JP4237465B2 - 超伝導nmr装置用rf受信コイル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、z軸方向に均一な磁場B0を生成する手段を有するNMR(核磁気共鳴)装置の座標原点(x,y,z=0)を中心に配置された測定領域内の測定サンプルへ及び/又は測定サンプルから、一つ以上の所望の共振周波数でRF(無線周波数)信号を放射及び/又は受信する少なくとも一つのRF共振器を備えるNMR共振器デバイスであって、誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用する該RF共振器の超伝導導体構造が、z軸に対して垂直な方向に間隔を有するz不変な表面上に実質的に配置されていることを特徴とするNMR共振器デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
このタイプの装置は、米国特許第5,585,723号明細書で知られている。
【0003】
本発明は、高分解能核磁気共鳴(NMR)の分野に関し、特にNMR測定サンプルからのNMR信号を受信する超伝導共振器の構成に関する。
【0004】
NMRは、化学的な化合物の構造解析のための非常に有用な方法であるが、あまり感度が高くない。感度を高めるために、最近の従来技術では冷却された常伝導体の共振器、及び特に超伝導体の共振器が用いられ、S/N比はそれらによってかなり大きくなる。例えば、特許文献1はそのような共振器を記述している。
【0005】
NMR共振器の製造における超伝導体の使用での大きな問題は静的磁化である。第2種超伝導体ではこの磁化は超伝導体内で閉路を流れる誘導電流によって生じ、その超伝導体の履歴に依存する(特許文献2)。上記電流は測定サンプルの活性領域における均一磁場に強い擾乱を生じ、それがNMRスペクトルの共鳴線に歪みを引き起こす可能性がある。外部条件が変化しない限り超伝導体の抵抗はゼロであるから上記電流はほぼ限りない時間にわたって流れ続ける。
【0006】
この磁化を小さくする方法が公開されている(特許文献2,3,4)。それらはいずれも複雑であり、さらに後述するような欠点を有する。常伝導結合エレメントを用いて活性測定領域を制限することによって擾乱磁場を小さくする超伝導コイル装置も開示されている(特許文献5)。特許文献5のコイル装置は、充填因子及び達成可能なRF電磁場の強度に関しては上記特許文献1〜3の方法のやり方よりも優れているが、常伝導コンポーネントを使用しなければならないのでRF共振器のQ値が著しく小さくなるという欠点がある。
【0007】
磁化の影響を小さくする公知の手段には次の手段1〜3がある。
【0008】
手段1.超伝導体の幅をn個の長手方向のストリップに分割する手段(特許文献1,5)。ここでnはできるだけ大きくなければならない。これによって、これらの長手方向のストリップに流れうる最大電流、ひいては超伝導体のとりうる最大磁化が1/nに減少する。
【0009】
手段2.超伝導体を磁石の静磁場内に定位したとき最初にそれを冷却して磁化を完全に排除する手段。特許文献4では、さらにゆっくり冷却するように付加的に勧告している。
【0010】
手段3.消磁プロセス方法によって既存の磁化を大部分排除する手段(特許文献2,3)。これは一連の減少する横方向磁場を超伝導体に作用させることによって達成される。反対方向の電流領域を含む電流構造がこれによって超伝導体内に誘導され、個々の磁場寄与成分は良い近似で打ち消し合う。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第5,619,140号明細書
【特許文献2】
国際公開第99/24845号パンフレット
【特許文献3】
国際公開第99/24821号パンフレット
【特許文献4】
米国特許第5,572,127号明細書
【特許文献5】
独国特許発明第197 33 574 A1号明細書
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知の方法には次のような著しい欠点1〜3がある。
【0013】
欠点1.上記手段1で述べた方法は、磁化をかなり減少させるが、残る残留磁化は依然として大きすぎて、高分解能NMR用途において十分な性能を得ることができない。
【0014】
欠点2.上記手段2,3で述べた方法は、静磁場に関して超伝導体の位置が測定プロセスの全体にわたって同じままである場合であって、静磁場自体もこの間変化しないままであるときにしか満足に機能することができない。大きな問題は角位置の一定性にあり、それは実際にはたいてい不十分である。静磁場に対してわずか0.1度でも傾斜があると、磁場の均一性を許容できないほど低下させる強度の遮蔽電流が超伝導体に生じ得る。
【0015】
傾斜は、静磁場から超伝導体の表面に向いた新たな横方向磁束を生じ、超伝導体は前から存在する磁束を維持しようとするので、超伝導体を通る全磁束が再び元の値に相当するように新たな表面電流によって対抗する。該表面電流は、測定サンプルの場所に不均一磁場を生じ、もって必要なスペクトル分解能を大きく低下させる。
【0016】
欠点3.特許文献2,3,4の方法は、実行することが困難であると共に、NMR共振器の重要な領域にデバイスを追加する必要がある 。
【0017】
上記に対し、本発明の目的は、実際のRF共振器から最適に分離され超伝導体の磁化によって生ずる擾乱的影響を最適に補償する追加的な超伝導導体構造を備えた新しいタイプの超伝導NMR装置用RF受信コイル装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によって、追加補償装置が少なくともz<−|z1|−0.5|r|かつz>+|z2|+0.5|r|(ただし、|r|は測定サンプル及び補償装置間の最小間隔)という値まで延伸し、z不変な表面上に設けられ、RF共振器からほぼRF分離された別の超伝導導体構造をさらに含み、補償装置及びRF共振器の導体構造が、各々が補償装置及びRF共振器の導体構造のz方向の全長にわたって延伸する超伝導構造を含み、かつz不変な表面上に配置された個々の表面セクション(“Z構造")から構成され、それらの超伝導構造は、Z構造の表面を複数の小さな等しいサイズの表面エレメントに適当に概念的に分解して均一テスト磁場を各表面エレメントの表面法線方向に概念的に印加したときに、本質的に等しい強度で互いにz位置に関してのみ異なる磁気双極子モーメントが全ての表面エレメントに誘導されるように配置されるという形で上述の特徴を有するNMR共振器において達成される。
【0019】
本発明の共振器は次のような多くの利点1〜3を有する。
【0020】
利点1.超伝導体の消磁のための複雑な方法(特許文献2,3,4)がもはや必要ない。
【0021】
利点2.外部擾乱磁場及び静磁場に対する共振器の機械的な運動が超伝導体に生ずる磁化は、上記の補償によって、測定サンプルの活性領域における静磁場の均一性に最小限度の影響しか及ぼさない。これは、超伝導体が強く磁化されている場合にもあてはまる。
【0022】
利点3.公知のコイル構造(特許文献5)をはるかに自由に設計できるので、効果的に設計できる。
【0023】
本発明の共振器では、無線周波数(RF)電流が流れ、したがってRF共振器を形成する個別超伝導導体部が、RF共振器内に準連続的に配置されz方向でそれを超えて延伸し、RF電流が流れないように可能な限りRF共振器から分離された追加の超伝導導体部によって補われる。図15はこの原理にしたがって構成された装置を示し、RF共振器はハッチングつきの線で示され、活性測定領域におけるB0磁場を均一化するだけが役目の追加導体部は黒で示されている。明らかに、超伝導物質はRF共振器表面の全体と追加導体部にわたってかなり均一に分布しており、これにより一般に全表面にわたって一様な双極子モーメントの分布とすることができる。超伝導体に誘導される電流によって生ずる双極子モーメントのこの一様な分布は、測定容積内にほぼ均一な擾乱磁場を生じ、したがってNMRスペクトルにもはや顕著な影響を及ぼさなくなる。
