JPH0642907B2 - 体外循環回路 - Google Patents

体外循環回路

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JPH0642907B2
JPH0642907B2 JP62034158A JP3415887A JPH0642907B2 JP H0642907 B2 JPH0642907 B2 JP H0642907B2 JP 62034158 A JP62034158 A JP 62034158A JP 3415887 A JP3415887 A JP 3415887A JP H0642907 B2 JPH0642907 B2 JP H0642907B2
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研一 河村
文男 神山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,悪性腫瘍などの治療に用いられる体外循環回
路に関する。
(従来の技術) 悪性腫瘍をはじめ自己免疫疾患,肝不全,DIC,高脂血
症などの難治性疾患の治療方法として「二重濾過血漿分
離交換法」(阿岸鉄三編集;医学書院,1984年)が提案
されている。この方法では,患者から連続的に血液を抜
きとり分離膜を用いて血漿と血球とに分離し,得られた
血漿からさらに別の分離膜を用いて大分子量分画を除去
した後(アルブミン分画などの血漿蛋白は残される),
血球成分とあわせて該患者に返血が行われる。血漿に含
有される上記大分子量分画は,例えば担癌患者の血液中
に存在する種々の特異的・非特異的免疫抑制物質である
と考えられている。このような大分子量分画に属する免
疫抑制物質は,例えば,悪性腫瘍細胞表面が特異抗原と
なって生成する抗体に,抗原,抗体,補体などの種々の
物質が結合して大きなマトリックスを形成した免疫複合
体であると考えられる。悪性腫瘍患者においては,この
ような免疫抑制物質が原因となって免疫能が低下し,か
つこれらの物質をはじめとする諸因子が複雑にからみあ
う結果,腫瘍細胞が正常の状態の免疫監視機構から逸脱
して増殖・転移するとされている。そのため,上記方法
のように大分子量分画を選択的に除くことにより悪性腫
瘍などの改善が行われる。しかし,このような免疫抑制
物質を除去するという方法においては,積極的に悪性腫
瘍細胞を攻撃して壊死させるという効果は得られない。
さらに,分離膜を用いて大分子量分画を除去する際に,
生体にとって必要とされる血漿蛋白の一部も除去される
おそれがある。
血液を処理することによる悪性腫瘍の改善例としては,
この他,山本剛史による報文「高張食塩で処理した担癌
家兎血清の静脈投与により得られた急性の腫瘍壊死」
(臨床免疫1986年6月号544〜547頁)が挙げられる。こ
の報文によれば,担癌家兎から得られる血清を濃厚塩化
ナトリウム水溶液と混和した後,該塩化ナトリウム濃度
を希釈もしくは透析により低下させた後,再び処理血清
を静脈注射により返血している。このような処理により
癌の縮小が確認されている。しかし,山本の方法によれ
ば,血液の採取,血清(もしくは血漿)の分離,塩化ナ
トリウム水溶液による処理,静脈注射などの各工程の間
に汚染物質が混入するおそれがあり,これを無菌的に行
うには非常に繁雑な操作を必要とする。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり,その目
的とするところは,効果的に悪性腫瘍などを治療しうる
システムを提供することにある。本発明の他の目的は,
生体からの体液,特に血液を処理することにより簡便か
つ安全に悪性腫瘍などを治療しうる上記システムを提供
することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の体外循環回路は,生体からの血漿を所定の温度
に加熱する加熱手段と,該加熱処理した血漿を該生体内
へ連続的もしくは断続的に循環させ得る循環手段とを有
し,前記生体の下流側で,かつ該生体と前記加熱手段と
の間に血漿分離器が配置され,そのことにより上記目的
が達成される。
