JP2003202367A - 超伝導nmr装置用rf受信コイル装置 - Google Patents
超伝導nmr装置用rf受信コイル装置Info
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Abstract
導NMR装置用RF受信コイル装置を提供する。 【解決手段】 測定サンプルから所望の共振周波数でR
F信号を受信するNMR共振器は、超伝導導体構造が測
定サンプルから平行移動不変な表面上に配置され、RF
共振器からRF分離された別の超伝導導体構造を含み、
補償装置及びRF共振器の導体構造が、それぞれ補償装
置及びRF共振器の導体構造のz方向の全長にわたって
延伸する超伝導構造を含む個別表面セクション(“Z構
造")から構成され、それらの超伝導構造は、該Z構造
の表面を複数の小さな等しいサイズの表面エレメントに
分解して均一テスト磁場を各表面エレメントの表面法線
方向に印加したときに同じ強度の磁気双極子モーメント
が互いにz位置に関してのみ異なるそれら全ての表面エ
レメントに誘導されるように配置される。
Description
磁場B0を生成する手段を有するNMR(核磁気共鳴)
装置の座標原点(x,y,z=0)を中心に配置された
研究容積内の測定サンプルへ及び/又は測定サンプルか
ら、一つ以上の所望の共振周波数でRF(無線周波数)
信号を放射及び/又は受信する少なくとも一つのRF共
振器を備えるNMR共振器デバイスであって、誘導的に
作用しかつ部分的には容量的にも作用する該RF共振器
の超伝導導体構造がz=−|z1|とz=+|z2|との間で
測定サンプルから半径方向(x,y)間隔にありz方向
に平行移動不変(=z不変)である表面上に実質的に配
置されていることを特徴とするNMR共振器デバイスに
関する。
85,723号明細書で知られている。
の分野に関し、特にNMR測定サンプルからのNMR信
号を受信する超伝導共振器の構成に関する。
めの非常に有用な方法であるが、あまり感度が高くな
い。感度を高めるために、最近の従来技術では冷却され
た常伝導体の共振器、及び特に超伝導体の共振器が用い
られ、S/N比はそれらによってかなり大きくなる。例
えば、特許文献1はそのような共振器を記述している。
用での大きな問題は静的磁化である。第2種超伝導体で
はこの磁化は超伝導体内で閉路を流れる誘導電流によっ
て生じ、その超伝導体の履歴に依存する(特許文献
2)。上記電流は測定サンプルの活性領域における均一
磁場に強い擾乱を生じ、それがNMRスペクトルの共鳴
線に歪みを引き起こす可能性がある。外部条件が変化し
ない限り超伝導体の抵抗はゼロであるから上記電流はほ
ぼ限りない時間にわたって流れ続ける。
る(特許文献2,3,4)。それらはいずれも複雑であ
り、さらに後述するような欠点を有する。常伝導結合エ
レメントを用いて活性測定領域を制限することによって
擾乱磁場を小さくする超伝導コイル装置も開示されてい
る(特許文献5)。特許文献5のコイル装置は、充填因
子及び達成可能なRF電磁場の強度に関しては上記特許
文献1〜3の方法のやり方よりも優れているが、常伝導
コンポーネントを使用しなければならないのでRF共振
器のQ値が著しく小さくなるという欠点がある。
の手段1〜3がある。
ストリップに分割する手段(特許文献1,5)。ここで
nはできるだけ大きくなければならない。これによっ
て、これらの長手方向のストリップに流れうる最大電
流、ひいては超伝導体のとりうる最大磁化が1/nに減
少する。
したとき最初にそれを冷却して磁化を完全に排除する手
段。特許文献4では、さらにゆっくり冷却するように付
加的に勧告している。
磁化を大部分排除する手段(特許文献2,3)。これは
一連の減少する横方向磁場を超伝導体に作用させること
によって達成される。反対方向の電流領域を含む電流構
造がこれによって超伝導体内に誘導され、個々の磁場寄
与成分は良い近似で打ち消し合う。
ット
ット
A1号明細書
のような著しい欠点1〜3がある。
をかなり減少させるが、残る残留磁化は依然として大き
すぎて、高分解能NMR用途において十分な性能を得る
ことができない。
静磁場に関して超伝導体の位置が測定プロセスの全体に
わたって同じままである場合であって、静磁場自体もこ
の間変化しないままであるときにしか満足に機能するこ
とができない。大きな問題は角位置の一定性にあり、そ
れは実際にはたいてい不十分である。静磁場に対してわ
ずか0.1度でも傾斜があると、磁場の均一性を許容で
きないほど低下させる強度の遮蔽電流が超伝導体に生じ
得る。
た新たな横方向磁束を生じ、超伝導体は前から存在する
磁束を維持しようとするので、超伝導体を通る全磁束が
再び元の値に相当するように新たな表面電流によって対
抗する。該表面電流は、測定サンプルの場所に不均一磁
場を生じ、もって必要なスペクトル分解能を大きく低下
させる。
行することが困難であると共に、NMR共振器の重要な
領域にデバイスを追加する必要がある 。
共振器から最適に分離され超伝導体の磁化によって生ず
る擾乱的影響を最適に補償する追加的な超伝導導体構造
を備えた新しいタイプの超伝導NMR装置用RF受信コ
イル装置を提供することにある。
って、追加補償装置が少なくともz<−|z1|−0.5|
r|かつz>+|z2|+0.5|r|(ただし、|r|は測定
サンプル及び補償装置間の最小間隔)という値まで延伸
し、z不変な表面上に設けられ、RF共振器からほぼR
F分離された別の超伝導導体構造をさらに含み、補償装
置及びRF共振器の導体構造が、各々が補償装置及びR
F共振器の導体構造のz方向の全長にわたって延伸する
超伝導構造を含み、かつz不変な表面上に配置された個
々の表面セクション(“Z構造")から構成され、それ
らの超伝導構造は、Z構造の表面を複数の小さな等しい
サイズの表面エレメントに適当に概念的に分解して均一
テスト磁場を各表面エレメントの表面法線方向に概念的
に印加したときに、本質的に等しい強度で互いにz位置
に関してのみ異なる磁気双極子モーメントが全ての表面
エレメントに誘導されるように配置されるという形で上
述の特徴を有するNMR共振器において達成される。
〜3を有する。
法(特許文献2,3,4)がもはや必要ない。
共振器の機械的な運動が超伝導体に生ずる磁化は、上記
の補償によって、測定サンプルの活性領域における静磁
場の均一性に最小限度の影響しか及ぼさない。これは、
超伝導体が強く磁化されている場合にもあてはまる。
をはるかに自由に設計できるので、効果的に設計でき
る。
電流が流れ、したがってRF共振器を形成する個別超伝
導導体部が、RF共振器内に準連続的に配置されz方向
でそれを超えて延伸し、RF電流が流れないように可能
な限りRF共振器から分離された追加の超伝導導体部に
よって補われる。図15はこの原理にしたがって構成さ
れた装置を示し、RF共振器はハッチングつきの線で示
され、活性測定領域におけるB0磁場を均一化するだけ