【0024】
共振器全体を、最小幅(図20(a))、すなわちリソグラフィー製造方法を用いることによって可能な最小幅の導体セクションから組み立てることが好ましい。なお、それらの導体セクションを束で配置してもよい(図20(b),図19(c),(d))。
【0025】
これにより、超伝導体内の磁化電流及びそれら電流によって生ずる磁場擾乱を活性測定領域で最小にすることができる。
【0026】
水平に向いて束にならずにz方向に周期的に連続して配置されている導体セクション(図20(a))は、それらが束になっていたとした場合(図20(b))に比べてz方向により高い周期性を有する。したがって前者の場合、超伝導体の磁化は活性測定領域内に生ずる磁場擾乱が後者の場合よりも小さくなる(図8も参照)。個々の導体セクションを束ねることは、構成上の理由によって、特にRF共振器の容量部を生成するために有利になることがある。
【0027】
以下の説明において、横方向磁場、長手方向磁場、NMR共振器、RF受信コイル装置、及びRF共振器という用語を何回も用いるので、下に詳しく定義しておく。
【0028】
横方向磁場とは、静磁場B0に対して垂直方向に向いた磁場であり、長手方向磁場とは、B0と平行な磁場である。
【0029】
NMR共振器とは、共振器装置全体を指す。それは、測定容積のまわりに配置された互いにRF結合された1つ以上の、好ましくは2つ又は4つのRF受信コイル装置から構成される。RF受信コイル装置自体はRF共振器と補償装置とを含み、RF共振器は実質的にRF受信コイル装置のうちでRF電流が流れる部分を表す。
【0030】
以下、上記の定義を考慮に入れながらいろいろな実施の形態を明らかにする。
【0031】
本発明のRF受信コイル装置の特に好ましいある実施の形態では、互いにz位置に関してのみ異なる全ての表面エレメントが実質的に同じ量の超伝導物質を含む。これにより、表面エレメントの設計を容易にして、所望のRF性質及び磁気的性質を簡単な方法で近似的に得ることができる。
【0032】
超伝導構造の構成エレメントを小さくするほど、RF受信コイル装置の表面全体をできるだけ等しい双極子モーメントを有する同一の小さな表面エレメントに細分することをより細かく行うことができる。これらの表面エレメントの最小寸法は構造エレメントの最小寸法より小さくあってはならない。構造エレメントの最小寸法より小さくなると、個々の表面エレメントが超伝導体を含むことが全くできなくなり、もって表面エレメント当たりの双極子モーメントが同一であるという条件が満たされなくなるからである。個々の表面エレメントの超伝導物質の磁気双極子モーメントによって生ずる活性測定領域内の擾乱磁場の揺動を小さくするためには、できるだけ細かく表面を細分することが必要である。表面エレメントの総数が50よりも大きいとき、好ましくは200より大きいときに、十分に細かい細分が得られる。
【0033】
この細分の最も重要な側面は、互いにz位置に関してのみ異なる同一の表面エレメントの数、すなわちz軸と平行な向きのストリップに配置される表面エレメントの数である。この数は、20よりも大きく、好ましくは50よりも大きくすべきである。
【0034】
本発明のRF受信コイル装置の特に好ましいある実施の形態では、補償装置の超伝導導体構造はRF共振器の両側から、z方向のRF共振器の拡がりの少なくとも半分、好ましくは約2倍突出する。これによって、活性測定領域における擾乱的影響の主因である補償装置のエッジ領域が活性測定領域から空間的にできるだけ遠くに移動されてその場所に著しい影響を及ぼすことがなくなる。
【0035】
NMR共振器は、通常、充填因子を最適化するためにいくつかのRF受信コイル装置から構成される。したがって、本発明のある有利な実施の形態では、NMR共振器は、z不変な表面の異なる部分領域にあるいくつかの、好ましくは2つ又は4つの結合されたRF受信コイル装置を含む。
【0036】
幾何形状及び生産の点で特に簡単な本発明のある実施の形態では、誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用する1つ以上のRF共振器の超伝導導体構造、及び1つ以上の補償装置の超伝導導体構造は、どちらも互いに平行かつz軸と平行な平坦基板エレメントに配置される。
【0037】
製造するのが特に簡単な本発明のRF受信コイル装置のある実施の形態では、誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用するRF共振器の超伝導導体構造、及び関連する補償装置の超伝導導体構造は、同じ平面上に配置される。この実施の形態及び前の実施の形態は、作用点が磁化曲線の直線領域にとどまっているとき、すなわち超伝導体の磁化があまり大きくないときに最適に機能する。特別に選ばれた、例えばジグザグ形の導体構造は直線領域の外側でも最適に機能することができる。
【0038】
ある別の実施の形態は、RF共振器及び関連する補償装置の超伝導構造が2つ以上の互いに平行に並べられた平坦な部分表面に配置され、誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用するRF共振器の超伝導導体構造及び関連する補償装置の超伝導導体構造の一部は、第1の部分表面に配置され、補償装置の超伝導導体構造の残りの部分は別の部分表面に配置されるということを特徴とする。多少複雑なこの配置によって別の物理的な自由度が得られ、超伝導体の磁力によって生ずる擾乱的な影響を非常に正確に補償することを可能にするが、最適な結果は作用点が磁化曲線の直線領域の外にあるときにも達成される。
【0039】
この実施の形態の別の発展例では、部分表面に垂直な方向で測られる部分表面の間隔は600μm以下であり、好ましくは50〜200μmの範囲内にある。磁気補償のエラーを最小にするためにこれらの間隔はできるだけ小さく保たなければならない。
【0040】
充填因子を平坦配置の場合よりもさらに高くすることができる本発明のRF受信コイル装置のある実施の形態では、誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用する1つ以上のRF共振器の超伝導導体構造、及び1つ以上の補償装置の超伝導導体構造は、z方向に関して円筒状に曲がった平坦基板エレメント上に配置される。なお、これを生産するのは多少困難である。
【0041】
本発明のある簡単な実施の形態は、補償装置及びRF共振器の導体構造がz不変な表面の同じ部分領域上に配置されるものであって特に好ましい。簡単な構成を特徴とする複数の別の実施の形態がこの実施の形態から導かれる。
【0042】
本発明のある特に好ましい非常に簡単な別の実施の形態では、導体構造の超伝導セクションの少なくとも一部はz軸と平行又は垂直なストリップ状に配置される。この実施の形態は単純な幾何形状を有し、いろいろなz構造を生成するための出発点として役立つ。
【0043】
変形例のオプションを増加させるある実施の形態では、z不変な表面上の超伝導構造が異なる幾何形状を有する。例えば、異なる方向及び幅のストリップ、正方形、円形、台形等である。これによって全体的な幾何形状の設計の柔軟性を向上させることができ、エラーの補償をさらに最適化することができる。
【0044】
本発明のRF受信コイル装置で個別に又は複数で使用できる非常に有用なZ構造は、1つの個別導体又はグループで配置される導体から形成される同一の狭い超伝導構造エレメントであり、これらはz方向に狭い間隔で、周期的に及び連続的に配置され、隣接する構造エレメント間の間隔は研究容積の中心からの間隔に比べて小さい。
【0045】
本発明のRF受信コイル装置に個別に又は複数で適用できるより非常に有用なZ構造では、1つの個別導体又はグループで配置される導体を有する構造エレメントが、z軸と平行に向き、同一又は異なる相互間隔を有する導体セクションを有する。
【0046】