本発明の回路は,例えば第1図に示すように,加熱手段
200および循環手段600を有する。家兎5などの生体から
の血液は、ポンプ61などの循環手段600により血漿分離
器1へ供給され,血球成分と血漿とに分離される。その
後,血漿が加熱手段200に供給され,ここで血漿中に存
在する免疫複合体が解離された後,ポンプ63,64などの
循環手段600により生体内に戻される。
この加熱手段200は,例えば,ヒーター21および処理槽2
2を包含する。ヒーター21は,処理槽22中の血漿を37〜5
0℃に加熱し,これを所定の時間にわたり上記温度範囲
で保持しうる装置であればよく,特に限定されない。処
理槽22の形状も特に限定されない。通常の箱型反応槽や
丸底反応槽の他,ヒーター22からの熱エネルギーが血漿
に充分に伝達されるように,例えば,スパイラル状反応
器,ループ状反応器,コイル状反応器も利用され得る。
本発明の回路には,好ましくは,上記加熱手段200で処
理された血漿を生体の体温のレベルにまで降下させる温
度調整手段300が,該加熱手段200の下流側に配置され
る。この温度調整手段300は,例えば,温度制御器31に
より所定の温度にコントロールされる恒温槽32を有す
る。
この回路を用いて,血漿中の免疫複合体を解離させる場
合には,さらに,第1図に示すように生体からの血液を
血漿と血球とに分離する血漿分離器1,および免疫複合
体解離後の血漿と血球成分とを混合する混合器4が配置
される。
(実施例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
第1図に示すように,家兎5らの血液は,ヘパリン供給
器52からのヘパリン(血液凝固阻止剤)と共にポンプ61
により血漿分離器1へ供給され,血球成分と血漿とに分
離される。分離された血漿は,加熱手段200の処理槽22
に供給され,ヒーター21により37〜50℃に加熱される。
この加熱処理により血漿中に含有される免疫複合体が解
離し,悪性腫瘍特異抗体が遊離する。加熱時間は特に制
限されないが,免疫複合体を充分に解離させるためには
30分〜3時間の範囲が適当である。処理時間が極端に短
いと充分な効果が得られず,極端に長いと血液中の蛋白
質が変性するおそれがある。次に,この血漿は,ポンプ
63により濾過器30を介して温度調整手段300の恒温槽32
に供給される。次に,この血漿は,ポンプ64により混合
器4へ送られ,上記血漿分離器1からの血球(ポンプ62
で輸送される)と混合される。この混合物には,そこに
含有される前記ヘパリンを中和するためのプロタミンが
プロタミン供給器53から添加される。この混合物は,次
いで,もとの家兎5の静脈に戻される。この回路の血液
(血漿)循環速度は,例えば各ポンプ61〜64やコック23
により調整可能であり連続的もしくは断続的に処理され
得る。
本発明の回路を用いて,血液もしくは血漿を加熱処理す
ることにより,悪性腫瘍患者の体液中に存在する免疫複
合体が解離する。免疫複合体は,従来の技術の項に記し
たように,例えば悪性腫瘍表面が抗原となって生じた抗
体に,種々の抗原,抗体,補体などが結合して生じた複
合体であるとされている。本発明の回路を用いてこれが
解離すると悪性腫瘍特異抗体が遊離すると考えられる。
悪性腫瘍特異抗体は悪性腫瘍細胞に特異的に働き,該悪
性腫瘍細胞を壊死もしくは縮小させる。
このような癌細胞を認識しうる抗体を用いた免疫学的な
悪性腫瘍の治療方法としては,モノクローン抗体を投与
する方法が挙げられる。しかし,治療に有効なモノクロ
ーン抗体は特定の種類の悪性腫瘍細胞に対してのみが得
られているにすぎず,その調製も複雑な工程と必要とす
る。これに対して,本発明の回路は,免疫複合体の解離
により悪性腫瘍特異抗体の得られるすべての種類の悪性
腫瘍の治療に適用できる。本回路の構成およびその使用
法は簡単であり、しかも血液もしくは血漿が処理中に汚
染されることもなく安全に,そして安価に治療がなされ
る。本回路を用いて,例えば,手術を行うことの難しい
患者や抗癌剤投与の不適切な悪性腫瘍患者の治療が効果
的になされ得る。
(実験例) 以下に本発明を実施例につき説明する。
