JPH0638942A - 磁気共鳴映像装置の勾配コイル及びこの製造方法 - Google Patents
磁気共鳴映像装置の勾配コイル及びこの製造方法Info
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- JPH0638942A JPH0638942A JP5035982A JP3598293A JPH0638942A JP H0638942 A JPH0638942 A JP H0638942A JP 5035982 A JP5035982 A JP 5035982A JP 3598293 A JP3598293 A JP 3598293A JP H0638942 A JPH0638942 A JP H0638942A
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Abstract
る自己渦電流を防ぐとともに、エッチング工法を用いる
ことによって製造コストや製造工程を低減し得る磁気共
鳴提供することを目的とする。 【効果】 エッチング工法によりコイルパターン幅を広
くすることができ、エッチング厚みの限界を考慮したA
SGCを得ることができるので、発熱を軽減し、自己渦
電流の発生を防止することができる。
Description
(以下「MRI」という)の勾配コイル、特に、アクテ
ィブシールド勾配コイル(以下「ASGC」という)及
びこの製造方法に関するものである。
なって、MRIの開発が盛んに進められている。
有の磁気モーメントを持つ核の集団が一様な静磁場中に
おかれたときに、特定の周波数(ラーモア周波数)で回
転する高周波磁場エネルギーを共鳴的に吸収する現像を
利用して、物質の化学的及び物理的な微視的情報を映像
化する手法である。この磁気共鳴映像法では、画像化用
パルスシーケンスにおいて、多種多様な勾配磁場のスイ
ッチングを行う必要がある。上記パルスシーケンスとし
ては、スピンエコー法やフィールドエコー法等の従来法
や、エコープラナー法を始めとする超高速イメージング
法、さらに血流の分布や速度等が求める血管・血流イメ
ージング法等があげられる。
ーケンス、即ち、固有の勾配磁場スイッチング方式を有
し、スイッチングにともなって超伝導マグネットの熱シ
ールド群や高周波シールド上には渦電流が発生し、シム
コイル上にはカップリング電流が誘起される。これらの
過渡的電流は、勾配磁場の時間的及び空間的性質を変調
し、画像ボケ等の重大な画像劣化の原因となる。一般
に、過渡的磁場成分による画像ボケは位置ごとに異なる
ため、画像復元の手段として通常用いられているkスペ
ース(空間周波数領域)における逆フィルター法等の方
法では復元は不可能である。従来、これらの問題に対処
する方法として、以下に示す方法が知られている。
高周波シールドに発生する渦電流に対しては、渦電流時
間応答の逆応答に相当する成分で勾配コイル電流を変調
し、渦電流の時間応答を補償する方法が提案されてい
る。しかし、この方法により渦電流の時間応答補償が完
全に実現された場合でも、渦電流磁場が勾配磁場とは異
なる空間非線形性や磁場中心を有するために、画像ボケ
等の画像劣化(特に磁場中心から離れた位置において)
は敢然には解消されない。つまり、残留渦で磁場は渦補
償を実施したポイントで完全にゼロになるだけで、その
他の領域では有意に残ってしまう。
題点を解決するために、さらに進んだ方法として、AS
GCの採用がある。図18は、レーマーによって提案さ
れた軸に垂直方向の勾配コイルに対して構成されるAS
GCの導線配置図である。これらの導線の位置は、AS
GCの径の位置にシールド円筒導体が存在するとした場
合の完全遮蔽渦電流の連続的分布を反映したものとなっ
ている。
の特殊関数系によって表され、この分布を忠実に離散的
な導線で置き換えるためには従来の勾配コイルの導線巻
線技術では困難であり、数値制御(NC)等の高度な製
造技術が要求される。漏洩磁場シールド率を高めるため
には、より精密な巻線技術が要求されるため、製造コス
トや工程が膨大となる。
る方法として、エーデルシュタインらによりASGC等
の導線配置パターンをエッチングにより構成する方法が
提案されている。しかしながら、上記エッチングパター
ンの構成方法に関しては実施例が全く示されておらず、
具体化されていなかった。
ば銅)板の厚みに対してエッチング可能な厚みの上限が