本発明のRF受信コイル装置で個別に又は複数で使用できるZ構造の別の実施の形態は、いくつかの、好ましくは各幅がZ構造の幅に等しい長方形の部分領域に分割され、それらの部分領域はz軸に対して所望の角度傾斜した真っ直ぐな超伝導体ストリップで充填され、ある部分領域内でこの角度が正又は負であり、傾斜したストリップは部分領域内でz方向に狭い間隔で周期的且つ連続的に配置され、隣接するストリップの間隔は研究下の容積の中心からの間隔に比べて小さく、傾斜したストリップは部分領域間の境界線で互いに連続的に融合していることを特徴とする。このZ構造は、構造としては少し複雑であるが、単一の表面上にあり、その作用点が磁化曲線の直線領域の外にあるほど超伝導体が磁化されるときでも完全な補償を与えるという点で有利である。
【0047】
本発明のRF受信コイル装置のある実施の形態では、RF共振器に属さない超伝導体構造がいくつかの狭い中断部を有し、それらは個々の超伝導導体セクションの部分又は全長にわたって分布している。これにより、導体構造に通常生ずる渦電流が中断部によって小さくなるか又は抑制されるので、RF共振器と補償装置との間のRF分離を著しく改善する。
【0048】
本発明の別の実施の形態では、RF共振器はZ構造の所望の領域から生成されること、すなわち超伝導体若しくはその部分がZ構造の小さな表面エレメント内部で回転又は移動されること、及び/又は導体間の狭い間隔が超伝導的に結合されること、及び/又は狭い中断部が導体に導入されること、及び/又は傾斜していると共にジグザグな形のZ構造が用いられること、及び/又はZ構造が2つ以上の部分表面にわたって分布されることが行われる。
【0049】
比較的単純な幾何的構造を有する非常に具体的な特に好ましい実施の形態は、RF受信コイル装置が3つのZ構造、すなわち、2つは垂直なストリップを左と右とに有し、1つは中央に水平で真っ直ぐなストリップを有する3つのZ構造から形成されることを特徴とする。
【0050】
RF受信コイル装置が3つのZ構造、すなわち、2つは傾斜していると共に部分的にジグザグ形の横方向ストリップを左と右とに有し、中央構造はz方向に周期的に配置された横方向ストリップを有する3つのZ構造から形成される実施の形態から別の可能な幾何的配置が生ずる。この実施の形態は、構成が少し複雑であるが、単一の表面上にあり超伝導体の磁化が十分に強く作用点が磁化曲線の直線領域の外へ移るほどになっても完全な補償を与えるという点で有利である。
【0051】
非常に正確な補償と、多くの変形例の可能性とを与える本発明の別の実施の形態では、RF受信コイル装置全体が2つの平面に配置され、3つのZ構造から構成される。すなわち、第1及び第2の構造はストリップがz軸と平行に配置され相互間隔が定められており、第3の構造はストリップがz軸と垂直でz方向に周期的に配置され、第3のZ構造は最初の2つの構造の上方に位置してそれらを正確に覆い、RF共振器と補償装置が生成される。すなわち、3つのZ構造は、部分的に分解され、1つ又は2つの基板に属する2つの別々の部分表面に分配され、第1の部分表面はRF共振器全体を補償構造の主な部分と共に含み、第2の部分表面は補償構造の残りの部分を含み、このように生成された構造が2つの部分表面上に互いに重なり合って定位されてそれらの構造の和が元の3つのZ構造の和と再び等しくなって作動するNMR共振器を生成する。
【0052】
本発明の別の好ましい実施の形態では、超伝導導体構造の少なくとも一部が高温超伝導(HTS)物質を含むことができる。エピタキシャル法によって製造されるHTS物質の導体は、超伝導NMR共振器で一般に用いられる約4.2Kから30Kまでの温度範囲で、非常に高い磁場強度を伴う臨界電流密度が非常に高いので、NMR共振器を製造するのにきわめて適している。
【0053】
最後に、本発明のある実施の形態ではまた、超伝導導体構造が薄い層、好ましくは0.1〜1μmまでの厚さの層から形成される。これは従来の生産技術の範囲内にあって有利である。
【0054】
その他の利点は図面及び以下の記述から明らかになる。上記の特徴及び以下で述べる特徴は、本発明に従って、個々にも、任意の形で組み合わせても利用できる。図示され説明される実施の形態は、全てを列挙したものとしてでなく、本発明を説明するための例示的なものであると理解すべきである。
【0055】
以下では、図面を参照して本発明の実施の形態を更に詳しく説明する。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の機能を説明する。
【0057】
B0磁場と正確に平行に向いており、別の磁場にさらされたことがなかった1つの超伝導体ストリップは、ただ1つの長手方向磁化だけを有する(図7)。BZ成分はストリップの両端だけに生じ、ストリップの中央領域では無視できるほど小さい。
【0058】
長手方向磁化は、正方形断面の細い超伝導体ストリップを囲み、密に当接する閉電流ループによって表されうる。正方形断面の長さと幅はストリップの幅b又は厚さwに等しい。超伝導体の厚さwはきわめて小さいので(約0.1〜1μm)、断面積(b・w)もきわめて小さく、したがって生ずる擾乱磁場は無視できるほど小さい。
【0059】
超伝導体が長手方向にしか磁化されないのであれば、NMR応用に関する磁化の問題は無視できるであろう。B0磁場に対するストリップのきわめて小さな傾斜も、超伝導体に横方向磁化を生じさせる。B0磁場はきわめて強いので、0.1度未満の傾斜でも十分である。これは、超伝導体ストリップの表面を流れ(図2)、超伝導体を通る磁束の変化を補償しようとする閉電流ループによって表されうる。この補償が正確に働くのは、上記ループの電流が臨界電流、すなわち超伝導体における可能な最大の超伝導電流に到達するまでである。
【0060】
横方向磁化の閉電流ループに利用できる表面積は長手方向磁化のそれよりもずっと大きいので、NMRスペクトルへの影響も何桁も大きいものになる可能性がある。したがって、本発明の目的は、活性測定領域におけるB0磁場の均一性に対するこの横方向磁化の影響を最小にすることにある。以下、超伝導体の磁化に言及する場合、それは横方向磁化を意味する。
【0061】
本発明によって、次の7つの所見1〜7が実質的に導かれ、それらは、以下の順序で用いられる。
【0062】
所見1.静磁場B0と平行な磁場成分だけを考慮に入れなければならない。
【0063】
NMR分光においては、共鳴周波数は測定サンプルの場所における磁場の絶対値に依存し、
|B|2=(B0+ΔBZ)2+ΔBX 2+ΔBY 2=(B0+ΔBZ)2+ΔBXY 2
で表される。
【0064】
静磁場B0に比べて擾乱成分ΔBX,ΔBY,ΔBZが小さい限り、相対均一性に関して次の近似が成り立つ(z軸はB0と平行にとられる)。
|B|/B0≒1+ΔBZ/B0+1/2(ΔBXY/B0)2
磁場B0と平行な成分ΔBZだけが相対均一性に強い影響を及ぼすということはただちに認められるであろう。これに対してB0と垂直な成分ΔBXYは何桁も小さな影響しか及ぼさない。
【0065】
高分解能NMRでは、磁場の相対エラー(ΔBZ/B0+1/2(ΔBXY/B0)2)は10-10〜10-11という桁であってもよく、したがって、ΔBZ/B0及びΔBXY/B0に対して次のような2つの許容限界が得られる。
【0066】
ΔBZ/B0 <10-10〜10-11
ΔBXY/B0<10-5 〜10-6
したがって、超伝導体の磁化によって生ずる、B0と平行な擾乱成分ΔBZは、NMRスペクトルに対してB0と垂直な成分ΔBXYに比べて約5桁も大きな影響を及ぼす。
【0067】
一般に、超伝導物質の非常に薄い層だけがNMR共振器に用いられるので、必要な条件(ΔBXY/B0<10-5〜10-6)は容易に満たされうる。要するに、これは擾乱磁場のz成分ΔBZだけを考慮に入れなければならないということを意味する。他の2つの成分ΔBX,ΔBYは安心して無視できる。
【0068】
所見2.z軸と平行な電流は無視できる。
【0069】