が役目の追加導体部は黒で示されている。明らかに、超
伝導物質はRF共振器表面の全体と追加導体部にわたっ
てかなり均一に分布しており、これにより一般に全表面
にわたって一様な双極子モーメントの分布とすることが
できる。超伝導体に誘導される電流によって生ずる双極
子モーメントのこの一様な分布は、測定容積内にほぼ均
一な擾乱磁場を生じ、したがってNMRスペクトルにも
はや顕著な影響を及ぼさなくなる。
すなわちリソグラフィー製造方法を用いることによって
可能な最小幅の導体セクションから組み立てることが好
ましい。なお、それらの導体セクションを束で配置して
もよい(図20(b),図19(c),(d))。
れら電流によって生ずる磁場擾乱を活性測定領域で最小
にすることができる。
に連続して配置されている導体セクション(図20
(a))は、それらが束になっていたとした場合(図2
0(b))に比べてz方向により高い周期性を有する。
したがって前者の場合、超伝導体の磁化は活性測定領域
内に生ずる磁場擾乱が後者の場合よりも小さくなる(図
8も参照)。個々の導体セクションを束ねることは、構
成上の理由によって、特にRF共振器の容量部を生成す
るために有利になることがある。
向磁場、NMR共振器、RF受信コイル装置、及びRF
共振器という用語を何回も用いるので、下に詳しく定義
しておく。
方向に向いた磁場であり、長手方向磁場とは、B0と平
行な磁場である。
す。それは、測定容積のまわりに配置された互いにRF
結合された1つ以上の、好ましくは2つ又は4つのRF
受信コイル装置から構成される。RF受信コイル装置自
体はRF共振器と補償装置とを含み、RF共振器は実質
的にRF受信コイル装置のうちでRF電流が流れる部分
を表す。
いろな実施の形態を明らかにする。
いある実施の形態では、互いにz位置に関してのみ異な
る全ての表面エレメントが実質的に同じ量の超伝導物質
を含む。これにより、表面エレメントの設計を容易にし
て、所望のRF性質及び磁気的性質を簡単な方法で近似
的に得ることができる。
ほど、RF受信コイル装置の表面全体をできるだけ等し
い双極子モーメントを有する同一の小さな表面エレメン
トに細分することをより細かく行うことができる。これ
らの表面エレメントの最小寸法は構造エレメントの最小
寸法より小さくあってはならない。構造エレメントの最
小寸法より小さくなると、個々の表面エレメントが超伝
導体を含むことが全くできなくなり、もって表面エレメ
ント当たりの双極子モーメントが同一であるという条件
が満たされなくなるからである。個々の表面エレメント
の超伝導物質の磁気双極子モーメントによって生ずる活
性測定領域内の擾乱磁場の揺動を小さくするためには、
できるだけ細かく表面を細分することが必要である。表
面エレメントの総数が50よりも大きいとき、好ましく
は200より大きいときに、十分に細かい細分が得られ
る。
置に関してのみ異なる同一の表面エレメントの数、すな
わちz軸と平行な向きのストリップに配置される表面エ
レメントの数である。この数は、20よりも大きく、好
ましくは50よりも大きくすべきである。
いある実施の形態では、補償装置の超伝導導体構造はR
F共振器の両側から、z方向のRF共振器の拡がりの少
なくとも半分、好ましくは約2倍突出する。これによっ
て、活性測定領域における擾乱的影響の主因である補償
装置のエッジ領域が活性測定領域から空間的にできるだ
け遠くに移動されてその場所に著しい影響を及ぼすこと
がなくなる。
するためにいくつかのRF受信コイル装置から構成され
る。したがって、本発明のある有利な実施の形態では、
NMR共振器は、z不変な表面の異なる部分領域にある
いくつかの、好ましくは2つ又は4つの結合されたRF
受信コイル装置を含む。
のある実施の形態では、誘導的に作用しかつ部分的には
容量的にも作用する1つ以上のRF共振器の超伝導導体
構造、及び1つ以上の補償装置の超伝導導体構造は、ど
ちらも互いに平行かつz軸と平行な平坦基板エレメント
に配置される。
コイル装置のある実施の形態では、誘導的に作用しかつ
部分的には容量的にも作用するRF共振器の超伝導導体
構造、及び関連する補償装置の超伝導導体構造は、同じ
平面上に配置される。この実施の形態及び前の実施の形
態は、作用点が磁化曲線の直線領域にとどまっていると
き、すなわち超伝導体の磁化があまり大きくないときに
最適に機能する。特別に選ばれた、例えばジグザグ形の
導体構造は直線領域の外側でも最適に機能することがで
きる。
連する補償装置の超伝導構造が2つ以上の互いに平行に
並べられた平坦な部分表面に配置され、誘導的に作用し
かつ部分的には容量的にも作用するRF共振器の超伝導
導体構造及び関連する補償装置の超伝導導体構造の一部
は、第1の部分表面に配置され、補償装置の超伝導導体
構造の残りの部分は別の部分表面に配置されるというこ
とを特徴とする。多少複雑なこの配置によって別の物理
的な自由度が得られ、超伝導体の磁力によって生ずる擾
乱的な影響を非常に正確に補償することを可能にする
が、最適な結果は作用点が磁化曲線の直線領域の外にあ
るときにも達成される。
面に垂直な方向で測られる部分表面の間隔は600μm
以下であり、好ましくは50〜200μmの範囲内にあ
る。磁気補償のエラーを最小にするためにこれらの間隔
はできるだけ小さく保たなければならない。
くすることができる本発明のRF受信コイル装置のある
実施の形態では、誘導的に作用しかつ部分的には容量的
にも作用する1つ以上のRF共振器の超伝導導体構造、
及び1つ以上の補償装置の超伝導導体構造は、z方向に
関して円筒状に曲がった平坦基板エレメント上に配置さ
れる。なお、これを生産するのは多少困難である。
置及びRF共振器の導体構造がz不変な表面の同じ部分
領域上に配置されるものであって特に好ましい。簡単な
構成を特徴とする複数の別の実施の形態がこの実施の形
態から導かれる。
の実施の形態では、導体構造の超伝導セクションの少な
くとも一部はz軸と平行又は垂直なストリップ状に配置
される。この実施の形態は単純な幾何形状を有し、いろ
いろなz構造を生成するための出発点として役立つ。
の形態では、z不変な表面上の超伝導構造が異なる幾何
形状を有する。例えば、異なる方向及び幅のストリッ
プ、正方形、円形、台形等である。これによって全体的
な幾何形状の設計の柔軟性を向上させることができ、エ
ラーの補償をさらに最適化することができる。
複数で使用できる非常に有用なZ構造は、1つの個別導
体又はグループで配置される導体から形成される同一の
狭い超伝導構造エレメントであり、これらはz方向に狭
い間隔で、周期的に及び連続的に配置され、隣接する構
造エレメント間の間隔は研究容積の中心からの間隔に比
べて小さい。
複数で適用できるより非常に有用なZ構造では、1つの
個別導体又はグループで配置される導体を有する構造エ
レメントが、z軸と平行に向き、同一又は異なる相互間
隔を有する導体セクションを有する。
複数で使用できるZ構造の別の実施の形態は、いくつか
