JPH0642906B2 - 血小板濃縮液から白血球を分離する装置および方法 - Google Patents

血小板濃縮液から白血球を分離する装置および方法

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JPH0642906B2
JPH0642906B2 JP1038160A JP3816089A JPH0642906B2 JP H0642906 B2 JPH0642906 B2 JP H0642906B2 JP 1038160 A JP1038160 A JP 1038160A JP 3816089 A JP3816089 A JP 3816089A JP H0642906 B2 JPH0642906 B2 JP H0642906B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は血液から誘導される血小板濃縮液、特にヒトの
血液から誘導される血小板濃縮液の白血球含量を低減さ
せる方法、およびこの分離を行う装置に関する。
1960年代における血液収集用プラスチックバッグの開発
は、献血された全血を種々の成分に分離して輸血用製品
として入手できる血小板濃縮液を作ることを促進させ
た。献血された全血の1単位、米国の実務では約450m
l、を成分に分離することは示差沈殿を用いて行なわわ
れている。全血の単位を一体的衛星移動型袋を備えた血
液収集用プラスチックバッグ内に集め、そして遠心によ
り赤血球濃縮液と血小板に富む血漿とに分離する。血小
板に富む血漿を空の衛星袋に移し、そして沈殿した赤血
球を収集系から分離する。血小板に富む血漿を、血小板
濃縮液(PC)と血小板の少ない血漿とに分ける高いG
の力で遠心分離し、次いで衛星袋への移送によりこれら
を分離する。最終PCは平均して50ないし70mlの血漿中
に5.5×1010個の血小板を、または1マイクロリットル
(μl)当りほぼ106個の血小板を含むべきである。成
分の分離は全血の収集から6時間以内で行なわなければ
ならない。1単位の血小板濃縮液は通常は70kgの人の血
小板数を5000-10,000/μl高める。血小板減少症の成人
に与えられる通常の添加量は濃縮液6−10単位の範囲で
ある。
血小板はまた“語頭音消失法(apheresis)”と呼ばれる
特殊の血液成分補集法を用いて作ることができる。種々
の連続的または非連続的流れ装置を用いて、血小板は1
人の供血者から集められる。この方法では供血者から全
血を取り出し、次いで細胞外技法により構成する成分へ
と遠心分離する。所望の成分、この場合には血小板、を
得て同一組織の血液の残りを供血者に戻す。この方法に
より1人の供血者から多くの単位を収集できる。代表的
には、2ないし3時間の語頭音消失法でランダム(rando
m)供血者の血小板6−8単位に匹敵する3×1011個の血
小板を含む血小板生成物が生じる。単一供血者(single
donor)の血小板濃縮液を提供する供血者は受血者と通常
はHLAが適合している。単一供血者の血小板は一般に
は、ランダム供血者の血小板濃縮液の輸血に対し免疫学
的に非反応的な看者に与えられ、または骨随移植の候補
者と思われる個人に与えられる。
血小板は止血を維持する上で2つの主要な機能に役立
つ。第一は、血小板は損傷した血管の壁に固着して損傷
部位で凝固し、そして止血栓を形成する。第二に、血小
板は、血小板因子3を放出しそして凝集因子介存止血を
促進しすることによりフィブリン形成に関係する。血小
板はた血管作動性アミン、カチオン性蛋白質、ヌクレオ
チドおよび酵素を、並びに血管収縮を起しそして環状A
MP形成に対する抑制的効果を経て血小板凝固を促進す
るスロンボキサン(thromboxane)Aを放出する。
骨随による血小板の不適当な製造と比べて二次な血小板
減少症により、amegakaryocytic血小板減少症として知
られている状態で、出血の治療のための血小板輸血が必
要とされる。この骨随形成不全は化学療法、腫瘍侵入ま
たは一次性発育不全によるのかもしれない。例えば、急
性白血病の看者は診断で血小板減少症かもしれずあるい
は化学療法または放射性療法より二次的な血小板減少症
となるかもしれない。適度の数の血小板であるが異常な
先天性血小板機能をもつ看者は、グランツマン血小板無
力症などの軽度または重度の出血症となる範囲の反応を
有するかもしれない。看者はまた、フォンウイルブラン
ズ病または尿毒症などの、血漿異常よりは二次的な血小
板機能不調を経験するかもしれない。血小板輸血はま
た、外傷に対して二次的な塊状血液の置換に関連した血
小板減少症にかかっている看者、または心臓の手術など
の多量の血液を必要とする手術を受けている看者にも用
いられるかもしれない。アスピリンを投与されている看
者はまた一時的な血小板機能障害を示しそして緊急の手
術のための血小板輸血を必要とするかもしれない。
血小板の用途は高まりそして急速に増加し続けている。
これは、米国血液委員会で行なわれた最新の調査で示さ
れている。この調査では、血小板濃縮液の国内の用途は
1971年における41万から1980年における286万へと6倍
増加したことを示している。対照的に、同じ期間内の充
填赤血球(packed red cell)(PRC)は632万単位から
999万単位で、たかだか1.5倍の増加であった。ランダム
供血者の血小板は、1980年のほぼ20%と比べて、1971年
において収集された6%以下の全血単位から作られてい
た。1987年において血小板濃縮液を作るのに使用された
献血された全血単位の割合はほぼ70-80%である。将来
の需要は入手可能な血液供給量を越えるかもしれず、そ
して現在の需要はある地域においては入手可能な血液供
給量を越えている。
この血小板使用を加速する幾つかの理由があるが、これ
は長期間の骨随発育不全による化学療法のより積極的使
用を含む。血小板成分の入手性と血小板輸血のより積的
使用によりこれらの積極的化学療法プログラムの使用を
許容する。
血小板濃縮液の輸血は急性および慢性の両輸血を受ける
看者にとって危険がないわけではない。寒け、熱、およ
びアレルギー反応が急性並びに慢性の血小板療法を受け
ている看者に起るかもしれない。繰り返し血小板輸血す
ると、HLA抗原に対し、並びに血小板の特定の抗原に
対してしばしば異種免疫を生じる。これは結局、血小板
輸血に対する応答性を低下させる。顆粒球およびリンパ
球を含む白血球汚染血小板濃縮液は、血小板輸血抗療性
になる発熱反応と異種免疫との両方に関係している。免
疫抑制看者にひどく影響を及ぼす他の生命をおびやかす
現象は「移植片対宿主病(Graft versus host diseas
e)」である。この臨床症候群において、血小板製剤で輸
血される供血者のリンパ球はホスト、すなわち輸血受容
者、に対し免疫学的な反応を加えて病気を起こすかもし
れない。他の潜在的な血小板輸血の結果はバクテリア、
ウイルス、および寄生虫による伝染性病の伝達である。
増大する証拠は、白血球の減少した血小板濃縮液が発熱
反応および血小板抗療性の発生率を低下させることを示
している。白血球の減少した血液成分はまた、移植片対
宿主病の可能性を低下させるための潜在的役割に対して
も評価されるべきである。血小板製剤の白血球減少はま
たある種のウイルス(例えば後天性免疫欠損(AID
S)およびサイトメガロウイルス(CMV))の伝染を
減少させるかもしれない。
血小板製剤は種々の量の白血球を含む。血液成分の差動
遠心分離により作られた血小板濃縮液は、使用した遠心
分離の時間とG力とに関連して種々の白血球汚染を有す
るであろう。白血球汚染はまた、成分を得るのに用いる
語頭音消失法(apheresis technique)の選択によっても
影響される。繰り返しの輸血で発熱反応を起しまたは血
小板抗療性を引き出すのに必要な汚染白血球の量は知ら
れていないが、ステック等[ステックN、キックラーT
S、ネスPMおよびびブラインHG、「多数回の輸血を
うけた腫瘍学的看者の発熱反応を防ぐうえで白血球(W
BC)を減少させた血小板の効果」、米国血液銀行協
会、サンフランシスコ、(アブストラクト番号58)、11
月3-7日、1986年]、およびダンとスチュワート[ダン
ME、とスチュワートS、「“ルーコトラップ(Leukot
rap)”遠心法により作られた白血球の少ない血小板濃
縮液を用いて再発性発熱輸血反応の防止」、米国血液銀
行協会、サンフランシスコ、(アブストラクト番号59
7)、11月3〜7日、1986年]は、白血球除去率81ない
し85%は血小板輸血による発熱反応の発生率を低下させ
るのに十分であることを示している。他の幾つかの最近
の研究では、1単位当り1×107以下の白血球汚染水準
で異種免疫および血小板抗療性の低下が報告されてい
る。従来の血小板製剤中の白血球汚染の水準は一般には
1×108以上の水準である。それ故に、現在の研究では
少なくとも対数2(99%)の白血球汚染減少率が要求さ
れている。さらに最近の研究では対数3(99.9%)また
は対数4(99.99%)の減少率はさらにかなり有利であ
ろうと示されている。さらに望ましい基準は血小板の損
失をもとの血小板濃縮液の約15%以下に抑えることであ
る。
血小板製剤を汚染する白血球の数を低下させる遠心法を
利用できる。これらの遠心法は許容できない血小板損失
をともなうのでしばしば不満足であることがわかってい
る。遠心分離は、特別に構成したプールバックと一緒に
用いると、ほぼ対数1だけ白血球濃度を低下させる。し
かしこの技法は高価でありそして労働集約型である。
血小板調合液から汚染性白血球を除去する実験室用フィ
ルターの使用は、ある場合には、血小板回収率平均90%
で対数2の白血球除去率を得るが、しかしながら実験室
用フィルターを用いるほとんどの研究では許容ではない
ほど高い血小板損失が報告されている。血小板調合液の
白血球を減少させる実験室用フィルターを使用した経験
は性能において一貫していない手法を示している。さら
に、これら装置の使用は労働集約的であってそして慣用
的に補集された血小板の1単位に対し低い貯蔵寿命をも
たらす。貯蔵寿命が短いため、このような装置を用いて
作られる単位はベッド際での使用には推奨されない。
白血球減少装置の望ましい特性 血小板調合液から白血球を減少させる理想的装置は容易
に入手可能であり、安価であり、ベッド際での使用でき
るように設計されており、そして血小調合液の輸血の開
始から30秒以内で血小板成分を看者に送ることができな
ければならない。血小板調合液の白血球含量を装置によ
り少なくとも99%または1回の投与当り5×106の白血
球以下の水準に、そして好ましくは99.9%以上または1
回の投与当り5×105個の白血球の水準に減少すべきで
ある。看者への投与後、血小板の機能は最小限度で影響
を受けるべきであり、そして新しいホスト内での血小板
の生存寿命は通常のものに近くあるべきである。さら
に、高価で血小板調合液の需要が高まっており並びに最
大の治療用投与量を与えるための臨床上のニーズ故に、
この理想的装置はバツク内に当初含まれている血小板の
最大可能割合を与えるべきである。このような装置が本
発明の目的である。
この目的に一致するように以前用いられてきた装置は充
填繊維の使用に基づいておりそして一般に“フィルタ
ー”と呼ばれている。本発明を記述するうえで、用語
“減少装置”、“エレメント”、“アッセンブリー”、
“フィルター”および“フィルター吸着器”は互換可能
に用いられている。
血小板の回収 血小板は“粘着性”があることで有名であり、これは血
小板が露出される何れの非生理学的表面にも接着する血
漿中に懸濁している血小板の傾向を示す表現である。多
くの状況下で血小板はまた互いに強く接着する。
血小板はまた種々の環境上の刺激に対し敏感であり、そ
のうちの1つは寒さに露出されることである。血液銀行
の方法では他の血液成分はこれらの寿命を延ばすために
6℃以下で貯蔵され、血小板は通常の室内周囲温度、例
えば20ないし22℃で最良に保存される。この温度で、血
小板の公称有用寿命は米国方式では5日間であり、しか
しながら多くの外科医は収集から2ないし3日間以内で
血小板を用いるのが好ましい。
看者に通常投与される赤血球濃縮液単位の数は1回の投
与当り1であり、血小板濃縮液に関しては一般的方法は
1回の投与当り6ないし10単位の血小板で合計約300な
いし700mlの血小板濃縮液を含むものプールを輸血する
ことである。
1987年の米国価格、米国ドルに基づくと、血小板回収率
の1%の改良は約4ドル以上の価値に相当する。非金銭
上の事では、血小板はしばしば供給が少ないので高回収
率は重要である。
本発明の目的は最高の血小板回収率を有する白血球低減
装置である。
血小板の回収は幾つかの方法で悪影響を受けるかもしれ
ない: (a)血小板は白血球低減装置の部品の表面に固着するか
もしれない。この装置が白血球除去機構として過や吸
着に依るものであれば、フィルターの内部表面積(例え
ば繊維状フィルターの繊維の表面積、すなわち繊維表面
積)が実質であって、1平方メートルまたはそれ以上の
オーダーであり、繊維表面への血小板の固着により血小
板実質的にそしてしばしばほぼ完全に除去される。
(b)輸血が完了した時に白血球低減装置に存在している
血小板濃縮液は失なわれるであろう。このため、装置の
内部容積は所望の白血球低減度を得るのと調和するよう
に小さくあるべきである。
(c)配管およびドリップ室を含む装置の補助部品の内部
容積もできるだけ小さくあるべきである。
本発明の白血球低減装置は上記の原因による血小板損失
を直接的にかつ効率的に減少させる。
白血球低減後の血小板の生存能力 白血球を除去するための過に依存する何れの装置にお
いても、血小板とフィルター内部表面積との実質的な接
触があるであろう。フィルターは、血小板がこの接触に
より悪影響を受けないようなものでなければならない。