z軸と平行、すなわち静磁場B0と平行に流れる電流は、マクスウェルの式によればいかなるBZ成分をも生じないので無視できる。しかし、静磁場と垂直に向いた電流、例えばxy平面内で流れる電流はBZ成分を生ずることができるので考慮に入れなければならない。
【0070】
所見3.静磁場B0と平行な超伝導体ストリップはそれらの両端でのみBZ成分を生ずる。
【0071】
長さがa、幅がb、及び厚さがwであり(ただし、b≪aかつw≪b)、長手方向軸がz軸と平行である非常に薄い超伝導体ストリップは、z軸と垂直に流れる電流のみを有し、それによってストリップの両端でBZ成分を生ずる(図2,図3)、すなわち、そこでは電流がz軸と垂直に流れてそれによってBZ成分を生ずる(図2,図3)。ストリップが十分に長い場合、すなわち、aがストリップと測定容積の中心の間の間隔s(図3)に比べて大きい場合、両端は活性測定領域から遠く離れており、したがって測定容積内のBZの均一性にもはや著しい影響を及ぼすことができない。ストリップは磁化したままにとどまり、超伝導体の臨界電流によって与えられるその最大値まで磁化される可能性がある。BZの均一性に対するその影響はそれでも小さいままにとどまる。
【0072】
所見4.静磁場B0と垂直な向き又は傾斜した向きであるが長い距離にわたってB0磁場の方向に周期的にかつ連続的に繰り返される超伝導体ストリップは、z方向に延伸した均一な構造を有し、その構造の両端でのみBZ成分を生ずる。
【0073】
長さがc、幅がd(ただし、dはcに比べて小さい)でz軸と垂直な長手方向軸を有する超伝導体ストリップは、z軸に対して垂直に流れる実質的な電流成分を有し、それによりBZ成分を生ずる(図5,図6)。これらの電流は活性測定領域におけるBZの均一性を大きく擾乱する可能性がある。
【0074】
多数のこのようなストリップがz方向に均一に配置されて十分に長い周期的でかつ連続的な構造が生成される場合(図9(c))、このストリップ構造の中央領域には実際上z成分は何も存在しない。図8は、z軸と平行な平面上で等間隔で互いに重なり合って配置された11個のこのようなストリップを有するストリップ構造の一例を示す。ストリップ間の間隔hがストリップ構造と活性測定容積の中心との間隔sに比べて小さく、かつz方向のストリップ構造の長さkが間隔sに比べて大きい限り、個々のストリップによって生ずるz成分の不均一性は活性測定容積の領域ではほぼ完全に互いに打ち消し合い、その場所には、不規則性が許容できるほど小さい非常に均一な容積が生ずる。これに対して大きなBzの不均一性はストリップ構造の上端と下端にしか存在しない。
【0075】
この後者の結果は、z軸と垂直に向いたストリップ(図9(c))だけでなく、z軸に対して傾斜したストリップ(図9(d),(e))についても、つまりz方向に周期的な他のいかなる構造についても得られる。
【0076】
所見5.超伝導体部を小さな表面エレメント内で回転又は移動させても、それらが生ずる磁場は活性測定領域の場所でほとんど変わらないままである。
【0077】
平坦な基板上のいかなる超伝導体構造も、一辺の長さが活性測定領域の中心からの間隔に比べて小さい、等しい正方形の表面エレメントのネットワークに分けることができる。
【0078】
個々の表面エレメントの超伝導体は、磁化していると仮定すると、横方向の磁化を有する。それは超伝導体内の閉電流ループによって生じる。上記電流ループの幾何的寸法は活性測定領域の中心からの間隔に比べて小さいので、それらを磁気双極子によって全く置き換えることができる。これを代用双極子と呼ぶ。代用双極子は関連する電流ループとほぼ同じ磁場を活性測定領域に生ずる。
【0079】
個々の表面エレメントにおいて超伝導体を回転させたり、移動させたり、さらにはその幾何形状を変えたりしても活性測定領域における磁場は変化しないlpとが可能であるから、唯一の条件は、それらの変化の後でも代用双極子が同じにとどまるということにある。
【0080】
所見6.超伝導体ストリップにおける間欠的な狭い中断部の影響は無視できる。
【0081】
超伝導体ストリップにおける間欠的な中断部は、活性測定領域でのz成分の均一性に認められるほどの影響を及ぼさない。中断部は、超伝導体における通常の電流ループと逆に流れる電流ループによって置き換えることができる。それらは非常に小さな領域に局限されるので非常に小さな磁場しか生じることができない。
【0082】
所見7.ある超伝導導体構造と静磁場B0と平行なある平面に関するその鏡映とは同一の磁気的挙動を示す。
【0083】
ある超伝導導体構造がz軸と平行なある平面に関して鏡映されても、z軸、つまりB0磁場に対する全ての角度が維持されるので、超伝導体の臨界電流密度及び臨海電流分布は変化しない。
【0084】
したがって、図9(d),(e)の導体構造は磁気的に同一である。また、図9(f)は両方の構造から構成されているので、これも図9(d),(e)と磁気的にほぼ同一な大きさである。
【0085】
幸いなことに、NMRスペクトルは、活性測定領域においてBZ成分だけに依存し(所見1)、それは横方向磁化から生ずる。B0磁場と平行な長い超伝導体ストリップの場合、z成分はそのストリップの両端でのみ現れるが、これらは活性測定領域において無視できるほど小さい(図2)。これは、図2のサンプル領域1においてB0磁場と平行な超伝導体の閉電流ループにおける電流の方向が、トリップの端でのB0磁場と垂直であるということによる。上記所見2で示したように、B0磁場と平行な電流は何もz成分を生じないので無害である。
【0086】
図4は、NMRスペクトルが横方向磁化のx成分及びy成分に依存するとしたら何が起こるかをはっきりと示している。明らかに強い不均一性が活性測定領域1に存在し、それがNMRスペクトルに強く影響するであろう。本発明は、NMRがBZ成分の考察だけを有り難いことに要求しているということによってのみ実際に実現可能になる。
【0087】
B0磁場の方向と垂直である超伝導体ストリップは(図5)、電流の大部分がB0磁場の方向と垂直に流れるので基本的にz成分を生ずる。それでもこれらのストリップを効果的に利用することが可能である(所見4)。唯一の条件は、これらのストリップがz方向に周期的かつ連続的に反復され(図9(c))、それによってz方向に十分に長い導体構造が効率的に生成されるということである。そうなっていれば、横方向電流が生ずる磁場は、導体構造の中央領域、すなわち活性測定領域で互いに補償し合って、z成分はこの補償が不完全である導体構造の上端と下端でしか生じない(図8)。
【0088】
以上の所見1〜7が示していることは、幅が一定であり、長さが活性測定領域に比べて大きい導体構造であって、長手方向軸がB0磁場と平行に向き、超伝導部の分布が巨視的にz方向に均一であるものは、導体構造の上端と下端でBZ成分を生じるだけであって、測定サンプルがある中央領域では実際上何も生じないということである。導体構造の端で生ずる磁場が活性測定領域で無視できるほど小さな擾乱磁場しか生じないようにするためには、上記導体構造は十分長くなければならない。
【0089】
巨視的にz方向に均一な超伝導部の分布は、導体構造の表面を、一辺の長さが活性測定領域の中心からの間隔に比べて小さい同一の正方形表面エレメントの格子に分割し、個々の表面エレメントで、各表面エレメントにおける横方向磁化ができるだけ等しい強度の磁気双極子で置き換えることができるように超伝導体を分布させるということで得られる。これにより、活性測定領域に何も擾乱磁場を生じない導体構造であって、例えば異なる幾何形状、例えば異なる向き及び幅のストリップ、並びに正方形、円形、台形等のストリップから構成されたものを生成することができる。
【0090】
超伝導部のz方向で巨視的に均一な分布はまた、これらの超伝導部が互いに密接に配置される周期的かつ連続的な同一の狭い導体セクションから成るようにしても得られる。導体セクションは、それらが生ずる擾乱磁場の揺動が活性測定領域で無視できるほど小さくなるように互いに十分密接していなければならない。図9(c),(d),(e)はそのような導体構造の例を示している。
