JPH0643256Y2 - 建設機械のフットレスト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、主として建設機械用運転席の前方に設けら
れたフットレスト装置に関する。

従来の技術 第５図は、油圧ショベル用運転室の内部を示す斜視図で
ある。図において、１は運転室の床板、２は運転席、３
は一対の手動操作用走行レバー、４は走行レバー３にそ
れぞれ固定して取付けられた走行用踏面部材、５は左右
一対のフットレストである。第６図は、第５図のＡより
見た一部切欠正面図である。図において、６は支持ブラ
ブラケット、７は走行レバー３下部のボス部材、８はシ
ャフト、９は固定用ボルト部材、10はフットレスト５の
レスト用踏面部材である。第７図は、第６図のＢより見
たフットレスト５の側面図である。

従来技術フットレスト装置では第５図および第６図のよ
うに、走行用踏面部材４のそれぞれ外側に分離して、フ
ットレスト５が床板１上に固定して設けられている。そ
れで、運転者が運転席２に着座して作業運転あるいは走
行運転を行うときに、足を上記フットレスト５に載せ、
建設機械の揺動，振動に対して身体を支えるようにして
いる。

考案が解決しようとする課題 建設機械の作業運転中あるいは走行運転中などにおい
て、運転者は身体を支えるためにフットレストに足を載
せる。しかし従来技術のフットレスト装置では、フット
レストの踏面部材の位置およびその傾斜角α_０（第７図
参照）は固定して設けられている。ところが、運転者の
体格にはかなりの差異があり、その脚長にも長短の差が
あった。そのために、上記フットレストに運転者が脚を
載せるとき、脚をその踏面部材で充分当接できないこと
があった。そこで、たとえば傾斜地走行あるいは建設機
械の急激な揺動発生時に、運転者が身体のバランスをく
ずし、運転操作をあやまる危険性があった。

この考案は上記の課題を解決し、踏面部材の位置および
その傾斜角を調整できるフットレスト装置を提供するこ
とを目的とする。

課題を解決するための手段 イ．支持ブラケットと、走行レバー下部のボス部材との
シャフト挿嵌穴に挿嵌せしめたシャフトの両端部に、支
持ブラケットより外側に突出して延長軸部を設け、 ロ．一方、左右一対のレスト用踏面部材にそれぞれアー
ム部材を固着し、またそのアーム部材の下部側にボス部
材を固定して設け、 ハ．上記ボス部材をシャフトの延長軸部に挿嵌せしめる
とき上記ボス部材の前後方向取付角度を調整可能に構成
した。

作用 イ．レスト用踏面部材には、アーム部材とボス部材とを
一体形に固着して形成している。そこで上記ボス部材の
取付角度を調整して取付けることにより、上記レスト用
踏面部材を所望の位置および傾斜角に固定できる。

ロ．上記イ項のようにしてレスト用踏面部材の位置およ
びその傾斜角を調整できるので、運転者は自分の脚長を
考慮して、所望のフットレストを得ることができる。

実施例 以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。第１図は、この考案にかかるフットレスト装置を示
す一部切欠き正面図である。図において、従来技術と同
一構成要素を使用するものに対しては同符号を付す。11
はフットレスト装置、12はフットレスト装置11のレスト
用踏面部材、13はアーム部材、13はボス部材、15はクラ
ンプ用ボルト部材、16はシャフトである。第２図は、第
１図のＣより見た側面図である。第３図は、第２図のＤ
部におけるフットレスト装置11用ボス部材14の詳細を示
す図である。図において、17はシャフト16端部の延長軸
部、18はボス部材14のスプリット部である。第４図は、
フットレスト装置11の踏面部材12位置を調整した状態を
示す実施例側面図である。

次に、この考案にかかるフットレスト装置11の構成を第
１図〜第３図について述べる。床板１上に立設した支持
ブラケット６と、走行レバー３下部のボス部材７とのシ
ャフト挿嵌穴に挿嵌せしめたシャフト16の両端部に、支
持ブラケット６より外側に突出して延長軸部17を設け
た。一方左右一対のレスト用踏面部材12にそれぞれアー
ム部材13を固着し、またそのアーム部材13の下部側にボ
ス部材14を固定して設けた。そして、上記ボス部材14を
シャフト16の延長軸部17に挿嵌せしめるとき上記ボス部
材14の前後方向取付角度を調整可能に構成した。それ
で、ボス部材14にはスプリット部18が設けられているの
で、クランプ用ボルト部材15を緩めるとボス部材14の前
後方向取付角度を調整できる。そして、レスト用踏面部
材12を所望の位置角度にきめたときクランプ用ボルト部
材15を締付けると、レスト用踏面部材12は固定する。な
お、ボス部材14にスプリット部18を設ける代わりに、ボ
ス部材とシャフト延長軸部との嵌合をスプライン方式，
セレーション方式など取付角度調整可能なものにしても
よい。