の、好ましくは各幅がZ構造の幅に等しい長方形の部分
領域に分割され、それらの部分領域はz軸に対して所望
の角度傾斜した真っ直ぐな超伝導体ストリップで充填さ
れ、ある部分領域内でこの角度が正又は負であり、傾斜
したストリップは部分領域内でz方向に狭い間隔で周期
的且つ連続的に配置され、隣接するストリップの間隔は
研究下の容積の中心からの間隔に比べて小さく、傾斜し
たストリップは部分領域間の境界線で互いに連続的に融
合していることを特徴とする。このZ構造は、構造とし
ては少し複雑であるが、単一の表面上にあり、その作用
点が磁化曲線の直線領域の外にあるほど超伝導体が磁化
されるときでも完全な補償を与えるという点で有利であ
る。
形態では、RF共振器に属さない超伝導体構造がいくつ
かの狭い中断部を有し、それらは個々の超伝導導体セク
ションの部分又は全長にわたって分布している。これに
より、導体構造に通常生ずる渦電流が中断部によって小
さくなるか又は抑制されるので、RF共振器と補償装置
との間のRF分離を著しく改善する。
はZ構造の所望の領域から生成されること、すなわち超
伝導体若しくはその部分がZ構造の小さな表面エレメン
ト内部で回転又は移動されること、及び/又は導体間の
狭い間隔が超伝導的に結合されること、及び/又は狭い
中断部が導体に導入されること、及び/又は傾斜してい
ると共にジグザグな形のZ構造が用いられること、及び
/又はZ構造が2つ以上の部分表面にわたって分布され
ることが行われる。
体的な特に好ましい実施の形態は、RF受信コイル装置
が3つのZ構造、すなわち、2つは垂直なストリップを
左と右とに有し、1つは中央に水平で真っ直ぐなストリ
ップを有する3つのZ構造から形成されることを特徴と
する。
わち、2つは傾斜していると共に部分的にジグザグ形の
横方向ストリップを左と右とに有し、中央構造はz方向
に周期的に配置された横方向ストリップを有する3つの
Z構造から形成される実施の形態から別の可能な幾何的
配置が生ずる。この実施の形態は、構成が少し複雑であ
るが、単一の表面上にあり超伝導体の磁化が十分に強く
作用点が磁化曲線の直線領域の外へ移るほどになっても
完全な補償を与えるという点で有利である。
性とを与える本発明の別の実施の形態では、RF受信コ
イル装置全体が2つの平面に配置され、3つのZ構造か
ら構成される。すなわち、第1及び第2の構造はストリ
ップがz軸と平行に配置され相互間隔が定められてお
り、第3の構造はストリップがz軸と垂直でz方向に周
期的に配置され、第3のZ構造は最初の2つの構造の上
方に位置してそれらを正確に覆い、RF共振器と補償装
置が生成される。すなわち、3つのZ構造は、部分的に
分解され、1つ又は2つの基板に属する2つの別々の部
分表面に分配され、第1の部分表面はRF共振器全体を
補償構造の主な部分と共に含み、第2の部分表面は補償
構造の残りの部分を含み、このように生成された構造が
2つの部分表面上に互いに重なり合って定位されてそれ
らの構造の和が元の3つのZ構造の和と再び等しくなっ
て作動するNMR共振器を生成する。
伝導導体構造の少なくとも一部が高温超伝導(HTS)
物質を含むことができる。エピタキシャル法によって製
造されるHTS物質の導体は、超伝導NMR共振器で一
般に用いられる約4.2Kから30Kまでの温度範囲
で、非常に高い磁場強度を伴う臨界電流密度が非常に高
いので、NMR共振器を製造するのにきわめて適してい
る。
た、超伝導導体構造が薄い層、好ましくは0.1〜1μ
mまでの厚さの層から形成される。これは従来の生産技
術の範囲内にあって有利である。
らかになる。上記の特徴及び以下で述べる特徴は、本発
明に従って、個々にも、任意の形で組み合わせても利用
できる。図示され説明される実施の形態は、全てを列挙
したものとしてでなく、本発明を説明するための例示的
なものであると理解すべきである。
形態を更に詳しく説明する。
を説明する。
磁場にさらされたことがなかった1つの超伝導体ストリ
ップは、ただ1つの長手方向磁化だけを有する(図
7)。B Z成分はストリップの両端だけに生じ、ストリ
ップの中央領域では無視できるほど小さい。
体ストリップを囲み、密に当接する閉電流ループによっ
て表されうる。正方形断面の長さと幅はストリップの幅
b又は厚さwに等しい。超伝導体の厚さwはきわめて小
さいので(約0.1〜1μm)、断面積(b・w)もき
わめて小さく、したがって生ずる擾乱磁場は無視できる
ほど小さい。
であれば、NMR応用に関する磁化の問題は無視できる
であろう。B0磁場に対するストリップのきわめて小さ
な傾斜も、超伝導体に横方向磁化を生じさせる。B0磁
場はきわめて強いので、0.1度未満の傾斜でも十分で
ある。これは、超伝導体ストリップの表面を流れ(図
2)、超伝導体を通る磁束の変化を補償しようとする閉
電流ループによって表されうる。この補償が正確に働く
のは、上記ループの電流が臨界電流、すなわち超伝導体
における可能な最大の超伝導電流に到達するまでであ
る。
面積は長手方向磁化のそれよりもずっと大きいので、N
MRスペクトルへの影響も何桁も大きいものになる可能
性がある。したがって、本発明の目的は、活性測定領域
におけるB0磁場の均一性に対するこの横方向磁化の影
響を最小にすることにある。以下、超伝導体の磁化に言
及する場合、それは横方向磁化を意味する。
実質的に導かれ、それらは、以下の順序で用いられる。
を考慮に入れなければならない。
サンプルの場所における磁場の絶対値に依存し、 |B|2=(B0+ΔBZ)2+ΔBX 2+ΔBY 2=(B0+Δ
BZ)2+ΔBXY 2 で表される。
BY,ΔBZが小さい限り、相対均一性に関して次の近似
が成り立つ(z軸はB0と平行にとられる)。 |B|/B0≒1+ΔBZ/B0+1/2(ΔBXY/B0)2 磁場B0と平行な成分ΔBZだけが相対均一性に強い影響
を及ぼすということはただちに認められるであろう。こ
れに対してB0と垂直な成分ΔBXYは何桁も小さな影響
しか及ぼさない。
(ΔBZ/B0+1/2(ΔBXY/B0)2)は10-10〜
10-11という桁であってもよく、したがって、ΔBZ/
B0及びΔBXY/B0に対して次のような2つの許容限界
が得られる。
行な擾乱成分ΔBZは、NMRスペクトルに対してB0と
垂直な成分ΔBXYに比べて約5桁も大きな影響を及ぼ
す。
NMR共振器に用いられるので、必要な条件(ΔBXY/
B0<10-5〜10-6)は容易に満たされうる。要する
に、これは擾乱磁場のz成分ΔBZだけを考慮に入れな
ければならないということを意味する。他の2つの成分
ΔBX,ΔBYは安心して無視できる。
流れる電流は、マクスウェルの式によればいかなるBZ
成分をも生じないので無視できる。しかし、静磁場と垂
直に向いた電流、例えばxy平面内で流れる電流はBZ
成分を生ずることができるので考慮に入れなければなら
ない。
リップはそれらの両端でのみBZ成分を生ずる。
(ただし、b≪aかつw≪b)、長手方向軸がz軸と平
