JPH0643243B2 - タングステンカーバイトの製造方法 - Google Patents
タングステンカーバイトの製造方法Info
- Publication number
- JPH0643243B2 JPH0643243B2 JP63057301A JP5730188A JPH0643243B2 JP H0643243 B2 JPH0643243 B2 JP H0643243B2 JP 63057301 A JP63057301 A JP 63057301A JP 5730188 A JP5730188 A JP 5730188A JP H0643243 B2 JPH0643243 B2 JP H0643243B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- tungsten
- hydrogen
- atomic ratio
- tungsten carbide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C16/00—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
- C23C16/22—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of inorganic material, other than metallic material
- C23C16/30—Deposition of compounds, mixtures or solid solutions, e.g. borides, carbides, nitrides
- C23C16/32—Carbides
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、機械部品、切削工具等に耐摩耗性を与え、耐
久性の大幅な向上が図れる硬質膜、特に、このうちでも
最も硬度等の物性に優れているとされているタングステ
ンカーバイト膜の製造方法に関する。
久性の大幅な向上が図れる硬質膜、特に、このうちでも
最も硬度等の物性に優れているとされているタングステ
ンカーバイト膜の製造方法に関する。
[従来技術] 従来より切削工具等への硬質膜の形成方法としては耐熱
性金属、例えば、タングステン、モリブデンあるいはチ
タン等の炭化物膜をプラズマあるいは火炎溶射により形
成する方法が知られている。
性金属、例えば、タングステン、モリブデンあるいはチ
タン等の炭化物膜をプラズマあるいは火炎溶射により形
成する方法が知られている。
これらの方法では基材に稠密に密着させることができ
ず、所期の目的を十分に達成することは困難であった。
これに対して化学蒸着法(CVD)によれば高い密度
(ほぼ理論密度)の膜が形成でき、しかも基材に対する
密着性が極めて優れており、種々検討されている。この
うち、耐摩耗性等の物性が特に優れているタングステン
カーバイト膜のCVDによる形成方法については、6フ
ッ化タングステン、一酸化炭素および水素を400℃以
上、好ましくは600〜1000℃の範囲で化学蒸着させW2
Cの形態のタングステンカーバイト膜を得る方法(米国
特許第3574672号)、あるいは、6フッ化タングステ
ン、水素およびベンゼンのような炭化水素からなるガス
状混合物を400〜1000℃の範囲で化学蒸着することによ
り、WCあるいはW2Cの形態のタングステンカーバイ
ト膜の形成方法(英国特許第1326769号)等が知られて
いる。
ず、所期の目的を十分に達成することは困難であった。
これに対して化学蒸着法(CVD)によれば高い密度
(ほぼ理論密度)の膜が形成でき、しかも基材に対する
密着性が極めて優れており、種々検討されている。この
うち、耐摩耗性等の物性が特に優れているタングステン
カーバイト膜のCVDによる形成方法については、6フ
ッ化タングステン、一酸化炭素および水素を400℃以
上、好ましくは600〜1000℃の範囲で化学蒸着させW2
Cの形態のタングステンカーバイト膜を得る方法(米国
特許第3574672号)、あるいは、6フッ化タングステ
ン、水素およびベンゼンのような炭化水素からなるガス
状混合物を400〜1000℃の範囲で化学蒸着することによ
り、WCあるいはW2Cの形態のタングステンカーバイ
ト膜の形成方法(英国特許第1326769号)等が知られて
いる。
これらの方法においては、いずれも反応温度が高いた
め、基材の金属材料に好ましくない影響を与え、得られ
る硬質膜形成金属材料は精密材料等への使用が制限され
る等の問題があった。これに対して、比較的低温でのタ
ングステンカーバイト膜の形成方法が提案されており、
特公昭62-15484号には6フッ化タングステン、芳香族炭
化水素および水素からなるガス状混合物を、タングステ
ンのカーボンに対する原子比を3〜6とし、かつ反応温
度を350〜500℃の範囲とする方法が開示されている。こ
の反応において得られる膜はX線回折によりW3Cの形
態であることが確認されている。このW3Cの形態のタ
ングステンカーバイトは従来のWCあるいはW2C膜と
比較して光沢や耐摩耗性等に優れ、より商品価値の高い
ものである。
め、基材の金属材料に好ましくない影響を与え、得られ
る硬質膜形成金属材料は精密材料等への使用が制限され