【0091】
超伝導体コンポーネントは、必ずしも同一である必要はなく、図9(f)の例に示され、上記所見7でより詳細に説明したように、鏡映対称像のコンポーネントで補うこともできる。
【0092】
さらになお、超伝導部がB0磁場と平行に向いた狭い真っ直ぐな導体セクションから成る特別な場合には、それらは周期的かつ連続的な反復である必要はなく、互いにどんな間隔であってもよい。個々の導体セクション自体がどれも活性測定領域でBz磁場を生じないからである。
【0093】
上記後者の導体構造をZ構造と呼ぶことにする。本発明は、互いに密接して及び/又は互いに重な合って配置されるいくつかのこのようなZ構造に基づいて、所望のRF共振器をこれらの導体構造の所定領域から構築する。これらの導体構造の残りの部分は超伝導体の磁力の補償にのみ寄与し、理想的な場合、RF電流が何も流れない。RF電流はRF共振器でしか流れないので、他の導体からのRF分離が最適である。
【0094】
Z構造からRF共振器を構築するには、個々の選ばれた小さな表面の導体部を所見5にしたがって回転又は移動させ、個々の導体セクションを結合したり分離したりする。
【0095】
Z構造のRF共振器に属さない残りの部分も所見5にしたがって変更することができ、例えば垂直配置を水平配置に変更することによって共振器に対するRF結合を減少させることができる。
【0096】
完全を期するために、Z構造に関して次の2点の指摘1,2を述べておかなければならない。
【0097】
指摘1.Z構造は一つの平面に配置する必要はなく、zに関して不変であればどんな表面で実現してもよく、特には円筒面でも実現することができる。
【0098】
指摘2.Z構造はzと交差する一定の幅を有しなければならないが、長方形である必要はない。すなわち、それらの長手方向の拡がりの端で2つの終端は所望のいかなる形、例えば傾斜があったり曲がっていてもよい。これらの端は活性測定領域から遠く離れているので、測定領域の磁場の均一性に何も影響を及ぼさない。
【0099】
上述の原理は多数の実施の形態を可能にするが、それらのうちのほんのいくつかについて説明する。以下の実施の形態は全て3つのZ構造だけに基づいており、それらの2つは垂直な(z軸と平行な)又は傾斜した導体セクションであり、1つは水平な(z軸と垂直な)導体セクションである。
【0100】
本発明の概念に係る第1の実施の形態では、第1のZ構造はB0磁場に平行なストリップであり、第1のZ構造に続く第2の構造はB0磁場と垂直なストリップであり、その後に再びB0磁場に平行なストリップで第3の構造が続く。図10はその一例を示しており、3つのZ構造は、独国特許発明第101 18 835.8−33号明細書(特許文献6)における図10aのタイプのRF共振器をそれから生成できるように選ばれている。RF共振器が生成すべきZ構造の領域は図10においてハッチングで示されている(領域7a)。主に磁場を発生する導体は、左Z構造8aから生成され、測定サンプルに最も近いものである。上と下の横方向導体は中央構造9aから生成され、容量部は右構造10aから生成される。右導体構造10aは、左導体構造8aの2倍も多くの導体を有し容量部の生成を可能にしている。
【0101】
主要な問題は、導体構造8a,10aにあるRF共振器の角部の生成である(図10)。これは、超伝導体の個別電流路のいくつかの領域を、隣接する電流路の間の接触している線での電流が等しく向きが逆である小さな閉電流路S1,S3,S4,S5,S6で置き換えることによって解決される(図13(a))。これらの小さな電流路の寸法は所見5の条件を満たしているので、これらを表面エレメントA2,B2,C2(図13(a))の内部で回転又は移動させても、それによって活性測定領域のB0磁場には影響しないようにすることができる。以下、上記問題を解くための個々のステップをより詳しく説明する。
【0102】
図12は、導体構造8aの一部を示し、3つの垂直な超伝導体ストリップから成っている。各ストリップに1つの個別閉電流路が示されている。それは上と下で切られ、電流の方向は矢印で表されている。
【0103】
5つの電流路S1,S3,S4,S5,S6が、関連する表面エレメントの中心のまわりで90°回転される(図13(a))。これは、表面エレメントB3,C3の小さな電流路でも行われる。その結果は、各1つの角部を有する電流路となる(図13(b))。
【0104】
この変換は、図12のそれぞれの超伝導体ストリップ内の1つの個別電流路について説明された。それはそれぞれのストリップに流れ込むことができる可能性がある全ての電流路にあてはまる。それぞれのストリップの内部の可能性がある全ての電流路について上述の変換を実行すると、図13(b)に示された超伝導構造となる。
【0105】
上述の変換にしたがって全ての角部を生成すると、RF共振器の全体構造を得ることができる(図14のハッチングされた表面)。それは図10のハッチングのない明るく示された表面と磁気的にほぼ同一であり、したがって活性測定領域に擾乱的なBZ成分を何も生じない。
【0106】
図14の導体構造は、磁力線の通過に対して小さな間隙しかないので、RF共振器のRF磁力線が密に隣接する水平なストリップの構造9aを貫通して強い抵抗に会わなければならないという欠点がある。特に、RF共振器によって囲まれた水平なストリップは、きわめて高い密度の磁力線の通過を許さなければならないので、最大の障害を形成する。
【0107】
このような理由により、本発明の概念に係る第2の実施の形態では、図10の中央導体構造9aは、図11のより透明な導体構造9bに置き換えられている。上述の変換を実行すると、図15の構造が生成され、これはRF磁力線に対して実質的により透明であり、したがってより良いRF性質を有する。
【0108】
上述の2つの実施の形態で残されたエラーの源を検討すると次の2つの所見8,9が得られる。
【0109】
所見8.超伝導体に作用する外部擾乱磁場は十分小さく、作用点が磁化曲線の直線領域内に収まらなければならない。すなわち、超伝導体と擾乱磁場との電流間に直線関係がなければならない。そうなっていない場合、超伝導体のとりうる異方性を考慮に入れなければならない。異方性とは、B0磁場と平行な電流はB0磁場と垂直な電流とは異なる臨界電流密度を有するということを意味する。これは、超伝導体を回転させたときに異なる電流分布を生じるので、超伝導体における異なる積分電流値を生ずる。したがって、活性測定領域におけるB0がこの積分電流値の変化に正比例して変化する。
【0110】
所見9.以下のことから別のエラーが生ずる。閉電流路の回転又は移動の後、いくつかの表面エレメントのエッジ部に電流が集中するエッジ領域が生ずる可能性があるが(図13(b)の表面エレメントA1,B1,C1の下方エッジ部上の電流参照)、もちろんこれは実際には起こり得ない。エッジ部における無限大の電流密度を避けるために物理的理由によって要求されているような所定面積にわたって上記エッジ電流が分布すると小さなエラーが発生する。
【0111】
第2の実施の形態の利点は、導体構造の多くの変形例が可能であるということと、全ての導体構造が単一の基板上にあるということである。
【0112】
第2の実施の形態の欠点は、超伝導体が異方性を有すると、正確な補償は磁化曲線の直線領域でのみ、すなわち小さな擾乱磁場についてしか保証されないということと、小さな電流ループの回転はいくつかの超伝導体ストリップのエッジ領域で小さなエラーを生ずることがあるということである。
【0113】
主に超伝導体の異方性が著しい擾乱を生ずる可能性があるので、本発明の概念に係る第3の実施の形態は、電流路の回転や移動を排除する変形例を提供する。この場合も3つのZ構造が用いられる。外側の2つの構造は図9(f)による傾斜したストリップで構成され、1つの中央構造は図9(c)による水平のストリップで構成される。外側の2つの導体構造は、導体の一部が電気的にコーヒーレントな構造を生成してz方向に延伸し、同時に2つの導体構造のエッジ部での結合を可能にしているという利点がある。これらの結合の可能性によって、中央導体構造の水平なストリップに直接結合することができ、前のように電流路を回転又は移動させる必要がない。