容量 現在の血液銀行の方式で全血から分離されるように、血
小板濃縮液はもとの血液に存在する多量の白血球のみな
らず、フィブリノゲン、フィブリンストランド、小脂肪
球、赤血球および他の成分を少量含むかもしれない。
血小板を濃縮しそして残りの成分から分離する遠心法の
操作中に、微小凝集体が形成する傾向がある。これらの
微小凝集体は白血球、赤血球、フィブリンおよび他の成
分とともに幾らかの血小板を含むかもしれない。フィブ
リノゲンおよび/またはフィブリンにより形成されるか
もしれないゲルは米国で認められている血液銀行法を用
いて作られるかなりの割合の血小板濃縮液に存在してい
る。
血小板濃縮液(PC)は使用のため約20-22℃で連続的
に温和な撹拌をしながら5日間以内貯蔵される。混合は
集塊化を防ぎ、ガス交換を促進し(それによりpHを制御
し)、そして生成物を必要な栄養分に浸す。それにもか
かわらず、微小凝集体の数および寸法は時間とともに増
加する。さらに、フイブリノゲン、変性蛋白質、および
変性核酸を含むゲル状体が形成するかもしれない。
白血球低減装置が多孔質構造体からなるものであれば、
微小凝集体は細孔上または細孔内に集まり、流れを抑制
する閉塞を起す。通常は輸血は、約0.1-0.14kg/cm2以下
を出す重力を用いて、貯蔵袋から白血球低減装置を通っ
て看者への流れを起す。このため、分離装置の特に重要
な特性は抗閉塞性である。
異常でかなり変わり得る閉塞因子の組み合わせのため、
フィルター設計の当業者の経験は、血小板濃縮液から望
ましくない成分の除去に適用するときには不適当であ
り、そして効率的に白血球を保持して高い割合の血小板
を通しそして閉塞することなく10単位までの血小板を確
実に通すフィルターを設計する新規な発明的手法が必要
てされている。このような装置の開発が本発明の目的で
ある。
プライミングの容易性と迅速性 使用の容易性は何れの白血球低減装置にとっても重要な
特徴である。上記の通り、白血球除去装置において、プ
ライミングの容易性は特に重要な因子である。用語“プ
ライミング”は袋からフィルターを通って看者へと血小
板濃縮液の流れの開始を言う。短かいプライミング期間
は看護婦/技師の時間を保持するのに常に望ましい。本
発明の目的は、重力で開始するときにこの時間を約10な
いし20秒以下に保持することである。
プライミング前の白血球低減装置の予備調整 現在の使用では多くの装置はPCを通す前に予備処理を
必要とし、これは通常は生理学的食塩水を通すことから
なり、幾らかは看者の静脈へ送られるかもしれない。こ
の操作の必要性は上記の理由で明らかに非常に望ましく
ない。この予備処理を用いる理由は変わる。これらの理
由は、セルロースアセテート繊維を含む装置の水蒸気殺
菌期間中に発生した酸加水分解物の除去、天然繊維に含
まれるかもしれない異質固形分を含まないようにするこ
と、および繊維が吸湿性であるならば溶血反応(赤血球
の一体性の喪失とこれに続いて赤血球含量の外部への損
失)の防止を含む。合成繊維を用いるとき、第一段階と
して塩水を通すことは、白血球低減工程中に湿潤されな
いままでいる部分の繊維状媒体となるかもしれない合成
繊維の乏しい湿潤性による問題を軽減するのを助ける。
かなりの割合の媒体が湿潤されないままでいると、圧力
降下は上昇し、白血球の除去に役立つ繊維表面は低下
し、こうて効率が低下する。
本発明はベッド際使用の前に予備調整を必要としない白
血球除去装置を提供する。
繊維状媒体の湿潤 液体を多孔質媒体の上流面に接触させそして小さい差圧
を与えるとき、多孔質媒体への流れは起るかもしれない
しまた起らないかもしれない。流れが生じない条件は、
多抗質構造体を作っている材料に液体が湿潤しない条件
である。
各々の液体の表面張力が1つ前のものと比べて約3ダイ
ン/cm高い一連の液体を作ることができる。次いで各々
の液体の一滴を多孔質表面に載せそしてこの滴がすばや
く吸収されるかまたは表面に残るかを観察できる。例え
ば、固体のPTFEは臨界表面張力(γc)が18ダイン
/cmであり、定義よりこれは18ダイン/cmより大きい表
面張力の液体では湿潤されない。対照的に、この滴下技
法を0.2マイクロメートルの多孔質ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)フィルターシートに適用すると、
28ダイン/cmの表面張力の液滴で湿潤が観察されるが、
表面張力29ダイン/cmの液滴を適用すると多孔質表面は
湿潤されないままである。低い表面張力の液体による湿
潤は接触すると自発的であり、圧力、真空または他の操
作を必要としない。
同様の挙動は他の合成樹脂を用いて作られた多孔質媒体
で観察され、湿潤−不湿潤値は第1には多孔質媒体を作
る材料の表面特性に依存し、そして第2には多孔質媒体
の細孔径特性に依存する。例えば、細孔直径が約20マイ
クロメートル以下の繊維状ポリエステル(特にポリブチ
レンテレフタレート、以下“PBT”という)シートは
表面張力50ダイン/cmの液体で湿潤するが、表面張力54
ダイン/cmの液体では湿潤しないであろう。このことは
固体PBTの臨界表面張力(CST)が約44ダイン/cm
であることと対比できる。
多孔質媒体のこの挙動を特徴づけるために、用語“臨界
湿潤表面張力”(CWST)が以下で定義されている。
多孔質媒体のCWSTはその表面に表面張力が2ないし
4ダイン/cmづつ変わる一連の液体を適用し、次いで各
液体の吸収または非吸収を観察することにより求めるこ
とができる。多孔質媒体のCWSTは、ダイン/cmの単
位で、吸収される液体の表面張力と隣りの表面張力をも
つ吸収されない液体の表面張力との平均値として定めら
れる。こうして、上記の例において、両CWSTはそれ
ぞれ27.5と52ダイン/cmである。表面張力の間隔が奇
数、例えば3、であるならば、多孔質媒体は低い値によ
り近いかまたは高い値により近いかの判断をすることが
でき、これに基づいて27または28がPTFEに割り当て
られる。
CWSTを測定するうえで、表面張力が約2ないし約4
ダイン/cmだけ逐次変化する一連の試験用標準液体を作
る。少なくとも2つの引き続く表面張力の標準液体の各
々の3ないし5mm直径の液体を多孔質媒体の代表的部分
に載せて10分間放置する。10ないし11分後に観察する。
“湿潤”は10分間以内に10個の液滴のうち少なくとも9
個が多孔質媒体へ吸収、すなわち湿潤することとして定
められる。非湿潤は10分間間以内に2個以上の液滴の非
湿潤すなわち非吸収により定められる。連続した高いま
たは低い表面張力の液体を用いて、表面張力が最も狭い
間隔の一対のうち1つが湿潤しそしてもう1つが非湿潤
であることが認められるまで試験を続ける。次いでCW
STはこの範囲内であり、便宜上、2つの表面張力の平
均をCWSTを特定する1つの数として使用できる。2
つの試験液体が3ダイン異なるとき、試験片がどちらか
近いかの判断をし、整数をそのように割り当てる。
表面張力の異なる適当に溶液を種々の方法で作ることが
できるが、本発明の製品の開発で使用したものは以下の
通りであった: 溶液または流体 表面張力(ダイン/cm) 水酸化ナトリウム水溶液 94-115 塩化カルシウム水溶液 90-94 硝酸ナトリウム水溶液 75-87 純粋な水 72.4 酢酸水溶液 38-69 エタノール水溶液 22-35 血小板濃縮液による繊維状媒体の湿潤 PCにおいてセルは表面張力73ダイン/cmの血漿に懸濁
している。こうして、PCが多孔質媒体と接触して置か
れると、多孔質媒体のCWSTが73ダイン/cm以上であ
れば、自発的な湿潤が起る。
繊維を73ダイン/cm以上のCWSTに予備調整すること
により与えられる利点は: (a)プライミングを行う時間が少なくなる。
(b)CWST値をグラフト化により高めた合成繊維媒体
は、繊維対繊維の結合が優れており、この理由で本発明
で用いる予備形成エレメントを作るうえで使用するのに
好ましい。
(c)プライミングが完了しそしてPCの流れが開始した
後に、多孔質媒体の一部は湿潤されないままでいるかも
しれない。非湿潤に関連した悪影響は、未湿潤部分は白
血球除去に役立たず、その結果、吸着による白血球の除
去効率が低下し、流量の減少を併いながら圧力降下が高
まり、そして閉塞が起るかもしれない。
(d)未変性合成樹脂を用いて作られた装置は使用の前に
食塩水または他の生理学的流体で洗浄することがすすめ
られる。この操作は必要とされるより複雑な配管内のホ
ールドアップによるPCの損失を生じ、費用が増し、操
作時間と操作の複雑さが増し、そして無菌状態を失う確
率を高めるため、望ましくない。
本発明によれば、血小板濃縮液中の白血球含量を低減さ
せる装置と方法が提供される。
本発明はCWSTが少なくとも約90ダイン/cm、好まし
くは少なくとも約95ダイン/cmの多孔質繊維状媒体から
なる、血小板濃縮液の白血球含量を低減する装置を提供
する。媒体の繊維を変性して、水性流体に浸すとヒドロ
キシル基を含むようにしてもよい。これらの繊維を重合
可能な基(例えばアクリル基またはメタクリル基)とヒ
ドロキシ含有基(例えばヒドロキシエチル)とからなる
モノマーと接触させながらエネルギー源に露出させるこ
とにより変性できる。モノマーはヒドロキシエチルメタ
クリレートであることができる。
本発明は、ヒドロキシル基をこれより少ない数の第二の
アニオン基、例えばカルボキシル、とともに存在するよ
うに変性された過媒体を有してもよい。媒体の繊維
は、重合可能な基(例えばアクリル基またはメタクリル
基)とメタクリル酸などのカルボキシル含有量とを含む
モノマーに重合条件下で露出させることにより変性でき
る。変性用混合物中のメタクリル酸/ヒドロキシエチル
メタクリレートのモノマー重量比が0.01:1ないし0.
5:1であることができ、そして好ましくは0.05:1な
いし0.35:1であることのできるメタクリル酸とヒドロ
キシエチルメタクリレートとからなるモノマーの混合物
で繊維を変性してもよい。2ないし10重量%の第三ブチ
ルアルコール、好ましくは4ないし5重量%の第三ブチ
ルアルコールを含むグラフト化用溶液を用いて変性を実
施してもよい。また、表面張力を約40ダイン/cm以下に
低下させるのに十分な水溶液アルコールまたはアルコー
ル−エーテルを含むグラフト化用溶液を用いて変性を実
施できる。用いるアルコール−エーテルはジエチレング
リコールモノブチルエーテルまたはエチレングリコール
モノブチルエーテルであってよい。
変性用混合物中のヒドロキシエチルメタクリレートの濃
度は0.1重量%を越えるることができ、好ましくは0.2重
量%以上である。変性用混合物中のヒドロキシエチルメ
タクリレートの濃度は0.2ないし0.7重量%の範囲内であ
ることができる。
本発明はさらに多孔質媒体の少なくとも1つのエレメン
トをハウジング内への集成前に予備形成することがで
き、予備形成されたエレメントは直径が約30マイクロメ
ートル以下の有機繊維からなることのできる、血小板濃
縮液の白血球含量を低下させる装置をも提供する。
本発明はまた多孔質繊維状媒体からなる血小板濃縮液の
白血球含量を低下させる装置であって、媒体の細孔の細
孔直径が約3マイクロメートルを越え、好ましくは約3.
4マイクロメートルを越えさらに好ましくは約3.8マイク
ロメートルを越え、例えば3.8ないし6マイクロメート
ルの範囲である装置を提供する。さらに、媒体の嵩密度
は0.36グラム/cc以下であってもよい。
本発明はさらに各々が50ないし70mlの容積のプールされ
た6ないし10単位の血小板濃縮液に用い、有効流れ面積
が40平方センチメートルを越える血小板濃縮液の白血球
含量を低減させる装置を提供する。この装置の有効流れ
面積はさらに50平方センチメートルを越え、好ましくは
60平方センチメートルを越えることができる。
本発明はまた血小板濃縮液50ないし70mlの1単位に用
い、有効流れ面積が約6平方センチメートルを越える血
小板濃縮液の白血球含量を低下させる装置を提供する。
本発明はまた多孔質繊維状媒体からなり、媒体はエレメ
ントであり、そしてエレメント(このエレメントは真円
盤の形状であることができる)を受け入れるように設計
されたハウジングをも含み、そしてエレメントの外部寸
法は横方向寸法において合わせ用ハウジングの横方向内
側寸法よりも大きい、血小板濃縮液の白血球含量を低下
させる装置を提供する。
本発明はまた多孔質繊維状媒体からなり、多孔質媒体は
ハウジングへの集成前に予備形成されて制御された細孔
直径の予備形成エレメントを形成しており、そして予備
形成エレメントは軟化状態で成形されまたは寸法合わせ
されている、血小板濃縮液の白血球含量を低下させる装
置を提供する。
本発明はまたCWSTが少なくとも約90ダイン/cmであ
る多孔質繊維状媒体からなり、CWSTを定めるのに用
いられる高い値と低い値との間隔が約5ダイン/cm以下
である、血小板濃縮液の白血球含量を低下させる装置を
提供する。繊維状媒体のFSAは少なくとも2.5M2であ
ることができ、好ましくは3.0M2以上、より好ましくは
3.8M2以上、例えば2.5ないし4.0M2の範囲、好ましくは
3.3ないし4.0M2の範囲である。
本発明はまたCWSTが少なくとも約90ダイン/cmであ
りそして細孔直径が3.8ないし6マイクロメートルの範
囲である血小板濃縮液の白血球含量を低下させる装置を
提供する。
本発明はまたCWSTが少なくとも約95ダイン/cmであ
り、細孔直径が3.8ないし6マイクロメートルの範囲で
あり、そして嵩密度が0.36グラム/cc以下である変性多
孔質繊維状媒体からなり、この媒体の繊維はポリブチレ
ンテレフタレートからなりそして30マイクロメートル以
下の直径を有し、媒体は40平方センチメートル以上の有
効流れ面積を有し、そして媒体の変性はメタクリル酸/
ヒドロキシエチルメタクリレートのモノマー重量比が0.
