JP2601550Y2 - 一方向クラッチのエンドベアリング - Google Patents
一方向クラッチのエンドベアリングInfo
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- JP2601550Y2 JP2601550Y2 JP1993037927U JP3792793U JP2601550Y2 JP 2601550 Y2 JP2601550 Y2 JP 2601550Y2 JP 1993037927 U JP1993037927 U JP 1993037927U JP 3792793 U JP3792793 U JP 3792793U JP 2601550 Y2 JP2601550 Y2 JP 2601550Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば自動車などの駆
動装置内でトルク伝達、バックストップ等の部品として
使用されるワンウェイクラッチに関するものであり、よ
り詳細にはスプラグ型やローラ型等のワンウェイクラッ
チ用のエンドベアリングの改良に関する。
動装置内でトルク伝達、バックストップ等の部品として
使用されるワンウェイクラッチに関するものであり、よ
り詳細にはスプラグ型やローラ型等のワンウェイクラッ
チ用のエンドベアリングの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にワンウェイクラッチには、内輪及
び外輪を同心状に保持するために軸方向の両端にエンド
ベアリングが組み込まれている。
び外輪を同心状に保持するために軸方向の両端にエンド
ベアリングが組み込まれている。
【0003】例えば、図3に示す従来のスプラグ型ワン
ウェイクラッチ50は、外輪30、内輪20、内輪20
および外輪30の軌道面との間に配置され、両者間でト
ルクを伝達するスプラグ29、スプラグ29を保持する
外側および内側保持器27および28、外側および内側
保持器27および28間に配置され、スプラグ29に起
き上がりモーメントを与えるためのリボンスプリング4
0、および内輪20および外輪30を同心状に保持する
ためワンウェイクラッチの軸方向両側に設けられたエン
ドベアリング26から構成されている。
ウェイクラッチ50は、外輪30、内輪20、内輪20
および外輪30の軌道面との間に配置され、両者間でト
ルクを伝達するスプラグ29、スプラグ29を保持する
外側および内側保持器27および28、外側および内側
保持器27および28間に配置され、スプラグ29に起
き上がりモーメントを与えるためのリボンスプリング4
0、および内輪20および外輪30を同心状に保持する
ためワンウェイクラッチの軸方向両側に設けられたエン
ドベアリング26から構成されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来のワンウェイクラッチ用のエンドベアリング26に
は次のような解決すべき課題がある。ワンウェイクラッ
チ作動中に、エンドベアリング26は、内輪20および
外輪30を同心状に保持しながら、外側及び内側のフラ
ンジ部で外輪30および内輪20の軌道面と摺動接触し
ている。この時、図3では省略したが内輪20にはワン
ウェイクラッチ50を潤滑するための潤滑油供給孔が設
けられている(図2の潤滑油供給孔2a参照)。
従来のワンウェイクラッチ用のエンドベアリング26に
は次のような解決すべき課題がある。ワンウェイクラッ
チ作動中に、エンドベアリング26は、内輪20および
外輪30を同心状に保持しながら、外側及び内側のフラ
ンジ部で外輪30および内輪20の軌道面と摺動接触し
ている。この時、図3では省略したが内輪20にはワン
ウェイクラッチ50を潤滑するための潤滑油供給孔が設
けられている(図2の潤滑油供給孔2a参照)。
【0005】潤滑油供給孔から供給された潤滑油は、ワ
ンウェイクラッチ内部を潤滑すると共に、内輪20の軌
道面20bに所定の厚さの油膜を形成する。また潤滑油
