおける正面図及び部分
側面図である。
【図6】他の従来例における外側保持器および外輪の部
分図である。
【図7】図5におけるイ−イ矢視断面図である。
【符号の説明】
11…外側保持器、 12,22…ポケ
ット、13,23,23'…鍔部、 14,24
…スプラグ、16,26…リボンスプリング、 1
7,27…外輪、18,28…内輪、
21…保持器。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪と内輪との間に周方向に所定間隔を
    あけて配置されたスプラグと、円筒状を成す周面に周方
    向に沿って穿設されるポケットによって上記スプラグを
    上記所定間隔を保って保持する保持器と、上記スプラグ
    を上記外輪と内輪とに対して噛み合い方向に付勢するス
    プリングを有する一方向クラッチであって、 上記保持器は、 側端部を半径方向外側に向かって所定量だけ折り曲げて
    形成された鍔部を有すると共に、この鍔部の外径を上記
    外輪の軌道径よりも大きく成し、 周方向に等分割する位置近傍に在るポケットの箇所の鍔
    部が切除されてこのポケットが開放されていることを特
    徴とする一方向クラッチ。
  2. 【請求項2】 外輪と内輪との間に周方向に所定間隔を
    あけて配置されたスプラグと、円筒状を成す周面に周方
    向に沿って穿設されるポケットによって上記スプラグを
    上記所定間隔を保って保持する保持器と、上記スプラグ
    を上記外輪と内輪とに対して噛み合い方向に付勢するス
    プリングを有する一方向クラッチであって、 上記保持器は、 側端部を半径方向外側に向かって所定量だけ折り曲げて
    形成された鍔部を有すると共に、この鍔部の外径を上記
    外輪の軌道径に等しく成したことを特徴とする一方向ク
    ラッチ。
  3. 【請求項3】 外輪と内輪との間に周方向に所定間隔を
    あけて配置されたスプラグと、円筒状を成す周面に周方
    向に沿って穿設されるポケットによって上記スプラグを
    上記所定間隔を保って保持する保持器と、上記スプラグ
    を上記外輪と内輪とに対して噛み合い方向に付勢するス
    プリングを有する一方向クラッチであって、 上記保持器は、 側端部を半径方向外側に向かって所定量だけ折り曲げて
    形成された鍔部を有すると共に、略対向する一対のポケ
    ットの箇所の鍔部が切除されて上記一対のポケットが開
    放されており、 中心から上記一対の切除箇所間における鍔部の端面まで
    の距離を上記外輪の軌道面の半径よりも大きく成す一
    方、上記一対の切除箇所間以外の鍔部の外径を上記外輪
    の軌道径に等しく成したことを特徴とする一方向クラッ
    チ。
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