05:1ないし0.35:1であるメタクリル酸とヒドロキシ
エチルメタクリレートとの混合物の使用により行なわれ
ている、血小板濃縮液の白血球含量を低下させる装置を
提供する。
本発明はまた血小板濃縮液を上記の何れかの装置に送る
ことからなる血小板濃縮液の白血球含量を低下させる方
法を提供する。
本発明はさらに血小板濃縮液をCWSTが少なくとも90
ダイン/cmの多孔質媒体に通すことからなる血小板濃縮
液の白血球含量を低下させる方法を提供する。
本発明はまた表面張力90ダイン/cmの液体で自発的に湿
潤する多孔質媒体に血小板濃縮液を通すことからなる血
小板濃縮液の白血球含量を低下させる方法を提供する。
本発明はまたCWSTが少なくとも約95ダイン/cmであ
り、細孔直径が3.8ないし6マイクロメートルの範囲で
あり、嵩密度が0.36グラム/cc以下であり、媒体の繊維
はポリブチレンテレフタレートからなりそして30マイク
ロメートル以下の直径を有し、媒体は40平方センチメー
トルを越える有効流れ面積を有し、そしてメタクリル酸
/ヒドロキシエチルメタクリレートのモノマー重量比が
0.05:1ないし0.35:1であるメタクリル酸とヒドロキ
シエチルメタクリレートとの混合物の使用により媒体の
変性がなされている多孔質繊維状変性媒体からなる装置
に血小板濃縮液を送ることからなる、血小板濃縮液の白
血球含量を低下させる方法を提供する。
本発明はまた白血球低減用繊維状フィルターの製造に用
いるグラフト化工程を経済的に制御する方法であって、
繊維に吸着されるカチオン化合物の水溶液の量を測定す
ることからなる方法を提供する。用いる増維状フィルタ
ーは、グラフト化後に1種類またはそれ以上のモノマー
により繊維表面を転化させて主としてヒドロキシル基を
含ませ、そして1種類またはそれ以上のモノマーでアニ
オン基を含ませるモノマー混合物を用いて作ることがで
きる。使用するカチオン化合物は染料(例えばサフラニ
ンO(Safranine O))でもよく、そして吸着された染料
溶液の量は色の変化により分析できる。
白血球除去のための高効率と高容量を達成するとともに
血小板の損失を最小にするのに寄与する本発明の重要か
つ新規な特徴は: (a)従来開示されている装置は流路と垂直の比較的小さ
い断面積を用いており、これに対応して深さに関して大
きくこのため流路の長さも長いものであったが、本発明
の装置は流路に垂直の断面積が大きくそして深さが浅
く、これに相応して流路が短かい。この設計上の改良は
実質的にフィルター寿命の増大と閉塞の防止に寄与す
る。
(b)組み立てるのに経済的で実用的なより大きい断面積
とするために、本発明による好ましい装置の多孔質部分
は、綿密に制御された寸法と細孔直径に集成して一体的
な独立したエレメントを形成する前に予備形成される。
予備形成は充填繊維装置では固有の容器の入口面と出口
面との圧力をなくし、こうして大断面積装置を実用的な
ものとする。予備形成により可能となった大断面積の白
血球低減装置はハウジング内に組み立てて充填された繊
維または繊維状ウエブを用いる装置と比べて、使用寿命
が長く、さらに白血球除去率は少なくとも等しいか通常
はより良好であり、そして流体のホールドアップが少な
い。
(c)エレメントアッセンブリーが密封される好ましいハ
ウジングは使用が便利で、急速なプライミングおよび効
率的な空気除去を達成できるように独特の設計がされて
おり、さもなくばドリリップ室内でのPCの損失の低下
をもたらす。
(d)エレメントの横方向の寸法はエレメントが集成され
るハウジングの相当する内側寸法よりも大きい。例え
ば、エレメントが円盤状であれば、エレメントの外側直
径はハウジング内側直径より約0.1ないし1%大きく作
られる。これはエレメントの有効面積の損失なしで干渉
接合(inter ference fit)による非常に効果的なシール
を与え、そしてアッセンブリーの血液ホールドアップ容
積の最小化にさらに寄与する。
(e)フィルター表面を処理してフィルター表面のCWS
Tを73ないし90ダイン/cmに高めることはフィルターの
急速な湿潤と血小板懸濁液の効率的な通過に関して役立
つが、表面を73ないし90ダイン/cmの範囲のCWSTに
変性するために処理したフィルターはこれを通過する血
小板を高い割合で吸着するであろう。フィルター表面を
90ダイン/cm以上のCWST値に変性することにより、
良好な血小板回収が達成される。本発明により与えられ
る重要な特徴は、CWST値が90ダイン/cm以上、好ま
しくは95ダイン/cm以上のフィルター媒体を使用するこ
とである。90ダイン/cm以上のCWSTに変性された繊
維表面をもつポリエステル繊維状媒体を用いると、回収
速度の増加が高効率の白血球除去とともに得られる。
(f)上記で述べた高CWST値は、繊維表面に単位表面
積当り多くのヒドロキシル基を化学的に付けることによ
り成し遂げられている。このように変性された表面は、
pHが血小板懸濁液の通常の範囲内、すなわち7ないし7.
2である水に浸すと比較的低い負のゼータ電位を有する
ことができると思われる。このような表面は白血球を効
率的に吸着しそして高い割合で血小板を通すが、血小板
が自由に通過できるには最適ではない。
(g)ヒドロキシル変性のみを用いることと比べて、ヒド
ロキシル基にある割合のカルボキシル基を組み合わせ、
両者を繊維表面に化学的に付けることにより性能の重要
な改良が達成される。観察される性能の改良はpH7ない
し7.2における繊維表面の高い負のゼータ電位の発達を
もたらしているかもしれない。このように変性された製
品は非常に高い血小板回収率とともに高い白血球除去率
を有する。
(h)単位表面積当りのカルボキシル基の数は血小板の繊
維表面への固着に関して重要な影響を有すると思われ
る。この影響は、過前に存在した血小板の数の一部と
してフィルター流出液中に回収された血小板の数に反映
される。第5図および第8図で示されているように、血
小板回収率は最適割合のメタクリル酸(MAA)でピー
クになる。本明細書で示すように、単位繊維表面当りの
カルボキシル基の数は、本発明の範囲にわたり、グラフ
ト化用モノマー溶液中のMMA量にほぼ比例している。
当業者には明らかなように、第5図および第8図のピー
クまたはこれに近い生成物を得るための適当な制御はモ
ノマー純度、モノマー中の抑制剤の種類と量、モノマー
の熱成、成分の正確な計量、希釈剤として非常に純粋な
水の使用、グラフト用溶液の酸素含量、繊維ウエブの各
エレメントが露出されるモノマー溶液の量、並びに照射
水準および照射時間などの放射線への照射条件を含むす
べての関連する因子を注意深く制御することにより得る
ことができるが、生成物がまさに最適表面含量のカルボ
キシル基を有することを証明する試験を行うことに手段
が役立つことが非常に望ましい。これは特に、例えばタ
イプや規模の異なる装置の使用による操作方法の変更が
必要であるときの場合であり、そして連続製造中に品質
制御を維持するうえで有用である。後者に関して、この
試験を未熟練者が数時間ないし数日間ではなく数分間で
行うことができる限りにおいて、この価値は増大する。
白血球を除去して血小板を回収する手段は、当然なが
ら、試験として使用できる。しかしながら、これは時間
を要し費用の嵩む方法である。なぜならば信頼できるデ
ータを得るこの試験では、少なくとも5回好ましくは10
回の試験を平均を求めなければならず、各試験は多くの
人手と時間を要し、そして各試験は多量の高価な血小板
を消費するからである。
信頼できるデータを得ることができて迅速に行うことが
できる染料吸着分析(DAA)試験の発見は本発明の重
要な要素である。
用語“白血球除去率”が以下でしばしば用いられるが、
これは“除去率”または“効率”に短縮されそしてこれ
らの用語は互換可能に用いられる。同様に“血小板回収
率”および“回収率”も互換可能に用いられる。
血小板濃縮液から白血球を除去する装置の組み立てに用
いる材料 繊維以外の種々の出発材料を考慮することができ、例え
ば、樹脂溶液から多孔質媒体を流延して多孔質膜を作る
ことができ、あるいは焼成粉末媒体を使用できる。しか
しながら、好ましい出発材料として費用、便利性、柔軟
性、繊維への製造と制御点の容易性を考慮する。
上記の通り、十分に湿潤する繊維状媒体で良好なプライ
ミングを達成するためには、装置の構成部品はCWST
値が約73ダイン/cm以上の範囲の材料から作られるべき
である。実用的な考慮をすると市販樹脂の使用が好まし
い。繊維を商業的に製造する合成樹脂はポリフッ化ビニ
リデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースア
セテート、ナイロン6およびナイロン66などのポリアミ
ド、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリ
ル、およびポリアラミドを含む。樹脂の重要な特徴は臨
界表面張力である(ジスマン、“接触角、湿潤性と接
着、“Adv. Chem.Ser.43、1-51、1964年)、上記の樹脂は
27ないし45ダイン/cmの範囲の臨界表面張力(γc)を
有する。経験によれば、本発明の生成物に必要な細孔径
のフィルターのCWSTはγcよりも約10ダイン/cm以
下大きいものであることができると思われる。例えば、
0.2μmの細孔直径のポリテトラフルオロエチレンで
は、γcは18でありそしてCWSTは27ないし28であ
り、PBT繊維状マットではγcは45でありそしCWS
Tは52である。本発明者の調査では、20マイクロメート
ル(μm)以下の細孔径のウエブに成形した後に約52ダ
イン/cm以上のCWSTを有する市販の合成樹脂は見つ
からなかった。
直径が約15μm以下の天然繊維は一般には市販されてい
ない。容融吹込み法により作られる繊維直径3μm以下
の合成ウエブは約15年間市販されており、そして天然繊
維と比べてこのような繊維は白血球の吸着用の等しい繊
維表面積を与えるのに重量の5分の1以下を必要とし、
加えて与えられた細孔径のフィルターを作るのに用いる
ときにより少ない体積を占める。この理由で、天然繊維
は最適に低いホールドアップ体積の白血球除去装置を作
るにはあまり適していない。例えば、白血球低減に試験
されている市販の充填綿繊維装置は75ml以上のホールド
アップ体積を有し、これは本願で記述されている好まし
い装置の体積の2倍以上である。さらに、この装置は血
小板濃縮液を送る前後に塩水を通すことを必要とし、こ
れはベッド際使用には適しておらず、血小板回収率はた
かだか約50%である。さらに、このようにして処理され
た血液は24時間以内に使用されなければならない。
表面グラフト化法は25年以上にわたり広範囲の研究の課
題であった。科学文献の多くの刊行物および多くの特許
はこの手段による表面変性を行う種々の方法および手法
を記述している。各モノマーがエチレン基またはアクリ
ル基を親水性(例えば−COOHまたは−OH)から疎
水性(例えばメチル基または−CHCHCHなど
の飽和鎖)に変えるように選ぶことができる第二の基と
ともに含む種々のモノマーを用いるこのような1つの方
法は本発明を開発する過程で用いられてきた。熱、UV
および他の反応刺激法を用いて反応を開始させそして終
了させることができる。しかしながら、60Coからのイオ
ン化用放射線(γ線)が最も好都合として選ばれており
そして繊維状マットのCWSTを変性するために本発明
で使用されている。試行錯誤によりCWSTが前に述べ
た方法で測定して52から可能な限り高いどのような所望
の値まで高められているポリブチレンテレフタレートの
繊維状マットを生じるモノマー混合物または単一のモノ
マーを見出すことができる。上限値は、室温で約115ダ
イン/cm以上の表面張力をもつ液体が少ないために設定
される。
本発明の開発過程をおいて、アクリル基などのエチレン
性不飽和基をヒドロキシエチルメタクリレート(HEM
A)などのヒドロキシル基とともに含む化合物によりグ
ラフト化が行なわれた媒体を用いて装置が作られた。唯
一のモノマーとしてHEMAの使用は非常に高いCWS
Tの繊維状PBT媒体を生じる。モノマー溶液へメタク
リル酸(MAA)を含めると、グラフトした多孔質媒体
へのゼータ電位をより負にさせる。
本発明により与えられる特徴は、上記のモノマーまたは
同様の特性を有する類似モノマーを用いて繊維が血漿に
懸濁している血小板および白血球と接触するときに繊維
の挙動に影響を与えるためにポリエステルまたは他の有
機繊維の表面特性を変性することである。
幾つかのグラフト用モノマーままたは組合わせたモノマ
ーは、本明細書で記載されているように繊維状多孔質構
造体を処理するのに用いると、 CWST値を規定するのに用いられる高値と低値との間
隔に関して他のモノマーと異なる挙動を示す。この間隔
は3以下から20ダイン/cm以上の大きい値まで変わり得
る。本発明で行う試験プログラムで用いる媒体を考慮す
るとき、高い値と低い値との間隔が約5ダイン/cm以下
の媒体を使用するのが好ましい。この選択は狭い間隔を
選ぶときにCWSTを制御できる精度を高めるが、広い
間隔の媒を用いてもよい。製品の性能と品質制御を高め
るには狭い間隔が好ましい。
多孔質媒体のCWSTより低い表面張力の液体は接触す
ると媒体を自発的に湿潤させるであろう、そして媒体が
スルーポアーを有していればこの液体は媒体を通って容
易に流れる。多孔質媒体のCWSTより高い表面張力の
液体は低い差圧ではまったく流れず、圧力を十分に高め
れば流れる。液体の表面張力の数値がCWSTの数値よ
りほんのわずか高ければ、必要な圧力は低い。逆に、差
が大きければ、流れを起のに必要な圧力は大きい。
液体の表面張力より小さいCWSTを有する繊維状マッ
トに液体を加圧して流すと、マットのある領域が乾燥し
たままの非一様的方法で流れが生じる傾向がある。これ
は白血球低減装置では非常に不都合である。第一に多孔
質媒体の一部だけで流れて圧力降下が高くなり、早期の
閉塞を起すからであり、第二に流れのすべてが利用でき
る面積のほんの一部のみを流れ、再び閉塞の可能性を高
めるからであり、そして第三に、白血球の過による吸
着または保持のために与えられる繊維表面積のほんの一
部のみがこの目的に使用され、その結果、白血球除去は
効率的てないからである。
合成繊維の乏しい湿潤性の問題の解決 繊維表面の特性は多くの方法により、例えば湿式酸化お
よび乾式酸化を含む化学反応により、表面を被覆しまた
は表面にポリマーを沈着させることにより、そして熱、
ファンデルグラフ発生器、紫外線などのエネルギー源
に、または他の種々の形態の照射、特にγ線照射が有用
であるが、に露出させることにより活性化されるグラフ
ト反応により、変性できる。
これら種々の方法の一例として、一端にまたは一端に近
いところに反応性基(例えばエポキシド)をそして他端
に親水性基を含むポリマーにより合成有機繊維を被覆で
きる。
上記方法および表面変性技術の当業者に既知の他の方法
を使用できるが、適当な条件下で実施するときには、変
性できる表面の種類、変性に利用できる広範囲の反応体
および、必要な反応を活性化するのに利用できる系にお
いてかなりの柔軟性が得られるという利点を放射線グラ
フトは有する。本発明によれば、本発明の対象の範囲で
ある73ないし85ダイン/cm、好ましくは90ダイン/cm以
上、115ダイン/cm以下またはこれ以上のCWSTを有
する合成有機繊維状媒体を作る能力故に、γ線照射グラ
フト法に集中されている。本製品は非常に安定であり、
水溶性抽出物の水準が極端に低く、加えて予備形成され
たエレメントに用いると繊維間に改良された接着を有す
る。
白血球低減装置に用いる繊維直径の選定 繊維表面への白血球の吸着は一般には白血球除去機構と
して受け入れられている。繊維の与えられた重量の表面
積は繊維の直径に比例するので、繊維が細かいほど容量
は大きく、そしている繊維の直径が小さければ所望の効
率を達成するのに必要な繊維の重量で測定される量は少