行である非常に薄い超伝導体ストリップは、z軸と垂直
に流れる電流のみを有し、それによってストリップの両
端でBZ成分を生ずる(図2,図3)、すなわち、そこ
では電流がz軸と垂直に流れてそれによってBZ成分を
生ずる(図2,図3)。ストリップが十分に長い場合、
すなわち、aがストリップと測定容積の中心の間の間隔
s(図3)に比べて大きい場合、両端は活性測定領域か
ら遠く離れており、したがって測定容積内のBZの均一
性にもはや著しい影響を及ぼすことができない。ストリ
ップは磁化したままにとどまり、超伝導体の臨界電流に
よって与えられるその最大値まで磁化される可能性があ
る。BZの均一性に対するその影響はそれでも小さいま
まにとどまる。
した向きであるが長い距離にわたってB0磁場の方向に
周期的にかつ連続的に繰り返される超伝導体ストリップ
は、z方向に延伸した均一な構造を有し、その構造の両
端でのみBZ成分を生ずる。
て小さい)でz軸と垂直な長手方向軸を有する超伝導体
ストリップは、z軸に対して垂直に流れる実質的な電流
成分を有し、それによりBZ成分を生ずる(図5,図
6)。これらの電流は活性測定領域におけるBZの均一
性を大きく擾乱する可能性がある。
一に配置されて十分に長い周期的でかつ連続的な構造が
生成される場合(図9(c))、このストリップ構造の
中央領域には実際上z成分は何も存在しない。図8は、
z軸と平行な平面上で等間隔で互いに重なり合って配置
された11個のこのようなストリップを有するストリッ
プ構造の一例を示す。ストリップ間の間隔hがストリッ
プ構造と活性測定容積の中心との間隔sに比べて小さ
く、かつz方向のストリップ構造の長さkが間隔sに比
べて大きい限り、個々のストリップによって生ずるz成
分の不均一性は活性測定容積の領域ではほぼ完全に互い
に打ち消し合い、その場所には、不規則性が許容できる
ほど小さい非常に均一な容積が生ずる。これに対して大
きなBzの不均一性はストリップ構造の上端と下端にし
か存在しない。
トリップ(図9(c))だけでなく、z軸に対して傾斜
したストリップ(図9(d),(e))についても、つ
まりz方向に周期的な他のいかなる構造についても得ら
れる。
ト内で回転又は移動させても、それらが生ずる磁場は活
性測定領域の場所でほとんど変わらないままである。
一辺の長さが活性測定領域の中心からの間隔に比べて小
さい、等しい正方形の表面エレメントのネットワークに
分けることができる。
していると仮定すると、横方向の磁化を有する。それは
超伝導体内の閉電流ループによって生じる。上記電流ル
ープの幾何的寸法は活性測定領域の中心からの間隔に比
べて小さいので、それらを磁気双極子によって全く置き
換えることができる。これを代用双極子と呼ぶ。代用双
極子は関連する電流ループとほぼ同じ磁場を活性測定領
域に生ずる。
回転させたり、移動させたり、さらにはその幾何形状を
変えたりしても活性測定領域における磁場は変化しない
lpとが可能であるから、唯一の条件は、それらの変化
の後でも代用双極子が同じにとどまるということにあ
る。
的な狭い中断部の影響は無視できる。
部は、活性測定領域でのz成分の均一性に認められるほ
どの影響を及ぼさない。中断部は、超伝導体における通
常の電流ループと逆に流れる電流ループによって置き換
えることができる。それらは非常に小さな領域に局限さ
れるので非常に小さな磁場しか生じることができない。
と平行なある平面に関するその鏡映とは同一の磁気的挙
動を示す。
面に関して鏡映されても、z軸、つまりB0磁場に対す
る全ての角度が維持されるので、超伝導体の臨界電流密
度及び臨海電流分布は変化しない。
造は磁気的に同一である。また、図9(f)は両方の構
造から構成されているので、これも図9(d),(e)
と磁気的にほぼ同一な大きさである。
測定領域においてBZ成分だけに依存し(所見1)、そ
れは横方向磁化から生ずる。B0磁場と平行な長い超伝
導体ストリップの場合、z成分はそのストリップの両端
でのみ現れるが、これらは活性測定領域において無視で
きるほど小さい(図2)。これは、図2のサンプル領域
1においてB0磁場と平行な超伝導体の閉電流ループに
おける電流の方向が、トリップの端でのB0磁場と垂直
であるということによる。上記所見2で示したように、
B0磁場と平行な電流は何もz成分を生じないので無害
である。
x成分及びy成分に依存するとしたら何が起こるかをは
っきりと示している。明らかに強い不均一性が活性測定
領域1に存在し、それがNMRスペクトルに強く影響す
るであろう。本発明は、NMRがBZ成分の考察だけを
有り難いことに要求しているということによってのみ実
際に実現可能になる。
リップは(図5)、電流の大部分がB0磁場の方向と垂
直に流れるので基本的にz成分を生ずる。それでもこれ
らのストリップを効果的に利用することが可能である
(所見4)。唯一の条件は、これらのストリップがz方
向に周期的かつ連続的に反復され(図9(c))、それ
によってz方向に十分に長い導体構造が効率的に生成さ
れるということである。そうなっていれば、横方向電流
が生ずる磁場は、導体構造の中央領域、すなわち活性測
定領域で互いに補償し合って、z成分はこの補償が不完
全である導体構造の上端と下端でしか生じない(図8)。
が一定であり、長さが活性測定領域に比べて大きい導体
構造であって、長手方向軸がB0磁場と平行に向き、超
伝導部の分布が巨視的にz方向に均一であるものは、導
体構造の上端と下端でBZ成分を生じるだけであって、
測定サンプルがある中央領域では実際上何も生じないと
いうことである。導体構造の端で生ずる磁場が活性測定
領域で無視できるほど小さな擾乱磁場しか生じないよう
にするためには、上記導体構造は十分長くなければなら
ない。
は、導体構造の表面を、一辺の長さが活性測定領域の中
心からの間隔に比べて小さい同一の正方形表面エレメン
トの格子に分割し、個々の表面エレメントで、各表面エ
レメントにおける横方向磁化ができるだけ等しい強度の
磁気双極子で置き換えることができるように超伝導体を
分布させるということで得られる。これにより、活性測
定領域に何も擾乱磁場を生じない導体構造であって、例
えば異なる幾何形状、例えば異なる向き及び幅のストリ
ップ、並びに正方形、円形、台形等のストリップから構
成されたものを生成することができる。
また、これらの超伝導部が互いに密接に配置される周期
的かつ連続的な同一の狭い導体セクションから成るよう
にしても得られる。導体セクションは、それらが生ずる
擾乱磁場の揺動が活性測定領域で無視できるほど小さく
なるように互いに十分密接していなければならない。図
9(c),(d),(e)はそのような導体構造の例を
示している。
である必要はなく、図9(f)の例に示され、上記所見
7でより詳細に説明したように、鏡映対称像のコンポー
ネントで補うこともできる。
向いた狭い真っ直ぐな導体セクションから成る特別な場
合には、それらは周期的かつ連続的な反復である必要は