【0114】
図16はその一例を示す。ここで導体構造は、世界公開第96/39636号パンフレット(特許文献7)の図2cのタイプのNMR共振器を生成できるように選ばれている。RF共振器は3つの導体ループを有し、それらは完全に閉じておらず、すなわちそれぞれ小さな間隔で中断されており、それによって共振器の容量部を作り出している。第1及び第3の導体ループは下方の横方向導体に中断部があり、中央の導体ループは上方の横方向導体に中断部がある。この第3の実施の形態は、超伝導体の異方性に無関係であるという点で非常に有利である。
【0115】
第3の実施の形態の利点は、補償は超伝導体の異方性と無関係であるということと、導体構造全体が単一の基板上にあるということである。
【0116】
第3の実施の形態の欠点は、導体の一部は関連する補償される導体構造のエッジ部で結合が可能なジグザグ構造でなければならないので、共振器の変形例の可能性が限定されるということである。
【0117】
第3の実施の形態は変形例の可能性が限定されるので、超伝導体の異方性に無関係であるという利点をしっかり確保し、なおかつより多数の変形例が可能である本発明の概念に係る第4の実施の形態が提供される。この実施の形態では、Z構造は2つの異なる基板に適当に配分されている。2つの基板は、互いに重なり合って、それらの上に配置される導体構造が互いに近く位置することができるように、例えば電気的に絶縁する薄いシートだけで隔離されるように位置する。このように、全ての導体構造は実際には1つの平面上に配置される。
【0118】
2つの基板は、導体構造が直接互いに重なり合うことができないように、すなわち2つの基板の一方によって隔離されるように重なり合って配置されることも可能である。この場合、全ての導体構造が実際には単一の平面上にあることが上記同様確保されるように、隔離機能を果たす基板はできるだけ薄くなければならない。
【0119】
一例として、特許文献6の図10aのタイプのNMR共振器が構成される。これも3つのZ構造、すなわち図17(a)による第1及び第2の垂直構造と図17(b)による第3の水平構造とに基づく。なお、第3の構造は別に示されているが、最初の2つの構造の上に、これらを正確に覆うように配置されている。
【0120】
このRF共振器のうちで、磁場を発生する主要部は図17(a)の左側にある第1の導体構造に由来する部分であり、これが測定サンプルに最も近く位置している。容量部は右側構造に由来し、右側構造は容量部を実現するために左側構造の2倍も多くの導体を有している。
【0121】
このRF共振器の横方向結合は第3のZ構造から得られる(図17(b))。このZ構造の幅LBは、図17(a)の2つのZ構造の幅LAと等しい。すなわち3つのZ構造は互いに正確に重なる。
【0122】
3つのZ構造を分解し2つの基板上に分配して、各個別基板上で導体が互いに重なったり交差したりせず、全体として共振的なRF共振器が生成されるようにする。第1の基板は、図18(a)の構造、すなわちRF共振器と磁化を補償する導体構造の主要部とを有し、第2の基板は、磁化の残りの部分を補償する図18(b)の構造を有する。それに関しては、図18(a),(b)の構造の和が、図17(a),(b)のZ構造の和にできるだけ近いことが重要である。その場合にのみ、この2つの基板の共振器が、活性測定領域に何もBZ成分を生じない元の図17(a),(b)の3つのZ構造と磁気的に同一になるからである。
【0123】
第4の実施の形態の利点は、補償は超伝導体の異方性に依存しないということと、多くの導体構造の変形例が可能であるということである。
【0124】
第4の実施の形態の欠点は、2つの個別基板又は両側が覆われる1つの基板が必要であり、それらの構造は正確に重なり合って配置しなければならないということである。
【0125】
次に、RF共振器をZ構造の所望の領域から構築しうる全ての手順1〜5を要約する。以下の手順1〜5は、個々にも、グループでも、又は全部同時にも適用できる。
【0126】
手順1.小さな表面エレメント内部で超伝導部を回転又は移動させる。
【0127】
手順2.小さな間隙を超伝導体で架橋する。
【0128】
手順3.小さな中断部を設ける。
【0129】
手順4.傾斜したかつジグザグ形の導体を有するZ構造を使用する。
【0130】
手順5.Z構造を分解し、2つの基板上に再分配して1つの個別基板上で重なりや交差がないようにする。
【0131】
RF共振器に属していない超伝導導体は、狭い中断部がさらに設けられるとRF共振器へのRF結合を最小にすることができる。このような中断部は第2の実施の形態に関して図1に示されている。はっきりと図示するまでもなく、このような中断部は他の全ての実施の形態でも実現することができる。
【0132】
一般に、コンポーネントが周囲と異なる透磁率を有するNMR共振器は、活性測定領域に磁場不均一性を生ずる。従来、この効果はそれらのコンポーネントと同じ透磁率を有し、かつz方向に平行して十分に延伸している追加材料でそのコンポーネントを代用することによって補償される。追加材料は、絶縁体であって、例えばコイル全体を浸す液体も含まれてもよい。この方法は、“透磁率継続法”と呼ばれ、本発明に対して次のような相違点を有する。
【0133】
相違点1.“透磁率継続法”は常伝導金属又は絶縁体だけに用いられ、一般にそれらについてのみ有効である。これに対して、超伝導体では、一般に磁化の影響はより強く、他の補償方法、例えば本発明による補償方法が必要である。
【0134】
相違点2.常伝導物質では、磁化はコンポーネント内の磁気双極子モーメントによって生じ、それらは必然的にB0磁場によってそれらと平行に向けられる。しかし、超伝導体では、磁化は超伝導コンポーネントにおける補償電流によって生ずる。これらの電流が活性測定領域における磁場不均一性に及ぼす影響は磁気双極子モーメントの影響より何桁も大きい。
【0135】
相違点3.“透磁率継続法”では、コンポーネントの横方向磁化は無視できるほど小さいので、長手方向磁化だけを補償すればよい。しかし、超伝導体の場合、横方向磁化が主であり、長手方向磁化は重要性がほんのわずかである。
【0136】
さらに独国特許発明第34 14 559 A1号明細書(特許文献8)は、NMRスペクトルへの影響を小さくするためにNMR共振器の透磁率を少なくとも部分的に補償する方法を開示している。この方法も常伝導物質のみに関するものであり、z軸上での磁場擾乱を排除し、活性測定領域全体における磁場擾乱を排除するものではない。それとは対照的に、本発明は活性測定領域全体にわたって磁場擾乱を補償する。
【0137】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、実際のRF共振器から最適に分離され超伝導体の磁化によって生ずる擾乱的影響を最適に補償する追加的な超伝導導体構造を備えた新しいタイプの超伝導NMR装置用RF受信コイル装置を提供することができる。また、活性測定領域におけるB0磁場の均一性に対するこの横方向磁化の影響を最小にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第2の実施の形態の変形例による共振器を示す図である。なお、これは図15の共振器とほとんど同じであるが、磁化を補償する追加の導体に小さな中断部があって、これらにより、これらの導体と実際のRF共振器(ハッチングされた線で示す)との間のRF結合を最小にしている。
【図2】長手方向の軸がB0と平行な磁化された超伝導体ストリップによって生成される磁場ΔBの斜視図である。
【図3】図2に対応してxz平面で示した図である。なお、磁場ΔBのz成分(ΔBZ)1は、活性測定容積の領域でほとんどゼロであり、ストリップの上方のエッジ部と下方のエッジ部でのみ現れる。