は、更にエンドベアリングを越えて側板などの他の部材
の潤滑をする。この油膜のために、エンドベアリング2
6の内側フランジ部と内輪20の軌道面20bとの間の
摺動摩擦が軽減される。ところが、従来のエンドベアリ
ング26では、内輪20および外輪30間での摺動接触
により生じる摺動摩擦により熱が発生し、エンドベアリ
ング26が部分的に変形する場合がある。この場合、エ
ンドベアリング26は図3に破線で示すように変形する
ことがある。この時、エンドベアリング26の内側フラ
ンジ部のコーナー部Bは、変形したエンドベアリング2
6’の内側フランジ部のコーナー部B’の位置に来る。
ンウェイクラッチ内部を潤滑すると共に、内輪20の軌
道面20bに所定の厚さの油膜を形成する。また潤滑油
は、更にエンドベアリングを越えて側板などの他の部材
の潤滑をする。この油膜のために、エンドベアリング2
6の内側フランジ部と内輪20の軌道面20bとの間の
摺動摩擦が軽減される。ところが、従来のエンドベアリ
ング26では、内輪20および外輪30間での摺動接触
により生じる摺動摩擦により熱が発生し、エンドベアリ
ング26が部分的に変形する場合がある。この場合、エ
ンドベアリング26は図3に破線で示すように変形する
ことがある。この時、エンドベアリング26の内側フラ
ンジ部のコーナー部Bは、変形したエンドベアリング2
6’の内側フランジ部のコーナー部B’の位置に来る。
【0006】変形したエンドベアリング26’の内径側
のフランジ部のコーナー部B’は、内輪20の軌道面2
0bに接触する。この状態では、コーナー部B’と軌道
面20bとの間に間隙がないため、軌道面20b周囲に形
成される潤滑油の油膜(潤滑油の流れ)がその接触部で
切断されることになり、必要な部分に潤滑油が送られな
くなる。その結果、エンドベアリングと内外輪との間の
摺動摩擦が大きくなる恐れがある。摺動摩擦が大きくな
ると、摩擦熱によりエンドベアリングは更に変形する恐
れがあり、その場合摺動摩擦は更に大きくなり、エンド
ベアリング及び内輪に与える影響が大きくなる。最終的
にはワンウェイクラッチの作動にも悪影響を与えるばか
りか、損傷を与える恐れもある。また、ワンウェイクラ
ッチの寿命も短くなる恐れがある。従って、本考案の目
的は、熱によるエンドベアリングの変形時にも内輪の軌
道面とエンドベアリングとの間に間隙を常時確保するこ
とができ、内輪の軌道面に形成される油膜を断ち切るこ
とがなくなるので、部材間の摺動摩擦を抑えることがで
き、ワンウェイクラッチの寿命低下を防ぐことができる
ワンウェイクラッチ用のエンドベアリングを提供するこ
とである。
のフランジ部のコーナー部B’は、内輪20の軌道面2
0bに接触する。この状態では、コーナー部B’と軌道
面20bとの間に間隙がないため、軌道面20b周囲に形
成される潤滑油の油膜(潤滑油の流れ)がその接触部で
切断されることになり、必要な部分に潤滑油が送られな
くなる。その結果、エンドベアリングと内外輪との間の
摺動摩擦が大きくなる恐れがある。摺動摩擦が大きくな
ると、摩擦熱によりエンドベアリングは更に変形する恐
れがあり、その場合摺動摩擦は更に大きくなり、エンド
ベアリング及び内輪に与える影響が大きくなる。最終的
にはワンウェイクラッチの作動にも悪影響を与えるばか
りか、損傷を与える恐れもある。また、ワンウェイクラ
ッチの寿命も短くなる恐れがある。従って、本考案の目
的は、熱によるエンドベアリングの変形時にも内輪の軌
道面とエンドベアリングとの間に間隙を常時確保するこ
とができ、内輪の軌道面に形成される油膜を断ち切るこ
とがなくなるので、部材間の摺動摩擦を抑えることがで
き、ワンウェイクラッチの寿命低下を防ぐことができる
ワンウェイクラッチ用のエンドベアリングを提供するこ
とである。
【0007】上記課題を解決するため、本考案のワンウ
ェイクラッチ用のエンドベアリングは、半径方向に離間
され、相対回転自在に同心状に配置されると共に軸方向
に延在する環状の軌道面を有する内輪及び外輪と、この