ないことは当業者に白明であろう。
この理由で、白血球除去にはより細かい繊維を使う傾向
がある。歴史的には、小直径の繊維状ウエブを作るのに
必要な技術は進んでいるので、このような繊維はその後
すぐにハウジングに充填されて白血球除去並びに工業的
過などの広範囲の他の目的に使用されている。これら
今までに作られたすべての装置の性能は本発明による製
品よりも劣っている。
白血球低減装置の繊維の選定 ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂を含む一般に
用いられている多くの繊維はグラフト化に必要な水準の
γ線照射による分解に対して妥当な耐性を有しそして有
用なモノマーと反応できる構造であるので、このような
繊維は放射線グラフトに有用である。
上記の通り、繊維直径はできる限り細い方がよい。押出
紡系および延伸により作られる合成繊維は直径約6マイ
クロメートル以下のものは現在市販されていない。
溶融ポリマーを高粘性流のガスにより繊維にしてそして
不織ウエブとして集める溶融吹入み法は最初に1950年代
に開示されそして直径1マイクロメートルという細い繊
維を作ることが報告されたが、この方法は1960年代と19
70年代に製造に入りそして凝集ウエブを作ることのでき
る下限値の繊維直径に関して数年にわたり除々に発達し
てきた。最近では、繊維直径が約1.5ないし約2マイク
ロメートルと細いウエブが達成されている。より細い直
径の繊維を作ることができるが、連続ウエブとして収集
するのは困難である。
幾つかの樹脂は他のものより微細繊維への溶融吹入み法
に良好に適している。適した樹脂はポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリメチルペンテン、ナイロン6、ポリエ
ステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)および
PBT(ポリブチレンテレフタレート)を含む。これら
の樹脂のうち、PBTは放射線グラフトにも有用であり
そして加熱圧縮による制御された細孔径の予備形成エレ
メントへの引き続く転換に有用であるから、PBTは好
ましい材料である。
PBTは本発明による製品の開発において用いられる主
たる樹脂でありそして実施例で使用されている樹脂であ
る。しかしながら、繊維化して1.5マイクロメートル以
下の細い繊維のマットまたはウエブとして収集できる他
の樹脂を見出すこともでき、必須の最適範囲へ調整され
たCWSTを有するこのような製品は同等の効率でさら
に小規模の白血球低減装置にうまく適したものであるこ
とができる。同様に、適当に処理されたガラス繊維を用
いて効果的な装置を作ることもできる。
本発明による方法および目的でこれらの繊維または他の
繊維を用いて作られる装置は本発明の範囲内であると理
解すべきである。
好適な低減装置の記述 第1図ないし第4図に示されているように、好適な低減
装置10は主としてハウウジング11とフィルター吸着材12
とからなる。ハウジング11は入口13と出口14とを有しそ
して入口13と出口14との間の流体の流路を定める。フィ
ルター吸着材12は流体の流路を横切ってハウジング12内
に配置されており、ハウジング11に流れる流体、例えば
血小板の懸濁した血漿、などから赤血球、ゲル、脂肪小
球、凝集体および白血球などの望ましくない物質を分離
する働きをする。
ハウジングは種々の形のフィルター吸着材アッセンブリ
ーを受け入れるように設計できる。例えば四角である。
適当な流れ面積を与えることができる限り、これらおよ
び他の可能な形は主としてすべて機能的であろう。
理論的には四角形のフィルター吸着材アッセンブリーは
材料の使用をより経済的なものとするであろうが、円盤
状フィルター吸着材アッセンブリーに適合するハウジン
グに対して以下で述べる方法で干渉適合シールを用いる
ならば、四角形アッセンブリーは信頼性が少ないであろ
う。周囲にわたって端部圧縮によりシールを得るなら
ば、かなりの有効面積がシールで失なわれる。これらの
理由で、干渉適合シールで集成した円盤状フィルター吸
着材アッセンブリーを備えた円筒状ハウジングが好まし
いが、他の形態も使用できる。端部圧縮により得られる
シールは圧縮シールで補強でき、この場合、圧縮シール
は非常に狭くてもよく、非常にわずかの有効面積の損失
で最小の圧縮を与える。
ハウジングは不透過性熱可塑性材料を含む何れの適当な
不透過性材料から作ることができる。ハウジングは好ま
しくは射出成形によりアクリル樹脂、ポリスチレン、ま
たはポリカーボネートなどの透明ポリマーから作ること
ができる。このようなハウジングは容易にかつ経済的に
製造できるばかりでなく、透明または半透明であるとハ
ウジング内の流体の通過を観察できる。ハウジングは正
常の使用および約3psi(0.2kg/cm2)までの内圧に耐え
るよう設計されている。これは予備形成フィルター吸着
材アッセンブリーの使用により可能となった本発明の望
ましい特徴である軽量化を可能にする。ハウジングへの
繊維の充填によるのではなく、エレメントが予備形成さ
れていない効率的に設計されたフィルター吸着材アッセ
ンブリーの繊維を圧縮するのに必要な力は、重くて大き
くてそしてより高価なハウジング構造を必要とする、62
cm2の円盤に対して約70キログラム、すなわち約1.1kg/c
m2と高い値であることができる。
ハウジングを種々の形状に作ることができるが、好適な
分離装置10のハウジング11は好ましくは2つの区域内、
すなわち入口区域15と出口区域16、で作られる。入口区
域15は円形入口板20を含み、円形入口板20の内面は、フ
ィルター吸着材エレメント12の上流面と向いあっている
が接していない壁21を定める。
入口13は、壁21とフィルター吸着材エレメント12の上流
面との間の入口空間22に流体を送る。本発明の一観点に
よれば、第1図および第2図に示すように、入口13はハ
ウジング11の底部までの底部に近いところの入口空間22
に流体を送る。
入口は種々の形状とすることができる。しかしながら好
適な分離装置10の入口13は細長入口うね23を含む。入口
うね23はハウジング11の直径軸Aと平行の円形入口板20
の外面に沿って延びており、使用時には直径軸Aにほぼ
垂直に向けて配置される。入口うね23の上流端は、血小
板濃縮袋などの流体を含む袋の底に通すのに用いる中空
スパイク24を受けるソケットとして形成してもよい。入
口13はさらに、中空スパイク24の上端で開き、中空スパ
イク24と入口うね23に沿って延び、そして入口区域25底
部の入口空間22と連通する入口通路25を含む。
円形入口板20の壁21は、同心円の円形溝27を定める複数
のほぼ同心円の円形うね26を含む。うね26はフィルター
吸着材アッセンブリー12の上流面に隣接している。第2
図に示すように、うね26は入口区域15の下方で終り、通
路またはアクセス30を定めている。アクセス30は入口通
路25と各々の円形溝27との間を延びており、流体を入口
通路25から円形溝27へと流す。全体として、円形溝27と
アクセス30は入口空間22を規定し、入口通路25により送
られる流体をフィルター吸着材エレメント12の上流面全
体に分配する。入口通路25と入口空間22との接合点また
はその近くで凝集体および他の大きい障害物が流れを塞
ぐのを防ぐために、そして同時にハウジング11のホール
ドアップ容積を最小にするために、入口空間22に深さは
ハウジング11の底部で最大でありそして垂直軸Aに沿っ
て減少しそしてハウジング11の水平中心線で最小値とな
る。
ハウジング11の出口区域16は円形出口板31と、円形出口
板31の周囲から円形入口板20の周囲へと延びる円筒状つ
ば32とを含む。円筒状つば32は好ましくは円形出口板31
と一体的に形成されそして、接着または超音波溶接など
の何れの適当な方法で円形入口板20に接合されている。
円形出口板31の内面はフィルター吸着材エレメント12の
下流面と向い合っているがこれと接触していない壁33を
規定する。壁33は同心円の溝35を規定する複数のほぼ同
心円の円形うね34を含む。うね34はフィルター吸着材エ
レメント12の下流面に隣接する。円形溝35は全体とし
て、フィルター吸着材エレメント12を通る流体を集める
出口空間36を定める。出口空間36はできる限り小さくし
て、流体の流れを不当に制限することなくハウジング11
内のホールドアップ容積を最小にする。
本発明の他の観点によれば、壁33は、出口区域16の頂部
またはこれに近いところで出口14と連通するスロット40
などの通路をさらに含む。流体を各々の円形溝35から集
めそしてこの流体を出口14へ送るスロット40は好ましく
は垂直軸Aに平行の出口区域16の頂部へと下方部分から
延びている。好適な分離装置10の1つの形態において、
スロット40の幅は一定であるが、出口空間36の深さより
も深いスロット40の深さは垂直軸Aに沿って出口区域16
の下方部分から頂部へと増加している。スロット40の長
さはハウジング直径と等しくても短かくてもよく、深さ
が一定で幅が変化してもよく、あるいは深さおよび幅の
両方が変化してもよい。
出口14は種々の形とすることができる。しかしながら、
好適な低減装置10の出口14は、垂直軸Aに平行な出口板
31の外面に沿って延びる縦長出口うね41を含む。出口う
ね41の下方端は、配管用コネクターとしてあるいは配管
用コネクターあるいは他の装置を受けるソケットとして
形成できる。出口14は、ハウジング11の頂部またはその
近くのスロット40と連通し、出口うね41を通って延び、
そして出口うね41の下方端で開く出口通路42をさらに含
む。
血小板濃縮液が装置へ流れ始めると、底部から濃縮液が
満たされ頂部はからであり、空気は置換されて出口通路
42の方へおよびその外へと流れる。好適な装置の注意深
い設計により、すべての空気がハウジングアッセンブリ
ーの内側から追い出す前に幾らかの液体が出口通路42に
隣接する領域43に到達する状況を低下させそしてほとん
ど完全に除くことが可能となっている。スロット40がな
いと、この遅延空気流が幾らかの血小板懸濁液を出口管
42に運ぶであろう。スロット40により、このように運ば
れた血小板懸濁液はスロットへと流れ、ここで空気は無
害に懸濁液から分離される。次いで空気は無害にスロッ
ト40の上昇液位の方へと出口14に上昇し、そして液位が
出口空間36の頂部および出口通路42に到達する前にほと
んど完全に追い出される。こうして、空気は本発明によ
る好適な低減装置10のハウジング11から非常に効率的に
追い出される。例えば、内径89ミリメートルと、初期空
気容積20ccと、幅が0.3センチメートルおよび底の深さ
0.2センチメートル頂部の深さ0.3センチメメートルの5
センチメートルの長さのスロットとを有する低減装置に
おいて、1ないし2ccの液体が出口を通った後に出口を
通る残存空気容積は0.1cc以下と推定される。
スロットと流路形状の重要性を理解するために、従来の
白血球低減装置の同様の操作を記述する。
従来の装置において、流体はハウジングの頂部で入りそ
して底部で出る。このような装置のハウジングはハウジ
ングと一体的なスパイクによっては直接接続することは
できず、かわりにプラスチック配管により従来のハウジ
ングの上流の袋に貫通するように用いられるスパイクに
代表的には接続される。透明ドリップ室は従来のおよび
新規の両ハウジングの下流の配管により、そして看者へ
と接続される。プライミング期間中、従来のハウジング
をドリップ室とともに転倒させそして液体を従来のハウ
ジングを通ってドリップ室に送る。これは、幾らかの圧
力水頭が失われること、およびさらに重大なことには、
1ないし2ccまたはこれ以上の多量の空気が従来のハウ
ジングにまだ補捉されている間に流体が従来のハウジン
グの出口に到達とそしてドリップ室に入るという欠点を
有する。3ないし4ccの流体がドリップ室に集められる
と、3ないし4ccの流体をドリツプ室の底部に残したま
ま、ドリップ室とハウジングをもとの位置に戻す。本発
明による新規なハウジングでは、プライミング期間中に
ドリップ室のみが転倒され、ドリップ室を正常な位置に
戻す前にたったの約1ccの流体がドリップ室に集められ
る。
透明ドリップ室はエアースペースを通る液滴速度の観察
を可能にし、こうして流量調整の指針を与える。透明ド
リップ室はまた、従来のハウジングから入る遅れ空気が
看者に到達するのを防ぐ第二の機能をも奏する。これは
遅延空気がドリップ室貯槽で等容積の流体を置換するか
らである。しかしながら、貯槽は遅延空気が全体として
流体を置換することがないように十分大きくなければな
らない;さもなくば、空気は看者の静脈に入るかもしれ
ない。
ドリップ室を正常の位置に戻した後に例えば2ないし3
ccのかなりの容積の空気がドリップ室に入ることのでき
る装置は再現性がない傾向がある。こうして、遅延空気
の容積が多いほど、プライミング期間中にドリップ室の
貯槽に集めなければならない流体の容積は多い。投与の
最後に、多量の流体がドリップ室に残り、こうして無駄
になる。空気クリアランスを最大にしそしてそれにより
ドリップ室の貯槽を小さくすることによって、本発明に
よる低減装置は投与中に無駄となるPC(常に高価であ
りそして時には入手困難である)の量を低減する。
フィルター吸着材12は好ましくは以下の「繊維状エレメ
ントの製造」の項で述べるように単一の予備形成層から
なる。開発段階において、上記の基本的内部構造を組み
入れ、さらにフィルター吸着材エレメントの厚さに関し
て可変可能な種々のハウジングを試験での使用のために
作った。この方法において、総厚さを変化させてフィル
ター吸着材エレメントを試験することが可能であった。
各々の場合、入口区域と出口区域とのうね26、34の先端
の距離が予備形成エレメントの公称総厚みに等しくなる
ように調整した。
ハウジング11内のフィルター吸着材エレメント12の干渉
適合を与えるために、予備圧縮スラブから円筒状カラー
32の内側直径より約1%まで大きい直径のものにフィル
ター吸着材エレメント12を切り落した。フィルター吸着
材エレメントは外側端部で完全な円筒状を維持するよう
に切断された。これは驚くべきことに、わずかに過大な
寸法と組み合わせて、予備形成エレメント12の外側端部
とハウジング11の内側周囲との間の干渉フィットの手段
による良好な端部シールを、フィツト吸着材アッセンブ
リー12の全面積および全容積の100%利用度でもって提
供し、これによりホールドアップ容積を最小にする。
好ましい形態の繊維状エレメントの製造 平均繊維直径の好ましい上限値は約6μmであるが、し
かしながら、例えば約10ないし15μmまでのより大きい
繊維直径の有用な効率および回収率を有するフィルター
を作ることができるが、このようなフィルターは相応す
る大きいフィルターエレメント内で看者に送られないP
Cの保持によるPCの損失を増し、それ故に望ましくな
い。この時の繊維直径の下限値は、約85ダイン/cmを越
えるCWST値に容易に変性できる繊維状ウエブを作る
ことのできる平直繊維直径の下限値、約1.5ないし2μ
mである。より微細な繊維が将来が入手できるようにな
れば、このような繊維は本発明により製品を作るのに用
いられるものよりも同様なもたはより良好に実施でき
る。
本発明による製品に使用するために、繊維直径の寸法分
布が可能な限り狭いウエブを作る容融吹込みが好まし
い。
繊維の積層を形成する前または後にウエブを処理して繊
維表面を変性する。繊維の積層前に繊維の表面を変性す
るのが好ましい。一体的なフィルターエレメントを形成
するための熱圧縮後により結合力のある強力な製品が得
られるからである。
本発明による製品の開発において、繊維表面を変性する
のに用いる方法はγ線照射グラフトであるが、当業者に
既知の他の方法を用いてウエブのCWSTを高めてもよ
い。
グラフト化手法は最も高いと思われるCWSTを有する
