JPH0643233A - Rfスペクトロメータにおける磁化率の乱れを幾何学的に補償する装置 - Google Patents

Rfスペクトロメータにおける磁化率の乱れを幾何学的に補償する装置

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JPH0643233A JP3313171A JP31317191A JPH0643233A JP H0643233 A JPH0643233 A JP H0643233A JP 3313171 A JP3313171 A JP 3313171A JP 31317191 A JP31317191 A JP 31317191A JP H0643233 A JPH0643233 A JP H0643233A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分解能RFスペクロトメータのRFプロー
ブの個々の伝導性構造物における有限な磁気特性に対し
幾何学的に補償する。 【構成】 方位方向の不均一性を平均化するために軸線
に関してサンプルを回転させる磁気回転分析装置におい
て、サンプル空間の軸線方向における磁気特性が、円筒
形状に平均化して、軸線方向に一様で連続した磁化率分
布を呈するように軸線方向の関数でコイル状伝導体を形
状づけることで改良される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用の分野】本発明は、一般的には磁気共鳴
現象に基づく分析装置に関するもので、特に、NMRス
ペクトロメータのプローブにおける固有の構造に伴う磁
気の乱れを減少させることに関するものである。
【0002】
【従来技術】サドル型のコイルは、軸線方向の長さの方
が半径方向のものよりも比較的長い容積内に均一な磁場
を形成するのに好適なコイル構造物である。このような
形のコイルはNMRスペクトロメータプローブを囲むも
のとして都合のよいものである。このようなコイルの設
計およびそれに対する制限は、たとえば、ジャーナル・
オブ・マグネチック・レゾナンス、第24巻、71−85頁、
1976年(HoutとRichards等による)、および13Cスペク
トロメータの実験技術の“感度最適化"において議論さ
れている(Topics in 13C Spectroscopy、v.3 cd.G.C.
Levy John,Wiley & Sons,New York(1978))。NMR装
置の検知される容積内の全材料のほかに、コイルの固有
の磁気特性によりその容積内の磁場分布に乱れが生じ
る。
【0003】内部磁場の一様性に限定を与えることにつ
いて考え得る1つの要因はコイルを形成する材料、伝導
体、支持体、接着剤の有限な磁化率によるものである。
このタイプの乱れによる不均一性を減少させることにつ
いては、米国特許第3,091,732号(Anderson等による)に
議論され、そこでは、コイルの材料およびコイル取り付
け用接着剤について説明がなされている。すなわち、材
料が、これら要素が必然的に浸る空気に近い有効総磁化
率を示す必要があるとしている。米国特許第3,091,732
号によれば磁化率をゼロ(またはゼロに近く)に減少さ
せるには、異種の磁気特性を示す材料の合成伝導性を形
成することが必要としている。銅製の外装内にプラチナ
製コアを構成するワイヤの例では、そのプラチナ製コア
の厚さおよび位置の変化による影響があるため、製造に
際し特別に制御をしなければならない。合成のための他
の製造技術も製造する上で同様の制御を必要とし、実施
が難しく、また許容可能なものの生産の増加が困難であ
る。構造物の部材の有効磁化率を操作することに関しい
かに発展してきたかはゼンス(Zens)により議論されて
いる(米国特許第4,549,136号)。
【0004】有限な磁化率による乱れに加え、前述の有
限の磁化率を示す同じRFコイル構造物の対称特性から
生じる乱れもある。高分解能の核磁気共鳴のスペクトロ
メータは通常分極磁場の静的不均一性全体を平均化する
ためにサンプルを回転させている。磁化率χ0を示す材
料(これは、感度容積について方位角に関して一様な分
布となっていない)は、換算有効磁化率χ=χ0f(θ,
t)を与えるように平均化される。そのことは、周囲の