あり、通常の線材と比べてコイルの抵抗が増加してしま
い発熱量が増えるという問題がある。ところが、この問
題を解決する手段は何ら示されていなかった。
分の1ターン当たりの幅(以下「導体幅」という)をで
きるだけ広くすることも可能であるが、広くした部分に
は勾配磁場スイッチングにより渦電流(自己渦電流)が
発生し、MRイメージングに悪影響を及ぼすという問題
がある。しかしながら、上記提案には、この自己渦電流
の問題についても何ら示されておらず、具体化されてい
なかった。
SGCにおいては、巻線技術に数値制御(NC)等の高
度な製造技術が要求されるため、製造コストや製造工程
が膨大になるという問題があった。また、この問題の解
決方法として期待されるエッチング工法においても、エ
ッチング厚みの限界に伴う抵抗や発熱の増大といった問
題等が解決されていなかった。さらに、エッチング工法
における導体幅の広がりによる自己渦電流の問題につい
ても解決されていなかった。
るためになされたもので、その目的とするところは、発
熱や自己渦等の問題がクリアーされ、しかも製造コスト
や製造工程が大幅に低減されたASGCを有する磁気共
鳴映像装置を提供することにある。
め、本発明は、静磁場中に置かれた被検体に勾配磁場を
所定のシーケンスに従って印加し、該被検体からの磁気
共鳴信号を検出して映像化する磁気共鳴映像装置におい
て、当該磁気共鳴映像装置に用いられるコイルを、エッ
チング工法等の腐食及び切断法にて形成することが特徴
である。
映像装置に用いられるコイルがエッチング工法等による
腐食及び切断法にて形成されるので、製造が容易とな
り、また、コイルの導線部を可能な限り拡大することが
できるので、発熱等の問題が解消される。さらに、エッ
チング工法等における導体幅の広がりによる自己渦の問
題も、導体部分にスリットを形成することで大幅に低減
できる。
する。図1は、本発明の一実施例に係る磁気共鳴映像装
置の構成を示すブロック図である。同図において、静磁
場磁石1は励磁用電源2にて駆動され、また主勾配コイ
ル群3およびアクティブシールドコイル群14は勾配コ
イル用電源4にて駆動される。これらにより、被検体5
には一様な静磁場とそれと同一方向で互いに直交する3
方向に線形傾斜磁場分布を持つ勾配磁場が印加される。
主勾配コイル群3とアクティブシールドコイル群14は
直列接続された共通の勾配コイル用電源4にて駆動され
ても良く、それぞれ独立に異なった勾配コイル用電源4
によって駆動されても良い。
6により駆動され、静磁場の均一性が調整される。送信
部7は高周波信号を出力するものであり、この高周波信
号はプロープ6に送られ、被検体5に高周波磁場が印加
される。このとき、プロープ6は送受両用でも送受信別
々に設けてもよい。また、プロープ6と主勾配コイル群
3の間には、高周波シールド17が設定されている。
受信部8で検波された後データ収集部10に転送されA
/D変換後、データ処理部11に送られる。そして、上
述した励磁用電源2、勾配コイル用電源4、シムコイル
用電源16、送信部7、受信部8、データ収集部10は
すべてシステムコントローラ9の制御下で動作するよう
になっている。システムコントローラ9およびデータ処
理部11はコンソール12により制御されており、デー
タ処理部11ではデータ収集部10から送られた磁気共
鳴信号のフーリエ変換等が行われ、被検体内の所望原子
核の密度分布などが計算される。そして、得られた画像
は画像ディスプレイ13に表示される。
来例と比較しながら説明する。図2〜図4、及び図5〜
図7は従来のコイル巻線方法を示す第1、及び第2の例
であり、図8〜図10は本発明の第1実施例、図11〜
図13は第2実施例、図14〜図15は第3実施例を示
す図である。
SGC設計上得られる連続電流分布を実際のコイルの離
散的電流へ対応づける方法を説明するための図である。
各図で1〜6の領域は離散的電流(コイル導線)が密に
分布している領域に対応し、7〜12の領域はコイル導
線の分布が疎の領域に対応している。各ブロックの中心
間隔は一般に不等問題であるが、面積は互いに等しくな
るように設定する。又、図3、図6、図9、図12、図
15は、ASGCパターン全体の略図を示している。各
図では、理解を助けるために4ターンの例が示されてい
る。
ASGCパターンの拡大図を示している。各図の領域1
〜12は、前記した図2、図5、図8、図11、図14