ウエブを作る。CWSTは好ましくは約90ダイン/cm以
上、より好ましくは約93ダイン/cm以上である。
ヒドロキシル基、カルボキシル基、他の中性末端基また
は陰性末端基で終るモノマーが好ましい。疎水基または
陽性基をもつモノマーを含めまたは使用すると、血小板
の付着、すなわちその結果として低回収率を生じる傾向
がある。容融吹込み法により作られるウエブの形態で、
通常はロール状で;単層または多層のウエブを所望の密
度に圧縮することにより作られるスラブの形態で;およ
びスラブから切り取った円盤の形状で、繊維状媒体に対
し表面変性が行なわれている。繊維表面の変性を行うた
めに、分子の一端またはその近くの不飽和反応性基、例
えばアクリル基と、分子の他端の1つまたはそれ以上の
非反応性ヒドロキシル基とからなる分子組成のモノマー
約0.05ないし1重量%を含む水溶液に上記の種々の形状
のものを浸漬する。非分枝状線状化合物が好ましく、例
えばHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)であ
り、使用できる他のモノマーはヒドロキシプロピルアク
リレート、ヒドロキシエチルアクリレート、およびヒド
ロキシプロピルメタクリレートを含む。これらはロムア
ンドハス社からロクリル(登録商標)400シリーズとし
て市販されている。これら4種類は例示であり、より一
般的にはヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロ
キシアルキルメタクリレートであり、関連する種々のモ
ノマーも適している。より良好に繊維を湿潤させるため
に、グラフト用溶液の表面張力を低下することのできる
第二の水溶性化合物、例えば2ないし10重量%、好まし
くは4ないし5重量%の第三ブチルアルコール(t−B
uOH)、または大ざっぱには同様のパーセントのジエ
チレングリコールモノブチルエーテルまたはエチレング
リコールモノブチルエーテルを溶液は含んでもよい。白
血球の高い除去効率を維持しつつ血小板回収率のかなり
の改良を与えるので好ましく使用できる任意の第三成分
は、分子の非反応性基が1つまたはそれ以上のカルボキ
シル基を含むモノマー、例えばアクリル酸またはメタク
リル酸(MAA)、0.01ないし0.2%またはこれ以上で
ある。他の適当なモノマーは不飽和モノまたはジカルボ
ン酸、例えばイタコン酸、または無水マレイン酸などの
無水物を含む。一般に、必要な全部は、アニオン性を有
する基、例えばカルボキシル基またはスルホン酸基、と
ともにエチレン性不飽和結合である。
本発明の開発においてコバルトによるγ線照射が用いら
れているが、他の形態の放射線または他のタイプのエネ
ルギー源を使用してもよい。与えられた照射水準または
エネルギー水準での露出時間は試行錯誤により最良に求
められる。本発明の開発において、6ないし60時間にわ
たり0.01ないし1.5メガラドの範囲の暴露が用いられ
た。
使用済グラフト用溶液から取り出した後、ウエブ、スラ
ブまたは切断成形品を水洗して使用済グラフト用溶液を
除去し、次いで175ないし225℃までの何れの好都合の温
度で乾燥する。冷却後、好ましくは少なくとも約90ダイ
ン/cm、より好ましくは93ダイン/cmの表面張力の試験
流体の滴を代表的領域に適用することにより乾燥生成物
を試験することができる。約90ダイン/cm以上の表面張
力の滴が10分間以内に吸収することによる自発的湿潤は
十分高いCWSTを示す。
カルボキシル基または他の酸基の含量が最高のまたは可
能な限り最高に近い血小板回収率を達成するのに最適で
あることを証明する目的で、第2の試験を行うことがで
きる。この試験において、好ましくは約0.7cmの高さの
乾燥フィルター媒体のカラムを用意し、そしてアニオン
表面に染まる染料の溶液をこのカラムに通す。染料は当
初は溶液からカラムにより完全に吸着され、流出する液
は無色である。フィルター媒体の下流で最初に色が現わ
れたときに染料溶液の通水を止める。通水した染料溶液
の体積はグラフト繊維の表面の酸基含量に比例する。
1層または数層の乾燥ウエブを約175ないし325℃に加熱
しそして例えば熱板の間で圧縮して必要な密度、厚さ、
および細孔直径の自己支持性“スラブ”を形成する。
スラブから正円筒形の寸法に切断した後、独立した予備
形成フィルターエレメントを得て、次いで前記のハウジ
ングに入れそしてハウジングの2つの部分をシールし、
入口端で血小板袋に貫通する器具にそして出口端でドリ
ップ室とカテーテルにすぐに接続できる最終フィルター
アッセンブリーを与え、殺菌および組立て後には看者へ
の白血球低下血小板濃縮液のベッド際での注入に適した
投与装置一式を構成する。
実施例で示されるように、血小板懸濁液が流れる面積と
して定義される有効流れ面積は約40cm2以上であること
が好ましいが、50cm2以上の面積がより好ましく、60cm2
以上の面積がさらに好ましい。
3日間ないし5目間またはそれ以上経過した血小板を用
いると、50ないし60cm2よりかなり少ない有効流れ面積
のフィルターは6ないし10単位の血小板濃縮液全量を送
る前に過度にひんぱんに閉塞が起る傾向がある。何かの
理由で60cm2よりかなり少ない有効流れ面積のエレメン
トが好ましいならば、フィルターエレメントとしてこれ
に相当するより厚い予備成形品を用いて行うことがで
き、そして予備過層を与えることにより閉塞の頻度を
最小にできるが、しかしながら、このようにすることは
ホールドアップ容積を増しそして製造の複雑さを増し、
そしてこれらの理由のため50ないし60cm2以下の有効流
れ面積のフィルターの使用はあまり好ましくない。非常
に低い密度のフィルター媒体、例えば0.05ないし0.1g/c
c以下、を利用することにより同様の低い閉塞頻度で比
較的小さい有効流れ面積も使用できるが、しかしながら
エレメント内のPCのホールドアップはエレメントの密
度と反対に変化するので、この別法を用いるとフィルタ
ーエレメント内の保持によるPCの損失は過度に大きく
なるかもしれない。
フィルターアッセンブリー内に組み入れる繊維の総表面
積は処理すべき血小板の量と整合していなければならな
い。1cc当り109個の血小板を含む代表的な血小板濃縮
液において、必要な繊維の表面積は約0.007M2/ccであ
る。例えば、単位血小板当りの平均容積を55mlとすれ
ば、そして8単位のプールを処理するとすれば、必要な
繊維の表面積は: 55×8×0.007=3.1M2 である。この面積では、平均して白血球含量は99.0ない
し99.9%低減され、そして液中の血小板回収率は85な
いし95%であろう。1cc当り約0.009M2以上の繊維の表
面積を使用すれば、効率は100%に増加するが、回収率
は低下する。表面積がより少なければ、効率は低下する
が、回収率は増加する。血小板1cc当り0.005ないし0.0
2M2の範囲の繊維の表面積が有用である。主たる目的が
低い白血球除去効率(例えば90ないし99%)を受け入れ
つつ高い血小板回収率(例えば95ないし99%)を達成す
ることであれば、前記範囲の下側の部分が好ましい。目
的が低い血小板回収率(例えば50%またはそれ以下と低
い)を受け入れつつ非常に高い白血球除去効率(例えば
99%以上)を達成することであれば、前記範囲の上側の
部分が有用である。
一般の米国の病院の実務では成人の輸血に6ないし10
単位の血小板を用い、新生児はわずかに半単位を受け
る。成人の範囲は8単位で用いるフィルターによりうま
く合理的に役立つが、小児科科の輸血には比例して少な
い繊維表面積のフィルターを用いなければならない。
物理的性質による多孔質媒体の特性記述 繊維直径、繊維の密度、およびフィルター媒体の嵩(見
掛け)密度から繊維状フィルターの細孔孔直径を計算す
るのに用いる種々の式が提案されている。これらの式は
細孔分布を考慮しておらず、そしてフィルター媒体の厚
さの変化による影響がこれらの式では正確には予想され
ないので、これらの式の何れも有用ではないことがわか
っている。最も重要なことは、粒子保持容量がこれらの
式によっては正確には予知されないことである。
このような式の1つは例えば繊維間の平均距離を計算す
ることを意味する。しかしながら、何れの液体流路にお
いても性能を制御するのは出会う最大細孔であるから、
繊維間の平均距離は性能の有用な予知とはなり得ない。
溶融吹き込みにより作られるような繊維状マットにおい
て、繊維はランダムに積み重ねられており、その細孔径
の分布は非常に広い。繊維状マットを形成する他の手
段、例えば空気堆積法(air laying),フードリニアー
スクリーン(Fourdrinier screen)への形成法等も広い
細孔径分布を生じる。2つのフィルターが等しい平均繊
維分離を、それ故に等しい平均細孔直径を有するが、一
方が細孔径分布に関して比較的広いとき、このフィルタ
ーは大きい粒子を通過させる。こうして、硬い粒子を
過するときには繊維間の平均距離は性能に関して不十分
な予想であり、そして白血球および血小板などの変形可
能な“粒子”の挙動はさらに予想できない。この式特に
溶融吹き込み法により作られる本発明の製品を予想でき
ない。溶融吹き込み法において、溶融樹脂を空気流によ
り繊維状にする紡糸口金から繊維は出て、繊維は移動す
る基体(これは次いで廃棄される)に当りそしてこれに
固着する。繊維はランダムには分配されず、むしろ繊維
は処分可能な基体が移動している方向に平行に並ぶ傾向
がある。繊維が平行である度合を因子としない式は意味
ある結果を生じ得ない。さらに、このように形成された
ウエブは次いで熱予備形成中に圧縮される。圧縮中に密
度は高まり、シート面に直角な平均繊維−繊維間隔は減
少するが、シート面に平行な方向には変化しない。繊維
直径、繊維密度および嵩密度のデータから細孔直径を計
算するための種々の他の式が提案されているが、フィル
ター媒体を作って応用する手段を考案してきた40年以
上にわたり、本発明者の先輩は懸濁液から固形分を除去
するフィルターの有効細孔直径を計算するのに有用など
んな式も見出していない。
白血球及び血小板はともに生理学的に活性であるから、
血小板を自由に通過させて白血球を除去する装置を数学
的にモデル化することはさらに失販しそうである。種々
の表面と接触すると、現在ほんの一部最もよく理解され
ている方法および理由で、これら細胞の多くまたはすべ
ては種々の酵素、生成因子および他の活性剤を放出する
ことができ、さらに形状を変えそして自動性となるかも
しれない。
さらに、PCからの白血球の除去は過によるのではな
く、吸着により成し遂げられる。以下で示されるよう
に、白血球除去はたとえあったとしても細孔直径にわず
かに依存するだけであり、以下の実施例で見られるよう
に、細孔直径を測定する有用性は主として回収率に悪影
響を及ぼさない最小直径範囲を求めるのに限られてい
る。
このような状況で、カットアンドトライ法(cut and tr
y method)を用いることが本発明の開発において必要で
あった。これらは一部は知識に一部は直観に基づいた
が、本発明をもたらした開発努力は大部分は実験であっ
た。
表面積は吸着による白血球を除去するのに役立つ繊維表
面の範囲の直接的尺度であるから、“BET”法としば
しば言われる例えばガス吸着法による繊維表面積の測定
は有用な技法である。加えて、溶融吹き込みPBTウエ
ブの表面積を用いて以下のように平均繊維直径を計算で
きる: (式中1.38=PBT繊維の密度,g/cc) こうして、 繊維表面積は πdL〕A (2) (1)式を(2)式で割ると、 そして または(0.345Af)-1 ここで、L=1グラム当りの繊維の全長 d=平均繊維直径(センチメートル) A=繊維の表面積(cm2/g) dの単位がマイクロメートルであれば、Aの単位はM
/gとなり、以下でこれを用いる。
平均繊維直径はAによって上記の通り定められるが、
しかしながら、本発明の2つの予備形成繊維状エレメン
トを比較するとき、一方が他方よりもかなり狭い繊維直
径範囲を有するならば、狭い分布をもつエレメントは白
血球除去フィルターとして良好に機能する。この理由の
ため、できる限り狭い分布の繊維直径を有するエレメン
トが好ましい。
多孔質媒体を再現するために十分これを記述するのに必
要な他の特性はその細孔直径(D)である。フィルタ
ー媒体の細孔直径は変形OSU F2法を用いて求めた
が、対象となる粒子の99.9%が除去されたときの硬い粒
子の直径として報告されている。細孔径の測定に用いた
F2試験はオクラホマ州大学(OSU)で1970年代
に開発されたF2試験の変形である。OSU試験では適
当な試験流体の人工汚染物懸濁液を試験用フィルターに
通しながら試験しているフィルターの上流と下流でサン
プリングする。予備選定した5種類ないしそれ以上の粒
子直径の含量について試料を自動粒子計数器により分析
し、そして上流側の数と下流側の数との比を自動的に記
録する。この比が過工業において“ベータ比”として
知られている。
試験した5種類またはそれ以上の直径の各々についての
ベータ比を縦軸にして粒子直径を横軸として、通常は縦
軸が対数目盛で横軸がlog2目盛であるグラフにプロット
する。こうして、滑らかな曲線が描かれる。次いで試験
した範囲内で何れの直径に対してもこの曲線からベータ
比を読み取ることができる。特定の粒子直径における効
率は以下の式によりベータ比から計算する: 1例として、ベータ=100であれば、効率=99%で
ある。
特記しないかぎり、実施例で引用されている細孔直径D
はベータ=1,000のときの粒子直径であり、よって引
用されている細孔直径におけるF2効率は99.9%であ
る。
変形F2試験において、1ないし20−25マイクロメ
ートルの細孔直径範囲の効率は、ACスパークプラグ社
により供給されている天然珪酸ダストであるAC微細試
験用ダストの水性懸濁液を試験用汚染液として用いて求
めた。使用に先立ち、分散が安定するまでダスト懸濁水
を混合した。試験流量はフィルター面積1平方フィート
当り1分間当り44リットルであった。
F2試験で細孔直径の絶対値を得るが、この試験は各試
験を行うごとに数時間を必要とする。必要な時間を短縮
するために、F2試験により得られるデータを“フォワ
ードフローテスト”と呼ばれる“バブルポイントテス
ト”の改良版と相関させたが、両試験はフィルターの開
発および使用に熟練した者にとって既知であり、この相
関を用いてF2データを内挿し、こうして必要なF2試
験の回数を減らした。
に加えて多孔質媒体を記述する特性はグラム/立方
センチメートル(g/cc)で表わされる見掛け密度または嵩
密度(ρ)、繊維密度(同じくg/cc)、センチメートル(c
m)で表わされる媒体の厚さ(t)、平方センチメートル(cm
2)で表わされる有効流れ面積(Ac)、M2/gで表わされる繊
維の表面積(A)、繊維直径の分布、ダイン/cmで表
わされれるCWSTを含む。
これらのパラメーターを特定することは、白血球低減に
用いるときにフィルターまたはフィルター吸着材エレメ
ントの予想できる挙動を定める。
(a)1グラム当りの繊維表面積、A、に有効流れ面
積、フィルターエレメントの厚さおよびフィルターの密
度を乗じたもの(A×Ac×t×ρ)は、吸着による白
血球除去のためのフィルターエレメント内で利用できる
繊維の表面積(FSA)である。さらに、比較的均一な
繊維直径の分布が好ましい。
(b)本発明によれば、3ないし5日間と長く経たPC1
0単位のプールを閉塞なしで通すフィルターを提供す
る。Acが50ないし60cm2を越える限りでは、5日間
たったPCの10単位での閉塞はまれであり、そしてよ
り新鮮なPCでの閉塞は非常にまれであるかあるいはま
ったく起らない。
(c)Dρを過により血小板が除去されない十分大きく
最適に調整する。本発明の開発過程で得られたデータ
は、この条件が一担満足されると、白血球除去効率に影
響ないが、フィルター内のPCのホールドアップの増加
によるPCの損失の増加を伴って、Dρを2ないし4の