表面全体(しかし、軸線方向の分布には影響を与えな
い)にわたって、このような材料(特に、コイル伝導性
材料)の磁気特性を変化させることに対応する。不均一
であるのは軸線方向の分布である。
【0005】偏向コイル技術において、コイルの軸線か
らある角度の偏向を受ける荷電粒子の偏向角の、選択さ
れた三角関数にしたがって、磁場を半径方向および軸線
方向に分布させるために、幅および長さに変化のある伝
導部分を有するサドルコイルを構成することは知られて
いる。
【0006】したがって、本発明の目的は、高分解能R
FスペクトロメータのRFプローブの個々の伝導性構造
物における有限な磁気特性に対して幾何学的に補償をす
ることである。
【0007】
【発明の概要】本発明は、サドルコイル構造物をその構
造物の軸線上のz点で半径方向に切断する断面を考慮す
ることによって理解される。その材料は、サンプルの相
対回転により有効に平均化される、方位角方向のそれぞ
れの領域にわたって一定の所に分布する。ある断面を考
えたとき、その断面と軸線方向の微少幅δzとにより画
成される微少量領域内のプローブコイルの伝導性材料の
質量は、軸線方向zに独立でその微少変位dz間では一
定となることが必要である。
【0008】好適な実施例としては、このような条件
は、一定厚の伝導性材料の面積をz(軸線方向)の関数
として変化させることにより満たされる。このことは、
伝導性材料が軸線方向に所望の分布を確実にもつように
変化した巻き部分を有するサドルコイルの巻きを平坦に
形成することにより実現化される。
【0009】他の実施例において、伝導性材料の厚さ
は、その伝導性材料の軸線方向の分布が確実にzに独立
であるようにするために、zの関数で変化する。
【0010】さらに、他の実施例において、磁化率が軸
線方向に依存することを実現するために上記幾何学的な
条件を利用する。そのための制御関数G(z)が、適切
な磁場の勾配により容易に補正され、他の乱れに対して
更に補償的効果を確実なものにするために調節され得
る。
【0011】
【実施例】図1において、NMRスペクトロメータ20
が、プローブ32が配置されている穴30を有する高磁場超
伝導磁石31を含む略示ブロック図にして示されている。
プローブの先端に取り付けられているスピナー組立体33
はサンプルチューブ(図示されていない)を収納されて
いる。スピナー組立体33は、空気供給器34による、磁場
内でのサンプルチューブの回転を維持する。その空気供
給器34はそこでの回転を与えるためにスピナー組立体に
接続されている。RF送信器/受信器および信号処理器
35がプローブ32に接続され、そのプローブは、サンプル
チューブ内のサンプルに共鳴スペクトルを励起し、検知
するためのコイル(図示されていない)を有している。
信号処理器はまた、被検サンプルのスペクトルを表示す
るための手段を有し、それは表示手段36によって象徴的
に示されている。
【0012】本発明に関連した一つの実施例が図2に示
され、図2はサドルコイル50のためのパターンを示して
いる。図示のパターンは展開した形のもので、サドルの
ように丸めた形にしていない。典型的には、そのパター
ンは一定厚の銅製シートから食刻され、円筒形に丸めて
形成される。できあがったコイルは、従来よく知られた
手段により所望の共鳴特性に調整される。たとえば、Ho
ultによる“NMRスペクトルの進歩"(第12巻、41−77
項(1978))を参照。ターミナル52および54は、コイルを
送信器に、または交互に時間間隔をおいて受信器のプリ
アンプに接続するためのゲート(gating)回路に接続さ
れる。このような回路は公知であり本発明の目的とする
ところではない。
【0013】この実施例の一つの特徴を簡潔に記載する
ならば、一定幅δzの代表的な部分56、58および60(そ
れぞれ対になった破線により挟まれたコイル部分の全面
積)において、zに関係なく同じ面積にする必要がある
ということである。伝導体の厚さが一定であるならば、
その材料は回転させる(実際はサンプルが回転する)こ
とにより平均化し、一定の平均的磁化率が軸線方向にそ
って分布することになる。図2のコイルの軸線方向の先
端部分は磁気的な乱れ(構造の端部によって生ずるも
の)をコイルの高感度の容積から取り除くのに役立つ。
【0014】上記記載の例において、軸線方向の単位長