の各領域1〜12に対応している。そして、簡単のため
導線間隔は等間隔とし、領域7〜12(領域a)の導線
間隔は領域1〜6(領域b)の導線間隔の2倍の場合が
示されている。
味を以下に列挙する。なお、添字のa,bはそれぞれ、
領域a(7〜12)及び領域b(1〜6)に関する変数
であることを示している。 線材の被覆を含めた線幅 Wwire 導体部の線幅 Wcd,a Wcd,b 導体部の厚み tcd パッキングファクター λ (導体部と線材全体積の比率) Layer数 nl 導体部の中心間隔(片面) Wcdi,a ,Wcdi,b エッチング溝幅 We,a ,We,b エッチング最小溝幅 We,min We,min のtcdに対する比例係数 α (We,min =α・tcd) …(1) 方式nの抵抗(局所) Rn,a ,Rn,b
〜7の例を「方式1」、図8〜10の例を「方式2」、
図11〜13の例を「方式3」、図14〜16の例を
「方式4」とする。
を構成する方式(方式0)である。図2からわかるよう
に、連続電流分布の各離散ブロックの重心を線材中心に
対応させる方法である。この時、領域aと領域bの導体
中心間隔Wcdi,a ,Wcdi,b及び導体部の幅Wcd,a,Wc
d,bは、それぞれ以下の(2)〜(5)式のように書け
る。 Wcdi,a = 2・Wwire …(2) Wcdi,b = Wwire …(3) Wcd,a = λ・Wwire …(4) Wcd,b = λ・Wwire …(5)
領域bの局所抵抗をそれぞれR0.a ,R0.b とすると、
各抵抗は導体部の幅に逆比例(導体厚み、線材の長さは
一定と仮定)するので、次の(6),(7)式で示され
る。 R0.a 1/(λ・Wwire) …(6) R0.b = R0.a …(7)
構成する例(方式1)を示す。図5からわかるように、
連続電流分布の各離散ブロックの重心を線材中心に対応
させる点は、方式0(図2)と同様である。この時方式
1では、領域a、領域bの導体中心間隔Wcdi,a ,Wcd
i,b 及び導体部の幅Wcd,a,Wcd,bは、それぞれ以下の
(8)〜(11)式のように書ける。ただし、これ以後、
導体部の中心間隔の単位をWwireとすることにする。 Wcdi,a = 2・Wwire …(8) Wcdi,b = Wwire …(9) Wcd,a = Wwire …(10) Wcd,b = Wwire−We,min …(11)
部線幅は、Wwireよりもエッチング溝幅だけ狭くなる。
したがって、方式1における領域aおよび領域bの局所
抵抗をそれぞれR1,a ,R1,b とすると、次の(12),
(13)式が得られる。 R1,a 1/Wwire …(12) R1,b 1/(Wwire−We,min ) …(13) これと方式0の抵抗の比を求めると、次の(14),(1
5)式となる。 R1,a /R0,a = λ …(14) R1,b /R0,b = (λ・Wwire)/(Wwire−We,min ) = λ/(1−We,min /Wwire) …(15)
ッチングにより抵抗が線材のパッキングファクター分だ
け小さくなる。これに対して、領域bではWe,min がW
wireよりも十分小さい場合は領域aと同様であるが、W
e,min がWwireと同程度もしくはそれ以上になるとエッ
チングにより抵抗が方式0のそれよりも有意に増加す
る。実際のASGCにおいては、コイルパターンの密な
領域では、We,min がWwireと同程度になるケースが出
てくるので、局所的発熱が問題となる。
題を解決する方式(2,3,4)について詳細に説明す
る。図8〜10は、エッチング溝幅をどの領域において
も最小値We,min とし、コイル面全体を導体部分で埋め
尽す方式(方式2)を示している(図9参照)。つまり
この方法は、図8より、連続的電流分布を離散的面に対
応させる方法である。この時、領域a、領域bの導体中
心間隔Wcdi,a ,Wcdi,b 及び導体部の幅Wcd,a,Wc
d,bは、それぞれ以下の(16)〜(19)式のように書け
る。 Wcdi,a = 2・Wwire …(16) Wcdi,b = Wwire …(17) Wcd,a = 2・Wwire−We,min …(18) Wcd,b = Wwire−We,min …(19) したがって、方式2における領域aおよび領域bの局所
抵抗をそれぞれR2,a ,R2,b とすると、次の(20),