間に配置されて該軌道面間でトルクを伝達するトルク伝
達部材と、該トルク伝達部材を円周方向等分に保持する
保持器と、円環状の平面部と、該平面部の外径側から一
体的に軸方向に延在する環状の外側フランジ部と、該平
面部の内径側から一体的に軸方向に延在する環状の内側
フランジ部とを有し、該内輪及び外輪を同心状に保持す
るエンドベアリングから成るワンウェイクラッチ用のエ
ンドベアリングにおいて、前記エンドベアリングの前記
内側フランジ部の前記内輪側の環状の周面には、該内側
フランジ部がその自由端に向かって半径方向の肉厚が減
少するようにテーパ部が設けられていることを特徴とし
ている。
ェイクラッチ用のエンドベアリングは、半径方向に離間
され、相対回転自在に同心状に配置されると共に軸方向
に延在する環状の軌道面を有する内輪及び外輪と、この
間に配置されて該軌道面間でトルクを伝達するトルク伝
達部材と、該トルク伝達部材を円周方向等分に保持する
保持器と、円環状の平面部と、該平面部の外径側から一
体的に軸方向に延在する環状の外側フランジ部と、該平
面部の内径側から一体的に軸方向に延在する環状の内側
フランジ部とを有し、該内輪及び外輪を同心状に保持す
るエンドベアリングから成るワンウェイクラッチ用のエ
ンドベアリングにおいて、前記エンドベアリングの前記
内側フランジ部の前記内輪側の環状の周面には、該内側
フランジ部がその自由端に向かって半径方向の肉厚が減
少するようにテーパ部が設けられていることを特徴とし
ている。
【0008】
【作用】エンドベアリングが変形した場合でも、内輪の
軌道面とエンドベアリングとの間に間隙を形成すること
ができるので、その間隙に常に潤滑油の油膜を確保でき
る。従って、潤滑が必要な部分への潤滑油の供給が確実
に行なえる。また、それにより摺動摩擦を抑えることが
でき、ワンウェイクラッチの寿命の向上をも図れる。
軌道面とエンドベアリングとの間に間隙を形成すること
ができるので、その間隙に常に潤滑油の油膜を確保でき
る。従って、潤滑が必要な部分への潤滑油の供給が確実
に行なえる。また、それにより摺動摩擦を抑えることが
でき、ワンウェイクラッチの寿命の向上をも図れる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本考案を詳細に説明す
る。尚、以下説明する実施例は本考案を例示として説明
するものであって、本考案を限定するものではないこと
は言うまでもない。また、各図面中同一部分は同一符号
で表わしてある。
る。尚、以下説明する実施例は本考案を例示として説明
するものであって、本考案を限定するものではないこと
は言うまでもない。また、各図面中同一部分は同一符号
で表わしてある。
【0010】図1は、本考案の実施例を示すワンウェイ
クラッチ25の主要部の断面図である。スプラグ型ワン
ウェイクラッチ25は、外輪3、内輪2、内輪2および
外輪3の軌道面との間に配置され、両者間でトルクを伝
達するスプラグ9、スプラグ9を保持する外側および内
側保持器7および8、外側および内側保持器7および8
間に配置され、スプラグ9を内輪2および外輪3の軌道
面とかみ合わせるためスプラグ9に起き上がりモーメン
トを与えるためのリボンスプリング10、および内輪2
および外輪3を同心状に保持するためワンウェイクラッ
チの軸方向両側に設けられたエンドベアリング6から構
成されている。
クラッチ25の主要部の断面図である。スプラグ型ワン
ウェイクラッチ25は、外輪3、内輪2、内輪2および
外輪3の軌道面との間に配置され、両者間でトルクを伝
達するスプラグ9、スプラグ9を保持する外側および内
側保持器7および8、外側および内側保持器7および8
間に配置され、スプラグ9を内輪2および外輪3の軌道
面とかみ合わせるためスプラグ9に起き上がりモーメン
トを与えるためのリボンスプリング10、および内輪2
および外輪3を同心状に保持するためワンウェイクラッ
チの軸方向両側に設けられたエンドベアリング6から構
成されている。
【0011】エンドベアリング6は、環状の平面部14
