JPH0643019Y2 - 医療器具包装体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は血液バッグ等の医療器具を長期保存するための
医療器具包装体に関する。

（従来の技術） 医療器具、例えば血液バッグを長期保存するための包装
形態として、１セットずつポリエチレン製の内袋に入
れ、これを所定数ずつ金属缶に密封包装したもの；ポ
リプロピレン／ポリエチレン／アルミニウム等からなる
ガス非透過性の積層フイルムに個包装したもの；ポリ
エステル／アルミニウム／ポリエチレン等からなる積層
フイルムと和紙／有孔ポリエチレンとの２重フイルム、
その他通気性、防湿性を適当に調整するように複数の合
成樹脂層を積層させたフイルムを用い、血液バッグを４
ないし10個重ねて収容するようにした包装体が知られて
いる。

しかし、のものは金属缶であるために重く、かつコス
ト高となり、さらに缶の切り口により商品取出し時に商
品又は手を傷付ける危険が大きいという問題がある。
のものは血液保存液等の内容液の蒸散により血液バッグ
表面の水濡れが生ずるという問題がある。のものは開
封後、実際の使用まで数週間放置された場合、内容液の
蒸散、放置中のカビ発生等好ましくない現象が発生する
という問題がある。

また、上記〜のいずれの形態の包装体においても、
血液バッグは接続チューブとともに２つ折り又は３つ折
りにして収容されるようになっているため、これらのバ
ッグ、チューブに折り癖がつくという問題もあった。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は個包装の状態で実際の使用まで数週間放置した
としても内容液の蒸散による表面の濡れ、あるいはカビ
発生等の問題が生ずるおそれがなく、被包装物の折れ癖
のおそれもなく、被包装物の取出しも簡便かつ安全で、
製造コストの低減を図ることができる医療器具包装体を
提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するための手段として、包装
すべき医療用器具を平坦な状態で１次的に吸水紙で包
む；次にガスを実質的に透過させない包材で２次的に密
封する；さらに必要に応じて脱酸素剤も同時に封入する
という方策を講じた。

即ち、本考案は血液保存液を収容した合成樹脂製の血液
バッグを平坦な状態で、１次的に吸水体で包装し、さら
に、この１次包装体をガス非透過性の包材で２次的に密
封してなることを特徴とする医療器具包装体を提供する
ものである。

なお、本明細書で吸水体とは物理的に水および水蒸気を
吸収する繊維体組成物、例えば和紙や吸水性高分子が好
ましい。吸水体におる一次的包装は密封状態で包装した
もの、あるいは非密封状態で単に包んだ状態であっても
よい。

ガス非透過性の包材としてはガスを実質的に透過させな
い包材、例えば塩化ビニリデンコートポリエステル／ナ
イロン／ポリエチレンからなる積層フイルム、エチレン
・ビニルアルコールコポリマー等、酸素透過度が6ml/m²
・day以下のものを用いることができる。

脱酸素剤としては炭化鉄、鉄カルボニル、酸化第１鉄、
水酸化第１鉄から選ばれる化合物とハロゲン化金属とか
らなるもの（特開昭54−37088号）、又は金属粉をハロ
ゲン化金属で被覆したもの（特開昭54−35189号）など
任意のものを使用し得る。

（作用） 本考案の医療器具包装体においては医療用器具に充填さ
れた内容液から水分が蒸散したとしても、その蒸発水分
は吸水紙によって吸収されるから、包装された医療用器
具が水漏れ状態となるおそれがない。

また、２次包材はガス非透過性の包材かなるから２次包
装内部の無酸素状態を長期に亘って維持することがで
き、保存中におけるカビ等の発生を防止することができ
る。

（実施例） 第１図は本考案に係わる医療器具包装体の断面、第２図
はその平面を一部切欠して医療器具の１例である血液バ
ッグの一部が露出している状態を示す図である。これら
図に明示した如く血液バッグ１はまず和紙等の吸水紙２
で１次的に包装され、さらに、これを密封するよにして
ガス非透過性の包材３（例えば紙／ポリエチレン／ポリ
プロピレン／ポリエチレン／アルミニウム箔／ポリエチ
レンの６層積層フイルム（紙を除いた厚さ：約80μ
ｍ））で２次包装されている。なお、２次包装において
は必要に応じ脱酸素剤４とともに包装するようにしても
よい。

この１次および２次包装のいずれの場合も、血液バッグ
１はそれに接続されたチューブ1aとともに折れ目のつか
ないように平坦に延ばした状態で包装される。

このようにして包装された個包装体は運搬又は販売時に
おいて、所定数ずつ紙函等に包装してもよい。

この個包装体から血液バッグを取り出す場合、まず、包
材３を切断して１次包装体を取り出し、ついで和紙２か
ら血液バッグ１を取り出せばよい。

（考案の効果） 本考案の医療器具包装体によれば医療器具はまず吸水紙
によって１次包装されるから医療器に収容された内容液
が蒸散しても、これによって医療器具表面に水濡れが生
ずるおそれがなく、ユーザーがラベルを直ちに粘着する
ことができる。さらに脱酸素材を収納することにより２
次包装体内の酸素を脱酸素剤によって吸収させ、内部を
無酸素状態に保つことができるから、長期保存において
もカビ等の殺菌の繁殖のおそれもない。

さらに、医療器具を平坦な状態で個包装するようにした
から、医療器具の折れ癖の発生のおそれもなく使用上好
都合なものとなる。さらに、構造上簡単であるため、製
造コストの点でも有利なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる医療器具包装体の断面図、第２
図はその１部切欠平面図である。 図中、１……血液バッグ、２……吸水紙、３……ガス非
透過性包材、４……脱酸素剤。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】血液保存液を収容した合成樹脂製の血液バ
   ッグを平坦な状態で、１次的に吸水体で包装し、さら
   に、この１次包装体をガス非透過性の包材で２次的に密
   封してなることを特徴とする医療器具包装体。
2. 【請求項２】吸水体が和紙からなる実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の医療器具包装体。
3. 【請求項３】２次包材がポリプロピレン、ポリエチレン
   およびアルミニウムを任意に積層した積層フィルムから
   なる実用新案登録請求の範囲第１項記載の医療器具包装
   体。
4. 【請求項４】脱酸素剤が封入されている実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の医療器具包装体。
5. 【請求項５】吸水体が吸水性高分子である実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の医療器具包装体。