(21)式となる。 R2,a 1/(2・Wwire−We,min ) …(20) R2,b 1/(Wwire−We,min ) …(21) これと方式1の抵抗の比を求めると、(22),(23)式
が得られる。 R2,a /R1,a = Wwire/(2・Wwire−We,min ) = 1/(2−We,min /Wwire) …(22) R2,b /R1,b = 1 …(23)
We,min がWwireよりも十分小さい場合は抵抗が方式1
のほぼ2分の1になる。一般に、導体中心間隔がn・W
wireの時、We,min がWwireよりも十分小さい場合は抵
抗が方式1のほぼn分の1となり、全体の抵抗値はさら
に低減される。一方で、領域bでは方式1と抵抗が変わ
らないことがわかる。つまり、方式2では、コイル全体
の抵抗値は有意に低減されるが、コイルパターンが密な
領域での局所的発熱は低減されないことになる。
域での局所発熱を低減するため、コイルの偶数・奇数タ
ーンを一層目・二層目に分離して構成する方式(方式
3)を示している(図11、図12参照)。図12から
わかるように、一層目はコイル奇数ターンのみ、二層目
はコイル偶数ターンのみ(一層目と逆まわり)で構成
し、それぞれは直列接続されている。この時、領域a、
領域bの導体中心間隔Wcdi,a ,Wcdi,b 及び導体部の
幅Wcd,a,Wcd,bは、それぞれ以下の(24)〜(27)式
のように書ける。 Wcdi,a = 4・Wwire …(24) Wcdi,b = 2・Wwire …(25) Wcd,a = 2・Wwire …(26) Wcd,b = 2・Wwire−We,min …(27)
まで広げるものとした。したがって、方式3における領
域aおよび領域bの局所抵抗をそれぞれR3,a ,R3,b
とすると、次の(28),(29)式が得られる。 R3,a 1/(2・Wwire) …(28) R3,b 1/(2・Wwire−We,min ) …(29) これと方式1の二層並列抵抗値との比を求めると、次の
(30),(31)式が得られる。 R3,a /(R1,a /2) = 1 …(30) R3,b /(R1,b /2) = 2・(Wwire−We,min ) /(2・Wwire−We,min ) = 2・(1−We,min /Wwire) /(2−We,min /Wwire) …(31)
並列と抵抗差はない。一方(31)式から、領域bでは、
We,min がWwireと同程度の場合は、方式1二層並列と
比べて有意に抵抗が低減することがわかる。つまり、方
式3では、コイル全体の抵抗値はある程度の低下にとど
まるものの、コイルパターンが密な領域での局所的発熱
は大幅に低減されることがわかる。一般に、nl 層にコ
イルターンを分離する場合に拡張すると、次の(32)〜
(35)式となる。 Wcdi,a = 2・nl ・Wwire …(32) Wcdi,b = nl ・Wwire …(33) Wcd,a = nl ・Wwire …(34) Wcd,b = nl ・Wwire−We,min …(35)
reまで広げるものとした。したがって、領域aおよび領
域bの局所抵抗をそれぞれR3,a ,R3,b とすると、次
の(36),(37)式となる。 R3,a 1/(nl ・Wwire) …(36) R3,b 1/(nl ・Wwire−We,min ) …(37) これと方式1のnl 層並列抵抗値との比を求めると、次
の(38),(39)式が得られる。 R3,a /(R1,a /nl ) = 1 …(38) R3,b /(R1,b /nl ) = nl ・(Wwire−We,min ) /(nl ・Wwire−We,min ) = nl ・(1−We,min /Wwire) /(nl −We,min /Wwire) …(39)
層並列と抵抗差はない。一方(39)式から、領域bで
は、We,min がWwireと同程度の場合は、方式1nl 層
並列と比べて大幅に(nl の分だけ)抵抗が低減するこ
とがわかる。
部の埋め尽し)と方式3(コイルターン多層分離)のハ
イブリッド方式を示している。この時、領域a,bの導
体中心間隔Wcdi,a ,Wcdi,b 及び導体部の幅Wcd,a,
Wcd,bは、それぞれ以下の(40)〜(43)式のように書