と、それぞれ環状の平面部14から一体的に軸方向に延
在する環状の外側フランジ部15及び内側フランジ部1
6とから成っている。ワンウェイクラッチ25が通常の
作動状態にある時は、エンドベアリング6は図1で実線
で示す位置にあり、その外側フランジ部15及び内側フ
ランジ部16は、それぞれ外輪3及び内輪2の軌道面に
対して摺動接触しながらも僅かな間隙を保っている。
と、それぞれ環状の平面部14から一体的に軸方向に延
在する環状の外側フランジ部15及び内側フランジ部1
6とから成っている。ワンウェイクラッチ25が通常の
作動状態にある時は、エンドベアリング6は図1で実線
で示す位置にあり、その外側フランジ部15及び内側フ
ランジ部16は、それぞれ外輪3及び内輪2の軌道面に
対して摺動接触しながらも僅かな間隙を保っている。
【0012】作動中に、ワンウェイクラッチ25は、図1
では省略したが内輪2に設けられたワンウェイクラッチ
25を潤滑するための潤滑油供給孔2a(図2に関して
後述)からの潤滑油によって潤滑されている。エンドベ
アリング6の内側フランジ部16の内輪2側の環状の周
面には、内側フランジ16がその自由端に向かって半径
方向の肉厚が減少するように環状のテーパ部16aが設
けられている。このテーパ部16aが内側フランジ16
の自由端の端面と交わる位置は、コーナー部Aとなって
いる。
では省略したが内輪2に設けられたワンウェイクラッチ
25を潤滑するための潤滑油供給孔2a(図2に関して
後述)からの潤滑油によって潤滑されている。エンドベ
アリング6の内側フランジ部16の内輪2側の環状の周
面には、内側フランジ16がその自由端に向かって半径
方向の肉厚が減少するように環状のテーパ部16aが設
けられている。このテーパ部16aが内側フランジ16
の自由端の端面と交わる位置は、コーナー部Aとなって
いる。
【0013】ここで、図2を参照して本考案のエンドベ
アリングを用いたワンウェイクラッチの周辺を説明す
る。ワンウェイクラッチ25は、外輪3、内輪2、内輪
2および外輪3の軌道面との間に配置され、両者間でト
ルクを伝達するトルク伝達部材、すなわちスプラグ9、
スプラグ9を保持する外側および内側保持器7および
8、外側および内側保持器7および8間に配置され、ス
プラグ9に起き上がりモーメントを与えるためのリボン
スプリング10、および内輪2および外輪3を同心状に
保持するためワンウェイクラッチの軸方向両側に設けら
れたエンドベアリング6から構成されている。
アリングを用いたワンウェイクラッチの周辺を説明す
る。ワンウェイクラッチ25は、外輪3、内輪2、内輪
2および外輪3の軌道面との間に配置され、両者間でト
ルクを伝達するトルク伝達部材、すなわちスプラグ9、
スプラグ9を保持する外側および内側保持器7および
8、外側および内側保持器7および8間に配置され、ス
プラグ9に起き上がりモーメントを与えるためのリボン
スプリング10、および内輪2および外輪3を同心状に
保持するためワンウェイクラッチの軸方向両側に設けら
れたエンドベアリング6から構成されている。
【0014】外側および内側保持器7および8は、それ
ぞれ円周方向に設けられ半径方向に開口する複数の窓を
有しており、複数のスプラグ9はそれぞれこの窓に揺動
自在に挿着され、内輪および外輪の軌道面に対して所定
角度起き上がり可能になっている。また、外輪3の軸方
向両端には、外輪3に接して側板1が設けられている。
ぞれ円周方向に設けられ半径方向に開口する複数の窓を
有しており、複数のスプラグ9はそれぞれこの窓に揺動
自在に挿着され、内輪および外輪の軌道面に対して所定
角度起き上がり可能になっている。また、外輪3の軸方
向両端には、外輪3に接して側板1が設けられている。
【0015】2つの側板1は、図2においてそれぞれス
トッパ−4および外輪の支持部材11によって軸方向に
押えられている。外輪3の外側には、支持部材11を介
してクラッチプレート5が組み付けられている。内輪2
の内部には、ワンウェイクラッチ25を潤滑するため