さ当たりのコイルの全面積が同一であるので、磁化率の
軸線方向の分布は一様となる。このことは、合成した結
果、軸線方向にそって一様なサンプル空間が必要な場合
(すなわち、サドルコイルと傾斜補償コイルにより形成
させる磁場が重なりあうことで結果的に一様にする場
合)でも本発明の適用に制限を加えることはない。磁化
率の軸線方向依存性を軸線方向の関数となるように作る
ことも可能である。このとき、補償勾配(gradient)が
加えられ、一定の軸線方向の合成磁場が形成されること
になる。
【0015】図3では、図1において円筒状に平均化さ
れた磁化率を軸線方向の座標に望ましく依存させた本発
明に係る、平坦な形のサドルコイルが示されている。こ
こに図示されたサドルコイルの大きさは、図3Aのよう
に(これは、所望の形を表している)、半径方向におい
て合計された軸線方向の質量分布を形成するために変更
されている。いかなる分布も特定することができ、した
がって、適切な形のサドルコイルパターンを作ることが
できる。
【0016】図4において、RFプローブ構造の他の実
施例が示されている。その実施例は、平行に電流を流す
2つのリンク64および66から成る。これらのリンクは、
そこに画成された円筒状のサンプル空間において適切な
RF磁場の分布を形成する。
【0017】前述した実施例のように、材料が軸線方向
に一定な分布を示し、したがって、軸線方向の勾配に寄
与する磁気の乱れが現れないような構造物であることが
望ましい。その構造物は、窓部を形成するために材料の
三カ所、すなわち、窓部の上端と下端に対応する二カ所
の水平方向の辺および縦方向の辺(窓部は向かい合うよ
うに形成されるので合計6カ所の辺)を切断することに
より形成される。その窓部のところのすべての材料は、
図5に示されているように第4辺のところで裏に折り曲
げられ電流リンクに対して押し付けられる。スロット69
がターミナル54'をターミナル52'から電気的に絶縁する
ために形成される。
【0018】この実施例において、感度領域内の構造物
の厚さ(すなわち半径方向の厚み)の増加により、サン
プルに結合するRFに軸線方向の不連続性が僅かに生じ
る。その増加は、折り重なったフラップ67'および68'に
よる付加的な厚さによるものである。材料の厚さがミル
のオーダであるので、その効果は僅かで、補償される静
的な磁化率の不連続性に比較して無視できると考えられ
る。
【0019】本発明の範囲から逸脱することなく多くの
変更を加えることができ、本発明が特許請求の範囲によ
って決定され、詳述した例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるNMRスペクロトメータの略示
ブロックである。
【図2】一実施例のサドルコイルの平坦な形の例を示
す。
【図3】図3Aは軸線方向にそって変わる磁化率を呈す
る、展開したサドルコイルを示し、図3Bは図3Aのコ
イルのz軸へ合計した質量のz軸方向に関するグラフを
示す。
【図4】関連ある他の実施例を示す。
【図5】図4の実施例の横断面図を示す。
【符号の説明】 32 プローブ 33 スピナー組立体 50 サドルコイル 64 リンク 66 リンク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NMRスペクトロメータのための改良さ
    れたプローブコイルであって、 軸線から半径方向に実質的に一定に変位したところに有
    限の磁化率を有し、前記軸線に関してサドルコイルを形
    成する伝導性材料と、前記サドルコイルにより画成され
    る容積全体にわたって軸線方向の磁場の勾配を形成する
    手段とから成り、 軸線方向の単位長さ当たりの前記材料の分布が前記軸線
    にそった変位に依存し、 前記勾配が、前記材料の前記分布と共同して、前記容積
    内に所望の磁場分布を形成する符号および大きさを有す
    ることを特徴とするプローブコイル。
JP3313171A 1983-09-22 1991-11-01 Rfスペクトロメータにおける磁化率の乱れを幾何学的に補償する装置 Expired - Lifetime JPH06103343B2 (ja)

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