なく、互いにどんな間隔であってもよい。個々の導体セ
クション自体がどれも活性測定領域でBz磁場を生じな
いからである。
する。本発明は、互いに密接して及び/又は互いに重な
合って配置されるいくつかのこのようなZ構造に基づい
て、所望のRF共振器をこれらの導体構造の所定領域か
ら構築する。これらの導体構造の残りの部分は超伝導体
の磁力の補償にのみ寄与し、理想的な場合、RF電流が
何も流れない。RF電流はRF共振器でしか流れないの
で、他の導体からのRF分離が最適である。
々の選ばれた小さな表面の導体部を所見5にしたがって
回転又は移動させ、個々の導体セクションを結合したり
分離したりする。
も所見5にしたがって変更することができ、例えば垂直
配置を水平配置に変更することによって共振器に対する
RF結合を減少させることができる。
2点の指摘1,2を述べておかなければならない。
要はなく、zに関して不変であればどんな表面で実現し
てもよく、特には円筒面でも実現することができる。
有しなければならないが、長方形である必要はない。す
なわち、それらの長手方向の拡がりの端で2つの終端は
所望のいかなる形、例えば傾斜があったり曲がっていて
もよい。これらの端は活性測定領域から遠く離れている
ので、測定領域の磁場の均一性に何も影響を及ぼさな
い。
るが、それらのうちのほんのいくつかについて説明す
る。以下の実施の形態は全て3つのZ構造だけに基づい
ており、それらの2つは垂直な(z軸と平行な)又は傾
斜した導体セクションであり、1つは水平な(z軸と垂
直な)導体セクションである。
は、第1のZ構造はB0磁場に平行なストリップであ
り、第1のZ構造に続く第2の構造はB0磁場と垂直な
ストリップであり、その後に再びB0磁場に平行なスト
リップで第3の構造が続く。図10はその一例を示して
おり、3つのZ構造は、独国特許発明第101 18
835.8−33号明細書(特許文献6)における図1
0aのタイプのRF共振器をそれから生成できるように
選ばれている。RF共振器が生成すべきZ構造の領域は
図10においてハッチングで示されている(領域7
a)。主に磁場を発生する導体は、左Z構造8aから生
成され、測定サンプルに最も近いものである。上と下の
横方向導体は中央構造9aから生成され、容量部は右構
造10aから生成される。右導体構造10aは、左導体
構造8aの2倍も多くの導体を有し容量部の生成を可能
にしている。
るRF共振器の角部の生成である(図10)。これは、
超伝導体の個別電流路のいくつかの領域を、隣接する電
流路の間の接触している線での電流が等しく向きが逆で
ある小さな閉電流路S1,S3,S4,S5,S6で置
き換えることによって解決される(図13(a))。こ
れらの小さな電流路の寸法は所見5の条件を満たしてい
るので、これらを表面エレメントA2,B2,C2(図
13(a))の内部で回転又は移動させても、それによ
って活性測定領域のB0磁場には影響しないようにする
ことができる。以下、上記問題を解くための個々のステ
ップをより詳しく説明する。
つの垂直な超伝導体ストリップから成っている。各スト
リップに1つの個別閉電流路が示されている。それは上
と下で切られ、電流の方向は矢印で表されている。
6が、関連する表面エレメントの中心のまわりで90°
回転される(図13(a))。これは、表面エレメント
B3,C3の小さな電流路でも行われる。その結果は、
各1つの角部を有する電流路となる(図13(b))。
ストリップ内の1つの個別電流路について説明された。
それはそれぞれのストリップに流れ込むことができる可
能性がある全ての電流路にあてはまる。それぞれのスト
リップの内部の可能性がある全ての電流路について上述
の変換を実行すると、図13(b)に示された超伝導構
造となる。
すると、RF共振器の全体構造を得ることができる(図
14のハッチングされた表面)。それは図10のハッチ
ングのない明るく示された表面と磁気的にほぼ同一であ
り、したがって活性測定領域に擾乱的なBZ成分を何も
生じない。
て小さな間隙しかないので、RF共振器のRF磁力線が
密に隣接する水平なストリップの構造9aを貫通して強
い抵抗に会わなければならないという欠点がある。特
に、RF共振器によって囲まれた水平なストリップは、
きわめて高い密度の磁力線の通過を許さなければならな
いので、最大の障害を形成する。
る第2の実施の形態では、図10の中央導体構造9a
は、図11のより透明な導体構造9bに置き換えられて
いる。上述の変換を実行すると、図15の構造が生成さ
れ、これはRF磁力線に対して実質的により透明であ
り、したがってより良いRF性質を有する。
の源を検討すると次の2つの所見8,9が得られる。
は十分小さく、作用点が磁化曲線の直線領域内に収まら
なければならない。すなわち、超伝導体と擾乱磁場との
電流間に直線関係がなければならない。そうなっていな
い場合、超伝導体のとりうる異方性を考慮に入れなけれ
ばならない。異方性とは、B0磁場と平行な電流はB0磁
場と垂直な電流とは異なる臨界電流密度を有するという
ことを意味する。これは、超伝導体を回転させたときに
異なる電流分布を生じるので、超伝導体における異なる
積分電流値を生ずる。したがって、活性測定領域におけ
るB0がこの積分電流値の変化に正比例して変化する。
る。閉電流路の回転又は移動の後、いくつかの表面エレ
メントのエッジ部に電流が集中するエッジ領域が生ずる
可能性があるが(図13(b)の表面エレメントA1,
B1,C1の下方エッジ部上の電流参照)、もちろんこ
れは実際には起こり得ない。エッジ部における無限大の
電流密度を避けるために物理的理由によって要求されて
いるような所定面積にわたって上記エッジ電流が分布す
ると小さなエラーが発生する。
くの変形例が可能であるということと、全ての導体構造
が単一の基板上にあるということである。
方性を有すると、正確な補償は磁化曲線の直線領域での
み、すなわち小さな擾乱磁場についてしか保証されない
ということと、小さな電流ループの回転はいくつかの超
伝導体ストリップのエッジ領域で小さなエラーを生ずる
ことがあるということである。
る可能性があるので、本発明の概念に係る第3の実施の
形態は、電流路の回転や移動を排除する変形例を提供す
る。この場合も3つのZ構造が用いられる。外側の2つ
の構造は図9(f)による傾斜したストリップで構成さ
れ、1つの中央構造は図9(c)による水平のストリッ
プで構成される。外側の2つの導体構造は、導体の一部
が電気的にコーヒーレントな構造を生成してz方向に延
伸し、同時に2つの導体構造のエッジ部での結合を可能
にしているという利点がある。これらの結合の可能性に
よって、中央導体構造の水平なストリップに直接結合す
ることができ、前のように電流路を回転又は移動させる
必要がない。
は、世界公開第96/39636号パンフレット(特許
文献7)の図2cのタイプのNMR共振器を生成できる
ように選ばれている。RF共振器は3つの導体ループを
有し、それらは完全に閉じておらず、すなわちそれぞれ