の、ワンウェイクラッチ25内部に向かって開口し潤滑
油を供給する潤滑油供給孔2aが設けられている。
トッパ−4および外輪の支持部材11によって軸方向に
押えられている。外輪3の外側には、支持部材11を介
してクラッチプレート5が組み付けられている。内輪2
の内部には、ワンウェイクラッチ25を潤滑するため
の、ワンウェイクラッチ25内部に向かって開口し潤滑
油を供給する潤滑油供給孔2aが設けられている。
【0016】尚、側板1は外輪の位置決めをすると共
に、ワンウェイクラッチ25の構成要素、特にエンドベ
アリング6がワンウェイクラッチ25から抜けることを
防止している。
に、ワンウェイクラッチ25の構成要素、特にエンドベ
アリング6がワンウェイクラッチ25から抜けることを
防止している。
【0017】ここで、図1に戻ると、内輪2に設けられ
た潤滑油供給孔2a(図2)からの潤滑油は、ワンウェ
イクラッチ25内部を潤滑した後、内輪2の軌道面2b
上に薄い油膜(潤滑油の流れ)を形成する。この油膜中
の潤滑油は、エンドベアリング6の内側フランジ部16
と内輪2の軌道面2bとの間のワンウェイクラッチ作動
中の摺動摩擦を低減する。また、油膜中の潤滑油は、エ
ンドベアリング6の内側フランジ部16と内輪2の軌道
面2bとの間の間隙を通過し、エンドベアリング6と側
板1(図2参照)との間に遠心力等により伝っていき、
両部材の合わせ面を潤滑する。
た潤滑油供給孔2a(図2)からの潤滑油は、ワンウェ
イクラッチ25内部を潤滑した後、内輪2の軌道面2b
上に薄い油膜(潤滑油の流れ)を形成する。この油膜中
の潤滑油は、エンドベアリング6の内側フランジ部16
と内輪2の軌道面2bとの間のワンウェイクラッチ作動
中の摺動摩擦を低減する。また、油膜中の潤滑油は、エ
ンドベアリング6の内側フランジ部16と内輪2の軌道
面2bとの間の間隙を通過し、エンドベアリング6と側
板1(図2参照)との間に遠心力等により伝っていき、
両部材の合わせ面を潤滑する。
【0018】ワンウェイクラッチ25が通常の状態で作
動している時には、エンドベアリング6は図1の実線の
位置にある。ところが、ワンウェイクラッチ25の作動
中に、エンドベアリング6と内輪2及び外輪3との間、
またはその他の部材間での摺動接触により生じる摺動摩
擦により熱が発生し、エンドベアリング6が部分的にま
たは全体に変形する場合がある。
動している時には、エンドベアリング6は図1の実線の
位置にある。ところが、ワンウェイクラッチ25の作動
中に、エンドベアリング6と内輪2及び外輪3との間、
またはその他の部材間での摺動接触により生じる摺動摩
擦により熱が発生し、エンドベアリング6が部分的にま
たは全体に変形する場合がある。
【0019】エンドベアリング6が変形すると、図1に
破線で示すように、エンドベアリング6’の位置に来
る。エンドベアリング6の内径側の内側フランジ部16
のコーナー部Aは、破線で示すように変形したエンドベ
アリング6’の内側フランジ部16のコーナー部A’の
位置に来る。
破線で示すように、エンドベアリング6’の位置に来
る。エンドベアリング6の内径側の内側フランジ部16
のコーナー部Aは、破線で示すように変形したエンドベ
アリング6’の内側フランジ部16のコーナー部A’の
位置に来る。
【0020】この時、すでに図3について説明した従来
のエンドベアリングであれば、変形したエンドベアリン
グ6’の内側フランジ部16のコーナー部A’は、内輪
2の軌道面2bに接触する。そして、この状態ではコー
ナー部A’と軌道面2bとの間に間隙が無くなるため、
軌道面2b周囲に形成される潤滑油の油膜(潤滑油の流
れ)がその接触部で切断されることになり、エンドベア
リングと内外輪との間の摺動摩擦が大きくなる恐れがあ
る。また、前述のような潤滑の必要な部分に潤滑油が送
られなくなる。
のエンドベアリングであれば、変形したエンドベアリン
グ6’の内側フランジ部16のコーナー部A’は、内輪
2の軌道面2bに接触する。そして、この状態ではコー
ナー部A’と軌道面2bとの間に間隙が無くなるため、