次に、この考案にかかるフットレスト装置11の作用機能
を第４図について述べる。レスト用踏面部材12には、ア
ーム部材13とボス部材14とを一体形に固着して形成して
いる。そこで上記ボス部材14の取付角度を調整して取付
けることにより、上記レスト用踏面部材12を所望の位置
および傾斜角に固定できる。たとえば、第３図における
踏面部材12の傾斜角α_１を、第４図のように傾斜角α_２
に変えることができる。なおそのときに、踏面部材12の
前後方向位置も変わってくる。上記のようにしてレスト
用踏面部材12の位置およびその傾斜角を調整できるの
で、運転者は自分の脚長を考慮して、所望のフットレス
トを得ることができる。

考案の効果 建設機械の作業運転中あるいは走行運転中などにおい
て、運転者は身体を支えるためにフットレストに足を載
せる。しかし従来技術のフットレスト装置では、フット
レストの踏面部材の位置およびその傾斜角は固定して設
けられている。ところが、運転者の体格にはかなりの差
異があり、その脚長にも長短の差があった。そのため
に、上記フットレストに運転者が足を載せるとき、足を
その踏面部材に充分当接できないことがあった。そこ
で、たとえば傾斜地走行あるいは建設機械の急激な揺動
発生時に、運転者が身体のバランスをくずし、運転操作
をあやまる危険性があった。

しかし、この考案にかかるフットレスト装置では、床板
上に立設した支持ブラケットと、走行レバー下部のボス
部材とのシャフト挿嵌穴に挿嵌せしめたシャフトの両端
部に、支持ブラケットより外側に突出して延長軸部を設
け、一方、左右一対のレスト用踏面部材にそれぞれアー
ム部材を固着し、またそのアーム部材の下部側にボス部
材を固定して設けた。そこで、上記ボス部材の取付角度
を調整して取付けることにより、レスト用踏面部材を所
望の位置および傾斜角に設定できる。

したがって、この考案にかかるフットレスト装置では、
レスト用踏面部材を運転者の体格に合った最適の位置に
調整固定できるので、建設機械の急激な揺動発生時や傾
斜地走行時に、確実に身体を支えることができるととも
に、運転操作の作業性と安全性を向上させる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかるフットレスト装置を示す一部
切欠き正面図、第２図は第１図のＣより見た側面図、第
３図は第２図のＤ部付近の詳細を示す図、第４図はこの
考案にかかるフットレスト装置を調整したときの実施例
側面図、第５図は油圧ショベル用運転室の内部を示す斜
視図、第６図は第５図のＡより見た一部切欠き正面図、
第７図は第６図のＢより見たフットレストの側面図であ
る。 １……床板 ３……走行レバー ４……走行用踏面部材 ５……フットレスト ６……支持ブラケット 7,14……ボス部材 8,16……シャフト 10,12……レスト用踏面部材 11……フットレスト装置 13……アーク部材 15……クランプ用ボルト部材 17……延長軸部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】運転室の床板上に支持ブラケットを立設
   し、その支持ブラケットの穴部と、走行レバー下部のボ
   ス部材穴部とを貫通するシャフト挿嵌穴にシャフトを挿
   嵌し、かつそのシャフトを支持ブラケット側に固定状態
   とし、また上記走行レバーの下部側に走行レバーと一体
   形に走行用踏面部材を設け、その走行用踏面部材の付近
   に運転者の足を当接せしめるレスト用踏面部材をそなえ
   たフットレスト装置において、上記シャフトの両端部に
   支持ブラケットより外側へ突出して延長軸部を設け、一
   方、左右一対のレスト用踏面部材にそれぞれアーム部材
   を固着し、またそのアーム部材の下部側にボス部材を固
   定して設け、そのボス部材を上記シャフトの延長軸部に
   挿嵌せしめるとき上記ボス部材の前後方向取付角度を調
   整可能に構成したことを特徴とする建設機械のフットレ
   スト装置。