ける。 Wcdia,a = 4・Wwire …(40) Wcdi,b = 2・Wwire …(41) Wcd,a = 4・Wwire−We,min …(42) Wcd,b = 2・Wwire−We,min …(43) したがって、領域aおよび領域bの局所抵抗をそれぞれ
R4,a ,R4,b とすると、(44),(45)式が得られ
る。 R4,a 1/(4・Wwire−We,min ) …(44) R4,b 1/(2・Wwire−We,min ) …(45) これと方式1の二層並列抵抗値との比を求めると、次の
(46),(47)式となる。 R4,a /(R1,a /2) = 2・Wwire/(4・Wwire−We,min ) = 2/(4−We,min /Wwire) …(46) R4,b /(R1,b /2) = 2・(Wwire−We,min ) /(2・Wwire−We,min ) = 2・(1−We,min /Wwire) /(2−We,min /Wwire) …(47)
wireと同程度の場合でも、方式1の二層並列と比べて抵
抗が半分近く低減することがわかる。一方(47)式か
ら、領域bでは。We,min がWwireと同程度の場合は、
方式1の二層並列よりも有意に抵抗が低減する。ただ
し、We,min がWwireよりも十分小さい場合は、方式1
と同程度の低減にとどまる。つまり、方式4では、コイ
ルの全体発熱およびコイルパターンが密な領域での局所
的発熱ともに、大幅に低減できることがわかる。一般
に、nl 層にコイルターンを分離する場合に拡張する
と、次の(48)〜(51)式が得られる。 Wcdi,a = 2・nl ・Wwire …(48) Wcdi,b = nl ・Wwire …(49) Wcd,a = 2・nl ・Wwire−We,min …(50) Wcd,b = nl ・Wwire−We,min …(51) したがって、領域aおよび領域bの局所抵抗をそれぞれ
R4,a ,R4,b とすると、次の(52),(53)式が得ら
れる。 R4,a 1/(2・nl ・Wwire−We,min ) …(52) R4,b 1/(nl ・Wwire−We,min ) …(53) これと方式1とnl 層並列抵抗値との比を求めると、次
の(54),(55)式となる。 R4.a /(R1,a /nl ) = nl ・Wwire /(2・nl ・Wwire−We,min ) = nl /(2・nl −We,min /Wwire) …(54) R4,b /(R1,b /nl ) = nl ・(Wwire−We,min ) /(nl ・Wwire−We,min ) = nl ・(1−We,min /Wwire) /(nl ・We,min /Wwire) …(55)
n がWwireと同程度の場合でも、方式1のnl 層並列と
比べて抵抗が半分近く低減することがわかる。一方(5
5)式から、領域bでは、We,min がWwireと同程度の
場合は、方式1のnl 層並列よりも有意に(nl の分だ
け)抵抗が低減する。ただし、We,min がWwireよりも
十分小さい場合は、方式1と同程度の低減にとどまる。
4)について詳細に説明した。引き続き、その他の実施
例について説明する。図17は、導体部のトータルの厚
みtcdを一定として、偶数・奇数ターンを二層分離して
構成する場合を示している。図7(a)に示す一層構造
方式の抵抗をR、図7(b)の2層構造の抵抗をR’と
すると、それぞれ以下の(56),(57)式のように書け
る。 R 1/(Wcd・tcd) = 1/((Wcdi −We )・tcd) …(56) R’ 1/(Wcd’・tcd/2) = 1/((2・Wcdi −We ’)・tcd/2) …(57) 上記の抵抗の比を求めると、(58)式となる。 R’/R = 2・(Wcdi −We )/(2・Wcdi −We ’)…(58) 今、近似的にWe は導体部の厚みtcdに比例すると仮定
すると、 We ’ = We /2 …(59) (59)を(58)に代入して整理すると、(60)式とな
る。 R’/R = (1−We /Wcdi )/(1−(We /Wcdi )/4) …(60)
隔Wcdi よりも十分小さい時、たとえばコイルパターン
が疎でWe =We,min の場合は、2層化による抵抗低減
のメリットは生まれない。しかし一方、We がWcdi と
同程度の大きさの時、たとえばコイルパターンが密でW
e =We,min の場合は、2層化により抵抗は有意に低減
されることがわかる。