軌道面2b周囲に形成される潤滑油の油膜(潤滑油の流
れ)がその接触部で切断されることになり、エンドベア
リングと内外輪との間の摺動摩擦が大きくなる恐れがあ
る。また、前述のような潤滑の必要な部分に潤滑油が送
られなくなる。
【0021】ところが、図1から明らかなように、エン
ドベアリング6が変形した位置、即ちエンドベアリング
6’の位置に変位した場合でも、内側フランジ部16に
テーパ部16aが設けられているため、内側フランジ部
16と内輪2の軌道面2bとの間には、所定の間隙dが
生じる。従って、内輪2の軌道面2b上に形成された油
膜がエンドベアリング6の変形によって変位したコーナ
ー部A’によって切断されることがない。
ドベアリング6が変形した位置、即ちエンドベアリング
6’の位置に変位した場合でも、内側フランジ部16に
テーパ部16aが設けられているため、内側フランジ部
16と内輪2の軌道面2bとの間には、所定の間隙dが
生じる。従って、内輪2の軌道面2b上に形成された油
膜がエンドベアリング6の変形によって変位したコーナ
ー部A’によって切断されることがない。
【0022】エンドベアリング6が大きく変形した場合
でも、間隙dを十分確保するため、テーパ部16aは、
十分な長さを有する斜面として形成する必要がある。例
えば、内側フランジ部16のほぼ中央からその自由端ま
で延在している。すなわち、図1に示すように、内側フ
ランジ部が平面部から突出した位置から自由端まで延在
している。また、テーパ部16aは、連続した環状の構
成でなくとも、環状に間欠的に設けることもできる。ま
た、以上説明した実施例では、二重保持器を有するスプ
ラグ型のワンウェイクラッチのみを用いて説明したが、
本考案はスプラグ型以外のワンウェイクラッチでも、ま
た単一の保持器を用いるワンウェイクラッチにも適用で
きることはいうまでもない。
でも、間隙dを十分確保するため、テーパ部16aは、
十分な長さを有する斜面として形成する必要がある。例
えば、内側フランジ部16のほぼ中央からその自由端ま
で延在している。すなわち、図1に示すように、内側フ
ランジ部が平面部から突出した位置から自由端まで延在
している。また、テーパ部16aは、連続した環状の構
成でなくとも、環状に間欠的に設けることもできる。ま
た、以上説明した実施例では、二重保持器を有するスプ
ラグ型のワンウェイクラッチのみを用いて説明したが、
本考案はスプラグ型以外のワンウェイクラッチでも、ま
た単一の保持器を用いるワンウェイクラッチにも適用で
きることはいうまでもない。
【0023】
【考案の効果】以上説明した本考案のワンウェイクラッ
チ用のエンドベアリングによれば、次のような効果が得
られる。
チ用のエンドベアリングによれば、次のような効果が得
られる。
【0024】エンドベアリングの内側フランジ部の内輪
側の環状の周面に、内側フランジ部がその自由端に向か
って半径方向の肉厚が減少するようにテーパ部を設けた
ので、熱による変形時にも内輪の軌道面とエンドベアリ
ングとの間に間隙を常時確保することができ、内輪の軌
道面に形成される油膜を断ち切ることがなくなるので、
部材間の摺動摩擦を抑えることができ、ワンウェイクラ
ッチの寿命低下を防ぐことができる。
側の環状の周面に、内側フランジ部がその自由端に向か
って半径方向の肉厚が減少するようにテーパ部を設けた
ので、熱による変形時にも内輪の軌道面とエンドベアリ
ングとの間に間隙を常時確保することができ、内輪の軌
道面に形成される油膜を断ち切ることがなくなるので、
部材間の摺動摩擦を抑えることができ、ワンウェイクラ
ッチの寿命低下を防ぐことができる。
【0025】また、油膜による潤滑油の流れを遮断する
ことがないので、潤滑が必要な部分への潤滑油の供給が
確実に行なえるので、ワンウェイクラッチの円滑な作動
を達成できる。
ことがないので、潤滑が必要な部分への潤滑油の供給が
確実に行なえるので、ワンウェイクラッチの円滑な作動
を達成できる。
【図1】本考案の一実施例を示すエンドベアリングを用