ファクターさらに増すことができる。
PCの白血球低減用繊維状フィルター吸着材エレメント
は、これを作る繊維の密度と繊維直径の分布、並びにA
c,Af,Dρ,ρ,t,CWSTを定めることにより、そして本
明細書で記述したモノマー選定の規則に従うことにより
定められる。
グラフト化による繊維表面積を変えた後であるが、本発
明の予備形成エレメントを切り取る媒体のスラブを形成
するたの熱圧縮の前に、BET表面積を測定した。
実施例 これらの実施例で用いた血小板濃縮液(PC)は、米国血液
銀行協会の基準に従う手法を用いて、CPDA−1で非
凝集剤処理した献血されたヒト血液から得られた。供給
源はニューヨーク,メルビルのグレイターN.Y.ブラ
ッドプログラムであった。
6,8または10単位のPCをプールすることは米国にお
ける現在の輸血方法であり、ここでPC1単位は1回の
輸血から得られる量として定められ、通常は400ない
し500mlである。有効流れ面積(Ac)4.47,17.8,31.7お
よび62.1cm2の4種類の大きさのフィルターハウジング
を以下の実施例で用いた。これらの大きさを以下ではそ
れぞれ寸法A,B,CおよびDという。寸法Dは成人の輸血
に用いるのに好ましい。
Ac以外はすべて等しいフィルターはAcに比例した白血球
除去の容量を有するが、ただし用いた試験流量はAcに比
例するものとし、こうしてこれら寸法の何れのものの挙
動も他の寸法のものを用いた試験から計算できる。実施
例で報告されるデータの比較を便利にするために、特記
しない限り、本明細書ではD寸法のエレメントを用いて
得られたデータまたは、これより小さい寸法を用い次い
でD寸法で得られると思われる結果を計算することによ
り得られるデータを示している。
実施例の結果を表わすうえで、パーセントで表わされる
用語“効率”は比 に100を乗じたものを示すために用いられ、ここでC
はPC中の単位容積当りの白血球含量であり、そして
は流出液中の単位容積当りの白血球含量である。用
語“回収率”はパーセントで示される血小板回収効率を
示すために用いられ、流出液中の血小板の平均濃度と流
入PC中の血小板の濃度との比の100倍である。本発
明による装置は主として6ないし8単位の血小板で用い
るように設計されるため、6,8,および10単位につい
て効率および回収率のデータが別々に掲げられており、
そして6,8,および10単位の平均も掲げられている。
この最後の数は病院での使用で予想される平均的性能の
有用な指針である。
試験流量を寸法Dの装置に対して7cc/分に制御した
が、これは正常な病院のベット際での実施の平均である
と推定している。そして本明細書で用いる“閉塞”は、
寸法Dの装置を流れる流量が水柱102cmの圧力水頭で
1.75cc/分以下に低下する状態として定める。
寸法Dの装置の試験流量7cc/分またはA,BおよびC寸
法の等価の流量は、特記しない限り、袋と白血球の低減
したPCを集める管の端の位置との管の水頭を調整する
ことにより各試験期間中維持した。圧力水頭が102cm
に達すると、次いで流量が1.75cc/分に低下するまでこ
のレベルで保持し、そしてこの時点で試験を終了し、そ
してフィルターは閉塞したと考えた。最終流量が1.75cc
/分またはA,BまたはC寸法のフィルターの相当流量を
越えると、すべてのPCはプールした袋から引き取ら
れ、そしてフィルターは閉塞しなかった。
A寸法フィルターを用いて行った試験は、プールしたP
C6単位の1つの袋を用いて4列で行なわれた。袋から
の流れを4つの等しい部分に分け、各々をA寸法フィル
ターに送った。
すべての白血球の計数はよく訓練された技術者により慣
用のチャンバーカウント(chamber count)により行なわ
れ、報告されているデータは各々2人の技術者による少
なくとも2回の計数の平均である。ほとんどの実施例に
おいて、計数のための過済流出液の希釈は1カウント
=55個の白血球であった。開発の終りには、ほとんど
の流出液が白血球ゼロを示したとき、1対2.2の希釈比
を用いてカウント比を25倍感度を高めた。2つの小数
位に示されている効率のデータは1対2.2の希釈比を用
いて得られた。
効率的フィルターからの流出液の白血球含量を求める自
動計数器の使用は不正確な結果を与える、なぜなら自動
計数器は通常のPCの通常の白血球含量の範囲で操作さ
れるように設計されているからである。こうして、自動
計数器の通常の操作範囲は実施例で得られた水準より約
100ないし10,000倍高い;その結果、フィルター流出液
に含まれる低水準では、自動計数器のデータは信頼性が
ない。たとえ計数しても、効果的な白血球低減装置の流
出液に対して得られる白血球含量は自動計数器の雑音対
信号比以下である。それ故に計数は手動で行なわれなけ
ればならない。
血液銀行から受けたままのPCの血小板の数はコールタ
ーカウンターモデル番号ZMを用いて得た。
実施例で用いたエレメントは円盤状のものであった。D
寸法のエレメントでは、作ったままの直径は89.1ないし
89.8mmであったが、集成時に88.9mmの直径に圧縮した。
同様に、C寸法のエレメントは63.7ないし64.1mmの円盤
で集成時に63.5mmに圧縮し、そしてB寸法の対応する数
値は47.8ないし48.1mmと47.6mmであり、A寸法では24.0
ないし24.1mmと23.9mmであった。
全厚tのエレメントを前記の通りの内部形状のハウジン
グに集成したが、2つの空間の面間のクリアランス、す
なわち第1図に示すように入口板20のうね26の先端
と出口板31のうね34の先端との間のクリアランスは
tであった。
本明細書で用いられるPC1単位の定義は、400ない
し500mlの1回の献血から得られるPCの量である。
1単位の体積は50ないし70mlであるとAABB(ア
メリカン アソシエーション オブ ブラッドバンク
ス)により勧められているが、40mlと低い小単位が時
々得られる。本発明者は55mlをPC1単位の平均体積
と推定しそしてこれを用いている。すべてのドデータを
同じベースに置いて、異なる寸法のエレメントを用いて
得られるデータの比較を容易にするために、A,Bおよび
C寸法の流量データを1単位当り55mlの6,8,または
単位を送るためのD寸法の等価流量に計算する。
本発明による実施例で用いたPCの白血球含量は1立方
ミリメートル当り300ないし2700個と変化したが、平均
は1立方ミリメートル当り約1150個であった。
本発明をもたらした研究中に、狭い範囲の繊維直径の溶
融吹込みウエブを作ることができれば良好な結果が得ら
れるかもしれないと考え、その後これを成功裏に成し遂
げた。本発明による前者の実施例(1−93と163)
で用いた繊維直径の分布は、走査型電顕微鏡写真(SE
M)でみると、実施例94−162のSEM写真と比べ
てより広い範囲であることがわかった。以下でわかるよ
うに、狭い分布が好ましい。
実施例1−121および163では、0.43重量%のHE
MA、0.082重量%のMAA,および4.7重量%のt−B
uOHを水中に含むモノマーを用いてグラフト化され
た。残りの実施例122-162では、グラフト用溶液の組成
を各試験ごとに示したように変えた。
実施例で用いたすべてのエレメントは制御された厚さと
密度のスラブに予備形成され、次いでスラブから切り取
って試験用エレメントを形成した。
実施例1−24は第1表に示されている。前述の通り、
5日間以内経過した血小板を使用することが米国の方法
である。PCはたとえ最適条件で貯蔵されてもゲルを生
じて凝集するので、PCが古いほどフィルターの閉塞が
起りやすい。こうして1単位のPCを閉塞なしで通過さ
せる妥当性の決定は比較的古いPCを用いて最良に行な
われる。
第1表のデータは、ここに示した日齢のPCを用い、9
6ダイン/cm2以上のCWSTの6μm直径の繊維を用
い最適含量の酸モノマーを用いて作ったエレメントを0.
42グラム/ccの密度に圧縮したもので得られた。
この群の実施例は満期を越えたPCを用いた多くの試験
においてすら8ないし10単位全部を送る能力を示して
いる。実施例9−24に示されているように5日間経た
PCを用いた性能を試験すると、16回の試験のうちの
3回はまさに10単位に満たないで閉塞を示し;ベッド
際での使用では、最終流量が前記の通り(1.75cc/分)
となる時点を越えてさらに30ないし60分間以内の期
間で10単位を通すであろう;これは実務においては通
常は袋の高さを102cm以上によることにより助成され
る。こうして、16回の試験のうち唯一1回は幾らかの
PCを未使用のまま袋に残したかもしれなかった。しか
しながら、これらの試験が62.1cm2以下のAc、例えば5
0cm2、の使用に基づいていたならば、16回の試験の
うち4回はほんの一部の送液になっていたと推定され
る。
Acが40cm2であったならば、結果はさらに悪くなり、
たぶん不完全な送液の割合を試験の約半分まで高めたで
あろう。こうして、好ましい最小有効流れ面積は約60
cm2であり、50cm2はあまり好ましくなく、そして40
cm2はさらに好ましない。
ほぼ50mlの1単位の血小板を処理するならば、通過す
る体積は10単位のプールのPCの約10分の1である
から、約6cm2を越える有効流れ面積が最も好ましい。
第2表には実施例25−50のデータが示されている。
用いた媒体は0.33ないし0.36cmの厚さの範囲であった。
嵩密度ρは0.42ないし0.46g/ccの範囲であった。表面積
は0.53M2/gであり、相当する繊維直径は5.5μm
であった。すべての試験は2日間経たPCを用いて行な
われた。閉塞はなかった。平均効率は100%に非常に近
く;10単位試験の結果は平均して100倍の白血球濃
濃度の低下を示しており、6単位と8単位の試験では平
均低下は10000倍である。6,8,および10単位の試験の
回収率の平均はそれぞれ81.3,84.5,および87%であ
り、全体の平均は84.3%であり、特記しない限り15.7%の
損失である。平均厚さは0.332cmであり、そして平均見
掛け密度は0.425g/ccであるから、これは空隙容積、 に相当し、多孔質媒体内の流体ホールドアップは平均し
て0.692×0.332×62.1=14ccである。これは、平均して
8単位のPCの輸血に基づくと、媒体内でのホールドア
ップによるPCの損失、14/440×100=3.2%を表わしてお
り、そして実施例25−50の平均損失を15.7+3.2=18.
9%に高める。同様の計算は次の実施例でもできる。
第3表には実施例51−64が示されている。用いた媒
体はすべて0.19cmの厚さで、嵩密度ρは0.43グラム/cc
であった。表面積Aは0.67M2/グラムであり、相当す
る繊維直径は4.3μmであった。特記しない限り、すべ
ての試験は2日間経たPCを用いて行なわれた。閉塞は
なかった。平均効率は実施例25−50よりも低いが、
これは吸着による白血球除去に利用される平均FSAが
実施例25−50の4.7M2と比較して低い3.4M2であった
ことによる。
第4表と第5表には実施例65−75および76−93
が示されている。繊維表面積/グラムA、繊維直径お
よび総繊維表面積(FSA)は実施例51−64の平均
にほぼ等しい。嵩密度ρは第3,4,5表でそれぞれ0.43g/c
c、039g/cc、0.36g/ccと変化している。平均回収率は引き
続いて83.7,87.7および90.4%と変化しており、これは密
度が減少すると回収率がよくなることを示している。こ
のの理由で、密度0.43g/ccは満足のいく結果を生じては
いるが、A=0.67(4.3μmの平均繊維直径)を用いる
ときには約0.36g/cc以下の密度が好ましい。相当する細
孔直径は: 表 平均細孔直径(μm) 3 3.4 4 3.6 5 3.8 第3表の条件は血小板回収率の低下をきたすので、細孔
直径は3.4μm以上、好ましくは3.8μm以上が好まし
い。
効率および回収率が良好なフィルターは細孔直径の大き
いものを用いて作ることができる。このようなフィルタ
ーはフィルターエレメントが大きくなるという欠点を有
し、フィルターエレメント内のPCホールドアップの容
積が増加する。この理由で、最大PC回収率を得るのに
必要な直径より大きくない細孔直径、例えば10ないし
15μm以下が好ましい。細孔直径が15ないし30μ
m以上に大きくなると、幾らかの血小板はこれを吸着で
きる繊維にまったく接触せずにフィルターを通過して効
率を低下させるかもしれない。それ故に、15μmを越
えない細孔直径が好ましく、10μmを越えないことが
より好ましく、そして6μmを越えないことがさらによ
り好ましく、好ましい範囲は3.8ないし6μmである。
明らかに、これら一連の試験で、0.43から0.39g/ccの嵩
密度で効率は99.0から99.4%に高まり、そして0.39ない
し0.36g/ccで99.4ないし99.5%である。さらに、これら
効率の向上は細孔径が3.4から3.8μmに増加するにつれ
て生じる。これらの結果から、白血球除去は、完全では
ないにしても、表面積の関数であり、こうして白血球低
減の主たるまたは唯一の機構は吸着である。
実施例94-110を示している第6表において、大繊維表面
積A、小繊維直径、および狭い繊維直径分布で作られ
た予備形成エレメントを用いた。繊維表面積/グラムA
は1.1M2/g(平均繊維直径2.6μm)であり、そして平
均FSAは3.2M2であった。厚さは実施例65−75に
等しかったが、実施例94-110の平均密度0.232g/ccは実
施例65-75の平均値0.39よりも40%低く、4.3μmの直
径の繊維ではなく2.6μmを用いて同じ細孔径範囲を得
るための変更を必要とした。
実施例94-110の平均FSA3.2M2は実施例65−75の
平均均値3.3M2より低いが、効率は良好であった。
顕著なことには、実施例94-110においてすべての効率は
100%除去を示し、そして平均回収率は非常に高い94.2%
であった。これらのデータと対照的に、高いFSA値を
有する広範囲の繊維媒体を用いた前の試験では効率は低
くかつより変動し、並びに回収率は低かった。
実施例94-110のエレメント内のホールドアップによる損
失は総合回収率91.9%に対してわずかに11.3cc、すなわ
ち440ccのPCに基づいて2.6%である。
第7表は実施例111-121を示している。媒体の特性は第
6表に等しいが、CWSTに関しては低い。これらの実
施例は密度が上昇する順序で配列されている。第6表お
よび第7表の各々から5個の最低密度のエレメントを含
む10個のエレメントの計算した組み合せ平均回収率は
93.9%である。これらの表の各々から5個の最高密度の
エレメントを含む10個のエレメントの同様の値は93.7
%である。こうして、0.19ないし0.32g/ccの密度の範囲
では、回収率は密度により影響されないと思われる。同
様に、3ないし4μmの細孔直径の変化は回収率に影響
しないと思われる。
FSAが3.8M2/g以上のすべての実施例108-110と1117-1
21は本発明の好ましい形態を示している。残りの実施例
25ないし116はほんのわずかに好ましない形の本発明
を示しており、実施例1−24はさらに好ましくない。
それにもかかわらず、これらすべての実施例は何れの市
販のフィルターよりも良好に実施できる。
第6表と第7表の効率のデータは、2.5なし2.8M2と低い
FSAでかなり良好な結果を得ることができるが、さら
に良好な結果は3.0ないし3.2M2以上のFSで得られるこ
とを示しているように思われる。こうして、2.5M2と低
いFSAは満足がいくが、3M2以上の面積の使用が好ま
しく、そして3.8M2以上の値がさらに好ましい。2.5ない
し4.0M2の範囲を用いてもよく、3.3ないし4.0M2が好ま
しい。
実施例122-141を示している第8表において、試験用試
料は実施例94-121とほぼ等しいが、グラフトに用いるモ
ノマーについては異なる。今までのすべての実施例は0.