定として、コイルターンnl 層に分離して構成する場合
を考えると、nl 層構造の抵抗R’は以下の(61)式の
ように書ける。 R’ 1/(Wcd’・tcd/nl ) = 1/((nl ・Wcdi −We ’)・tcd/nl )…(61) 上記の抵抗R’とR(式(56))の比を求めると、(6
2)式となる。 R’/R = nl ・(Wcdi −We )/(nl ・Wcdi −We ’) …(62) 今、上述のように近似的にWe は導体部の厚みtcdに比
例すると仮定すると、(63)式となる。 We ’ = We /nl …(63) (63)式を(62)式に代入して整理すると、(64)式と
なる。 R’/R = (1−We /Wcdi )/(1−(We /Wcdi )/nl 2 ) …(64)
隔Wcdi よりも十分小さい時、たとえばコイルパターン
が疎でWe =We,min の場合は、nl 層化による抵抗低
減のメリットは生まれない。しかし一方で、We がWcd
i と同程度の大きさの時、たとえばコイルパターンが密
である場合には大幅な抵抗の低減が可能となる。さら
に、エッチング工法等における導体幅の広がりによる自
己渦の影響を大幅に低減する具体的な方式(スリット方
式)について説明する。
局所および全体の抵抗(発熱)は有意に低下するもの
の、導体部分の幅(1ターンあたり)が、場所によって
はかなり広くなってしまう。このような導体領域におい
ては、勾配磁場スイッチングによる渦電流の発生が無視
できなくなる。すなわち、Gコイル自体が渦磁場(自己
渦磁場)を発生してしまい、ASGCの本来の意義が失
われてしまう。
磁場の強度は大きく、時定数は長くなり、また、導体部
分の厚みが厚いほど、自己渦磁場の時定数は長くなるこ
とが知られている。通常のGコイルの導線の場合は、導
体部分の幅がエッチング工法等のそれと比べて充分小さ
いために自己渦の時定数は非常に短く問題とならない。
一方、エッチング工法等の場合には、自己渦の時定数が
MRイメージングに対して悪影響を及ぼす範囲に入って
くる可能性が高い。
定数を大幅に小さくするためのスリットを挿入した実施
例を示している。図に示すように広い導体部分にスリッ
トを挿入することにより、導体部分に発生する自己渦電
流のループサイズが、スリットなしのそれと比べて相対
的に小さくなるため渦電流の時定数は大幅に短くなる。
この理由としては、狭い領域(空間周波数が高い領域)
ほど、渦電流を形成する電子のクーロン反発力が強くな
るため、その結果として渦の時定数が短くなるための考
えられる。また、スリットを挿入したことにより導体部
分に隙間が増えることから、自己渦磁場の強度も、スリ
ットなしの場合のそれと比べて有意に小さくなる。スリ
ットの挿入方法としては、(1)導体部分を流れるGコ
イル電流の重心(またはパターン中心)に挿入、(2)
スリット挿入による抵抗の増大が最小限となるように挿
入位置を制限する、(3)MRIの所望撮影領域に寄与
するGコイル導体パターン部分(例えば、コイル円筒の
中心部で静磁場と垂直)にのみスリットを挿入する、な
どといった方法が考えられる。なお、スリットの形成方
法に関しては、エッチング工法等ではマスクパターン等
にあらかじめ組み込んでおくことにより、容易に実現可
能である。
イルパターンを形成する際に、全体および局所の抵抗や
発熱を大幅に低減する方法及び導体部分にスリットを挿
入し自己渦磁場の撮影を大幅に低減する方法について具
体的に説明した。説明は、Gx /Gy の典型的なコイル
パターンを用いて行ったが、Gz コイルにも全く同様に
適用できるのはもちろんである。なお、本発明はエッチ
ング工法に限る必要はなく、その他の腐食及び切断法一
般(メッキ法、打ち抜き法、プレス法、削り出し法、レ
ーザーカッテイング法、熱によるカッティング法など)
においても適用可能なことはいうまでもない。また当然
のことながら本発明はASGCに限らず、コイル一般
(従来の各勾配コイル、シムコイル、マグネット、RF
プロープなど)の作成にも適用可能である。
チング工法に代表される腐食及び切断法において、金属
パターン埋め尽しや多層構造化により、ASGC等のコ
イルの全体及び局所の抵抗や発熱が大幅に低減される。
さらに、エッチング工法等における導体幅の広がりによ
る自己渦磁場の問題も、導体部分にスリットを挿入(形
成)することにより大幅に低減できる。またこれによ