【図4】図2の装置の磁場ΔBをxy平面で示した図である。なお、活性測定サンプルの場所1に強い不均一磁場が存在するが、これはΔBX成分及びΔBY成分によるものである。しかし、これらはNMRスペクトルに何も影響を及ぼさないので無視できる。
【図5】長手方向軸がB0と垂直である磁化した超伝導体ストリップによって生ずる磁場ΔBの斜視図である。
【図6】図5に対応してxz平面で示した図である。なお、磁場ΔBのBZ成分(ΔBZ)1は活性測定サンプルの場所で強い不均一性を示し、これはNMR共鳴線に強い影響を及ぼす可能性がある。
【図7】B0磁場と平行に向いた超伝導体ストリップの長手方向磁化によって生ずる擾乱磁場ΔBを示す図である。なお、擾乱磁場はストリップの2つの端でのみ生成される。
【図8】B0と平行なある平面上にあって、互いに重なり合って一様に配置されたいくつかの超伝導体ストリップ4a,4b,4c,..4kの配置を示す図である。なお、個々のストリップのBZ成分(ΔBZ)1が重なって磁場(ΔBZ)totを生ずる。磁場(ΔBZ)totは活性測定容積1の領域でほぼゼロであり、装置の上端と下端にのみに存在する。
【図9】(a)は、B0磁場と平行な超伝導体ストリップを示す図であり、(b)は、全てB0磁場と平行ないくつかの一様に分布したストリップから構成される超伝導導体構造を示す図であり、(c)は、全てB0磁場に垂直ないくつかの一様に分布したストリップから構成される超伝導導体構造を示す図であり、(d)は、B0磁場に対してある傾斜で配置されたストリップから構成される超伝導導体構造を示す図であり、(e)は、(d)の超伝導導体構造の鏡像を示す図であり、(f)は、(d)の導体構造と(e)の超伝導導体構造の鏡像のセクションから構成される超伝導導体構造を示す図である。
【図10】一定の幅を有し、z方向に大きく延伸し、2つは垂直で1つは水平の3つの部分構造から成る超伝導導体構造を示す図である。なお、RF共振器はハッチングされた領域で構成することができる。また、その他の領域はRF共振器によって生ずる磁化を補償する。
【図11】図10のような超伝導導体構造であって、その中央部分構造の水平なストリップは相互間隔が広くなっていることを示す図である。なお、この部分構造はRF透明性を高める。
【図12】図10の部分構造8aの部分セクションを示す図である。なお、1つの個別で閉じた電流路は、3つの垂直な導体ストリップの各々で上と下を切り取ったものを示し、電流の方向は矢印で示してある。
【図13】(a)は、導体ストリップの電流ループをさらに小さな電流ループS1,S3,S4,S5,S6へ細分する様子を示す図である。なお、これらは時計回りに90°回転されて角部を有する電流ループを生ずる。また、(b)は、(a)の変換の結果を示す図である。
【図14】図10のハッチングをつけた構造から図13(a)の変換を用いて生成された本発明の第1の実施の形態による共振器を示す図である。なお、RF電流が流れる領域はハッチングされている。また、導体構造全体は磁化された状態で活性測定領域にz成分をほぼ何も生じない。
【図15】図11のハッチングをつけた構造から図13(a)の変換を用いて生成された本発明の第2の実施の形態による共振器を示す図である。なお、RF電流が流れる領域はハッチングされている。また、導体構造全体は磁化された状態で活性測定領域にz成分をほぼ何も生じない。
【図16】3つの垂直な部分構造(図中の左、中央、及び右)から個々の導体部を回転又は移動させる必要なしに直接生成された本発明の第3の実施の形態による共振器を示す図である。なお、いくつかの導体を非常に短い経路で結合及び/又は分離しなければならなかった。また、RF電流が流れる領域はハッチングされている。導体構造全体は磁化された状態で活性測定領域にz成分をほぼ何も生じない。
【図17】(a)は、本発明の第4の実施の形態による共振器の部分が生成される2つの垂直な導体構造を示す図であり、(b)は、本発明の第4の実施の形態による共振器の部分が生成される水平な導体構造を示す図である。
【図18】(a)は、本発明の第4の実施の形態による共振器の第1の基板上の導体構造を示す図である。なお、該基板はRF共振器7dと磁気を補償する導体構造の主な部分とを含む。また、(b)は、本発明の第4の実施の形態による共振器の第2の基板上の導体構造を示す図である。なお、該導体構造は、技術的な理由により第1の基板で補償できなかった残りの磁気的エラーを補償する。
【図19】(a)は、図17(a)の部分セクションを示す図である。なお、3つの個別導体がそれぞれ束に組み合わされて可能な実施の形態の1つを表す。また、(b)は、図17(b)の部分セクションを示す図である。なお、3つの個別導体がそれぞれ束に組み合わされて可能な実施の形態の1つを表す。また、(c)は、図18(a)の部分セクションを示す図である。なお、3つの個別導体がそれぞれ束に組み合わされて可能な実施の形態の1つを表す。また、(d)は、図18(b)の部分セクションを示す図である。なお、3つの個別導体がそれぞれ束に組み合わされて可能な実施の形態の1つを表す。
【図20】(a)は、個別導体が束にされていない好ましいNMR共振器の部分を示す図である。なお、ハッチングをつけた領域はRF共振器に属する。また、(b)は、3つの個別導体が束にされたNMR共振器の部分を示す図である。なお、ハッチングをつけた領域はRF共振器に属する。
【符号の説明】
1 活性測定容積
2 長手方向軸がB0と平行な超伝導物質の長い平坦導体(超伝導体ストリップ)
3 超伝導体ストリップ2における電流
4 長手方向軸がB0と垂直な超伝導物質の平坦導体(超伝導体ストリップ)
4a,4b,4c,..4k 装置5に属する超伝導体ストリップ4
5 B0と平行な平面上にあり互いに重なり合って一様に配置されたいくつかの超伝導体ストリップ4a,4b,4c,..4kの装置
6 超伝導体ストリップ4における電流
7a,7b,7c,7d RF電流が流れる導体セクションが配置される共振器の領域であって、互いに異なるこれらの導体セクションがRF共振器、すなわちRF共振回路を定める共振器の領域
8a,8b 一部はサンプル容積と最も近くにある共振器の垂直導体部を生成するために用いられてその場所のRF磁場の主な部分を生ずるz軸と平行な垂直導体構造
9a,9b 一部はRF共振器の上と下の水平な横方向結合を生成するのに用いられるz軸と垂直な水平導体構造
10a,10b 一部はRF共振器の容量部を生成するのに用いられるz軸と平行な垂直導体構造
B0 NMR磁石の静磁場
ΔB 磁化した超伝導体が発生する磁場
(ΔBZ)1 単一の超伝導体ストリップ2又は単一の超伝導体ストリップ4のΔBのz成分
(ΔBZ)tot いくつかの超伝導体ストリップから構成される装置5のΔBのz成分
S1,S3,S4,S5,S6 超伝導体ストリップにおける閉電流路
Claims (22)
- z軸方向に均一な磁場B0を生成する手段を有するNMR(核磁気共鳴)装置の座標原点(x,y,z=0)を中心に配置された測定領域内の測定サンプルへ及び/又は測定サンプルから、一つ以上の所望の共振周波数でRF(無線周波数)信号を放射及び/又は受信する少なくとも一つのRF共振器を備え、誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用する該RF共振器の超伝導導体構造が、測定サンプルからz軸に対して垂直な方向に間隔を有するz不変な表面上にあって、実質的にはz=−|z 1 |とz=+|z 2 |の間に配置されるRF受信コイル装置であって、さらに、補償装置が、少なくともz<−|z1|−0.5|r|かつz>+|z2|+0.5|r|(ただし、|r|は該測定サンプルと該補償装置の最小間隔)という値にまで延伸する該z不変な表面上に設けられ、該補償装置は該RF共振器からほぼRF分離された別の超伝導導体部分をさらに含み、該補償装置及び該RF共振器の導体構造が、該z不変な表面上に配置され、それぞれ補償装置及びRF共振器の導体構造のz方向の全長にわたって延伸する超伝導導体構造を含む個々の導体セクションを有するZ構造から構成され、前記Z構造の表面を分解して得られる複数の小さな等しいサイズの表面エレメントの夫々に対し、その複数の表面エレメントの夫々の表面法線方向に沿う均一テスト磁場を印加したときに、前記超伝導導体構造が該RF共振器表面の全体及び前記別の超伝導導体体部分にわたってかなり均一に分布され、これにより、本質的に等しい強度の磁気双極子モーメントが互いにz位置に関してのみ異なるそれら全ての表面エレメントに誘導されることを特徴とするRF受信コイル装置。