る等の問題があった。これに対して、比較的低温でのタ
ングステンカーバイト膜の形成方法が提案されており、
特公昭62-15484号には6フッ化タングステン、芳香族炭
化水素および水素からなるガス状混合物を、タングステ
ンのカーボンに対する原子比を3〜6とし、かつ反応温
度を350〜500℃の範囲とする方法が開示されている。こ
の反応において得られる膜はX線回折によりW3Cの形
態であることが確認されている。このW3Cの形態のタ
ングステンカーバイトは従来のWCあるいはW2C膜と
比較して光沢や耐摩耗性等に優れ、より商品価値の高い
ものである。
しかし、この方法においても、実際に適用される反応温
度は400℃程度と、必ずしも十分に低いとはいえず、利
用分野、対象基材等の制限を受ける。また、反応圧力も
150Torr程度の減圧条件が必要であり、装置が高価なも
のとなるほか操作も煩雑であり、加えて、得られるW3
C膜の光沢も十分ではなく、改善が望まれていたもので
ある。
度は400℃程度と、必ずしも十分に低いとはいえず、利
用分野、対象基材等の制限を受ける。また、反応圧力も
150Torr程度の減圧条件が必要であり、装置が高価なも
のとなるほか操作も煩雑であり、加えて、得られるW3
C膜の光沢も十分ではなく、改善が望まれていたもので
ある。
[問題点を解決するための具体的手段] 本発明者らは、前記した従来法の問題点に鑑み、鋭意検
討の結果、適用金属基材に対して実質的にほとんど影響
を与えることのない温度範囲、すなわち300℃程度の反
応温度においても種々の物性に優れたW3C膜を容易か
つ効率的に得ることのできる方法を見いだし本発明に至
った。すなわち本発明は、6フッ化タングステン、芳香
族炭化水素および水素からなる反応ガスを気相反応させ
て、タングステンカーバイトを得る方法において、6フ
ッ化タングステン、芳香族炭化水素、および水素の混合
比率をカーボンのタングステンに対する原子比で2〜1
0、水素のカーボンに対する原子比で3以上とすること
を特徴とするタングステンカーバイトの製造方法であ
る。また、特に基材上に膜を形成する方法は、6フッ化
タングステン、芳香族炭化水素および水素からなる反応
ガスを気相反応させて、タングステンカーバイトを得る
方法において、6フッ化タングステン、芳香族炭化水
素、および水素の混合比率をカーボンのタングステンに
対する原子比で2〜10、水素のカーボンに対する原子
比で3以上とし、かつ反応温度を250〜500℃とし
て基材上に化学蒸着することを特徴とするタングステン
カーバイト膜の製造方法である。
討の結果、適用金属基材に対して実質的にほとんど影響
を与えることのない温度範囲、すなわち300℃程度の反
応温度においても種々の物性に優れたW3C膜を容易か
つ効率的に得ることのできる方法を見いだし本発明に至
った。すなわち本発明は、6フッ化タングステン、芳香
族炭化水素および水素からなる反応ガスを気相反応させ
て、タングステンカーバイトを得る方法において、6フ
ッ化タングステン、芳香族炭化水素、および水素の混合
比率をカーボンのタングステンに対する原子比で2〜1
0、水素のカーボンに対する原子比で3以上とすること
を特徴とするタングステンカーバイトの製造方法であ
る。また、特に基材上に膜を形成する方法は、6フッ化
タングステン、芳香族炭化水素および水素からなる反応
ガスを気相反応させて、タングステンカーバイトを得る
方法において、6フッ化タングステン、芳香族炭化水
素、および水素の混合比率をカーボンのタングステンに
対する原子比で2〜10、水素のカーボンに対する原子
比で3以上とし、かつ反応温度を250〜500℃とし
て基材上に化学蒸着することを特徴とするタングステン
カーバイト膜の製造方法である。
本発明方法により得られるタングステンカーバイトは
粉、膜等種々の形状が可能である。
粉、膜等種々の形状が可能である。
本発明において用いるカーボン源としての芳香族炭化水
素としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の各種の芳
香族炭化水素が挙げられるが、蒸気圧が高く供給の容易
さ等の理由からベンゼンが最も好ましい。これら芳香族
炭化水素の使用量は、この分子中のカーボンと原料6フ
ッ化タングステンのタングステンとの比(C/W;原子
比)が2〜10の範囲となるように選ばれる。芳香族炭
化水素の量がこの範囲よりも小さくなる場合には、W3
C単一膜が得られにくく、タングステン(W)との混合
膜として得られ、W3C単一膜と比較して光沢、耐摩耗
性等の物性が劣り、好ましくない。また、この範囲より
大きくなっても特に不都合はないが、原料の芳香族炭化
水素がむだとなるためこの範囲以下が好ましい。
素としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の各種の芳
香族炭化水素が挙げられるが、蒸気圧が高く供給の容易
さ等の理由からベンゼンが最も好ましい。これら芳香族
炭化水素の使用量は、この分子中のカーボンと原料6フ
ッ化タングステンのタングステンとの比(C/W;原子
比)が2〜10の範囲となるように選ばれる。芳香族炭
化水素の量がこの範囲よりも小さくなる場合には、W3
C単一膜が得られにくく、タングステン(W)との混合
膜として得られ、W3C単一膜と比較して光沢、耐摩耗
性等の物性が劣り、好ましくない。また、この範囲より