実験例1 家兎の背部皮下に腫瘍細胞V×2を移植したところ1ケ
月後には4×4cmφの腫瘍が得られた。この家兎に第1
図に示すように本発明の回路を接続した。家兎5の大腿
動脈51から採血チューブを通して血液80mlを系内へ導い
た。ヘパリン供給器52からヘパリンを供給した後,血漿
分離器1で血球成分と血漿とに分離し,処理槽22へ供給
した。ヒーター21により血漿を1時間にわたり43℃に加
熱した。コック23を開放し,血漿をポンプ63で濾過器30
に送り,さらに温度制御器31で温度制御された恒温槽32
へ供給した。血漿の温度を37℃とした後,ポンプ64で混
合器4へ供給した。ここで血漿分離器1からポンプ62で
送られる血球成分と混合し,プロタミン供給器53からプ
ロタミンを添加した後,家兎5の大腿静脈54へ返血し
た。
このように本発明の回路を用いて血液の体外循環を行っ
た3日後には腫瘍径が3×3cmφに縮小した。体外循環
を行わなかった家兎(対照)が,上記腫瘍細胞移植後44
日間で死亡したのに対し,体外循環を行なった家兎は82
日間にわたり生存し,明らかな延命効果が認められた。
実験例2 家兎の背部皮下に腫瘍細胞V×2を移植したところ1ケ
月後には4×4cmφの腫瘍が得られた。この家兎に第2
図に示すように本発明の回路を接続した。家兎5の大腿
動脈51から採血チューブを通してポンプ61で血液を連続
的に系内へ導いた。ヘパリン供給器52からヘパリンを供
給した後,血漿分離器1で血球成分と血漿とに分離し
た。血漿をスパイラル状処理器24へ導き,ヒーター21に
より血漿を43℃に加熱した。加熱処理後の血漿を温度制
御器31で温度制御されたコイル状チューブ32へ供給し
た。血漿の温度を37℃とした後,混合器4へ供給した。
ここで血漿分離器1からポンプ62で送られる血球成分と
混合し,家兎5の大腿静脈54へ返血した。体外循環の流
速は,ポンプ61において2ml/分,そしてスパイラル状
処理器24において1ml/分であり連続して,30分間にわ
たり体外循環を行なった。
このように本発明の回路を用いて血液の体外循環を行っ
た3日後には腫瘍径が2.5×3cmφに縮小した。体外循
環を行わなかった家兎(対照)が,上記腫瘍細胞移植後
38日間で死亡したのに対し,体外循環を行なった家兎は
72日間にわたり生存し,明らかな延命効果が認められ
た。
(発明の効果) このように,本発明の回路を用いて効果的に悪性腫瘍な
どの治療がなされる。患者の血漿を処理し,返血すると
いうのが基本的な操作法であるため患者の身体に外科手
術のような負担を与えず,処理中に血漿蛋白が失われる
ことがほとんどなく,しかも外部の環境と遮断された回
路であるため雑菌などの混入がなく安全である。本回路
を用いて,例えば,手術を行うことの難しい患者や抗癌
剤投与の不適切な悪性腫瘍患者の治療が効果的になされ
得る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は,本発明の回路を家兎に適用し,
その血液を処理することにより悪性腫瘍の治療を行う説
明図である。 1……血漿分離器,4……混合器,5……家兎,21……
ヒーター,22……処理槽,24……スパイラル状処理器,
32……恒温槽,200……加熱手段,300……温度調整手
段,600……循環手段。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体からの血漿を所定の温度に加熱する加
    熱手段と,該加熱処理した血漿を該生体内へ連続的もし
    くは断続的に循環させ得る循環手段とを有し,前記生体
    の下流側で,かつ該生体と前記加熱手段との間に血漿分
    離器が配置された体外循環回路。
  2. 【請求項2】前記処理血漿を実質的に前記生体の体温に
    降下させる温度調節手段を有する特許請求の範囲第1項
    に記載の体外循環回路。
JP62034158A 1987-02-17 1987-02-17 体外循環回路 Expired - Lifetime JPH0642907B2 (ja)

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