- 互いにz位置だけに関して異なる全ての表面エレメントは、実質的に等しい量の超伝導物質を含むことを特徴とする請求項1記載のRF受信コイル装置。
- 該補償装置の超伝導導体構造は、RF共振器の両側からz方向のRF共振器の延伸の少なくとも半分突出していることを特徴とする請求項1又は2記載のRF受信コイル装置。
- 該補償装置の超伝導導体構造は、RF共振器の両側からz方向のRF共振器の延伸の約2倍突出していることを特徴とする請求項3記載のRF受信コイル装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置から構築され、これらのRF受信コイル装置は、互いに結合され、該z不変な表面の異なる部分表面上にあることを特徴とするRF受信コイル装置。
- 前記RF受信コイル装置は、2つの請求項1乃至4のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置から構築されることを特徴とする請求項5記載のRF受信装置。
- 前記RF受信コイル装置は、4つの請求項1乃至4のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置から構築されることを特徴とする請求項5記載のRF受信装置。
- 誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用する1つ以上のRF共振器の超伝導導体構造及び1つ以上の補償装置の超伝導導体構造が互いに平行かつz軸と平行に配置された平坦基板エレメント上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用する該RF共振器の超伝導導体構造及び関連する補償装置の超伝導導体構造は、同じ平面上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 該RF共振器及び関連する補償装置の超伝導導体構造が互いに平行に配置された2つ以上の平坦な部分表面に配置され、誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用する該RF共振器の超伝導導体構造及び関連する補償装置の超伝導導体構造の一部は第1の部分表面に配置され、該補償装置の超伝導導体構造の残りの部分は他の部分表面に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 誘導的に作用しかつ部分的には容量的にも作用する1つ以上の該RF共振器の超伝導導体構造及び1つ以上の該補償装置の超伝導導体構造がz方向に関して円筒状に曲がった基板エレメント上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7、及び10のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 該補償装置及び該RF共振器の該導体構造は、該z不変な表面の同じ部分表面上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 該導体構造の超伝導セクションは、その少なくとも一部がz方向と平行又は垂直なストリップで配置されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 該Z構造の1つ以上が同一の狭い超伝導構造エレメントから構築され、これらの構造エレメントは、単一の導体、又は密に近接すると共にz方向に周期的に連続して配置されたグループの導体から成り、隣接する構造エレメントの間の間隔が測定領域の中心からの間隔に比べて小さいことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 該Z構造の1つ以上が1つの個別導体又はグループで配置された導体から成る構造エレメントで構成され、該導体セクションは、z軸と平行に向き同一又は異なる相互間隔を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 該Z構造の1つ以上が、いくつかの部分領域に分割され、これらの部分領域はz軸に対して所望の角度傾斜した真っ直ぐな超伝導体ストリップで充填され、この角度はある部分領域内で正又は負であり、該傾斜したストリップは、1つの部分領域内で密に近接すると共にz方向に周期的に連続して配置され、隣接するストリップの間隔が測定領域の中心からの間隔に比べて小さく、該傾斜したストリップは該部分領域間の境界線で連続的に融合することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 前記いくつかの部分領域は幅がそれぞれのZ構造の幅と等しい幅の長方形に形成されることを特徴とする請求項16記載のRF受信コイル装置。
- 該RF共振器に属さない超伝導導体構造が個別超伝導導体セクションの部分にわたって又は全長にわたって分布するいくつかの狭い中断部を含むことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- 該RF共振器は、該Z構造の所望の領域から、その超伝導体若しくはその一部を該Z構造の小さな表面エレメント内で回転又は移動させることにより生成されること、及び/又は導体間の小さな間隔が超伝導的に結合されること、及び/又は導体に狭い中断部が配置されること、及び/又はジグザグ形の傾斜したZ構造が用いられること、及び/又は2つ以上の部分表面にZ構造が分配されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- RF受信コイル装置は、2つは左と右との垂直なストリップ及び1つは中央の水平な真っ直ぐなストリップという3つのZ構造から構築されることを特徴とする請求項1乃至15又は18乃至19のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- RF受信コイル装置は、傾斜していると共に部分的にジグザグ形の2つの左及び右のストリップ、及びz方向に周期的に配置された1つの横方向ストリップを有する中央構造という3つのZ構造から構築されることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
- RF受信コイル装置は、所定の相互間隔を有し、かつそれぞれz軸と平行に配置されたストリップから成る第1及び第2のZ構造、及びz方向に周期的に配置されたz軸に対して横方向のストリップから成る第3のZ構造という3つのZ構造から構成され、第3のZ構造は最初の2つの上方に位置してそれらを正確に覆い、該RF共振器及び該補償構造は、該3つのZ構造が部分的に分解され第1の基板及び第2の基板に再配分されるということで生成され、前記第1の基板上に再配分される第1の構造は、RF共振器全体及び該補償構造の主な部分を含み、前記第2の基板に再配分される第2の部分構造は、該補償構造の残りの部分を含み、前記第1の基板及び前記第2の基板において、各個別基板上で導体が互いに重なったり交差しないように、前記第1の構造及び前記第2の構造からなるNMR共振器が生成されることを特徴とする請求項1乃至15又は18乃至19のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
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