大きくなっても特に不都合はないが、原料の芳香族炭化
水素がむだとなるためこの範囲以下が好ましい。
本発明においては、水素の量も限定されるものである。
すなわち水素のカーボンに対する比(H/C;原子比)
が3以上であることが必要であり、これより小さい場合
には、WとW3との混合膜が得られ、好ましくない。本
発明の反応温度は特に限定的ではなく、より高温領域に
おいては粉末の形成に有利であり、より低温領域におい
ては連続膜の形成に有利である。特に、各種金属基材に
適用して硬質膜を得るようにする場合には、金属材料に
対する好ましくない影響、すなわち、軟化、歪み等を回
避し得る温度範囲でW3C単一膜を形成し得る本発明方
法は極めて有益であり、250℃以上で可能である。上限
は特にないが、その目的から、500℃以下が好ましい。
すなわち水素のカーボンに対する比(H/C;原子比)
が3以上であることが必要であり、これより小さい場合
には、WとW3との混合膜が得られ、好ましくない。本
発明の反応温度は特に限定的ではなく、より高温領域に
おいては粉末の形成に有利であり、より低温領域におい
ては連続膜の形成に有利である。特に、各種金属基材に
適用して硬質膜を得るようにする場合には、金属材料に
対する好ましくない影響、すなわち、軟化、歪み等を回
避し得る温度範囲でW3C単一膜を形成し得る本発明方
法は極めて有益であり、250℃以上で可能である。上限
は特にないが、その目的から、500℃以下が好ましい。
本発明においては、反応圧力は特に限定的ではないが、
大気圧でも十分に反応を行うことができることは大きな
特徴である。外観上の要求が特にないような用途におい
ては、膜堆積速度も大である大気圧下での反応が好適で
ある。この場合には反応装置も特殊なものを採用する必
要はなく、操作も簡便となる。また、外観上の要求の厳
しい用途に対しては、減圧条件下で極めて良好な膜形成
が可能であり、表面光沢に優れた均質膜を得ることがで
きる。
大気圧でも十分に反応を行うことができることは大きな
特徴である。外観上の要求が特にないような用途におい
ては、膜堆積速度も大である大気圧下での反応が好適で
ある。この場合には反応装置も特殊なものを採用する必
要はなく、操作も簡便となる。また、外観上の要求の厳
しい用途に対しては、減圧条件下で極めて良好な膜形成
が可能であり、表面光沢に優れた均質膜を得ることがで
きる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 内径40cm、全長100cm、均一温度領域長60cmの反応器を
具備した横型流通方式のCVD装置を用い、原料ガスは
反応器の一端の1つのノズルから導入し、幅2cm、長さ
5cm、厚さ2mmのニッケル小試片を均一温度領域の中央
に設置して反応を行った。以下の実施例、比較例のいず
れも同様にして反応を行った。
具備した横型流通方式のCVD装置を用い、原料ガスは
反応器の一端の1つのノズルから導入し、幅2cm、長さ
5cm、厚さ2mmのニッケル小試片を均一温度領域の中央
に設置して反応を行った。以下の実施例、比較例のいず
れも同様にして反応を行った。
6フッ化タングステン、ベンゼンおよび水素のモル比を
2.2:1:33(C/W原子比=2.7,H/C原子比=11)とした混
合ガスを大気圧下、全流量7.8/minで400℃に保たれ
反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル小試
片を30分間コーティングした。ニッケル小試片上には、
19μmの光沢のある膜が得られ、X線回折パターンか
らW3C単一膜であることを確認した。
2.2:1:33(C/W原子比=2.7,H/C原子比=11)とした混
合ガスを大気圧下、全流量7.8/minで400℃に保たれ
反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル小試
片を30分間コーティングした。ニッケル小試片上には、
19μmの光沢のある膜が得られ、X線回折パターンか
らW3C単一膜であることを確認した。
実施例2 6フッ化タングステン、ベンゼンおよび水素のモル比を
1.4:1:10(C/W原子比=4.3,H/C原子比=3.3)とした
混合ガスを大気圧下、全流量2.1/minで300℃に保た
れた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル
小試片を60分間コーティングした。ニッケル小試片上に
は、12μmの光沢のある膜が得られ、X線回折パターン
からW3C単一膜であることを確認した。
1.4:1:10(C/W原子比=4.3,H/C原子比=3.3)とした
混合ガスを大気圧下、全流量2.1/minで300℃に保た
れた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル
小試片を60分間コーティングした。ニッケル小試片上に
は、12μmの光沢のある膜が得られ、X線回折パターン
からW3C単一膜であることを確認した。
実施例3 6フッ化タングステン、ベンゼンおよび水素のモル比を
2.7:1:42(C/W原子比=2.2,H/C原子比=7.0)とした
混合ガスを大気圧下、全流量7.6/minで250℃に保た
れた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル
小試片を90分間コーティングした。ニッケル小試片上に
は、9μmの光沢のある膜が得られ、X線回折パターン
からW3C単一膜であることを確認した。
2.7:1:42(C/W原子比=2.2,H/C原子比=7.0)とした
混合ガスを大気圧下、全流量7.6/minで250℃に保た
れた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル
小試片を90分間コーティングした。ニッケル小試片上に
は、9μmの光沢のある膜が得られ、X線回折パターン
からW3C単一膜であることを確認した。
比較例1 6フッ化タングステン、ベンゼンおよび水素のモル比を
16:1:233(C/W原子比=0.38,H/C原子比=78)とした
混合ガス大気圧下、全流量7.5/minで400℃に保たれ
た反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル小
試片を30分間コーティングした。ニッケル小試片上に
は、21μmの光沢のない膜が得られた。この膜はX線回
折パターンからWとW3Cの混合膜であることを確認し
た。
16:1:233(C/W原子比=0.38,H/C原子比=78)とした
混合ガス大気圧下、全流量7.5/minで400℃に保たれ
た反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル小
試片を30分間コーティングした。ニッケル小試片上に
は、21μmの光沢のない膜が得られた。この膜はX線回
折パターンからWとW3Cの混合膜であることを確認し
た。
比較例2 6フッ化タングステン、ベンゼンおよび水素のモル比を
2.9:1:8.1(C/W原子比=2.8,H/C原子比=2.7)とした
混合ガスを大気圧下、全流量1.0/minで400℃に保た
れた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル
小試片を60分間コーティングした。ニッケル小試片上に
は、30μmの光沢はあるが若干青みがかった膜が得られ
た。この膜はX線回折パターンからWとW3Cの混合膜
であることを確認した。
2.9:1:8.1(C/W原子比=2.8,H/C原子比=2.7)とした
混合ガスを大気圧下、全流量1.0/minで400℃に保た
れた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケル
小試片を60分間コーティングした。ニッケル小試片上に
は、30μmの光沢はあるが若干青みがかった膜が得られ
た。この膜はX線回折パターンからWとW3Cの混合膜
であることを確認した。
実施例4 6フッ化タングステン、ベンゼンおよび水素のモル比を
1.7:1:31(C/W原子比=3.5,H/C原子比=10)とした混
合ガスを全圧90Torrで、全流量2.4/minで400℃に保
たれた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケ
ル小試片を60分間コーティングした。ニッケル小試片上
には、9μmの光沢のある膜が得られ、X線回折パター
ンからW3C単一膜であることを確認した。また、得ら
れた膜は実施例1、実施例2、実施例3で得られた膜と
比較して、より均一、滑らかで光沢のある膜であった。
1.7:1:31(C/W原子比=3.5,H/C原子比=10)とした混
合ガスを全圧90Torrで、全流量2.4/minで400℃に保
たれた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッケ
ル小試片を60分間コーティングした。ニッケル小試片上
には、9μmの光沢のある膜が得られ、X線回折パター
ンからW3C単一膜であることを確認した。また、得ら
れた膜は実施例1、実施例2、実施例3で得られた膜と
比較して、より均一、滑らかで光沢のある膜であった。
実施例5 反応温度を300℃とし、コーティング時間を120分間とす
る以外は実施例4と同様にして膜形成を行った結果、膜
厚8μmのW3C単一膜が得られた。この膜の外観は実
施例4で得た膜と比較してほとんど差がなかった。
る以外は実施例4と同様にして膜形成を行った結果、膜
厚8μmのW3C単一膜が得られた。この膜の外観は実
施例4で得た膜と比較してほとんど差がなかった。
比較例3 6フッ化タングステン、ベンゼンおよび水素のモル比を
20:1:367(C/W原子比=0.31,H/C原子比=121)とした
混合ガスを全圧90Torrで、全流量2.4/minで400℃に
保たれた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッ
ケル小試片を60分間コーティングした。ニッケル小試
片上の膜の膜厚はわずか4μmであり、X線回折パター
ンからW3Cの単一膜であることを確認した。この膜は
部分的にザラついた個所があり、滑らかさが実施例4で
得た膜と比較してかなり劣っていた。また、光沢もかな
り劣ったものであった。
20:1:367(C/W原子比=0.31,H/C原子比=121)とした
混合ガスを全圧90Torrで、全流量2.4/minで400℃に
保たれた反応器に導入し、この反応器内に置かれたニッ
ケル小試片を60分間コーティングした。ニッケル小試
片上の膜の膜厚はわずか4μmであり、X線回折パター