43重量%のHEMAを0.082重量%のMAAとともに用
いてグラフトしたが、実施例122-132では0.43重量%の
HEMAのみを用いてグラフトした。0.082重量%のMAA
を0.43重量%のHEMAと組み合わせる利点は第6表お
よび第7表のデータを第8表のデータと比較ることによ
りわかる。
第8表のデータは今までの実施例と十分には比較してい
ないが、第8表のデータは現在市販されている何れの装
置よりも良好であること、さらに、今まで市販されてい
る白血球低減装置はベツド際での使用にはまったく適し
ていないことを思い出すべきである。
第8表の実施例以前のすべての実施例では0.43%のHE
MAを0.082%のMAAと組み合わせてHEMAに対する
酸のモノマー重量比を0.19としているが、第9表の実施
例では0.43%のHEMAを0.164%のMAAと組み合わ
せて、MAAとHEMAの重量比0.38としている。第9
表からわかるように、この変更の結果は平均回収率の8
1.5%への減少である。
第10表において、実施例155-158が示されている。こ
の群において酸/アクリレートのモノマー重量比を0.38
から0.64へとさらに高め、明らかに回収率は悪影響を受
け、平均58.1%に低下している。
これらのデータ第5図にプロットし、これは0.43%のH
EMAを用いた最適MAA含量は約0.18であり、より一
般的には0.05:1ないし0.38:1の範囲の比、0.01:1
ないし0.5:1の広い範囲内である。
第11表は、MAA含量をHEMAに対する重量比0.19
に維持しつつ、グラフト溶液のHEMA含量を0.11から
0.7重量%に変化させる影響を説明するデータを示して
いる。
実施例158は、グラフト溶液のHEMA含量が0.11%で
ある4回の試験の平均である。同様に、実施例159はH
EMA含量の0.22%の4回の試験の平均である。実施例
160はHEMA含量の0.43%における第6表の17の実施
例の平均である。実施例131はHEMA含量が0.54%であ
る16の実施例の平均である。実施例162はHEMA含
量が0.70%である10の実施例の平均である。
第11表のデータは第6図にプロットされており、0.4
ないし0.5重量%の範囲で血小板回収率が最大であるこ
と、および0.28ないし0.655重量%の範囲で90%以上
の回収率が得られることがわかる。これらはそれぞれ最
も好ましいものおよびより好ましいものであるが、これ
ら5つの実施例の各々は現在市販されている何れかの同
様の装置よりも良好な回収率を、300倍ないし1000倍以
上の低減範囲の白血球低減とともに提供することを認識
すべきである。
実施例159の試験は非常にゆっくりとプライミンゲした
平均であり、実施例160の試験ではさらにゆっくりとプ
ライミングした。これらの両試験では本発明の何れの他
の実施例よりもかなりゆっくりとプライミングした。
こうして、グラフト用モノマーのMAA−HEMA重量
比0.19:1でHEMA含量の好ましい低い水準は0.1重
量%であり、より好ましい低い水準は0.2%である。好ま
しい範囲は0.28ないし0.65%であり、そしてより好まし
い範囲は0.4ないし0.5重量%である。
MAA:HEMA重量比などのパラメーターが0.19から
1へと変わるならば、またはより高いまたはより低い出
発濃度を用いそして放射線照射または他の活性化条件を
変化させるなどのグラフト条件が変われば、前記した好
ましい範囲は変わるであろう。
第11表の実施例においてCWSTが血小板回収率に影
響を及ぼす限りにおいては、90ダイン/cm以上のCW
STが好ましく、そして95ダイン/cmまたはそれ以上
のCWSTがより好ましいことがわかるであろう。
上記の通り、血小板回収率は第6図において0.4ないし
0.5重量%のHEMA含量でピークになり、驚くべき一
致かもしれないが、白血球除去効率も0.22ないし0.7%H
EMAの範囲でピークになり、これは効率に関して好ま
しい範囲とする。
グラフト溶液中のわずか0.1重量%のHEMAは、この
溶液に浸し次いで外部エネルギー源により暴露されて活
性化する0.26μmの直径の繊維のウエブに完全な分子被
覆を提供するのに理論的には十分多い。こうして、前記
実施例において繊維に沈着したHEMA−MAAは均等
に分布しなかったかもしれないと推論でき、そしてこの
理由で、完全な被覆を達成するためには過剰のモノマー
を必要とする。より均一な被覆は、例えばエネルギー源
の種類に関して、またはエネルギー源への暴露時間に関
して、またはエネルギー源の強度に関してグラフト法を
変えることにより得られるかもしれない。また、最適な
回収率およびび効率で必要な高いCWST値を達成する
他のモノマーを見い出してもよい。これらの場合に、0.
1%以下のHEMAと0.019%以外のMAAまたは他のカチ
オンポリマーで好ましい程度の表面変性を達成すること
が可能かもしれない。このような手段で達成できる生成
物は本発明の範囲内であることを理解すべきである。
以下で示す実施例163は、本発明による装置を用いて処
理されたPCの患者への輸血後の生存性と継続した有効
性を説明しており、また、輸血後の血小板のインビボ活
性は平常またはこれに近いことを説明している。実施例
163で用いたフィルターは直径を除いて実施例25−5
0に等しいB寸法の集成装置であった。実施例163がベ
ースとする研究は、T.S.キックラー、W.R.ベ
ル、P.M.ネス、H.ドルューおよびD.B.ポール
の著者により、ザジョンホプキンス医化大学、バルチモ
ア、MDおよびポールコーポレーション、グレンコブ、
ニューヨーク、米国、で以下の通り発表される予定であ
る: 血小板からの白血球(WBC)の除去はWBC抗原に対
する異種免疫を低下させるかもしれない。プールされた
血小板濃縮液の特別な処理を必要とせずしかもベッド際
で使用できる新規な表面変性繊維状ポリエステル繊維を
我々は評価した。我々の研究はWBC除去率、血小板機
能、インビトロの血小板回収率およびインビボの血小板
生存率を測定するために計画された。WBCの計数は手
動で行なわれそして平均除去率99.7%±0.56、n=
38を示した。血小板回収率は85.4%±5.4、n=38であ
った。血餅収縮および位相顕微鏡的形態には影響しなか
った。15試料の血小板凝集の研究にエピネフリン、A
DP、コラーゲンおよびリストセインを用いたが、予備
過の試料と後過の試料との相異はなかった。オート
ロガス血小板濃縮液を5人の志願者に用いて111−イ
ンジウム血小板生存の研究を行った。作成後ただちに血
小板を過しそして111−インジウムオキシで標識を
付けた。輸血後、10日間で試料を集め、ガンマ機能の
曲線適合モデルを用いて結果を分析した。5人の輸血者
の血小板寿命期間は8.2,8.1,7.0,9.2,8.5日(通常:8.7
±1.1日)であった。
これらの研究は、実質的に血小板の数を減少させずにあ
るいは血小板の機能や生存率を変えることなくフィルタ
ーは効率的にWBCを除去することを示している。この
装置は血小板血反応と異種免疫を低下させる可能性を与
える。
こうして、本発明の生成物は、ベッド際での使用に適し
ており、湿潤容易でこのため急速なプライミングがで
き、装置内でのホールドアップによるPCの損失が非常
に小さく、また驚くべき高い白血球除去効率と血小板回
収率のために、使用が非常に容易であることが示されて
いる。加えて、本装置を通って患者に入った血小板は人
体中で有効性の重要な損失はなく血小板の通常の寿命の
損失もない。
本明細書の前項において、各ケースにおいて、0.43重量
%のHEMAを0ないし0.28重量%の広い範囲にわたっ
て変化するMAAとともに含むグラフト溶液に同じく繊
維状媒体をさらすことにより別の方法でフィルターは作
られた。これらフィルターの各々を多くの血小板濃縮液
過試験に用い、そして回収された血小板の平均割合を
白血球の平均除去効率とともに求めた。この方法におい
て、最も好ましい結果は約0.05:1ないし0.35:1、よ
り一般的には0.01:1ないし0.5:1の範囲のMAAとHE
MAとの重量比で得られたことが確かになった。
血小板濃縮液を送りそして流出液を分析することによる
グラフト化生成物の試験は最適範囲を求める満足のいく
方法であるが、この方法は以下の理由により日常の製造
用品質制御に用いるには便利でない。
(a)血小板濃縮液は非常に高価であり、多くの試験を必
要とし、各試験に多くの単位を必要とする。例えば、各
試験をプールされた10単位の血小板を用いて行うなら
ば、1988年の米国においては、血小板を購入する費
用は1回の試験当り400ドル以上であろう。加えて、
各試験にはかなりの労働力の投資、1回の試験当り1人
−1日間近くを必要とする。
(b)血小板濃縮液の変動により、2つの単位がまさに同
じであることはなく、血小板回効率の有意義な平均値を
得るためには多くの、例えば少なくとも5回または好ま
しくはこれ以上を行なわなければならない。こうして、
血小板回収性能とよく相関する迅速で経済的に行なわれ
る試験が望ましいと思われ、このような試験を本発明で
提供する。
上記の通り、グラフト溶液中でのHEMAへのMAAの
添加はHEMAのみでグラフトしたものと比べて高い負
のゼータ電位を生成物にもたらすことが見出された。し
たがって、ゼータ電位の測定はグラフト化された繊維媒
体を評価する1つの方法と考えられた。ゼータ電位は流
動電位により、または繊維片を電解質中に懸濁させ次い
で顕微鏡を用いて電界内での繊維の移動速度を測定する
ことにより測定できる。両方法は熟練した操作員を必要
とし、かなり遅く、そしてしばしば一貫性のないデータ
を生じる。
ゼータ電位測定値が一致しない1つのの理由は、モノマ
ーとして唯一HEMAを用いてPBT繊維状媒体をグラ
フトすると、生成物は負のゼータ電位を有する。MAA
をグラフト溶液に添加するゼータ電位の影響は絶対的で
はなく増加的である。これは測定感度を低下させる。
迅速に行うことができそしてグラフト溶液のMAA含量
およびグラフトされた繊維状PBTの血小板回収性質と
よく相関する簡便な分析法を本発明者等は見出してい
る。この方法の基礎は、既知重量の多孔質媒体のカラム
に、表面にアニオン基を含む物質に染色する染料の溶液
を通すことである。このような染料は好ましくは、目視
できるまたは測光できる波長の光に対し高い吸収性又は
反射を有すべきである。吸収波長は、目視観察が必要な
らば目視領域内でなければならず、分光測光を用いて染
料の存在を検知するならば紫外線または赤外線スペクト
ル内であることができる。
どちらの場合にも、染料の溶液をこれをグラフト化した
媒体と平衡にさせるのに十分遅い速度でフィルター媒体
のカラムに通す。選ばれた染料が高い正のゼータ電位を
有するものであれば、例えば活性基がアミンまたはより
好ましくは第4級アンモニウム基である染料であれば、
繊維の表面のカルボキシル基または他のアニオン基にイ
オン吸着される。流れを最初に開始すると、染料は完全
に吸着され、透明な液体、ほぼ純粋な水が出る。カラム
の入口近くの表面基のすべてが染料分子により吸着され
そして飽和すると、染料はカラムの次の水準へと進み、
同様に飽和し、そして染料を含む溶液がカラムの端部か
ら流出するまでこの工程は続く。外観の色、または分光
測光を用いるならば染料による光波長の吸収はカラムの
内容物が飽和したことを示す。この点まで通した染料の
容積は多孔質媒体の表面でのカルボキシル基または他の
アニオン基の表面数の度合である。
染料がカラムを通って進むにつれて、染料溶液から繊維
表面への拡散が起るのに必要な時間により、並びに染料
の垂直方向への拡散により、先端部はかなり広いバンド
幅を有する。このバンド幅は、適当な流量と染料濃度を
選ぶことにより、そして液体で最初に充満する前にカラ
ムを評価することにより約1mm以下の幅に減少できる。
グラフトしその後洗浄して残存グラフト用流体を除く工
程中で試験される媒体が金属イオンにさらされているな
らば、この試験に用いる媒体を弱酸溶液への暴露により
酸形に貯蔵し、次いで脱イオン水を用いて洗浄して酸を
除去すべきである。再現性のある結果を確保するため
に、カラムの高さは少なくとも0.7cmで、カラムの密度
は約0.23グラム/ccにすべきである。
適当な数の円盤に切断しそして好ましくは内径約1ない
し1.5cmの透明な管に集成することにより、シート状の
多孔質媒体からカラムを作ることができる。円盤の外側
端部が面に垂直であり、各円盤は透明管の内径より約1
%大きい正円筒を形成するように切断しなければならな
い。
この目的にうまく適した多くの染料が市販されている。
以下の構造: で示される四級ジアミン、サフラニンOを用いている。
サフラニンOは生物学的染料として用いられるので、多
くの研究所で容易に入手でき、この理由で好都合な選択
である。
実施例164-167は、繊維1グラム当り吸着された0.012%
サフラニンO溶液の体積と、繊維表面を変性するのに用
いた0.43重量%HEMAのグラフト溶液に加えたHEM
A含量に基づくMAAの割合との相関関係を示してい
る。得られたデータを第7図に示す。この関係は直線と
思われる。
実施例164-167で使用したのと同じ方法で作られた媒体
を、実施例115-154で用いたフィルターに相当するもの
をつくる方法でグラフトしたが、ただし: (a)平均繊維表面積は3平方メートルであり、 (b)平均繊維直径は2.5μmであり、 (c)平均密度は0.22g/ccであり、 (d)繊維径分布はわずかに狭く、 (e)放射線グラフトは、前の実施例で用いた実験室規模
のものとは反対に、工業規模の装置で行なわれ、そして (f)HEMA含量は0.43重量%のままであったが、MA
A:HEMA重量比を0.064,0.13,0.19,および0.25%を
含むように変えた。
得られるフィルターそれぞれを各々のMAA−HEMA
比で12回以上の試験に用いてそれぞれ6,8,および1
0単位に匹敵する血小板濃縮液を送り、各々の試験で血
小板回収率について3つの値、および白血球除去効率に
ついて3つの値を得た。12回以上の試験の各々におい
て得られた3つの血小板回収パーセントを平均して結果
を第13表に掲げる。白血球除去率の平均も同様に求め
たが、これらすべてはほぼ等しく、4種類の異なるMA
A濃度に対する範囲は99.84%ないし99.91%であった。
実施例168-171の血小板回収率のデータを0.43%のHEM
Aに対するグラフト溶液中で用いたMAAの割合に対し
てプロットしたが(第8図)、HEMA含量0.43%に対
するグラフト溶液中のMAAとHEMAとの好ましい比
は0.05ないし0.25の範囲であることを示している。
第5図と第8図とのデータの好ましい範囲のわずかの相
異は、実験室規模(第5図)から工業規模(第8図)を
変えたときの予想外ではない変化によるものと思われ、
そして狭い径分布の繊維の使用をも反映してるかもしれ
ない。第5図および第8図はともに約0.19の比が最適で
あることを示している。この相異は本染料吸着法により
生成物の特性を制御する利点の1つを強調するのに役立
つ。
実施例168-171の血小板回収率データをサフラニンOの
吸着に対して第9図にプロットし、好ましい範囲は1グ
ラム当り0.12%サフラニンOが10ない35cc、そして
より好ましい範囲は1グラム当り0.012サフラニンOが
17ないし34ccであることを示していることがわか
る。
本発明の態様は以下の通りである。
1.CWSTが少なくとも90ダイン/cmである多孔質繊
維状媒体からなる、血小板濃縮液の白血球含量を減少さ
せる装置。
2.前記媒体のCWSTは少なくとも95ダイン/cmであ
る、上記第1項に記載の装置。
3.水性流体に浸漬するとヒドロキシル基を示すように
媒体の繊維が変性されている、上記第1項に記載の装