小さな間隔で中断されており、それによって共振器の容
量部を作り出している。第1及び第3の導体ループは下
方の横方向導体に中断部があり、中央の導体ループは上
方の横方向導体に中断部がある。この第3の実施の形態
は、超伝導体の異方性に無関係であるという点で非常に
有利である。
体の異方性と無関係であるということと、導体構造全体
が単一の基板上にあるということである。
関連する補償される導体構造のエッジ部で結合が可能な
ジグザグ構造でなければならないので、共振器の変形例
の可能性が限定されるということである。
されるので、超伝導体の異方性に無関係であるという利
点をしっかり確保し、なおかつより多数の変形例が可能
である本発明の概念に係る第4の実施の形態が提供され
る。この実施の形態では、Z構造は2つの異なる基板に
適当に配分されている。2つの基板は、互いに重なり合
って、それらの上に配置される導体構造が互いに近く位
置することができるように、例えば電気的に絶縁する薄
いシートだけで隔離されるように位置する。このよう
に、全ての導体構造は実際には1つの平面上に配置され
る。
り合うことができないように、すなわち2つの基板の一
方によって隔離されるように重なり合って配置されるこ
とも可能である。この場合、全ての導体構造が実際には
単一の平面上にあることが上記同様確保されるように、
隔離機能を果たす基板はできるだけ薄くなければならな
い。
プのNMR共振器が構成される。これも3つのZ構造、
すなわち図17(a)による第1及び第2の垂直構造と
図17(b)による第3の水平構造とに基づく。なお、
第3の構造は別に示されているが、最初の2つの構造の
上に、これらを正確に覆うように配置されている。
主要部は図17(a)の左側にある第1の導体構造に由
来する部分であり、これが測定サンプルに最も近く位置
している。容量部は右側構造に由来し、右側構造は容量
部を実現するために左側構造の2倍も多くの導体を有し
ている。
造から得られる(図17(b))。このZ構造の幅LB
は、図17(a)の2つのZ構造の幅LAと等しい。す
なわち3つのZ構造は互いに正確に重なる。
して、各個別基板上で導体が互いに重なったり交差した
りせず、全体として共振的なRF共振器が生成されるよ
うにする。第1の基板は、図18(a)の構造、すなわ
ちRF共振器と磁化を補償する導体構造の主要部とを有
し、第2の基板は、磁化の残りの部分を補償する図18
(b)の構造を有する。それに関しては、図18
(a),(b)の構造の和が、図17(a),(b)の
Z構造の和にできるだけ近いことが重要である。その場
合にのみ、この2つの基板の共振器が、活性測定領域に
何もBZ成分を生じない元の図17(a),(b)の3
つのZ構造と磁気的に同一になるからである。
体の異方性に依存しないということと、多くの導体構造
の変形例が可能であるということである。
板又は両側が覆われる1つの基板が必要であり、それら
の構造は正確に重なり合って配置しなければならないと
いうことである。
ら構築しうる全ての手順1〜5を要約する。以下の手順
1〜5は、個々にも、グループでも、又は全部同時にも
適用できる。
導部を回転又は移動させる。
る。
有するZ構造を使用する。
再分配して1つの個別基板上で重なりや交差がないよう
にする。
狭い中断部がさらに設けられるとRF共振器へのRF結
合を最小にすることができる。このような中断部は第2
の実施の形態に関して図1に示されている。はっきりと
図示するまでもなく、このような中断部は他の全ての実
施の形態でも実現することができる。
磁率を有するNMR共振器は、活性測定領域に磁場不均
一性を生ずる。従来、この効果はそれらのコンポーネン
トと同じ透磁率を有し、かつz方向に平行して十分に延
伸している追加材料でそのコンポーネントを代用するこ
とによって補償される。追加材料は、絶縁体であって、
例えばコイル全体を浸す液体も含まれてもよい。この方
法は、“透磁率継続法”と呼ばれ、本発明に対して次の
ような相違点を有する。
又は絶縁体だけに用いられ、一般にそれらについてのみ
有効である。これに対して、超伝導体では、一般に磁化
の影響はより強く、他の補償方法、例えば本発明による
補償方法が必要である。
ーネント内の磁気双極子モーメントによって生じ、それ
らは必然的にB0磁場によってそれらと平行に向けられ
る。しかし、超伝導体では、磁化は超伝導コンポーネン
トにおける補償電流によって生ずる。これらの電流が活
性測定領域における磁場不均一性に及ぼす影響は磁気双
極子モーメントの影響より何桁も大きい。
ーネントの横方向磁化は無視できるほど小さいので、長
手方向磁化だけを補償すればよい。しかし、超伝導体の
場合、横方向磁化が主であり、長手方向磁化は重要性が
ほんのわずかである。
A1号明細書(特許文献8)は、NMRスペクトルへ
の影響を小さくするためにNMR共振器の透磁率を少な
くとも部分的に補償する方法を開示している。この方法
も常伝導物質のみに関するものであり、z軸上での磁場
擾乱を排除し、活性測定領域全体における磁場擾乱を排
除するものではない。それとは対照的に、本発明は活性
測定領域全体にわたって磁場擾乱を補償する。
れば、実際のRF共振器から最適に分離され超伝導体の
磁化によって生ずる擾乱的影響を最適に補償する追加的
な超伝導導体構造を備えた新しいタイプの超伝導NMR
装置用RF受信コイル装置を提供することができる。ま
た、活性測定領域におけるB0磁場の均一性に対するこ
の横方向磁化の影響を最小にすることができる。
器を示す図である。なお、これは図15の共振器とほと
んど同じであるが、磁化を補償する追加の導体に小さな
中断部があって、これらにより、これらの導体と実際の
RF共振器(ハッチングされた線で示す)との間のRF
結合を最小にしている。
体ストリップによって生成される磁場ΔBの斜視図であ
る。
お、磁場ΔBのz成分(ΔBZ)1は、活性測定容積の領
域でほとんどゼロであり、ストリップの上方のエッジ部
と下方のエッジ部でのみ現れる。
ある。なお、活性測定サンプルの場所1に強い不均一磁
場が存在するが、これはΔBX成分及びΔBY成分による
ものである。しかし、これらはNMRスペクトルに何も
影響を及ぼさないので無視できる。
体ストリップによって生ずる磁場ΔBの斜視図である。
お、磁場ΔBのBZ成分(ΔBZ)1は活性測定サンプル
の場所で強い不均一性を示し、これはNMR共鳴線に強
い影響を及ぼす可能性がある。
長手方向磁化によって生ずる擾乱磁場ΔBを示す図であ
る。なお、擾乱磁場はストリップの2つの端でのみ生成
される。
り合って一様に配置されたいくつかの超伝導体ストリッ
プ4a,4b,4c,..4kの配置を示す図である。
なお、個々のストリップのBZ成分(ΔBZ)1が重なっ
て磁場(ΔBZ)totを生ずる。磁場(ΔBZ)totは活性
測定容積1の領域でほぼゼロであり、装置の上端と下端
にのみに存在する。
プを示す図であり、(b)は、全てB0磁場と平行ない