ンからW3Cの単一膜であることを確認した。この膜は
部分的にザラついた個所があり、滑らかさが実施例4で
得た膜と比較してかなり劣っていた。また、光沢もかな
り劣ったものであった。
比較例4 反応温度を300℃、コーティング時間を120分間とする以
外は比較例3と同様にして膜形成を行った結果、得られ
た膜はWとW3Cとの混合膜であり、その膜厚は3μm
であった。
外は比較例3と同様にして膜形成を行った結果、得られ
た膜はWとW3Cとの混合膜であり、その膜厚は3μm
であった。
[発明の効果] 本発明によれば、タングステンカーバイトを効率よく得
ることができ、特に硬質膜の形成においては均質、滑ら
かでかつ光沢のあるW3Cの単一膜を得ることができ
る。また、比較的低温(250℃程度)で膜形成できるた
め基材への悪影響を回避することができ、各種精密機材
としてひろく使用できるものである。さらに本発明方法
によれば大気圧下での膜形成が可能であり、この場合に
は装置上の制約をほとんど受けず、成膜速度も大である
ため非常に工業的に有利な膜形成方法となるものであ
る。
ることができ、特に硬質膜の形成においては均質、滑ら
かでかつ光沢のあるW3Cの単一膜を得ることができ
る。また、比較的低温(250℃程度)で膜形成できるた
め基材への悪影響を回避することができ、各種精密機材
としてひろく使用できるものである。さらに本発明方法
によれば大気圧下での膜形成が可能であり、この場合に
は装置上の制約をほとんど受けず、成膜速度も大である
ため非常に工業的に有利な膜形成方法となるものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】6フッ化タングステン、芳香族炭化水素お
よび水素からなる反応ガスを気相反応させて、タングス
テンカーバイトを得る方法において、6フッ化タングス
テン、芳香族炭化水素、および水素の混合比率をカーボ
ンのタングステンに対する原子比で2〜10、水素のカ
ーボンに対する原子比で3以上とすることを特徴とする
タングステンカーバイトの製造方法。 - 【請求項2】6フッ化タングステン、芳香族炭化水素お
よび水素からなる反応ガスを気相反応させて、タングス
テンカーバイトを得る方法において、6フッ化タングス
テン、芳香族炭化水素、および水素の混合比率をカーボ
ンのタングステンに対する原子比で2〜10、水素のカ
ーボンに対する原子比で3以上とし、かつ反応温度を2
50〜500℃として基材上に化学蒸着することを特徴
とするタングステンカーバイト膜の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63057301A JPH0643243B2 (ja) | 1988-03-10 | 1988-03-10 | タングステンカーバイトの製造方法 |
US07/319,707 US4980201A (en) | 1988-03-10 | 1989-03-07 | Method of forming tungsten carbide by chemical vapor deposition |
GB8905144A GB2216547B (en) | 1988-03-10 | 1989-03-07 | Method of forming tungsten carbide by chemical vapor deposition |
CH862/89A CH678176A5 (ja) | 1988-03-10 | 1989-03-08 | |
DE3907693A DE3907693A1 (de) | 1988-03-10 | 1989-03-09 | Verfahren zur herstellung von wolframcarbid durch chemische dampfabscheidung |
FR898903106A FR2628442B1 (fr) | 1988-03-10 | 1989-03-09 | Procede de formation de carbure de tungstene par depot chimique en phase vapeur |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63057301A JPH0643243B2 (ja) | 1988-03-10 | 1988-03-10 | タングステンカーバイトの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01230417A JPH01230417A (ja) | 1989-09-13 |
JPH0643243B2 true JPH0643243B2 (ja) | 1994-06-08 |
Family
ID=13051731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63057301A Expired - Lifetime JPH0643243B2 (ja) | 1988-03-10 | 1988-03-10 | タングステンカーバイトの製造方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
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