置。
4.重合可能な基とヒドロキシル含有基とからなるモノ
マーと重合条件下で接触させることにより繊維が変性さ
れている、上記第3項に記載の装置。
5.重合可能な基はアクリル酸基またはメタクリル酸基
である、上記第4項に記載の装置。
6.ヒドロキシル含有基はヒドロキシエチルである、上
記第4項に記載の装置。
7.前記モノマーはヒドロキシエチルメタクリレートで
ある、上記第4項に記載の装置。
8.媒体の繊維は、ヒドロキシル基をこれより少ない数
の第二のアニオン基とともに示すように変性されてい
る、上記第1項に記載の装置。
9.モノマーはメタクリル酸である、上記第4項に記載
の装置。
10.メタクリル酸とヒドロキシエチルメタクリレートと
からなるモノマーの混合物を用いて媒体の繊維が変性さ
れている、上記第9項に記載の装置。
11変性用混合物中のメタクリル酸/アクリレートモノマ
ー重量比は0.01:1ないし0.5:1である、上記第10
項に記載の装置。
12.表面張力を約40ダイン/cm以下に低下させるのに十
分な水溶液アルコール、またはアルコール−エーテルを
含むグラフト化用溶液を用いて変性が行われている、上
記第10項に記載の装置。
13.アルコール−エーテルはジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルまたはエチレングリコールモノブチルエ
ーテルである、上記第12項に記載の装置。
14.変性用混合物中のヒドロキシエチルメタクリレート
の濃濃度は0.1重量%を越える、上記第1項に記載の装
置。
15.変性用混合物中のヒドロキシエチルメタクリレート
の濃度は0.2ないし0.7重量%の範囲である、上記第14
項に記載の装置。
16.多孔質媒体の少なくとも1つのエレメントはハウジ
ング内へ集成する前に予備形成されている、上記第1項
に記載の装置。
17.細孔直径は3マイクロメートル以上である、上記第
1項に記載の装置。
18.細孔直径は3.8ないし6マイクロメートルの範囲であ
る、上記第1項に記載の装置。
19.媒体の嵩密度は0.36グラム/cc以下である、上記第
18項に記載の装置。
20.各単位が50ないし70mlの容積のプールされた6ない
し10単位の血小板濃縮液に用いそして有効流れ面積は40
平方センチメートル以上である、上記第1項に記載の装
置。
21.有効流れ面積は50平方センチメートルを越える、上
記第20項に記載の装置。
22.50ないし70mlの血小板濃縮液1単位を用いそして有
効流れ面積は6平方センチメートルを越える、上記第1
項に記載の装置。
23.前記媒体は1つのエレメントでありそして前記装置
はこのエレメントを受け入れるように設計されたハウジ
ングをも含みそしてこのエレメントの外部寸法は横方向
の寸法において合わせ用ハウジングの内側横方向方法よ
りも大きい、上記第1項に記載の装置。
24.エレメントは真円盤の形状である、上記第23項に
記載の装置。
25.ハウジング内へ集成する前に多孔質媒体は予備形成
されて制御された細孔直径の予備形成エレメントを形成
している、上記第1項に記載の装置。
26.CWSTを規定するのに用いる上方値と下方値との
間隔は5ダイン/cm以下である。上記第1項に記載の装
置。
27.繊維状媒体のFSAは少なくとも2.5M2である、上記
第1項に記載の装置。
28.繊維状媒体のFSAは2.5ないし4.0M2である、上記
第1項に記載の装置。
29.CWSTが少なくとも90ダイン/cmであって細孔直
径が3.8ないし6マイクロメートルの範囲である多孔質
媒体からなる、血小板濃縮液の白血球含量を減少させる
装置。
30.CWSTが少なくとも95ダイン/cmであり、細孔直
径が3.8ないし6マイクロメートルであり、そして嵩密
度が0.36グラム/cc以下である多孔質繊維状変性媒体か
らなり、この媒体の繊維はポリブチレンテレフタレート
からなる直径30マイクロメートル以下のものであって、
媒体は40平方センチメートル以上の有効流れ面積を有
し、そしてメタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレ
ートのモノマー重量比が0.05:1ないし0.35:1である
メタクリル酸とヒドロキシエチルメタクリレートとの混
合物を用いることにより媒体は変性されている、血小板
濃縮液中の白血球含量を減少させる装置。
31.CWSTが少なくとも90ダイン/cmである多孔質繊
維状媒体からなる、血小板含有溶液の白血球含量を減少
させる装置。
32.CWSTが少なくとも90ダイン/cmである多孔質繊
維状媒体からなる、血液または血液製剤の処理装置。
33.有効流れ面積が約6平方センチメートルを越える、
上記第31項又は上記第32項に記載の装置。
34.媒体の嵩密度が約0.43グラム/cc未満である、上記
第31項〜第33項の何れかに記載の装置。
35.媒体の嵩密度が約0.19ないし約0.43グラム/ccの範
囲である、上記第34項に記載の装置。
36.ハウジング内へ集成する前に多孔質繊維状媒体は予
備形成されて制御された細孔直径の予備形成エレメント
を形成している、血小板含有溶液の白血球を減少させる
装置。
37.流体の流れる方向における繊維状媒体の上流側に少
なくとも一つの予備濾過層を有する上記第1項〜第36
項のいずれかに記載の装置。
38.血小板濃縮液を上記第1項〜第37項のいずれかに
記載の装置に通すことからなる、血小板濃縮液中の白血
球含量を減少させる方法。
39.血小板濃縮液をCWSTが少なくとも90ダイン/cm
の多孔質媒体に通すことからなる、血小板濃縮液中の白
血球含量を減少させる方法。
40.血小板濃縮液を表面張力90ダイン/cmの液体で自発
的に湿潤する多孔質媒体に通すことからなる、血小板濃
縮液中の白血球含量を減少させる方法。
41.CWSTが少なくとも95ダイン/cmであり、細孔直
径が3.8ないし6マイクロメートルの範囲でありそして
嵩密度が0.36グラム/cc以下である多孔質繊維状変性媒
体であって、この媒体の繊維はポリブチレンテレフタレ
ートからなりかつ直径は30マイクロメートル以下であ
り、媒体の有効流れ面積は40平方センチメートル以上で
ありそしてメタクリル酸/ヒドロキシエチルアクリレー
トのモノマー重量比が0.05:1ないし0.35:1のメタク
リル酸とヒドロキシエチルメタクリレートとの混合物を
使用することにより変性が行われている装置へ血小板濃
縮液を送ることからなる、血小板濃縮液中の白血球含量
を減少させる方法。
42.繊維に吸着されるカチオン系化合物の水溶液の量を
測定することからなる、白血球減少用繊維状フィルター
の製造に用いるグラフト化工程を経済的に制御する方
法。
43.CWSTが少なくとも90ダイン/cmである多孔質繊
維状媒体に血液または血液成分を通すことからなる、血
液または血液成分の処理方法。
44.多孔質媒体に血小板含有溶液を通すことからなる上
記第43項に記載の方法。
45.有効流れ面積が約6平方センチメートルを越える媒
体に、血小板含有溶液を通すことからなる上記第44項
に記載の方法。
46.媒体の嵩密度が約0.43グラム/cc未満である媒体
に、血小板含有溶液を通すことからなる上記第44項又
は第45項に記載の方法。
47.媒体の嵩密度が約0.19ないし約0.43グラム/ccの範
囲である、上記第46項に記載の方法。
48.繊維状媒体を通って血液又は血液成分を通過させる
前に、血液又は血液成分を、少なくとも1つの予備濾過
層を通過させる上記第38項〜第47項のいずれかに記
載の方法。
49.負のゼータ電位を有する多孔質媒体を含む上記第1
項〜第37項のいずれかに記載の装置。
50.血液又は血液成分を、負のゼータ電位を有する多孔
質媒体を通過させる上記第38項〜第48項のいずれか
に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による好ましい低減装置の断面図であ
る。 第2図は第1図に示す低減装置の入口区域の内面の立面
図である。 第3図は第1図に示す低減装置の出口区域の内面の立面
図である。 第4図は第3図に示す出口区域の断面図である。 第5図は本発明の好ましい形態のフィルターに通した後
の回収された血小板のパーセントと、フィルター媒体を
作るのに用いたポリブチレンテレフタレート繊維を表面
変性するのに用いたグラフト溶液中のメタクリル酸モノ
マー(MAA)とヒドロキシエチルメタクリレートモノ
マー(HEMA)との比との関係を表わすグラフであ
る。 第6図はMAA:HEMA重量比が0.19:1であると
き、血晶板回収率とググラフト溶液中のHEMAのパーセン
トとの関係を示すグラフである。 第7図は0.43%のHEMAを種々の割合のMAAととも
に含むベース溶液で放射線グラフトすることにより変性
された繊維状媒体の0.7cm高のカラムに染料、サフラニ
ンOの水溶液を1分間当り0.38cmで通したときの、吸着
された染料水溶液(2.5μmの平均直径の繊維1グラム
当りの0.012%水溶液立方センチメートルで表わされ
る)と、MAAの割合との関係を示すグラフである。 第8図は0.43重量%のHEMAに対するグラフト溶液中
のMAAの割合と、6,8,および10の相当単位の血小
板を本発明のフィルターに通したときの血小板の平均回
収率との関係を示すグラフである。 第9図は0.43重量%のHEMAを種々の割合のMAAと
ともに含む溶液で放射線グラフトされた繊維からなる本
発明のフィルターに血小板濃縮液を通したときの血小板
回収率と、血小板回収試験で用いたものと同じフィルタ
ーの0.7cm高のカラムに1分間当り0.38cmで通したとき
の、色の破過前に通過した0.12%サフラニンO溶液の体
積(2.5μm直径の繊維1グラム当り溶液立方センチメ
ートルで表わされる)との関係を示すグラフである。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CWSTが少なくとも90ダイン/cmである
    多孔質繊維状媒体からなる、血小板濃縮液の白血球含量
    を減少させる装置。
  2. 【請求項2】CWSTが少なくとも90ダイン/cmであっ
    て細孔直経が3.8ないし6マイクロメートルの範囲であ
    る多孔質媒体からなる、血小板濃縮液の白血球含量を減
    少させる装置。
  3. 【請求項3】媒体の嵩密度は0.36グラム/cc以下であ
    る、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 【請求項4】CWSTが少なくとも95ダイン/cmであ
    り、細孔直径が3.8ないし6マイクロメートルであり、
    そして嵩密度が0.36グラム/cc以下である多孔質繊維状
    変性媒体からなり、この媒体の繊維はポリブチレンテレ
    フタレートからなる直径30マイクロメートル以下のもの
    であって、媒体は40平方センチメートル以上の有効流れ
    面積を有し、そしてメタクリル酸/ヒドロキシエチルメ
    タクリレートのモノマー重量比が0.05:1ないし0.35:
    1であるメタクリル酸とヒドロキシエチルメタクリレー
    トとの混合物を用いることにより媒体は変性されてい
    る、血小板濃縮液中の白血球含量を減少させる装置。
  5. 【請求項5】CWSTが少なくとも90ダイン/cmである
    多孔質繊維状媒体からなる、血小板含有溶液の白血球含
    量を減少させる装置。
  6. 【請求項6】CWSTが少なくとも90ダイン/cmである
    多孔質繊維状媒体からなる、血液又は血液製剤の処理装
    置。
  7. 【請求項7】有効流れ面積が約6平方センチメートルを
    越える、請求項5又は6に記載の装置。
  8. 【請求項8】媒体の嵩密度が約0.43グラム/cc未満であ
    る請求項5又は6に記載の装置。
  9. 【請求項9】媒体の繊維は、ヒドロキシル基をこれより
    少ない数の第二のアニオン基とともに示すように変性さ
    れている、請求項1、2、5又は6に記載の装置。
  10. 【請求項10】ハウジング内へ集成する前に多孔質繊維
    状媒体は予備形成されて制御された細孔直径の予備形成
    エレメントを形成している、血小板含有溶液の白血球を
    減少させる装置。
  11. 【請求項11】流体の流れる方向における繊維状媒体の
    上流側に少なくとも一つの予備濾過層を有する請求項1
    〜10のいずれかに記載の装置。
  12. 【請求項12】負のゼータ電位を有する多孔質媒体を含
    む請求項1〜11のいずれかに記載の装置。
  13. 【請求項13】血小板濃縮液を請求項1〜12のいずれ
    かに記載の装置に通すことからなる、血小板濃縮液中の
    白血球含量を減少させる方法。
  14. 【請求項14】血小板濃縮液をCWSTが少なくとも90ダイ
    ン/cmの多孔質媒体に通すことからなる、血小板濃縮液
    中の白血球含量を減少させる方法。
  15. 【請求項15】血小板濃縮液を表面張力90ダイン/cmの
    液体で自発的に湿潤する多孔質媒体に通すことからな
    る、血小板濃縮液中の白血球含量を減少させる方法。
  16. 【請求項16】CWSTが少なくとも95ダイン/cmであり、
    細孔直径が3.8ないし6マイクロメートルの範囲であり
    そして嵩密度が0.36グラム/cc以下である多孔質繊維状
    変性媒体であって、この媒体の繊維はポリブチレンテレ
    フタレートからなりかつ直径は30マイクロメートル以下
    であり、媒体の有効流れ面積は40平方センチメートル以
    上でありそしてメタクリル酸/ヒドロキシエチルアクリ
    レートのモノマー重量比が0.05:1ないし0.35:1のメ
    タクリル酸とヒドロキシエチルメタクリレートとの混合
    物を使用することにより変性が行われている装置へ血小
    板濃縮液を送ることからなる、血小板濃縮液中の白血球
    含量を減少させる方法。
  17. 【請求項17】繊維に吸着されるカチオン系化合物の水
    溶液の量を測定することからなる、白血球減少用繊維状
    フィルターの製造に用いるグラフト化工程を経済的に制
    御する方法。
  18. 【請求項18】CWSTが少なくとも90ダイン/cmである多
    孔質繊維状媒体に血液または血液成分を通すことからな
    る血液または血液成分の処理方法。
  19. 【請求項19】多孔質媒体に血小板含有溶液を通すこと
    からなる請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】有効流れ面積が約6平方センチメートル
    を越える媒体に、血小板含有溶液を通すことからなる請
    求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】媒体の嵩密度が約0.43グラム/cc未満で
    ある媒体に、血小板含有溶液を通すことからなる請求項
    19または20に記載の方法。
  22. 【請求項22】媒体の嵩密度が約0.19ないし約0.43グラ
    ム/ccの範囲である、請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】繊維状媒体を通って血液又は血液成分を
    通過させる前に、血液又は血液成分を、少なくとも一つ
    の予備濾過層を通過させる請求項13〜22のいずれか
    に記載の方法。
  24. 【請求項24】血液又は血液成分を、負のゼータ電位を
    有する多孔質媒体を通過させる請求項13〜23のいず
    れかに記載の方法。
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