いたワンウェイクラッチの断面図である。
いたワンウェイクラッチの断面図である。
【図2】図1のワンウェイクラッチが組み込まれた様子
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図3】従来のエンドベアリングを用いたワンウェイク
ラッチの断面図である。
ラッチの断面図である。
1 側板 2 内輪 3 外輪 6 エンドベアリング 25 ワンウェイクラッチ 16 内側フランジ部 16a テーパ部
Claims (2)
- 【請求項1】 半径方向に離間され、相対回転自在に同
心状に配置されると共に軸方向に延在する環状の軌道面
を有する内輪及び外輪と、この間に配置されて該軌道面
間でトルクを伝達するトルク伝達部材と、該トルク伝達
部材を円周方向等分に保持する保持器と、円環状の平面
部と、該平面部の外径側から一体的に軸方向に延在する
環状の外側フランジ部と、該平面部の内径側から一体的
に軸方向に延在する環状の内側フランジ部とを有し、該
内輪及び外輪を同心状に保持するエンドベアリングから
成るワンウェイクラッチ用のエンドベアリングにおい
て、前記エンドベアリングが変形した場合でも、前記内輪の
軌道面と前記内側フランジ部との間に間隙を維持するた
め、 前記エンドベアリングの前記内側フランジ部の前記
内輪側の環状の周面には、その自由端に向かって該内側
フランジ部の半径方向の肉厚が減少するようにテーパ部
が設けられていることを特徴とするワンウェイクラッチ
用のエンドベアリング。 - 【請求項2】 請求項1のワンウェイクラッチ用のエン
ドベアリングにおいて、前記テーパ部は、前記内側フラ
ンジ部が前記平面部から突出した位置から前記自由端ま
で延在していることを特徴とするワンウェイクラッチ用
のエンドベアリング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993037927U JP2601550Y2 (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 一方向クラッチのエンドベアリング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993037927U JP2601550Y2 (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 一方向クラッチのエンドベアリング |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH078638U JPH078638U (ja) | 1995-02-07 |
JP2601550Y2 true JP2601550Y2 (ja) | 1999-11-22 |
Family
ID=12511193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993037927U Expired - Lifetime JP2601550Y2 (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 一方向クラッチのエンドベアリング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2601550Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-07-12 JP JP1993037927U patent/JP2601550Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH078638U (ja) | 1995-02-07 |
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Legal Events
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