くつかの一様に分布したストリップから構成される超伝
導導体構造を示す図であり、(c)は、全てB0磁場に
垂直ないくつかの一様に分布したストリップから構成さ
れる超伝導導体構造を示す図であり、(d)は、B0磁
場に対してある傾斜で配置されたストリップから構成さ
れる超伝導導体構造を示す図であり、(e)は、(d)
の超伝導導体構造の鏡像を示す図であり、(f)は、
(d)の導体構造と(e)の超伝導導体構造の鏡像のセ
クションから構成される超伝導導体構造を示す図であ
る。
つは垂直で1つは水平の3つの部分構造から成る超伝導
導体構造を示す図である。なお、RF共振器はハッチン
グされた領域で構成することができる。また、その他の
領域はRF共振器によって生ずる磁化を補償する。
の中央部分構造の水平なストリップは相互間隔が広くな
っていることを示す図である。なお、この部分構造はR
F透明性を高める。
す図である。なお、1つの個別で閉じた電流路は、3つ
の垂直な導体ストリップの各々で上と下を切り取ったも
のを示し、電流の方向は矢印で示してある。
らに小さな電流ループS1,S3,S4,S5,S6へ
細分する様子を示す図である。なお、これらは時計回り
に90°回転されて角部を有する電流ループを生ずる。
また、(b)は、(a)の変換の結果を示す図である。
(a)の変換を用いて生成された本発明の第1の実施の
形態による共振器を示す図である。なお、RF電流が流
れる領域はハッチングされている。また、導体構造全体
は磁化された状態で活性測定領域にz成分をほぼ何も生
じない。
(a)の変換を用いて生成された本発明の第2の実施の
形態による共振器を示す図である。なお、RF電流が流
れる領域はハッチングされている。また、導体構造全体
は磁化された状態で活性測定領域にz成分をほぼ何も生
じない。
び右)から個々の導体部を回転又は移動させる必要なし
に直接生成された本発明の第3の実施の形態による共振
器を示す図である。なお、いくつかの導体を非常に短い
経路で結合及び/又は分離しなければならなかった。ま
た、RF電流が流れる領域はハッチングされている。導
体構造全体は磁化された状態で活性測定領域にz成分を
ほぼ何も生じない。
共振器の部分が生成される2つの垂直な導体構造を示す
図であり、(b)は、本発明の第4の実施の形態による
共振器の部分が生成される水平な導体構造を示す図であ
る。
共振器の第1の基板上の導体構造を示す図である。な
お、該基板はRF共振器7dと磁気を補償する導体構造
の主な部分とを含む。また、(b)は、本発明の第4の
実施の形態による共振器の第2の基板上の導体構造を示
す図である。なお、該導体構造は、技術的な理由により
第1の基板で補償できなかった残りの磁気的エラーを補
償する。
示す図である。なお、3つの個別導体がそれぞれ束に組
み合わされて可能な実施の形態の1つを表す。また、
(b)は、図17(b)の部分セクションを示す図であ
る。なお、3つの個別導体がそれぞれ束に組み合わされ
て可能な実施の形態の1つを表す。また、(c)は、図
18(a)の部分セクションを示す図である。なお、3
つの個別導体がそれぞれ束に組み合わされて可能な実施
の形態の1つを表す。また、(d)は、図18(b)の
部分セクションを示す図である。なお、3つの個別導体
がそれぞれ束に組み合わされて可能な実施の形態の1つ
を表す。
しいNMR共振器の部分を示す図である。なお、ハッチ
ングをつけた領域はRF共振器に属する。また、(b)
は、3つの個別導体が束にされたNMR共振器の部分を
示す図である。なお、ハッチングをつけた領域はRF共
振器に属する。
体(超伝導体ストリップ) 3 超伝導体ストリップ2における電流 4 長手方向軸がB0と垂直な超伝導物質の平坦導体
(超伝導体ストリップ) 4a,4b,4c,..4k 装置5に属する超伝導体
ストリップ4 5 B0と平行な平面上にあり互いに重なり合って一様
に配置されたいくつかの超伝導体ストリップ4a,4
b,4c,..4kの装置 6 超伝導体ストリップ4における電流 7a,7b,7c,7d RF電流が流れる導体セクシ
ョンが配置される共振器の領域であって、互いに異なる
これらの導体セクションがRF共振器、すなわちRF共
振回路を定める共振器の領域 8a,8b 一部はサンプル容積と最も近くにある共振
器の垂直導体部を生成するために用いられてその場所の
RF磁場の主な部分を生ずるz軸と平行な垂直導体構造 9a,9b 一部はRF共振器の上と下の水平な横方向
結合を生成するのに用いられるz軸と垂直な水平導体構
造 10a,10b 一部はRF共振器の容量部を生成する
のに用いられるz軸と平行な垂直導体構造 B0 NMR磁石の静磁場 ΔB 磁化した超伝導体が発生する磁場 (ΔBZ)1 単一の超伝導体ストリップ2又は単一の超
伝導体ストリップ4のΔBのz成分 (ΔBZ)tot いくつかの超伝導体ストリップから構成
される装置5のΔBのz成分 S1,S3,S4,S5,S6 超伝導体ストリップに
おける閉電流路
Claims (18)
- 【請求項1】 z軸方向に均一な磁場B0を生成する手
段を有するNMR(核磁気共鳴)装置の座標原点(x,
y,z=0)を中心に配置された研究容積内の測定サン
プルへ及び/又は測定サンプルから、一つ以上の所望の
共振周波数でRF(無線周波数)信号を放射及び/又は
受信する少なくとも一つのRF共振器を備え、誘導的に
作用しかつ部分的には容量的にも作用する該RF共振器
の超伝導導体構造がz=−|z1|とz=+|z2|との間で
測定サンプルから半径方向(x、y)間隔にありz方向
に平行移動不変(=z不変)な表面上に実質的に配置さ
れるRF受信コイル装置であって、 さらに、補償装置が、少なくともz<−|z1|−0.5|
r|かつz>+|z2|+0.5|r|(ただし、|r|は該測
定サンプルと該補償装置の最小間隔)という値にまで延
伸する該z不変な表面上に設けられ、該補償装置は該R
F共振器からほぼRF分離された別の超伝導導体構造を
さらに含み、該補償装置及び該RF共振器の導体構造
が、該z不変な表面上に配置され、それぞれ補償装置及
びRF共振器の導体構造のz方向の全長にわたって延伸
する超伝導構造を含む個別表面セクション(“Z構
造")から構成され、それらの超伝導構造は、該Z構造
の表面を複数の小さな等しいサイズの表面エレメントに
適当に概念的に分解して均一テスト磁場を各表面エレメ
ントの表面法線方向に概念的に印加したときに本質的に
等しい強度の磁気双極子モーメントが互いにz位置に関
してのみ異なるそれら全ての表面エレメントに誘導され
るように配置されていることを特徴とするRF受信コイ
ル装置。 - 【請求項2】 互いにz位置だけに関して異なる全ての
表面エレメントは、実質的に等しい量の超伝導物質を含
むことを特徴とする請求項1記載のRF受信コイル装
置。 - 【請求項3】 該補償装置の超伝導導体構造は、RF共
振器の両側からz方向のRF共振器の延伸の少なくとも
半分、好ましくは約2倍突出していることを特徴とする