り、製造コストや製造工程が大幅に縮小することが可能
になる。
構成を示すブロック図。
明図。
明図。
明図。
成方法を示す説明図。
成方法を示す説明図。
成方法を示す説明図。
コイル巻線方法を示す説明図。
コイル巻線方法を示す説明図。
のコイル巻線方法を示す説明図。
のコイル巻線方法を示す説明図。
のコイル巻線方法を示す説明図。
のコイル巻線方法を示す説明図。
のコイル巻線方法を示す説明図。
のコイル巻線方法を示す説明図。
のコイル巻線方法を示す説明図。
のコイル巻線方法を示す説明図。
導線パターンを示す図。
のスリットを説明するための図。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材上にコイルパターンとして形成され
る所定巻数の導体部からなり、所定の方向に磁場強度が
ほぼ線形に変化する磁場を印加可能な磁気共鳴映像装置
の勾配コイルにおいて、 前記コイルパターンを形成する導体部は、前記基材上の
少なくとも一方の面に密に形成され、かつ、前記勾配コ
イルの任意の縦断面にて表出する前記導体部断面は相互
に電気的に絶縁されていることを特徴とする磁気共鳴映
像装置の勾配コイル。 - 【請求項2】 前記コイルパターンは、多層に形成さ
れ、かつ、各層は電気的に絶縁されていることを特徴と
する請求項1記載の磁気共鳴映像装置の勾配コイル。 - 【請求項3】 前記勾配コイルの任意の縦断面における
前記導体部の各々の幅は、前記勾配コイルの任意の縦断
面における連続電流密度分布関数の累積電流密度の積分
値が等しくなるように離散化した各区間の幅と前記導体
部の各々の幅とを対応づけたことを特徴とする磁気共鳴
映像装置の勾配コイル。 - 【請求項4】 前記コイルパターンを形成する導体部に
は切溝が形成されてなることを特徴とする請求項1乃至
3記載の磁気共鳴映像装置の勾配コイル。 - 【請求項5】 基材上の少なくとも一方の面に導体を形
成する工程と、所定の方向に磁場強度がほぼ線形に変化
する磁場として印加可能なコイルパターンを形成すべく
前記導体に対してエッチング又は切削等を行う工程とか
らなる磁気共鳴映像装置の勾配コイルの製造方法。 - 【請求項6】 前記エッチング又は切削等を行う工程
は、コイルパターンとして形成される導体部の幅が所要
幅以上となる場合に、前記所定幅以上となる導体部に切
溝を形成する工程を含むことを特徴とする請求項5記載
の磁気共鳴映像装置の勾配コイルの製造方法。
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---|---|---|---|
JP03598293A JP3549904B2 (ja) | 1992-03-13 | 1993-02-25 | 磁気共鳴映像装置の勾配コイル及びシムコイル |
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JP5564892 | 1992-03-13 | ||
JP03598293A JP3549904B2 (ja) | 1992-03-13 | 1993-02-25 | 磁気共鳴映像装置の勾配コイル及びシムコイル |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009099001A1 (ja) * | 2008-02-05 | 2009-08-13 | Hitachi Medical Corporation | 傾斜磁場コイル装置および磁気共鳴イメージング装置 |
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JP2012183233A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Toshiba Corp | 磁気共鳴イメージング装置 |
-
1993
- 1993-02-25 JP JP03598293A patent/JP3549904B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2012183233A (ja) * | 2011-03-07 | 2012-09-27 | Toshiba Corp | 磁気共鳴イメージング装置 |
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