請求項1又は2記載のRF受信コイル装置。 - 【請求項4】 いくつかの、好ましくは2つ又は4つの
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のRF受信コイル
装置から構築され、これらのRF受信コイル装置は、互
いにRF結合され、該z不変な表面の異なる部分表面上
にあることを特徴とするRF受信コイル装置。 - 【請求項5】 誘導的に作用しかつ部分的には容量的に
も作用する1つ以上のRF共振器の超伝導導体構造及び
1つ以上の補償装置の超伝導導体構造が互いに平行かつ
z軸と平行に配置された平坦基板エレメント上に配置さ
れていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1
項に記載のRF受信コイル装置。 - 【請求項6】 誘導的に作用しかつ部分的には容量的に
も作用する該RF共振器の超伝導導体構造及び関連する
補償装置の超伝導導体構造は、同じ平面上に配置されて
いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に
記載のRF受信コイル装置。 - 【請求項7】 該RF共振器及び関連する補償装置の超
伝導導体構造が互いに平行に配置された2つ以上の平坦
な部分表面に配置され、誘導的に作用しかつ部分的には
容量的にも作用する該RF共振器の超伝導導体構造及び
関連する補償装置の超伝導導体構造の一部は第1の部分
表面に配置され、該補償装置の超伝導導体構造の残りの
部分は他の部分表面に配置されていることを特徴とする
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のRF受信コイル
装置。 - 【請求項8】 誘導的に作用しかつ部分的には容量的に
も作用する1つ以上の該RF共振器の超伝導導体構造及
び1つ以上の該補償装置の超伝導導体構造がz方向に関
して円筒状に曲がった基板エレメント上に配置されてい
ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記
載の、オプションでは請求項7に関連する、RF受信コ
イル装置。 - 【請求項9】 該補償装置及び該RF共振器の該導体構
造は、該z不変な表面の同じ部分表面上に配置されてい
ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記
載のRF受信コイル装置。 - 【請求項10】 該導体構造の超伝導セクションは、そ
の少なくとも一部がz方向と平行又は垂直なストリップ
で配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のい
ずれか1項に記載のRF受信コイル装置。 - 【請求項11】 該Z構造の1つ以上が同一の狭い超伝
導構造エレメントから構築され、これらの構造エレメン
トは、単一の導体、又は密に近接すると共にz方向に周
期的に連続して配置されたグループの導体から成り、隣
接する構造エレメントの間の間隔が研究下の容積の中心
からの間隔に比べて小さいことを特徴とする請求項1乃
至10のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。 - 【請求項12】 該Z構造の1つ以上が1つの個別導体
又はグループで配置された導体から成る構造エレメント
で構成され、該導体セクションは、z軸と平行に向き同
一又は異なる相互間隔を有することを特徴とする請求項
1乃至11のいずれか1項に記載のRF受信コイル装
置。 - 【請求項13】 該Z構造の1つ以上が、いくつかの、
好ましくは幅がそれぞれのZ構造の幅と等しい幅の長方
形の部分領域に分割され、これらの部分領域はz軸に対
して所望の角度傾斜した真っ直ぐな超伝導体ストリップ
で充填され、この角度はある部分領域内で正又は負であ
り、該傾斜したストリップは、1つの部分領域内で密に
近接すると共にz方向に周期的に連続して配置され、隣
接するストリップの間隔が研究下の容積の中心からの間
隔に比べて小さく、該傾斜したストリップは該部分領域
間の境界線で連続的に融合することを特徴とする請求項
1乃至10のいずれか1項に記載のRF受信コイル装
置。 - 【請求項14】 該RF共振器に属さない超伝導導体構
造が個別超伝導導体セクションの部分にわたって又は全
長にわたって分布するいくつかの狭い中断部を含むこと
を特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の
RF受信コイル装置。 - 【請求項15】 該RF共振器は、該Z構造の所望の領
域から、その超伝導体若しくはその一部を該Z構造の小
さな表面エレメント内で回転又は移動させることにより
生成されること、及び/又は導体間の小さな間隔が超伝
導的に結合されること、及び/又は導体に狭い中断部が
配置されること、及び/又はジグザグ形の傾斜したZ構
造が用いられること、及び/又は2つ以上の部分表面に
Z構造が分配されることを特徴とする請求項1乃至10
のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。 - 【請求項16】 RF受信コイル装置は、2つは左と右
との垂直なストリップ及び1つは中央の水平な真っ直ぐ
なストリップという3つのZ構造から構築されることを
特徴とする請求項1乃至12又は14乃至15のいずれ
か1項に記載のRF受信コイル装置。 - 【請求項17】 RF受信コイル装置は、傾斜している
と共に部分的にジグザグ形の2つの左及び右のストリッ
プ、及びz方向に周期的に配置された1つの横方向スト
リップを有する中央構造という3つのZ構造から構築さ
れることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項
に記載のRF受信コイル装置。 - 【請求項18】 RF受信コイル装置は、所定の相互間
隔を有し、かつそれぞれz軸と平行に配置されたストリ
ップから成る第1及び第2の構造、及びz方向に周期的
に配置されたz軸に対して横方向のストリップから成る
第3の構造という3つのZ構造から構成され、第3のZ
構造は最初の2つの上方に位置してそれらを正確に覆
い、該RF共振器及び該補償構造は、該3つの構造が部
分的に分解されて1つ又は2つの基板に属する2つの別
々の部分表面にわたって再配分されるということで生成
され、第1の部分表面はRF共振器全体を該補償構造の
主な部分と共に含み、第2の部分表面は該補償構造の残
りの部分を含み、このようにして生成された構造は2つ
の部分表面上にそれらの構造の和が元の3つのZ構造の
和に等しくなるように定位されて作動するNMR共振器
を生成することを特徴とする請求項1乃至12又は14
乃至15のいずれか1項に記載のRF受信コイル装置。
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